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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024021795
(43)【公開日】2024-02-16
(54)【発明の名称】RO用流路材
(51)【国際特許分類】
   B01D 63/00 20060101AFI20240208BHJP
   D04B 1/00 20060101ALI20240208BHJP
   D04B 1/16 20060101ALI20240208BHJP
   D02G 3/36 20060101ALI20240208BHJP
   D01F 8/14 20060101ALI20240208BHJP
【FI】
B01D63/00 510
D04B1/00 B
D04B1/16
D02G3/36
D01F8/14 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022124883
(22)【出願日】2022-08-04
(71)【出願人】
【識別番号】000003159
【氏名又は名称】東レ株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】597052053
【氏名又は名称】ミツカワ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】堀内 篤
(72)【発明者】
【氏名】大森 聖
(72)【発明者】
【氏名】立石 洋三
(72)【発明者】
【氏名】笹川 謙太
(72)【発明者】
【氏名】清水 敬互
(72)【発明者】
【氏名】小林 智
【テーマコード(参考)】
4D006
4L002
4L036
4L041
【Fターム(参考)】
4D006GA03
4D006JA05A
4D006JA06A
4D006JA06B
4D006JA06C
4D006MA03
4L002AA07
4L002AB02
4L002AB04
4L002AB05
4L002AC05
4L002AC07
4L002BA02
4L002BB01
4L002DA01
4L002EA00
4L002FA06
4L036MA05
4L036MA15
4L036MA34
4L036MA40
4L036UA25
4L041BA02
4L041BA05
4L041BA21
4L041CA05
4L041CA10
4L041DD05
(57)【要約】
【課題】経編や丸編シングルニットより多くの流路(スペース)を有するRO用流路材を確保・提供する。
【解決手段】本発明のRO用流路材は、ダブルニット丸編生地を用いてなる。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダブルニット丸編生地を用いたRO用流路材。
【請求項2】
下記式で算出した空間率が55%以上90%以内である請求項1に記載のRO用流路材。
空間率=(1-ダブルニット丸編生地の1cm当たりの体積量)×100
1cm当たりの体積量は、1cmのダブルニット丸編生地の総重量を使用する樹脂繊維の比重で割った値である。
【請求項3】
厚さが100~400μmである請求項1または2に記載のRO用流路材。
【請求項4】
前記ダブルニット丸編生地の組織は、スムース(インターロック)、モックロディー、ポンチローマ、フライス(ワンバイワンリブ)、またはミラノリブである請求項1または2に記載のRO用流路材。
【請求項5】
前記ダブルニット丸編生地を構成する編糸が合成繊維である請求項1または2に記載のRO用流路材。
【請求項6】
前記合成繊維は、高融点成分を芯、低融点成分を鞘とした芯鞘構造糸、高融点成分糸と低融点成分糸とを用いた混繊糸、または交編糸であることを特徴とする請求項5に記載のRO用流路材。
【請求項7】
前記合成繊維がポリエステルである請求項5に記載のRO用流路材。
【請求項8】
前記ポリエステル繊維の総繊度が10~180Dtexである請求項7に記載のRO用流路材。
【請求項9】
ウェール密度(幅方向の編目数)が35/2.54cm以上、80/2.54cm以下である請求項1または2に記載のRO用流路材。
【請求項10】
前記ダブルニット丸編生地を熱セットしてなる請求項6に記載のRO用流路材。
【請求項11】
請求項1~10のいずれかに記載のRO用流路材を内蔵したROモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダブルニット丸編生地を使用したRO用流路材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ROモジュールの流路材は経編地が中心であった。
近年、水不足背景としたROモジュールの需要増により、流路材もより効率的な生産によるコストダウンが求められている。経編地の製編には経糸を数百本準備する必要があるが、丸編ならば数十本の糸があれば編成でき、経編地と同様の流路材としての機能を有する丸編を開発できれば、大きな生産性向上に結び付く。
ただし、丸編地は経編地よりタテヨコ方向への生地の自由度が高いため密度や厚みのコントロールが難しいことから流路材へ展開する発想があまりなかった。
また、RO用流路材の開発を進める中で、空間の確保は丸編の方が経編より優れることが分かってきた。経編は流路(空間スペース)が溝部分に限定されるが、丸編では構造上山部(畝)の中にも空間スペースが存在し、空間が経編より多く確保できる為である。
したがって、丸編の流路材開発は、経編の流路材を使用した場合より、造水効率UPも見込め、効率的生産と共に出来るだけ安価な「水」を得ることに貢献し、深刻化する水不足への大きな備えになると考えられる。
【0003】
ところで丸編地流路材に関する先行文献として特許文献1がある。特許文献1の流路材は、線状溝部と線状畝部を交互配列することを特徴としており、畝部は流路として考慮されていない。また、シンカー編機(シングルニットの編機)を使用しており、多くの空間を確保するのが難しいという問題がある。
同様に、特許文献2の流路材もシングルニットを使用しており、多くの空間を確保するのが難しい。
丸編シングルニットの畝部を流路として使用することも考えられるが、畝部を流路とする場合、畝の高さを高くする必要があり、単に畝を高くするだけでは高い圧をかけると潰れて流路として使用できない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開2007/114069号
【特許文献2】特開2009-74214号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は上記の従来技術が有していた問題点に鑑み、経編や丸編シングルニットより多くの流路(スペース)を有するRO用流路材を確保・提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる課題を解決するために本発明は、下記のいずれかの構成からなる。
(1)ダブルニット丸編生地を用いたRO用流路材。
(2)下記式で算出した空間率が55%以上90%以下である(1)に記載のRO用流路材。
空間率=(1-ダブルニット丸編生地の1cm当たりの体積量)×100
1cm当たりの体積量は、1cmのダブルニット丸編生地の総重量を使用する樹脂繊維の比重で割った値である。

(3)厚さが100~400μmである(1)または(2)に記載のRO用流路材。
(4)前記ダブルニット丸編生地の組織は、スムース(インターロック)、モックロディー、ポンチローマ、フライス(ワンバイワンリブ)、ミラノリブである前記(1)~(3)のいずれかに記載の丸編地。
(5)前記ダブルニット丸編生地を構成する編糸が合成繊維である前記(1)~(4)のいずれかに記載のRO用流路材。
(6)前記合成繊維は、高融点成分を芯、低融点成分を鞘とした芯鞘構造糸、高融点成分糸と低融点成分糸とを用いた混繊糸、または交編糸であることを特徴とする前記(5)に記載のRO用流路材。
(7)前記合成繊維がポリエステルである前記(5)または(6)に記載のRO用流路材。
(8)前記ポリエステル繊維の総繊度が10~180dtexである前記(7)に記載の丸編地。
(9)ウェール(幅方向の編目数)密度が35~80/2.54cmである(1)~(8)に記載のRO用流路材。
(10)前記ダブルニット丸編生地を熱セットしてなる(1)~(9)のいずれかに記載のRO用流路材。
(11)前記(1)~(10)のRO用流路材を内蔵したROモジュール。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、経編や丸編シングルニットより多くの流路を有するRO用流路材が確保・提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本発明のRO用流路材の平面概略図である。
図2図2は、図1のRO用流路材の側面拡大図である。
図3図3は、図1のRO用流路材を使用したROエレメントの概略図である。
図4図4は、従来の丸編シングルニット流路材を使用したROエレメントの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明に係るRO(逆浸透膜)用流路材は、ダブルニット丸編生地からなる。図1は、本発明のRO用流路材1の平面概略図、図2は、RO用流路材1の側面拡大図である。RO用流路材1は、地組織10の両面に柱状の突部11a、11bが規則的に突出する構造を有する。本発明のRO用流路材1は、ダブルニット丸編生地であるため、地組織10の片面から突部11aが突出し、他方の面から突部11bが突出する構造を有している。図3は、図1のRO用流路材1を使用したROエレメント100の概略図である。ROエレメント100は、RO用流路材1を両側から逆浸透膜20で挟み込んだ構造を有している。RO用流路材1は、両面にそれぞれ突部11a、11bを有し、地組織10の両側の突部11a、11b以外の空間をそれぞれ流路として使用することができる。
【0010】
図4は、従来の丸編シングルニット流路材を使用したROエレメント100Aの概略図である。丸網シングルニット流路材は、地組織10Aの片面に線状の山部11Aが複数突出する構造を有する。経編の流路材を使用したROエレメントの構造もROエレメント100Aと略同様の構造を有する。編地として丸編シングルニットまたは経編を使用した場合、高い空間率を得ようとすると、山部11Aの高さを高くするか、山部11Aの間隔を大きくすることが考えられる。しかしながら、単に山部11Aの高さを高く、または山部11Aの間隔を大きくすると、耐圧性が不足することが考えられる。また、経編および丸編シングルニットは片面のみに山部11Aが形成される構造であり、逆浸透膜を山部11Aで線状に支え流路も主に山部11Aの間の溝部分に限定されるのに対し、本発明で使用するダブルニット丸編生地は両面に突部11a、11bが形成される構造で、逆浸透膜を突出部11a、11bの頂点で支えているため、より流路空間を確保しやすく、かつ突出部11a間(または11b間)の距離を適切に設計することで逆浸透膜の落ち込みを防止するとともに造水量をさらに増やすことができる。さらに、丸編シングルニットでは構造的に厚みが出ないために流路空間を作り難く、ダブルニット丸編生地と同じ厚みを出すためには、繊度を上げる必要があるが、繊度を上げると目が緻密にならず、目開きして、逆浸透膜の落ち込みなどに不具合が出ることが懸念される。その他、ダブルニット丸編生地の場合、シングルニット生地よりカールしにくい、引張引裂強度が出る、空間率が上がるというメリットがある。特に、空間率を上げることは、同じ厚みでより多くの流水量を狙えるといえる。
【0011】
本発明のRO用流路材は、空間率が55%以上90%以下であることが好ましい。空間率が55%未満では確保すべき流路(スペース)が不十分となる場合があるほか、90%を越えると編地の強度が保ちにくくなるためである。なお、空間率は下記式により算出した数値である。
空間率=(1-ダブルニット丸編生地の1cm当たりの体積量)×100
1cm当たりの体積量は、1cmのダブルニット丸編生地の総重量を使用する樹脂繊維の比重で割った値である。
【0012】
本発明のRO用流路材の厚さは、100~400μmが望ましい。薄すぎると流路材としての耐圧性が不足し、厚すぎてもROモジュールに組み込みにくくなるためである。
【0013】
本発明のRO用流路材に使用するダブルニット丸編生地の組織としては、スムース(インターロックともいう)、モックロディー、ポンチローマ、フライス(ワンバイワンリブともいう)、ミラノリブ等のいずれでもよい。
本発明のRO用流路材に使用するダブルニット丸編生地を構成する編糸は、合成繊維が望ましい。その理由は合成繊維の多くが非水溶性であるからである。
【0014】
本発明のダブルニット丸編生地を構成する繊維としては、ナイロン6やナイロン66等のポリアミド繊維、ポリエステル繊維、ポリアクリロニトリル繊維、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリ乳酸等の生分解性樹脂を用いた繊維が挙げられるが、編成工程や後加工工程等の製造工程で糸切れなど生じることのない十分な強度を有し、かつ抽出時に成分の溶出が少ないことからポリエステル繊維が好適に用いられる。ポリエステル繊維としては、基本的に多価カルボン酸とポリアルコールの重縮合体であって、具体的にはポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリヒドロキシブチレート、ポリカプロラクトン、ポリ乳酸、ポリブチレンサクシネートなどが挙げられるがこれらのポリエステルに限定されない。また、単繊維単位の断面形状も規定されるものではなく、丸形、三角、八葉、扁平、Y型に代表される様々な異形断面糸も使用できる。さらに、種類の異なる、例えば粘度の異なるポリマーからなる芯鞘またはサイドバイサイド型の複合糸や混繊糸についても使用できる。また、これらの原糸に仮撚加工を施した仮撚加工糸を用いても良い。
【0015】
前記合成繊維においては、高融点成分を芯、低融点成分を鞘とした芯鞘構造糸とするか、高融点成分糸と低融点成分糸とを用いて混繊するか、交編することが望ましい。その理由は、編成後に熱セットして低融点成分を一度溶かし高融点成分間に浸透させ冷えて固まった際にモノフィラメント状になし、布帛に剛性を持たせることが出来て、RO稼働圧力で潰れにくくし、安定的に流路を確保するためである。
【0016】
ダブルニット丸編生地に使用する編糸の総繊度は10~180Dtexであることが望ましい。10Dtex未満では編地の強度を保持するのが難しく、180Dtexを越えると流路の確保が難しくなるためである。編糸の総繊度はさらに20~90Dtexであることが好ましく、30~80Dtexがより好ましい。編糸は、マルチフィラメントであることが好ましく、経糸または緯糸の一部をナノフィラメントに置き換えて使用してもよい。
【0017】
ダブルニット丸編生地のウェール密度は35/2.54cm以上、80/2.54cm以下であることが望ましい。ウェール密度が35/2.54cm未満では、RO用流路材が疎になりすぎて編地の強度が保ちにくくなるほか、逆浸透膜を支える突部のピッチが広くなり、逆浸透膜の落ち込みが懸念されること、一方でウェール密度が80/2.54cmを越える場合、編糸が細くなり生地が薄くなるので、同様に編地の強度を保ちにくくなるためである。
また、コース密度は、25/2.54cm以上、65/2.54cm以下であることが望ましい。
本発明のRO用流路材は、RO膜とメッシュなどの供給水側の流路材とともに重ね、丸めた状態で円筒状のケースに内蔵することでROモジュールとすることができる。RO膜にかかる水圧を膜の透過側から支え、濾過した液体を流すための多くの流路スペースを有し、十分な流水量が得られるROモジュールとして用いることができる。
【実施例0018】
次に本発明の実施例および比較例を詳細に説明するが、本発明はこれらによってなんら制限されるものではない。なお、各測定項目は下記の方法で測定、評価した。
(1)ウェール、コース:デンシメーターで測定した。
(2)肉厚:マイクロメーターで測定した。
(3)重量:電子ばかりで測定した。
(4)空間率:
空間率=(1-ダブルニット丸編生地の1cm体積当たりの体積量)×100
1cm当たりの体積量は、1cmのダブルニット丸編生地の総重量を使用する樹脂繊維の比重で割った値である。
(5)透過水量:RO膜(標準測定時Flux=1.3m/m/d, Nacl rej.=99.6%)と原水側流路材メッシュ、本発明の透過側流路材を重ね、円筒状に丸めて直径が50mm、長さ300mmのROモジュールを作成し、事前に逆浸透膜でろ過した25℃の浄水を用いて一定運転圧力下のFlux(m/(m・d))を測定した。
(6)RO膜の落ち込み評価
流水試験においてRO膜の落ち込みが少ないものを○、落ち込みが多いものを×とした。
【0019】
[実施例1]
56Tの芯:高融点ポリエステル(融点:255℃)、鞘:低融点ポリエステル(融点:229℃)のポリエステルフィラメントを42ゲージのスムース(インターロック)組織で編成して245℃で熱セットし、コース43.5本/2.54cm、ウェール65本/2.54cm、肉厚208μm、空間率63.4%のダブルニット丸編生地を得た。このダブルニット丸編生地をRO流路材として、RO膜とメッシュ状の供給水側流路材とともに円筒状のケースに組み込んだROモジュールは、組立後の流水試験でRO膜にかかる水圧を膜の透過側から十分に支え、流水試験後の断面観察でRO膜の落ち込みも少なく流路スペースが確保され、運転圧力8MPa下で透過水量4.8(m/(m・d))の豊富な流水量を得ることが出来た。
【0020】
[実施例2]
22Tの低融点(融点:229℃)のみのポリエステルフィラメントと、22Tの高融点(融点:255℃)のみのポリエステルフィラメントを2本合わせて40ゲージのモックロディ組織で編成して245℃で熱セットし、コース65本/2.54cm、ウェール59本/2.54cm、肉厚195μm、空間率70.4%のダブルニット丸編生地を得た。このダブルニット丸編生地を組み込んだROモジュールは、組立後の流水試験でRO膜の落ち込みも少なく流路スペースが確保され、運転圧力8MPa化で透過水量4.7(m/(m・d))の豊富な流水量を得ることが出来た。
【0021】
[実施例3]
56Tの芯:高融点(融点:255℃)、鞘:低融点(融点:229℃)のポリエステルフィラメントで40ゲージのスムース(インターロック組織)を編成して245℃でセットし、コース47本/2.54cm、ウェール65本/2.54cm、肉厚214μm、空間率63.6%のダブルニット丸編生地を得た。このダブルニット丸編生地を組み込んだROモジュールは、組立後の流水試験でRO膜の落ち込みも少なく、運転圧力8MPa化で透過水量4.8(m/(m・d))の豊富な流水量を得ることが出来た。
【0022】
[比較例1]
56Tの芯:高融点(融点:255℃)、鞘:低融点(融点:229℃のポリエステルフィラメントで36ゲージのトリコット組織で編成、245℃でセットし、コース53本/2.54cm、ウェール59本/2.54cm、肉厚203μm、空間率48.1%の経編生地を得た。この経編生地を組み込んだROモジュールは、組立後流水試験でRO膜の落ち込みは少なかったが、空間率が不足し流水量は運転圧力8MPa化で透過水量3.1(m/(m・d))であり、実施例1~3よりやや足らなかった。
【0023】
[比較例2]
56Tの芯:高融点(融点:255℃)、鞘:低融点(融点:229℃)のポリエステルフィラメントで46ゲージの天竺組織を編成して245℃でセットし、コース110本/2.54cm、ウェール65本/2.54cm、肉厚150μm、空間率60.3%のシングルニット丸編生地を得た。このシングルニット丸編生地を組み込んだROモジュールは、組立後の流水試験でRO膜の落ち込みが多く、流水量は運転圧力8MPa化で透過水量3.2(m/(m・d))であり、実施例1~3よりやや足らなかった。
【0024】
[比較例3]
110Tの芯:高融点(融点:255℃)、鞘:低融点(融点:229℃)のポリエステルフィラメントで46ゲージの天竺組織を編成して245℃でセットし、コース72本/2.54cm、ウェール65本/2.54cm、肉厚222μm、空間率52.6%のシングルニット丸編生地を得た。このシングルニット丸編生地を組み込んだROモジュールは、組立後の流水試験でRO膜の落ち込みが多く、空間率も不足し流水量は運転圧力8MPa化で透過水量2.0(m/(m・d))であり、実施例1~3より足らなかった。
【0025】
上で説明した実施例および比較例の構成および結果を表1にまとめた。
【表1】
【符号の説明】
【0026】
1 RO用流路材
10、10A 地組織
11a、11b 突部
11A 山部
20 逆浸透膜
100、100A ROエレメント
図1
図2
図3
図4