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特開2024-21802光モジュール及び光モジュールの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024021802
(43)【公開日】2024-02-16
(54)【発明の名称】光モジュール及び光モジュールの製造方法
(51)【国際特許分類】
   G02B 6/42 20060101AFI20240208BHJP
【FI】
G02B6/42
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022124893
(22)【出願日】2022-08-04
(71)【出願人】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100136722
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼木 邦夫
(74)【代理人】
【識別番号】100174399
【弁理士】
【氏名又は名称】寺澤 正太郎
(72)【発明者】
【氏名】島田 健作
(72)【発明者】
【氏名】井上 武
(72)【発明者】
【氏名】長崎 泰介
(72)【発明者】
【氏名】横地 寿久
【テーマコード(参考)】
2H137
【Fターム(参考)】
2H137AB05
2H137AB06
2H137AC05
2H137BA15
2H137BB02
2H137BB12
2H137BB25
2H137BB33
2H137BC07
2H137BC51
2H137CB02
2H137CB03
2H137CB04
2H137CB26
2H137CB32
2H137CB34
2H137CB35
2H137CC01
2H137CD13
2H137CD18
2H137CD33
2H137CD45
2H137DA13
2H137EA04
(57)【要約】
【課題】接続損失の増加を抑制した光モジュールを提供する。
【解決手段】光モジュールは、光学部品と、主面を有し、光学部品が実装される基板と、基板の主面上に設けられ、光学部品を実装するように構成された実装部と、基板の主面上であって実装部から離れた位置に設けられ、光学部品の実装高さを測定する際の高さ基準となる基準点を含む、少なくとも1つの測定基準部と、を備える。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学部品と、
主面を有し、前記光学部品が実装される基板と、
前記基板の前記主面上に設けられ、前記光学部品を実装するように構成された実装部と、
前記基板の前記主面上であって前記実装部から離れた位置に設けられ、前記光学部品の実装高さを測定する際の高さ基準となる基準点を含む、少なくとも1つの測定基準部と、
を備える、光モジュール。
【請求項2】
前記実装部は、前記光学部品がその上に実装される実装面を有し、
前記測定基準部は、前記基準点を含む基準面を有し、
前記実装面と前記基準面とは、前記基板の厚み方向において所定の位置関係を有する、
請求項1に記載の光モジュール。
【請求項3】
前記実装面と前記基準面とは、前記基板の厚み方向において前記実装面と前記基準面とが同じ高さである位置関係を有する、
請求項2に記載の光モジュール。
【請求項4】
前記実装部は、前記基板の前記主面上に形成された第1金属箔層と、前記第1金属箔層上に形成された第1金属メッキ層とを有し、
前記測定基準部は、前記基板の前記主面上に形成された第2金属箔層と、前記第2金属箔層上に形成された第2金属メッキ層とを有し、
前記第1金属メッキ層の表面は、前記実装面を含み、
前記第2金属メッキ層の表面は、前記基準面を含む、
請求項2または請求項3に記載の光モジュール。
【請求項5】
前記少なくとも1つの測定基準部は、複数の測定基準部を含み、
前記複数の測定基準部は、前記基板の前記主面上において、前記実装部を取り囲むように配置されている、
請求項1または請求項2に記載の光モジュール。
【請求項6】
前記基板の前記主面上であって前記実装部と前記測定基準部との間を埋めるように形成されたソルダーレジスト層を更に備え、
前記ソルダーレジスト層には、前記実装部と前記測定基準部との間を隔てる溝が形成されている、
請求項1または請求項2に記載の光モジュール。
【請求項7】
前記測定基準部は、前記基板の前記主面に対して垂直な方向から視た場合、円形形状を呈し、
前記溝は、前記測定基準部を取り囲むように形成されている、
請求項6に記載の光モジュール。
【請求項8】
前記光学部品は、前記主面と平行な面上において第1方向に延在する光軸をそれぞれが有する複数の光入出射部を有し、前記複数の光入出射部は、前記主面と平行な前記面上において前記第1方向と交差する第2方向に沿って配置されている、
請求項1または請求項2に記載の光モジュール。
【請求項9】
光学部品及び基板を準備する工程と、
前記基板の主面上に、前記光学部品を実装するための実装部を形成する工程と、
前記基板の前記主面上であって前記実装部から離れる位置に、前記光学部品の実装高さを測定する際の高さ基準となる基準点を含む少なくとも1つの測定基準部を形成する工程と、
前記実装部上に前記光学部品を実装すると共に、前記測定基準部の高さを前記高さ基準として前記光学部品の高さを調整する工程と、
を備える、光モジュールの製造方法。
【請求項10】
前記実装部を形成する工程では、前記基板の前記主面上に第1金属箔層を形成すると共に、前記第1金属箔層上に第1金属メッキ層を形成し、
前記測定基準部を形成する工程では、前記基板の前記主面上に第2金属箔層を形成すると共に、前記第2金属箔層上に第2金属メッキ層を形成し、
前記第1金属箔層と前記第2金属箔層とは、同じ工程で形成され、
前記第1金属メッキ層と前記第2金属メッキ層とは、同じ工程で形成される、
請求項9に記載の光モジュールの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、光モジュール及び光モジュールの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、光電変換素子が取り付けられた基板と、基板上に配置されたレンズ部品とを備える光部品が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-82508号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された光モジュールでは、光電変換素子を覆うようにレンズ部品等の光学部品が基板に実装される。この光学部品は、他の光モジュールに光学的に接続されるため、実装される際の高さ位置や傾きを高精度で調整する必要がある。この場合、基板の上面部分を基準として光学部品の高さ位置や傾きを調整することになり、基板の上面部分において厚みが均一な光学部品の実装領域(例えば金メッキにより形成)を基準点として用いることが考えられる。しかしながら、実装領域を基準点として用いると、光学部品を基板に配置した後に実装領域を基準点として用いることができず、光学部品の高さ位置や傾きを高精度で調整することが難しくなる。このため、光学部品の実装精度が十分でない光モジュールとなり、他の光モジュールに接続した際の接続損失が増加することがある。
【0005】
本開示は、接続損失の増加を抑制することができる、光モジュール及び光モジュールの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、一側面として、光学部品と、主面を有し、光学部品が実装される基板と、基板の主面上に設けられ、光学部品を実装するように構成された実装部と、基板の主面上であって実装部から離れた位置に設けられ、光学部品の実装高さを測定する際の高さ基準となる基準点を含む、少なくとも1つの測定基準部と、を備える、光モジュールに関する。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、接続損失の増加を抑制した光モジュールを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、一実施形態に係る光モジュールを示す斜視図である。
図2図2は、図1に示す光モジュールの分解斜視図である。
図3図3は、光モジュールにおける第2レンズモジュールを搭載した基板を上方から視た上面図である。
図4図4は、図3に示す基板を上方から視た上面図である。
図5図5は、図4に示す基板の断面図である。
図6図6は、光モジュールにおける第2レンズモジュールの実装高さを調整する際の断面図である。
図7図7は、図4に示す基板上における溝の変形例を示す上面図であり、(a)部は、溝が直線形状である例を示す図であり、(b)部は、溝が実装部を取り囲う長方形形状である例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[本開示の実施形態の説明]
最初に、本開示の実施形態の内容を列記して説明する。
[1]本開示の一実施形態に係る光モジュールは、光学部品と、主面を有し、光学部品が実装される基板と、基板の主面上に設けられ、光学部品を実装するように構成された実装部と、基板の主面上であって実装部から離れた位置に設けられ、光学部品の実装高さを測定する際の高さ基準となる基準点を含む、少なくとも1つの測定基準部と、を備える。
【0010】
この光モジュールでは、基板の主面において、光学部品が実装される実装部とは別に、光学部品の実装高さを測定する際の高さ基準となる基準点を含む測定基準部が設けられている。この場合、基板に光学部品を配置する際に測定基準部を用いて光学部品の高さ位置を高精度で調整して、実装精度の高い光モジュールとすることができる。これにより、この光モジュールによれば、光学部品を他の光学部品に接続した際の接続損失の増加を抑制することができる。
【0011】
[2]上記[1]の光モジュールにおいて、実装部は、光学部品がその上に実装される実装面を有し、測定基準部は、基準点を含む基準面を有し、実装面と基準面とは、基板の厚み方向において所定の位置関係を有していてもよい。この場合、実装面と基準面とが予め定めた所定の位置関係(例えば高さ関係)を有していることから、実装面に実装する光学部品の実装高さを、基準面に含まれる基準点を基準として高精度に調整することができる。これにより、この光モジュールによれば、より確実に接続損失の増加を抑制することができる。
【0012】
[3]上記[2]の光モジュールにおいて、実装面と基準面とは、基板の厚み方向において実装面と基準面とが同じ高さである位置関係を有していてもよい。この場合、基板の厚み方向における実装面と基準面との高さの差を考慮することなく、実装面に実装する光学部品の実装高さを、基準面に含まれる基準点を基準として高精度に調整することができる。これにより、この光モジュールによれば、より確実に接続損失の増加を抑制することができる。なお、ここでいう「実装面と基準面とが同じ高さである」とは、実装部又は測定基準部の厚みを100%とした場合において、実装面の高さと基準面の高さとの基板の厚み方向のずれが5%以内であることを意味する。
【0013】
[4]上記[2]又は[3]の光モジュールにおいて、実装部は、基板の主面上に形成された第1金属箔層と、第1金属箔層上に形成された第1金属メッキ層とを有し、測定基準部は、基板の主面上に形成された第2金属箔層と、第2金属箔層上に形成された第2金属メッキ層とを有し、第1金属メッキ層の表面は、実装面を含み、第2金属メッキ層の表面は、基準面を含んでいてもよい。この場合、実装部の厚み及び測定基準部の厚みをより確実に精度よく調整し、実装部に実装する光学部品の実装高さを測定基準部を基準として高精度に調整することができる。これにより、この光モジュールによれば、より確実に接続損失の増加を抑制することができる。
【0014】
[5]上記[1]から[4]のいずれかの光モジュールにおいて、少なくとも1つの測定基準部は、複数の測定基準部を含み、複数の測定基準部は、基板の主面上において、実装部を取り囲むように配置されていてもよい。この場合、実装部を取り囲むように複数の測定基準部が設けられていることから、基板に光学部品を配置した後に光学部品の高さ位置だけでなく、その傾きも高精度で調整することができ、実装精度がより高い光モジュールとすることができる。これにより、この光モジュールによれば、接続損失の増加を更に抑制することができる。
【0015】
[6]上記[1]から[5]のいずれかの光モジュールにおいて、基板の主面上であって実装部と測定基準部との間を埋めるように形成されたソルダーレジスト層を更に備え、ソルダーレジスト層には、実装部と測定基準部との間を隔てる溝が形成されていてもよい。この場合、実装部に配置した光学部品を接着剤を用いて固定する際に、余分な接着剤が溝に流れ込むことで、余分な接着剤が測定基準部に到達することを防ぐことができる。したがって、実装部に実装する光学部品の実装高さを、測定基準部を基準としてより確実に高精度に調整することができる。これにより、この光モジュールによれば、より確実に接続損失の増加を抑制することができる。
【0016】
[7]上記[1]から[6]のいずれかの光モジュールにおいて、測定基準部は、基板の主面に対して垂直な方向から視た場合、円形形状を呈し、溝は、測定基準部を取り囲むように形成されていてもよい。この場合、円形形状のレーザー光を発するレーザー測定器を用いて光学部品の実装高さを調整する場合、測定基準部の面積をレーザー光の断面積に近づけやすい。したがって、この光モジュールによれば、測定基準部を小型化しやくなるため、モジュール全体を小型化することが可能となる。また、測定基準部の周囲が溝に取り囲まれることから、接着剤が測定基準部に到達することをより確実に防ぐことができる。したがって、この光モジュールによれば、接続損失の増加を抑制しつつモジュールを小型化することが可能となる。
【0017】
[8]上記[1]から[7]のいずれかの光モジュールでは、光学部品は、主面と平行な面上において第1方向に延在する光軸をそれぞれが有する複数の光入出射部を有してもよく、複数の光入出射部は、主面と平行な面上において第1方向と交差する第2方向に沿って配置されていてもよい。この場合、第1方向に延在する光軸を有する他の光学部品とこの光学部品との間の光軸が一致するように、光学部品と他の光学部品とを容易に接続することができる。したがって、この光モジュールによれば、光学部品と他の光学部品とが接続した際の接続損失の増加を容易に抑制することができる。
【0018】
[9]本開示の一実施形態に係る光モジュールの製造方法は、光学部品及び基板を準備する工程と、基板の主面上に、光学部品を実装するための実装部を形成する工程と、基板の主面上であって実装部から離れる位置に、光学部品の実装高さを測定する際の高さ基準となる基準点を含む少なくとも1つの測定基準部を形成する工程と、実装部上に光学部品を配置すると共に、測定基準部の高さを高さ基準として光学部品の高さを調整する工程と、を備える。この場合、光学部品が実装される実装部とは別に設けた測定基準部を設けて光学部品の高さを調整することができる。よって、この光モジュールの製造方法によれば、基板に光学部品を配置する際に光学部品の高さ位置を高精度で調整して、実装精度の高い光モジュールとすることができる。
【0019】
[10]上記[9]の光モジュールの製造方法では、実装部を形成する工程では、基板の主面上に第1金属箔層を形成すると共に、第1金属箔層上に第1金属メッキ層を形成し、測定基準部を形成する工程では、基板の主面上に第2金属箔層を形成すると共に、第2金属箔層上に第2金属メッキ層を形成し、第1金属箔層と第2金属箔層とは、同じ工程で形成され、第1金属メッキ層と第2金属メッキ層とは、同じ工程で形成されてもよい。この場合、実装部と測定基準部とを同じ工程を経て形成することができ、実装部と測定基準部との高さをより確実に同一に調整しやすい。これにより、実装部に実装される光学部品の実装高さをより容易に調整することが可能となる。
【0020】
[本開示の実施形態の詳細]
本開示に係る光モジュール及び光モジュールの製造方法の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0021】
図1は、一実施形態に係る光モジュールを示す斜視図である。図1に示すように、光モジュール1は、複数本の光ファイバ2(図2を参照)を含むケーブル3と、ケーブル3の先端に取り付けられたコネクタモジュール4とを備えている。コネクタモジュール4は、長手方向X(X方向とも称す)に沿って延びるコネクタであり、X方向において前端4a及び後端4bを有する。後端4bは、前端4aのX方向の反対側に位置する。コネクタモジュール4は、前端4aに電気的なコネクタを有し、後端4bにケーブル3が接続され、後端4bからコネクタモジュール4内にケーブル3の光ファイバ2が挿入される。以下の説明では、コネクタモジュール4の幅方向をY方向と称し、コネクタモジュール4の高さ方向をZ方向と称する。なお、Z方向は、X方向及びY方向に直交する。
【0022】
図2は、図1に示す光モジュール1の分解斜視図である。図1及び図2に示すように、光モジュール1では、コネクタモジュール4は、第1レンズモジュール5、第2レンズモジュール6(光学部品)、基板7、嵌合用ばね8、金属部材9、プラグ10、金属筐体11、樹脂筐体12、及びフロントキャップ13を備えている。
【0023】
第1レンズモジュール5は、ケーブル3を構成する複数の光ファイバ2を保持し、第2レンズモジュール6に対してX方向に沿って連結可能な光学部品である。第1レンズモジュール5は、略直方体形状を呈する樹脂製部材である。第1レンズモジュール5は、X方向に対して垂直な前端面5aと一対のガイド穴5bとを有している。第1レンズモジュール5は、第1レンズモジュール5の後端面(不図示)から挿入されたケーブル3の各光ファイバ2の先端が前端面5aから露出するように構成されている。
【0024】
ガイド穴5bは、前端面5aに露出する複数の光ファイバ2を挟み込むように設けられた位置決め用の穴であり、X方向に沿って第1レンズモジュール5内を延在する。第1レンズモジュール5を第2レンズモジュール6に連結する際、第2レンズモジュール6の一対のガイドピン6cが一対のガイド穴5bに挿入されることで、第2レンズモジュール6に対する第1レンズモジュール5の位置決めが行われる。
【0025】
第2レンズモジュール6は、第1レンズモジュール5が保持するケーブル3の複数の光ファイバ2の各先端に光学的に結合されるように構成された光学部品である。第2レンズモジュール6は、基板7に対して、例えば接着剤により固定されることで、実装される。第2レンズモジュール6は、複数の光入出射部6a(図3も参照)と、ミラー面6bと、一対のガイドピン6cとを有する。複数の光入出射部6aのそれぞれは、基板7の主面7a(図5も参照)と平行な面上においてX方向に延在する光軸を有する。複数の光入出射部6aは、主面7aと平行な面上においてX方向と直交するY方向に沿って配置されている。複数の光ファイバ2のそれぞれから出射された光信号は、対応する光入出射部6aから第2レンズモジュール6の内部に入射される。基板7上に発光素子(不図示)が設けられている場合、発光素子から出射された光信号は、ミラー面6bを介して複数の光入出射部6aから出射し、第1レンズモジュール5に保持される光ファイバ2の先端に入射する。
【0026】
ミラー面6bは、X方向及びZ方向に対して略45度の角度を成す反射面である。ミラー面6bは、第1レンズモジュール5に保持される光ファイバ2から出射された光を基板7上に設けられた受光素子(不図示)へ向けて90度反射させるための光学構造である。基板7上に発光素子(不図示)が設けられている場合、ミラー面6bは、発光素子から垂直方向に伝搬する光信号を光ファイバ2に向けて90度反射させる。一対のガイドピン6cが第1レンズモジュール5の一対のガイド穴5bに挿入されることで、第1レンズモジュール5と第2レンズモジュール6との光結合における位置合わせが行われる。
【0027】
基板7は、略矩形の平板形状を有する誘電体基板の表面に金属製の配線パターン(不図示)が形成された部材である。基板7は、金属部材9に保持される。基板7の主面7a(図5も参照)上には、後述する実装部20、測定基準部30、ソルダーレジスト層40、及び、溝50が設けられている。
【0028】
嵌合用ばね8は、第1レンズモジュール5が第2レンズモジュール6に連結された際に第1レンズモジュール5と第2レンズモジュール6との連結状態を維持する部材である。嵌合用ばね8は、第1レンズモジュール5の後端5cと第2レンズモジュール6の後端6dとを挟み込んで互いに押圧することで、連結状態を維持するように構成されている。
【0029】
金属部材9は、ケーブル3と接続され、基板7を保持する部材である。金属部材9は、X方向と垂直な方向に延在する平板部9aと、平板部9aからX方向に延在する一対の支持部9bとを有する。平板部9aには開口が形成されており、当該開口には光ファイバ2が挿通されている。一対の支持部9bにはそれぞれ凹部9cが形成されている。金属部材9は、基板7の後端7bを凹部9cに嵌め込むことで、基板7を保持する。
【0030】
プラグ10は、基板7の前端7cに設けられた複数の端子(不図示)を覆って保護すると共に、別の基板(不図示)に設けられたコネクタに接続される。プラグ10のX方向における後端4b側の挿入口から、基板7の前端7cが挿入されることによって、プラグ10が基板7に取り付けられている。
【0031】
金属筐体11は、筐体上部11a及び筐体下部11bを有する。筐体上部11aと筐体下部11bとによって構成される金属筐体11の内部には、第2レンズモジュール6及び基板7が配置され、保護される。
【0032】
フロントキャップ13は、樹脂筐体12の前側の開口部に嵌め合わさり、その開口部を閉じる。フロントキャップ13は、プラグ10に対応する貫通孔を有している。したがって、フロントキャップ13の貫通孔にプラグ10を挿通させることによって、フロントキャップ13を樹脂筐体12の前側の開口部に嵌め合わせることができる。
【0033】
次に、図3図4及び図5を参照して、光モジュール1における第2レンズモジュール6及び基板7を詳細に説明する。図3は、第2レンズモジュール6を搭載した基板7を上方から視た上面図である。図4は、基板7を上方から視た上面図である。図5は、基板7の断面図である。図3から図5に示すように、光モジュール1では、基板7の主面7a上に第2レンズモジュール6が実装されている。基板7の主面7aには、図4に示すように、実装部20、複数の測定基準部30、ソルダーレジスト層40、及び、複数の溝50が設けられている。
【0034】
実装部20は、第2レンズモジュール6をその上に実装するための部分である。実装部20は、図4及び図5に示すように、基板7の主面7aに設けられており、主面7aに対して垂直な方向から視た場合に長方形形状を呈している。実装部20は、基板7の主面7a上に形成された第1金属箔層21と、第1金属箔層21上に形成された第1金属メッキ層22とを有する。第1金属箔層21は、例えば銅箔から形成されており、第1金属メッキ層22は、例えば金メッキによって形成されている。実装部20の実装面20a(第1金属メッキ層22の表面)には、受光素子又は発光素子(いずれも不図示)が設けられている。実装面20aと受光素子又は発光素子とは金ワイヤ(不図示)等により電気的に接続されている。すなわち、受光素子又は発光素子は、金ワイヤ、第1金属メッキ層22及び第1金属箔層21を介して、基板7の配線パターンと電気的に接続されている。実装面20aには、接着剤により、搭載された第2レンズモジュール6が固定される。
【0035】
複数の測定基準部30のそれぞれは、第2レンズモジュール6の実装高さを測定する際の基準となる部分である。各測定基準部30は、図4及び図5に示すように、基板7の主面7aにおいて実装部20から離れた位置に設けられている。測定基準部30は、例えば、少なくとも1mmの直線距離だけ実装部20から離れていてもよい。複数の測定基準部30は、実装部20を取り囲むように、例えば、主面7aの4箇所に設けられている。測定基準部30は、主面7aに対して垂直な方向から視た場合にいずれも円形形状を呈するように形成されており、例えば、測定基準部30の直径は100μm以上1mm以下である。
【0036】
測定基準部30は、図5に示すように、基板7の主面7a上に形成された第2金属箔層31と、第2金属箔層31上に形成された第2金属メッキ層32とを有する。第2金属箔層31は、例えば銅箔から形成されており、第2金属メッキ層32は、例えば金メッキによって形成されている。測定基準部30の基準面30a(第2金属メッキ層32の表面)は、第2レンズモジュール6の実装高さを測定する際の高さ基準となる基準点を含んでいる。後述する製造方法により、基準面30aを用いて、第2レンズモジュール6の実装高さを測定及び調整することができる。
【0037】
ソルダーレジスト層40は、図4に示すように、基板7の主面7aにおいて実装部20と測定基準部30との間を埋めるように形成されている絶縁層である。ソルダーレジスト層40は、基板7の配線パターンを保護しており、例えば感光性の樹脂インキから形成することができる。
【0038】
複数の溝50のそれぞれは、第2レンズモジュール6を固定する際に用いて漏れた接着剤が近接する測定基準部30に到達することを防ぐための構成である。各溝50は、ソルダーレジスト層40に形成され、実装部20と測定基準部30との間を隔てる。各溝50は、例えば4箇所に設けられた測定基準部30のそれぞれを取り囲うように、ソルダーレジスト層40の4箇所に形成されている。溝50は、主面7aに対して垂直な方向から視た場合、いずれも対応する測定基準部30と同心を為す円形形状を呈している。溝50は、測定基準部30と同心状でなくてもよい。溝50の基板7の厚み方向における深さは、図5に示すように、ソルダーレジスト層40の厚みと一致している。溝50の基板7の厚み方向における深さは、ソルダーレジスト層40の厚みより短くてもよい。また、溝50の幅は、漏れた接着剤を防ぐことができれば特に限定されるものではないが、例えば、100μm以上1mm以下であってもよい。
【0039】
ここで、図4及び図5を用いて、実装部20の実装面20aと測定基準部30の基準面30aとの位置関係について説明する。実装面20aと基準面30aとは、基板7の厚み方向(Z方向)において、予め定めた高さ関係を有するように設定されており、図5に示す例では、例えば、実装面20aと基準面30aとが同じ高さである位置関係を有している。なお、ここでいう「実装面20aと基準面30aとが同じ高さである」とは、実装部20又は測定基準部30の厚みを100%とした場合において、実装面20aの高さと基準面30aの高さとの基板7の厚み方向のずれが5%以内であることを意味する。このような位置関係を予め設定しておくことにより、後述する製造方法において、第2レンズモジュール6の実装高さを容易に測定したり又は調整したりすることができる。実装面20aと基準面30aとは、基板7の厚み方向において他の所定の位置関係(実装面20aと基準面30aとが同じ高さでない位置関係)を有していてもよい。例えば、実装部20又は測定基準部30の厚みを100%とした場合において、実装面20aの高さと基準面30aの高さとの基板7の厚み方向のずれが10%の範囲内であってもよい。
【0040】
次に、光モジュール1の製造方法について説明する。まず、複数の光入出射部6a、ミラー面6b及び一対のガイドピン6cを有する第2レンズモジュール6と、略矩形の平板状の形状を有する誘電体基板の表面に金属製の配線パターンが形成された基板7とを準備する。
【0041】
続いて、基板7の主面7a上に、第2レンズモジュール6を実装するための実装部20を形成する(図4及び図5を参照)。実装部20を形成する工程では、第1金属箔層21を基板7の主面7a上に形成すると共に、形成した第1金属箔層21上に第1金属メッキ層22を形成する。第1金属箔層21は、例えば銅箔から形成されており、この銅箔に対して金を用いた無電解金メッキを行うことにより、第1金属メッキ層22を形成する。第1金属メッキ層22は、例えば1μm以上10μm以下であり、第1金属箔層21よりも薄い。実装部20は、主面7aに対して垂直な方向から視た場合に長方形形状を呈するように形成される。
【0042】
また、基板7の主面7a上であって、実装部20から離れる位置に、第2レンズモジュール6の実装高さを測定する際の高さ基準となる基準点を含む少なくとも1つの測定基準部30を形成する。本実施形態に係る測定基準部30を形成する工程では、実装部20を取り囲むように主面7aの四隅に第2金属箔層31を形成すると共に、形成した4箇所の第2金属箔層31上に第2金属メッキ層32を形成する。第2金属箔層31は、例えば銅箔から形成されており、この銅箔に対して金を用いた無電解金メッキを行うことにより、第2金属メッキ層32を形成する。第2金属メッキ層32は、例えば1μm以上10μm以下であり、第2金属箔層31よりも薄い。測定基準部30のそれぞれは、主面7aに対して垂直な方向から視た場合いずれも円形形状を呈するように形成される。
【0043】
上述した実装部20と測定基準部30とは、別々の工程で形成されてもよいが、好ましくは、実装部20と測定基準部30とは同じ工程で作成してもよい。、この場合、第1金属箔層21と第2金属箔層31とを同じ工程で形成し、第1金属メッキ層22と第2金属メッキ層32とを同じ工程(メッキ処理)で形成してもよい。この場合、実装部20と測定基準部30とを同じ工程を経て形成するため、実装部20と測定基準部30との高さをより確実に同一に調整しやすい。また、形成された実装部20と測定基準部30とにおいては、実装面20aと基準面30aとが基板7の厚み方向において実装面20aと基準面30aとが同じ高さである位置関係を有することが容易に行える。
【0044】
続いて、実装部20と測定基準部30とが形成されると、実装部20と測定基準部30との間を埋めるように主面7a上にソルダーレジスト層40を形成する。ソルダーレジスト層40は、例えば、感光性の樹脂インクを塗布して感光することによって形成される。
【0045】
続いて、ソルダーレジスト層40に対してエッチング処理を行い、溝50を形成する。ソルダーレジスト層40のエッチングには、例えばレーザー加工法を用いる。もしくは、ソルダーレジスト層40を形成する工程において基板7の主面7aの所定の箇所が露出するようにソルダーレジスト層40を形成することで、当該所定の箇所が溝50を成してもよい。溝50は、四隅に設けられた測定基準部30のそれぞれを取り囲むように、ソルダーレジスト層40の4箇所に形成される。溝50は、主面7aに対して垂直な方向から視た場合、いずれも対応する測定基準部30と同心を為す円形形状を呈するように形成される。溝50の基板7の厚み方向における深さが、ソルダーレジスト層40の厚みと一致している。溝50の基板7の厚み方向における深さは、ソルダーレジスト層40の厚みより短くてもよい。
【0046】
続いて、形成した実装部20上に第2レンズモジュール6を配置すると共に、測定基準部30の高さ位置を基準として第2レンズモジュール6の高さを調整する。ここで、図6を用いて、第2レンズモジュール6の実装高さを調整する方法について具体的に説明する。図6は、光モジュール1において、第2レンズモジュール6の実装高さを調整する際の断面図である。
【0047】
まず、実装部20上の所定の位置に第2レンズモジュール6を配置する。この際、図3に示すように、第2レンズモジュール6の四隅に測定基準部30が位置するように配置が行われる。この配置の後、第2レンズモジュール6と基板7との間に硬化性の接着剤を塗布して仮硬化し、第2レンズモジュール6を基板7に対して仮留めする。なお、接着剤を第2レンズモジュール6と実装部20との間に予めて塗布しておき、平面方向の位置決めが終了した後、接着剤を仮硬化してもよい。
【0048】
続いて、図6に示すように、距離測定器Kを準備すると共に、距離測定器Kを測定基準部30の上方に配置し、距離測定器Kと、測定基準部30(基準面30a)との間の距離T1(距離T1とも称す。)を測定する。距離測定器Kは、例えば円形形状のレーザー光を発するレーザー測定器である。この際、距離測定器Kは、四隅に設けられた測定基準部30それぞれにおける距離T1を測定する。距離測定器Kは、測定された距離T1の平均値を算出して測定データを保持してもよいし、各測定基準部30に対応する距離T1として個別に測定データを保持してもよい。なお、距離測定器Kは、この距離T1に対応する高さを高さゼロとして保持してもよい。
【0049】
続いて、距離T1の測定が終了すると、距離測定器Kを実装部20の上方に配置し、距離測定器Kと第2レンズモジュール6の上面6eとの間の距離T2(距離T2とも称す。)を測定する。この距離T2を測定する際、距離測定器Kは、第2レンズモジュール6の上面6eの四隅に設けられた測定点L(図3を参照)それぞれまでの距離(距離T2)を測定する。距離測定器Kは、測定された距離T2の平均値を算出して測定データを保持してもよいし、各測定点Lに対応する距離T2として個別に測定データを保持してもよい。
【0050】
続いて、距離T1と距離T2との差(T1-T2)を算出する。本実施形態において、実装面20aと基準面30aとは、基板7の厚み方向において実装面20aと基準面30aとが同じ高さである位置関係等の所定の位置関係を有していることから、距離T1と距離T2との差(T1-T2)が第2レンズモジュール6の実装高さとなる。なお、距離T1を高さゼロとして設定している場合、測定された距離T2がそのまま第2レンズモジュール6の実装高さとなる。また、実装面20aと基準面30aとが、基板7の厚み方向において他の所定の位置関係を有している場合は、距離T1と距離T2との差(T1-T2)に、基板7の厚み方向における実装面20aと基準面30aとの高さの差を加算又は減算することで、実装部20からの第2レンズモジュール6の実装高さを測定することができる。以上により、距離測定器Kと実装部20との間の距離を測定することなく、実装部20からの第2レンズモジュール6の実装高さを測定することができる。
【0051】
また、距離測定器Kと、複数の測定基準部30それぞれとの間の距離T2を測定し、測定した複数の距離T2同士の差分から、基板7の主面7aの傾きを測定することができる。さらに、距離測定器Kは、第2レンズモジュール6の上面6eの四隅の測定点L(図3を参照)それぞれと距離測定器Kとの間の距離T2を測定し、測定した複数の距離T2同士の差分から、第2レンズモジュール6の上面6eの傾きを測定することができる。若しくは、距離測定器Kは、第2レンズモジュール6の四隅の測定点Lまでの距離T2と、各測定点Lに対応する(最も近接する)測定基準部30までの距離T1との差分から、第2レンズモジュール6の四隅の高さを算出してもよい。そして、この四隅の高さが一致するように、第2レンズモジュール6の位置や傾き等を調整してもよい。
【0052】
続いて、基板7に対する第2レンズモジュール6の実装高さや傾きが所定の範囲に調整されると、第2レンズモジュール6を仮留めしていた接着剤を更に硬化して、第2レンズモジュール6を基板7に固定する。これにより、第2レンズモジュール6が基板7に実装される。
【0053】
続いて、図3に示すように、ケーブル3を構成する複数の光ファイバ2の先端部を保持する第1レンズモジュール5を、基板7に実装された第2レンズモジュール6に連結させる。その後、連結した第1レンズモジュール5と第2レンズモジュール6とに嵌合用ばね8を嵌め込み、第1レンズモジュール5と第2レンズモジュール6との連結状態を維持する。
【0054】
続いて、基板7を筐体上部11aと筐体下部11bとによって、第1レンズモジュール5及び第2レンズモジュール6と基板7等を挟み込み、金属筐体11の内部に基板7等を配置させる。その後、樹脂筐体12の内部に金属筐体11を配置し、樹脂筐体12の開口にフロントキャップ13を嵌め込む。以上の製造方法により、光モジュール1が得られる。
【0055】
以上、本実施形態に係る光モジュール1では、基板7の主面7aにおいて、第2レンズモジュール6が実装される実装部20とは別に、第2レンズモジュール6の実装高さを測定する際の高さ基準となる基準点を含む測定基準部30が設けられている。これにより、基板7に第2レンズモジュール6を実装する際に測定基準部30を用いて第2レンズモジュール6の高さ位置を高精度で調整して、実装精度の高い光モジュール1とすることができる。よって、光モジュール1によれば、第2レンズモジュール6を第1レンズモジュール5(複数の光ファイバ2)に接続した際の接続損失の増加を抑制することができる。
【0056】
また、光モジュール1では、実装部20は、第2レンズモジュール6がその上に実装される実装面20aを有し、測定基準部30は、基準点を含む基準面30aを有し、実装面20aと基準面30aとは、基板7の厚み方向において所定の位置関係を有している。このように実装面20aと基準面30aとが予め定めた所定の位置関係(例えば高さ関係)を有していることから、実装面20aに実装する第2レンズモジュール6の実装高さを、基準面30aに含まれる基準点を基準として高精度に調整することができる。これにより、光モジュール1によれば、より確実に接続損失の増加を抑制することができる。
【0057】
また、光モジュール1では、実装面20aと基準面30aとは、基板7の厚み方向において実装面20aと基準面30aとが同じ高さである位置関係を有していてもよい。この場合、基板7の厚み方向における実装面20aと基準面30aとの高さの差を考慮することなく、実装面20aに実装する第2レンズモジュール6の実装高さを、基準面30aに含まれる基準点を基準として高精度に調整することができる。これにより、光モジュール1によれば、より確実に接続損失の増加を抑制することができる。
【0058】
また、光モジュール1では、実装部20は、基板7の主面7a上に形成された第1金属箔層21と、第1金属箔層21上に形成された第1金属メッキ層22とを有し、測定基準部30は、基板7の主面7a上に形成された第2金属箔層31と、第2金属箔層31上に形成された第2金属メッキ層32とを有し、第1金属メッキ層の表面は、実装面20aを含み、第2金属メッキ層32の表面は、基準面30aを含んでいる。このような構成により、実装部20の厚み及び測定基準部30の厚みをより確実に精度よく調整し、実装部20に実装する第2レンズモジュール6の実装高さを測定基準部30を基準として高精度に調整することができる。これにより、光モジュール1によれば、より確実に接続損失の増加を抑制することができる。
【0059】
また、光モジュール1は、複数の測定基準部30を含み、複数の測定基準部30は、基板7の主面7a上において、実装部20を取り囲むように配置されている。これにより、基板7に第2レンズモジュール6を配置した後に第2レンズモジュール6の高さ位置だけでなく、その傾きも高精度で調整することができ、実装精度がより高い光モジュール1とすることができる。よって、光モジュール1によれば、接続損失の増加を更に抑制することができる。
【0060】
また、光モジュール1では、基板7の主面7a上であって実装部20と測定基準部30との間を埋めるように形成されたソルダーレジスト層40を更に備え、ソルダーレジスト層40には、実装部20と測定基準部30との間を隔てる溝50が形成されている。これにより、実装部20に配置した第2レンズモジュール6を接着剤を用いて固定する際に接着剤が溝50に優先的に流れ込むことで、接着剤が測定基準部30に到達することを防ぐことができる。したがって、実装部20に実装する第2レンズモジュール6の実装高さを、測定基準部30を基準としてより確実に高精度に調整することができる。よって、光モジュール1によれば、より確実に接続損失の増加を抑制することができる。
【0061】
また、光モジュール1では、測定基準部30は、基板7の主面7aに対して垂直な方向から視た場合、円形形状を呈し、溝50は、測定基準部30を取り囲むように形成されていてもよい。これにより、円形形状のレーザー光を発するレーザー測定器を用いて距離を測定する場合、測定基準部30の面積をレーザー光の断面積に近づけやすい。したがって、光モジュール1によれば、測定基準部30を小型化しやすくなるため、モジュール全体を小型化することが可能となる。また、測定基準部30の周囲が溝50に取り囲われることから、接着剤が測定基準部30に到達することをより確実に防ぐことができる。したがって、光モジュール1によれば、接続損失の増加を抑制しつつモジュールを小型化することが可能となる。
【0062】
また、光モジュール1では、第2レンズモジュール6は、主面7aと平行な面上においてX方向に延在する光軸をそれぞれが有する複数の光入出射部6aを有し、複数の光入出射部6aは、主面7aに平行な面上においてX方向と直交するY方向に沿って配置されている。この場合、X方向に延在する光軸を有する光ファイバ2と第2レンズモジュール6との間の光軸が一致するように、第1レンズモジュール5と第2レンズモジュールとを容易に接続できる。したがって、光モジュール1によれば、第1レンズモジュール5と第2レンズモジュールとが接続した際の接続損失の増加を容易に抑制することができる。
【0063】
また、本実施形態に係る光モジュール1の製造方法は、第2レンズモジュール6及び基板7を準備する工程と、基板7の主面7a上に、第2レンズモジュール6を実装するための実装部20を形成する工程と、基板7の主面7a上であって実装部20から離れる位置に、第2レンズモジュール6の実装高さを測定する際の高さ基準となる基準点を含む少なくとも1つの測定基準部30を形成する工程と、実装部20上に第2レンズモジュール6を実装すると共に、測定基準部30の高さを高さ基準として第2レンズモジュール6の高さを調整する工程と、を備える。これにより、第2レンズモジュール6が実装される実装部20とは別に設けた測定基準部30を設けて第2レンズモジュール6の高さを調整することができる。よって、光モジュール1の製造方法によれば、基板7に第2レンズモジュール6を配置した後に第2レンズモジュール6の高さ位置を高精度で調整することができ、実装精度の高い光モジュール1とすることができる。
【0064】
また、光モジュール1の製造方法では、実装部20を形成する工程では、基板7の主面7a上に第1金属箔層21を形成すると共に、第1金属箔層21上に第1金属メッキ層22を形成し、測定基準部30を形成する工程では、基板7の主面7a上に第2金属箔層31を形成すると共に、第2金属箔層31上に第2金属メッキ層32を形成する。第1金属箔層21と第2金属箔層31とは、同じ工程で形成され、第1金属メッキ層22と第2金属メッキ層32とは、同じ工程で形成されてもよい。これにより、実装部20と測定基準部30とを同じ工程を経て形成することができ、実装部20と測定基準部30との高さをより確実に同一に調整しやすい。よって、光モジュール1の製造方法によれば、実装部20に実装される第2レンズモジュール6の実装高さをより容易に調整することが可能となる。
【0065】
[変形例]
ここで、図7を用いて、溝50の変形例について説明する。図7は、図4に示す基板7上における溝50の変形例(溝50A,溝50B)を示す上面図であり、(a)部は、溝が直線形状である例(溝50A)を示す図であり、(b)部は、溝が実装部を取り囲う長方形形状である例(溝50B)を示す図である。以下では、一実施形態に係る光モジュール1の溝50と相違する点を主に説明し、その他の説明は省略することがある。
【0066】
溝50Aは、図7の(a)部に示すように、4箇所に設けられた測定基準部30のそれぞれと実装部20との間を隔てるように、ソルダーレジスト層40の4箇所に形成されている。溝50Aは、主面7aに対して垂直な方向から視た場合、いずれも直線形状を呈しており、基板7の幅方向に対して傾斜するように延在している。また、溝50Bは、図7の(b)部に示すように、測定基準部30と実装部20との間を隔てるように、ソルダーレジスト層40の1箇所に形成されている。溝50Bは、主面7aに対して垂直な方向から視た場合、実装部20を取り囲う長方形の枠形状を呈している。このような変形例に係る溝50A又は溝50Bを備えた光モジュールにおいても、上述した光モジュール1の溝50と同様の効果を奏することができる。これに加え、溝50Aについては、溝50Aの長さを短くすることで溝50Aを小型化することができる。
【0067】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく様々な実施形態に適用することができる。例えば、変形例も含めて溝50の形状を例示したが、実装部20と測定基準部30との間を隔てることができれば、溝50は他の形状を有していてもよい。また、測定基準部30は金属から構成されているものを例示したが、レーザ距離測定器等の距離測定器Kによって高さ位置を測定できるものであれば、測定基準部30は他の物質から構成されていてもよい。また、上述した実施形態では4つの測定基準部30を備えていたが、第2レンズモジュール6の実装高さを調整するためには少なくとも1つの測定基準部30を備えていればよく、測定基準部30の数は特に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0068】
1…光モジュール
2…光ファイバ
3…ケーブル
4…コネクタモジュール
4a…前端
4b…後端
5…第1レンズモジュール
5a…前端面
5b…ガイド穴
5c…後端
6…第2レンズモジュール
6a…光入出射部
6b…ミラー面
6c…ガイドピン
6d…後端
6e…上面
7…基板
7a…主面
7b…後端
7c…前端
8…嵌合用ばね
9…金属部材
9a…平板部
9b…支持部
9c…凹部
10…プラグ
11…金属筐体
11a…筐体上部
11b…筐体下部
12…樹脂筐体
13…フロントキャップ
20…実装部
20a…実装面
21…第1金属箔層
22…第1金属メッキ層
30…測定基準部
30a…基準面
31…第2金属箔層
32…第2金属メッキ層
40…ソルダーレジスト層
50,50A,50B…溝
K…距離測定器
L…測定点
T1…距離測定器Kと測定基準部30との間の距離
T2…距離測定器Kと第2レンズモジュール6の上面6eとの間の距離
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7