(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024002184
(43)【公開日】2024-01-11
(54)【発明の名称】生体情報測定装置、生体情報測定装置の制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
A61B 5/022 20060101AFI20231228BHJP
A61B 5/28 20210101ALI20231228BHJP
A61B 5/276 20210101ALI20231228BHJP
A61B 5/33 20210101ALI20231228BHJP
A61B 5/332 20210101ALI20231228BHJP
A61B 5/11 20060101ALI20231228BHJP
A61B 5/256 20210101ALI20231228BHJP
【FI】
A61B5/022 E
A61B5/28
A61B5/276 100
A61B5/33 200
A61B5/332
A61B5/11 230
A61B5/256 220
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022101235
(22)【出願日】2022-06-23
(71)【出願人】
【識別番号】503246015
【氏名又は名称】オムロンヘルスケア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】濱口 貴広
(72)【発明者】
【氏名】田邊 友香
(72)【発明者】
【氏名】森 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】久保 大
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼野 佑樹
(72)【発明者】
【氏名】浅野 康夫
(72)【発明者】
【氏名】加藤 里佳
【テーマコード(参考)】
4C017
4C038
4C127
【Fターム(参考)】
4C017AA08
4C017AA19
4C017AB02
4C017AC01
4C017BB12
4C017BC11
4C017FF01
4C017FF05
4C017FF17
4C038VA20
4C038VB12
4C038VC20
4C127AA02
4C127BB03
4C127BB05
4C127CC10
4C127JJ03
4C127LL08
4C127LL13
(57)【要約】
【課題】血圧と心電波形とを測定可能な携帯型の生体情報測定装置において、簡便な操作により血圧と心電波形とを個別に又は一括して測定するための技術を提供する。
【解決手段】人体の手首に装着して用いられる生体情報測定装置であって、血圧測定手段と、入力手段と、心電波形測定手段と、電極接触状態検出手段と、位置検出手段と、制御手段と、出力手段と、を有しており、前記制御手段は、電極接触当否判定部と、心電波形測定実行部と、高さ当否判定部と、血圧測定実行部と、電極接触ガイド実行部と、を備える、ことを特徴とする、生体情報測定装置。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人体の手首に装着して用いられる生体情報測定装置であって、
前記人体の血圧を測定するための血圧測定手段と、
前記人体の生体情報の測定を開始する指示を受け付ける入力手段と、
複数の電極を備え、前記人体の心電波形を測定するための心電波形測定手段と、
前記複数の電極への前記人体の接触状態を検出する電極接触状態検出手段と、
前記装置の位置を検出する位置検出手段と、
前記心電波形測定手段及び前記血圧測定手段を制御する制御手段と、
出力手段と、を有しており、
前記制御手段は、
前記電極接触状態検出手段の出力に基づいて前記人体が前記複数の電極に安定して接触しているか否かの当否を判定する電極接触当否判定部と、
前記電極接触当否判定部の判定結果が当である場合には、前記心電波形測定手段による前記人体の心電波形の測定を実行する心電波形測定実行部と、
前記入力手段を介して前記人体の血圧測定を開始する指示を受け付けた場合に、前記位置検出手段の出力に基づいて前記装置を装着した前記人体の手首が所定範囲内の高さに位置しているか否かの当否を判定する高さ当否判定部と、
前記高さ当否判定部による判定から所定時間経過後に前記血圧測定手段による前記人体の血圧測定を実行する血圧測定実行部と、
前記入力手段を介して前記人体の血圧測定を開始する操作を受け付けた場合に、前記出力手段から前記複数の電極に前記人体を接触させるように案内する電極接触ガイド情報を出力させる電極接触ガイド実行部と、を備える、
ことを特徴とする、生体情報測定装置。
【請求項2】
前記血圧測定実行部は、前記高さ当否判定部の判定結果が当であった場合に、前記高さ当否判定部による判定から所定時間経過後に前記血圧測定手段による前記人体の血圧測定を実行する、
ことを特徴とする、請求項1に記載の生体情報測定装置。
【請求項3】
前記電極接触当否判定部は、前記入力手段を介して前記人体の心電波形の測定を開始する指示を受け付けた場合に、前記人体が前記複数の電極に安定して接触しているか否かの当否を判定する、
ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の生体情報測定装置。
【請求項4】
前記制御手段は、
前記入力手段を介して前記人体の血圧測定を開始する指示を受け付けた後の所定時間内に、前記電極接触当否判定部と前記高さ当否判定部のいずれもが当の判定結果を出力した場合には、前記心電波形測定実行部による心電波形測定と前記血圧測定実行部による血圧測定とを一括して実行させる一括測定制御部、をさらに備える、
ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の生体情報測定装置。
【請求項5】
前記複数の電極に前記人体が接触していた場合における心電信号を少なくとも一時的に記憶する記憶手段をさらに有しており、
前記心電波形測定手段は、前記人体の心電波形の測定を開始した場合において、前記電極接触当否判定部の判定結果が当になる以前の前記心電信号が前記記憶手段に記憶されている場合には、当該記憶手段に記憶されている心電信号に基づく心電波形の測定も行う、
ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の生体情報測定装置。
【請求項6】
人体の手首に装着して用いられ、
前記人体の血圧を測定するための血圧測定手段と、
前記人体の生体情報の測定を開始する指示を受け付ける入力手段と、
複数の電極を備え、前記人体の心電波形を測定するための心電波形測定手段と、
前記複数の電極への前記人体の接触状態を検出する電極接触状態検出手段と、
前記装置の位置を検出する位置検出手段と、
出力手段と、を備える生体情報測定装置の制御方法であって、
前記電極接触状態検出手段の出力に基づいて前記人体が前記複数の電極に安定して接触しているか否かの当否を判定する電極接触当否判定ステップと、
前記電極接触当否判定ステップにおける判定結果が当である場合には、前記心電波形測定手段による前記人体の心電波形の測定を実行する心電波形測定ステップと、
前記入力手段を介して前記人体の血圧測定を開始する指示を受け付ける血圧測定開始指示受付ステップと、
前記血圧測定開始指示受付ステップの後に実行され、前記位置検出手段の出力に基づいて前記装置を装着した前記人体の手首が所定範囲内の高さに位置しているか否かの当否を判定する高さ当否判定ステップと、
前記高さ当否判定ステップから所定時間経過後に前記血圧測定手段による前記人体の血圧測定を実行する血圧測定ステップと、
前記血圧測定開始指示受付ステップの後に実行され、前記出力手段から前記複数の電極に前記人体を接触させるように案内する電極接触ガイド情報を出力させる電極接触ガイドステップと、を有する、
ことを特徴とする、生体情報測定装置の制御方法。
【請求項7】
前記高さ当否判定ステップの判定結果が当であった場合に、前記血圧測定ステップを実行する、
ことを特徴とする、請求項6に記載の生体情報測定装置の制御方法。
【請求項8】
前記入力手段を介して前記人体の心電波形の測定を開始する指示を受け付ける心電測定開始指示受付ステップをさらに有しており、
前記電極接触当否判定ステップは、前記心電測定開始指示受付ステップの後に実行される、
ことを特徴とする、請求項6又は7に記載の生体情報測定装置の制御方法。
【請求項9】
前記血圧測定開始指示受付ステップが実行された後の所定時間内に、前記電極接触当否判定ステップと前記高さ当否判定ステップのいずれにおいても当の判定がなされた場合には、前記心電波形測定ステップと前記血圧測定ステップとを一括して実行する、
ことを特徴とする、請求項6又は7に記載の生体情報測定装置の制御方法。
【請求項10】
前記生体情報測定装置は、前記複数の電極に前記人体が接触していた場合における心電信号を少なくとも一時的に記憶する記憶手段をさらに備えており、
前記心電波形測定ステップでは、前記電極接触当否判定ステップの判定結果が当になる以前の前記心電信号が前記記憶手段に記憶されている場合には、当該記憶手段に記憶されている心電信号に基づく心電波形の測定も行う、
ことを特徴とする、請求項6又は7に記載の生体情報測定装置の制御方法。
【請求項11】
請求項6に記載の制御方法の各ステップを生体情報測定装置に実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘルスケア関連の技術分野に属し、特に、生体情報測定装置、生体情報測定装置の制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、血圧値、心電波形などの個人の身体・健康に関する情報(以下、生体情報ともいう)を、個人が自ら日常的に測定機器によって測定し、当該測定結果を健康管理に活用することが一般的に行われるようになってきている。このことから、携帯性を重視した機器の需要が高まっており、多くの携帯型測定装置が提案され、血圧値と心電波形の両方を測定できる携帯型の機器も提案されている(例えば、特許文献1など)。
【0003】
特許文献1には、電極を備えるベルトを用いて人体の手首に装着する心電波形計測装置に血圧測定を行うための手段を有する携帯型心電計測装置が開示されている。当該発明によれば、装置を携帯することにより、ユーザーは胸部の痛みを感じた際などの任意のタイミングで、心臓の電気活動を表す心電波形の情報を得ると共に血圧を測定することができる。また、装置を手首に装着することで、腕に固定した装置本体を胸部に当てるだけでいわゆるIV誘導で心電波形(及び血圧)を測定することができこと、及び、一方(右)の腕に装置を装着し、他方(左)の手で装置本体に配置された電極を触れることにより、I誘導での心電波形の測定が可能であること、も記載されている。これらの測定方法によれば、装置本体を手で持つ必要が無く、余計な力が入らないため筋電などによるノイズが少ない信号を得ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記特許文献1に記載の技術によれば、心電波形と血圧とを同時に測定することができるが、常に心電波形と血圧とを同時に測定するのではなく、心電波形のみ或いは血圧のみを測定したいというニーズがある。このようなニーズに対応するために、装置に心電波形と血圧それぞれの測定用スイッチを設けるとすると、最低でも2つのスイッチが必要となってしまう。そのような構成にすると製造コストが増加してしまうのみならず、手首に装着するようなウェアラブル装置においては、操作スイッチが増加することはユーザーにとっては煩雑で操作が分かりにくくなる。また、限られたスペースに多くの操作スイッチを設けようとすると、一つ一つのスイッチが小さくなってしまい、この点からも操作がしづらくなる。
【0006】
上記のような問題に鑑みて、本発明は、血圧と心電波形とを測定可能な携帯型の生体情報測定装置において、簡便な操作により血圧と心電波形とを個別に又は一括して測定するための技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明は次のような構成を採用する。即ち、
人体の手首に装着して用いられる生体情報測定装置であって、
前記人体の血圧を測定するための血圧測定手段と、
前記人体の生体情報の測定を開始する指示を受け付ける入力手段と、
複数の電極を備え、前記人体の心電波形を測定するための心電波形測定手段と、
前記複数の電極への前記人体の接触状態を検出する電極接触状態検出手段と、
前記装置の位置を検出する位置検出手段と、
前記心電波形測定手段及び前記血圧測定手段を制御する制御手段と、
出力手段と、を有しており、
前記制御手段は、
前記電極接触状態検出手段の出力に基づいて前記人体が前記複数の電極に安定して接触しているか否かの当否を判定する電極接触当否判定部と、
前記電極接触当否判定部の判定結果が当である場合には、前記心電波形測定手段による前記人体の心電波形の測定を実行する心電波形測定実行部と、
前記入力手段を介して前記人体の血圧測定を開始する指示を受け付けた場合に、前記位置検出手段の出力に基づいて前記装置を装着した前記人体の手首が所定範囲内の高さに位置しているか否かの当否を判定する高さ当否判定部と、
前記高さ当否判定部による判定から所定時間経過後に前記血圧測定手段による前記人体の血圧測定を実行する血圧測定実行部と、
前記入力手段を介して前記人体の血圧測定を開始する操作を受け付けた場合に、前記出力手段から前記複数の電極に人体を接触させるように案内する電極接触ガイド情報を出力させる電極接触ガイド実行部と、を備える、
ことを特徴とする、生体情報測定装置である。
【0008】
なお、本明細書において、「心電波形の測定」とは、心電信号の波形データを記録することをいう。また、「一括して」とは、同時的に並行して行うことを含む。また、上記の血圧測定手段としては、オシロメトリック法により血圧を測定するためのカフ、圧力センサ、ポンプなどを例示することができるが、これに限られない。また、位置検出手段としては、例えば3軸加速度センサを採用することができるが、少なくとも装置の鉛直軸上の位置(即ち、装置の位置する高さ)を検出可能であれば、他の手段を用いてもよい。
【0009】
このような構成によれば、携帯型の生体情報測定装置において操作スイッチを増やすことなく、簡便な操作で血圧と心電波形を個別に測定することができ、心電波形のみ或いは血圧のみを測定したいというニーズにも応えることが可能になる。また、複雑な操作を要することなく思いついたタイミングで心電波形の測定を行うことができるため、発作性の心房細動のような短時間で消えてしまう症状を捉える機会を増加させることができる。
【0010】
また、前記血圧測定実行部は、前記高さ当否判定部の判定結果が当であった場合に、前記高さ当否判定部による判定から所定時間経過後に前記血圧測定手段による前記人体の血圧測定を実行するようにしてもよい。前記装置を装着した手首が所定範囲内の高さに位置しているということは、血圧測定のために適切な姿勢であることを意味するため、このような構成にすることで、精度の良い血圧測定を行うことが可能になる。ただし、前記高さ当否判定部の判定結果が否であった場合であっても、その旨の情報をユーザーに提示可能にしたうえで血圧測定を行うことも可能である。
【0011】
また、前記電極接触当否判定部は、前記入力手段を介して前記人体の心電波形の測定を開始する指示を受け付けた場合に、前記人体が前記複数の電極に安定して接触しているか否かの当否を判定するものであってもよい。ここで、血圧測定を開始する指示を受け付ける入力手段と、心電波形測定を開始する指示を受け付ける入力手段は、ハードウェア上は同一の構成要素であってもよいし、別個の構成であってもよい。また、このような「入力手段」は、例えば生体情報測定装置に設けられる操作ボタンなどとすることができるが、これに限られない。例えば、通信を介して他の機器から測定開始指示信号を受信した場合に測定を開始するような装置構成も想定することができ、この場合には通信手段が入力手段として機能する。このような構成によれば、心電波形の測定を意図していないにも関わ
らず心電波形が測定される、といった(ユーザーにとっての)誤動作を防止することができる。
【0012】
また、前記制御手段は、前記入力手段を介して前記人体の血圧測定を開始する指示を受け付けた後の所定時間内に、前記電極接触当否判定部と前記高さ当否判定部のいずれもが当の判定結果を出力した場合には、前記心電波形測定実行部による心電波形測定と前記血圧測定実行部による血圧測定とを一括して実行させる一括測定制御部、をさらに備えていてもよい。
【0013】
上記のような構成であると、簡便な操作で心電波形と血圧を一括して測定することができ、個別での測定と一括での測定をユーザーのニーズに応じて使い分けることができる。
【0014】
また、前記複数の電極に前記人体が接触していた場合における心電信号を少なくとも一時的に記憶する記憶手段をさらに有しており、前記心電波形測定手段は、前記人体の心電波形の測定を開始した場合において、前記電極接触当否判定部の判定結果が当になる以前の前記心電信号が前記記憶手段に記憶されている場合には、当該記憶手段に記憶されている心電信号に基づく心電波形の測定も行うようにしてもよい。
【0015】
心電波形計測のために、電極への接触状態が安定しているか否かを判定するためには、数秒(5秒程度)の時間を要することになる。しかしながら、動悸などの異常を感じて心電波形を測定する場合には、そのイベントが発生した時から間髪を入れず心電波形を記録したいというニーズがある。この点、上記のような構成であれば、接触状態安定の判定がなされるまでの分も(短期的に)心電信号を保持しておくことで、遡及的に心電波形として採用(測定)することが可能になる。
【0016】
また、本発明は次のような装置の制御方法としても捉えることができる。即ち、
人体の手首に装着して用いられ、
前記人体の血圧を測定するための血圧測定手段と、
前記人体の生体情報の測定を開始する指示を受け付ける入力手段と、
複数の電極を備え、前記人体の心電波形を測定するための心電波形測定手段と、
前記複数の電極への前記人体の接触状態を検出する電極接触状態検出手段と、
前記装置の位置を検出する位置検出手段と、
出力手段と、を備える生体情報測定装置の制御方法であって、
前記電極接触状態検出手段の出力に基づいて前記人体が前記複数の電極に安定して接触しているか否かの当否を判定する電極接触当否判定ステップと、
前記電極接触当否判定ステップにおける判定結果が当である場合には、前記心電波形測定手段による前記人体の心電波形の測定を実行する心電波形測定ステップと、
前記入力手段を介して前記人体の血圧測定を開始する指示を受け付ける血圧測定開始指示受付ステップと、
前記血圧測定開始指示受付ステップの後に実行され、前記位置検出手段の出力に基づいて前記装置を装着した前記人体の手首が所定範囲内の高さに位置しているか否かの当否を判定する高さ当否判定ステップと、
前記高さ当否判定ステップから所定時間経過後に前記血圧測定手段による前記人体の血圧測定を実行する血圧測定ステップと、
前記血圧測定開始指示受付ステップの後に実行され、前記出力手段から前記複数の電極に人体を接触させるように案内する電極接触ガイド情報を出力させる電極接触ガイドステップと、を有する、
ことを特徴とする生体情報測定装置の制御方法である。
【0017】
また、前記高さ当否判定ステップの判定結果が当であった場合に、前記血圧測定ステッ
プを実行するのであってもよい。また、前記制御方法は、前記入力手段を介して前記人体の心電波形の測定を開始する指示を受け付ける心電測定開始指示受付ステップをさらに有しており、前記電極接触当否判定ステップは、前記心電測定開始指示受付ステップの後に実行されるのであってもよい。
【0018】
また、前記血圧測定開始指示受付ステップが実行された後の所定時間内に、前記電極接触当否判定ステップと前記高さ当否判定ステップのいずれにおいても当の判定がなされた場合には、前記心電波形測定ステップと前記血圧測定ステップとを一括して実行するものであってもよい。
【0019】
また、前記生体情報測定装置は、前記複数の電極に前記人体が接触していた場合における心電信号を少なくとも一時的に記憶する記憶手段をさらに備えており、
前記心電波形測定ステップでは、前記電極接触当否判定部の判定結果が当になる以前の前記心電信号が前記記憶手段に記憶されている場合には、当該記憶手段に記憶されている心電信号に基づく心電波形の測定も行うようにしてもよい。
【0020】
また、本発明は、上記の制御方法を生体情報測定装置に実行させるためのプログラム、そのようなプログラムを非一時的に記録したコンピュータ読取可能な記録媒体として捉えることもできる。
【0021】
なお、上記構成の各々は技術的な矛盾が生じない限り互いに組み合わせて本発明を構成することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、血圧と心電波形とを測定可能な携帯型の生体情報測定装置において、簡便な操作により血圧と心電波形とを個別に又は一括して測定するための技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】
図1Aは、実施形態1の生体情報測定装置の外観を示す概略図である。
図1Bは、実施形態1の生体情報測定装置を装着した際の状態を示す説明図である。
【
図2】
図2は、実施形態1に係る生体情報測定装置の機能構成を示す機能ブロック図である。
【
図3】
図3Aは、実施形態1の生体情報測定装置において出力される画像の例を示す第1の図である。
図3Bは、実施形態1の生体情報測定装置において出力される画像の例を示す第2の図である。
図3Cは、実施形態1の生体情報測定装置において出力される画像の例を示す第3の図である。
図3Dは、実施形態1の生体情報測定装置において出力される画像の例を示す第4の図である。
【
図4】
図4は、実施形態1の生体情報測定装置において行われる処理の一部を示す第1のフローチャートである。
【
図5】
図5は、実施形態1の生体情報測定装置において行われる処理の一部を示す第2のフローチャートである。
【
図6】
図6は、実施形態2に係る生体情報測定装置の機能構成を示すブロック図である。
【
図7】
図7は、実施形態2の生体情報測定装置において行う処理について説明する説明図である。
【
図8】
図8は、実施形態2に係る生体情報測定装置において行われる処理の一部を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
<実施形態1>
以下、本発明の具体的な実施形態について図面に基づいて説明する。ただし、この実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0025】
(装置の全体構成)
図1Aは、本実施形態に係る生体情報測定装置10の外観構成を示す概略図である。
図1Bは、本実施形態に係る生体情報測定装置10を手首Tに装着した際の状態を示す説明図である。
図2は、本実施形態に係る生体情報測定装置10の機能構成を示す機能ブロック図である。
【0026】
図1A、
図1B、
図2に示すように、生体情報測定装置10は概略、本体部11と、ベルト部15を有する腕時計型のウェアラブル装置であり、人体の手首Tに装着した状態で血圧値及び心電波形の測定を行うことができる。
【0027】
本体部11は、表示部133(例えば、液晶ディスプレイなどを採用することができる)、操作ボタン134a、134b、第2電極112として機能するベゼル、加速度センサ131などを含んで構成されている。なお、操作ボタン134a、134bのうちいずれか一方は、血圧測定を開始するための測定開始ボタンとして機能する。また、加速度センサ131は、本発明に係る位置検出手段に相当し、生体情報測定装置10の位置・姿勢を検出する。
【0028】
また、
図2に示すように、本体部11はその機能構成として、制御部100、心電信号計測部110、血圧測定部120、電源部132、表示部133、操作部134、通信部135、記憶部136、振動部137、を備えている。これらの各機能構成については後述する。
【0029】
また、ベルト部15は、手首Tにある動脈を圧迫するためのカフ121、カフ121を支持するカーラ152、第1電極111、及び生体情報測定装置10を手首Tに固定するためのベルト151を備えている。ベルト151は、例えば、親側バンドと剣先側バンドとからなり、親側バンドのバックルによって剣先側バンドを固定するタイプの形状を採用することができるが、生体情報測定装置10を手首Tに適切に固定できればどのような構成であっても構わない。例えば、面ファスナーによって固定するような構成を採用することもできる。
【0030】
(本体部の機能構成)
次に、本体部11の機能構成について説明する。制御部100は、心電信号計測部110、血圧測定部120などを含む生体情報測定装置10全体の制御を司る。また、制御部100は、電極接触状態判定部101、血圧測定姿勢判定部102、一括測定実行部105、情報出力処理部106、の各機能部を備えており、後述の記憶部136からプログラムを読み出して実行することによって、生体情報測定装置10の各構成を制御してこれらの所定の目的を果たす機能部を実現する。なお、制御部100は、ハードウェアの観点ではCPU(Central Processing Unit)などのプロセッサを含んで構成される。
【0031】
心電信号計測部110は、第1電極111、第2電極112、心電信号計測回路113を含んで構成され、人体表面(具体的には、一方の手の手首と他方の手の指)に接触した第1電極111及び第2電極112の電位差に基づいて(いわゆるI誘導で)、ユーザーの心電信号を計測する。また、心電信号計測回路113は、第1電極111と第2電極112へのユーザーの皮膚表面の接触状態も検出する。即ち、本実施形態における心電信号
計測回路113は本発明に係る電極接触状態検出手段を兼ねる。なお、心電信号計測部110は、この他にも図示しないAD変換回路、アンプ、フィルタなどを含んでいるが、これらは既知の技術で構成されるため、説明は省略する。
【0032】
血圧測定部120は、カフ121、圧力センサ122、ポンプ123を含んで構成され、いわゆるオシロメトリック法によりユーザーの血圧を測定する。オシロメトリック法による血圧測定については周知の技術であるため詳細な説明は省略する。
【0033】
電源部132は、装置の稼働に必要な電力を供給するバッテリー(図示せず)を含んで構成される。バッテリーは、例えばリチウムイオンバッテリーなどの二次電池であっても良いし、一次電池としても良い。
【0034】
表示部133は、液晶ディスプレイなどの表示装置を含んで構成され、当該表示装置に装置の動作などについてのガイド情報を含む各種の情報を表示する。なお、表示部133は、その他にLEDインジケータなどを備えていてもよい。また、操作部134は、操作ボタン134a、134bを含んで構成され、これらを介してユーザーの入力操作を受け付ける。なお、操作部134は、後述の通信部135を介して他の電子機器からの入力信号を受信することによっても、ユーザー操作の入力を受け付けることができる。
【0035】
通信部135は、無線通信用のアンテナ(図示せず)を含み、例えばBLE通信により、情報処理端末などの他の電子機器と情報通信を行う。なお、有線通信のための端子を備えていてもよい。
【0036】
記憶部136は、RAM(Random Access Memory)などの主記憶装置(図示せず)を含んで構成され、アプリケーションプログラム、測定された心電波形、血圧、ガイド情報などの各種の情報を記憶する。また、RAMに加えて、例えばフラッシュメモリなどの長期記憶媒体を備えていてもよい。また、心電波形のデータや測定血圧値などの測定結果が保存される。
【0037】
振動部137は、小型モータ等からなるバイブレータ(図示せず)を含んで構成され、案内内容ごとに設定される所定のパターンで振動を生じさせる。これにより当該パターンに対応する所定の案内情報をユーザーに通知することができる。
【0038】
続けて、制御部100が備える各機能部について説明する。電極接触状態判定部101は、心電信号計測回路113の出力に基づいてユーザーが第1電極111、第2電極112に安定して接触しているか否かの判定を行う。安定か否かは、任意の指標で区別することができるが、例えば心電波形の基線変動、加速度センサ131の出力に基づく装置の姿勢変動などの情報を用いて評価を行うようにしてもよい。
【0039】
血圧測定姿勢判定部102は、操作部134を介して血圧測定を開始する指示の入力を受け付けた場合に、加速度センサ131の出力に基づいて、装置を装着した状態のユーザーの手首が所定の範囲内の高さに位置しているか否か、より具体的には心臓の高さと同程度の高さに位置しているかの当否を判定する。また、当該高さが継続して維持されているか否かについても判定するようにしてもよい。
【0040】
心電波形測定実行部103は、電極接触状態判定部101の判定結果が当である場合には、心電波形の測定を実行する。なお、ここで心電波形の測定とは、心電信号計測部110が計測した心電信号を波形データとして記録することをいう。即ち、本実施形態においては、心電波形測定手段には、心電波形測定実行部103、心電信号計測部110及び記憶部136が含まれる。
【0041】
血圧測定実行部104は、血圧測定姿勢判定部102の判定結果が当である場合には、血圧測定部120を制御してユーザーの血圧測定を実行する。
【0042】
一括測定実行部105は、操作部134を介して血圧測定を開始する操作の入力を受け付けた後の所定時間内(例えば10秒以内)に、電極接触状態判定部101及び血圧測定姿勢判定部102の判定結果がいずれも当である場合には、血圧測定部120による血圧の測定と、心電波形の測定を一括して実行する制御を行う。
【0043】
情報出力処理部106は、表示部133による画像表示や、振動部137による振動パターンにより、装置の使用に係るガイド情報を出力する。具体的には、例えば、ユーザーに生体情報の測定を行うための姿勢をガイドする情報、測定開始・終了をそれぞれ案内する情報、などを出力する制御を実行する。
図3A乃至3Dに表示部133に表示されるガイド画像の一例を示す。
【0044】
図3Aは、測定準備のために、装置を装着した手首を心臓の高さまで持ち上げて維持することを案内するガイド画像である。
図3Bは、測定準備のために、装置の第2電極112に触れることを案内するガイド画像である。
図3Cは、血圧(心電)測定中であることを案内するガイド画像である。
図3Dは、測定終了後に測定結果を示すガイド画像である。なお、各画像は静止画像であってもよいし、動画像であってもよい。
【0045】
(生体情報測定の処理)
次に、生体情報測定装置10が生体情報の測定を実行する際の処理の流れを、
図4及び
図5に基づいて説明する。
図4及び
図5は、本実施形態に係る生体情報測定装置10を用いて血圧・心電波形の一括測定を行う際の処理の手順を示すフローチャートである。
【0046】
図4を参照して、まず、制御部100は操作部134を介して、ユーザーからの血圧測定開始操作を受け付けたか否かを判定する(S101)。ここで、血圧測定開始操作を受け付けたと判定した場合には、加速度センサ131による装置の位置・姿勢の検出が行われ(S102)、血圧測定姿勢判定部102が、加速度センサ131の出力に基づいて、生体情報測定装置10の高さが所定の範囲内にあるか否かの判定を行う(S103)。ステップS103で装置の高さが所定の範囲内ではないと判定された場合には、ステップS102に戻り、加速度センサ131の出力に基づいて、装置の高さが所定の範囲内にあるか否かの判定処理を繰り返す。
【0047】
一方、ステップS103で、装置の高さが所定の範囲内にあると判定された場合には、ステップS104に進む。ステップS104では、情報出力処理部106が、ユーザーに第1電極111及び第2電極112の両電極に接触することを促すガイド情報の出力を行う(S104)。ここでは、例えば表示部133に上述の
図3Bの画像を表示する、振動部137により所定の振動パターンを出力する、などしてユーザーに心電波形測定のための体勢を取ることを促す。
【0048】
その後、心電信号計測回路113が第1電極111、第2電極112への人体(ユーザー)の接触状態を検出する(S105)。そして、電極接触状態判定部101が、血圧測定開始の操作入力があった時から(ステップS101の判定時から)所定の時間内に、ユーザーが第1電極111及び第2電極112に安定して接触しているか否かの当否を判定する(S106)。なお、所定の時間は例えば10秒以内などとすることができ、タイムカウントは図示しないRTC(Real Time Clock)を参照するなどして行うことができる。
【0049】
ステップS106で、血圧測定開始の操作入力があった時から所定時間内にユーザーが各電極に安定して接触していると判定された場合には、一括測定実行部105が血圧測定部120による血圧の測定と心電波形の測定を一括して実行する制御を行う(S107)。
【0050】
図5を参照して、S107の処理が終了するとステップS108の処理に進む。ステップS108では、血圧の測定が終了するとともに心電波形の測定(即ち波形データの記録)も同時に終了し、当該測定結果が記憶部136に保存されて(S108)、一旦本ルーティンが終了する。
【0051】
ここで、
図4に戻り、ステップS106で、ユーザーが所定時間内に各電極に安定して接触していないと判定された場合には、ステップS111に進み、血圧測定実行部104がユーザーの血圧測定を実行する(S111)。そして再び
図5を参照して、血圧の測定が終了すると、当該血圧値の測定結果(例えば、収縮期血圧値、拡張期血圧値)のみが記憶部136に保存されて(S112)、一旦本ルーティンが終了する。
【0052】
一方、ステップS101で、血圧測定操作の入力が無いと判定された場合にはステップS121に進み、心電信号計測回路113が第1電極111、第2電極112への人体(ユーザー)の接触状態を検出する(S121)。そして、電極接触状態判定部101が心電信号計測回路113の出力に基づいて、ユーザーが第1電極111及び第2電極112に安定して接触しているか否かの当否を判定する(S122)。
【0053】
ここで、電極接触状態判定部101の判定結果が否(即ち、ユーザーが第1電極111及び第2電極112に安定して接触していない)である場合には、生体情報の測定に関する何らの操作も行われていないとして、一旦本ルーティンを終了する。
【0054】
一方、ステップS122で、電極接触状態判定部101の判定結果が当であった場合には、心電波形測定実行部103は心電波形の測定を実行する(S123)。これにより、所定時間(例えば30秒)分の心電信号の波形データの記録が行われ、当該心電波形のみが記憶部136に保存されて(S124)、一旦本ルーティンが終了する。
【0055】
なお、上記のルーティンは常時繰り返し実行されるようになっている。また、上記のステップS104では、情報出力処理部106によるガイド情報の出力が行われるようになっていたが、これ以外にも適宜のタイミングで情報出力処理部106によるガイド情報の出力が行われてもよい。例えば、ステップS102に先立ち、装置を装着した手首を心臓の高さまで持ち上げて維持すべきことを示すガイド画像(
図3A参照)を表示部133に表示したり、振動部137による所定の振動パターンによって案内したりしてもよい。また、ステップS108、ステップS112、ステップS124等のタイミングで、測定結果を示す画像を表示部133に表示してもよい。
【0056】
以上のような本実施形態に係る生体情報測定装置10によれば、簡便な操作により血圧と心電波形との一括測定を行うことができるとともに、必要に応じて心電波形のみの測定或いは血圧のみの測定を行うことができる。特に、心電波形の計測のみを実施する場合には、装置を装着した状態で第2電極112に安定して触れるだけで心電波形の測定を行うことができ、急なタイミングで心電波形の測定を行うニーズが生じた場合などに好適である。
【0057】
(変形例1)
なお、上記の生体情報測定処理のフローでは、ステップS103で、装置の高さが所定の範囲内ではないと判定された場合には、ステップS102に戻って、条件を満たすまで
ステップS104には移行しなかったが、これ以外の処理を行うことも可能である。例えば、装置の高さが所定の範囲内ではないと判定された場合には、その旨の情報を記憶部136に保存したうえで、ステップS104に進むようにしてもよい。即ち、本変形例では、一括測定実行部105は、操作部134を介して血圧測定を開始する指示の入力を受け付けた場合に電極接触状態判定部101の判定結果が当であれば、血圧測定部120による血圧の測定と心電波形の測定を一括して実行する制御を行う。このようにしておけば、正しい姿勢が取られなければいつまでも測定が開始されない、といったことを防止しつつ、測定された血圧値の精度に疑義がある旨を記憶するとともに、少なくとも精度の良い心電波形を得ることができる。
【0058】
(変形例2)
また、上記の生体情報測定処理のフローでは、操作部134を介して血圧測定を開始する指示の入力を受け付けることが、電極接触状態判定部101による電極接触状態の判定処理のトリガーとなっていたが、電極接触状態の判定(即ち心電波形測定開始)のトリガーを、別途設けるようにしてもよい。具体的には、入力手段を介して心電波形測定を開始することの指示を受け付けた場合に、電極接触状態の判定を行うようにしてもよい。なお、この場合の「入力手段」は、操作ボタン134a、134bのうちいずれか一方(血圧測定を開始するための操作ボタンと同一であってもよいし、別であってもよい)としてもよいし、外部の電子機器からの測定開始の信号を受信する通信部135であってもよい。
【0059】
<実施形態2>
次に、本発明に係る他の実施形態について説明する。上記の実施形態1では、ユーザーが第1電極111及び第2電極112に安定して接触していることが心電波形の測定を開始する条件となっていた。このような方法であれば、安定した状態で心電波形の測定を行うことができる(即ち精度の良い心電波形を測定できる)が、その反面、電極に安定して接触していることの判定のために所定の待ち時間が生じる。しかしながら、動悸などの異常を感じて心電波形を測定する場合には、そのようなイベントが発生した時から間髪を入れずに心電波形を記録したいというニーズがある。また、血圧測定と心電波形の測定を一括して行うつもりであったところ、2つの電極に安定して接触することに手間取り、血圧のみの測定が先に実行されてしまう、といった事態も考えられる。
【0060】
本実施形態では、上記のような問題に対応する生体情報提供装置について説明する。
図6に、本本実施形態に係る生体情報測定装置20の機能ブロック図を示す。
図6に示すように、生体情報測定装置20は実施形態1の生体情報測定装置10と略同様の構成であり、制御部200の心電波形測定実行部201の機能が実施形態1のそれとは異なっている。
【0061】
心電波形測定実行部201は、実施形態1の心電波形測定実行部103と同様の機能を果たすのに加えて、心電波形の測定を開始した場合において、電極接触状態判定部101の判定結果が当になる以前の心電信号の波形データも記録する(測定する)。具体的には、心電波形の測定を開始する前に計測された心電信号が記憶部136に一時的に記憶されており、心電波形測定実行部201は心電波形の測定を開始した場合には、記憶部136に一時的に記憶されている心電波形測定開始前の心電信号も波形データとして記録する処理を実行する。
図7に、このような処理についての説明図を示す。
【0062】
図7は、電極接触検知と、心電波形測定開始条件の成立と、血圧測定開始条件の成立と、計測された心電信号と、の関係を示すタイミングチャートである。
図7に示すように、心電波形の測定が開始されるまでの間にも心電信号が計測されて記憶部136に格納されており、本変形例に係る心電波形測定実行部201は、心電波形の測定が開始された場合には、記憶部136に格納された心電信号も心電波形データとして採用する。
【0063】
次に、生体情報測定装置20が生体情報の測定を実行する際の処理の流れを、
図8に基づいて説明する。なお、生体情報測定装置20が行う処理の流れは、
図4に示す部分において実施形態1の生体情報測定装置10のものと同一であるため説明を省略し、ここでは、それ以降の処理流れを
図8に基づいて説明する。
【0064】
図8のステップS108に示すように、一括測定に係る処理についての流れは実施形態1の場合と同様である。一方、血圧測定のみを実行した後の処理の流れは本変形例では大きく変わっている。
図4に示すステップS111の血圧測定実施の後、本変形例では、心電信号計測回路113が第1電極111、第2電極112へのユーザーの接触状態を検出する(S221)。そして、電極接触状態判定部101が心電信号計測回路113の出力に基づいて、ユーザーが第1電極111及び第2電極112に安定して接触しているか否かの当否を判定する(S212)。
【0065】
ここで、電極接触状態判定部101の判定結果が否(即ち、ユーザーが第1電極111及び第2電極112に安定して接触していない)である場合には、ステップS112に進み、血圧の測定結果を記憶部136に保存して(S112)、一連の処理を終了する。
【0066】
一方、ステップS212で、電極接触状態判定部101の判定結果が当であった場合には心電波形測定実行部201は心電波形の測定を実行する(S213)。さらに、記憶部136に格納されている、ユーザーが第1電極111及び第2電極112に安定して接触していると判定される以前に計測された心電信号を用いて、当該心電信号分を含む心電波形を測定する(S214)。心電波形データは記憶部136に保存され(S215)、よりはS112に進む。
【0067】
また、心電波形のみの測定を行う処理の流れでも、ステップS122で、電極接触状態判定部101の判定結果が当であった場合には心電波形測定実行部201は心電波形の測定を実行する(S123)。さらに、記憶部136に格納されている、ユーザーが第1電極111及び第2電極112に安定して接触していると判定される以前に計測された心電信号を用いて、当該心電信号分を含む心電波形を測定する(S221)。それ以外の処理は、実施形態1の場合と同様であるため、説明は省略する。
【0068】
以上のような構成の生体情報測定装置20によれば、心電波形の測定開始判定の結果が出るまでの間に計測された心電信号も有効に活用することが可能になる。
【0069】
<その他>
上記実施形態の説明は、本発明を例示的に説明するものに過ぎず、本発明は上記の具体的な形態には限定されない。本発明は、その技術的思想の範囲内で種々の変形及び組み合わせが可能である。例えば、上記実施形態1に記載の処理の流れでは、ステップS103で、装置の高さが所定の範囲内にあると判定された後に、情報出力処理部106がユーザーに電極接触を促すガイド情報の出力を行う流れになっていたが、この電極接触ガイド出力は、ステップS101の後に実行されるのであっても構わない。
【0070】
また、上記実施形態では表示部133にガイド画像を表示することを説明したが、通信部135を介して接続した外部の機器にガイド画像を出力するようにしてもよい。また、通信部135を介して、記憶領域を備える外部の電子機器に、測定した生体情報をストリーミング送信するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0071】
10、20・・・生体情報測定装置
11・・・本体部
15・・・ベルト部
100、200・・・制御部
101・・・電極接触状態判定部
102・・・血圧測定姿勢判定部
103、201・・・心電波形測定実行部
104・・・血圧測定実行部
105・・・一括測定実行部
106・・・情報出力処理部
110・・・心電波形測定部
111・・・第1電極
112・・・第2電極
113・・・心電信号計測回路
120・・・血圧測定部
121・・・カフ
122・・・圧力センサ
123・・・ポンプ
131・・・加速度センサ
132・・・電源部
133・・・表示部
134・・・操作部
134a、135b・・・操作ボタン
135・・・通信部
136・・・記憶部
137・・・振動部
151・・・ベルト
152・・・カーラ
T・・・手首