(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024021841
(43)【公開日】2024-02-16
(54)【発明の名称】撮像レンズ及び電子機器
(51)【国際特許分類】
G02B 7/02 20210101AFI20240208BHJP
【FI】
G02B7/02 A
G02B7/02 B
G02B7/02 D
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022124969
(22)【出願日】2022-08-04
(71)【出願人】
【識別番号】517372494
【氏名又は名称】維沃移動通信有限公司
【氏名又は名称原語表記】VIVO MOBILE COMMUNICATION CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1, vivo Road, Chang’an, Dongguan,Guangdong 523863, China
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100211177
【弁理士】
【氏名又は名称】赤木 啓二
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 智彦
(72)【発明者】
【氏名】横山 武史
(72)【発明者】
【氏名】江黒 とる
【テーマコード(参考)】
2H044
【Fターム(参考)】
2H044AA02
2H044AA17
2H044AB07
2H044AB25
2H044AD01
(57)【要約】
【課題】本発明は、撮像レンズ及び電子機器を提供する。
【解決手段】この撮像レンズは、鏡筒と、光軸に沿って順に前記鏡筒内に収納されるN(Nは、2以上の整数)個のレンズとを含み、ここで、隣接するレンズの外形レンズ径の差が、第一の所定範囲内にある場合に、外形レンズ径が大きいレンズの外周部と前記鏡筒の内径部の間に接着剤により塗布される固定構造を形成する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像レンズであって、
鏡筒と、
光軸に沿って順に前記鏡筒内に収納されるN(Nは、2以上の整数)個のレンズとを含み、
ここで、隣接するレンズの外形レンズ径の差が、第1の所定範囲内にある場合に、外形レンズ径が大きいレンズの外周部と前記鏡筒の内径部の間に接着剤により塗布される固定構造を形成する
ことを特徴とする撮像レンズ。
【請求項2】
請求項1に記載される撮像レンズであって、
N個のレンズは、物体側から像側に向かって順に、第1レンズと、第2レンズと、第3レンズと、第4レンズと、第5レンズと、第6レンズを含み、前記第1レンズと、第2レンズと、第3レンズと、第4レンズと第5レンズがお互いに勘合し、
ここで、前記第1レンズの外形レンズ径と、前記第2レンズの外形レンズ径と、前記第3レンズの外形レンズ径と前記第4レンズの外形レンズ径が順に大きくなり、前記第4レンズの外形レンズ径が、前記第5レンズの外形レンズ径の以下であり、前記第5レンズの外形レンズ径が、前記第6レンズの外形レンズ径の以下である、
ことを特徴とする撮像レンズ。
【請求項3】
請求項2に記載される撮像レンズであって、
前記第4レンズの外形レンズ径が、前記第5レンズの外形レンズ径より小さい場合に、前記第4レンズの外形レンズ径と前記第3レンズの外形レンズ径の差が前記の所定範囲内にあり、前記第4レンズの外周部と前記鏡筒の内径部の間に固定構造を形成する
ことを特徴とする撮像レンズ。
【請求項4】
請求項2に記載される撮像レンズであって、
前記第4レンズの外形レンズ径が、前記第5レンズの外形レンズ径と等しい場合に、前記第4レンズの外周部、前記第5レンズの外周部と前記鏡筒の内径部の間に固定構造を形成する
ことを特徴とする撮像レンズ。
【請求項5】
請求項2に記載される撮像レンズであって、
前記第2レンズの外形レンズ径と前記第1レンズの外形レンズ径の差、前記第3レンズの外形レンズ径と前記第2レンズの外形レンズ径の差がいずれも第2の所定範囲内にあり、前記第2の所定範囲内の最大閾値が前記第1の所定範囲内の最小閾値より小さく、
前記第6レンズの外形レンズ径と前記第5レンズの外形レンズ径の差が第3の所定範囲内にあり、前記第3の所定範囲内の最大閾値が前記第1の所定範囲内の最小閾値より小さい
ことを特徴とする撮像レンズ。
【請求項6】
請求項1に記載される撮像レンズであって、
前記第1の所定範囲は、Φ2.4mm~Φ3.2mmである
ことを特徴とする撮像レンズ。
【請求項7】
請求項5に記載される撮像レンズであって、
前記第2の所定範囲は、Φ0.2mm~Φ0.6mmであり、前記第3の所定範囲は、Φ1.0mm~Φ1.8mmである
ことを特徴とする撮像レンズ。
【請求項8】
請求項1に記載される撮像レンズであって、
前記鏡筒のフランジから前記固定構造までの距離は、2.5mm~3.2mmである
ことを特徴とする撮像レンズ。
【請求項9】
請求項1に記載される撮像レンズであって、
前記接着剤の塗布幅が、0.4mm~0.7mmであり、塗布高さが、0.15mm~0.3mmである
ことを特徴とする撮像レンズ。
【請求項10】
請求項4に記載される撮像レンズであって、
前記第4レンズと第5レンズの間へ流入した接着剤の塗布幅が0.15mm ~ 0.3mm であり、塗布高さが0.03mm ~ 0.1mmである
ことを特徴とする撮像レンズ。
【請求項11】
請求項2に記載される撮像レンズであって、
前記第5レンズと第6レンズの間に設置される中間環と、
前記第6レンズに当接する押さえ環をさらに含む
ことを特徴とする撮像レンズ。
【請求項12】
請求項11に記載される撮像レンズであって、
前記鏡筒の内径部と前記押しさえ環の間に接着剤がある
ことを特徴とする撮像レンズ。
【請求項13】
請求項11に記載される撮像レンズであって、
前記第1レンズと前記第2レンズ間、前記第2レンズと前記第3レンズとの間、前記第3レンズと前記第4レンズとの間、前記第4レンズと前記第5レンズとの間、前記第5レンズと前記中間環との間、前記中間環と前記第6レンズとの間、それぞれ遮光フィルムが配置されている
ことを特徴とする撮像レンズ。
【請求項14】
請求項13に記載される撮像レンズであって、
前記遮光フィルムは、開口部を有する円環状の平板の部材である
ことを特徴とする撮像レンズ。
【請求項15】
電子機器であって、
請求項1から請求項14のいずれかの一つに記載される撮像レンズを含む
ことを特徴とする電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学素子の技術分野に関し、具体的には撮像レンズ及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の撮像レンズ群は積層方式であり、隣接するレンズの外径差が大きい場合、大外径レンズと小外径レンズの支持位置が不安定な構造となる。現在、一般に、大外径レンズと小外径レンズの間の支持として、スペーサーとして金属材料を使用する技術を利用する。圧力を増加すると、スペーサーやレンズが変形し、金属スペーサーを使用しても変形があり、さらにレンズユニットの解像性能を劣化させ、レンズユニット重量が重くなり、レンズユニットのコストも高くなる等の課題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の実施例は撮像レンズ及び電子機器を提供し、レンズの変形を緩和させ、レンズユニットの解像度性能を向上させ、レンズユニットの重量及びコストを低減することができる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の技術課題を解決するために、本発明は、以下のように実現される。
第一の態様としては、撮像レンズを提供する。この撮像レンズは、鏡筒と、光軸に沿って順に前記鏡筒内に収納されるN(Nは、2以上の整数)個のレンズとを含み、ここで、隣接するレンズの外形レンズ径の差が、第1の所定範囲内にある場合に、外形レンズ径が大きいレンズの外周部と前記鏡筒の内径部の間に接着剤により塗布される固定構造を形成する。
第二の態様としては、前記撮像レンズを含む電子機器を提供する。
【発明の効果】
【0005】
従来技術に比べ、本願実施例による撮像レンズと電子機器では、撮像レンズは、鏡筒と、光軸に沿って順に前記鏡筒内に収納されるN(Nは、2以上の整数)個のレンズとを含み、隣接するレンズの外形レンズ径の差が、第1の所定範囲内にある場合に、外形レンズ径が大きいレンズの外周部と前記鏡筒の内径部の間に接着剤により塗布される固定構造を形成することにより、レンズの変形を緩和させ、レンズユニットの解像度性能を向上させ、且つ、従来の金属スペーサーの代わりに、固定構造が接着剤により塗布される構成のため、レンズユニットの重量及びコストを低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、本願実施例における撮像構造の構造概略図である。
【
図2】
図2は、各レンズの外形寸法に関する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の実施例の図面とともに、本発明の実施例の技術手段を明確且つ完全的に記載する。明らかに、記載する実施例は、本発明の実施例の一部であり、全てではない。本発明の実施例に基づき、当業者が創造性のある作業をしなくても為しえる全ての他の実施例は、いずれも本開示の保護範囲に属するものである。
【0008】
本発明の明細書及び特許請求の範囲における用語「第1」、「第2」などは、類似した対象を区別するためのものであり、必ずしも特定の順序又は優先順位を説明するためのものではない。ここで説明した本発明の実施例が、例えばここでの図示又は説明以外の順序でも実施できるように、このように使用されたデータは、適宜入れ替えてもよいと理解すべきである。尚且つ、用語「第1」、「第2」などにより区別される対象は、通常同種なものであり、対象な数を限定しない。例えば、第一対象は、一つでもよく、複数でもよい。なお、明細書及び特許請求の範囲における「及び/又は」は、接続対象の少なくとも1つを表す。文字「/」は、一般に、前後関連な対象が「或いは」の関係となることを示す。
【0009】
本願実施例において、撮像レンズを提供する。この撮像レンズは、鏡筒と、光軸に沿って順に前記鏡筒内に収納されるN(Nは、2以上の整数)個のレンズとを含む。ここで、隣接するレンズの外形レンズ径の差が、第1の所定範囲内にある場合に、外形レンズ径が大きいレンズの外周部と前記鏡筒の内径部の間に接着剤により塗布される固定構造を形成する。
【0010】
なお、実際の応用シーンにおいて、鏡筒の数が実際に応じて調整することができる。
【0011】
本実施の形態に係る構成では、第1の所定範囲は、Φ2.4mm~Φ3.2mmを満足することにより、好ましい効果を奏するものである。
なお、第1の所定範囲は、Φ2.4mm~Φ3.2mmであることは、隣接するレンズの外形レンズ径の差が大きいと言える。そのため、隣接するレンズにおける外形レンズ径の大きいレンズと外形レンズ径の小さいレンズの支持位置が不安定な構造になる。レンズの性能に影響を与えないために、本発明実施例では、外形レンズ径が大きいレンズの外周部と鏡筒の内径部の間に接着剤により塗布される固定構造を形成することにより、レンズの変形を緩和させ、レンズユニットの解像度性能を向上させ、且、従来の金属スペーサーの代わりに、固定構造が接着剤により塗布され構成されるため、レンズユニットの重量及びコストを低減する効果を果たす。
【0012】
本実施の形態に係る構成では、鏡筒のフランジから前記固定構造までの距離は、2.5mm~3.2mmを満足することにより、好ましい効果を奏するものである。
【0013】
本実施の形態に係る構成では、接着剤の塗布幅が、0.4mm~0.7mmであり、塗布高さが、0.15mm~0.3mmを満足することにより、好ましい効果を奏するものである。
【0014】
図1に示すように、本発明の一つの実施例において、N個のレンズは、物体側から像側に向かって順に、第1レンズ11と、第2レンズ12と、第3レンズ13と、第4レンズ14と、第5レンズ15と、第6レンズ16を含み、前記第1レンズ11と、第2レンズ12と、第3レンズ13と、第4レンズ14と第5レンズ15がお互いに勘合する。
ここで、
図2を参照し、第1レンズ11の外形レンズ径と、第2レンズ12の外形レンズ径と、第3レンズ13の外形レンズ径と前記第4レンズ14の外形レンズ径が順に大きくなり、第4レンズ14の外形レンズ径が、第5レンズ15の外形レンズ径と等しく、第5レンズ15の外形レンズ径が、前記第6レンズ16の外形レンズ径より小さい。
【0015】
ここで、第1レンズ11から第5レンズ15まではレンズ勘合で位置決めを行う。第1レンズ11の外形レンズ径が第2レンズ12の外形レンズ径より小さくて、第2レンズ12の外形レンズ径が前記第3レンズ13の外形レンズ径より小さくて、第3レンズ13の外形レンズ径が、第4レンズ14の外形レンズ径より小さい。
【0016】
図1と
図3を参照して、第4レンズ14の外形レンズ径が、第5レンズ15の外形レンズ径と等しい場合に、第4レンズの外周部と、第5レンズの外周部と鏡筒17の内径部の間に固定構造(図における斜め線部分)を形成する。即ち、鏡筒17の内径部と第4レンズ14及び第5レンズ15の外周部に接着剤塗布形状を形成し、第4レンズ14と第5レンズ15と鏡筒17の間へ接着剤を流入し、3部品を同時に接着固定する構造である。これにより、良好な支持効果を果たし、且つ大外径レンズの変形を緩和させ、撮像レンズの解像度性能を向上させることができる。さらに、第4レンズ14の外形レンズ径が、第5レンズ15の外形レンズ径と等しいため、第4レンズ14と第5レンズ15と鏡筒17を同時に接着固定が可能となり、第4レンズ14と第5レンズ15の変形やZ軸方向の変位を抑制する事が可能となる。
【0017】
第4レンズ14の外形レンズ径が、第5レンズ15の外形レンズ径と等しい場合に、第4レンズ14と第5レンズ15との間へ流入した接着剤の塗布幅が0.15mm ~ 0.3mm であり、塗布高さが0.03mm ~ 0.1mmであることが好ましい。
【0018】
第4レンズの外形レンズ径が、第5レンズの外形レンズ径より小さい場合に、第4レンズの外形レンズ径と第3レンズ外形レンズ径の差が第1の所定範囲内にあり、第4レンズの外周部と鏡筒の内径部の間に固定構造を形成する。即ち、鏡筒の内径部と第4レンズの外周部の間に接着剤塗布形状を形成して、接着剤を第4レンズと鏡筒の間に流入して、2部品を同時に接着固定する構造である。これにより、良好な支持効果を果たし、且つ大外径レンズの変形を緩和させ、撮像レンズの解像度性能を向上させることができる。
【0019】
第2レンズ12と第1レンズ11の外形レンズ径の差、第3レンズ13と第2レンズ12の外形レンズ径の差がいずれも第2の所定範囲内であり、第2の所定範囲内の最大閾値が第1の所定範囲内の最小閾値より小さいことが好ましい。
【0020】
第6レンズ16と第5レンズ15の外形レンズ径の差が第3の所定範囲内にあり、第3の所定範囲内の最大閾値が第1の所定範囲内の最小閾値より小さい。
【0021】
以上の説明により、隣接するレンズの外形レンズ径の差が大きいことは、隣接するレンズの外形レンズ径の差が第1の所定範囲内にあることを指す。本実施例では、具体的に、第3レンズ13と第4レンズ14の外形レンズ径の差が大きいことを指す。
【0022】
好ましいのは、第2の所定範囲は、Φ0.2mm~Φ0.6mmであり、第3の所定範囲は、Φ1.0mm~Φ1.8mmである。
【0023】
図2は、各レンズの外形寸法に関する説明図である。第1レンズ11から第3レンズ13までの間に、隣接するレンズの外形レンズ径の差がΦ0.2mm~Φ0.6mmであり、第3レンズ13の外形レンズ径と第4レンズ14の外形レンズ径の差がΦ2.4mm~Φ3.2mmであり、第3レンズ13の外形レンズ径と第5レンズの15外形レンズ径の差がΦ2.4mm~Φ3.2mmである。第5レンズ15の外形レンズ径と第6レンズの16外形レンズ径の差がΦ1.0mm~Φ1.8mmである。即ち、
D2-D1=Φ0.2mm~Φ0.6mm、
D3-D2=Φ0.2mm~Φ0.6mm、
D4-D3=Φ2.4mm~Φ3.2mm、
D5=D4、
D6-D5=Φ1.0mm~Φ1.8mmとなる。
【0024】
図3は、
図1に示す撮像レンズの拡大図である。
図3により、接着剤塗布部分の形状、サイズを説明する。
図3において、H1は、第5レンズ15の外周部から鏡筒17の内径部までの接着剤塗布高さを表示し、0.15mm~0.3mm程度であることが好ましい。W1は、第5レンズ15の外周部から鏡筒17の内径部までの接着剤塗布幅を表示し、0.4mm~0.7mm程度であることが好ましい。H2は、第4レンズ14と第5レンズ15の接着剤塗布高さを表示し、0.03mm~0.1mm程度であることが好ましい。W2は、第4レンズ14と第5レンズ15の接着剤塗布幅を表示し、0.15mm~0.3mm程度であることが好ましい。H3は、鏡筒17のフランジから接着剤塗布部までの距離を表示し、2.5mm~3.2mmであることが好ましい。
【0025】
本発明の一つの実施例では、
図4を参照する。撮像レンズは、さらに、第5レンズ15と第6レンズ16の間に設置される中間環18と、第6レンズ16に当接する押しさえ環19を含む
【0026】
鏡筒17の内径部と押しさえ環19の間に接着剤がある。
ここで、中間環18は、第5レンズ15と第6レンズ16の光軸Z方向における間隔を位置づける機能がある。
【0027】
押しさえ環19は、第6レンズに当接することは、接着剤を鏡筒17と押しさえ環の間に流入させて、鏡筒17の内径部と押しさえ環19の間に接着剤を有することにより、さらに固定の機能を奏すること目的とする
【0028】
この実施例では、第1レンズ11と第2レンズ12の間、第2レンズ12と第3レンズ13の間と、第3レンズ13と第4レンズ14の間、第4レンズ14と第5レンズ15の間、第5レンズ15と中間環18の間、中間環18と第6レンズ16の間に、それぞれ、遮光フィルム20が配置されている。
【0029】
遮光フィルム20は、開口部を有する円環状の平板の部材である。具体的に、遮光フィルム20開口部の直径と各レンズの光学有効部を通過する最大の有効光線の直径がほほ同じである。
【0030】
なお、遮光フィルム20は、撮像レンズの内部で発生する不要光を遮光するためのものであり、遮光性能を備えた材料で製作されている。
【0031】
図4は、
図1に示す撮像レンズの分解図である。以下、
図4を参照しながら、撮像レンズの組み立てプロセスを説明する。
【0032】
まず、鏡筒17において、第1レンズ11から第5レンズ15まで組み込み、接着剤を流入して、治具等を使用して第5レンズ15を加圧しながら接着剤を硬化させる。これにより、第4レンズ14、第5レンズ15、鏡筒17の3部品を同時に接着固定する事が可能となる。そのため、良好な支持効果を果たし、且つレンズの変形を緩和させ、撮像レンズの性能を向上させることができる。
【0033】
その後、第5レンズ15、中間環18,第6レンズから押さえ環まで組み込み、鏡筒と押さえ環の間に接着剤を流入して固定する。このようにして鏡筒を含む撮像レンズが完成する。
【0034】
さらに、本発明実施例は、以上の前記撮像レンズを含む電子機器を提供する。
【0035】
前記撮像レンズは、いわゆるスマートフォン、いわゆるフィーチャーフォン(Feature Phone)、またはタブレット機器などの携帯情報機器用の撮像装置に用いられてもよい。
【0036】
本発明の実施例における電子機器は、移動式電子機器であってもよく、非移動式電子機器であってもよい。例えば、移動式電子機器は、携帯電話、タブレット、ノートブックコンピュータ、パームトップコンピュータ、車載電子機器、ウェアラブル機器、ウルトラモバイルパーソナルコンピュータUMPC(ultra-mobile personal computer)、ネットブック又はパーソナルデジタルアシスタントPDA(personal digital assistant)などであり、非移動式電子機器は、サーバ、ネットワーク付属メモリNAS(Network Attached Storage)、パーソナルコンピュータPC(personal computer)、テレビTV(television)、ATM又はセルフマシンなどであり、本発明の実施例では限定されない。
【0037】
以上、本発明の実施例を図面に基づいて記載したが、本発明は、上記の具体的な実施形態に限定されるものではない。上記の具体的な実施形態は、例示的なものであり、限定的なものではない。本開示の示唆を受け、当業者が本開示の趣旨および特許請求の範囲から逸脱することなくなしえる多くの形態は、すべて本開示の保護範囲に含まれる。
【手続補正書】
【提出日】2023-08-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像レンズであって、
鏡筒と、
光軸に沿って順に前記鏡筒内に収納されるN(Nは、2以上の整数)個のレンズとを含み、
ここで、隣接するレンズの外形レンズ径の差が、第1の所定範囲内にある場合に、外形レンズ径が大きいレンズの外周部と前記鏡筒の内径部の間に接着剤により塗布される固定構造を形成し、
N個のレンズは、物体側から像側に向かって順に、第1レンズと、第2レンズと、第3レンズと、第4レンズと、第5レンズと、第6レンズを含み、前記第1レンズと、第2レンズと、第3レンズと、第4レンズと第5レンズがお互いに嵌合し、
ここで、前記第1レンズの外形レンズ径と、前記第2レンズの外形レンズ径と、前記第3レンズの外形レンズ径と前記第4レンズの外形レンズ径が順に大きくなり、前記第4レンズの外形レンズ径が、前記第5レンズの外形レンズ径の以下であり、前記第5レンズの外形レンズ径が、前記第6レンズの外形レンズ径の以下であり、
前記第1の所定範囲は、Φ2.4mm~Φ3.2mmであり、
前記撮像レンズは、
前記第5レンズと第6レンズの間に設置される中間環と、
前記第6レンズに当接する押さえ環をさらに含む
ことを特徴とする撮像レンズ。
【請求項2】
請求項1に記載される撮像レンズであって、
前記第4レンズの外形レンズ径が、前記第5レンズの外形レンズ径より小さい場合に、前記第4レンズの外形レンズ径と前記第3レンズの外形レンズ径の差が前記の所定範囲内にあり、前記第4レンズの外周部と前記鏡筒の内径部の間に前記固定構造を形成する
ことを特徴とする撮像レンズ。
【請求項3】
請求項1に記載される撮像レンズであって、
前記第4レンズの外形レンズ径が、前記第5レンズの外形レンズ径と等しい場合に、前記第4レンズの外周部、前記第5レンズの外周部と前記鏡筒の内径部の間に前記固定構造を形成する
ことを特徴とする撮像レンズ。
【請求項4】
請求項1に記載される撮像レンズであって、
前記第2レンズの外形レンズ径と前記第1レンズの外形レンズ径の差、前記第3レンズの外形レンズ径と前記第2レンズの外形レンズ径の差がいずれも第2の所定範囲内にあり、前記第2の所定範囲内の最大閾値が前記第1の所定範囲内の最小閾値より小さく、
前記第6レンズの外形レンズ径と前記第5レンズの外形レンズ径の差が第3の所定範囲内にあり、前記第3の所定範囲内の最大閾値が前記第1の所定範囲内の最小閾値より小さい
ことを特徴とする撮像レンズ。
【請求項5】
請求項4に記載される撮像レンズであって、
前記第2の所定範囲は、Φ0.2mm~Φ0.6mmであり、前記第3の所定範囲は、Φ1.0mm~Φ1.8mmである
ことを特徴とする撮像レンズ。
【請求項6】
請求項1に記載される撮像レンズであって、
前記鏡筒のフランジから前記固定構造までの距離は、2.5mm~3.2mmである
ことを特徴とする撮像レンズ。
【請求項7】
請求項1に記載される撮像レンズであって、
前記接着剤の光軸方向に垂直な方向での塗布幅が、0.4mm~0.7mmであり、光軸方向での塗布高さが、0.15mm~0.3mmである
ことを特徴とする撮像レンズ。
【請求項8】
請求項3に記載される撮像レンズであって、
前記第4レンズと第5レンズの間へ流入した接着剤の光軸方向に垂直な方向での塗布幅が0.15mm ~ 0.3mm であり、光軸方向での塗布高さが0.03mm ~ 0.1mmである
ことを特徴とする撮像レンズ。
【請求項9】
請求項1に記載される撮像レンズであって、
前記鏡筒の内径部と前記押さえ環の間に接着剤がある
ことを特徴とする撮像レンズ。
【請求項10】
請求項1に記載される撮像レンズであって、
前記第1レンズと前記第2レンズ間、前記第2レンズと前記第3レンズとの間、前記第3レンズと前記第4レンズとの間、前記第4レンズと前記第5レンズとの間、前記第5レンズと前記中間環との間、前記中間環と前記第6レンズとの間、それぞれ遮光フィルムが配置されている
ことを特徴とする撮像レンズ。
【請求項11】
請求項10に記載される撮像レンズであって、
前記遮光フィルムは、開口部を有する円環状の平板の部材である
ことを特徴とする撮像レンズ。
【請求項12】
電子機器であって、
請求項1から請求項11のいずれかの一つに記載される撮像レンズを含む
ことを特徴とする電子機器。