(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024002185
(43)【公開日】2024-01-11
(54)【発明の名称】生体情報測定装置、生体情報処理システム、生体情報測定装置及び情報処理端末の制御方法
(51)【国際特許分類】
A61B 5/022 20060101AFI20231228BHJP
A61B 5/02 20060101ALI20231228BHJP
A61B 5/256 20210101ALI20231228BHJP
A61B 5/276 20210101ALI20231228BHJP
A61B 5/282 20210101ALI20231228BHJP
A61B 5/33 20210101ALI20231228BHJP
【FI】
A61B5/022 B
A61B5/02 D
A61B5/256 220
A61B5/276 100
A61B5/282
A61B5/33 200
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022101236
(22)【出願日】2022-06-23
(71)【出願人】
【識別番号】503246015
【氏名又は名称】オムロンヘルスケア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】濱口 貴広
(72)【発明者】
【氏名】田邊 友香
(72)【発明者】
【氏名】森 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】久保 大
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼野 佑樹
(72)【発明者】
【氏名】浅野 康夫
(72)【発明者】
【氏名】加藤 里佳
【テーマコード(参考)】
4C017
4C127
【Fターム(参考)】
4C017AA08
4C017AA19
4C017AB02
4C017AC03
4C017AC16
4C017FF08
4C127AA02
4C127BB03
4C127BB05
4C127LL13
(57)【要約】
【課題】生体情報測定装置に関し、装置単独で血圧、心電波形などの生体情報を測定できるとともに、装置の状態に応じた操作方法や動作状態などの案内情報を、情報処理端末などの他の電子機器で出力することができる技術を提供する。
【解決手段】人体の手首に装着して用いられる生体情報測定装置であって、血圧測定手段と、入力手段と、心電波形測定手段と、電極接触状態検出手段と、位置検出手段と、制御手段と、通信手段と、を有しており、前記制御手段は、前記入力手段を介して前記人体の血圧測定を開始する操作を受け付けると、前記装置と前記他の電子機器との通信が確立されている場合には、少なくとも前記電子機器の前記1表示手段に、第1高さ案内画像と、第1電極接触案内画像と、第1測定中画像と、第1測定結果画像と、を出力する制御を行う、ことを特徴とする、生体情報測定装置。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人体の手首に装着して用いられる生体情報測定装置であって、
前記人体の血圧を測定するための血圧測定手段と、
前記人体の血圧測定を開始する操作を受け付ける入力手段と、
複数の電極を備え、前記人体の心電波形を測定するための心電波形測定手段と、
前記複数の電極への前記人体の接触状態を検出する電極接触状態検出手段と、
前記装置の位置を検出する位置検出手段と、
所定の案内情報の出力に係る制御を行う制御手段と、
第1表示手段を備える他の電子機器と通信を行うための通信手段と、を有しており、
前記制御手段は、
前記入力手段を介して前記人体の血圧測定を開始する操作を受け付けると、前記装置と前記他の電子機器との通信が確立されている場合には、少なくとも前記電子機器の前記1表示手段に、前記装置を装着した前記人体の手首が所定範囲内の高さに位置するように案内する第1高さ案内画像と、前記複数の電極へ前記人体を接触させるための適切な姿勢を案内する第1電極接触案内画像と、前記血圧及び/又は前記心電波形の測定中であることを案内する第1測定中画像と、前記血圧及び/又は前記心電波形の測定結果を示す第1測定結果画像と、を出力する制御を行う、
ことを特徴とする、生体情報測定装置。
【請求項2】
前記制御手段は、
前記位置検出手段の出力に基づいて前記装置を装着した前記人体の手首が所定範囲内の高さに位置しているか否かの当否を判定する第1当否判定と、前記電極接触状態検出手段の出力に基づいて前記人体が前記複数の電極に安定して接触しているか否かの当否を判定する第2当否判定と、を実施し、
前記入力手段を介して前記人体の血圧測定を開始する操作を受け付けた後に、前記第1高さ案内画像を出力する制御を行い、前記第1当否判定の結果が当である場合に、前記第1電極接触案内画像を出力する制御を行う、
ことを特徴とする、請求項1に記載の生体情報測定装置。
【請求項3】
前記制御手段は、
前記第1当否判定及び前記第2当否判定の結果がいずれも当である場合に、前記血圧測定手段による前記人体の血圧測定と前記心電波形測定手段による前記人体の心電波形の測定を一括して実行するとともに、前記血圧及び前記心電波形の測定中には前記第1測定中画像を出力する制御を行う、
ことを特徴とする、請求項2に記載の生体情報測定装置。
【請求項4】
前記制御手段は、
前記血圧及び前記心電波形の測定が終了した後に、前記第1測定結果画像を出力する制御を行う、
ことを特徴とする、請求項3に記載の生体情報測定装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記第1高さ案内表示と前記第1電極接触案内画像とを、同時に出力する制御を行う、
ことを特徴とする、請求項1に記載の生体情報測定装置。
【請求項6】
第2表示手段を含む出力手段を有しており、
前記制御手段は、前記他の電子機器との通信の有無に関わらず、前記装置を装着した前記人体の手首が所定範囲内の高さに位置するように案内する第2高さ案内画像と、前記複数の電極へ前記人体を接触させるための適切な姿勢を案内する第2電極接触案内画像と、
前記血圧及び/又は前記心電波形の測定中であることを案内する第2測定中画像と、前記血圧及び/又は前記心電波形の測定結果を示す第2測定結果画像と、を前記第2表示手段から出力する制御を行う、
ことを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の生体情報測定装置。
【請求項7】
前記人体の血圧測定を開始する前記操作は前記他の電子機器に対して行われるものであり、前記入力手段は、前記通信手段を介して前記操作を受け付ける、
ことを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の生体情報測定装置。
【請求項8】
人体の手首に装着して用いられ、前記人体の血圧を測定するための血圧測定手段、複数の電極を備え前記人体の心電波形を測定するための心電波形測定手段、前記複数の電極への前記人体の接触状態を検出する電極接触状態検出手段、及び、前記血圧測定手段の位置を検出する位置検出手段を備える生体情報測定装置と、第1表示手段を備え該生体情報測定装置と通信可能に構成された情報処理端末と、を有する生体情報処理システムであって、
前記生体情報処理システムは、
前記人体の血圧測定を開始する操作を受け付ける入力手段と、
所定の案内情報の出力に係る制御を行う案内出力制御手段と、を有しており、
前記案内出力制御手段は、
前記入力手段を介して前記人体の血圧測定を開始する操作を受け付けると、前記生体情報測定装置と前記情報処理端末との通信が確立されている場合には、少なくとも前記第1表示手段に、前記装置を装着した前記人体の手首が所定範囲内の高さに位置するように案内する第1高さ案内画像と、前記複数の電極へ前記人体を接触させるための適切な姿勢を案内する第1電極接触案内画像と、前記血圧及び/又は前記心電波形の測定中であることを案内する第1測定中画像と、前記血圧及び/又は前記心電波形の測定結果を示す第1測定結果画像と、を出力する制御を行う、
ことを特徴とする、生体情報処理システム。
【請求項9】
前記生体情報測定装置は第2表示手段を含む出力手段を備えており、
前記案内出力制御手段は、前記生体情報測定装置と前記情報処理端末との通信の有無に関わらず、前記装置を装着した前記人体の手首が所定範囲内の高さに位置するように案内する第2高さ案内画像と、前記複数の電極へ前記人体を接触させるための適切な姿勢を案内する第2電極接触案内画像と、前記血圧及び/又は前記心電波形の測定中であることを案内する第2測定中画像と、前記血圧及び/又は前記心電波形の測定結果を示す第2測定結果画像と、を前記第2表示手段に出力する制御を行う、
ことを特徴とする、請求項8に記載の生体情報処理システム。
【請求項10】
人体の手首に装着して用いられ、前記人体の血圧を測定するための血圧測定手段、複数の電極を備え前記人体の心電波形を測定するための心電波形測定手段、前記複数の電極への前記人体の接触状態を検出する電極接触状態検出手段、前記血圧測定手段の位置を検出する位置検出手段、及び、前記心電波形測定手段及び前記血圧測定手段を制御する制御手段を備える生体情報測定装置と、表示手段を備え該生体情報測定装置と通信可能に構成された情報処理端末と、を有する生体情報処理システムにおいて、前記生体情報測定装置と前記情報処理端末との通信が確立されている場合に、前記生体情報測定装置及び前記情報処理端末を制御する方法であって、
前記人体の血圧測定を開始する操作を受け付ける操作受付ステップと、
前記装置を装着した前記人体の手首が所定範囲内の高さに位置するように案内する高さ案内画像を前記表示手段に出力する第1出力ステップと、
前記位置検出手段の出力に基づいて前記装置を装着した前記人体の手首が所定範囲内の高さに位置しているか否かの当否を判定する第1当否判定ステップと、
前記複数の電極へ前記人体を接触させるための適切な姿勢を案内する電極接触案内画像を前記表示手段に出力する第2出力ステップと、
前記電極接触状態検出手段の出力に基づいて前記人体が前記複数の電極に安定して接触しているか否かの当否を判定する第2当否判定ステップと、
前記第1当否判定ステップ及び前記第2当否判定ステップの結果がいずれも当である場合に、前記血圧測定手段による前記人体の血圧測定と前記心電波形測定手段による前記人体の心電波形の測定を一括して実行する一括測定実行ステップと、
前記血圧と前記心電波形を測定中に、当該測定中であることを案内する測定中画像を前記表示手段に出力する第3出力ステップと、
前記血圧と前記心電波形の測定終了後に、前記血圧と前記心電波形の測定結果を示す前記第1測定結果画像を前記表示手段に出力する第4出力ステップと、を有する、
ことを特徴とする、生体情報測定装置及び情報処理端末の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘルスケア関連の技術分野に属し、生体情報測定装置、生体情報処理システム、生体情報測定装置及び情報処理端末の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、血圧値、心電波形などの個人の身体・健康に関する情報(以下、生体情報ともいう)を、個人が自ら日常的に測定機器によって測定し、当該測定結果を健康管理に活用することが一般的に行われるようになってきている。このことから、携帯性を重視した機器の需要が高まっており、様々な携帯型測定装置が提案されている(例えば、特許文献1、2など)。
【0003】
特許文献1には、スマートフォンなどの情報処理端末と連携して用いる携帯型の心電波形計測デバイスが開示されている。本文献に記載の技術によれば、デバイスで心電波形を計測しつつ、当該計測データをスマートフォンにストリーミング伝送することができ、スマートフォンにおいて取得したデータを解析するなどして有効に活用することができる。また、特許文献2には、スマートフォンなどの情報処理端末と連携可能な腕時計型のウェアラブルデバイスにおいて、血圧と心電波形を測定することが開示されており、心電波形の測定中には表示部に心電図を表示することができる。
【0004】
ところで、上記のような携帯型のウェアラブルデバイスは小型の装置であるため、ユーザーインターフェースという観点では、制約が多くなってしまう。この点、特許文献1、2に記載の技術によれば、デバイスと情報処理端末とを連携して用いることができ、情報処理端末をユーザーインターフェースとすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特表2014-8713号公報
【特許文献2】米国特許出願公開第US2019/0072912号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の技術によれば、デバイス単体で心電波形の測定などを行うことができず、必ず情報処理端末とセットにして用いなければならないという問題がある。また、特許文献2に記載の技術であっても、情報処理端末で測定状態や測定結果を表示している際には、デバイスと同時に操作することができないという問題がある。
【0007】
また、上記のようなデバイスで生体情報の(正確な)測定を行う場合には、一般的にデバイスを装着したうえで適切な姿勢を取る必要がある。しかしながら、使用方法に慣れていないユーザーにとっては、生体情報の測定のために適切な姿勢を取ることが困難であるという問題がある。
【0008】
上記のような問題に鑑みて、本発明は、生体情報測定装置に関し、装置単独で血圧、心電波形などの生体情報を測定できるとともに、装置の状態に応じた操作方法や動作状態などの案内情報を、情報処理端末などの他の電子機器で出力することができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するため、本発明は次のような構成を採用する。即ち、
人体の手首に装着して用いられる生体情報測定装置であって、
前記人体の血圧を測定するための血圧測定手段と、
前記人体の血圧測定を開始する操作を受け付ける入力手段と、
複数の電極を備え、前記人体の心電波形を測定するための心電波形測定手段と、
前記複数の電極への前記人体の接触状態を検出する電極接触状態検出手段と、
前記装置の位置を検出する位置検出手段と、
所定の案内情報の出力に係る制御を行う制御手段と、
第1表示手段を備える他の電子機器と通信を行うための通信手段と、を有しており、
前記制御手段は、
前記入力手段を介して前記人体の血圧測定を開始する操作を受け付けると、前記装置と前記他の電子機器との通信が確立されている場合には、少なくとも前記電子機器の前記1表示手段に、前記装置を装着した前記人体の手首が所定範囲内の高さに位置するように案内する第1高さ案内画像と、前記複数の電極へ前記人体を接触させるための適切な姿勢を案内する第1電極接触案内画像と、前記血圧及び/又は前記心電波形の測定中であることを案内する第1測定中画像と、前記血圧及び/又は前記心電波形の測定結果を示す第1測定結果画像と、を出力する制御を行う、
ことを特徴とする、生体情報測定装置である。
【0010】
なお、本明細書において、「心電波形の測定」とは、心電信号の波形データを記録することをいう。また、上記の血圧測定手段としては、オシロメトリック法により血圧を測定するためのカフ、圧力センサ、ポンプなどを例示することができるが、これに限られない。また、位置検出手段としては、例えば3軸加速度センサを採用することができるが、少なくとも装置の鉛直軸上の位置(即ち、装置の位置する高さ)を検出可能であれば、他の手段を用いてもよい。
【0011】
このような構成によれば、小型の測定装置そのものではなく、通信連携した他の電子機器に様々な案内情報を表示することができる。これによりユーザーは測定装置の出力情報を無理な態勢で確認することなく、ユーザーがとるべき姿勢や、生体情報の測定結果を確認することが可能になる。
【0012】
また、前記制御手段は、前記位置検出手段の出力に基づいて前記装置を装着した前記人体の手首が所定範囲内の高さに位置しているか否かの当否を判定する第1当否判定と、前記電極接触状態検出手段の出力に基づいて前記人体が前記複数の電極に安定して接触しているか否かの当否を判定する第2当否判定と、を実施し、
前記入力手段を介して前記人体の血圧測定を開始する操作を受け付けた後に、前記第1高さ案内画像を出力する制御を行い、前記第1当否判定の結果が当である場合に、前記第1電極接触案内画像を出力する制御を行うものであってもよい。
【0013】
腕に装着した装置を用いて血圧と心電波形を同時に測定しようとすると、正確な血圧測定のために所定の高さに装置を装着した手首を配置させたうえで、心電波形測定用の電極に安定して接触する必要がある。しかしながら、ユーザーにとっては自分が正しい姿勢を取れているのか否か把握しづらいという事情がある。この点、上記のような構成であると、ユーザーがとるべき姿勢を連携した電子機器の表示部に表示し、当該表示の通りの姿勢を取ることができれば、次にユーザーがとるべき姿勢が新たに表示されるようになる。これによれば、ユーザーは自らが正しい姿勢を取ることができているか否かを把握しながら、次に行うべきことを順序だてて把握することができるため、ユーザビリティを大きく向上させることが可能になる。
【0014】
また、前記制御手段は、前記第1当否判定及び前記第2当否判定の結果がいずれも当である場合に、前記血圧測定手段による前記人体の血圧測定と前記心電波形測定手段による前記人体の心電波形の測定を一括して実行するとともに、前記血圧及び前記心電波形の測定中には前記第1測定中画像を出力する制御を行うようにしてもよい。
【0015】
なお、ここでいう「一括して」とは、同時的に並行して行うことを含む意味である。このような構成であれば、血圧と心電波形を測定するために適した体勢になった場合には、そのような安定した状態を維持したまま自動的に測定を開始することができるためノイズの少ない精度の良い測定結果を得ることができる。また、生体情報の測定中は、ユーザーは短いとはいえない時間同じ姿勢を維持して測定終了を待たなくてはならないため、測定中であることを示す表示があることにより、単に待つことに比べてユーザーの精神的負荷を軽減することができる。
【0016】
また、前記制御手段は、前記血圧及び前記心電波形の測定が終了した後に、前記第1測定結果画像を出力する制御を行うようにしてもよい。これによれば、ユーザーは測定結果の表示ができることにより測定が終了したことを把握できるとともに、視認性の良い表示手段により測定結果を確認することができる。
【0017】
また、前記制御手段は、前記第1高さ案内表示と前記第1電極接触案内画像とを、同時に出力する制御を行うようにしてもよい。装置の操作に慣れてきたユーザーにとっては、毎回、一つずつ画面が遷移するのを待つのは煩わしい、といったことも考えられる。この点、このような構成であれば、一の画面のみで測定を行う姿勢のガイドを行うため、冗長性を軽減することができる。
【0018】
また、前記生体情報測定装置は、第2表示手段を含む出力手段を有しており、
前記制御手段は、前記他の電子機器との通信の有無に関わらず、前記装置を装着した前記人体の手首が所定範囲内の高さに位置するように案内する第2高さ案内画像と、前記複数の電極へ前記人体を接触させるための適切な姿勢を案内する第2電極接触案内画像と、前記血圧及び/又は前記心電波形の測定中であることを案内する第2測定中画像と、前記血圧及び/又は前記心電波形の測定結果を示す第2測定結果画像と、を前記第2表示手段から出力する制御を行う、ものであってもよい。
【0019】
このような構成であれば、他の電子機器と通信が確立していない状態、即ち生体情報測定装置単体でも様々な案内表示を出力することができ、ユーザーは当該案内表示を確認しながら装置単体でも生体情報の測定を行うことができる。なお、第2高さ案内画像、第2電極接触案内画像、第2測定中画像、第2測定結果画像の各画像は、それぞれ、第1高さ案内画像、第1電極接触案内画像、第1測定中画像、第1測定結果画像と同一の画像であってもよいし、同一の案内内容を示す他の画像であってもよい。
【0020】
また、前記人体の血圧測定を開始する前記操作は前記他の電子機器に対して行われるものであり、前記入力手段は、前記通信手段を介して前記操作を受け付けるものであってもよい。このような構成であれば、生体情報測定装置と他の電子機器とが通信連携している間は、電子機器を介して生体情報測定装置の操作を行うことができ、利便性を高くすることができる。
【0021】
また、本発明は、次のような生体情報処理システムとしても捉えることができる。即ち、
人体の手首に装着して用いられ、前記人体の血圧を測定するための血圧測定手段、複数の電極を備え前記人体の心電波形を測定するための心電波形測定手段、前記複数の電極への前記人体の接触状態を検出する電極接触状態検出手段、及び、前記血圧測定手段の位置
を検出する位置検出手段を備える生体情報測定装置と、第1表示手段を備え該生体情報測定装置と通信可能に構成された情報処理端末と、を有する生体情報処理システムであって、
前記生体情報処理システムは、
前記人体の血圧測定を開始する操作を受け付ける入力手段と、
所定の案内情報の出力に係る制御を行う案内出力制御手段と、を有しており、
前記案内出力制御手段は、
前記入力手段を介して前記人体の血圧測定を開始する操作を受け付けると、前記生体情報測定装置と前記情報処理端末との通信が確立されている場合には、少なくとも前記第1表示手段に、前記装置を装着した前記人体の手首が所定範囲内の高さに位置するように案内する第1高さ案内画像と、前記複数の電極へ前記人体を接触させるための適切な姿勢を案内する第1電極接触案内画像と、前記血圧及び/又は前記心電波形の測定中であることを案内する第1測定中画像と、前記血圧及び/又は前記心電波形の測定結果を示す第1測定結果画像と、を出力する制御を行う、
ことを特徴とする、生体情報処理システム、である。
【0022】
また、前記生体情報測定装置は第2表示手段を含む出力手段を備えており、
前記案内出力制御手段は、前記生体情報測定装置と前記情報処理端末との通信の有無に関わらず、前記装置を装着した前記人体の手首が所定範囲内の高さに位置するように案内する第2高さ案内画像と、前記複数の電極へ前記人体を接触させるための適切な姿勢を案内する第2電極接触案内画像と、前記血圧及び/又は前記心電波形の測定中であることを案内する第2測定中画像と、前記血圧及び/又は前記心電波形の測定結果を示す第2測定結果画像と、を前記第2表示手段に出力する制御を行うものであってもよい。
【0023】
また、本発明は次のような装置の制御方法としても捉えることができる。即ち、
人体の手首に装着して用いられ、前記人体の血圧を測定するための血圧測定手段、複数の電極を備え前記人体の心電波形を測定するための心電波形測定手段、前記複数の電極への前記人体の接触状態を検出する電極接触状態検出手段、前記血圧測定手段の位置を検出する位置検出手段、及び、前記心電波形測定手段及び前記血圧測定手段を制御する制御手段を備える生体情報測定装置と、表示手段を備え該生体情報測定装置と通信可能に構成された情報処理端末と、を有する生体情報処理システムにおいて、前記生体情報測定装置と前記情報処理端末との通信が確立されている場合に、前記生体情報測定装置及び前記情報処理端末を制御する方法であって、
前記人体の血圧測定を開始する操作を受け付ける操作受付ステップと、
前記装置を装着した前記人体の手首が所定範囲内の高さに位置するように案内する高さ案内画像を前記表示手段に出力する第1出力ステップと、
前記位置検出手段の出力に基づいて前記装置を装着した前記人体の手首が所定範囲内の高さに位置しているか否かの当否を判定する第1当否判定ステップと、
前記複数の電極へ前記人体を接触させるための適切な姿勢を案内する電極接触案内画像を前記表示手段に出力する第2出力ステップと、
前記電極接触状態検出手段の出力に基づいて前記人体が前記複数の電極に安定して接触しているか否かの当否を判定する第2当否判定ステップと、
前記第1当否判定ステップ及び前記第2当否判定ステップの結果がいずれも当である場合に、前記血圧測定手段による前記人体の血圧測定と前記心電波形測定手段による前記人体の心電波形の測定を一括して実行する一括測定実行ステップと、
前記血圧と前記心電波形を測定中に、当該測定中であることを案内する測定中画像を前記表示手段に出力する第3出力ステップと、
前記血圧と前記心電波形の測定終了後に、前記血圧と前記心電波形の測定結果を示す前記第1測定結果画像を前記表示手段に出力する第4出力ステップと、を有する、
ことを特徴とする、生体情報測定装置及び情報処理端末の制御方法、である。
【0024】
また、本発明は、上記の方法を生体情報測定装置及び情報処理端末の制御方法に実行させるためのプログラム、そのようなプログラムを非一時的に記録したコンピュータ読取可能な記録媒体として捉えることもできる。
【0025】
なお、上記構成及び処理の各々は技術的な矛盾が生じない限り互いに組み合わせて本発明を構成することができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、生体情報測定装置に関し、装置単独で血圧、心電波形などの生体情報を測定できるとともに、装置の状態に応じた操作方法や動作状態などの案内情報を、情報処理端末などの他の電子機器で出力することができる技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】
図1は、実施形態1に係る生体情報処理システムの概略を示す機能ブロック図である。
【
図2】
図2Aは、実施形態1の生体情報測定装置の外観を示す概略図である。
図2Bは、実施形態1の生体情報測定装置を装着した際の状態を示す説明図である。
【
図3】
図3Aは、実施形態1の生体情報測定装置において出力される画像の例を示す第1の図である。
図3Bは、実施形態1の生体情報測定装置において出力される画像の例を示す第2の図である。
図3Cは、実施形態1の生体情報測定装置において出力される画像の例を示す第3の図である。
図3Dは、実施形態1の生体情報測定装置において出力される画像の例を示す第4の図である。
【
図4】
図4Aは、実施形態1のスマートフォンにおいて出力される画像の例を示す第1の図である。
図4Bは、実施形態1のスマートフォンにおいて出力される画像の例を示す第2の図である。
図4Cは、実施形態1のスマートフォンにおいて出力される画像の例を示す第3の図である。
図4Dは、実施形態1のスマートフォンにおいて出力される画像の例を示す第4の図である。
【
図5】
図5は、実施形態1の生体情報測定装置において行われる処理の一部を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、実施形態に係る生体情報処理システムにおいて、生体情報測定装置とスマートフォンとを通信接続する場合の、それぞれの処理の流れの一部を示すフローチャートである。
【
図7】
図7Aは、実施形態1の変形例において出力される画像の例を示す第1の図である。
図7Bは、実施形態1の変形例において出力される画像の例を示す第2の図である。生体情報測定装置で実行される処理に関する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
<実施形態1>
以下、本発明の具体的な実施形態について図面に基づいて説明する。ただし、この実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0029】
(システムの全体構成)
本発明は例えば、
図1に示すような生体情報処理システムとして適用することができる。
図1は、本実施形態に係る生体情報処理システム1の構成例の概略を示す機能ブロック図である。生体情報処理システム1は、腕時計型の生体情報測定装置10と、情報処理装置の一例としてのスマートフォン20を含み、これらが通信接続可能に構成されている。
【0030】
(生体情報測定装置)
図2Aは、本実施形態に係る生体情報測定装置10の外観構成を示す概略図である。
図2Bは、本実施形態に係る生体情報測定装置10を手首Tに装着した際の状態を示す説明図である。
【0031】
図2A、
図2B、に示すように、生体情報測定装置10は概略、本体部11と、ベルト部15を有する腕時計型のウェアラブル装置であり、人体の手首Tに装着した状態で血圧値及び心電波形の測定を行うことができる。
【0032】
本体部11は、表示部133(例えば、液晶ディスプレイなどを採用することができる)、操作ボタン134a、134b、第2電極112として機能するベゼル、加速度センサ131などを含んで構成されている。なお、操作ボタン134a、134bのうちいずれか一方は、血圧測定を開始するための測定開始ボタンとして機能する。また、加速度センサ131は、本発明に係る位置検出手段に相当し、生体情報測定装置10の位置・姿勢を検出する。
【0033】
また、
図1に示すように、本体部11はその機能構成として、制御部100、心電信号計測部110、血圧測定部120、電源部132、表示部133、操作部134、通信部135、記憶部136、振動部137、を備えている。これらの各機能構成については後述する。
【0034】
また、ベルト部15は、手首Tにある動脈を圧迫するためのカフ121、カフ121を支持するカーラ152、第1電極111、及び生体情報測定装置10を手首Tに固定するためのベルト151を備えている。ベルト151は、例えば、親側バンドと剣先側バンドとからなり、親側バンドのバックルによって剣先側バンドを固定するタイプの形状を採用することができるが、生体情報測定装置10を手首Tに適切に固定できればどのような構成であっても構わない。例えば、面ファスナーによって固定するような構成を採用することもできる。
【0035】
次に、本体部11の機能構成について説明する。制御部100は、心電信号計測部110、血圧測定部120などを含む生体情報測定装置10全体の制御を司る。また、制御部100は、電極接触状態判定部101、血圧測定姿勢判定部102、一括測定実行部103、情報出力処理部104、の各機能部を備えており、後述の記憶部136からプログラムを読み出して実行することによって、生体情報測定装置10の各構成を制御してこれらの所定の目的を果たす機能部を実現する。なお、制御部100は、ハードウェアの観点ではCPU(Central Processing Unit)などのプロセッサを含んで構成される。
【0036】
心電信号計測部110は、第1電極111、第2電極112、心電信号計測回路113を含んで構成され、人体表面(具体的には、一方の手の手首と他方の手の指)に接触した第1電極111及び第2電極112の電位差に基づいて(いわゆるI誘導で)、ユーザーの心電信号を計測する。また、心電信号計測回路113は、第1電極111と第2電極112へのユーザーの皮膚表面の接触状態も検出する。即ち、本実施形態における心電信号計測回路113は本発明に係る電極接触状態検出手段を兼ねる。なお、心電信号計測部110は、この他にも図示しないAD変換回路、アンプ、フィルタなどを含んでいるが、これらは既知の技術で構成されるため、説明は省略する。
【0037】
血圧測定部120は、カフ121、圧力センサ122、ポンプ123を含んで構成され、いわゆるオシロメトリック法によりユーザーの血圧を測定する。オシロメトリック法による血圧測定については周知の技術であるため詳細な説明は省略する。
【0038】
電源部132は、装置の稼働に必要な電力を供給するバッテリー(図示せず)を含んで構成される。バッテリーは、例えばリチウムイオンバッテリーなどの二次電池であっても良いし、一次電池としても良い。
【0039】
表示部133は、液晶ディスプレイなどの表示装置を含んで構成され、当該表示装置に装置の動作などについてのガイド情報を含む各種の情報を表示する。なお、表示部133は、その他にLEDインジケータなどを備えていてもよい。また、操作部134は、操作ボタン134a、134bを含んで構成され、これらを介してユーザーの入力操作を受け付ける。なお、操作部134は、後述の通信部135を介して他の電子機器からの入力信号を受信することによっても、ユーザー操作の入力を受け付けることができる。
【0040】
通信部135は、無線通信用のアンテナ(図示せず)を含み、例えばBLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)通信により、スマートフォン20などの他の電子機器と情報通信を行う。なお、有線通信のための端子を備えていてもよい。
【0041】
記憶部136は、RAM(Random Access Memory)などの主記憶装置(図示せず)を含んで構成され、アプリケーションプログラム、測定された心電波形、血圧、ガイド情報などの各種の情報を記憶する。また、RAMに加えて、例えばフラッシュメモリなどの長期記憶媒体を備えていてもよい。また、心電波形のデータや測定血圧値などの測定結果が保存される。
【0042】
振動部137は、小型モータ等からなるバイブレータ(図示せず)を含んで構成され、案内内容ごとに設定される所定のパターンで振動を生じさせる。これにより当該パターンに対応する所定の案内情報をユーザーに通知することができる。
【0043】
続けて、制御部100が備える各機能部について説明する。電極接触状態判定部101は、心電信号計測回路113の出力に基づいてユーザーが第1電極111、第2電極112に安定して接触しているか否かの判定を行う。安定か否かは、任意の指標で区別することができるが、例えば心電波形の基線変動、加速度センサ131の出力に基づく装置の姿勢変動などの情報を用いて評価を行うようにしてもよい。
【0044】
血圧測定姿勢判定部102は、加速度センサ131の出力に基づいて、装置を装着した状態のユーザーの手首が所定の範囲内の高さに位置しているか否か、より具体的には心臓の高さにと同程度の高さに位置しているかの当否を判定する。また、当該高さが継続して維持されているか否かについても判定するようにしてもよい。
【0045】
一括測定実行部103は、電極接触状態判定部101及び血圧測定姿勢判定部102の出力に基づき、これらの判定結果がいずれも当である場合には、血圧測定部120による血圧の測定と、心電波形の測定を一括して実行する制御を行う。なお、ここで心電波形の測定とは、心電信号計測部110が計測した心電信号を波形データとして記録することをいう。即ち、本実施形態においては、心電波形測定手段には心電信号計測部110及び記憶部136が含まれる。
【0046】
情報出力処理部104は、表示部133による画像表示や、振動部137による振動パターンにより、装置の使用に係るガイド情報を出力する制御を行う。具体的には、例えば、ユーザーに生体情報の測定を行うための姿勢をガイドする情報、測定開始・終了をそれぞれ案内する情報、などを出力する制御を実行する。
図3A乃至3Dに表示部133に表示されるガイド画像の一例を示す。また、
図4A乃至
図4Dに、スマートフォン20と通信確立中にスマートフォン20のタッチパネルディスプレイ23に表示されるガイド画像の一例を示す。
【0047】
図3A、
図4Aは、測定準備のために装置を装着した手首を心臓の高さまで持ち上げて維持することを案内するガイド画像である。
図3B、
図4Bは、測定準備のために装置の第2電極112に触れることを案内するガイド画像である。
図3C、
図4Cは、血圧(心電)測定中であることを案内するガイド画像である。
図3D、
図4Dは、測定終了後に測定結果を示すガイド画像である。これらのガイド画像は、例えば記憶部136に格納しておくことができる。なお、各画像は静止画像であってもよいし、動画像であってもよい。
【0048】
(情報処理端末)
次に、情報処理端末の一例であるスマートフォン20について説明する。スマートフォン20は、
図1に示すように、制御部21、通信部22、タッチパネルディスプレイ23、記憶部24、を含んで構成される。制御部21はスマートフォン20の制御を司る手段であり、例えばCPUなどを含んで構成され、記憶部24に格納された各種プログラムを実行することにより、これらに応じた機能を発揮する。通信部22は、無線通信用のアンテナを含み、生体情報測定装置10などの他の機器、無線基地局との通信を行う機能である。また、有線通信のための端子を備えていてもよい。
【0049】
タッチパネルディスプレイ23は、出力手段の一つとしての表示手段と入力手段とを兼ねており、後述するように、生体情報測定装置10と通信接続が確立されている場合には、測定終了時までの残り時間などのステータス情報、心電波形のグラフデータ、などを表示することができる。その他、各種の入力用画像を介してユーザーからの操作を受け付ける。
【0050】
記憶部24は、RAMなどの主記憶装置の他、例えばフラッシュメモリなどの長期記憶媒体を含んで構成され、アプリケーションプログラム、測定データなどの各種の情報を記憶する。
【0051】
(生体情報測定の処理)
次に、生体情報測定装置10が生体情報の測定を実行する際の処理の流れを、
図5に基づいて説明する。
図5は、本実施形態に係る生体情報測定装置10を用いて血圧・心電波形の一括測定を行う際の処理の手順を示すフローチャートである。
【0052】
まず、生体情報測定装置10は操作部134を介して、ユーザーからの血圧測定開始操作を受け付ける(S101)。すると、情報出力処理部104が、装置を装着した手首を所定範囲内の高さに来るように案内するガイド情報を出力する(S102)。具体的には、表示部133に
図3Aに示すようなガイド画像を表示させたり、振動部137により所定パターンの振動を発振させる。次に、血圧測定姿勢判定部102が、加速度センサ131の出力に基づいて、生体情報測定装置10の高さが所定の範囲内にあるか否かの判定を行う(S103)。ここで装置の高さが所定の範囲内ではないと判定された場合には、ステップS102に戻り、以降の処理を繰り返す。
【0053】
一方、ステップS103で、装置の高さが所定の範囲内にあると判定された場合には、情報出力処理部104が、血圧及び心電波形の測定に適した姿勢で第2電極112に触れるように案内するガイド情報を出力する(S104)。具体的には、表示部133に
図3Bに示すようなガイド画像を表示させたり、振動部137に所定パターンの振動を発振させる。そして、電極接触状態判定部101が、心電信号計測回路113の出力に基づいて、ユーザーが第1電極111及び第2電極112に安定して接触しているか否かの当否を判定する(S105)。ここで、ユーザーが各電極に安定して接触していないと判定された場合には、ステップS104に戻り、以降の処理を繰り返す。
【0054】
一方、ステップS105でユーザーが各電極に安定して接触していると判定された場合には、一括測定実行部103が、血圧測定部120による血圧の測定と心電波形の測定を一括して実行する制御を行う(S106)。血圧と心電波形の測定中は、情報出力処理部104が測定中出ることを示すガイド情報を出力する制御を行う(S107)。具体的には、表示部133に
図3Cに示すようなガイド画像を表示させたり、振動部137に所定パターンの振動を発振させる。そして、血圧の測定が終了すると、心電波形の測定(即ち波形データの記録)も同時に終了し、当該測定結果が記憶部136に保存される(S108)。そして、情報出力処理部104が測定結果を示すガイド画像(
図3D参照)を表示部133に表示して、本ルーティンが一旦終了する。
【0055】
(情報処理端末との連携)
以上のように、生体情報測定装置10は、それ単体でもガイド情報の出力、血圧・心電波形の測定、測定結果の表示を行うことが可能であるが、情報処理端末と通信接続して用いることで、より利便性を高めることができる。以下、
図6に基づいて、スマートフォン20と通信接続して生体情報測定装置10を用いる場合について説明する。
【0056】
図6、生体情報測定装置10とスマートフォン20とをBLE通信で連携させて血圧・心電波形の測定を行う場合の、それぞれの処理の流れと、機器間の情報の伝達のタイミングを示す図である。なお、BLE通信の確立については既知の技術であるため、説明は省略し、ここでは、既に生体情報測定装置10とスマートフォン20とがBLE通信接続されていることを前提として説明を行う。また、生体情報測定装置10の処理の流れについて上述したものについては同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0057】
生体情報測定装置10とスマートフォン20とがBLE通信接続されている状態において、生体情報測定装置10は血圧測定を開始する操作の入力を受け付けると(S101)、情報出力処理部104が通信接続中のスマートフォン20に対して、装置を所定範囲内の高さに位置するように誘導するガイド画像の出力を要請する(S201)。当該要請を受信したスマートフォン20は、タッチパネルディスプレイ23に
図4Aに示すようなガイド画像を表示する(S301)。これにより、ユーザーは視認性の良いスマートフォン20のタッチパネルディスプレイ23に表示されるガイド画像を見て、測定のための準備を行うことができる。
【0058】
その後、ステップS103に進み、装置の高さが所定の範囲内にあると判定された場合には、情報出力処理部104が通信接続中のスマートフォン20に対して、血圧及び心電波形の測定に適した姿勢で第2電極112に触れるように案内するガイド情報を出力するように要請する(S202)。当該要請を受信したスマートフォン20は、タッチパネルディスプレイ23に
図4Bに示すようなガイド画像を表示する(S302)。
【0059】
その後、ステップS105に進み、ユーザーが各電極に安定して接触していると判定された場合には、一括測定実行部103が、血圧測定部120による血圧の測定と心電波形の測定を一括して実行する制御を行う(S106)。それとともに、情報出力処理部104が通信接続中のスマートフォン20に対して、測定中である旨のガイド画像を出力するように要請する(S203)。当該要請を受信したスマートフォン20は、タッチパネルディスプレイ23に、
図4Cに示すようなガイド画像を表示する(S303)。
【0060】
血圧、心電波形の測定が終了すると、一括測定実行部103が記憶部136に測定結果を保存する(S108)。そして、情報出力処理部104が通信接続中のスマートフォン20に対して、測定結果を送信するとともに、該測定結果を示す画像を出力するように要請する(S204)。当該要請を受信したスマートフォン20は、タッチパネルディスプレイ23に、
図4Dに示すようなガイド画像を表示する(S304)。その後、生体情報
測定装置10、スマートフォン20ともに、一連のルーティンを終了する。
【0061】
以上のような本実施形態に係る生体情報処理システム1によれば、生体情報測定装置の状態に応じて変遷する各種のガイド画像を、スマートフォン20のタッチパネルディスプレイ23に表示させることができるので、ユーザーは視認性の良いガイド画像を見ながら、動きの制約を受けることなく、生体情報測定に適した姿勢を取ることができる。これにより、生体情報測定装置10のユーザビリティを大きく向上させることができる。
【0062】
<変形例>
なお、ガイド画像としては上記で例示したもの以外にも様々な画像を提示することができる。
図7A、
図7Bに、そのようなガイド画像を例示する。
図7Aは、生体情報測定装置10を装着した手首の位置が適正な高さよりも低い位置にある場合に、高い位置に動かすようにガイドする場合の図である。
図7Bは、生体情報測定装置10を装着した手首の位置が適正な高さよりも高い位置にある場合に、低い位置に動かすようにガイドする場合の図である。加速度センサ131の出力信号に基づいて情報出力処理部104が、
図7A、
図7Bいずれかの画像を出力するようにスマートフォン20に要請するのであってよいし、スマートフォン20が、生体情報測定装置10から、加速度センサ131の出力情報を受信することにより、適切なガイド画像を出力するようにしてもよい。このようなガイド画像を出力することで、よりユーザビリティを高めることができる。
【0063】
<その他>
上記実施形態の説明は、本発明を例示的に説明するものに過ぎず、本発明は上記の具体的な形態には限定されない。本発明は、その技術的思想の範囲内で種々の変形及び組み合わせが可能である。例えば、上記実施形態では、ガイド画像はいずれも生体情報測定装置10の情報出力処理部104が出力する制御を行うようにしていたが、少なくともスマートフォン20のタッチパネルディスプレイ23に表示されるガイド画像については、スマートフォン20の側で出力する制御を行うようにしてもよい。
【符号の説明】
【0064】
1・・・生体情報処理システム
10・・・生体情報測定装置
11・・・本体部
15・・・ベルト部
20・・・スマートフォン
100、21・・・制御部
101・・・電極接触状態判定部
102・・・血圧測定姿勢判定部
103・・・一括測定実行部
104・・・情報出力処理部
110・・・心電波形測定部
111・・・第1電極
112・・・第2電極
113・・・心電信号計測回路
120・・・血圧測定部
121・・・カフ
122・・・圧力センサ
123・・・ポンプ
131・・・加速度センサ
132・・・電源部
133・・・表示部
134・・・操作部
134a、135b・・・操作ボタン
135、22・・・通信部
136、24・・・記憶部
137・・・振動部
151・・・ベルト
152・・・カーラ
T・・・手首