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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024002188
(43)【公開日】2024-01-11
(54)【発明の名称】射出成形用金型及び樹脂成形品
(51)【国際特許分類】
   B29C 45/26 20060101AFI20231228BHJP
   B29C 45/00 20060101ALI20231228BHJP
【FI】
B29C45/26
B29C45/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022101242
(22)【出願日】2022-06-23
(71)【出願人】
【識別番号】591206500
【氏名又は名称】株式会社 ダイサン
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小瀧 大蔵
【テーマコード(参考)】
4F202
4F206
【Fターム(参考)】
4F202AM33
4F202CA11
4F202CB01
4F202CK06
4F202CP01
4F206AM33
4F206JA07
4F206JL02
4F206JQ81
(57)【要約】
【課題】成形品表面のゲート痕におけるバリの発生を抑制する。
【解決手段】射出成形用金型10は、コア型14とキャビティ型12とを有し、コア型14とキャビティ型12とを重ね合わせ、コア型14とキャビティ型12との間に形成されるキャビティ13に溶融樹脂を注入することによって樹脂成形品を成形する射出成形用金型10であって、キャビティ型12に形成され、キャビティ13へ溶融樹脂を注入するピンゲート16を備え、ピンゲート16の開口径は、ピンゲート16の位置におけるキャビティ13の厚さより大きい。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コア型とキャビティ型とを有し、前記コア型と前記キャビティ型とを重ね合わせ、前記コア型と前記キャビティ型との間に形成されるキャビティに溶融樹脂を注入することによって樹脂成形品を成形する射出成形用金型であって、
前記キャビティ型に形成され、前記キャビティへ溶融樹脂を注入するピンゲートを備え、
前記ピンゲートの開口径は、前記ピンゲートの位置における前記キャビティの厚さより大きい、
射出成形用金型。
【請求項2】
第一態様の射出成形用金型において、前記コア型において、前記ピンゲートに対向する位置に形成され、前記キャビティ内に溶融樹脂を充填する際に前記キャビティ内の残留ガスを前記射出成形用金型の外部に排出する残留ガス排出部を備える、
請求項1に記載の射出成形用金型。
【請求項3】
前記コア型において、前記ピンゲートに対向する部分には、球面に沿う窪みである湯溜まりが形成され、
前記ピンゲートの開口径は、前記湯溜まりの位置における前記キャビティの最大厚さより大きい、 請求項1に記載の射出成形用金型。
【請求項4】
成形品の一方の表面にゲート痕を有し、
前記ゲート痕の直径は、前記ゲート痕の位置における樹脂の厚さより大きい、
樹脂成形品。
【請求項5】
前記ゲート痕と対向する前記成形品の他方の表面に残留ガス排出部痕を有する、
請求項4に記載の樹脂成形品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、射出成形用金型及び樹脂成形品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、樹脂成形品を成形する技術として、射出成形技術が知られている。射出成形技術は、樹脂素材を溶融し、金属ブロックに溶融樹脂流路等を設ける加工を施した射出成形用金型(以下、単に「金型」とも称する。)の内部に形成されている成形空間(以下、「キャビティ」とも称する。)に溶融樹脂を射出して充填し、冷却・固化した後、金型を構成している分離可能な金型部材を分離して成形空間を開き(以下、「型開き」とも称する。)、成形品を取り出すことによって樹脂成形品を成形する技術である。
【0003】
例えば、特許文献1には、射出成形用金型として、溶融樹脂のキャビティへの入口であるピンゲートが形成された射出成形用金型が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010-208239号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般に、ピンゲートを介してキャビティへ溶融樹脂を射出すると、溶融樹脂はコア型及びキャビティ型によって冷やされて固化する。そして、キャビティ型とコア型とを型開きし、ピンゲート内の固化樹脂とピンゲート位置のキャビティ内の固化樹脂との間に引張力を加えた際、ピンゲート開口部(以下、「ゲート開口部」ともいう。)と成形品との境界部において、樹脂が切断される。
【0006】
このように樹脂が切断される際には、特許文献1の図1におけるゲート痕16にも示されているように、成形品上のゲートの位置を示す痕跡(以下、「ゲート痕」ともいう。)に突起状のバリが発生することがある。
【0007】
本発明は上記した問題に着目して為されたものであって、成形品状のゲート痕におけるバリの発生を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第一態様の射出成形用金型は、コア型とキャビティ型とを有し、前記コア型と前記キャビティ型とを重ね合わせ、前記コア型と前記キャビティ型との間に形成されるキャビティに溶融樹脂を注入することによって樹脂成形品を成形する射出成形用金型であって、前記キャビティ型に形成され、前記キャビティへ溶融樹脂を注入するピンゲートを備え、
前記ピンゲートの開口径は、前記ピンゲートの位置における前記キャビティの厚さより大きい。
【0009】
第一態様の射出成形用金型では、キャビティ型に形成されたピンゲートの開口径が、コア型とキャビティ型との間に形成されたキャビティのピンゲートの位置における厚さ(以下、「肉厚」ともいう。)より大きい。一般に、ピンゲートを介してキャビティへ溶融樹脂を射出すると、溶融樹脂はコア型及びキャビティ型によって冷やされて固化するが、肉厚が薄い部分は、肉厚が厚い部分と比較して、熱容量の差により溶融樹脂の冷やされる速度が速く、固化するスピードも速い。
【0010】
一方、本態様では、ピンゲートの開口径をピンゲート位置におけるキャビティの厚さより大きくすることにより、ピンゲート内における溶融樹脂の量を増やして熱容量を大きくできる。これにより、溶融樹脂の射出終了後に、ゲート開口部よりも上流の溶融樹脂が周囲のキャビティ型によって冷やされ固化する際に、熱源に近いことと相俟って、固化スピードが抑制されて比較的遅くなる。
【0011】
このようにピンゲート内の溶融樹脂とピンゲート位置のキャビティ内の溶融樹脂との固化スピードの差を制御し、熱収縮の差を大きくすることにより、固化された樹脂のゲート開口部と成形品との境界部に層状に集中して歪みが生じる。
【0012】
一般に、キャビティ型とコア型とを型開きし、ピンゲート内の固化樹脂とピンゲート位置のキャビティ内の固化樹脂との間に引張力を加えた際には、ゲート開口部と成形品との境界部で固化樹脂がくびれているため、このくびれ部分に応力が集中し、応力が固化樹脂の破断強度を超えることにより、先ず、くびれ部分の外周部に部分的破断である亀裂が生じ、続いて、中心部に向かって破断が進行し、最終的に分断するに至る。
【0013】
本態様においては、歪みの集中によって脆弱化した層に沿って破断の進行が誘導されるために、固化樹脂が容易に且つ比較的滑らかに切断され易くなる。これにより、成形品上のゲート痕におけるバリ等の発生が抑制される。
【0014】
第二態様の射出成形用金型は、第一態様の射出成形用金型において、前記コア型において、前記ピンゲートに対向する位置に形成され、前記キャビティ内に溶融樹脂を充填する際に前記キャビティ内の残留ガスを前記射出成形用金型の外部に排出する残留ガス排出部を備える。
【0015】
樹脂成形品の形状仕様に従ってキャビティの厚さが薄い場合には、キャビティへの溶融樹脂の射出に際して、キャビティの厚さが厚い場合に比べ、高い射出圧力を要する。このため、成形機への負荷の増大、溶融樹脂の流速増大、それに伴う成形品への歪み等が発生し易い。
【0016】
そこで、本態様では、コア型において、キャビティ型に設けられたピンゲートと対向する位置に、キャビティ内に溶融樹脂を充填する際にキャビティ内の残留ガスを金型外部に排出する残留ガス排出部を形成している。これにより、溶融樹脂によってスプルー内及びランナー内からゲート開口部を通って一時的に押し出されてくる大量の残留ガスが、ピンゲート直近に設けられた残留ガス排出部から排出される。
【0017】
このため、このような残留ガス排出部がない場合に比べ、スプルー内及びランナー内からゲート開口部を通って一時的に押し出されてくる大量の残留ガスがキャビティ内の残留ガスに加わって高圧となることによりキャビティ内における溶融樹脂の流動が妨げられる度合いが緩和される。そして、比較的低い射出圧力でも速やかにキャビティ内へ溶融樹脂を充填できるようになり、薄肉成形の充填性を向上させることができる。
【0018】
また、比較的低い射出圧力で充填できるようになるため、高圧によって生じる樹脂内部における不均一な歪みが抑制される。このため、ゲート開口部と成形品との境界部で固化樹脂が容易に且つ滑らかに切断され易くなり、成形品のゲート痕におけるバリ等の発生が更に抑制される。
【0019】
第三態様の射出成形用金型は、第一態様の射出成形用金型において、前記コア型において、前記ピンゲートに対向する部分には、球面に沿う窪みである湯溜まりが形成され、前記ピンゲートの開口径は、前記湯溜まりの位置における前記キャビティの最大厚さより大きい。
【0020】
第三態様の射出成形用金型では、ピンゲートに対向するコア型部分には、球面に沿う凹状の窪みである湯溜まりが形成されている。このため、ピンゲート直下のキャビティの肉厚が湯溜まりの深さ分だけ厚くなり流路が広くなる。また、ピンゲートから高速で注入された溶融樹脂が湯溜まりの球面に沿う窪みに当たって斜め方向に跳ね返るので、溶融樹脂は球面に沿う窪みに沿って横方向に逸らされる。これにより、湯溜まりがない場合に比べ、溶融樹脂の流れがスムーズになる。そして、この部分の樹脂の均質性が向上し、ゲート開口部位置で固化樹脂が切断された際に生じる破断面の不規則な凹凸が抑制され、更に、成形品のゲート痕に破断による凹みが生じた場合でも、ゲート痕部分の肉厚が確保され、成形品の強度を維持できる。
【0021】
第四態様の樹脂成形品は、成形品の一方の表面にゲート痕を有し、前記ゲート痕の直径は、前記ゲート痕の位置における樹脂の厚さより大きい。
【0022】
第四態様の樹脂成形品は、ゲート痕を有している。一般に、ゲート痕を有する樹脂成形品は、コア型とキャビティ型との間に形成されるキャビティにゲートを介して溶融樹脂を注入することによって成形される。
【0023】
また、第四態様の樹脂成形品では、ゲート痕の直径が、樹脂の厚さより大きい。つまり、金型におけるゲートの開口径が、キャビティの厚さより大きい。ゲートを介してキャビティへ溶融樹脂を射出した場合に、溶融樹脂はコア型及びキャビティ型によって冷やされて固化する。この際、開口径が大きいゲート部分は、厚さが薄いキャビティ部分と比較して冷やされる速度が遅く、従って、両方の部分の固化速度の差が大きくなる。
【0024】
このため、キャビティ型とコア型とを型開きした際、ピンゲート位置で樹脂が切断され易くなり、成形品のゲート痕に発生する突起状バリが抑制される。すなわち、ゲート痕の直径がゲート痕の位置における樹脂の厚さより大きいことにより、比較的平旦なゲート痕が形成され、成形品のゲート位置に突出するバリ等の発生が抑制される。
【0025】
第五態様の樹脂成形品は、第四態様の樹脂成形品において、前記ゲート痕と対向する前記成形品の他方の表面に残留ガス排出部痕を有している。
【0026】
なお、残留ガス排出部痕は、第二態様でコア型に設けられた残留ガス排出部の痕跡が樹脂成形品の表面上に見られるものを指し、すなわちコア型における残留ガス排出部の境界面に沿って滲出した溶融樹脂による微かなバリや境界の内外における色調変化などによって残留ガス排出部とそれ以外のコア型部分の境界が樹脂成形品上で識別可能となっている部分を指す。
【0027】
第五態様の樹脂成型品は、第四態様の樹脂成形品と同様に、樹脂の厚さがゲート痕の直径より小さい。つまり、金型におけるキャビティの厚さが、ゲートの開口径より小さい。このようにキャビティの厚さが薄い場合、キャビティへの溶融樹脂の射出に際して、キャビティの厚さが厚い場合に比べ、注入圧を要する。
【0028】
そこで、第五態様の樹脂成形品では、ゲート痕と対向する他方の面に残留ガス排出部痕が形成されている。つまり、コア型においてゲートと対向する位置に、キャビティから残留ガスを排出する残留ガス排出部が形成されている。このため、溶融樹脂によってスプルー内及びランナー内からゲート開口部を通って一時的に押し出されてくる大量の残留ガスの一部が、この直近の残留ガス排出部から排出される。
【0029】
これにより、残留ガスがキャビティ内における溶融樹脂の流動を妨げる度合いが抑制され、速やかにキャビティ内へ溶融樹脂を充填できる。その結果、薄肉成形の充填性を向上させることができる。また、比較的低い射出圧力で充填できるようになるため、高圧によって生じる樹脂内部における不均一な歪みが抑制される。これにより、ゲート開口部と成形品との境界部で樹脂が容易に且つ滑らかに切断され易くなり、成形品のゲート痕におけるバリ等の発生が更に抑制される。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、成形品上のゲート痕における許容範囲を超えるバリの発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本実施形態に係る射出成形用金型を示す断面図である。
図2】(A)は本実施形態に係る射出成形品の一例を示す断面図であり、(B)は別の一例を示す断面図であり、(C)は更に別の一例を示す断面図である。
図3】比較例に係る射出成形品を示す断面図である。
図4】本実施形態に係る射出成形用金型に樹脂を射出している状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下に本発明の実施形態を説明する。以下の図面の記載において、同一の部分及び類似の部分には、同一の符号又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、厚さと平面寸法との関係、各装置や各部材の厚さの比率等は現実のものとは異なる。よって、具体的な厚さや平面寸法は以下の説明を参酌して判定すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている。
【0033】
<射出成形用金型>
図1に示すように、本実施形態に係る射出成形用金型10は、キャビティ型12とコア型14とを有する。なお、図1には、射出成形用金型10の一部のみが示されている。
【0034】
本発明において、射出成形用金型は、金型内部の成形空間であるキャビティに溶融樹脂を充填し、冷却、固化した後に成形品をキャビティから取り出せるように、金型が主として二つの部品に分割されている。この金型部品の内、射出成形機の溶融樹脂注入ノズルに接続され、キャビティ内への溶融樹脂の吐出口であるゲートが設けられている方の金型部品を「キャビティ型」と称す。一方で、二つに分割された金型部品の内、「キャビティ型」に対置される方の金型部品を「コア型」と称す。
【0035】
本実施形態に係る射出成形用金型10では、キャビティ型12とコア型14とを重ね合わせ、キャビティ型12とコア型14との間に形成されるキャビティ13(成形空間部)に溶融樹脂を注入することによって、樹脂成形品が成形される。また、射出成形用金型10は、ピンゲート16と、残留ガス排出部18と、を有する。
【0036】
なお、本発明において、「残留ガス」とは、キャビティ内に溶融樹脂を充填する過程において、キャビティ内に存在するガスを意味し、最初から存在する空気と溶融樹脂の注入が開始された段階で加わるスプルーやランナーから押し出されてくる空気や樹脂の揮発成分などより成る。
【0037】
(キャビティ)
本実施形態に係るキャビティ13は、湯溜まり13Aと、平面空間部13Bとを備えている。湯溜まり13Aは、樹脂成形品30の凸部30Aを成形する(図2参照)部分である。また、湯溜まり13Aは、コア型14においてピンゲート16に対向する部分に形成された、球面に沿う凹状の窪み(ディンプル)である。本発明では、湯溜まりが沿う球面の径は特に限定されるものではないが、本実施形態では、湯溜まり13Aが沿う球面の径は、半径で5mm程度とされている。
【0038】
また、本発明では、湯溜まりの深さも特に限定されるものではないが、本実施形態では、湯溜まり13Aの深さH1は、0.7mm程度とされている。また、深さH1は、コア型14において平面空間部13Bを形成する面から垂直方向の深さであって、湯溜まり13Aの中心部(底)の深さ、かつ、最深の深さである。
【0039】
本実施形態に係る平面空間部13Bは、樹脂成形品30の凸部30Aの周辺に、平面部30Bを成形する(図2参照)部分である。本発明では、平面空間部の厚さは特に限定されるものではないが、本実施形態では、平面空間部13Bの厚さH2は、0.2mm程度とされている。厚さH2は、平面空間部13Bを形成する面に垂直な方向の厚さであり、キャビティ型12の表面とコア型14の表面との距離である。
【0040】
湯溜まり13Aが形成された部分におけるキャビティ13の最大厚さは、厚さH3である。厚さH3は、キャビティ13のピンゲート16の位置における厚さであり、また、深さH1と深さH2との和である(H3=H1+H2)。
【0041】
(ゲート)
本実施形態では、ピンゲート16は、キャビティ13の湯溜まり13Aに向けて溶融樹脂を注入する。ピンゲート16は、キャビティ13へ注入する溶融樹脂が流動するスプルー16Aと、ゲートランド16Bと、を備えている。ゲートランド16Bは、ピンゲート16の先端、すなわちキャビティ13側の端部に設けられ、キャビティ13側に向かって縮径するテーパ状の部分である。ゲートランド16Bの先端、すなわちキャビティ13側の端部はゲート開口部16Cと称され、ゲート開口部16Cの開口径φ1は、湯溜まり13Aの位置におけるキャビティ13の最大厚さH3より大きい(φ1>H3)。
【0042】
(残留ガス排出部)
本実施形態では、残留ガス排出部18は、ガス抜き孔18Aと栓部材18Bを含んで構成されている。残留ガス排出部18は、コア型14において、キャビティ型12のピンゲート16に対向する位置に形成され、キャビティ13内の残留ガスを排出する。
【0043】
なお、本発明においては、残留ガス排出部を形成する場所は、これに限定されない。例えば、残留ガス排出部は、コア型の別の位置に設けることもできるし、キャビティ型に設けることもできる。また、残留ガス排出部はパーティング面に形成してもよい。更に、本発明では、残留ガス排出部の設置は選択肢の一つであり、必須ではない。
【0044】
(ガス抜き孔)
本実施形態に係るガス抜き孔18Aは、金型外部から湯溜まり13Aの中心部(最深部)に達する。換言すると、ガス抜き孔18Aは、湯溜まり13Aの中心部に開口する。
【0045】
ただし、本発明では、ガス抜き孔の開口位置は、湯溜まりの中心部に限定されず、例えば、湯溜まりの中心部と外縁部(平面空間部との境界)との間の任意の位置に配置できる。本実施形態に係るガス抜き孔18Aは、湯溜まり13Aの中心部から中心部近辺に残留する残留ガスを排出するように設けられている。残留ガスは、具体的には、湯溜まり13Aの中心部近辺に残留する空気や、樹脂揮発成分等の気体、或いはこれらの混合気体である。
【0046】
本実施形態では、樹脂成形品30(図2参照)に対向するガス抜き孔18Aの開口部の形状は、2.0mm程度の径を有する円形状である。なお、本発明では、開口部の寸法、形状を適宜変更できる。本発明に係るガス抜き孔の形状は、例えば、多角形状、楕円形状等、任意の幾何学形状に設定できる。このため、樹脂成形品に形成される残留ガス排出部痕の形状も、ガス抜き孔の形状に応じて変化する。
【0047】
(栓部材)
本実施形態に係る栓部材18Bは、ガス抜き孔18Aに着脱自在に差し込まれた状態で設けられる。栓部材18Bは、ガス抜き孔18Aの内周に密着する円柱材である。栓部材18Bは、軸部と、軸部より拡径された頭部(鍔部)と、を有する。頭部は、図示を省略するが、コア型14に対してネジ等により脱着自在に固定出来るようになっている。栓部材18Bの円柱材の軸部の外径は、ガス抜き孔18Aの内径に略等しい。なお、本発明では、栓部材の形状は、円柱状に限定されず、ガス抜き孔の形状に応じて、角柱状等、他の形状であってもよい。
【0048】
本実施形態に係る栓部材18Bをガス抜き孔18Aから取り外すことによって、非成形時、栓部材18B及びガス抜き孔18Aを掃除し易い。
【0049】
(ガス流路)
本実施形態に係る栓部材18Bの円柱材の外周面には、溶融樹脂が通過できず且つ残留ガスが通過できる開口径を有するガス流路20が形成される。ガス流路20は、残留ガスは通過できるが、溶融樹脂は通過困難な、キャビティ13内から金型外部に通じる細いガス流路である。
【0050】
本実施形態に係るガス流路20の開口径は、100分の2mm程度である。なお、本発明では、ガス流路の開口径は、これに限らない。例えば、金型設計時に、成形に用いられる樹脂材料の種類、溶融樹脂の温度、注入圧力等の成形条件、ガス流路の長さ・屈曲性等の要素を考慮して、それぞれの要素に適切な開口径を任意に定めることができる。
【0051】
図1中に例示されたガス流路20は、栓部材18Bの外面とガス抜き孔18Aの内面を密着させた状態で、ガス抜き孔18Aの内面と、栓部材18Bの軸部の外面との間に形成される。ガス流路20は、栓部材18Bの外周面に、栓部材18Bの軸方向に沿って形成された隙間18B1によって形成されている。
【0052】
本実施形態に係る隙間18B1は、栓部材18Bの外周面を、栓部材18Bの軸方向に平行な平面で切り欠いて形成している。なお、本発明では、ガス流路となる隙間は、栓部材の外周面に、栓部材の軸方向に沿う溝を形成して構成してもよい。また、ガス流路となる隙間の本数は任意であり、途中で合流或いは分岐することも任意であり、更に、隙間の断面寸法も、キャビティに接する部分において溶融樹脂が通過できず且つ残留ガスが通過できる開口径を有している限り、その他の下流部分は任意に大きくしてよい。
【0053】
<樹脂成形品>
本実施形態に係る射出成形用金型10を用いることによって、図2(A)に示す樹脂成形品30(以下、単に成形品30とも称する。)を成形できる。成形品30は、凸部30Aと、凸部30Aの周囲に形成された平面部30Bと、を備えている。
【0054】
凸部30Aは、射出成形用金型10における湯溜まり13Aに充填された樹脂によって形成された肉厚部である。また、平面部30Bは、射出成形用金型10における平面空間部13Bに充填された樹脂によって形成された薄肉部である。
【0055】
なお、本発明において、「薄肉」とは、キャビティの厚さが薄いことに起因して溶融樹脂の流動抵抗が高く、それに伴って溶融樹脂の高い射出圧力を要するため、成形機への負荷の増大、溶融樹脂の流速増大、それに伴う成形品への歪み等が発生し易い肉厚を意味し、特定の厚さ以下の肉厚であることを意味しない。
【0056】
本実施形態に係る成形品30における凸部30Aの位置には、ゲート痕32及び残留ガス排出部痕34が形成されている。ゲート痕32は、成形品30の成形時にキャビティ型12と接する側の面に形成され、ピンゲート16(ゲートランド16B)の開口部形状に対応する形状を有する痕跡である。一方、残留ガス排出部痕34は、成形品30の成形時にコア型14と接する側の面に形成され、残留ガス排出部18のキャビティ側端部形状に対応した形状を有する痕跡である。
【0057】
ゲート痕32の直径φ1Aは、ゲートランド16Bの開口径φ1(図1参照)と略等しい直径であり、ゲート痕32が形成された位置における樹脂の厚さ(肉厚)H3Aより大きい。また、この厚さH3Aは、湯溜まり13Aの位置におけるキャビティ13の最大厚さH3(図1参照)と略等しい厚さである。
【0058】
図2(A)に示した例において、ゲート痕32は、ゲート痕32の周囲の部分と略面一に形成されている。一方、図2(B)に示した例において、ゲート痕32は、ゲート痕32の周囲の部分から凹んで形成されている。また、図2(C)に示した例において、ゲート痕32は、ゲート痕32の周囲の部分から盛り上がって形成されている。
【0059】
これらの例に示したように、本発明において、ゲート痕は、周囲の部分と略面一でもよいし、凹んでいてもよいし、盛り上がっていてもよい。そして、これらの各場合において、ゲート痕は必ずしも裸眼による視認や蝕知できる痕跡である必要はない。ゲート痕32は、例えば光学顕微鏡で100倍程度以上に拡大した状態や1000倍程度以上拡大した状態で把握できる程度の凹凸によって形成されていてもよい。残留ガス排出部痕についても同様である。なお、上述したように本発明の射出成形用金型に残留ガス排出部が必須ではないことと同様に、成形品においても残留ガス排出部痕は必須ではない。
【0060】
<作用及び効果>
本実施形態に係る射出成形用金型10によれば、図1に示すように、キャビティ型12に形成されたピンゲート16の開口径φ1、すなわちゲート開口部16Cの開口径φ1が、コア型14とキャビティ型12との間に形成されたキャビティ13のピンゲート16の位置における厚さH3より大きい。
【0061】
一般に、例えば図4に示すように、ピンゲートを介してキャビティへ溶融樹脂を射出すると、溶融樹脂はコア型及びキャビティ型によって冷やされて固化する。そして、肉厚が薄い部分は、肉厚が厚い部分と比較して、熱容量の差により溶融樹脂の冷やされる速度が速く、固化するスピードも速い。
【0062】
本実施形態においては、ピンゲート16の開口径φ1をピンゲート16の位置におけるキャビティ13の厚さH3より大きくしている。これにより、ピンゲート16内における溶融樹脂の量が増え、熱容量が大きくなる。このため、溶融樹脂の射出終了後に、ゲート開口部16Cよりも上流の溶融樹脂が周囲のキャビティ型12によって冷やされ固化する際に、熱源に近いことと相俟って、固化スピードが抑制されて比較的遅くなる。
【0063】
このようにピンゲート16内の溶融樹脂とピンゲート16の位置のキャビティ13内の溶融樹脂との固化スピードの差を制御し、熱収縮の差を大きくしたことにより、固化された樹脂のゲート開口部16Cと成形品との境界部に層状に集中して歪みが生じる。
【0064】
このため、本実施形態において、キャビティ型12とコア型14とを型開きし、ピンゲート16内の固化樹脂とピンゲート16位置におけるキャビティ13内の固化樹脂との間に引張力を加えた際、ゲート開口部16Cと成形品との境界部のくびれた部分に応力が集中し、先ずくびれ部の外周部に部分的破断である亀裂が生じる。そして、中心部に向かって破断が進行して最終的にこの部分で分断される。この破断の進行は歪みが集中して脆弱化した層が形成されているゲート開口部16Cと成形品との境界部に沿って誘導される結果、固化樹脂が容易に且つ比較的滑らかに切断され易くなる。これにより、図2(A)~(C)に示すように、成形品30上のゲート痕32におけるバリ等の発生が抑制される。
【0065】
また、一般に、樹脂成形品の形状仕様に従ってキャビティの厚さが薄い場合には、キャビティへの溶融樹脂の射出に際して、キャビティの厚さが厚い場合に比べ、高い射出圧力を要する。このため、成形機への負荷の増大、溶融樹脂の流速増大、それに伴う成形品への歪み等が発生し易い。
【0066】
そこで、本実施形態に係る射出成形用金型10は、コア型14において、キャビティ型12に設けられたピンゲート16と対向する位置に、キャビティ13内の残留ガスを排出する残留ガス排出部18を設けている。この残留ガス排出部18は、残留ガスは通過できるが、溶融樹脂は通過困難な、キャビティ13内から金型外部に通じる細いガス流路としてのガス流路20を有している。これにより、溶融樹脂によってスプルー16A内(及びランナーがある場合はランナー内)からゲート開口部16Cを通って一時的に押し出されてくる大量の残留ガスが、ピンゲート16直近の残留ガス排出部18に設けられているガス流路20から排出されるようになっている。
【0067】
この本実施形態の構成により、このような残留ガス排出部18がない場合に比べ、スプルー16A内からゲート開口部16Cを通って一時的に押し出されてくる大量の残留ガスがキャビティ13内の残留ガスに加わって高圧になることによりキャビティ13内における溶融樹脂の流動が妨げられる度合いが緩和される。このため、比較的低い射出圧力でも速やかにキャビティ13内へ溶融樹脂を充填できるようになり、即ち、薄肉成形の充填性を向上させることができる。
【0068】
また、残留ガス排出部18を備えることにより比較的低い射出圧力で充填できるようになるため、高圧によって生じる樹脂内部における不均一な歪みが抑制される。このため、ゲート開口部16Cと成形品30(図2参照)との境界部で樹脂が容易に且つ滑らかに切断され易くなり、成形品30のゲート痕32におけるバリ等の発生が更に抑制される。
【0069】
また、本実施形態に係る射出成形用金型10では、コア型14のピンゲート16に対向する部分に、球面に沿う凹状の窪みである湯溜まり13Aが形成されている。このため、ピンゲート16直下のキャビティ13の肉厚が湯溜まり13Aの深さH1分だけ厚くなり流路が広くなる。
【0070】
また、ピンゲート16から高速で注入された溶融樹脂がコア型14の壁面で垂直に跳ね返らず、球面に沿う窪みの斜面により反射が横方向に逸らされるので、湯溜まり13Aがない場合に比べ、溶融樹脂の流れがスムーズになる。
【0071】
これにより、湯溜まり13Aの部分における固化樹脂の均質性も向上し、ゲート開口部16Cの位置で固化樹脂が切断された際に、ゲート痕32における許容範囲を超える凹凸の発生が抑制される。また、図2(B)に示すように、成形品30のゲート痕32に破断による凹みが生じた場合でも、ゲート痕32部分の肉厚が確保され、成形品30の強度を維持できる。
【0072】
また、本実施形態に係る樹脂成形品30は、図2に示すように、ゲート痕32を有している。ゲート痕32を有する樹脂成形品30は、図1に示すように、コア型14とキャビティ型12との間に形成されるキャビティ13にピンゲート16を介して溶融樹脂を注入することによって成形される。
【0073】
そして、この樹脂成形品30では、ゲート痕32の直径φ1Aが、ゲート痕32が形成された位置における樹脂の厚さH3Aより大きい。つまり、図1に示す金型10におけるゲート開口部16Cの開口径φ1が、キャビティ13の厚さH3より大きい。
【0074】
一般に、例えば図4に示したように、ピンゲートを介してキャビティへ溶融樹脂を射出した場合には、溶融樹脂はコア型及びキャビティ型によって冷やされて硬化する。本実施形態に係る樹脂成形品30の成形においては、開口径が大きいゲート開口部16C部分の溶融樹脂は、厚さが薄いキャビティ13部分の溶融樹脂に比べ、冷やされる速度が遅く、従って、両方の部分の硬化速度の差が大きくなる。
【0075】
このため、キャビティ型12とコア型14とを離型した際、ピンゲート16のゲート開口部16Cの位置で樹脂が容易に切断され、図2に示すように、成形品30のゲート痕32に発生する突起状のバリが抑制される。すなわち、ゲート痕32の直径φ1Aがゲート痕32の位置における樹脂の厚さH3Aより大きいことにより、図2(C)に二点鎖線で示す比較例又は図3に示す比較例に係るゲート痕320Aと比べ、図2(A)、(B)又は(C)に示されるような比較的平旦なゲート痕32が形成され、成形品30のピンゲート16位置に突出するバリ等の発生が抑制される。
【0076】
なお、図2(C)に示したゲート痕320Aにおける突起状のバリの高さは、ゲート痕320Aの直径φ1Aと略等しい例であるが、一般には、バリの高さは不規則で、ゲート痕の直径より大きい場合も小さい場合もあり、制御が困難である。一方、本発明の樹脂成形品においては、ゲート痕が周囲の部分より盛り上がって形成される場合であっても、例えば図2(C)に示されるゲート痕32のように、バリの高さがゲート痕の直径より低くなるよう抑制される。
【0077】
図3には、比較例に係る成形品300が示されている。成形品300は、固化樹脂の厚さ(略キャビティの厚さ)H100が比較的肉厚である射出成形品である。成形品300には、ゲート痕320が形成されている。ゲート痕320は、成形品300の成形時にキャビティ型(図示省略)と接する側の面に形成され、キャビティ型に設けられたピンゲート(図示省略)の開口部形状に対応する形状として、ゲート痕の直径がφ100である痕跡である。
【0078】
本比較例に係るゲート痕320の直径φ100は、本発明と異なり、成形品300の厚さH100より小さい(φ100<H100)場合の例である。すなわち、この成形品300を成形する金型(図示省略)におけるゲート開口部(図示省略)の開口径が、キャビティの厚さより小さい。
【0079】
本比較例に係る成形品300を成形する際、キャビティに注入された溶融樹脂は、本発明の場合と同様に、コア型(図示省略)及びキャビティ型によって冷やされて硬化する。しかし、開口径が比較的小さいゲート開口部部分の溶融樹脂は、厚さが比較的厚いキャビティ部分の溶融樹脂と比べ、本発明の場合と異なり、冷やされる速度の差が比較的少ない。このため、ゲート開口部の位置に歪みが集中した脆弱層が十分に形成されず、従って、キャビティ型とコア型とを離型した際、ゲート開口部の位置において、固化樹脂の切断がスムーズに進行せず、図3に示すように、成形品300のゲート痕320に、比較的大きな突起状のバリが発生し易い。一般に、このように引張力によって強制的に破断した場合、破断面に生じる凹凸の形状は、偶然に支配され予測出来ないが、例えば、ゲート痕の高さが、ゲート痕の直径程度或いはそれ以上になることもあり得る。(H100≠φ100)
【0080】
また、本実施形態に係る樹脂成形品30では、固化樹脂の厚さH3Aがゲート痕32の直径φ1Aより小さい。つまり、図1に示す金型10におけるキャビティ13の厚さH3が、ゲート開口部16Cの開口径φ1より小さい。一般に、キャビティへの樹脂の射出に際して、キャビティの厚さが薄い場合には、キャビティの厚さが厚い場合に比べ、注入圧を要する。
【0081】
本実施形態に係る樹脂成形品30では、ゲート痕32と対向する他方の面に残留ガス排出部痕34が形成されている。つまり、図1に示すコア型14において、キャビティ型12のピンゲート16と対向する位置に、キャビティ13からガスを排出する残留ガス排出部18が形成されている。このため、溶融樹脂によってスプルー16A内からゲート開口部16Cを通って一時的に押し出されてくる大量の残留ガスの一部が、この直近の残留ガス排出部18に設けられているガス流路20から排出される。
【0082】
これにより、残留ガスがキャビティ13内における溶融樹脂の流動を妨げる度合いが抑制され、速やかにキャビティ13内へ溶融樹脂を充填でき、薄肉成形の充填性を向上させることができる。また、比較的低い射出圧力で充填できるようになるため、高圧によって生じる固化樹脂内部における不均一な歪みが抑制される。これにより、ゲート開口部16Cと成形品30との境界部で樹脂が容易に且つ滑らかに切断され易くなり、成形品30のゲート痕32におけるバリ等の発生が更に抑制される。
【0083】
<その他の実施形態>
上記実施形態においては、図1に示すように、キャビティ13が湯溜まり13Aと平面空間部13Bとを備えているが、本発明の実施形態はこれに限らない。例えばキャビティは湯溜まりを備えていなくてもよい。この場合は、キャビティ型に形成されたピンゲートの開口径、すなわちゲート開口部の開口径が、平面空間部の厚さより大きければよい。
【0084】
なお、湯溜まりを備えない実施形態においても、キャビティ型に設けられたピンゲートと対向する位置に、キャビティ内の残留ガスを排出する残留ガス排出部を形成することができる。
【0085】
本発明は、上記に開示した実施の形態によって説明されたが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。本発明は、上記に記載した実施形態のそれぞれを適宜組み合わせた実施の形態及び上記に記載していない様々な実施の形態等を含むと共に、本発明の技術的範囲は、上記の説明から妥当な特許請求の範囲の発明特定事項によってのみ定められるものである。
【符号の説明】
【0086】
10 射出成形用金型
12 キャビティ型
13 キャビティ
13A 湯溜まり
14 コア型
16 ピンゲート
18 残留湯ガス排出部
30 成形品
32 ゲート痕
34 残留ガス排出部痕
図1
図2
図3
図4