(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024021880
(43)【公開日】2024-02-16
(54)【発明の名称】気象パラメータの生成装置及びその方法
(51)【国際特許分類】
G01C 21/34 20060101AFI20240208BHJP
G08G 1/00 20060101ALI20240208BHJP
G08G 1/09 20060101ALI20240208BHJP
G08G 1/13 20060101ALI20240208BHJP
【FI】
G01C21/34
G08G1/00 J
G08G1/09 F
G08G1/13
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022125033
(22)【出願日】2022-08-04
(71)【出願人】
【識別番号】501271479
【氏名又は名称】株式会社トヨタマップマスター
(74)【代理人】
【識別番号】100095577
【弁理士】
【氏名又は名称】小西 富雅
(74)【代理人】
【識別番号】100100424
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 知公
(72)【発明者】
【氏名】日栄 綾子
【テーマコード(参考)】
2F129
5H181
【Fターム(参考)】
2F129AA03
2F129CC16
2F129EE52
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5H181AA01
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5H181FF10
5H181FF13
5H181FF22
5H181MC12
(57)【要約】 (修正有)
【課題】走行データ保存部、走行データ抽出部、駐車状況特定部、及びパラメータ生成部を備える気象条件パラメータの生成装置を用いる、気象条件パラメータの生成方法を提供する。
【解決手段】気象条件パラメータ生成方法は、走行データ保存部に、プローブカーの走行データを保存させ、走行データ抽出部に、基本気象条件のときに第1施設の駐車場に駐車していた第1‐0プローブカー群の走行データを抽出させ、第1気象条件のときに第1施設の駐車場に駐車していた第1-1プローブカー群の走行データを抽出させ、基本気象条件のときに第2施設の駐車場に駐車していた第2‐0プローブカー群の走行データを抽出させ、及び、第1気象条件のときに第2施設の駐車場に駐車していた第2-1プローブカー群の走行データを抽出させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行データ保存部、走行データ抽出部、駐車状況特定部、及びパラメータ生成部を備える気象条件パラメータの生成装置を用いる、気象条件パラメータの生成方法であって、
前記走行データ保存部に、プローブカーの走行データを保存させ、
前記走行データ抽出部に、基本気象条件のときに第1施設の駐車場に駐車していた第1‐0プローブカー群の走行データを抽出させ、第1気象条件のときに前記第1施設の駐車場に駐車していた第1-1プローブカー群の走行データを抽出させ、前記基本気象条件のときに第2施設の駐車場に駐車していた第2‐0プローブカー群の走行データを抽出させ、及び、前記第1気象条件のときに前記第2施設の駐車場に駐車していた第2-1プローブカー群の走行データを抽出させ、
前記駐車状況特定部に、前記第1‐0プローブカー群の走行データから第1‐0駐車状況を特定させ、前記第1‐1プローブカー群の走行データから第1‐1駐車状況を特定させ、前記第2‐0プローブカー群の走行データから第2‐0駐車状況を特定させ、前記第2‐1プローブカー群の走行データから第2‐1駐車状況を特定させ、
前記パラメータ生成部に、前記第1-0駐車状況と前記第1-1駐車状況とを比較させ、その結果により、前記基本気象条件下における前記第1施設の第1-0基本気象条件パラメータと前記第1気象条件下における前記第1施設の第1-1気象条件パラメータを生成させ、及び前記第2-0駐車状況と前記第2-1駐車状況とを比較させ、その結果により、前記基本気象条件下における前記第2施設の第2-0基本気象条件パラメータと前記第1気象条件下における前記第2施設の第2‐1気象条件パラメータを生成させる、
気象条件パラメータの生成方法。
【請求項2】
前記駐車状況は前記各施設における平均駐車率及び/又は平均駐車時間である、請求項1に記載の生成方法。
【請求項3】
前記第1-0基本気象条件パラメータと前記第1-1気象条件パラメータとは、前記第1-0駐車状況と前記第1-1駐車状況との比に基づいて定められ、
前記第2-0基本気象条件パラメータと前記第2-1気象条件パラメータとは、前記第2-0駐車状況と前記第2-1駐車状況との比に基づいて定められる、請求項2に記載の生成方法。
【請求項4】
前記走行データ抽出部は、営業用の車両と認定されるプローブカーの走行データを抽出対象外とする、請求項1~3の何れかに記載の生成方法。
【請求項5】
施設に付与されて、施設を選択するときに用いられる施設属性パラメータを有するナビゲーション装置用の地図データであって、
前記施設属性パラメータとして、前記施設の気象条件に応じた気象条件パラメータを備える、地図データ。
【請求項6】
前記気象条件パラメータは、前記施設が基本気象条件にあるときの施設利用者の滞在状況データと、前記施設が第1気象条件にあるときの施設利用者の滞在状況データとの比に基づいて定められる、請求項5に記載の地図データ。
【請求項7】
前記滞在状況データは車両の駐車状況データであり、営業用の車両からの走行データは除かれている、請求項5又は6に記載の地図データ。
【請求項8】
施設属性保存部、検索条件入力部、汎用施設選択部、気象条件予測部、気象条件パラメータ特定部、施設特定部及び案内部を備えるナビゲーション装置を用いたナビゲーション方法であって、
前記施設属性保存部に、施設を選択するのに用いられる施設属性パラメータを施設毎に保存させ、この施設属性パラメータには、前記施設の気象条件に応じた気象条件パラメータが含まれる、
検索条件入力部に、利用者からの施設検索条件入力を許容させ、
前記汎用施設選択部に、前記気象条件パラメータを除く他の施設属性パラメータを参照して、入力された前記施設検索条件に基づき、該当する施設を選択させるとともに、各施設への到着予測時刻を演算させ、
前記気象条件予測部に、選択された前記各施設の到着予測時刻における気象条件を予測させ、
前記気象条件パラメータ特定部に、前記施設属性保存部を参照して、前記予測された気象条件に基づき各施設における気象条件パラメータを特定させ、
前記施設特定部に、特定された前記気象条件パラメータと他の施設属性パラメータとを参照して、推奨施設を特定させ、
前記案内部に、特定された前記推奨施設を案内させる、
ナビゲーション方法。
【請求項9】
施設属性保存部、検索条件入力部、目的施設選択部、気象条件予測部、気象条件パラメータ特定部、代替施設選択部、パラメータ比較部及び案内部を備えるナビゲーション装置を用いたナビゲーション方法であって、
前記施設属性保存部に、施設を選択するのに用いられる施設属性パラメータを施設毎に保存させ、この施設属性パラメータには、前記施設の気象条件に応じた気象条件パラメータが含まれる、
検索条件入力部に、利用者からの施設検索条件入力を許容させ、
前記目的施設選択部に、入力された前記施設検索条件に基づき、目的施設を選択させるとともに、該目的施設への到着予測時刻を演算させ、
前記気象条件予測部に、選択された前記目的施設の到着予測時刻における気象条件を予測させ、
前記気象条件パラメータ特定部に、前記施設属性保存部を参照して、前記予測された気象条件に基づき前記目的施設における第1気象条件パラメータを特定させ、
前記代替施設選択部に、前記目的施設と所定の関係にある代替施設を選択させるともに、該代替施設への到着予測時刻を演算させ、
前記気象条件予測部に、選択された前記代替施設の到着予測時刻における気象条件を予測させ、
前記気象条件パラメータ特定部に、前記施設属性保存部を参照して、前記予測された代替施設の気象条件に基づき前記代替施設における第2気象条件パラメータを特定させ、
前記パラメータ比較部に、前記第1気象条件パラメータと前記第2気象条件パラメータとを比較させ、
前記案内部に、前記目的施設までのルートを案内させるとともに、前記比較の結果に応じて、前記代替施設の存在を案内する、ナビゲーション方法。
【請求項10】
前記案内装置に、前記目的施設の到着予測時刻における予測された気象条件を併せて表示させる、請求項8又は9に記載のナビゲーション方法。
【請求項11】
前記パラメータ比較部に、前記第1気象条件パラメータ及び前記目的施設の施設属性パラメータと、前記第2気象条件パラメータ及び前記代替施設の施設属性パラメータとを比較させる、請求項8又は9に記載のナビゲーション方法。
【請求項12】
走行データ保存部、走行データ抽出部、駐車状況特定部、及びパラメータ生成部を備える気象条件パラメータの生成装置であって、
前記走行データ保存部に、プローブカーの走行データを保存させ、
前記走行データ抽出部に、基本気象条件のときに第1施設の駐車場に駐車していた第1‐0プローブカー群の走行データを抽出させ、第1気象条件のときに前記第1施設の駐車場に駐車していた第1-1プローブカー群の走行データを抽出させ、前記基本気象条件のときに第2施設の駐車場に駐車していた第2‐0プローブカー群の走行データを抽出させ、及び、前記第1気象条件のときに前記第2施設の駐車場に駐車していた第2-1プローブカー群の走行データを抽出させ、
前記駐車状況特定部に、前記第1‐0プローブカー群の走行データから第1‐0駐車状況を特定させ、前記第1‐1プローブカー群の走行データから第1‐1駐車状況を特定させ、前記第2‐0プローブカー群の走行データから第2‐0駐車状況を特定させ、前記第2‐1プローブカー群の走行データから第2‐1駐車状況を特定させ、
前記パラメータ生成部に、前記第1-0駐車状況と前記第1-1駐車状況とを比較させ、その結果により、前記基本気象条件下における前記第1施設の第1-0基本気象条件パラメータと前記第1気象条件下における前記第1施設の第1-1気象条件パラメータを生成させ、及び前記第2-0駐車状況と前記第2-1駐車状況とを比較させ、その結果により、前記基本気象条件下における前記第2施設の第2-0基本気象条件パラメータと前記第1気象条件下における前記第2施設の第2‐1気象条件パラメータを生成させる、
気象条件パラメータの生成装置。
【請求項13】
走行データ保存部、走行データ抽出部、駐車状況特定部、及びパラメータ生成部を備える気象条件パラメータの生成装置に用いコンピュータに適用されるプログラムであって、
前記走行データ保存部に、プローブカーの走行データを保存させ、
前記走行データ抽出部に、基本気象条件のときに第1施設の駐車場に駐車していた第1‐0プローブカー群の走行データを抽出させ、第1気象条件のときに前記第1施設の駐車場に駐車していた第1-1プローブカー群の走行データを抽出させ、前記基本気象条件のときに第2施設の駐車場に駐車していた第2‐0プローブカー群の走行データを抽出させ、及び、前記第1気象条件のときに前記第2施設の駐車場に駐車していた第2-1プローブカー群の走行データを抽出させ、
前記駐車状況特定部に、前記第1‐0プローブカー群の走行データから第1‐0駐車状況を特定させ、前記第1‐1プローブカー群の走行データから第1‐1駐車状況を特定させ、前記第2‐0プローブカー群の走行データから第2‐0駐車状況を特定させ、前記第2‐1プローブカー群の走行データから第2‐1駐車状況を特定させ、
前記パラメータ生成部に、前記第1-0駐車状況と前記第1-1駐車状況とを比較させ、その結果により、前記基本気象条件下における前記第1施設の第1-0基本気象条件パラメータと前記第1気象条件下における前記第1施設の第1-1気象条件パラメータを生成させ、及び前記第2-0駐車状況と前記第2-1駐車状況とを比較させ、その結果により、前記基本気象条件下における前記第2施設の第2-0基本気象条件パラメータと前記第1気象条件下における前記第2施設の第2‐1気象条件パラメータを生成させる、
コンピュータ用のプログラム。
【請求項14】
施設属性保存部、検索条件入力部、汎用施設選択部、気象条件予測部、気象条件パラメータ特定部、施設特定部及び案内部を備えるナビゲーション装置であって、
前記施設属性保存部に、施設を選択するのに用いられる施設属性パラメータを施設毎に保存させ、この施設属性パラメータには、前記施設の気象条件に応じた気象条件パラメータが含まれる、
検索条件入力部に、利用者からの施設検索条件入力を許容させ、
前記汎用施設選択部に、前記気象条件パラメータを除く他の施設属性パラメータを参照して、入力された前記施設検索条件に基づき、該当する施設を選択させるとともに、各施設への到着予測時刻を演算させ、
前記気象条件予測部に、選択された前記各施設の到着予測時刻における気象条件を予測させ、
前記気象条件パラメータ特定部に、前記施設属性保存部を参照して、前記予測された気象条件に基づき各施設における気象条件パラメータを特定させ、
前記施設特定部に、特定された前記気象条件パラメータと他の施設属性パラメータとを参照して、推奨施設を特定させ、
前記案内部に、特定された前記推奨施設を案内させる、
ナビゲーション装置。
【請求項15】
施設属性保存部、検索条件入力部、目的施設選択部、気象条件予測部、気象条件パラメータ特定部、代替施設選択部、パラメータ比較部及び案内部を備えるナビゲーション装置であって、
前記施設属性保存部に、施設を選択するのに用いられる施設属性パラメータを施設毎に保存させ、この施設属性パラメータには、前記施設の気象条件に応じた気象条件パラメータが含まれる、
検索条件入力部に、利用者からの施設検索条件入力を許容させ、
前記目的施設選択部に、入力された前記施設検索条件に基づき、目的施設を選択させるとともに、該目的施設への到着予測時刻を演算させ、
前記気象条件予測部に、選択された前記目的施設の到着予測時刻における気象条件を予測させ、
前記気象条件パラメータ特定部に、前記施設属性保存部を参照して、前記予測された気象条件に基づき前記目的施設における第1気象条件パラメータを特定させ、
前記代替施設選択部に、前記目的施設と所定の関係にある代替施設を選択させるともに、該代替施設への到着予測時刻を演算させ、
前記気象条件予測部に、選択された前記代替施設の到着予測時刻における気象条件を予測させ、
前記気象条件パラメータ特定部に、前記施設属性保存部を参照して、前記予測された代替施設の気象条件に基づき前記代替施設における第2気象条件パラメータを特定させ、
前記パラメータ比較部に、前記第1気象条件パラメータと前記第2気象条件パラメータとを比較させ、
前記案内部に、前記目的施設までのルートを案内させるとともに、前記比較の結果に応じて、前記代替施設の存在を案内する、ナビゲーション装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、気象パラメータの生成装置及びその方法の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
レジャー等の目的で訪問する先の気象条件は、その目的を果たす上で重要な要素である。例えば公園などの野外施設の場合、その気象条件が荒天の場合はそこで遊んだり、散歩したりすることを楽しめない。よって、訪問を断念せざるを得ないことがある。
一方、ショッピングモール等の屋内施設の場合、気象条件の影響は少なく、荒天であってもそこへの訪問を断念することはない。
そこで、従来、気象条件を考慮して目的地を絞り込むナビゲーション装置が提案されている(特許文献1~3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-035613号公報
【特許文献2】特開2003-121173号公報
【特許文献3】特開2007-265240号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
先行技術では、候補となる各目的地の到着予測時刻における各目的地での気象条件の予測に基づき、目的地を好適なものに絞りこんでいるが、目的地を絞り込むための気象条件の明確な指標は示されていない。
更には、同じ気象条件であっても、目的地である施設の特性の如何により、その利用態様が異なってくる。
例えば、プールを主体とした野外テーマパークであれば、多少の雨が降っていてもその利用に支障はないが、気温が低くなるとその利用に支障が生じる。他方、乗り物を主体とした野外テーマパークであれば、気温の高低に比べて雨天のときの支障が大きくなることがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、目的地となる施設毎に、気象条件の影響(支障の具合)が異なるのではないかと考え、気象条件が各施設に与える影響を数値化すること検討した。
その結果、各施設の駐車場における駐車の状況を指標として、気象条件の変化と施設の駐車の状況の変化とを比較することで、各施設に与える気象条件の影響を気象条件パラメータとして特定できることに気が付いた。
即ち、この発明の第1局面は次のように規定される。
走行データ保存部、走行データ抽出部、駐車状況特定部、及びパラメータ生成部を備える気象条件パラメータの生成装置を用いる、気象条件パラメータの生成方法であって、
前記走行データ保存部に、プローブカーの走行データを保存させ、
前記走行データ抽出部に、基本気象条件のときに第1施設の駐車場に駐車していた第1‐0プローブカー群の走行データを抽出させ、第1気象条件のときに前記第1施設の駐車場に駐車していた第1-1プローブカー群の走行データを抽出させ、前記基本気象条件のときに第2施設の駐車場に駐車していた第2‐0プローブカー群の走行データを抽出させ、及び、前記第1気象条件のときに前記第2施設の駐車場に駐車していた第2-1プローブカー群の走行データを抽出させ、
前記駐車状況特定部に、前記第1‐0プローブカー群の走行データから第1‐0駐車状況を特定させ、前記第1‐1プローブカー群の走行データから第1‐1駐車状況を特定させ、前記第2‐0プローブカー群の走行データから第2‐0駐車状況を特定させ、前記第2‐1プローブカー群の走行データから第2‐1駐車状況を特定させ、
前記パラメータ生成部に、前記第1-0駐車状況と前記第1-1駐車状況とを比較させ、その結果により、前記基本気象条件下における前記第1施設の第1-0基本気象条件パラメータと前記第1気象条件下における前記第1施設の第1-1気象条件パラメータを生成させ、及び前記第2-0駐車状況と前記第2-1駐車状況とを比較させ、その結果により、前記基本気象条件下における前記第2施設の第2-0基本気象条件パラメータと前記第1気象条件下における前記第2施設の第2‐1気象条件パラメータを生成させる、
気象条件パラメータの生成方法。
【0006】
かかる第1局面で規定される気象条件パラメータの生成方法コンセプトは、気象条件パラメータの生成装置及び当該装置を制御するコンピュータ用のプログラムとしても把握される(第12及び第13局面)。
【0007】
このように規定される第1局面の気象条件パラメータの生成方法によれば、施設毎にそこでの気象条件に応じた気象条件パラメータが生成される。ここに、プローブカーの走行データに基づき生成された気象条件パラメータは施設の実情を反映した指標であるとともに、そのアップデートも容易である。
第1局面の生成方法で生成された気象条件パラメータをナビゲーション装置に適用すれば、目的地である施設の到着予測時刻における気象条件が予測され、予測された気象条件に応じて気象条件パラメータが特定される。特定された気象条件パラメータは目的地選択の明確な指標となる。即ち、ナビゲーション装置において当該気象条件パラメータを利用することにより、好適な目的地の案内が可能となる。
そして、この気象条件パラメータは施設毎に設定されているので、この気象条件パラメータを利用して案内された施設は、利用者にとって、高い信頼性を伴った目的地となり得る。
【0008】
この発明の第2局面は次のように規定される。即ち、
第1局面の気象条件パラメータの生成方法において、前記駐車状況は前記各施設における平均駐車率及び/又は平均駐車時間である。
このように規定される第2局面の生成装置によれば、駐車状況として平均駐車率及び/又は平均駐車時間を採用することにより、データ処理を簡素化できる。
【0009】
データ処理をより簡素化するために、第3局面を採用することができる。即ち、
第2局面の生成方法において、前記第1-0基本気象条件パラメータと前記第1-1気象条件パラメータとは、前記第1-0駐車状況と前記第1-1駐車状況との比に基づいて定められ、
前記第2-0基本気象条件パラメータと前記第2-1気象条件パラメータとは、前記第2-0駐車状況と前記第2-1駐車状況との比に基づいて定められる。
【0010】
この発明の第4局面は次のように規定される。即ち、
第1~3の何れかの局面に規定の生成方法において、前記走行データ抽出部は、営業用の車両と認定されるプローブカーの走行データを抽出対象外とする。
営業用の車両が駐車する目的は、施設の本来の目的(レジャー、飲食等)とは異なる。よって、駐車の態様もまた異なってくるため、走行データとしてはノイズになるからである。
【0011】
この発明の第5局面は次のように規定される。即ち、
施設に付与されて、施設を選択するときに用いられる施設属性パラメータを有するナビゲーション装置用の地図データであって、
前記施設属性パラメータとして、前記施設の気象条件に応じた気象条件パラメータを備える、地図データ。
施設毎に気象条件パラメータを生成する発明はこの出願が提案するものである。かかる気象条件パラメータを施設属性パラメータの一部として施設毎に備える地図データは新規な発明といえる。
【0012】
この発明の第6局面は次のように規定される。即ち、
第5局面に規定の地図データにおいて、前記気象条件パラメータは、前記施設が基本気象条件にあるときの施設利用者の滞在状況データと、前記施設が第1気象条件にあるときの施設利用者の滞在状況データとの比に基づいて定められる。
このように規定される第6局面の地図データにおいて、気象条件パラメータは簡易に作成されたものである。よって、第6局面の地図データは安価な提供が可能となる。
【0013】
この発明の第7局面は次のように規定される。即ち、
第5又は6局面に規定の地図データにおいて、前記滞在状況データは車両の駐車状況データであり、営業用の車両からの走行データは除かれている。
このように規定される第7局面の地図データによれば、気象条件パラメータを生成する際に、ノイズとなる可能性が高い営業用の車両からの走行データが省かれる。よって、高い信頼性の地図データとなる。
【0014】
この発明の第8局面は次のように規定される。即ち、
施設属性保存部、検索条件入力部、汎用施設選択部、気象条件予測部、気象条件パラメータ特定部、施設特定部及び案内部を備えるナビゲーション装置を用いたナビゲーション方法であって、
前記施設属性保存部に、施設を選択するのに用いられる施設属性パラメータを施設毎に保存させ、この施設属性パラメータには、前記施設の気象条件に応じた気象条件パラメータが含まれる、
検索条件入力部に、利用者からの施設検索条件入力を許容させ、
前記汎用施設選択部に、前記気象条件パラメータを除く他の施設属性パラメータを参照して、入力された前記施設検索条件に基づき、該当する施設を選択させるとともに、各施設への到着予測時刻を演算させ、
前記気象条件予測部に、選択された前記各施設の到着予測時刻における気象条件を予測させ、
前記気象条件パラメータ特定部に、前記施設属性保存部を参照して、前記予測された気象条件に基づき各施設における気象条件パラメータを特定させ、
前記施設特定部に、特定された前記気象条件パラメータと他の施設属性パラメータとを参照して、推奨施設を特定させ、
前記案内部に、特定された前記推奨施設を案内させる、
ナビゲーション方法。
【0015】
このように規定される第8局面のナビゲーション方法によれば、まずは、一般的な方法にならって、気象条件パラメータ以外の施設属性パラメータを参照して目的地となりうる施設が選択され、更に、選択された各施設への到着予測時刻に基づき、当該到着予測時刻における各施設での気象条件が予測される。
この局面では、このようにして予測された気象条件に基づき施設毎に気象条件パラメータが特定される。これにより、気象条件パラメータが施設属性パラメータとして利用可能となる。よって、気象条件パラメータを含めた施設属性パラメータを利用して推奨施設が特定される。
【0016】
かかる第8局面で規定されるナビゲーション方法のコンセプトは、ナビゲーション装置としても把握される(第14局面)
【0017】
この発明の第9局面は次のように規定される。
施設属性保存部、検索条件入力部、目的施設選択部、気象条件予測部、気象条件パラメータ特定部、代替施設選択部、パラメータ比較部及び案内部を備えるナビゲーション装置を用いたナビゲーション方法であって、
前記施設属性保存部に、施設を選択するのに用いられる施設属性パラメータを施設毎に保存させ、この施設属性パラメータには、前記施設の気象条件に応じた気象条件パラメータが含まれる、
検索条件入力部に、利用者からの施設検索条件入力を許容させ、
前記目的施設選択部に、入力された前記施設検索条件に基づき、目的施設を選択させるとともに、該目的施設への到着予測時刻を演算させ、
前記気象条件予測部に、選択された前記目的施設の到着予測時刻における気象条件を予測させ、
前記気象条件パラメータ特定部に、前記施設属性保存部を参照して、前記予測された気象条件に基づき前記目的施設における第1気象条件パラメータを特定させ、
代替施設選択部に、前記目的施設と所定の関係にある代替施設を選択させるともに、該代替施設への到着予測時刻を演算させ、
前記気象条件予測部に、選択された前記代替施設の到着予測時刻における気象条件を予測させ、
前記気象条件パラメータ特定部に、前記施設属性保存部を参照して、前記予測された代替施設の気象条件に基づき前記代替施設における第2気象条件パラメータを特定させ、
前記パラメータ比較部に、前記第1気象条件パラメータと前記第2気象条件パラメータとを比較させ、
前記案内部に、前記目的施設までのルートを案内させるとともに、前記比較の結果に応じて、前記代替施設の存在を案内する、ナビゲーション方法。
【0018】
このように規定される第9局面のナビゲーション方法によれば、先ずは、一般的な方法にならって、目的地となる施設が選択され、更に、選択された目的施設への到着予測時刻に基づき、当該到着予測時刻における目的施設での気象条件が予測される。
このようにして予測された気象条件に基づき目的施設での第1気象条件パラメータが特定される。
上記と平行して、目的施設と所定の関係にある、例えば近隣であったり同じ施設属性を備えたりする代替施設を選択し、かかる代替施設における第2気象条件パラメータが同様にして特定される。
このようにして特定された第1気象条件パラメータと第2気象条件パラメータとを比較した結果、例えば、第2気象条件パラメータが第1気象条件パラメータに勝っていたとき、代替施設の存在をナビゲーション装置に表示させることができる。他方、第1気象条件パラメータが第2気象条件パラメータに勝っているときは、代替施設の存在をナビゲーション装置で案内しないこともある。
【0019】
かかる第9局面で規定されるナビゲーション方法のコンセプトは、ナビゲーション装置としても把握される(第15局面)
【0020】
代替施設が案内されたときは、一般的に目的施設での気象条件が好ましくないので、目的施設の気象条件をナビゲーション装置で案内して、利用者に注意喚起することができる(第10局面)。
利用者にとって、施設の選択は、当該施設での気象条件の云々が全てではない。従って、第2施設の存在を案内するか否かの判定は、気象条件パラメータのみの比較ではなく、他の施設属性パラメータも併せて検討することができる(第11局面)。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】
図1はこの発明の実施形態の気象条件パラメータの生成装置の構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は第1-0走行データ抽出部の詳細ブロック図である。
【
図3】
図3は第1‐0駐車状況特定部の詳細ブロック図である。
【
図4】
図4はパラメータ生成部40の機能を説明するための詳細ブロックである。
【
図5】
図5はこの発明の実施形態のナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【
図6】
図6は
図5のナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。
【
図7】
図7はこの発明の他の実施形態のナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【
図8】
図8は
図7のナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。
【
図9】
図9は
図1の生成装置に適用されるコンピュータシステムの概略構成を示すブロック図である。
【
図10】
図10は
図5のナビゲーション装置適用されるコンピュータシステムの概略構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、この発明の実施形態を、図面を参照しながら、説明する。
図1は、この発明の一の実施形態の気象条件パラメータの生成装置1の構成を示すブロック図である。
この生成装置1は、走行データ保存部10、走行データ抽出部20、駐車状況特定部30及びパラメータ生成部40を備える。
走行データ保存部10として、外部のサーバを利用することができる。
走行データ保存部10には、プローブカーからの走行データが保存されている。ここに、走行データとは、プローブカーから汎用的に得られるプローブデータ(位置情報、時間情報)の他、プローブカーの車両インナーデータも該当する。ここに、車両インナーデータとは、車両が備えるセンサ、コントロールユニットその他から出力される当該車両の各種状態に関するデータであって、当該車両に搭載されたネットワーク上でCAN(Controller Area Network)をはじめとした各種通信プロトコルにより伝送可能なデータをいう。この車両インナーデータには、走行速度データ、加速度データ、ブレーキ操作データ、ハンドルの切れ角データ、オンオフデータ及びその他のデータが含まれる。
【0023】
走行データ抽出部20は、走行データ保存部10に保存されているプローブカーの走行データから、条件に適合したものを抽出する。この例では、気象条件を表1に示す6パターンに分類し、各気象条件に適合した状況下のプローブカーの走行データを抽出する。
【表1】
【0024】
図2に、第1‐0走行データ抽出部21の詳細を示す。
第1-0走行データ抽出部21は、抽出部211、抽出走行データ保存部213及び抽出条件特定部215を備える。この第1‐0走行データ抽出部21は、第1施設が基本気象条件であったときに、第1施設の駐車場に駐車していたプローブカーの走行データを抽出する。
抽出条件特定部215の施設特定部2151が特定した第1施設(駐車場の座標:x、y)につき、気象条件特定部2153は気象データサーバ217を参照して、基本気象条件を満足する時間帯(t)を特定する。
抽出部211は、第1施設(x、y)が基本気象条件のとき(t)に当該第1施設の駐車場に駐車していた車両のプローブデータ(x、y、t)を、走行データ保存部10から抽出する。
抽出された走行データは抽出走行データ保存部213に保存される。
【0025】
なお、所定の期間に座標(x、y)の変化がなく及び/又はエンジンがオフの状態のときき、駐車状況と判断されるが、駐車状況の判定条件は任意に設定できる。
気象条件や、抽出条件は任意に設定できる。例えば、気象条件として風速や湿度を加えることができる。抽出条件として駐車時の気象条件のみを選択することもできる。
【0026】
また、営業用の車両はプローブカーとして採用しないことが好ましい。即ち、走行データとして、車両の属性を示すデータが含まれおり、その車両の属性データが営業用を示す場合、走行データ抽出部211はその走行データを抽出しない。
【0027】
図1において、第1-1走行データ抽出部22は、第1気象条件のときに第1施設の駐車場に駐車していたプローブカーの走行データを抽出対象とする。第2-0走行データ抽出部25は、基本気象条件のときに第2施設の駐車場に駐車していたプローブカーの走行データを抽出対象とする。第2-1走行データ抽出部26は、第1気象条件のときに第2施設の駐車場に駐車していたプローブカーの走行データを抽出対象とする。このようにして、各施設につき表1に示した気象条件のときに駐車していたプローブカーの走行データが抽出される。
抽出された走行データは常にアップデートして古いデータと置き換えることが好ましい。
【0028】
走行データ抽出部20で抽出された走行データが駐車状況特定部30へ送られる。
第1‐0駐車状況特定部31では、
図3に示すように、第1施設が基本気象条件であったときの走行データが抽出走行データ保存部213から読み出されて、平均駐車率演算部311においてその平均駐車率が演算されて、平均駐車率保存部313に保存される。
ここに平均駐車率は次のようにして演算される。抽出された走行データに基づき、1つの単位時間あたり(例えば1時間あたり)に第1施設の駐車場に駐車していたプローブカーの数をカウントして、当該駐車場の容量(最大駐車数)と比較する。第1施設の駐車場の容量(最大駐車数)は予め定められているので駐車率が得られる。他の単位時間当たりの駐車率も同様にしても求められるので、それらを平均して平均駐車率とする。得られた平均駐車率は平均駐車率保存部313に保存される。
なお、施設によっては、季節や曜日にその平均駐車率が影響される場合がある。そのときは、駐車状況特定部は影響のある季節や曜日別毎に、平均駐車率を演算させることが好ましい。
【0029】
上記と同様にして、第1‐1駐車状況特定部32では、第1施設が第1気象条件であったときの平均駐車率が演算されて、保存される。第2‐0駐車状況特定部35では、第2施設が基本気象条件であったときの平均駐車率が演算されて、保存される。第2‐1駐車状況特定部36では、第2施設が第1気象条件であったときの平均駐車率が演算されて、保存される。
【0030】
パラメータ生成部40では、駐車状況特定部30で特定された駐車状況(平均駐車率)に基づき、気象条件パラメータを特定する。
図4に示すように、第1‐0駐車状況としての平均駐車率と第1-1駐車状況としての平均駐車率とが平均駐車率比較部410において比較される。
この例では、基本気象条件における各施設の平均駐車率を基準としている(パラメータ:1)。この平均駐車率と第1気象条件のときの第1施設における平均駐車率とを比較する。例えば、前者の平均駐車率が50%であるのに対し、後者の平均駐車率が25%のときは、後者のパラメータは25%÷50%=0.5とする。即ち、第1施設では基本気象条件のときの第1-0気象条件パラメータを1とすると(第1-0気象条件パラメータ特定部401による)、第1気象条件のときの第1施設の第1-1気象条件パレメータは0.5となる(第1-1気象条件パラメータ特定部402による)。
各気象条件パラメータは第1-0気象条件パラメータ保存部41及び第1-1気象条件パラメータ保存部42に保存される。
上記と同様にして、第2-0気象条件パラメータ保存部45及び第2-1気象条件パラメータ保存部に、それぞれ第2-0気象条件パラメータと第2-1気象条件パラメータが保存される。
【0031】
表1の各施設において気象条件ごとに平均駐車率を求め、上記と同様に基本気象条件の平均駐車率を基準として各気象条件における気象条件パラメータを求める(表2参照)。
【表2】
表2において、基本気象条件の気象条件パラメータ1に比べて小さい値の気象条件パラメータは、当該気象条件において平均駐車率が小さいこと、即ち、当該気象条件における来場者が少ないことを意味する。他方、基本気象条件の気象条件パラメータ1に比べて大きい値の気象条件パラメータは、当該気象条件において平均駐車率が大きいこと、即ち、当該気象条件における来場者が多いことを意味する。
【0032】
上記の例では、単位時間当たりの駐車数のカウントに基づき、基本気象条件時の平均駐車率と他の気象条件時の平均駐車率との比をもって、気象条件パラメータを定めている。気象条件パラメータの定め方はこれに限定されるものではない。
各気象条件における平均駐車時間を基準にして気象条件パラメータを定めることもできる。
【0033】
このようにして生成された気象条件パラメータを利用するナビゲーション装置100について以下に説明する(
図5)。
このナビゲーション装置100はナビゲーション実行部50とナビゲーション用データ保存部70とから構成される。
ナビゲーション実行部50は入力部51、現在位置特定部53、経路演算部55及び施設選択部60を備えてなる。
入力部51を介して、利用者は目的地の検索条件を入力することができる。
現在位置特定部53、経路演算部55及び案内部59はナビゲーション装置に用いられる汎用的なモジュールを利用できる。経路演算部55は、現在位置特定部53が特定した現在位置を基準として、入力部51を介して指定された目的地までの経路を演算する。この演算に際し、ナビゲーション用データ保存部70の地図データ保存部71及び交通データ保存部73の内容が参照される。
【0034】
施設選択部60は、汎用施設選択部61、気象条件予測部63,気象条件パラメータ特定部65及び推奨施設特定部67を備える。
汎用施設選択部61は、入力部51を介して入力された施設検索条件に従い、汎用パラメータ保存部751に保存されている施設属性パラメータを参照して、汎用的な手順に従って施設を選択する。ここに、汎用パラメータ保存部751に保存されている施設属性パラメータには、レジャー、飲食等の施設の目的を示すパラメータや、教育、スポーツ及び宗教などの大ジャンルを示すパラメータ及びスポーツの中でも野球、ゴルフ及びボーリング等の小ジャンルを示すパラメータ、更には施設を特徴つける施設固有のパラメータ等がある。
汎用施設選択部61は、例えば、入力部51を介して利用者が入力したキーワードを参照して、そのキーワードに近似する属性の施設を、近似度を指標として、選択する。勿論、現在地からの距離も考慮される。
【0035】
汎用施設選択部61が選択した各施設について、到着予測時刻を特定する(経路演算部55を利用する)。気象条件予測部63は、各施設について到着予測時刻における気象条件を、気象データサーバ217を参照して、特定する。この気象データサーバ217は各施設における気象条件を予測できるものとする。例えば、気象庁や日本気象協会が提供する、いわゆる天気予報を利用することができる。また、民間の気象情報サービスの利用も可能である。
【0036】
気象条件パラメータ特定部65は、気象条件予測部63が予測した施設の気象条件(到着予測時刻におけるもの)に基づき、気象条件パラメータ保存部753のデータを参照して、気象条件に対応する気象条件パラメータを特定する。気象条件パラメータ保存部753には、既述の生成装置1で生成された表2のデータが保存されている。
推奨施設特定部67は、汎用施設選択部61が用いた施設選択条件との近似度の指標に各施設における気象条件パラメータの指標を加味して、推奨施設を特定する。
特定された推奨施設は案内部59を介して利用者に知らされる。
【0037】
このナビゲーション装置100の動作を
図6のフローチャートに基づき説明する。
ステップ1において、入力部51を介して利用により施設の検索条件が入力される。
ステップ3において、汎用施設選択部61は、汎用パラメータ本部751に保存されている施設の汎用パラメータを参照して、汎用的な手順に従い、施設を選択する。
【0038】
ステップ5において、汎用施設選択部61は、経路演算部55の機能を利用して、ステップ3で選択された施設につき、これを目的地としたとき、現在位置を基準として施設に到着する予測時刻を、ナビゲーション装置に備えられた汎用的なプログラムを用いて、演算する。
ステップ7では、気象条件予測部63は、気象データサーバ217を参照して、ステップ5で演算された到着予測時刻における、各施設での気象条件を予測する。
【0039】
ステップ9では、気象条件パラメータ特定部65は、気象条件パラメータ保存部753の内容を参照して、該当する施設におけるステップ7で予測された気象条件に対応する気象条件パラメータを特定する。
ステップ11では、推奨施設特定部67が、ステップ9で特定した利用者が入力した施設選択条件に気象条件パラメータを加味して、施設の選択を実行し、推奨施設を特定する。このように特定された推奨施設では、到着予測時刻での気象条件が当該施設の利用目的に支障をきたさないものとなっている。
ステップ13では、案内部59により、利用者に推奨施設を案内する。
【0040】
図7に他の態様のナビゲーション装置200を示す。なお、
図5と同一の機能を奏する要素には同一の符号を付してその説明を省略する。
図7のナビゲーション装置200において、施設選択部260の目的施設選択部261は、入力部51を介して入力された施設検索条件に従い、汎用パラメータ保存部751に保存されている施設属性パラメータを参照して、汎用的な手順に従って施設を選択する。
目的施設選択部261で選択された目的施設がナビゲーション装置において案内される。
この例では、目的施設を案内することを前提として、ナビゲーション装置の動作のバックヤードにおいて、目的施設と関係のある代替施設を代替施設特定部267が特定される。
この代替施設について、目的施設と同様にそこへの到着予測時刻における気象条件を予測し(気象条件予測部63)、その気象条件パラメータを特定する(気象条件パラメータ特定部65)。
【0041】
このようにして得られた目的施設の第1気象条件パラメータと代替施設の第2気象条件パラメータとを、パラメータ比較部210で比較し、比較の結果を案内部59における案内の態様に反映させる。
例えば、目的施設の第1気象条件パラメータより代替施設の第2気象条件パラメータが大きい場合、目的施設までの経路を示しつつ、代替施設の存在を案内する。そのとき、目的施設の到着予測時刻における気象条件を表示することができる。
他方、目的施設の第1気象条件パラメータが代替施設の第2気象条件パラメータより大きい場合は、代替施設の案内は不要である。利用者にとって本来の目的地である目的施設においてその目的が気象条件によって妨げられることが無いからである。
【0042】
このナビゲーション装置200の動作を
図8のフローチャートに基づき説明する。
ステップ21~ステップ29は、
図6のステップ1~ステップ9と実質的に同じステップであり、汎用的な手順により施設を選択する。この例では目的施設と称している。
ステップ32において、代替施設特定部267により、目的施設と関連のある代替施設を特定する。代替施設は、目的施設と同じカテゴリの施設属性を備え、かつ、目的施設の近く(例えば20km内)にあるものとすることができる。
ステップ35では、代替施設特定部267は、経路演算部55の機能を利用して、代替施設までの到着予測時刻を演算する。
ステップ37では、気象条件予測部63は、ステップ35で演算された到着予測時刻における代替施設の気象条件を予測する。
ステップ39では、気象条件パラメータ特定部65が、気象条件パラメータ保存部753の内容を参照して、代替施設におけるステップ37で予測された気象条件に対応する気象条件パラメータを特定する。
【0043】
ステップ41において、パラメータ比較部210により、目的施設の到着予測時刻における気象条件に対応した第1気象条件パラメータと代替施設の到着予測時刻における気象条件に対応した第2気象条件パラメータとが比較される。
第2気象条件パラメータより第1気象条件パラメータが大きい場合(ステップ41:Y)、ステップ43へ進み、案内部59により、目的施設までの経路案内が実行される。
第2気象条件パラメータより第1気象条件パラメータが小さい場合(ステップ41:N)、ステップ45へ進み、案内部59により、目的施設までの経路案内が実行されるとともに、ステップ47において代替施設が案内される。
【0044】
図9に、
図1に示した生成装置1のハード構成を示す。
演算部300はCPU301、ROM303及びRAM305を備え、システム全体の制御をつかさどる。それとともに、走行データ抽出部20、駐車状況特定部30及びパラメータ生成部40の演算部分をつかさどる。ROM303は、演算部300を制御する制御プログラム等が格納された不揮発性メモリである。RAM305は気象条件を読み出し可能に格納したり、CPU301に対してワーキングエリアを提供したりする。演算部300を制御する制御プログラムはROM303に限らずRAM305や第1、第2記憶装置340及び350に格納されていてもよい。出力装置320を介して各種のデータが出力される。入力装置330を介して気象条件等の必要な情報が入力される。
【0045】
第1記憶装置340は抽出走行データ保存部213、平均駐車率保存部313、気象条件パラメータ保存部41-46として機能する。
第2記憶装置350は走行データ保存部10として機能する。
第1、第2記憶装置はハードメモリやフラッシュメモリなど、サーバシステムのメモリ装置の一部の領域を利用することが好ましい。
一時的に保存されるデータ用保存部としての、いわゆるバッファメモリには、演算部のRAMの一部領域を利用できる。外部の通信ネットワークには通信インターフェース13でつながれる。
コンピュータを構成する各装置はシステムバス370で連結されている。
【0046】
図10に、
図5に示したナビゲーション装置100のハード構成を示す。
演算部400はCPU401、ROM403及びRAM405を備え、システム全体の制御をつかさどる。それとともに、ナビゲーション実行部50の演算部分をつかさどる。即ち、現在位置特定部53、経路演算部55、施設選択部60として機能する。ROM403は、演算部400を制御する制御プログラム等が格納された不揮発性メモリである。RAM405は気象条件を読み出し可能に格納したり、CPU401に対してワーキングエリアを提供したりする。演算部400を制御する制御プログラムはROM403に限らずRAM405や第1、第2記憶装置440及び450に格納されていてもよい。案内部59を介して各種のナビゲーションデータが利用者に案内される。入力部51を介して施設の選択条件などが利用者により入力される。
【0047】
第1記憶装置440は気象条件パラメータ保存部753として機能する。この気象条件パラメータ保存部753には、
図1の生成装置1で生成された気象条件パラメータが、表2のかたちで、常にアップデートされているものとする。
第2記憶装置450は汎用パラメータ保存部751、地図データ保存部71、交通データ保存部73として機能する。これらは汎用的なナビゲーション装置に備えられるものである。
第1、第2記憶装置はハードメモリやフラッシュメモリなど、サーバシステムのメモリ装置の一部の領域を利用することが好ましい。
一時的に保存されるデータ用保存部としての、いわゆるバッファメモリには、演算部のRAMの一部領域を利用できる。外部の通信ネットワークには通信インターフェース13でつながれる。
コンピュータを構成する各装置はシステムバス370で連結されている。
上記において、
図7のナビゲーション装置200においても同様なハード構成が利用できる。CPU401がパラメータ比較部201として機能する。
【0048】
この発明は、上記発明の実施の形態及び実施例の説明に何ら限定されるものではない。特許請求の範囲の記載を逸脱せず、当業者が容易に想到できる範囲で種々の変形態様もこの発明に含まれる。
【符号の説明】
【0049】
1 気象条件パラメータの生成装置
10 走行データ保存部
20 走行データ抽出部
30 駐車状況特定部
40 パラメータ生成部
60 施設選択部、61 汎用施設選択部、63 気象条件予測部、65 気象条件パラメータ特定部、67 推奨施設特定部
75 施設属性保存部、751 汎用パラメータ保存部、753 気象条件パラメータ保存部
100、200 ナビゲーション装置
210 パラメータ比較部
260 施設選択部、267 代替施設特定部
217 気象データサーバ