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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024021889
(43)【公開日】2024-02-16
(54)【発明の名称】マスク
(51)【国際特許分類】
   A41D 13/11 20060101AFI20240208BHJP
【FI】
A41D13/11 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022125060
(22)【出願日】2022-08-04
(71)【出願人】
【識別番号】519370212
【氏名又は名称】須賀 隆之
(71)【出願人】
【識別番号】519370223
【氏名又は名称】須賀 彩乃
(74)【代理人】
【識別番号】110002011
【氏名又は名称】弁理士法人井澤国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100072039
【弁理士】
【氏名又は名称】井澤 洵
(74)【代理人】
【識別番号】100123722
【弁理士】
【氏名又は名称】井澤 幹
(74)【代理人】
【識別番号】100157738
【弁理士】
【氏名又は名称】茂木 康彦
(72)【発明者】
【氏名】須賀 隆之
(72)【発明者】
【氏名】須賀 彩乃
(57)【要約】
【課題】使用者のあご部分に接するマスクにおけるマスク本体の弛み部分を絞ることができるマスクを提供する。
【解決手段】
使用者のあご部分を覆う不織布からなるマスク本体20と、マスク本体20の右端および左端に配置され、使用者の両耳にそれぞれ取り付けるためにループ状を呈する一対の耳取り付け部30、30と、を有し、一対の耳取り付け部30、30を使用者の両耳にそれぞれ取り付け、マスク本体20を使用者のあご部分を覆うために装着したときに、当該使用者のあご部分に接したそのマスク本体20の弛んだ弛み部分29を絞るための調整部材50と、を有し、調整部材50は、マスク本体20に取り外し可能に係合することで、マスク本体20の弛み部分29を絞ることができるマスクである。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者のあご部分を覆う不織布からなるマスク本体と、
前記マスク本体の右端および左端に配置され、前記使用者の両耳にそれぞれ取り付けるためにループ状を呈する一対の耳取り付け部と、を有し、
前記一対の耳取り付け部を前記使用者の両耳にそれぞれ取り付け、
前記マスク本体を前記使用者のあご部分を覆うために装着したときに、当該使用者のあご部分に接したそのマスク本体の弛んだ弛み部分を絞るための調整部材と、を有し、
前記調整部材は、前記マスク本体に取り外し可能に係合することで、前記マスク本体の弛み部分を絞ることができるマスク。
【請求項2】
使用者のあご部分を覆う不織布からなるマスク本体と、
前記マスク本体の右端および左端に配置され、前記使用者の両耳にそれぞれ取り付けるためにループ状を呈する一対の耳取り付け部と、を有し、
前記一対の耳取り付け部を前記使用者の両耳にそれぞれ取り付け、
前記マスク本体を前記使用者のあご部分を覆うために装着したときに、当該使用者のあご部分に接したそのマスク本体の弛んだ弛み部分を絞るための調整部材と、を有し、
前記調整部材は、前記マスク本体に固定するための固定部と、
前記マスク本体に着脱可能に取り付けることができる係止部と、を有し、
前記固定部と前記係止部は一体であり、当該固定部は、前記マスク本体の中央より右側または左側に配置し、
前記係止部は、前記マスク本体に取り外し可能に係合することで、前記マスク本体の弛み部分を絞ることができるマスク。
【請求項3】
前記調整部材は、オス型面ファスナーである請求項1または2記載のマスク。
【請求項4】
前記調整部材は、帯状を呈するオス型面ファスナーである請求項1または2記載のマスク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感染防止に用いられるマスクに関するものである。
【背景技術】
【0002】
新型コロナウイルス(SARS-Cov-2)の感染症(COVID-19)は、いわゆる飛沫により感染すると言われており、その他人の飛沫を吸い込まないことが極めて重要であることが知られている。
【0003】
このような状況のもと、飛沫感染防止の観点から、マスクを使用することが推奨されている。この場合、ウレタン製のマスクのほか不織布のマスクが使用されている。しかしながら、特に飛沫防止の観点から不織布のマスクの使用が推奨されている。
【0004】
一般的に飛沫の飛散を防止する観点から使用されるマスクについて、実用新案登録第3227244号公報において、着用時にマスク面の上端縁と顔表面との間に隙間が生じることを適切に防止し、この結果、ウイルスなどの侵入をより確実に抑止できるマスクが開示されている。このようなマスクとして「略矩形状のマスク面1aと、マスク面1aの左右端に設けられたゴム紐1cと、を備える。マスク面1aは、その上端縁10と下端縁11から連続形成されて、且つ表側から裏側に向けて折り返された折り返し面12と、折り返し面12を折り返した状態でマスク面1aの上端近傍及び下端近傍において横方向に縫われた一対の横ステッチH1、H2と、折り返し面12を折り返した状態でマスク面1aの右端近傍及び左端近傍において縦方向に縫われた一対の縦ステッチV1、V2と、を有する」というものが開示されている。
【0005】
上述のマスクは、横方向に縫われた一対の横ステッチH1、H2と、縦方向に縫われた一対の縦ステッチV1、V2と、で、上記の通り着用時にマスク面の上端縁と顔表面との間に隙間が生じることを適切に防止するというものである。
【0006】
このようなマスクを装着したときに、使用者のあご部分に接するマスクの部分が、弛み、隙間が生じる場合がある。しかしながら、上記マスクにおいては、量産を前提としているために、サイズあるいはその形状については画一的に製造することが要請されている。したがって、使用者のあご部分に接するマスクの部分が、弛み、隙間が生じないように、個々の使用者の顔の形状に合わせて作成することは現実的ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】実用新案登録第3227244号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明は前記の点に着目してなされたもので、その課題は、使用者のあご部分に接するマスクにおけるマスク本体の弛み部分を絞ることができるマスクを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記の課題を解決するために、第1観点のマスクは、使用者のあご部分を覆う不織布からなるマスク本体と、マスク本体の右端および左端に配置され、使用者の両耳にそれぞれ取り付けるためにループ状を呈する一対の耳取り付け部と、を有し、一対の耳取り付け部を前記使用者の両耳にそれぞれ取り付け、マスク本体を前記使用者のあご部分を覆うために装着したときに、当該使用者のあご部分に接したそのマスク本体の弛んだ弛み部分を絞るための調整部材と、を有し、調整部材は、マスク本体に取り外し可能に係合することで、マスク本体の弛み部分を絞ることができるというものである。
【0010】
また、第2観点のマスクは、使用者のあご部分を覆う不織布からなるマスク本体と、マスク本体の右端および左端に配置され、前記使用者の両耳にそれぞれ取り付けるためにループ状を呈する一対の耳取り付け部と、を有し、一対の耳取り付け部を前記使用者の両耳にそれぞれ取り付け、マスク本体を使用者のあご部分を覆うために装着したときに、当該使用者のあご部分に接したそのマスク本体の弛んだ弛み部分を絞るための調整部材と、を有し、調整部材は、マスク本体に固定するための固定部と、マスク本体に着脱可能に取り付けることができる係止部と、を有し、固定部と前記係止部は一体であり、当該固定部は、マスク本体の中央より右側または左側に配置し、係止部は、マスク本体に取り外し可能に係合することで、マスク本体の弛み部分を絞ることができるというものである。
【0011】
また、第3観点のマスクは、第1観点または第2観点において、調整部材は、オス型面ファスナーであるというものである。
【0012】
また、第4観点のマスクは、第1観点または第2観点において、調整部材は、帯状を呈するオス型面ファスナーであるというものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明は以上のように構成され、かつ、作用するものであるから、使用者のあご部分に接するマスクにおけるマスク本体の弛み部分を絞ることができるマスクを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】マスクの正面図である。
図2】使用者がマスクを着用した状態図である。
図3】使用者が、マスクの弛み部分を、指でつまんだ状態を示す図である。
図4】使用者が、指でつまんだマスクの弛み部分を、正面視左側へ倒した状態を示す図である。
図5】使用者が、正面視左側へ倒した指でつまんだマスクの弛み部分を、調整部材を用いて固定した状態を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図示の実施形態を参照して、本実施例のマスク10について説明する。マスク10は、使用者のあご部分あるいは口及び鼻部分を覆うためのものであり、少なくともあご部分を覆ったときにそのマスクの生地が弛んだ後述する弛み部分29を後述する調整部材50で絞ることができるというものである。
【0016】
また、マスク10は、マスク本体20と、使用者の両耳にそれぞれ取り付けるためのループ状を呈する一対の耳取り付け部30、30と、調整部材50とを有するものである。なお、図1は、本実施例のマスク10の表面を示すものであり、マスクを装着した場合において、その表面が外部に露出する面である。したがって、図1において右側Rというときは、そのマスク10を装着した使用者から見れば、左側に配置されるということである。
【0017】
マスク本体20は不織布で構成することが好ましく、通気性を有することが好ましい。また、上述の不織布は、1枚でもよいし、複数枚を積層して使用することもできる。また、図示しないフィルターを上述の複数枚積層した不織布の間に配置しても好ましい。
【0018】
また、マスク本体20は、上端に配置した上端部21と、下端に配置した下端部22と、上端部21の右端と下端部22の右端とを連結するように配置した右端部23と、上端部21の左端と下端部22の左端とを連結するように配置した左端部24とを有する。
【0019】
また、複数枚の不織布を後述するプリーツ部25構成するために折りたたんだ状態でその上端部21と、下端部22と、右端部23と、左端部24とを、熱溶着することで構成することも好ましい。
【0020】
また、マスク本体20は、左右方向に長い矩形状を呈するものであり、上述した通り複数枚の不織布を折りたたみ、襞状を呈するプリーツ部25を複数有している。その複数のプリーツ部25は、装着したしたときに使用者の口周りに空間を構成するように立体的に展開するというものである。
【0021】
また、上端部21付近に使用者の鼻の形状に倣うように、力を加えると変形して形状を保持する形状保持部26を、上端部21に沿うように配置することが好ましい。また、形状保持部26は、薄板状を呈する金属製が好ましくアルミニウムまたは鉄材を樹脂で覆ったものが好ましいが、合成樹脂でよい。
【0022】
一対の耳取り付け部30、30は、上述の通り、紐状を呈するとともにループ状を呈し、使用者の右耳あるいは左耳に、それぞれ掛けることができる。また、一対の耳取り付け部30、30は伸縮性を有するものが好ましく、例えば、合成ゴム製が好ましい。
【0023】
一対の耳取り付け部30、30のうち一方の耳取り付け部30は、右端部23と上端部21との交点23aおよび右端部23と下端部22の交点23b付近に取りつけられており、上述の通りループ状を呈している。
【0024】
また同様に一対の耳取り付け部30、30のうち他方の耳取り付け部30は、左端部24と上端部21との交点24aおよび左端部24と下端部22の交点24b付近に取りつけられており、上述の通りループ状を呈している。またこのような一対の耳取り付け部30、30は紐状を呈する場合や、帯状を呈する場合がある。
【0025】
調整部材50は、マスク本体を使用者に装着したときにその使用者のあご部分に接するすなわち対応するマスク本体20の、弛みを絞るためのものであり、また、帯状を呈するものが好ましい。
【0026】
調整部材50は、マスク本体20の下端部22に沿うように配置することが好ましく、また下端部22から上方に例えば20ミリメートルから70ミリメートルの間の領域に配置することが好ましい。
【0027】
また、調整部材50は、左右方向に対称に配置することが好ましく、その左右方向の長さは、40ミリメートルから60ミリメートルであることが好ましく、その縦方向の幅は、10ミリメートルから15ミリメートルが好ましい。
【0028】
また、調整部材50は、その一部である固定部51がマスク本体20に固定されており、他の一部である係止部52は、マスク本体20に着脱可能に取り付けることができる。なお、その固定は熱溶着することもできる。また、調整部材50は、マスク本体20に着脱可能に取り付けられるオス型面ファスナーが好ましい。オス型面ファスナーとは、フック状のものが配置されており例えば、その形状は釣り針状を呈するものや、マッシュルーム形状を呈するように頭部がその柱状の部分よりも大きな径を有しているものが好ましく、メス型とは、そのオス型面ファスナーである釣り針状を呈するものや、マッシュルーム形状の雄型面ファスナーが係合するループ状の部材が存在するものをいう。ここで、オス型面ファスナーとは、このような釣り針状を呈するものや、マッシュルーム形状の呈する部材と、ループ状の部材が混在するものを含む趣旨である。すなわちいうなれば、オス型面ファスナーとメス型面ファスナーを構成する部材が混在しているものもオス型面ファスナーに含まれるという趣旨である。また、固定部51は、正面視においてマスク本体20の中央部Cの右側Rに配置することができる。またその固定部51と一体の係止部52は、その固定部51から左右方向の中央Cを越えて、左側Lにかけて配置することができる。また、図示しないが、固定部51は、正面視においてマスク本体20の中央部Cの左側Lに配置することができる。またその固定部51と一体の係止部52は、その固定部51から左右方向の中央Cを越えて、右側Rにかけて配置することができる。
【0029】
なお、固定部51の左右方向の長さは、10ミリメートルから15ミリメートルが好ましく、係止部52左右方向の長さは、40ミリメートルから60ミリメートルが好ましく、さらに、40ミリメートルから50ミリメートルが好ましい。
【0030】
また、調整部材50は、粘着テープも好ましく、たとえば、テーピング用のテープやガムテープを使用することもできる。
【0031】
次に、上記構成のマスク10の使用方法について説明する。マスク10における一対の耳取り付け部30、30を使用者のそれぞれの耳に取り付けることでマスク10を使用者に装着する。このときマスク本体20は、使用者の鼻と口とあごを覆うように装着する。また、図1におけるマスク10の表面を露出するように装着する。
【0032】
このとき、使用者のあご部分に対応するマスク本体20の部位が密着せず弛んでしまう弛み部分29になる。この弛み部分29を、指でつまみ、その弛み部分29を図1において正面視左側Lに倒すように配置する(使用者にマスク10を装着したときにおいては、その弛み部分29をその使用者からみて見て右側に倒すように配置する)。
【0033】
弛み部分29を正面視左側Lに倒すように配置したときに、調整部材50における係止部52をつまみ、その係止部52をマスク本体20に係止する。このとき、図1において正面視マスク本体20の右側Rに固定部51を配置し、それと一体の係止部52をマスク本体20の左右の中心Cを越えてそのマスク本体20の正面視左側Lで係止しているので、使用者の左手のみで係止する操作を行うことができるので、極めて容易に動作することができる(図5参照)。もっとも使用者の利き腕が右手の場合に、固定部をマスク本体20の正面視右側Rに配置し、それと一体の係止部52を、マスク本体20の左右中央Cを越えて配置することを妨げるものではない(図示せず)。このように、使用者は、調整部材50について片手のみで係止する操作を極めて容易に行うことができる。
【0034】
このようにして、この弛み部分29をマスク本体20に折り込むようにして調整部材50で固定することができる。このようにすることで、マスク10におけるマスク本体20において、使用者のあご部分に対応する弛んだ部分である弛み部分29を絞ることでマスク10内の密閉性を高め、ウイルスの侵入を防止することができる。
【0035】
さらに、マスク10においてマスク本体20における右端部23および左端部24と、使用者との隙間を少なくすることでマスク本体20と使用者が密着することができる。
【0036】
また、調整部材50は、マスク10において使用者のあごに対応するマスク本体20の弛み部分29を絞ることで、そのマスク本体20が立体的形状を呈することにより、使用者の口元の空間が生じることで呼吸が楽になりさらには会話も容易となる。また、使用者の口元の空間が生じることにより、特に女性にとって、化粧崩れや肌荒れを防止することができる。
【0037】
また、マスク10を装着したときにその使用者のフェイスラインが締まり、いわゆる小顔効果が得られるというものである。
【0038】
10 マスク
20 マスク本体
21 上端部
22 下端部
23 右端部
24 左端部
30 耳取り付け部
50 調整部材
51 固定部
52 係止部
図1
図2
図3
図4
図5