(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024021936
(43)【公開日】2024-02-16
(54)【発明の名称】コミュニケーション支援装置、ユーザ端末装置、コミュニケーションシステム、コミュニケーション支援方法、プログラム、及び記録媒体
(51)【国際特許分類】
G09B 21/04 20060101AFI20240208BHJP
【FI】
G09B21/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022125152
(22)【出願日】2022-08-05
(71)【出願人】
【識別番号】000232092
【氏名又は名称】NECソリューションイノベータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115255
【弁理士】
【氏名又は名称】辻丸 光一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100201732
【弁理士】
【氏名又は名称】松縄 正登
(74)【代理人】
【識別番号】100154081
【弁理士】
【氏名又は名称】伊佐治 創
(74)【代理人】
【識別番号】100227019
【弁理士】
【氏名又は名称】安 修央
(72)【発明者】
【氏名】樋口 祐樹
(72)【発明者】
【氏名】金澤 浩平
(57)【要約】
【課題】 ろう者と聴者とが円滑にコミュニケーションを取るためのコミュニケーション支援装置を提供する。
【解決手段】画像取得部、変換部、及び情報送信部を含み、前記画像取得部は、ユーザ端末装置が取得した画像情報から識別コードを取得し、前記識別コードは、ネットワークを介してチャットを行うためのチャット開始情報を含み、前記変換部は、前記識別コードを前記チャット開始情報に変換し、前記情報送信部は、前記チャット開始情報を、前記識別コードを取得した前記ユーザ端末装置へ送信する、コミュニケーション支援装置。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像取得部、変換部、及び情報送信部を含み、
前記画像取得部は、ユーザ端末装置が取得した画像情報から識別コードを取得し、
前記識別コードは、ネットワークを介してチャットを行うためのチャット開始情報を含み、
前記変換部は、前記識別コードを前記チャット開始情報に変換し、
前記情報送信部は、前記チャット開始情報を、前記識別コードを取得した前記ユーザ端末装置へ送信する、
コミュニケーション支援装置。
【請求項2】
さらに、会話情報取得部、翻訳部、及び会話情報送信部を含み、
前記会話情報取得部は、手話情報を取得し、
前記翻訳部は、前記手話情報を、対応する口語会話の文字または音声に翻訳し、
前記会話情報送信部は、前記翻訳された文字または音声を他のユーザ端末装置へ送信する、
請求項1記載のコミュニケーション支援装置。
【請求項3】
前記会話情報取得部は、さらに、文字情報又は音声情報を取得し、
前記会話情報送信部は、さらに、前記文字情報又は音声情報を前記他のユーザ端末装置へ送信する、
請求項2記載のコミュニケーション支援装置。
【請求項4】
前記チャット開始情報が、前記チャットを行うためアプリケーションを表示するための情報である、請求項1から3のいずれか一項に記載のコミュニケーション支援装置。
【請求項5】
前記チャットが複数人で行われるチャットである請求項1から3のいずれか一項に記載のコミュニケーション支援装置。
【請求項6】
入力部、及び送信部を含み、
前記入力部は、手話情報を入力可能であり、
前記送信部は、前記入力された手話情報を請求項1から3のいずれか一項に記載のコミュニケーション支援装置に送信可能である、
ユーザ端末装置。
【請求項7】
コミュニケーション支援装置、及び複数のユーザ端末装置を含み、
前記コミュニケーション支援装置は、請求項1から3のいずれか一項に記載のコミュニケーション支援装置であり、
前記ユーザ端末装置は、請求項6記載のユーザ端末装置である、
コミュニケーションシステム。
【請求項8】
画像取得工程、変換工程、及び情報送信工程を含み、
前記画像取得工程は、ユーザ端末装置が取得した画像情報から識別コードを取得し、
前記識別コードは、ネットワークを介してチャットを行うためのチャット開始情報を含み、
前記変換工程は、前記識別コードを前記チャット開始情報に変換し、
前記情報送信工程は、前記チャット開始情報を、前記識別コードを取得した前記ユーザ端末装置へ送信する、
コミュニケーション支援方法。
【請求項9】
画像取得手順、変換手順、及び情報送信手順を含み、
前記画像取得手順は、ユーザ端末装置が取得した画像情報から識別コードを取得し、
前記識別コードは、ネットワークを介してチャットを行うためのチャット開始情報を含み、
前記変換手順は、前記識別コードを前記チャット開始情報に変換し、
前記情報送信手順は、前記チャット開始情報を、前記識別コードを取得した前記ユーザ端末装置へ送信する、
前記各手順をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項10】
画像取得手順、変換手順、及び情報送信手順を含み、
前記画像取得手順は、ユーザ端末装置が取得した画像情報から識別コードを取得し、
前記識別コードは、ネットワークを介してチャットを行うためのチャット開始情報を含み、
前記変換手順は、前記識別コードを前記チャット開始情報に変換し、
前記情報送信手順は、前記チャット開始情報を、前記識別コードを取得した前記ユーザ端末装置へ送信する、
前記各手順をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コミュニケーション支援装置、ユーザ端末装置、コミュニケーションシステム、コミュニケーション支援方法、プログラム、及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
ろう者が聴者とコミュニケーションを取る場合、例えば、特許文献1に記載のような要約筆記支援を受けることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、要約筆記支援を受ける場合、支援者及び支援団体の存在が必須であり、例えば、日常会話や、店舗等で気軽にコミュニケーションを取る手段としてはハードルが高い。
【0005】
そこで、本発明は、ろう者と聴者とが円滑にコミュニケーションを取るための、コミュニケーション支援装置、ユーザ端末装置、コミュニケーションシステム、コミュニケーション支援方法、プログラム、及び記録媒体の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明のコミュニケーション支援装置は、
画像取得部、変換部、及び情報送信部を含み、
前記画像取得部は、ユーザ端末装置が取得した画像情報から識別コードを取得し、
前記識別コードは、ネットワークを介してチャットを行うためのチャット開始情報を含み、
前記変換部は、前記識別コードを前記チャット開始情報に変換し、
前記情報送信部は、前記チャット開始情報を、前記識別コードを取得した前記ユーザ端末装置へ送信する。
【0007】
本発明のユーザ端末装置は、
入力部、及び送信部を含み、
前記入力部は、手話情報を入力可能であり、
前記送信部は、前記入力された手話情報を請求項1から5のいずれか一項に記載のコミュニケーション支援装置に送信可能である。
【0008】
本発明のコミュニケーションシステムは、
コミュニケーション支援装置、及び複数のユーザ端末装置を含み、
前記コミュニケーション支援装置は、本発明の前記コミュニケーション支援装置であり、
前記ユーザ端末装置は、本発明の前記ユーザ端末装置である。
【0009】
本発明のコミュニケーション支援方法は、
画像取得工程、変換工程、及び情報送信工程を含み、
前記画像取得工程は、ユーザ端末装置が取得した画像情報から識別コードを取得し、
前記識別コードは、ネットワークを介してチャットを行うためのチャット開始情報を含み、
前記変換工程は、前記識別コードを前記チャット開始情報に変換し、
前記情報送信工程は、前記チャット開始情報を、前記識別コードを取得した前記ユーザ端末装置へ送信する。
【0010】
本発明のプログラムは、
画像取得手順、変換手順、及び情報送信手順を含み、
前記画像取得手順は、ユーザ端末装置が取得した画像情報から識別コードを取得し、
前記識別コードは、ネットワークを介してチャットを行うためのチャット開始情報を含み、
前記変換手順は、前記識別コードを前記チャット開始情報に変換し、
前記情報送信手順は、前記チャット開始情報を、前記識別コードを取得した前記ユーザ端末装置へ送信する、
前記各手順をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0011】
本発明の記録媒体は、前記本発明のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ろう者と聴者とが円滑にコミュニケーションを取ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、実施形態1のコミュニケーション支援装置の一例の構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、実施形態1のコミュニケーション支援装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、実施形態1のコミュニケーション支援装置における処理の一例を示すフローチャートである。
【
図4】
図4は、実施形態3のコミュニケーションシステムの一例を示す説明図である。
【
図5】
図5は、実施形態4のコミュニケーションシステムの一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
つぎに、本発明の実施形態について図を用いて説明する。本発明は、以下の実施形態には限定されない。以下の各図において、同一部分には、同一符号を付している。また、各実施形態の説明は、特に言及がない限り、互いの説明を援用でき、各実施形態の構成は、特に言及がない限り、組合せ可能である。
【0015】
[実施形態1]
図1は、本実施形態のコミュニケーション支援装置10の一例の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、本装置10は、画像取得部11、変換部12、及び情報送信部13を含む。また、図示していないが、本装置10は、例えば、会話情報取得部、翻訳部、及び会話情報送信部を含んでもよい。
【0016】
本装置10は、例えば、前記各部を含む1つの装置でもよいし、前記各部が、通信回線網を介して接続可能な装置でもよい。また、本装置10は、前記通信回線網を介して、後述する外部装置と接続可能である。前記通信回線網は、特に制限されず、公知のネットワークを使用でき、例えば、有線でも無線でもよい。前記通信回線網は、例えば、インターネット回線、WWW(World Wide Web)、電話回線、LAN(Local Area Network)、SAN(Storage Area Network)、DTN(Delay Tolerant Networking)、LPWA(Low Power Wide Area)、L5G(ローカル5G)、等があげられる。無線通信としては、例えば、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、ローカル5G、LPWA等が挙げられる。前記無線通信としては、各装置が直接通信する形態(Ad Hoc通信)、インフラストラクチャ(infrastructure通信)、アクセスポイントを介した間接通信等であってもよい。本装置10は、例えば、システムとしてサーバに組み込まれていてもよい。また、本装置10は、例えば、本発明のプログラムがインストールされたパーソナルコンピュータ(PC、例えば、デスクトップ型、ノート型)、スマートフォン、タブレット端末等であってもよい。本装置10は、例えば、前記各部のうち少なくとも一つがサーバ上にあり、その他の前記各部が端末上にあるような、クラウドコンピューティングやエッジコンピューティング等の形態であってもよい。
【0017】
図2に、本装置10のハードウェア構成のブロック図を例示する。本装置10は、例えば、中央処理装置(CPU、GPU等)101、メモリ102、バス103、記憶装置104、入力装置105、出力装置106、通信デバイス107等を含む。本装置10の各部は、それぞれのインタフェース(I/F)により、バス103を介して相互に接続されている。
【0018】
中央処理装置101は、コントローラ(システムコントローラ、I/Oコントローラ等)等により、他の構成と連携動作し、本装置10の全体の制御を担う。本装置10において、中央処理装置101により、例えば、本発明のプログラムやその他のプログラムが実行され、また、各種情報の読み込みや書き込みが行われる。具体的には、例えば、中央処理装置101が、画像取得部11、変換部12、及び情報送信部13、として機能する。また、本装置10が例えば、前記会話情報取得部、前記翻訳部、及び前記会話情報送信部を含む場合、中央処理装置101は、前記会話情報取得部、前記翻訳部、及び前記会話情報送信部としても機能する。中央処理装置101は、演算装置として、CPU、GPU(Graphics Processing Unit)、APU(Accelerated Processing Unit)等の演算装置を備えてもよいし、これらの組合せを備えてもよい。
【0019】
バス103は、例えば、外部装置とも接続できる。前記外部装置は、例えば、外部記憶装置(外部データベース等)、プリンタ、外部入力装置、外部表示装置、外部撮像装置等があげられる。本装置10は、例えば、バス103に接続された通信デバイス107により、外部ネットワーク(前記通信回線網)に接続でき、外部ネットワークを介して、他の装置と接続することもできる。
【0020】
メモリ102は、例えば、メインメモリ(主記憶装置)が挙げられる。中央処理装置101が処理を行う際には、例えば、後述する記憶装置104に記憶されている本発明のプログラム等の種々の動作プログラムを、メモリ102が読み込み、中央処理装置101は、メモリ102からデータを受け取って、プログラムを実行する。前記メインメモリは、例えば、RAM(ランダムアクセスメモリ)である。また、メモリ102は、例えば、ROM(読み出し専用メモリ)であってもよい。
【0021】
記憶装置104は、例えば、前記メインメモリ(主記憶装置)に対して、いわゆる補助記憶装置ともいう。前述のように、記憶装置104には、本発明のプログラムを含む動作プログラムが格納されている。記憶装置104は、例えば、記録媒体と、記録媒体に読み書きするドライブとの組合せであってもよい。前記記録媒体は、特に制限されず、例えば、内蔵型でも外付け型でもよく、HD(ハードディスク)、CD-ROM、CD-R、CD-RW、MO、DVD、フラッシュメモリー、メモリーカード等が挙げられる。記憶装置104は、例えば、記録媒体とドライブとが一体化されたハードディスクドライブ(HDD)、及びソリッドステートドライブ(SSD)であってもよい。
【0022】
本装置10において、メモリ102及び記憶装置104は、ログ情報、外部データベース(図示せず)や外部の装置から取得した情報、本装置10によって生成した情報、本装置10が処理を実行する際に用いる情報等の種々の情報を記憶することも可能である。なお、少なくとも一部の情報は、例えば、メモリ102及び記憶装置104以外の外部サーバに記憶されていてもよいし、複数の端末にブロックチェーン技術等を用いて分散して記憶されていてもよい。
【0023】
本装置10は、例えば、さらに、入力装置105、出力装置106を備える。入力装置105は、例えば、タッチパネル、トラックパッド、マウス等のポインティングデバイス;キーボード;カメラ、スキャナ等の撮像手段;ICカードリーダ、磁気カードリーダ等のカードリーダ;マイク等の音声入力手段;等があげられる。出力装置106は、例えば、LED(light-emitting diode)ディスプレイ、液晶ディスプレイ等の表示装置;スピーカ等の音声出力装置;プリンタ;等があげられる。本実施形態1において、入力装置105と出力装置106とは、別個に構成されているが、入力装置105と出力装置106とは、タッチパネルディスプレイのように、一体として構成されてもよい。
【0024】
つぎに、本実施形態のコミュニケーション支援方法の一例を、
図3のフローチャートS10に基づき説明する。本実施形態のコミュニケーション支援方法は、例えば、
図1又は
図2の装置10を用いて、次のように実施する。なお、本実施形態のコミュニケーション支援方法は、
図1又は
図2の装置10の使用には限定されない。
【0025】
まず、画像取得部11により、ユーザ端末装置が取得した画像情報から、識別コードを取得する(S11)。なお、前記ユーザとは、端末装置を介して本支援装置を利用するヒトをいう。また、後述する「他のユーザ端末装置」も、前記ユーザ端末装置と同様の端末装置である。前記識別コードは、例えば、バーコード等の一次元コードでもよいし、QRコード(登録商標)等の二次元コードであってもよい。
【0026】
前記識別コードは、ネットワークを介してチャットを行うためのチャット開始情報を含む。前記チャットは、例えば、手話入力、文字入力、及び音声入力等によるものであってもよい。また、前記チャットは、複数人で行われるチャットであってもよい。前記チャット開始情報は、例えば、前記チャットを行うためのアプリケーションを表示するための情報であってもよい。前記アプリケーションは、例えば、前記チャットを行うための手話翻訳用のアプリケーションであってもよいし、ネットワーク上のチャット画面を表示可能なブラウザ等であってもよい。前記アプリケーションを表示するための情報は、例えば、前記手話翻訳用のアプリケーションを起動するための情報であってもよいし、前記チャット画面を表示するためのURL(Uniform Resource Locator)等であってよい。
【0027】
つぎに、変換部12により、前記識別コードを前記チャット開始情報に変換する(S12)。
【0028】
つぎに、情報送信部13により、前記チャット開始情報を、前記識別コードを取得した前記ユーザ端末装置へ送信する(S13)。
【0029】
このように、本実施形態によれば、識別コードの取得をトリガーとしてコミュニケーションを開始することができる。したがって、例えば、要約筆記支援のような従来のコミュニケーション手段と比べて、コミュニケーション開始のためのハードルが下がる点にメリットがある。
【0030】
本装置10は、さらに、会話情報取得部、翻訳部、及び会話情報送信部を含んでもよい。
【0031】
前記会話情報取得部は、手話情報を取得する。前記手話情報は、例えば、手話の動作情報等を含む。前記手話は、特に限定されないが、例えば、日本手話、日本語対応手話、及び中間型手話等があげられる。世界各国で使用されている手話であってもよい。
【0032】
手話会話に基づく前記手話情報は、口語会話と文法が一致していない場合がある。したがって、前記翻訳部は、前記手話情報を、対応する口語会話の文字または音声に翻訳する。前記翻訳は、特に限定されないが、例えば、骨格モデルを用いた手話翻訳であってもよく、従来公知の方法による手話翻訳であってもよい。
【0033】
前記会話情報送信部は、前記翻訳された文字または音声を他のユーザ端末装置へ送信する。前記他のユーザ端末装置は、例えば、前述のユーザ端末装置と同様の端末装置である。なお、ここでいう「他のユーザ端末装置」は、例えば、本装置10に前記手話情報を送信したユーザ端末装置以外のユーザ端末装置をいう。
【0034】
前記会話情報取得部は、さらに、文字情報又は音声情報を取得してもよい。前記文字情報又は音声情報を取得する場合、前記会話情報送信部は、さらに、前記文字情報又は音声情報を、前記他のユーザ端末装置へ送信してもよい。なお、ここでいう「他のユーザ端末装置」は、例えば、本装置10に前記文字情報又は音声情報を送信したユーザ端末装置以外のユーザ端末装置をいう。
【0035】
本装置10が前記会話情報取得部、前記翻訳部、及び前記会話情報送信部を含むことで、例えば、従来の筆談によるコミュニケーションと比べて、コミュニケーションを円滑に進めることができる。また、双方が筆談やテキストチャットを行う従来のコミュニケーション方法では、お互いの顔や表情を見ながらコミュニケーションを取ることは難しい。一方で、本態様によれば、お互いの顔や表情を見ながらコミュニケーションを取ることができる。
【0036】
[実施形態2]
本実施形態では、本発明のユーザ端末装置の一例について説明する。本実施形態のユーザ端末装置は、入力部、及び送信部を含む。前記入力部は、手話情報を入力可能である。また、前記送信部は、前記入力された手話情報を、例えば、前述した実施形態1の装置10に送信可能である。
【0037】
また、前記入力部は、さらに、文字情報、及び音声情報を入力可能であってもよい。前記送信部は、前記入力された文字情報、及び音声情報を、例えば、前述した実施形態1の装置10に送信可能である。
【0038】
前記ユーザ端末装置は、例えば、パーソナルコンピュータ(PC、例えば、デスクトップ型、ノート型)、スマートフォン、タブレット端末等があげられる。また、実施形態1のとおり、前記ユーザ端末装置が画像情報(識別コード)を取得する場合、例えば、カメラ等により画像情報を取得してもよい。前記画像情報の取得は、例えば、前記入力部が行ってもよい。なお、前記カメラ等を前記ユーザ端末装置自体が必ずしも備える必要はなく、例えば、前記カメラ等を前記ユーザ端末装置に外付けする態様であってもよい。
【0039】
[実施形態3]
図4は、本発明のコミュニケーションシステムの一例を示す概略図である。本実施形態のコミュニケーションシステムは、例えば、実施形態1の装置10、及び実施形態2のユーザ端末装置を含み、次のように実施する。
【0040】
まず、ろう者(手話話者)のユーザ端末装置の表示画面に、前記識別コードを表示させる。聴者(非手話話者)のユーザ端末装置によって、前記識別コード(画像情報)が取得される。なお、聴者のユーザ端末装置の数は特に限定されず、例えば、複数であってもよい。取得された識別コードは、本装置10によって前記チャット開始情報に変換される。本装置10は、前記チャット開始情報を、聴者のユーザ端末装置に送信する。前記チャット開始情報を受信した聴者のユーザ端末装置は、前記チャット開始情報をもとに、例えば、チャット画面を表示するためのWebブラウザ等を起動する。前記チャット開始情報が、前記チャット画面を表示するためのWebブラウザを起動するものであれば、聴者はろう者とコミュニケーションを取るための専用のアプリケーションを準備しておく必要がないため好ましい。また、そのような準備が不要であるため、ろう者と聴者とのコミュニケーションを円滑に行う上でも効果的である。
【0041】
チャットを行う際は、ろう者のユーザ端末装置に対して、手話情報を入力することができる。入力された前記手話情報は、本装置10に送信される。本装置10は、前記手話情報を、対応する口語会話の文字または音声に翻訳する。本装置10は、前記翻訳された文字または音声を、聴者のユーザ端末装置に送信する。送信された翻訳結果は、例えば、聴者のユーザ端末装置の表示画面(チャット画面)に文字として表示されてもよいし、スピーカによって音声出力されてもよい。なお、前記翻訳は、例えば、本装置10を備える前記ユーザ端末装置が行ってもよいし、本装置10を備える前記ユーザ端末装置以外のサーバ装置等が行ってもよい。
【0042】
また、聴者のユーザ端末装置からは、例えば、文字情報、及び音声情報を入力可能である。入力された文字情報又は音声情報は、本装置10に送信される。本装置10は、前記文字情報又は音声情報を、ろう者のユーザ端末装置に送信する。送信された前記文字情報又は音声情報は、例えば、ろう者のユーザ端末装置の表示画面(チャット画面)に文字として表示されてもよい。なお、前記送信は、例えば、本装置10を備える前記ユーザ端末装置が行ってもよいし、本装置10を備える前記ユーザ端末装置以外のサーバ装置等が行ってもよい。
【0043】
ここで、ろう者が複数名いる場合は、例えば、ろう者のユーザ端末装置の表示画面に表示される識別コードを、他のろう者のユーザ端末装置が取得してもよい。このようにすれば、他のろう者のユーザ端末装置は、例えば、手話翻訳用のアプリケーション、又はチャット画面を表示するためのWebブラウザ等を起動することができる。これにより、複数名でのチャットが可能となる。
【0044】
[実施形態4]
図5は、本発明のコミュニケーションシステムの他の一例を示す概略図である。
【0045】
まず、手話話者(ろう者)のユーザ端末装置は、あらかじめ設置又は表示された前記識別コードを取得する。前記識別コードが設置又は表示される場所は、特に限定されないが、例えば、店舗(例えば、日用品店、書店、コンビニエンスストア、スーパーマーケット、デパート、ショッピングセンター、家電量販店、複合施設等)、施設(例えば、美術館、水族館、動物園、博物館、テーマパーク、イベント会場等)、病院、公共施設(例えば、公民館、役所、体育館等)、家(例えば、自宅等)、交通機関(例えば、鉄道駅、バス停、道の駅、サービスエリア等)、行政(例えば、警察等)、路上(例えば、商店街、マラソン大会会場等)、避難所等があげられる。取得された識別コードは、本装置10によって前記チャット開始情報に変換される。本装置10は、前記チャット開始情報を、ろう者のユーザ端末装置に送信する。前記チャット開始情報を受信したろう者のユーザ端末装置は、前記チャット開始情報をもとに、例えば、手話翻訳用のアプリケーション、又はチャット画面を表示するためのWebブラウザ等を起動する。
【0046】
その後の操作は、実施形態3と同様であり、ろう者のユーザ端末装置に対して、手話情報を入力可能である。また、聴者のユーザ端末装置からは、例えば、文字情報、及び音声情報を入力可能である。
【0047】
[実施形態5]
本実施形態のプログラムは、前述の各工程を、コンピュータに実行させるためのプログラムである。具体的に、本実施形態のプログラムは、コンピュータに、画像取得手順、変換手順、及び情報送信手順を実行させるためのプログラムである。
【0048】
前記画像取得手順は、ユーザ端末装置が取得した画像情報から識別コードを取得し、
前記識別コードは、ネットワークを介してチャットを行うためのチャット開始情報を含み、
前記変換手順は、前記識別コードを前記チャット開始情報に変換し、
前記情報送信手順は、前記チャット開始情報を、前記識別コードを取得した前記ユーザ端末装置へ送信する。
【0049】
また、本実施形態のプログラムは、コンピュータを、画像取得手順、変換手順、及び情報送信手順として機能させるプログラムということもできる。
【0050】
本実施形態のプログラムは、前記本発明のコミュニケーション支援装置およびコミュニケーション支援方法における記載を援用できる。前記各手順は、例えば、「手順」を「処理」と読み替え可能である。また、本実施形態のプログラムは、例えば、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。前記記録媒体は、例えば、非一時的なコンピュータ可読記録媒体(non-transitory computer-readable storage medium)である。前記記録媒体は、特に制限されず、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、ハードディスク(HD)、光ディスク、フロッピー(登録商標)ディスク(FD)等があげられる。
【0051】
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をできる。
【0052】
<付記>
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のように記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
画像取得部、変換部、及び情報送信部を含み、
前記画像取得部は、ユーザ端末装置が取得した画像情報から識別コードを取得し、
前記識別コードは、ネットワークを介してチャットを行うためのチャット開始情報を含み、
前記変換部は、前記識別コードを前記チャット開始情報に変換し、
前記情報送信部は、前記チャット開始情報を、前記識別コードを取得した前記ユーザ端末装置へ送信する、
コミュニケーション支援装置。
(付記2)
さらに、会話情報取得部、翻訳部、及び会話情報送信部を含み、
前記会話情報取得部は、手話情報を取得し、
前記翻訳部は、前記手話情報を、対応する口語会話の文字または音声に翻訳し、
前記会話情報送信部は、前記翻訳された文字または音声を他のユーザ端末装置へ送信する、
付記1記載のコミュニケーション支援装置。
(付記3)
前記会話情報取得部は、さらに、文字情報又は音声情報を取得し、
前記会話情報送信部は、さらに、前記文字情報又は音声情報を前記他のユーザ端末装置へ送信する、
付記2記載のコミュニケーション支援装置。
(付記4)
前記チャット開始情報が、前記チャットを行うためアプリケーションを表示するための情報である、付記1から3のいずれかに記載のコミュニケーション支援装置。
(付記5)
前記チャットが複数人で行われるチャットである付記1から4のいずれかに記載のコミュニケーション支援装置。
(付記6)
入力部、及び送信部を含み、
前記入力部は、手話情報を入力可能であり、
前記送信部は、前記入力された手話情報を付記1から5のいずれかに記載のコミュニケーション支援装置に送信可能である、
ユーザ端末装置。
(付記7)
前記入力部は、さらに、文字情報、及び音声情報を入力可能であり、
前記送信部は、前記入力された文字情報、及び音声情報を前記コミュニケーション支援装置に送信可能である、
付記6記載のユーザ端末装置。
(付記8)
コミュニケーション支援装置、及び複数のユーザ端末装置を含み、
前記コミュニケーション支援装置は、付記1から5のいずれかに記載のコミュニケーション支援装置であり、
前記ユーザ端末装置は、付記6又は7記載のユーザ端末装置である、
コミュニケーションシステム。
(付記9)
画像取得工程、変換工程、及び情報送信工程を含み、
前記画像取得工程は、ユーザ端末装置が取得した画像情報から識別コードを取得し、
前記識別コードは、ネットワークを介してチャットを行うためのチャット開始情報を含み、
前記変換工程は、前記識別コードを前記チャット開始情報に変換し、
前記情報送信工程は、前記チャット開始情報を、前記識別コードを取得した前記ユーザ端末装置へ送信する、
コミュニケーション支援方法。
(付記10)
さらに、会話情報取得工程、翻訳工程、及び会話情報送信工程を含み、
前記会話情報取得工程は、手話情報を取得し、
前記翻訳工程は、前記手話情報を、対応する口語会話の文字または音声に翻訳し、
前記会話情報送信工程は、前記翻訳された文字または音声を他のユーザ端末装置へ送信する、
付記9記載のコミュニケーション支援方法。
(付記11)
前記会話情報取得工程は、さらに、文字情報又は音声情報を取得し、
前記会話情報送信工程は、さらに、前記文字情報又は音声情報を前記他のユーザ端末装置へ送信する、
付記10記載のコミュニケーション支援方法。
(付記12)
前記チャット開始情報が、前記チャットを行うためアプリケーションを表示するための情報である、付記9から11のいずれかに記載のコミュニケーション支援方法。
(付記13)
前記チャットが複数人で行われるチャットである付記9から12のいずれかに記載のコミュニケーション支援方法。
(付記14)
画像取得手順、変換手順、及び情報送信手順を含み、
前記画像取得手順は、ユーザ端末装置が取得した画像情報から識別コードを取得し、
前記識別コードは、ネットワークを介してチャットを行うためのチャット開始情報を含み、
前記変換手順は、前記識別コードを前記チャット開始情報に変換し、
前記情報送信手順は、前記チャット開始情報を、前記識別コードを取得した前記ユーザ端末装置へ送信する、
前記各手順をコンピュータに実行させるためのプログラム。
(付記15)
さらに、会話情報取得手順、翻訳手順、及び会話情報送信手順を含み、
前記会話情報取得手順は、手話情報を取得し、
前記翻訳手順は、前記手話情報を、対応する口語会話の文字または音声に翻訳し、
前記会話情報送信手順は、前記翻訳された文字または音声を他のユーザ端末装置へ送信する、
付記14記載のプログラム。
(付記16)
前記会話情報取得手順は、さらに、文字情報又は音声情報を取得し、
前記会話情報送信手順は、さらに、前記文字情報又は音声情報を前記他のユーザ端末装置へ送信する、
付記15記載のプログラム。
(付記17)
前記チャット開始情報が、前記チャットを行うためアプリケーションを表示するための情報である、付記14から16のいずれかに記載のプログラム。
(付記18)
前記チャットが複数人で行われるチャットである付記14から17のいずれかに記載のプログラム。
(付記19)
画像取得手順、変換手順、及び情報送信手順を含み、
前記画像取得手順は、ユーザ端末装置が取得した画像情報から識別コードを取得し、
前記識別コードは、ネットワークを介してチャットを行うためのチャット開始情報を含み、
前記変換手順は、前記識別コードを前記チャット開始情報に変換し、
前記情報送信手順は、前記チャット開始情報を、前記識別コードを取得した前記ユーザ端末装置へ送信する、
前記各手順をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
(付記20)
さらに、会話情報取得手順、翻訳手順、及び会話情報送信手順を含み、
前記会話情報取得手順は、手話情報を取得し、
前記翻訳手順は、前記手話情報を、対応する口語会話の文字または音声に翻訳し、
前記会話情報送信手順は、前記翻訳された文字または音声を他のユーザ端末装置へ送信する、
付記19記載の記録媒体。
(付記21)
前記会話情報取得手順は、さらに、文字情報又は音声情報を取得し、
前記会話情報送信手順は、さらに、前記文字情報又は音声情報を前記他のユーザ端末装置へ送信する、
付記20記載の記録媒体。
(付記22)
前記チャット開始情報が、前記チャットを行うためアプリケーションを表示するための情報である、付記19から21のいずれかに記載の記録媒体。
(付記23)
前記チャットが複数人で行われるチャットである付記19から22のいずれかに記載の記録媒体。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明によれば、ろう者と聴者とが円滑にコミュニケーションを取ることができる。本発明は、例えば、ろう者と聴者との円滑なコミュニケーションを目的としたコミュニケーション支援装置に適用できるが、適用できる分野は制限されず、コミュニケーション支援装置を用いた幅広い分野に適用可能である。
【符号の説明】
【0054】
10 コミュニケーション支援装置
11 画像取得部
12 変換部
13 情報送信部
101 CPU
102 メモリ
103 バス
104 記憶装置
105 入力装置
106 出力装置
107 通信デバイス