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特開2024-21959プライオリティジャッジング用装置及びプライオリティ表示システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024021959
(43)【公開日】2024-02-16
(54)【発明の名称】プライオリティジャッジング用装置及びプライオリティ表示システム
(51)【国際特許分類】
   A63B 71/06 20060101AFI20240208BHJP
【FI】
A63B71/06 Z
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022125189
(22)【出願日】2022-08-05
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-05-22
(71)【出願人】
【識別番号】507254115
【氏名又は名称】株式会社治郎吉商店
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 良男
(72)【発明者】
【氏名】白石 亘
(72)【発明者】
【氏名】池田 匡邦
(57)【要約】
【課題】プライオリティジャッジによるプライオリティの判定結果を、プライオリティパネルに簡易に反映させ得るようにし、プライオリティジャッジの負担を軽減する。
【解決手段】プライオリティジャッジング用装置が、複数のオブジェクト41~44を、複数のオブジェクト表示欄31~33間で移動させる操作を行うための移動操作手段と、複数のオブジェクト41~44のうちの一つのオブジェクトを、移動操作手段によって、複数のオブジェクト表示欄31~33のうちの一のオブジェクト表示欄から他のオブジェクト表示欄に移動させたことに伴って、複数のオブジェクト41~44のうちの他のオブジェクトを、当該他のオブジェクトが配置されているオブジェクト表示欄内で、優先順位に従って自動的に移動させるための自動移動手段と、を備えることを課題の解決手段とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーフィン競技におけるプライオリティルールに基づいて、複数の選手に対する優先順位付けの判定が行われた際に、その判定結果を反映した表示画面が表示部に表示可能とされており、
前記表示画面には、
前記複数の選手の各々に対応し、これら複数の選手を識別するための複数のオブジェクトと、
前記複数の選手に対応する各前記オブジェクトを、前記優先順位に従って順に並べて配置するための複数のオブジェクト表示欄と、
が表示されており、
前記複数のオブジェクトを、前記複数のオブジェクト表示欄間で移動させる操作を行うための移動操作手段と、
前記複数のオブジェクトのうちの一つの前記オブジェクトを、前記移動操作手段によって、前記複数のオブジェクト表示欄のうちの一の前記オブジェクト表示欄から他の前記オブジェクト表示欄に移動させたことに伴って、前記複数のオブジェクトのうちの他の前記オブジェクトを、当該他のオブジェクトが配置されている前記オブジェクト表示欄内で、前記優先順位に従って自動的に移動させるための自動移動手段と、
を備えることを特徴とするプライオリティジャッジング用装置。
【請求項2】
前記複数のオブジェクト表示欄には、
前記複数の選手のうち、ライディングを開始できる権利を有する選手の前記オブジェクトを前記優先順位に従って順に並べて配置するための第一オブジェクト表示欄と、
前記複数の選手のうち、ライディングを開始できる権利を有しない選手の前記オブジェクトを並べて配置するための第二オブジェクト表示欄と、
が含まれており、
前記第二オブジェクト表示欄からの前記オブジェクトの移動先は、前記第一オブジェクト表示欄であり、
前記第一オブジェクト表示欄からの前記オブジェクトの移動先は、前記第二オブジェクト表示欄であり、
前記第一オブジェクト表示欄に配置された前記複数のオブジェクトのうち、最も優先順位の低い前記オブジェクトを除く他の一つの前記オブジェクトを、前記移動操作手段によって、前記第一オブジェクト表示欄から前記第二オブジェクト表示欄に移動させる操作が行われた場合に、
前記第一オブジェクト表示欄に残った前記オブジェクトのうち、前記第二オブジェクト表示欄に移動した前記他の一つのオブジェクトよりも下位にあった前記オブジェクトは、前記自動移動手段によって、優先順位が自動的に一つ繰り上げられることを特徴とする請求項1に記載のプライオリティジャッジング用装置。
【請求項3】
前記複数のオブジェクト表示欄には、
前記複数の選手における前記オブジェクトの初期位置であって、かつ、前記選手がノンプライオリティシチュエーションの状態である場合の前記オブジェクトを配置するための第三オブジェクト表示欄が含まれており、
前記第三オブジェクト表示欄に配置されている前記オブジェクトは、前記第一オブジェクト表示欄に配置されている前記オブジェクトよりも優先順位が高く設定されており、
前記第三オブジェクト表示欄からの前記オブジェクトの移動先は、前記第三オブジェクト表示欄に配置された前記オブジェクトが残り一つになるまでは前記第二オブジェクト表示欄であり、
前記第三オブジェクト表示欄に配置された前記オブジェクトが残り一つになった場合には、当該残り一つのオブジェクトは、前記自動移動手段によって、前記第一オブジェクト表示欄のうち最も優先順位の高い位置に自動的に移動させられて配置されることを特徴とする請求項2に記載のプライオリティジャッジング用装置。
【請求項4】
前記複数のオブジェクトの最大数は、前記優先順位の数と同一であり、
前記複数のオブジェクト表示欄は、前記優先順位ごとに領域分けされて、その領域に前記オブジェクトが配置可能とされ、
前記複数のオブジェクトが前記複数のオブジェクト表示欄におけるいずれかの前記領域に配置される場合に、同一の前記優先順位で重複しないように設定されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のプライオリティジャッジング用装置。
【請求項5】
請求項1に記載のプライオリティジャッジング用装置と、
前記プライオリティジャッジング用装置と通信可能に接続されたプライオリティパネルと、を備えており、
前記プライオリティパネルは、プライオリティ掲示部を有し、
前記プライオリティ掲示部には、前記プライオリティジャッジング用装置の前記表示画面に表示されている前記複数の選手の前記優先順位の判定結果が反映されることを特徴とするプライオリティ表示システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーフィン競技の試合で使用されるプライオリティジャッジング用装置及びプライオリティ表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
サーフィン競技の試合においては、プライオリティルールと呼ばれる、選手たちが波に乗る際の優先権に係るルールがある。当該ルールでは、規定された条件に基づいて選手たちに優先順位付けがなされ、最も高い優先順位(単にプライオリティとも言う)を持つ選手が優先的に波に乗ることができる。そして、1人の選手が波に乗ろうとするアクションを起こすと、プライオリティは次の優先順位の選手に移る。たとえ波に乗らなくても、波に乗るようにパドルをしたり、波を逃したりした場合でもプライオリティは次の優先順位の選手に移り、自分のプライオリティは一番低くなる。
ヒート(試合の組み合わせ)の開始時(ノンプライオリティシチュエーション)は各選手ともプライオリティは持っておらず、サーフィン競技の通常ルール(ピーク優先:波の盛り上がりが崩れ始める頂点に最も近い選手がプライオリティを持つルール)が適用される。そして、最初にライディングを開始してプライマリーテイクオフゾーン(PTZ)に戻った選手から現状空いているうちで最も高いプライオリティ(例えば4人ヒートの場合は4番)を得ることになり、その他の選手がライディングすることにより、プライオリティが繰り上げられていくようになっている。ただし、他の選手がより高いプライオリティを持っていても、邪魔にならない限りは波に乗ることができる。
一方、自分より高いプライオリティの選手を妨害すると「インターフェアレンス」として減点や退場などの厳しいペナルティが課せられる場合がある。
【0003】
サーフィン競技は、このようなプライオリティルールに基づいて行われるため、会場には優先順位が表示されるプライオリティパネル(掲示板)が設置され、選手たちは、海面からでも優先順位が確認できるようになっている。プライオリティパネルは、選手が着用しているゼッケンカラーに対応した色を優先順位に準じて並べて表示することで選手たちに優先順位を伝達しており、視認しやすいLED表示のタイプのものや、色を塗った板を人の手によって入れ替えるタイプのものが知られている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】一般社団法人日本プロサーフィン連盟(JPSA)ホームページ,競技ルール,https://www.jpsa.com/wp-content/uploads/2021/01/JPSArule.pdf
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、選手たちの優先順位付けの判定は、プライオリティジャッジと呼ばれる審判員が選手の動きを目で見て確認することで行われている。その際、プライオリティジャッジは、自身が判定した優先順位に基づいて、選手のゼッケンカラーに対応した駒を、優先順位の数字が記載されたプライオリティジャッジング用紙の上で逐次移動させる作業を行う。つまり、目で選手たちの動きを追いながら、手元では、選手のゼッケンカラーに対応した駒を間違いのないように動かさなければならない。しかも、このような作業は、ヒートの開始から終了まで休むことなく行われ、一つの大会でいくつものヒートが組まれているため、大会中のプライオリティジャッジの負担が大きい。
さらに、プライオリティジャッジによる判定結果はプライオリティパネルに反映させる必要があるが、その作業は、プライオリティジャッジ自身が行う場合もあれば、他の係員がプライオリティジャッジングシート上の駒を確認して行う場合もある。そのため、プライオリティジャッジが優先順位の判定を開始してから、判定結果をプライオリティパネルに反映するまでの作業には、手間もかかるし、人員の確保が必要となる場合もある。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その課題は、プライオリティジャッジによるプライオリティの判定に係る作業を簡易かつ正確に行えるようにし、プライオリティジャッジの負担を軽減することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、プライオリティジャッジング用装置であって、
サーフィン競技におけるプライオリティルールに基づいて、複数の選手に対する優先順位付けの判定が行われた際に、その判定結果を反映した表示画面が表示部に表示可能とされており、
前記表示画面には、
前記複数の選手の各々に対応し、これら複数の選手を識別するための複数のオブジェクトと、
前記複数の選手に対応する各前記オブジェクトを、前記優先順位に従って順に並べて配置するための複数のオブジェクト表示欄と、
が表示されており、
前記複数のオブジェクトを、前記複数のオブジェクト表示欄間で移動させる操作を行うための移動操作手段と、
前記複数のオブジェクトのうちの一つの前記オブジェクトを、前記移動操作手段によって、前記複数のオブジェクト表示欄のうちの一の前記オブジェクト表示欄から他の前記オブジェクト表示欄に移動させたことに伴って、前記複数のオブジェクトのうちの他の前記オブジェクトを、当該他のオブジェクトが配置されている前記オブジェクト表示欄内で、前記優先順位に従って自動的に移動させるための自動移動手段と、
を備えることを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のプライオリティジャッジング用装置において、
前記複数のオブジェクト表示欄には、
前記複数の選手のうち、ライディングを開始できる権利を有する選手の前記オブジェクトを前記優先順位に従って順に並べて配置するための第一オブジェクト表示欄と、
前記複数の選手のうち、ライディングを開始できる権利を有しない選手の前記オブジェクトを並べて配置するための第二オブジェクト表示欄と、
が含まれており、
前記第二オブジェクト表示欄からの前記オブジェクトの移動先は、前記第一オブジェクト表示欄であり、
前記第一オブジェクト表示欄からの前記オブジェクトの移動先は、前記第二オブジェクト表示欄であり、
前記第一オブジェクト表示欄に配置された前記複数のオブジェクトのうち、最も優先順位の低い前記オブジェクトを除く他の一つの前記オブジェクトを、前記移動操作手段によって、前記第一オブジェクト表示欄から前記第二オブジェクト表示欄に移動させる操作が行われた場合に、
前記第一オブジェクト表示欄に残った前記オブジェクトのうち、前記第二オブジェクト表示欄に移動した前記他の一つのオブジェクトよりも下位にあった前記オブジェクトは、前記自動移動手段によって、優先順位が自動的に一つ繰り上げられることを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のプライオリティジャッジング用装置において、
前記複数のオブジェクト表示欄には、
前記複数の選手における前記オブジェクトの初期位置であって、かつ、前記選手がノンプライオリティシチュエーションの状態である場合の前記オブジェクトを配置するための第三オブジェクト表示欄が含まれており、
前記第三オブジェクト表示欄に配置されている前記オブジェクトは、前記第一オブジェクト表示欄に配置されている前記オブジェクトよりも優先順位が高く設定されており、
前記第三オブジェクト表示欄からの前記オブジェクトの移動先は、前記第三オブジェクト表示欄に配置された前記オブジェクトが残り一つになるまでは前記第二オブジェクト表示欄であり、
前記第三オブジェクト表示欄に配置された前記オブジェクトが残り一つになった場合には、当該残り一つのオブジェクトは、前記自動移動手段によって、前記第一オブジェクト表示欄のうち最も優先順位の高い位置に自動的に移動させられて配置されることを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載のプライオリティジャッジング用装置において、
前記複数のオブジェクトの最大数は、前記優先順位の数と同一であり、
前記複数のオブジェクト表示欄は、前記優先順位ごとに領域分けされて、その領域に前記オブジェクトが配置可能とされ、
前記複数のオブジェクトが前記複数のオブジェクト表示欄におけるいずれかの前記領域に配置される場合に、同一の前記優先順位で重複しないように設定されていることを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の発明は、プライオリティ表示システムであって、
請求項1に記載のプライオリティジャッジング用装置と、
前記プライオリティジャッジング用装置と通信可能に接続されたプライオリティパネルと、を備えており、
前記プライオリティパネルは、プライオリティ掲示部を有し、
前記プライオリティ掲示部には、前記プライオリティジャッジング用装置の前記表示画面に表示されている前記複数の選手の前記優先順位の判定結果が反映されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、プライオリティジャッジによるプライオリティの判定に係る作業を簡易かつ正確に行えるようにし、プライオリティジャッジの負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】サーフィン競技の大会の様子及びサーフィン競技におけるジャッジングシステムの概要を示す図である。
図2】プライオリティジャッジング用端末の構成を示すブロック図である。
図3】プライオリティジャッジング用端末の表示部に表示されるプライオリティ表示画面の構成を示す図である。
図4】ヒートの流れに伴って変化するプライオリティ表示画面の態様について説明する図である。
図5】ヒートの流れに伴って変化するプライオリティ表示画面の態様について説明する図である。
図6】ヒートの流れに伴って変化するプライオリティ表示画面の態様について説明する図である。
図7】ヒートの流れに伴って変化するプライオリティ表示画面の態様について説明する図である。
図8】ヒートの流れに伴って変化するプライオリティ表示画面の態様について説明する図である。
図9】ヒートの流れに伴って変化するプライオリティ表示画面の態様について説明する図である。
図10】ヒートの流れに伴って変化するプライオリティ表示画面の態様について説明する図である。
図11】ヒートの流れに伴って変化するプライオリティ表示画面の態様について説明する図である。
図12】ヒートの流れに伴って変化するプライオリティ表示画面の態様について説明する図である。
図13】ヒートの流れに伴って変化するプライオリティ表示画面の態様について説明する図である。
図14】サスペンデッドボタンが操作された場合のプライオリティ表示画面の態様について説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。ただし、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の技術的範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
【0015】
図1は、サーフィン競技におけるジャッジングシステムが採用されたサーフィン競技の大会の様子を示している。大会が行われる会場は、競技が行われる海を臨む陸地側に、大会本部や各ジャッジ用のテント等が設置された状態となっている。
本実施形態のジャッジングシステムは、サーフィン競技の大会を運営するのに必要な機器等を含んで構成されている。また、このようなジャッジングシステムには、少なくともサーフィン競技を行う選手が、自身のプライオリティ(ライディングを開始できる権利)を確認するためのプライオリティ表示システムSが組み込まれている。
【0016】
本実施形態において説明する大会は、例えば一般社団法人日本プロサーフィン連盟のルールに則って競技が行われるものとし、2~4人の選手でヒートが行われる。図1においては4人ヒートの大会の様子が示されている。ゼッケンカラーが、例えば、赤・白・緑・青・黄などに色分けされ、最大4人の選手は、その色分けされたラッシュガード等のウェアを着用しており、どの選手がどの色であるかを識別できるようになっている。
なお、本実施形態においては、例えば赤色のウェアを着用した選手を、第一色選手P1とし、白色のウェアを着用した選手を、第二色選手P2とし、緑色のウェアを着用した選手を、第三色選手P3とし、青色のウェアを着用した選手を、第四色選手P4とする。
【0017】
海には、プライマリーテイクオフゾーンPTZが設定されている。プライマリーテイクオフゾーンPTZとは、高得点が期待できる沖の波のテイクオフゾーンであり、ヒートの開始時(開始前)に、第一ジャッジJ1が目視で確認して設定される。潮の干満などにより波のブレイクする場所が変化する場合は、第一ジャッジJ1の判断によりプライマリーテイクオフゾーンPTZは移動されることもある。選手P1~P4は、プライマリーテイクオフゾーンPTZにて波を待ち、良い波が来た時にライディング(パドリング)を開始する。
ノンプライオリティシチュエーションからライディングを開始し、プライマリーテイクオフゾーンPTZから出た選手は、ゲッティングアウトによりプライマリーテイクオフゾーンPTZに戻ることで、最も優先順位の低いプライオリティ(ライディングを開始できる権利:優先権)を取得できる。
【0018】
本実施形態のジャッジングシステムは、ジャッジサーバー1と、プライオリティジャッジング用端末2(すなわち、プライオリティジャッジング用装置)と、プライオリティパネル3と、採点用端末4と、を備えている。
プライオリティジャッジング用端末2は、プライオリティジャッジJ1(以下、第一ジャッジJ1)によって使用される。第一ジャッジJ1は1人又は複数人であり、使用されるプライオリティジャッジング用端末2は1台である。
また、採点用端末4は、パネルジャッジJ2(以下、第二ジャッジJ2)によって使用される。第二ジャッジJ2は複数人であり、各第二ジャッジJ2が個々に採点用端末4を使用する。
なお、第一ジャッジJ1と第二ジャッジJ2の取りまとめを行ったり、その日の波の状態等にあわせた採点見解を示したり、選手の抗議に対応したりするヘッドジャッジが、ジャッジの1人として大会に参加してもよい。
【0019】
ジャッジサーバー1と、プライオリティジャッジング用端末2と、プライオリティパネル3と、採点用端末4は、通信ネットワークを通じて通信可能に接続されている。
通信ネットワークは、電話回線網、ISDN回線網、光ファイバー、移動体通信網、通信衛星回線、CATV回線網、その他の専用線等の各種通信回線網と、それらを接続するインターネットサービスプロバイダ(すなわち、インターネット)等を含んでいてもよい。また、LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)、WiFi(Wireless Fidelity)、Bluetooth(登録商標)、NFC(Near Field Communication)等の様々な通信網が互いに通信可能に接続された集合的な通信網であってもよい。また、接続の形態について、有線、無線及び有線と無線の混在を問わない。
【0020】
ジャッジサーバー1は、例えばPC、専用の装置・端末等で構成されている。ジャッジサーバー1は、通信ネットワークを通じて、プライオリティジャッジング用端末2から送信されたプライオリティデータや複数の採点用端末4から送信された採点データを収集したり、データを外部に送信したりする。
すなわち、ジャッジサーバー1は、通信モジュール等で構成された通信部を備えて外部装置等と通信可能に接続されている。また、外部に送信するデータを所定の送信先に振り分けて送信するための専用のプログラム等を有するものとする。
また、ジャッジサーバー1は、クラウドCに接続可能とされており、クラウドC上に構築された配信サーバーを通じて、得点情報やプライオリティデータ等を配信できるようになっている。
【0021】
プライオリティジャッジング用端末2は、例えばPC、専用の装置・端末等で構成されており、第一ジャッジJ1によって操作される。本実施形態においては、持ち運びがしやすく、スマートフォンよりも画面の大きいタブレット端末が好適に使用されているが、これに限られるものではなく、スマートフォンやノートパソコン等でもよい。
このプライオリティジャッジング用端末2では、第一ジャッジJ1によって、各選手P1~P4に優先順位付けを行うための操作が行われる。また、プライオリティジャッジング用端末2で行われた優先順位付けのデータ(プライオリティデータ)は、ジャッジサーバー1とプライオリティパネル3に送信される。ジャッジサーバー1は、当該プライオリティデータをクラウドCに送信する。
なお、プライオリティジャッジング用端末2の詳細な構成については後述する。
【0022】
プライオリティパネル3は、プライオリティジャッジング用端末2で行われた操作の結果(つまり、各選手P1~P4の優先順位付け)が反映されて表示されるボード(掲示板)であり、各選手P1~P4のゼッケンカラーに対応した色を、優先順位に準じて並べて表示することができる。
なお、本実施形態のプライオリティパネル3は、いわゆる電光掲示板であり、発光体としてLEDを使用したものが採用されている。
【0023】
より詳細に説明すると、プライオリティパネル3は、4つの色表示部3aと、ヒートの残り時間を表示する時間表示部3bと、図示しない表示制御部と、図示しない通信部と、を備えている。
通信部は、プライオリティジャッジング用端末2から送信されたプライオリティデータ及び残り時間データを受信する通信インターフェースである。
表示制御部は、通信部を通じて受信したプライオリティデータに基づいて、4つの色表示部3aの表示を制御する。4つの色表示部3aは、プライオリティジャッジング用端末2で行われた操作に応じて、各選手P1~P4のゼッケンカラーに対応した色を切り替えて表示することができる。プライオリティパネル3のうち、4つの色表示部3aがある部分(もしくは4つの色表示部3aそのもの)がプライオリティ掲示部である。
また、表示制御部は、通信部を通じて受信した残り時間データに基づいて、時間表示部3bの表示を制御する。なお、時間表示部3bは、ヒートが進行していないときは、現在時刻を表示してもよい。
【0024】
プライオリティパネル3は、4つの色表示部3a及び時間表示部3bが海側に向けられて設置されており、競技を行っている選手達が、自身の優先順位とヒートの残り時間をいつでも確認できるようになっている。また、プライオリティパネル3は、台上に設置されて、なるべく高い位置に配置されることが望ましい。
なお、本実施形態においては、プライオリティパネル3が、時間表示部3bを備えるものとしたが、これに限られるものではなく、残り時間を表示する時間表示装置を別に用意してもよい。これにより、プライオリティパネル3と時間表示装置とを別々の場所に設置できるので、選手P1~P4が見やすい位置に配置できて好ましい。
【0025】
採点用端末4は、例えばPC、専用の装置・端末等で構成されており、第二ジャッジP2によって操作される。本実施形態においては、持ち運びがしやすく、スマートフォンよりも画面の大きいタブレット端末が好適に使用されるが、これに限られるものではなく、スマートフォンやノートパソコン等でもよい。
この採点用端末4では、第二ジャッジP2によって、各選手P1~P4のライディングにスコアを付ける(採点する)ための入力操作が行われる。すなわち、採点用端末4の表示部(タッチパネル)には、スコアを入力するのに好適な画面(例えば採点表、テンキー等)が表示されている。第二ジャッジP2は、各選手P1~P4の一回一回のライディングの良し悪しを判定し、その判定結果としてのスコアを採点用端末4に入力していく。
【0026】
また、採点用端末4は、ジャッジサーバー1と通信するための通信部を備えており、この通信部を通じて、第二ジャッジP2が入力したスコアのデータである採点データを、ジャッジサーバー1に送信できるようになっている。
なお、複数の採点用端末4から送信された採点データは、ジャッジサーバー1において集計されて、各選手P1~P4の得点(ヒートスコア)が導き出される。つまり、ジャッジサーバー1は、複数の採点用端末4から送信された採点データを集計して、各選手P1~P4の得点を導き出すための専用のプログラム等を有するものとする。各選手P1~P4の得点を導き出す方法は、上記ルールに基づくものとする。
各選手P1~P4の得点は、例えば通信部を有してジャッジサーバー1に通信可能に接続された得点掲示板(図示省略)に表示されたり、配信サーバーを通じて配信動画に表示されたりする。
【0027】
続いて、上記のプライオリティジャッジング用端末2の構成について詳細に説明する。
プライオリティジャッジング用端末2は、図2に示すように、制御部21と、記憶部22と、表示部23と、操作部24と、通信部25と、を備える。
【0028】
制御部21は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)等により構成されている。
そして、制御部21のCPUは、記憶部22に記憶されている各種プログラムを読出してRAM内に展開し、展開されたプログラムに従って各種処理を実行し、プライオリティジャッジング用端末2における各部の動作を集中制御するようになっている。
【0029】
記憶部22は、不揮発性の半導体メモリーやハードディスク等により構成されている。
また、記憶部22は、制御部21が実行する各種プログラム等を記憶している。各種プログラムには、移動操作プログラム22aと、自動移動プログラム22bと、が含まれている。これらのプログラム22a,22bについては後述する。
記憶部22は、その他にも、プライオリティジャッジング用端末2を適切に動作させるために必要な各種プログラムや各種データ、プライオリティ表示システムを適切に稼働させるために必要な各種プログラムや各種データを記憶しているものとする。
【0030】
表示部23は、例えば液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイその他のフラットディスプレイ等で構成されている。
この表示部23には、第一ジャッジJ1が、プライオリティルールに基づいて、複数の選手P1~P4に対する優先順位付けの判定を行う際の表示画面30(プライオリティ表示画面30)や、オプション画面等が表示可能となっている。
【0031】
操作部24は、第一ジャッジJ1の操作に応じて各種の入力・設定等を行うことができるようになっており、例えば表示部23の表面に一体的に設けられたタッチパネルである。操作部24が操作されると、当該操作に対応する入力信号が制御部21に送信される。
表示部23に構成されるタッチパネルには、制御部21の制御にしたがって各種の表示画面が表示され、第一ジャッジJ1はタッチパネルへのタッチ操作によって各種の入力・設定等の操作を行うことができる。
なお、各種の入力・設定等の操作を行う操作部24はタッチパネルである場合に限定されない。例えば各種の操作ボタンやキーボード、ポインティングデバイス等が操作部24として設けられていてもよい。
【0032】
通信部25は、通信モジュール等で構成されている。
そして、通信部25は、上記の通信ネットワークを介して接続された他の装置(例えばジャッジサーバー1、プライオリティパネル3等)との間で各種信号や各種データを送受信するようになっている。
【0033】
図3は、プライオリティジャッジング用端末2の表示部23に表示されるプライオリティ表示画面30の構成を説明するための図である。この表示画面30は、第一ジャッジJ1が、操作部24を操作し、各種の入力・設定等を行うことができるようになっている。
【0034】
プライオリティ表示画面30には、第一オブジェクト表示欄である中段カラーエリア31と、第二オブジェクト表示欄である下段カラーエリア32と、第三オブジェクト表示欄である上段カラーエリア33と、サスペンデッドボタン表示エリア34と、各種機能ボタン等表示エリア35と、が表示されている。
【0035】
また、プライオリティ表示画面30には、複数の選手P1~P4の各々に対応し、これら複数の選手P1~P4を識別するための複数種類のオブジェクト41,42,43,44が表示されている。これら複数種類のオブジェクト41~44は、各選手P1~P4のゼッケンカラーに対応するカラーオブジェクト41~44である。すなわち、各選手P1~P4に対応して色付けされたオブジェクトである。
第一カラーオブジェクト41は、第一色選手P1に対応して赤色とされており、第二カラーオブジェクト42は、第二色選手P2に対応して白色とされており、第三カラーオブジェクト43は、第三色選手P3に対応して緑色とされており、第四カラーオブジェクト44は、第四色選手P4に対応して青色とされている。
これら複数のカラーオブジェクト41~44は、プライオリティ表示画面30内において1つずつしか表示されない。また、これらカラーオブジェクト41~44は、プライオリティ表示画面30内の配置される箇所の形状やサイズに応じて、その形状が変化するように設定されている。さらに、第一ジャッジJ1が、選手の状態に合わせて所定の操作をした場合も、カラーオブジェクト41~44の形状が変化するように設定されている。
【0036】
中段カラーエリア31は、複数の選手P1~P4のうち、プライオリティ(ライディングを開始できる権利)を有する選手P1~P4のカラーオブジェクト41~44を、優先順位に従って順に並べて配置するための欄(エリア)である。
本実施形態において、中段カラーエリア31は、黒地に白抜き×印が表されたデザインで正方形の4つの領域31a~31dに区分けされており、これら4つの領域31a~31dに対して、カラーオブジェクト41~44が当て嵌められて配置される。
これら4つの領域31a~31dは、右から左に向かうにつれて順位が低くなるように設定されている。すなわち、プライオリティ表示画面30に表示された「1」「2」「3」「4」の各数字(以下、優先順位を示す各数字と称する)は、4つの領域31a~31dの各々の上方に位置して、優先順位の高さを表している。要するに、一番右の領域31aは、優先順位1位の領域31aであり、その左側の領域31bは、優先順位2位の領域31bであり、その左側の領域31cは、優先順位3位の領域31cであり、一番左の領域31dは、優先順位4位の領域31dである。
また、4つの領域31a~31dは、正方形状に形成されている。そのため、これら4つの領域31a~31dに当て嵌められる各カラーオブジェクト41~44も正方形とされている。
【0037】
下段カラーエリア32は、複数の選手P1~P4のうち、プライオリティ(ライディングを開始できる権利)を有しない選手P1~P4のカラーオブジェクト41~44を並べて配置するための欄(エリア)である。
本実施形態において、下段カラーエリア32は、中段カラーエリア31及び優先順位を示す各数字に準じて、おおよそ4つの領域に区分けされている。しかし、下段カラーエリア32は、プライオリティを有しない選手P1~P4のカラーオブジェクト41~44が配置されるエリアであるため、カラーオブジェクト41~44は、優先順位とは関係なく配置される。ただし、本実施形態においては、他のカラーエリア(中段カラーエリア31、上段カラーエリア33)から下段カラーエリア32に移動してきた順に、左詰めに並べられて配置される。すなわち、優先順位を示す各数字の「4」の位置(優先順位4位の領域31dの下方)から、「3」の位置(優先順位3位の領域31cの下方)、「2」の位置(優先順位2位の領域31bの下方)、「1」の位置(優先順位1位の領域31aの下方)、と順に詰めて配置される。
また、下段カラーエリア32は、上段カラーエリア33の同サイズに設定されている。そのため、当該下段カラーエリア32に配置されるカラーオブジェクト41~44は、中段カラーエリア31における4つの領域31a~31dに当て嵌められる場合の各カラーオブジェクト41~44と同形状・同サイズとされている。
【0038】
上段カラーエリア33は、複数の選手P1~P4におけるカラーオブジェクト41~44の初期位置であって、かつ、選手P1~P4がノンプライオリティシチュエーションの状態である場合のカラーオブジェクト41~44を配置するための欄(エリア)である。
本実施形態において、上段カラーエリア33は、中段カラーエリア31及び優先順位を示す各数字に準じて、おおよそ4つの領域に区分けされている。しかし、上段カラーエリア33は、選手P1~P4がノンプライオリティシチュエーションの状態である場合のカラーオブジェクト41~44が配置されるエリアであるため、カラーオブジェクト41~44は、優先順位とは関係なく配置される。
また、上段カラーエリア33は、中段カラーエリア31及び下段カラーエリア32よりも上下寸法が短く設定されている。つまり、左右に細長い。そのため、当該上段カラーエリア33に配置されるカラーオブジェクト41~44は、中段カラーエリア31及び上段カラーエリア33に配置される各カラーオブジェクト41~44とは異なる形状とされている。つまり、左右に細長い。
【0039】
なお、サーフィン競技のルールに基づき、上段カラーエリア33に配置されたカラーオブジェクト41~44は、中段カラーエリア31に配置されたカラーオブジェクト41~44よりも優先順位が高くなるように設定されている。そのため、上段カラーエリア33にカラーオブジェクト41~44が残されている場合、上段カラーエリア33においてはカラーオブジェクト41~44が右詰め(優先順位の高い側に寄せられた状態)で配置される。そして、中段カラーエリア31においては、カラーオブジェクト41~44が、上段カラーエリア33に配置されたカラーオブジェクト41~44の優先順位を超えない範囲で、右詰め(優先順位の高い側に寄せられた状態)で配置される(図6図7参照)。
すなわち、上段カラーエリア33は、カラーオブジェクト41~44が右詰めで配置され、中段カラーエリア31は、カラーオブジェクト41~44が、上段カラーエリア33のカラーオブジェクト41~44を超えない範囲で右詰めで、かつ、優先順位の高い順に配置され、下段カラーエリア32は、カラーオブジェクト41~44が左詰めで配置される。そのため、最大で4つのカラーオブジェクト41~44は、縦方向に重複しないように配置されることとなる。
要するに、各カラーエリア31,32,33は、優先順位を示す各数字によって概略的に4つの領域に区分けされていて、いずれかのカラーエリア31,32,33における、いずれかの領域にカラーオブジェクト41~44が当て嵌められる場合に、カラーオブジェクト41~44は、優先順位を示す各数字のうち同じ数字の領域には配置されない。つまり、優先順位を示す各数字の上下に位置する各カラーエリア31,32,33の上記領域には、一つのカラーオブジェクトしか配置されないようになっている。より簡易に言い換えると、優先順位を示す数字に属する各列には、カラーオブジェクト41~44が一つずつしか入らないように設定されている。
【0040】
サスペンデッドボタン表示エリア34は、中段カラーエリア31と優先順位を示す各数字との間(すなわち、中段カラーエリア31の直上)に位置し、サスペンデッドボタンが表示される欄(エリア)である。
サスペンデッドとは、プライオリティを有する選手P1~P4が、サーフボードの交換や波に流される等の理由で、プライマリーテイクオフゾーンPTZ外にいる状態の時に、当該選手P1~P4のプライオリティを一時的に無効とすることを指す。
サスペンデッドボタンは、サスペンデッドボタン表示エリア34において「Suspend」と表記された部分であり、当該ボタンをタップすると(図14の白抜き矢印を参照)、図14に示すように、カラーオブジェクト41の形状が変化し、当該カラーオブジェクト41の選手がサスペンデッドの状態であることを一目で認識できるようになっている。
サスペンデッドは、上記のようにプライオリティを有する選手P1~P4に適用されるルールであるため、中段カラーエリア31に配置されたカラーオブジェクト41~44に対してのみ適用されるものとする。また、サスペンデッドボタンは、優先順位にかかわらず適用されるため、中段カラーエリア31における4つの領域31a~31dの各々の直上に一つずつ配置されている。
【0041】
各種機能ボタン等表示エリア35には、オプションボタン35aと、ジャッジサーバー接続ボタン35bと、プライオリティパネル接続ボタン35cと、シチュエーション読み上げボタン35dと、残り時間表示エリア35eと、スタンバイボタン35fが表示されている。
【0042】
オプションボタン35aは、表示部23にオプション画面を表示するためのボタンである。すなわち、オプションボタン35aを押すと、プライオリティ表示画面30からオプション画面に移行する。オプション画面では、例えば複数のカラーオブジェクト41~44の位置を初期化(上段カラーエリア33の位置に戻すこと)したり、カラーオブジェクト41~44の色を変更したりするなどの各種設定等を行うことができる。
【0043】
ジャッジサーバー接続ボタン35bは、プライオリティジャッジング用端末2とジャッジサーバー1との通信の接続状態をオン・オフ操作するためのボタンである。
プライオリティジャッジング用端末2とジャッジサーバー1との通信が接続されていない場合には、「Not connect」と表示され、接続されている場合には、「Connect」と表示される。
【0044】
プライオリティパネル接続ボタン35cは、プライオリティジャッジング用端末2とプライオリティパネル3との通信の接続状態をオン・オフ操作するためのボタンである。
プライオリティジャッジング用端末2とプライオリティパネル3との通信が接続されていない場合には、「Not connect」と表示され、接続されている場合には、「Connect」と表示される。
【0045】
シチュエーション読み上げボタン35dは、会場で行われているヒートの、プライオリティに関するシチュエーションを読み上げるためのボタンである。
【0046】
残り時間表示エリア35eは、会場で行われているヒートの残り時間が表示されるエリアである。
【0047】
スタンバイボタン35fは、プライオリティ表示画面30を初期状態に戻すためのボタンである。スタンバイボタン35fを押すと、表示部23に表示された表示画面が、図3に示す初期状態に戻るようになっている。
【0048】
以上のように構成されたプライオリティ表示画面30において、複数のカラーオブジェクト41~44は、第一ジャッジJ1による操作部24の操作を受けて、制御部21が、記憶部22に記憶された移動操作プログラム22aを実行することによって、所定の位置に移動するように設定されている。
すなわち、移動操作プログラム22aは、制御部21及び操作部24との協働により移動操作手段として機能することになる。
【0049】
また、中段カラーエリア31において、プライオリティを有する選手P1~P4に対応する複数のカラーオブジェクト41~44は、優先順位に従って順(優先順位を示す各数字の順)に並べられる。プライオリティを有する選手P1~P4のうち、いずれかの選手(例えば第四色選手P4)がライディングを開始した場合、当該選手P4はプライオリティを有しない状態となるため、その選手P4のカラーオブジェクト44は、移動操作手段によって下段カラーエリア32へと移動させられる。
第四色選手P4が、例えば優先順位が1位だった場合、優先順位が2位以下だった他の選手P1~P3に対応するカラーオブジェクト41~43は、制御部21が、記憶部22に記憶された自動移動プログラム22bを実行することによって、優先順位が一つ繰り上げられた状態となるように自動的に移動させられる。つまり、優先順位が2位だった選手のカラーオブジェクトは1位へと繰り上がり、3位だった選手のカラーオブジェクトは2位へと繰り上がり、4位だった選手のカラーオブジェクトは3位へと繰り上がることとなる。
すなわち、自動移動プログラム22bは、制御部21との協働により自動移動手段として機能することになる。
【0050】
自動移動手段は、上段カラーエリア33に対しても適用されている。すなわち、上段カラーエリア33に配置されたカラーオブジェクト41~44は、中段カラーエリア31に配置されたカラーオブジェクト41~44よりも優先順位が高くなるように設定されている。そのため、上段カラーエリア33にカラーオブジェクト41~44が残されている場合は、中段カラーエリア31に配置されたカラーオブジェクト41~44も含め、各カラーオブジェクト41~44が優先順位に従って順に並べられて配置される。
このとき、上段カラーエリア33においては、自動移動手段によって、カラーオブジェクト41~44が右詰めで自動的に優先順位の高い位置に配置される。また、中段カラーエリア31においては、上段カラーエリア33に配置されたカラーオブジェクト41~44の優先順位を超えない範囲で、右詰めで自動的に優先順位の高い位置に配置されるように設定されている。
すなわち、上段カラーエリア33にカラーオブジェクト41~44が例えば3つ残っている場合は、中段カラーエリア31に配置されるカラーオブジェクト41~44の最上位は、優先順位4位の領域31dとなる。そして、上段カラーエリア33から、カラーオブジェクト41~44が一つ抜けると、残り2つのカラーオブジェクト41~44は、自動移動手段によって右詰めで自動的に優先順位の高い位置に配置される。このときの中段カラーエリア31に配置されるカラーオブジェクト41~44の最上位は、優先順位3位の領域31cとなるため、優先順位4位の領域31dに配置されていたカラーオブジェクト41~44は、自動移動手段によって、優先順位が自動的に一つ繰り上げられることとなる。
【0051】
また、ノンプライオリティシチュエーションの状態であった各選手P1~P4が次々とライディングを開始し、上段カラーエリア33からカラーオブジェクト41~44が次々と減っていく。そして、上段カラーエリア33に配置されたカラーオブジェクトが最終的に残り一つになった場合、当該残り一つのカラーオブジェクトは、制御部21が、記憶部22に記憶された自動移動プログラム22bを実行することによって、中段カラーエリア31のうち最も高い優先順位の位置(優先順位1位の領域31a)に自動的に移動させられる。
つまり、カラーオブジェクト41~44の並び順は、上段カラーエリア33と中段カラーエリア31を含めて優先順位に従ったものとなるため、上段カラーエリア33のカラーオブジェクト41~44が残り一つとなると、その残り一つは、上段カラーエリア33に残しておく必要がなくなる。そのため、残り一つのカラーオブジェクトは、制御部21が実行する自動移動プログラム22bに従って、中段カラーエリア31のうち最も高い優先順位の位置(優先順位1位の領域31a)に自動的に移動させられることとなる。
すなわち、自動移動プログラム22bは、制御部21との協働により自動移動手段として機能し、上段カラーエリア33に残った一つのカラーオブジェクトを自動的に、中段カラーエリア31に移動させることができる。
【0052】
次に、プライオリティルールに基づいて複数の選手P1~P4に対する優先順位付けの判定を行う際のプライオリティ表示画面30の変化等について、ヒートの流れと共に説明する。
【0053】
図3は、プライオリティ表示画面30の初期状態である。すなわち、複数の選手P1~P4の各々に対応するカラーオブジェクト41~44が、上段カラーエリア33に並べられて配置された状態となっている。
このとき、複数の選手P1~P4は、プライマリーテイクオフゾーンPTZで波を待っている状態である。
上段カラーエリア33は、中段カラーエリア31よりもプライオリティ(優先順位)が高く設定されているが、上段カラーエリア33内に並んでいるカラーオブジェクト41~44同士には優先順位がない。つまり、ノンプライオリティシチュエーションである。
【0054】
このような状態でヒートが開始され、この場面では、サーフィン競技の通常ルール(ピーク優先:波の盛り上がりが崩れ始める頂点に最も近い選手がプライオリティを持つルール)が適用される。
そして、例えば第一色選手P1がテイクオフ(ライディングを開始)すると、第一ジャッジJ1は、上段カラーエリア33に並べられているカラーオブジェクト41~44のうち、第一色選手P1に対応する第一カラーオブジェクト41をタップする。すると、第一カラーオブジェクト41は、図4に示すように、下段カラーエリア32に移動する。下段カラーエリア32において、カラーオブジェクト41~44は左詰めで配置されるため、第一カラーオブジェクト41は、最も左側の列に並べられることとなる。
【0055】
第一色選手P1が、ゲッティングアウト(沖のピークに向かってパドルで波を越えて出て行くこと)を行ってプライマリーテイクオフゾーンPTZに戻ると、第一ジャッジJ1は、第一カラーオブジェクト41をタップする(図4の白抜き矢印)。すると、第一カラーオブジェクト41は、図5に示すように、中段カラーエリア31に移動する。
このとき、第一色選手P1は、プライオリティを有しているものの、上段カラーエリア33に配置された他のカラーオブジェクト42~44に対応する他の選手P2~P4よりも優先順位は低い状態となっている。
【0056】
なお、第一色選手P1がプライマリーテイクオフゾーンPTZに戻る前に、他の選手のいずれかがライディングを開始すると、当該他の選手に対応するカラーオブジェクトは、下段カラーエリア32において第一カラーオブジェクト41の右隣に配置される。すなわち、下段カラーエリア32において、2つのカラーオブジェクトが左詰めで並んで配置された状態となる。
この状態で、例えば第一色選手P1がプライマリーテイクオフゾーンPTZに戻ると、第一カラーオブジェクト41は、中段カラーエリア31における優先順位3位の領域31cに配置される。そして、下段カラーエリア32で第一カラーオブジェクト41と並んで配置されていた他のカラーオブジェクトは、自動的に移動し、下段カラーエリア32において最も左側に詰めて配置されることとなる。
【0057】
第一色選手P1がプライマリーテイクオフゾーンPTZに戻り、第一カラーオブジェクト41が中段カラーエリア31に移動した状態(図5の状態)において、例えば第二色選手P2がライディングを開始すると、第一ジャッジJ1は、上段カラーエリア33にある第二カラーオブジェクト42をタップする(図5の白抜き矢印)。すると、図6に示すように、中段カラーエリア31にある第一カラーオブジェクト41は、優先順位3位の領域31cに配置される。そして、第二カラーオブジェクト42は、下段カラーエリア32において最も左側に詰めて配置される。
なお、中段カラーエリア31にある第一カラーオブジェクト41は、上段カラーエリア33にある第三カラーオブジェクト43及び第四カラーオブジェクト44よりも優先順位は低いため、これらのカラーオブジェクト43,44を超えない範囲で右詰めで配置された状態となっている。
【0058】
第二色選手P2が、ゲッティングアウトを行ってプライマリーテイクオフゾーンPTZに戻ると、第一ジャッジJ1は、下段カラーエリア32にある第二カラーオブジェクト42をタップする(図6の白抜き矢印)。すると、第二カラーオブジェクト42は、図7に示すように、中段カラーエリア31のうち最も左側に位置する優先順位4位の領域31dに移動する。
この状態で、例えば第三色選手P3がライディングを開始すると、第一ジャッジJ1は、上段カラーエリア33にある第三カラーオブジェクト43をタップする(図7の白抜き矢印)。すると、第三カラーオブジェクト43は、図8に示すように、下段カラーエリア32において最も左側に詰めて配置される。
これに伴い、上段カラーエリア33に残された一つの第四カラーオブジェクト44は、中段カラーエリア31のうち最も右側に位置する優先順位1位の領域31aに自動的に移動する。
さらに、第一カラーオブジェクト41及び第二カラーオブジェクト42は、第三カラーオブジェクト43及び第四カラーオブジェクト44の移動に伴って、中段カラーエリア31において右側に一つずつ自動的に繰り上がる。すなわち、第一カラーオブジェクト41は、優先順位2位の領域31bに配置され、第二カラーオブジェクト42は、優先順位3位の領域31cに配置されることとなる。
【0059】
なお、第四カラーオブジェクト44が中段カラーエリア31に自動的に移動し、上段カラーエリア33にカラーオブジェクトが配置されていない状態は、ヒートが終了するまで維持される。
【0060】
第三色選手P3が、ゲッティングアウトを行ってプライマリーテイクオフゾーンPTZに戻ると、第一ジャッジJ1は、下段カラーエリア32にある第三カラーオブジェクト43をタップする(図8の白抜き矢印)。すると、第三カラーオブジェクト43は、図9に示すように、中段カラーエリア31のうち最も左側に位置する優先順位4位の領域31dに移動する。
【0061】
続いて、例えば第四色選手P4がライディングを開始すると、第一ジャッジJ1は、第四カラーオブジェクト44をタップする(図9の白抜き矢印)。すると、第四カラーオブジェクト44は、図10に示すように、下段カラーエリア32において最も左側に詰めて配置される。
これに伴い、第一カラーオブジェクト41と、第二カラーオブジェクト42と、第三カラーオブジェクト43は、中段カラーエリア31において右側に一つずつ自動的に繰り上がるように移動する。つまり、第一カラーオブジェクト41は、優先順位1位の領域31aに配置され、第二カラーオブジェクト42は、優先順位2位の領域31bに配置され、第三カラーオブジェクト43は、優先順位3位の領域31cに配置されることとなる。
【0062】
図10に示す状態のときに、例えば第二色選手P2が、優先順位1位の第一色選手P1よりも先にライディングを開始すると、第一ジャッジJ1は、第二カラーオブジェクト42をタップする(図10の白抜き矢印)。すると、第二カラーオブジェクト42は、図11に示すように、下段カラーエリア32において第四カラーオブジェクト44の右隣に配置される。
これに伴い、中段カラーエリア31にある第三カラーオブジェクト43は、右側に一つ自動的に繰り上がるように移動する。つまり、第三カラーオブジェクト43は、優先順位2位の領域31bに配置される。
【0063】
続いて、第一色選手P1がライディングを開始すると、第一ジャッジJ1は、第一カラーオブジェクト41をタップする(図11の白抜き矢印)。すると、第一カラーオブジェクト41は、図12に示すように、下段カラーエリア32において第二カラーオブジェクト42の右隣に配置される。
これに伴い、中段カラーエリア31に一つ残った第三カラーオブジェクト43は、右側に一つ自動的に繰り上がるように移動する。つまり、第三カラーオブジェクト43は、優先順位1位の領域31aに配置される。
【0064】
図12に示す状態のときに、例えば第二色選手P2が、プライマリーテイクオフゾーンPTZに戻ると、第一ジャッジJ1は、第二カラーオブジェクト42をタップする(図12の白抜き矢印)。すると、第二カラーオブジェクト42は、図13に示すように、中段カラーエリア31において、第三カラーオブジェクト43の左隣に配置される。つまり、第二カラーオブジェクト42は、優先順位2位の領域31bに配置される。
これに伴い、第一カラーオブジェクト41は、下段カラーエリア32内で左側に自動的に移動し、第四カラーオブジェクト44の右隣に配置される。
【0065】
サーフィン競技におけるプライオリティジャッジングは、プライオリティジャッジング用端末2を使用して、以上のような流れで行われる。なお、このような説明は、あくまでも一例であり、これに限定されるものではない。
【0066】
また、第一ジャッジJ1による操作によって、各カラーオブジェクト41~44は次々と移動するが、このような各カラーオブジェクト41~44の移動は、プライオリティパネル3に全て反映されているものとする。すなわち、プライオリティジャッジング用端末2で行われた優先順位付けのデータ(プライオリティデータ)は、第一ジャッジJ1による操作が行われたときに、その都度、通信部25を通じてプライオリティパネル3に送信される。そのため、各選手P1~P4の優先順位はリアルタイムでプライオリティパネル3に表示される。
プライオリティデータは、第一ジャッジJ1による操作が行われたときに、その都度、通信部25を通じてジャッジサーバー1にも送信され、さらに、ジャッジサーバー1を通じてクラウドCにも送信される。そのため、第一ジャッジJ1によるプライオリティの判定に係る情報を、クラウドC上に構築された配信サーバーを通じて世界中に配信することも可能となる。
【0067】
また、本実施形態におけるプライオリティ表示画面30は、第一オブジェクト表示欄31(中段カラーエリア31)、第二オブジェクト表示欄32(下段カラーエリア32)、第三オブジェクト表示欄33(上段カラーエリア33)が上下に並んで配置されている。要するに、本実施形態におけるプライオリティ表示画面30は、長方形に形成された表示部23を横向きにした状態に合わせたレイアウトとなっているが、これに限られるものではない。つまり、プライオリティ表示画面30を、長方形に形成された表示部23を縦向きにした状態に合わせたレイアウトとしてもよい。その場合、第一オブジェクト表示欄31、第二オブジェクト表示欄32、第三オブジェクト表示欄33は左右に並んで配置される。
タブレット端末やスマートフォンには、画面の縦横を自動で回転させる機能が備わっている場合が多い。このようなタブレット端末やスマートフォンが、プライオリティジャッジング用端末2として用いられる場合に、プライオリティ表示画面30も、横向きのレイアウトと縦向きのレイアウトが自動で変化するように設定されていてもよい。
【0068】
なお、本実施形態のジャッジングシステムには、上記のようなプライオリティ表示システムSが組み込まれている。このプライオリティ表示システムSは、本実施形態においては、プライオリティジャッジング用端末2とプライオリティパネル3によって構築されているが、これに限られるものではない。例えば、プライオリティ表示システムSは、プライオリティジャッジング用端末2とプライオリティパネル3との間に、ジャッジサーバー1を介在させた状態で構築されてもよい。
【0069】
本実施の形態によれば、以下のような優れた効果を奏する。
すなわち、プライオリティジャッジング用端末2の表示部23に表示されるプライオリティ表示画面30には、複数の選手P1~P4の各々に対応し、これら複数の選手P1~P4を識別するための複数のカラーオブジェクト41~44と、複数の選手P1~P4に対応する各カラーオブジェクト41~44を、優先順位に従って順に並べて配置するための複数のオブジェクト表示欄31,32,33と、が表示されている。そして、プライオリティジャッジング用端末2は、複数のカラーオブジェクト41~44を、複数のオブジェクト表示欄31,32,33間で移動させる操作を行うための移動操作手段(移動操作プログラム22a)と、複数のカラーオブジェクト41~44のうちの一つのカラーオブジェクトを、移動操作手段によって、複数のオブジェクト表示欄31,32,33のうちの一のオブジェクト表示欄から他のオブジェクト表示欄に移動させたことに伴って、複数のカラーオブジェクト41~44のうちの他のカラーオブジェクトを、当該他のカラーオブジェクトが配置されているオブジェクト表示欄内で、優先順位に従って自動的に移動させるための自動移動手段(自動移動プログラム22b)と、を備えている。そのため、第一ジャッジJ1は、複数の選手P1~P4に対する優先順位付けの判定を行う際に、プライオリティ表示画面30上で、複数のカラーオブジェクト41~44を、複数のオブジェクト表示欄31,32,33間で移動させる操作を行うだけで、複数のカラーオブジェクト41~44を、優先順位に従って自動的に適切な位置に配置することができる。これにより、第一ジャッジJ1によるプライオリティの判定に係る作業を簡易かつ正確に行えるようにし、プライオリティジャッジの負担を軽減することができる。
【0070】
また、複数の選手P1~P4のうち、ライディングを開始できる権利を有する選手のカラーオブジェクトを優先順位に従って順に並べて配置するための第一オブジェクト表示欄31(中段カラーエリア31)と、複数の選手P1~P4のうち、ライディングを開始できる権利を有しない選手のカラーオブジェクトを並べて配置するための第二オブジェクト表示欄32(下段カラーエリア32)と、が含まれている。第二オブジェクト表示欄32からのカラーオブジェクトの移動先は、第一オブジェクト表示欄31であり、第一オブジェクト表示欄31からのカラーオブジェクトの移動先は、第二オブジェクト表示欄32である。そして、第一オブジェクト表示欄31に配置された複数のカラーオブジェクト41~44のうち、最も優先順位の低いカラーオブジェクトを除く他の一つのカラーオブジェクトを、移動操作手段によって、第一オブジェクト表示欄31から第二オブジェクト表示欄32に移動させる操作が行われた場合に、第一オブジェクト表示欄31に残ったカラーオブジェクトのうち、第二オブジェクト表示欄32に移動した他の一つのカラーオブジェクトよりも下位にあったカラーオブジェクトは、自動移動手段によって、優先順位が自動的に一つ繰り上げられる。そのため、第一ジャッジJ1は、最も優先順位の低いカラーオブジェクトを除く他の一つのカラーオブジェクトを、第二オブジェクト表示欄32に移動させる操作を行うだけで、第一オブジェクト表示欄31に残ったカラーオブジェクトのうち、第二オブジェクト表示欄32に移動した他の一つのカラーオブジェクトよりも下位にあったカラーオブジェクトを、優先順位に従って自動的に適切な位置に配置することができる。これにより、第一ジャッジJ1によるプライオリティの判定に係る作業を簡易かつ正確に行えるようにし、プライオリティジャッジの負担を軽減することができる。
【0071】
また、複数のオブジェクト表示欄31,32,33には、複数の選手P1~P4におけるカラーオブジェクト41~44の初期位置であって、かつ、選手P1~P4がノンプライオリティシチュエーションの状態である場合のカラーオブジェクト41~44を配置するための第三オブジェクト表示欄33(上段カラーエリア33)が含まれている。第三オブジェクト表示欄33に配置されているカラーオブジェクトは、第一オブジェクト表示欄31に配置されているカラーオブジェクトよりも優先順位が高く設定されている。そして、第三オブジェクト表示欄33からのカラーオブジェクト41~44の移動先は、第三オブジェクト表示欄33に配置されたカラーオブジェクト41~44が残り一つになるまでは第二オブジェクト表示欄32であり、第三オブジェクト表示欄33に配置されたカラーオブジェクトが残り一つになった場合には、当該残り一つのカラーオブジェクトは、自動移動手段によって、第一オブジェクト表示欄31のうち最も優先順位の高い位置に自動的に移動させられて配置される。そのため、第三オブジェクト表示欄33に配置されたカラーオブジェクトが残り一つになった場合に、当該残り一つのカラーオブジェクトを、第一ジャッジJ1がわざわざ移動させる必要がなくなる。これにより、第一ジャッジJ1によるプライオリティの判定に係る作業を簡易かつ正確に行えるようにし、プライオリティジャッジの負担を軽減することができる。
【0072】
また、複数のカラーオブジェクト41~44の最大数は、優先順位の数と同一であり、複数のオブジェクト表示欄31,32,33は、優先順位ごとに領域(31a,31b,31c,31d)分けされて、その領域にカラーオブジェクト41~44が配置可能とされている。そして、複数のカラーオブジェクト41~44が複数のオブジェクト表示欄31,32,33におけるいずれかの領域に配置される場合に、同一の優先順位で重複しないように設定されている。そのため、第一ジャッジJ1が、複数の選手P1~P4の優先順位を混同して把握することを防ぐことができる。これにより、第一ジャッジJ1によるプライオリティの判定に係る作業を簡易かつ正確に行えるようにし、プライオリティジャッジの負担を軽減することができる。
【0073】
また、プライオリティ表示システムSは、プライオリティジャッジング用端末2と、プライオリティジャッジング用端末2と通信可能に接続されたプライオリティパネル3と、を備えており、プライオリティパネル3は、プライオリティ掲示部3a(色表示部3a)を有し、プライオリティ掲示部3aには、プライオリティジャッジング用端末2のプライオリティ表示画面30に表示されている複数の選手P1~P4の優先順位の判定結果が反映される。そのため、プライオリティパネル3に、複数の選手P1~P4の優先順位の判定結果を反映させる作業を自動で行うことができるので、手間の軽減につながり、人員の確保も必要なくなる。これにより、第一ジャッジJ1によるプライオリティの判定に係る作業を簡易かつ正確に行えるようにし、プライオリティジャッジの負担を軽減することができる。
【符号の説明】
【0074】
1:ジャッジサーバー、2:プライオリティジャッジング用端末、3:プライオリティパネル、3a:色表示部(プライオリティ掲示部)、3b:時間表示部、4:採点用端末
21:制御部、22:記憶部、22a:移動操作プログラム、22b:自動移動プログラム、23:表示部、24:操作部、25:通信部
30:プライオリティ表示画面、31:中段カラーエリア(第一オブジェクト表示欄)、31a:優先順位1位の領域、31b:優先順位2位の領域、31c:優先順位3位の領域、31d:優先順位4位の領域、32:下段カラーエリア(第二オブジェクト表示欄)、33:上段カラーエリア(第三オブジェクト表示欄)、34:サスペンデッドボタン表示エリア、35:各種機能ボタン等表示エリア、35a:オプションボタン、35b:ジャッジサーバー接続ボタン、35c:プライオリティパネル接続ボタン、35d:シチュエーション読み上げボタン、35e:残り時間表示エリア、35f:スタンバイボタン
41:第一カラーオブジェクト、42:第二カラーオブジェクト、43:第三カラーオブジェクト、44:第四カラーオブジェクト
P1:第一色選手、P2:第二色選手、P3:第三色選手、P4:第四色選手
J1:プライオリティジャッジ(第一ジャッジ)、J2:パネルジャッジ(第二ジャッジ)
C:クラウド、S:プライオリティ表示システム、PTZ:プライマリーテイクオフゾーン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
【手続補正書】
【提出日】2023-03-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
請求項1に記載の発明は、プライオリティジャッジング用装置であって、
サーフィン競技におけるプライオリティルールに基づいて、複数の選手に対する優先順位付けの判定が行われた際に、その判定結果を反映した表示画面が表示部に表示可能とされており、
前記表示画面には、
前記複数の選手の各々に対応し、これら複数の選手を識別するための複数のオブジェクトと、
前記複数の選手に対応する各前記オブジェクトを順に並べて配置するための複数のオブジェクト表示欄と、
が表示されており、
前記複数のオブジェクト表示欄には、
前記複数の選手のうち、ライディングを開始できる権利を有する選手の、ノンプライオリティシチュエーションの状態ではない場合の前記オブジェクトを前記優先順位に従って順に並べて配置するための第一オブジェクト表示欄と、
前記複数の選手のうち、ライディングを開始できる権利を有しない選手の、ノンプライオリティシチュエーションの状態ではない場合の前記オブジェクトを、前記優先順位に関係なく並べて配置するための第二オブジェクト表示欄と、
が含まれており、
前記複数のオブジェクトを、前記複数のオブジェクト表示欄間で移動させる操作を行うための移動操作手段と、
前記複数のオブジェクトのうちの一つの前記オブジェクトを、前記移動操作手段によって、前記複数のオブジェクト表示欄のうちの一の前記オブジェクト表示欄から他の前記オブジェクト表示欄に移動させたことに伴って、前記複数のオブジェクトのうちの他の前記オブジェクトを、当該他のオブジェクトが配置されている前記オブジェクト表示欄内で、前記優先順位に従って自動的に移動させるための自動移動手段と、
を備えており、
前記第二オブジェクト表示欄からの前記オブジェクトの移動先は、前記第一オブジェクト表示欄であり、
前記第一オブジェクト表示欄からの前記オブジェクトの移動先は、前記第二オブジェクト表示欄であり、
前記第一オブジェクト表示欄に配置された前記複数のオブジェクトのうち、最も優先順位の低い前記オブジェクトを除く他の一つの前記オブジェクトを、前記移動操作手段によって、前記第一オブジェクト表示欄から前記第二オブジェクト表示欄に移動させる操作が行われた場合に、
前記第一オブジェクト表示欄に残った前記オブジェクトのうち、前記第二オブジェクト表示欄に移動した前記他の一つのオブジェクトよりも下位にあった前記オブジェクトは、前記自動移動手段によって、優先順位が自動的に一つ繰り上げられることを特徴とする。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
請求項に記載の発明は、請求項に記載のプライオリティジャッジング用装置において、
前記複数のオブジェクト表示欄には、
前記複数の選手における前記オブジェクトの初期位置であって、かつ、前記選手がノンプライオリティシチュエーションの状態である場合の前記オブジェクトを配置するための第三オブジェクト表示欄が含まれており、
前記第三オブジェクト表示欄に配置されている前記オブジェクトは、前記第一オブジェクト表示欄に配置されている前記オブジェクトよりも優先順位が高く設定されており、
前記第三オブジェクト表示欄からの前記オブジェクトの移動先は、前記第三オブジェクト表示欄に配置された前記オブジェクトが残り一つになるまでは前記第二オブジェクト表示欄であり、
前記第三オブジェクト表示欄に配置された前記オブジェクトが残り一つになった場合には、当該残り一つのオブジェクトは、前記自動移動手段によって、前記第一オブジェクト表示欄のうち最も優先順位の高い位置に自動的に移動させられて配置されることを特徴とする。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
請求項に記載の発明は、請求項1又は2に記載のプライオリティジャッジング用装置において、
前記複数のオブジェクトの最大数は、前記優先順位の数と同一であり、
前記複数のオブジェクト表示欄は、前記優先順位ごとに領域分けされて、その領域に前記オブジェクトが配置可能とされ、
前記複数のオブジェクトが前記複数のオブジェクト表示欄におけるいずれかの前記領域に配置される場合に、同一の前記優先順位で重複しないように設定されていることを特徴とする。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
請求項に記載の発明は、プライオリティ表示システムであって、
請求項1に記載のプライオリティジャッジング用装置と、
前記プライオリティジャッジング用装置と通信可能に接続されたプライオリティパネルと、を備えており、
前記プライオリティパネルは、プライオリティ掲示部を有し、
前記プライオリティ掲示部には、前記プライオリティジャッジング用装置の前記表示画面に表示されている前記複数の選手の前記優先順位の判定結果が反映されることを特徴とする。
【手続補正6】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーフィン競技におけるプライオリティルールに基づいて、複数の選手に対する優先順位付けの判定が行われた際に、その判定結果を反映した表示画面が表示部に表示可能とされており、
前記表示画面には、
前記複数の選手の各々に対応し、これら複数の選手を識別するための複数のオブジェクトと、
前記複数の選手に対応する各前記オブジェクトを順に並べて配置するための複数のオブジェクト表示欄と、
が表示されており、
前記複数のオブジェクト表示欄には、
前記複数の選手のうち、ライディングを開始できる権利を有する選手の、ノンプライオリティシチュエーションの状態ではない場合の前記オブジェクトを前記優先順位に従って順に並べて配置するための第一オブジェクト表示欄と、
前記複数の選手のうち、ライディングを開始できる権利を有しない選手の、ノンプライオリティシチュエーションの状態ではない場合の前記オブジェクトを、前記優先順位に関係なく並べて配置するための第二オブジェクト表示欄と、
が含まれており、
前記複数のオブジェクトを、前記複数のオブジェクト表示欄間で移動させる操作を行うための移動操作手段と、
前記複数のオブジェクトのうちの一つの前記オブジェクトを、前記移動操作手段によって、前記複数のオブジェクト表示欄のうちの一の前記オブジェクト表示欄から他の前記オブジェクト表示欄に移動させたことに伴って、前記複数のオブジェクトのうちの他の前記オブジェクトを、当該他のオブジェクトが配置されている前記オブジェクト表示欄内で、前記優先順位に従って自動的に移動させるための自動移動手段と、
を備えており、
前記第二オブジェクト表示欄からの前記オブジェクトの移動先は、前記第一オブジェクト表示欄であり、
前記第一オブジェクト表示欄からの前記オブジェクトの移動先は、前記第二オブジェクト表示欄であり、
前記第一オブジェクト表示欄に配置された前記複数のオブジェクトのうち、最も優先順位の低い前記オブジェクトを除く他の一つの前記オブジェクトを、前記移動操作手段によって、前記第一オブジェクト表示欄から前記第二オブジェクト表示欄に移動させる操作が行われた場合に、
前記第一オブジェクト表示欄に残った前記オブジェクトのうち、前記第二オブジェクト表示欄に移動した前記他の一つのオブジェクトよりも下位にあった前記オブジェクトは、前記自動移動手段によって、優先順位が自動的に一つ繰り上げられることを特徴とするプライオリティジャッジング用装置。
【請求項2】
前記複数のオブジェクト表示欄には、
前記複数の選手における前記オブジェクトの初期位置であって、かつ、前記選手がノンプライオリティシチュエーションの状態である場合の前記オブジェクトを配置するための第三オブジェクト表示欄が含まれており、
前記第三オブジェクト表示欄に配置されている前記オブジェクトは、前記第一オブジェクト表示欄に配置されている前記オブジェクトよりも優先順位が高く設定されており、
前記第三オブジェクト表示欄からの前記オブジェクトの移動先は、前記第三オブジェクト表示欄に配置された前記オブジェクトが残り一つになるまでは前記第二オブジェクト表示欄であり、
前記第三オブジェクト表示欄に配置された前記オブジェクトが残り一つになった場合には、当該残り一つのオブジェクトは、前記自動移動手段によって、前記第一オブジェクト
表示欄のうち最も優先順位の高い位置に自動的に移動させられて配置されることを特徴とする請求項に記載のプライオリティジャッジング用装置。
【請求項3】
前記複数のオブジェクトの最大数は、前記優先順位の数と同一であり、
前記複数のオブジェクト表示欄は、前記優先順位ごとに領域分けされて、その領域に前記オブジェクトが配置可能とされ、
前記複数のオブジェクトが前記複数のオブジェクト表示欄におけるいずれかの前記領域に配置される場合に、同一の前記優先順位で重複しないように設定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のプライオリティジャッジング用装置。
【請求項4】
請求項1に記載のプライオリティジャッジング用装置と、
前記プライオリティジャッジング用装置と通信可能に接続されたプライオリティパネルと、を備えており、
前記プライオリティパネルは、プライオリティ掲示部を有し、
前記プライオリティ掲示部には、前記プライオリティジャッジング用装置の前記表示画面に表示されている前記複数の選手の前記優先順位の判定結果が反映されることを特徴とするプライオリティ表示システム。