(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024021971
(43)【公開日】2024-02-16
(54)【発明の名称】モータ制御ユニット
(51)【国際特許分類】
H05K 3/46 20060101AFI20240208BHJP
H05K 9/00 20060101ALI20240208BHJP
【FI】
H05K3/46 Z
H05K3/46 Q
H05K3/46 B
H05K3/46 N
H05K9/00 R
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022125205
(22)【出願日】2022-08-05
(71)【出願人】
【識別番号】000232302
【氏名又は名称】ニデック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100188673
【弁理士】
【氏名又は名称】成田 友紀
(74)【代理人】
【識別番号】100179833
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 将尚
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(72)【発明者】
【氏名】平塚 良秋
【テーマコード(参考)】
5E316
5E321
【Fターム(参考)】
5E316AA32
5E316AA38
5E316AA43
5E316BB02
5E316BB04
5E316BB07
5E316BB13
5E316CC09
5E316CC31
5E316CC32
5E316CC34
5E316CC37
5E316CC39
5E316EE01
5E316FF01
5E316GG15
5E316GG28
5E316HH01
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5E316JJ02
5E321AA14
5E321AA31
5E321BB25
5E321GG01
(57)【要約】 (修正有)
【課題】静電気に起因する放射ノイズの影響を抑制できるモータ制御ユニットを提供する。
【解決手段】モータ制御ユニット1は、第1の層41、第2の層42及び第3の層43を有する多層基板40と、多層基板に実装される第1の素子11及び第2の素子12と、を備える。第1の層には、金属箔からなる第1のグランドパターン51が設けられる。第2の層には、第1の素子と第2の素子とを繋ぐ信号ライン60の少なくとも一部を担う信号パターン61が設けられる。第3の層には、金属箔からなる第2のグランドパターン52が設けられる。多層基板は、厚さ方向に延びて第1のグランドパターンと第2のグランドパターンとを繋ぐ複数のグランドビア55を有する。複数のグランドビアは、厚さ方向から見て信号パターンを囲む。複数のグランドビアにおいて隣り合うグランドビア同士の距離は、静電気放射ノイズの波長の1/10未満である。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータを制御するモータ制御ユニットであって、
一方の面側から他方の面側に向かって厚さ方向に並ぶ第1の層、第2の層、および第3の層を有する多層基板と、
前記多層基板の一方の面に実装される第1の素子と、
前記多層基板の一方、又は他方の面に実装される第2の素子と、を備え、
前記第1の素子および前記第2の素子のうち、何れか一方が前記モータを制御する制御素子であり、他方が前記モータと他の機器との間の通信を行う通信素子であり、
前記第1の層には、金属箔からなる第1のグランドパターンが設けられ、
前記第2の層には、前記第1の素子と前記第2の素子とを繋ぐ信号ラインの少なくとも一部を担う信号パターンが設けられ、
前記第3の層には、金属箔からなる第2のグランドパターンが設けられ、
前記多層基板は、前記厚さ方向に延びて前記第1のグランドパターンと前記第2のグランドパターンとを繋ぐ複数のグランドビアを有し、
前記複数のグランドビアは、前記厚さ方向から見て前記信号パターンを囲み、
前記複数のグランドビアにおいて隣り合う前記グランドビア同士の距離は、静電気放射ノイズの波長の1/10未満である、
モータ制御ユニット。
【請求項2】
前記複数のグランドビアにおいて隣り合う前記グランドビア同士の距離は、3mm未満である、
請求項1に記載のモータ制御ユニット。
【請求項3】
前記複数のグランドビアにおいて隣り合う前記グランドビア同士の距離は、1.5mm未満である、
請求項1に記載のモータ制御ユニット。
【請求項4】
前記多層基板は、前記多層基板の一方の面から前記厚さ方向に延びて前記信号パターンに繋がる接続ビアを有し、
前記接続ビアには、前記多層基板の一方の面において前記第1の素子が接続され、
前記第1のグランドパターンには、前記接続ビアが通る孔部が設けられる、
請求項1に記載のモータ制御ユニット。
【請求項5】
前記孔部の大きさは、静電気放射ノイズの波長の1/10未満である、
請求項4に記載のモータ制御ユニット。
【請求項6】
前記第1の素子の少なくとも一部は、前記厚さ方向から見て、前記第1のグランドパターン、および前記第2のグランドパターンに重なる、
請求項4に記載のモータ制御ユニット。
【請求項7】
前記第1のグランドパターンおよび前記第2のグランドパターンの何れか一方の少なくとも一部は、前記厚さ方向から見て前記複数のグランドビアで囲まれる領域の外側に広がる、
請求項1に記載のモータ制御ユニット。
【請求項8】
前記厚さ方向から見て、前記第1のグランドパターンと前記第2のグランドパターンの形状が、互いに異なる、
請求項1に記載のモータ制御ユニット。
【請求項9】
前記信号パターンは、クロック信号を伝搬する、
請求項1に記載のモータ制御ユニット。
【請求項10】
前記信号パターンが伝播する信号の電圧は、3.3V以下である、
請求項1に記載のモータ制御ユニット。
【請求項11】
前記制御素子は、前記モータの情報を、前記通信素子を通じて前記他の機器に伝搬し、
前記通信素子は、前記他の機器の情報を、前記制御素子を通じて前記モータの駆動ユニットに伝搬する、
請求項1に記載のモータ制御ユニット。
【請求項12】
前記他の機器は、複数の他の制御ユニットを従えるマスタ制御ユニット、又は他の制御ユニットである、
請求項11に記載のモータ制御ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータ制御ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
精密機器では、ノイズの影響を低減するために様々な工夫がなされている。例えば特許文献1には、複数の導電体ポストと一対のシールド層とによって配線層を囲み、配線層に放射能ノイズが達することを抑制する多層配線板が開示されている。また、従来の精密機器では、静電気に起因するノイズとして伝導ノイズのみに着目しており、伝導ノイズを筐体に流すことで伝導ノイズが基板に達することを抑制していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年のモータ制御ユニットでは、省電力化のために素子の低電圧化が進んでいる。また、一方で、近年のモータ制御ユニットでは、高速処理化のためにクロック信号の高速化が進んでいる。このようなモータ制御ユニットでは、微弱かつ高周波の放射ノイズに対し影響を受けやすい傾向があり、従来問題とならなかった静電気の放射ノイズへの対策を検討する必要が生じている。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みて、静電気に起因する放射ノイズの影響を抑制できるモータ制御ユニットを提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のモータ制御ユニットの一つの態様は、モータを制御するモータ制御ユニットであって、一方の面側から他方の面側に向かって厚さ方向に並ぶ第1の層、第2の層、および第3の層を有する多層基板と、前記多層基板の一方の面に実装される第1の素子と、前記多層基板の一方、又は他方の面に実装される第2の素子と、を備える。前記第1の素子および前記第2の素子のうち、何れか一方が前記モータを制御する制御素子であり、他方が前記モータと他の機器との間の通信を行う通信素子である。前記第1の層には、金属箔からなる第1のグランドパターンが設けられる。前記第2の層には、前記第1の素子と前記第2の素子とを繋ぐ信号ラインの少なくとも一部を担う信号パターンが設けられる。前記第3の層には、金属箔からなる第2のグランドパターンが設けられる。前記多層基板は、前記厚さ方向に延びて前記第1のグランドパターンと前記第2のグランドパターンとを繋ぐ複数のグランドビアを有する。前記複数のグランドビアは、前記厚さ方向から見て前記信号パターンを囲む。前記複数のグランドビアにおいて隣り合う前記グランドビア同士の距離は、静電気放射ノイズの波長の1/10未満である。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一つの態様によれば、静電気に起因する放射ノイズの影響を抑制できるモータ制御ユニットを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、一実施形態のモータ制御ユニットの模式図である。
【
図2】
図2は、一実施形態の多層基板の断面模式図である。
【
図3】
図3は、一実施形態の多層基板の第2の層の平面図である。
【
図4】
図4は、
図2の部分拡大図であって、複数のグランドビアの配列状態を示す図である。
【
図5】
図5は、
図2の部分拡大図であって、第1孔部の周囲を示す図である。
【
図6】
図6は、
図2の部分拡大図であって、第2孔部の周囲を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明を適用した実施形態について詳細に説明する。
なお、以下の説明で用いる図面は、特徴部分を強調する目的で、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。また、同様の目的で、特徴とならない部分を省略して図示している場合がある。
【0010】
図1は、本実施形態のモータ制御ユニット1の模式図である。
本実施形態のモータ制御ユニット1は、ハイブリッド自動車(HEV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)、電気自動車(EV)などの車両に搭載され、当該車両を駆動するモータ85を制御する。
【0011】
モータ制御ユニット1は、車両全体の制御を行うマスタ制御ユニット90に接続される。マスタ制御ユニット90は、モータ制御ユニット1の他、複数の制御ユニット1A、1Bに接続される。すなわち、マスタ制御ユニット90は、複数の他の制御ユニット1A、1Bを従える。他の制御ユニット1A、1Bは、それぞれモータ、発電機などの他の装置を制御する。他の制御ユニット1A、1Bは、本実施形態のモータ制御ユニット1と同様の構成を有する。
【0012】
モータ制御ユニット1と他の制御ユニット1A、1Bとは、互いに接続される。マスタ制御ユニット90は、本実施形態のモータ制御ユニット1を介して他の制御ユニット1A、1Bと通信する。マスタ制御ユニット90は、モータ制御ユニット1、およびそれぞれの制御ユニット1A、1Bに指令を発する。モータ制御ユニット1は、マスタ制御ユニット90からの指令に応じてモータ85を制御する。同様に、他の制御ユニット1A、1Bは、マスタ制御ユニット90からの指令に応じてそれぞれが接続される装置を制御する。
【0013】
本実施形態のモータ制御ユニット1は、処理装置83とインバータ84とを介してモータ85に接続される。処理装置83およびインバータ84は、モータ85の駆動ユニット86を構成する。処理装置83は、例えば、汎用マイコンである。モータ制御ユニット1は、処理装置83に指令を送る。処理装置83は、モータ制御ユニット1からの指令に応じて、処理信号を生成し処理信号をインバータ84に送る。インバータ84は、処理装置83からの処理信号を基にモータ85に動作電圧を付与する。このように、モータ制御ユニット1は、処理装置83およびインバータ84を介してモータ85を制御する。
【0014】
モータ制御ユニット1は、多層基板40と、多層基板40に実装される第1の素子11、および第2の素子12と、多層基板40に接続される複数のコネクタ49Cと、筐体49と、を有する。
【0015】
筐体49は、多層基板40、第1の素子11、第2の素子12、処理装置83、およびインバータ84を収容する。また、筐体49は、コネクタ49Cを保持する。筐体49は、金属材料などの導電性材料からなる。筐体49は、一部が金属材料などの導電性材料からなり、その他の部分は非導電性材料からなってもよい。筐体49は、導電性材料によってコーティングされた非導電性材料からなってもよい。
【0016】
コネクタ49Cは、筐体49の内部において、多層基板40に接続される。また、コネクタ49Cは、筐体49の外部において他の機器から延びるケーブルに接続される。複数のコネクタ49Cは、それぞれモータ85、マスタ制御ユニット90、および他の制御ユニット1Aから延びるケーブルに接続される。
【0017】
コネクタ49Cの挿抜時などにおいて、コネクタ49Cの金属シェルなどの導電性の部位には静電気が印加される虞がある。本実施形態において、コネクタ49Cの導電性の部位と筐体49の導電性の部位との間には、導電性のガスケットなどが配置されている。これにより、コネクタ49Cに印加された静電気の伝導ノイズが、多層基板40に伝わることなく、筐体49に流れ、多層基板40の信頼性を高めることができる。なお、コネクタ49Cの導電性の部位と導電性の他の筐体との間に、導電性のガスケットなどが配置されてもよい。他の筐体は、筐体49を含むモータ制御ユニット1を収容する筐体であってもよく、コネクタ49Cが接続される他の機器の筐体であってもよい。これにより、コネクタ49Cに印加された静電気の伝導ノイズが、多層基板40に伝わることなく、他の筐体に流れ、多層基板40の信頼性を高めることができる。
【0018】
第1の素子11、および第2の素子12は、集積回路である。本実施形態において、第1の素子11は、モータ85と他の機器との間の通信を行う通信素子81であり、第2の素子12は、モータ85を制御する制御素子82である。なお、第1の素子11、および第2の素子12は、何れか一方が通信素子81であり、他方が制御素子82であればよい。
【0019】
制御素子82は、処理装置83に対してモータ85を制御するための信号を送る。また、制御素子82は、モータ85の情報を、通信素子81を通じて他の機器に伝搬する。通信素子81は、他の機器の情報を、制御素子82を通じてモータ85の駆動ユニット86に伝搬する。通信素子81が通信を行う他の機器とは、マスタ制御ユニット90、又は他の制御ユニット1A、1Bである。また、モータ85の情報とは、例えば、モータ85の温度、モータ85の駆動ユニット86の駆動状況等である。さらに、他の機器の情報とは、他のモータ85の情報や、マスタ制御ユニット90からの緊急停止の指令などである。本実施形態によれば、複数のモータ制御ユニット1、1A、1Bが通信素子81を介して互いに接続されているため、複数のモータ制御ユニット1、1A、1Bの間で同期ずれが生じ難く、相互の円滑な動作が可能となる。
【0020】
図2は、多層基板40の断面模式図である。
多層基板40は、複数の層を有する板状のリジッド基板である。多層基板40を構成する材料としては、エポキシ樹脂など公知のものが用いられる。以下の説明において、多層基板40の一方の面を第1面40aと呼び、他方の面を第2面40bと呼ぶ。第1面40aおよび第2面40bは、多層基板40の厚さ方向の互いに反対側を向く面である。
【0021】
本実施形態において、第1面40aには、第1の素子11が実装され、第2面40bには、第2の素子12が実装される。なお、第1の素子11、および第2の素子12は、多層基板40の同じ面に実装されていてもよい。すなわち、第1の素子11が多層基板40の一方の面に実装され、第2の素子12は、多層基板40の一方、又は他方の面に実装されていればよい。
【0022】
本実施形態の多層基板40は、複数のパターン層41、42、43と、複数の絶縁層40Eと、複数のグランドビア55と、複数の接続ビア63、64と、を有する。また、本実施形態の多層基板40の内部には、シールド領域Aが設けられる。シールド領域Aは、パターン層41、43の一部と複数のグランドビア55とによって囲まれ、特定の周波数以下の放射ノイズから遮蔽される領域である。
【0023】
本実施形態の多層基板40は、3層のパターン層41、42、43と、4層の絶縁層40Eと、を有する。パターン層41、42、43と絶縁層40Eとは、多層基板40の厚さ方向において交互に積層される。以下の説明において、複数のパターン層41、42、43を互いに区別する場合、これらをそれぞれ第1の層41、第2の層42、および第3の層43と呼ぶ。第1の層41、第2の層42、および第3の層43は、一方の面(第1面40a)側から他方の面(第2面40b)側に向かって厚さ方向に並ぶ。本実施形態において、第1の層41は、複数のパターン層41、42、43のうち、最も第1面40a側に位置する層である。第3の層43は、複数のパターン層41、42、43のうち、最も第2面40b側に位置する層である。第2の層42は、厚さ方向において、第1の層41と第3の層43との間に位置する。
【0024】
第1の層41には、金属箔からなる第1のグランドパターン51が設けられる。同様に、第3の層43には、金属箔からなる第2のグランドパターン52が設けられる。第1のグランドパターン51、および第2のグランドパターン52は、グランドに接続されている。なお、後述するように、第1のグランドパターン51と第2のグランドパターン52とは、グランドビア55を介して電気的に接続される。このため、第1のグランドパターン51および第2のグランドパターン52の何れか一方がグランドに接続されていれば、他方もグランドに接続される。
【0025】
第1のグランドパターン51、および第2のグランドパターン52は、多層基板40の厚さ方向からの放射ノイズを遮蔽するシールド層として機能する。多層基板40のシールド領域Aは、第1のグランドパターン51と第2のグランドパターン52との間に設けられる。
【0026】
第1のグランドパターン51、および第2のグランドパターン52を構成する金属材料としては、例えば、Ni、Pd、Pt、Li、Mg、Ca、Ag、Cu、Co、Alのような金属、これらを含む合金、ITO、FTO、SnO2、Al含有ZnOのような金属酸化物等が挙げられる。なお、これらの金属材料は、1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
【0027】
第2の層42には、信号パターン61が設けられる。信号パターン61は、第1のグランドパターン51、および第2のグランドパターン52と同種の金属材料から構成される。信号パターン61は、シールド領域Aに配置される。すなわち、信号パターン61は厚さ方向において、第1のグランドパターン51と第2のグランドパターン52とに挟まれる。
【0028】
信号パターン61には、複数の接続ビア63、64が接続される。信号パターン61は、接続ビア63、64を介して、第1の素子11、および第2の素子12に繋がる。信号パターン61、および接続ビア63、64は、第1の素子11と第2の素子12とを繋ぐ信号ライン60を構成する。すなわち、信号パターン61は、信号ライン60の少なくとも一部を担う。
【0029】
図3は、本実施形態の第2の層42の平面図である。
図3において、他のパターン層41、43、第1の素子11、および第2の素子12を二点鎖線によって示す。
本実施形態の多層基板40は、6個の信号パターン61を有する。6個の信号パターン61は、第2の層42が配置される平面内で並行して延びる。6個の信号パターン61は、隣り合う2個を一対として三対に分類される。対をなす2個の信号パターン61同士は、互いに近接して配置されている。
【0030】
信号パターン61は、一対の直線部61a、61bと、湾曲部61cと、を有する。一対の直線部61a、61bは、第2の層42が配置される平面内において直線状に延びる。本実施形態の一対の直線部61a、61bは、互いに直交する方向に延びる。一方の直線部61aの一端は第1接続ビア63に接続され、他方の直線部61bの一端は第2接続ビア64に接続される。湾曲部61cは、滑らかにカーブして直線部61a、61bの他端同士を繋ぐ。
なお、本実施形態の信号パターン61の本数、および形状は、あくまで一例であり、第2の層42内の他のパターンとの位置関係に応じて適当に設計される。
【0031】
図3に示すように多層基板40の厚さ方向から見て、複数の信号パターン61は、第1のグランドパターン51、および第2のグランドパターン52の外形の内側に配置される。多層基板40の厚さ方向から見て、第1のグランドパターン51と第2のグランドパターン52の形状は、互いに異なる。複数の信号パターン61は、第1のグランドパターン51と第2のグランドパターン52とが互いに重なる領域の内側に配置される。
【0032】
本実施形態では、第1のグランドパターン51の形状と第2のグランドパターン52の形状とが互いに異なっているため、第1の層41および第2の層42のパターン構成をそれぞれの必要に応じて最適に設計することができる。特に、本実施形態において、第2のグランドパターン52は、多層基板40の厚さ方向から見てシールド領域Aの外側に広がる。このように、第2のグランドパターン52をシールド領域Aよりも外側に広がるように設けることで、第2のグランドパターン52をシールド層としての利用以外にグランド層として使用するなど様々な用途で使用できる。なお、第2のグランドパターン52のみならず、第1のグランドパターン51についても、厚さ方向から見てシールド領域Aよりも外側に広がるように設けてもよい。すなわち、第1のグランドパターン51および第2のグランドパターン52の何れか一方の少なくとも一部が、多層基板40の厚さ方向から見て複数のグランドビア55で囲まれる領域(すなわち、シールド領域A)の外側に広がっていてもよい。
【0033】
また、本実施形態において、第1の素子11の少なくとも一部は、多層基板40の厚さ方向から見て、第1のグランドパターン51、および第2のグランドパターン52に重なる。上述したように、信号パターン61は、第1のグランドパターン51、および第2のグランドパターン52に重なる。このため、本実施形態によれば、第1接続ビア63を厚さ方向に直線状に延ばして、信号パターン61と第1の素子11とを接続させることができる。結果的に、信号パターン61から第1の素子11に至る信号ライン60の経路長を短くすることができる。
【0034】
同様に、第2の素子12の少なくとも一部は、多層基板40の厚さ方向から見て、第1のグランドパターン51、および第2のグランドパターン52に重なる。このため、第2接続ビア64を厚さ方向に直線状に延ばして、信号パターン61と第2の素子12とを接続させることができる。結果的に、信号パターン61から第2の素子12に至る信号ライン60の経路長を短くすることができる。
【0035】
図2に示すように、接続ビア63、64、およびグランドビア55は、多層基板40の厚さ方向に柱状に延びる。接続ビア63、64、およびグランドビア55は、平面視における形状が円形状で、かつその形状が厚さに沿って一定である。本実施形態において、接続ビア63、64とグランドビア55とは、平面視形状は互いに等しい。しかしながら、接続ビア63、64とグランドビア55とは、平面視形状が互いに異なっていてもよい。また、グランドビア55、および接続ビア63、64の平面視における形状は、円形状に限らず、例えば、楕円形状の他、四角形状、六角形状のような多角形状、星形状のような異形状としてもよい。また、グランドビア55、および接続ビア63、64は、多層基板40の厚さ方向に対して傾斜した状態で配置されてもよい。さらに、グランドビア55、および接続ビア63、64は、その平面視における形状が、高さ方向の途中で変化してもよい。
【0036】
接続ビア63、64、およびグランドビア55は、多層基板40の絶縁層40Eに孔部を設けて内周面に鍍金などで金属材料を充填することで形成できる。接続ビア63、64、およびグランドビア55は、異なるパターン層41、42、43に設けられるパターン同士を電気的に繋ぐ。接続ビア63、64、およびグランドビア55は、第1のグランドパターン51、第2のグランドパターン52、および信号パターン61を構成する金属材料と同種の金属材料から構成される。
【0037】
複数の接続ビア63、64は、第1接続ビア63と第2接続ビア64とを含む。第1接続ビア63および第2接続ビア64は、それぞれ信号パターン61と同数(本実施形態では6個)だけ多層基板40に設けられる。
【0038】
第1接続ビア63は、多層基板40の第1面40aから厚さ方向に延びて信号パターン61に繋がる。第1接続ビア63には、多層基板40の第1面40aにおいて第1の素子11が接続される。第2接続ビア64は、第1接続ビア63は、多層基板40の一方の面(第1面40a)から厚さ方向に延びて信号パターン61に繋がる。第2接続ビア64には、多層基板40の第2面40bにおいて第2の素子12が接続される。
【0039】
第1接続ビア63は、第1の層41と、第1の層41を厚さ方向の両側から挟む一対の絶縁層40Eと、を厚さ方向に貫通する。第1の層41には、厚さ方向からみて信号パターン61を包含する第1のグランドパターン51が設けられる。第1のグランドパターン51には、第1接続ビア63が通る第1孔部(孔部)51aが設けられる。第1孔部51aが設けられることにより、第1接続ビア63を厚さ方向に延ばして信号パターン61と第1の素子11とを最短距離で繋いでも、第1接続ビア63が第1のグランドパターン51と導通することが抑制される。
【0040】
第2接続ビア64は、第3の層43と、第3の層43を厚さ方向の両側から挟む一対の絶縁層40Eと、を厚さ方向に貫通する。第3の層43には、厚さ方向からみて信号パターン61を包含する第2のグランドパターン52が設けられる。第2のグランドパターン52には、第2接続ビア64が通る第2孔部(孔部)52aが設けられる。第2孔部52aが設けられることにより、第2接続ビア64を厚さ方向に延ばして信号パターン61と第2の素子12とを最短距離で繋いでも、第2接続ビア64が第2のグランドパターン52と導通することが抑制される。
【0041】
図3に示すように、第1のグランドパターン51には、6個の第1孔部51aが設けられる。1個の第1孔部51aには、1個の第1接続ビア63が配置される。
【0042】
一方で、第2のグランドパターン52には、3個の第2孔部52aが設けられる。1個の第2孔部52aには、2個の第2接続ビア64が配置される。1個の第2孔部52a内に配置される2個の第2接続ビア64は、対をなす2個の信号パターン61に接続される。本実施形態において、対をなす2個の信号パターン61に接続される2個の第2接続ビア64同士の距離は、同じく対をなす2個の信号パターン61に接続される2個の第1接続ビア63同士の距離よりも近い。このため、2個の第2接続ビア64同士を異なる第2孔部52a内に配置しようとすると、微細な第2孔部52aの成形が必要となり製造コストの増大が懸念される。本実施形態では、近接する2個の第2接続ビア64を1つの第2孔部52a内に配置することで多層基板40を安価に製造できる。
【0043】
なお、第1の素子11および第2の素子12が、多層基板40の同じ面に実装される場合、第1孔部51aおよび第2孔部52aは、同じグランドパターンに設けられる。例えば、第1の素子11と第2の素子12とが、ともに多層基板40の第1面40aに実装される場合、第1接続ビア63および第2接続ビア64は、ともに信号パターン61から第1面40a側に延びる。さらに、第1のグランドパターン51には、第1接続ビア63が通る第1孔部51aに加えて、第2接続ビア64が通る第2孔部52aが設けられる。
【0044】
図2に示すように、グランドビア55は、厚さ方向に延びて第1のグランドパターン51と第2のグランドパターン52とを繋ぐ。上述したように、第1のグランドパターン51又は第2のグランドパターン52の少なくとも一方は、グランドに接続されるため、グランドビア55もグランドに接続される。
【0045】
図3に示すように、複数のグランドビア55は、列状に配置される。多層基板40の厚さ方向から見て、グランドビア55は、所定の領域(シールド領域A)を囲む。また、複数のグランドビア55で囲まれる領域(シールド領域A)の内側には、信号パターン61が配置される。すなわち、複数のグランドビア55は、多層基板40の厚さ方向から見て信号パターン61を囲む。
【0046】
本実施形態によれば、多層基板40の内部には、第1のグランドパターン51、および第2のグランドパターン52に挟まれ、複数のグランドビア55によって囲まれることで放射ノイズを遮蔽するシールド領域Aが設けられる。また、シールド領域Aの内部に第1の素子11と第2の素子12との間の信号ライン60の一部を担う信号パターン61が配置される。このため、第1の素子11と第2の素子12との間の通信が、放射ノイズの影響を受けることを抑制できる。
【0047】
図4は、
図2の部分拡大図であって、複数のグランドビア55の配列状態を示す図である。
複数のグランドビア55において隣り合うグランドビア55同士の距離をビア間距離dと呼ぶ。ビア間距離dは、互いに隣り合うグランドビア55同士が最も近接する部分の距離である。すなわち、ビア間距離dは、互いに隣り合うグランドビア55同士の間の隙間の大きさである。ビア間距離dを適切に設置することによって、シールド領域A内への侵入を抑制する放射ノイズの周波数を適切に設定できる。
【0048】
近年のモータ制御ユニットは、駆動電圧の低電圧化およびクロック信号の高速化に伴い、高周波かつ低電圧の放射ノイズに対し敏感に反応しやすい。このことから本発明者らは、信号パターン61での通信が、高周波かつ微弱な静電気放射ノイズに対しても影響を受け得るという知見を得た。本実施形態の複数のグランドビア55は、静電気放射ノイズのような高周波の放射ノイズに対しても高い遮蔽性が求められる。
【0049】
本実施形態の複数のグランドビア55は、ビア間距離dを静電気放射ノイズの波長の1/10未満とすることが好ましい。ビア間距離dを静電気放射ノイズの波長の1/10未満である場合、放射ノイズが、グランドビア55同士の間を透過する事ができず、グランドビア55からグランドに向かって流れる。これにより、静電気放射ノイズを複数のグランドビア55によって遮蔽することができ、静電気放射ノイズが信号パターン61における通信に影響を及ぼすことを抑制できる。
【0050】
また、本実施形態では、信号パターン61が繋がる第1の素子11および第2の素子12の少なくとも一方が、他の機器(例えば、マスタ制御ユニット90、又は他の制御ユニット1A、1B)との間の通信を行う。このため、本実施形態では静電気放射ノイズが信号パターン61に影響を及ぼすことを抑制できるため、モータ制御ユニット1に制御されるモータ85のみならず、他の機器の駆動の動作の信頼性も高めることができる。
【0051】
なお、ここで、全てのグランドビア55について互いに隣り合うグランドビア55の間のビア間距離dは、必ずしも等しくなくてもよい。このような場合であっても、全てのビア間距離dが静電気放射ノイズの波長の1/10未満であれば、シールド領域Aに対し静電気放射ノイズを遮蔽できる。
【0052】
光のスピードを「C(m/s)」、遮蔽すべきノイズの周波数を「f(Hz:1/s)」、波長を「λ(m)」とすると、これらは、式:λ=C/fで表される関係を満足する。静電気放射ノイズの放射ノイズの周波数は、約10GHzである。このため、上記式から、静電気放射ノイズの波長λは、約30mmである。ビア間距離d<λ/10から、ビア間距離dは、3mm未満であることが好ましい。
【0053】
また、より高周波数帯の静電気放射ノイズまで対応するために、20GHz(波長λは約15mm)の静電気放射ノイズに対応するために、ビア間距離dを1.5mm未満とすることがより好ましい。さらに、50GHZ(波長λは6mm)の静電気放射ノイズに対応するために、ビア間距離dを0.6mm未満とすることがさらに好ましい。
【0054】
本実施形態において、複数の信号パターン61は、データ信号を伝搬してデータの通信を行う信号パターン61と、クロック信号を伝搬する信号パターン61とを含んでいる。すなわち、少なくとも1つの信号パターン61は、クロック信号を伝搬する。本実施形態によれば、クロック信号を伝搬する信号パターン61をシールドして放射ノイズからの影響を抑制することで、第1の素子11と第2の素子12との間で高速通信を行う場合の通信エラーを抑制できる。なお、通信素子81のクロック周波数は、100MHz以上である場合に静電気放射能ノイズの影響を受け易くなり、500MHz以上である場合に影響が大きくなり、1GHz以上である場合では静電気放射ノイズの影響が顕著になる。
【0055】
さらに、本実施形態において、信号パターン61が伝播する信号の電圧は、3.3V以下である。3.3V以下の低電圧の信号を用いることで消費電力を抑制できる一方で、静電気放射ノイズの影響を受けやすい。本実施形態によれば、信号パターン61をシールド領域Aに配置することで、信号の電圧を低電圧としても静電気放射ノイズに対する通信の信頼性を付与できる。なお、本実施形態によれば、信号パターン61が伝搬する信号の電圧は、1.5V以下であってもよい。
【0056】
図5は、
図2の部分拡大図であって、第1孔部51aの周囲を示す図である。
図5に示すように、本実施形態の第1孔部51aは、多層基板40の厚さ方向から見て丸孔状である。第1孔部51aの内側面のうち、最も離れた箇所同士の距離を第1孔部51aの大きさD1とする。本実施形態において、第1孔部51aの大きさD1は、第1孔部51aの直径である。
【0057】
図6は、
図2の部分拡大図であって、第2孔部52aの周囲を示す図である。
図6に示すように、本実施形態の第2孔部52aは、多層基板40の厚さ方向から見て長孔状である。第2孔部52aの内側面のうち、最も離れた箇所同士の距離を第2孔部52aの大きさD2とする。本実施形態において、第2孔部52aの大きさD2は、第2孔部52aの長手方向の長さである。
【0058】
第1孔部51aの大きさD1、および第2孔部52aの大きさD2を十分に小さくすることで、シールド領域A内への放射ノイズの侵入を抑制できる。上述したように、本実施形態では、第1のグランドパターン51、および第2のグランドパターン52は、静電気放射ノイズのような高周波の放射ノイズに対しても高い遮蔽性が求められる。このため、第1孔部51aの大きさD1、および第2孔部52aの大きさD2は、静電気放射ノイズの波長の1/10未満であることが好ましい。第1孔部51a、および第2孔部52aの大きさD1、D2が静電気放射ノイズの波長の1/10未満である場合、放射ノイズが、第1孔部51a、および第2孔部52aを透過する事ができず、第1のグランドパターン51、又は第2のグランドパターン52からグランドに向かって流れる。これにより、静電気放射ノイズを第1のグランドパターン51、および第2のグランドパターン52によって確実に遮蔽することができ、静電気放射ノイズが信号パターン61における通信に影響を及ぼすことを抑制できる。
【0059】
静電気放射ノイズの放射ノイズの周波数を約10GHzとする場合、第1孔部51a、および第2孔部52aの大きさD1、D2は、3mm未満であることが好ましい。また、より高周波数帯の静電気放射ノイズまで対応するために、20GHz(波長λは約15mm)の静電気放射ノイズに対応するために、第1孔部51a、および第2孔部52aの大きさD1、D2を1.5mm未満とすることがより好ましい。さらに、50GHZ(波長λは6mm)の静電気放射ノイズに対応するために、第1孔部51a、および第2孔部52aの大きさD1、D2を0.6mm未満とすることがさらに好ましい。
【0060】
以上に、本発明の実施形態を説明したが、各実施形態における各構成およびそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換およびその他の変更が可能である。また、本発明は実施形態によって限定されることはない。
【0061】
例えば、多層基板40の積層数は、本実施形態に限定されない。すなわち、多層基板40は、第1の層41、第2の層42、および第3の層43の他に、パターン層を有していてもよい。また、モータ85の駆動対象は、特に限定されない。モータ制御ユニット1は、必ずしも車両に搭載されなくてもよい。
【0062】
なお、本技術は以下のような構成をとることが可能である。
(1) モータを制御するモータ制御ユニットであって、一方の面側から他方の面側に向かって厚さ方向に並ぶ第1の層、第2の層、および第3の層を有する多層基板と、前記多層基板の一方の面に実装される第1の素子と、前記多層基板の一方、又は他方の面に実装される第2の素子と、を備え、前記第1の素子および前記第2の素子のうち、何れか一方が前記モータを制御する制御素子であり、他方が前記モータと他の機器との間の通信を行う通信素子であり、前記第1の層には、金属箔からなる第1のグランドパターンが設けられ、前記第2の層には、前記第1の素子と前記第2の素子とを繋ぐ信号ラインの少なくとも一部を担う信号パターンが設けられ、前記第3の層には、金属箔からなる第2のグランドパターンが設けられ、前記多層基板は、前記厚さ方向に延びて前記第1のグランドパターンと前記第2のグランドパターンとを繋ぐ複数のグランドビアを有し、前記複数のグランドビアは、前記厚さ方向から見て前記信号パターンを囲み、前記複数のグランドビアにおいて隣り合う前記グランドビア同士の距離は、静電気放射ノイズの波長の1/10未満である、モータ制御ユニット。
(2) 前記複数のグランドビアにおいて隣り合う前記グランドビア同士の距離は、3mm未満である、(1)に記載のモータ制御ユニット。
(3) 前記複数のグランドビアにおいて隣り合う前記グランドビア同士の距離は、1.5mm未満である、(1)に記載のモータ制御ユニット。
(4) 前記多層基板は、前記多層基板の一方の面から前記厚さ方向に延びて前記信号パターンに繋がる接続ビアを有し、前記接続ビアには、前記多層基板の一方の面において前記第1の素子が接続され、前記第1のグランドパターンには、前記接続ビアが通る孔部が設けられる、(1)~(3)何れか一項に記載のモータ制御ユニット。
(5) 前記孔部の大きさは、静電気放射ノイズの波長の1/10未満である、(4)に記載のモータ制御ユニット。
(6) 前記第1の素子の少なくとも一部は、前記厚さ方向から見て、前記第1のグランドパターン、および前記第2のグランドパターンに重なる、(4)又は(5)に記載のモータ制御ユニット。
(7) 前記第1のグランドパターンおよび前記第2のグランドパターンの何れか一方の少なくとも一部は、前記厚さ方向から見て前記複数のグランドビアで囲まれる領域の外側に広がる、(1)~(6)の何れか一項に記載のモータ制御ユニット。
(8) 前記厚さ方向から見て、前記第1のグランドパターンと前記第2のグランドパターンの形状が、互いに異なる、(1)~(7)の何れか一項に記載のモータ制御ユニット。
(9) 前記信号パターンは、クロック信号を伝搬する、(1)~(8)の何れか一項に記載のモータ制御ユニット。
(10) 前記信号パターンが伝播する信号の電圧は、3.3V以下である、(1)~(9)の何れか一項に記載のモータ制御ユニット。
(11) 前記制御素子は、前記モータの情報を、前記通信素子を通じて前記他の機器に伝搬し、前記通信素子は、前記他の機器の情報を、前記制御素子を通じて前記モータの駆動ユニットに伝搬する、(1)~(10)の何れか一項に記載のモータ制御ユニット。
(12) 前記他の機器は、複数の他の制御ユニットを従えるマスタ制御ユニット、又は他の制御ユニットである、(11)に記載のモータ制御ユニット。
【符号の説明】
【0063】
1…モータ制御ユニット、1A,1B…制御ユニット、11…第1の素子、12…第2の素子、40…多層基板、41…第1の層、42…第2の層、43…第3の層、51…第1のグランドパターン、51a…第1孔部(孔部)、52…第2のグランドパターン、52a…第2孔部(孔部)、55…グランドビア、60…信号ライン、61…信号パターン、63…接続ビア、81…通信素子、82…制御素子、85…モータ、86…駆動ユニット、90…マスタ制御ユニット、D1,D2…大きさ、λ…波長