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特開2024-21973情報処理装置、端末の制御方法、端末の制御プログラム、および記録媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024021973
(43)【公開日】2024-02-16
(54)【発明の名称】情報処理装置、端末の制御方法、端末の制御プログラム、および記録媒体
(51)【国際特許分類】
   G08B 21/02 20060101AFI20240208BHJP
   G08B 25/04 20060101ALI20240208BHJP
【FI】
G08B21/02
G08B25/04 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022125210
(22)【出願日】2022-08-05
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(74)【代理人】
【識別番号】100154852
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 太一
(74)【代理人】
【識別番号】100194087
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 伸一
(72)【発明者】
【氏名】藤井 智士
(72)【発明者】
【氏名】甘利 友也
(72)【発明者】
【氏名】楠戸 淳也
(72)【発明者】
【氏名】菊池 紗
【テーマコード(参考)】
5C086
5C087
【Fターム(参考)】
5C086AA22
5C086AA53
5C086CA06
5C086CA21
5C086CA25
5C086EA40
5C086EA45
5C086FA04
5C086FA12
5C086FA18
5C087AA12
5C087AA21
5C087AA37
5C087AA44
5C087AA51
5C087DD03
5C087EE14
5C087FF01
5C087FF02
5C087GG08
5C087GG09
5C087GG66
5C087GG84
(57)【要約】
【課題】学校等の施設において報知部の動作を低減できる情報処理装置等を提供する。
【解決手段】移動者によって携帯される端末を制御する制御部を備える情報処理装置であって、前記端末は、現在位置を取得する位置取得部と、前記位置取得部が取得した現在位置が、第1設定位置と所定の地理的関係にあるときに、前記移動者に対して報知する報知部、および、周辺の物体を検出する検出部が、接近する物体を検出したときに、前記移動者に対して報知する報知部の少なくともいずれか一方と、を有し、前記制御部は、前記報知部が前記移動者に対して第1報知度合いで報知する第1状態と、前記位置取得部が取得した現在位置が、第2設定位置と所定の地理的関係にあるときに、前記報知部が前記移動者に対して前記第1報知度合いよりも小さい第2報知度合いで報知する第2状態とに切り替える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動者によって携帯される端末を制御する制御部を備える情報処理装置であって、
前記端末は、
現在位置を取得する位置取得部と、
前記位置取得部が取得した現在位置が、事前に設定された地理的位置である第1設定位置と所定の地理的関係にあるときに、前記移動者に対して報知する報知部、および、周辺の物体を検出する検出部が、接近する物体を検出したときに、前記移動者に対して報知する報知部の少なくともいずれか一方と、を有し、
前記制御部は、前記報知部が前記移動者に対して第1報知度合いで報知する第1状態と、前記位置取得部が取得した現在位置が、事前に設定された地理的位置である第2設定位置と所定の地理的関係にあるときに、前記報知部が前記移動者に対して前記第1報知度合いよりも小さい第2報知度合いで報知する第2状態とに切り替える、
情報処理装置。
【請求項2】
前記第2報知度合いは、前記報知部が前記移動者に対して報知を行わない、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第2状態において、前記制御部は、
前記位置取得部が取得した前記現在位置が動いていない状態から動いている状態に変化したことを取得したときに、または、
前記端末の運動を取得する運動取得部が、前記端末が動いていない状態から動いている状態に変化したことを取得したときに、
前記端末の外部から視認可能に設けられた発光部を第1発光度合いで発光させる、
請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記第1状態において、前記制御部は、前記発光部を前記第1発光度合いよりも大きい第2発光度合いで発光させる、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記第1発光度合いは、前記第2発光度合いよりも発光の強度が強い、
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記第1発光度合いは、前記第2発光度合いよりも発光の頻度が高い、
請求項4または5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記発光部は、動物またはキャラクターの目を模した形状に発光するように構成されている、
請求項3から6のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記第2状態において、前記制御部は、前記現在位置が、前記第2設定位置と前記所定の地理的関係になくなったときに、前記報知部を前記第1状態に切り替える、
請求項1から7のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記第1状態または前記第2状態において、前記制御部は、
所定の経過時間の間、前記位置取得部が取得した前記現在位置が動いていることを取得しないときに、または、
所定の経過時間の間、前記端末の運動を取得する運動取得部が、前記端末が動いていることを取得しないときに、
前記端末を、前記位置取得部または前記検出部の動作を低減するまたは休止する第3状態に切り替える、
請求項1から8のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記第2状態における前記所定の経過時間は、前記第1状態における前記所定の経過時間よりも短い、
請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記第1設定位置は、前記移動者によって所定動作がなされるよう事前に設定された地理的位置である、
請求項1から10のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記所定動作は、前記移動者の交通の安全を高める動作である、
請求項11に記載の情報処理装置。
【請求項13】
移動者によって携帯される端末の制御方法であって、
現在位置を取得するステップと、
前記現在位置が、事前に設定された地理的位置である第1設定位置と所定の地理的関係にあるときに、前記移動者に対して報知するステップ、および、周辺の物体を検出する検出部が、接近する物体を検出したときに、前記移動者に対して報知するステップ、の少なくともいずれか一方のステップと、
現在位置を取得するステップと、
前記移動者に対して第1報知度合いで報知する第1状態と、前記現在位置が、事前に設定された地理的位置である第2設定位置と所定の地理的関係にあるときに、前記移動者に対して前記第1報知度合いよりも小さい第2報知度合いで報知する第2状態と、を切り替えるステップと、を含む、
端末の制御方法。
【請求項14】
移動者によって携帯される端末の制御プログラムであって、
前記端末に設けられるコンピュータに、
現在位置を取得するステップと、
前記現在位置が、事前に設定された地理的位置である第1設定位置と所定の地理的関係にあるときに、前記移動者に対して報知するステップ、および、周辺の物体を検出する検出部が、接近する物体を検出したときに、前記移動者に対して報知するステップ、の少なくともいずれか一方のステップと、
現在位置を取得するステップと、
前記移動者に対して第1報知度合いで報知する第1状態と、前記現在位置が、事前に設定された地理的位置である第2設定位置と所定の地理的関係にあるときに、前記移動者に対して前記第1報知度合いよりも小さい第2報知度合いで報知する第2状態と、を切り替えるステップと、を実行させる、
端末の制御プログラム。
【請求項15】
請求項14に記載の端末の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、端末の制御方法、端末の制御プログラム、および記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
児童の交通事故を防止するには、例えば、児童が交差点等の安全確認が必要な地点(安全確認地点)に近づいたときに、安全確認のための一時停止を行わせる等の交通安全教育が極めて重要になる。以下の特許文献1には、端末を携帯する児童が、事前に設定された地点に近づいたときに、端末に設けられた報知部(バイブレータまたはスピーカ)によってその旨を報知することで、児童に対する交通安全教育を補助するシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2020/203605号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、児童が学校等の施設にいる場合に報知部(バイブレータまたはスピーカ)が作動すると、授業の妨げになる等の問題が生じる可能性がある。
【0005】
本発明は上記事情を鑑みてなされたものであり、学校等の施設において報知部の動作を低減できる情報処理装置、端末の制御方法、端末の制御プログラム、および記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る情報処理装置、端末の制御方法、端末の制御プログラム、および記録媒体は、以下の構成を採用した。
(1):この発明の一態様に係る情報処理装置は、移動者によって携帯される端末を制御する制御部を備える情報処理装置であって、前記端末は、現在位置を取得する位置取得部と、前記位置取得部が取得した現在位置が、事前に設定された地理的位置である第1設定位置と所定の地理的関係にあるときに、前記移動者に対して報知する報知部、および、周辺の物体を検出する検出部が、接近する物体を検出したときに、前記移動者に対して報知する報知部の少なくともいずれか一方と、を有し、前記制御部は、前記報知部が前記移動者に対して第1報知度合いで報知する第1状態と、前記位置取得部が取得した現在位置が、事前に設定された地理的位置である第2設定位置と所定の地理的関係にあるときに、前記報知部が前記移動者に対して前記第1報知度合いよりも小さい第2報知度合いで報知する第2状態とに切り替えるものである。
【0007】
(2):上記(1)の態様において、前記第2報知度合いは、前記報知部が前記移動者に対して報知を行わないものである。
【0008】
(3):上記(1)または(2)の態様において、前記第2状態において、前記制御部は、前記位置取得部が取得した前記現在位置が動いていない状態から動いている状態に変化したことを取得したときに、または、前記端末の運動を取得する運動取得部が、前記端末が動いていない状態から動いている状態に変化したことを取得したときに、前記端末の外部から視認可能に設けられた発光部を第1発光度合いで発光させるものである。
【0009】
(4):上記(3)の態様において、前記第1状態において、前記制御部は、前記発光部を前記第1発光度合いよりも大きい第2発光度合いで発光させるものである。
【0010】
(5):上記(4)の態様において、前記第1発光度合いは、前記第2発光度合いよりも発光の強度が強いものである。
【0011】
(6):上記(4)または(5)の態様において、前記第1発光度合いは、前記第2発光度合いよりも発光の頻度が高いものである。
【0012】
(7):上記(3)から(6)のいずれか一つの態様において、前記発光部は、動物またはキャラクターの目を模した形状に発光するように構成されているものである。
【0013】
(8):上記(1)から(7)のいずれか一つの態様において、前記第2状態において、前記制御部は、前記現在位置が、前記第2設定位置と前記所定の地理的関係になくなったときに、前記報知部を前記第1状態に切り替えるものである。
【0014】
(9):上記(1)から(8)のいずれか一つの態様において、前記第1状態または前記第2状態において、前記制御部は、所定の経過時間の間、前記位置取得部が取得した前記現在位置が動いていることを取得しないときに、または、所定の経過時間の間、前記端末の運動を取得する運動取得部が、前記端末が動いていることを取得しないときに、前記端末を、前記位置取得部または前記検出部の動作を低減するまたは休止する第3状態に切り替えるものである。
【0015】
(10):上記(9)の態様において、前記第2状態における前記所定の経過時間は、前記第1状態における前記所定の経過時間よりも短いものである。
【0016】
(11):上記(1)から(10)のいずれか一つの態様において、前記第1設定位置は、前記移動者によって所定動作がなされるよう事前に設定された地理的位置であるものである。
【0017】
(12):上記(11)の態様において、前記所定動作は、前記移動者の交通の安全を高める動作であるものである。
【0018】
(13):この発明の一態様に係る端末の制御方法は、移動者によって携帯される端末の制御方法であって、現在位置を取得するステップと、前記現在位置が、事前に設定された地理的位置である第1設定位置と所定の地理的関係にあるときに、前記移動者に対して報知するステップ、および、周辺の物体を検出する検出部が、接近する物体を検出したときに、前記移動者に対して報知するステップ、の少なくともいずれか一方のステップと、現在位置を取得するステップと、前記移動者に対して第1報知度合いで報知する第1状態と、前記現在位置が、事前に設定された地理的位置である第2設定位置と所定の地理的関係にあるときに、前記移動者に対して前記第1報知度合いよりも小さい第2報知度合いで報知する第2状態と、を切り替えるステップと、を含むものである。
【0019】
(14):この発明の一態様に係る端末の制御プログラムは、移動者によって携帯される端末の制御プログラムであって、前記端末に設けられるコンピュータに、現在位置を取得するステップと、前記現在位置が、事前に設定された地理的位置である第1設定位置と所定の地理的関係にあるときに、前記移動者に対して報知するステップ、および、周辺の物体を検出する検出部が、接近する物体を検出したときに、前記移動者に対して報知するステップ、の少なくともいずれか一方のステップと、現在位置を取得するステップと、前記移動者に対して第1報知度合いで報知する第1状態と、前記現在位置が、事前に設定された地理的位置である第2設定位置と所定の地理的関係にあるときに、前記移動者に対して前記第1報知度合いよりも小さい第2報知度合いで報知する第2状態と、を切り替えるステップと、を実行させるものである。
【0020】
(15):この発明の一態様に係る記録媒体は、上記(14)の態様における端末の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【発明の効果】
【0021】
(1)、(13)~(15)の態様によれば、学校等の施設において、報知部の動作を低減できる。
(2)の態様によれば、学校等の施設において、報知部の動作を無効化できる。
(3)の態様によれば、位置取得部が取得した現在位置または端末が動き出したときに、発光部を第1発光度合いで発光させることができる。
(4)の態様によれば、報知部が移動者に対して第1報知度合いで報知する第1状態において、発光部を第1発光度合いよりも大きい第2発光度合いで発光させることができる。
(5)の態様によれば、第1状態において、発光部を第1発光度合いよりも発光の強度が強い第2発光度合いで発光させることができる。
(6)の態様によれば、第1状態において、発光部を第1発光度合いよりも発光の頻度が高い第2発光度合いで発光させることができる。
(7)の態様によれば、端末の意匠性を高めることができる。
(8)の態様によれば、児童が学校等の施設から出発した際に、報知部による移動者に対する報知を再開することができる。
(9)の態様によれば、端末の消費電力を抑えることができる。
(10)の態様によれば、学校等の施設において、端末の消費電力をより確実に抑えることができる。
(11)の態様によれば、移動者によって所定動作がなされるように事前に設定された地理的位置と現在位置とが所定の地理的関係にあるときに、その旨を移動者に報知することができる。
(12)の態様によれば、交通の安全が図られ交通事故を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の実施形態に係る報知システムの全体構成を示すブロック図である。
図2】本発明の実施形態に係る子端末の要部構成を示すブロック図である。
図3】本発明の実施形態に係る子端末が取り得る状態を示す図である。
図4】本発明の実施形態に係る子端末の状態の切り替わりを示す図である。
図5】本発明の実施形態に係る親端末の要部構成を示すブロック図である。
図6】本発明の実施形態に係る位置取得部が取得した子端末の現在位置が、第2設定位置と所定の地理的関係にある様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照し、本発明の情報処理装置、端末の制御方法、端末の制御プログラム、および記録媒体について説明する。
【0024】
<報知システム>
図1は、本発明の実施形態に係る報知システムの全体構成を示すブロック図である。図1に示す通り、本実施形態に係る報知システムNSは、子端末1、親端末2、およびサーバ3を備える。子端末1、親端末2、およびサーバ3は、ネットワークNを介して相互に接続されている。ネットワークNは、例えば、移動体通信網である。移動体通信網は、例えば、第4世代移動体通信網または第5世代移動体通信網等である。なお、ネットワークNは、基地局等を備える。
【0025】
子端末1は、見守り対象である移動者(例えば、子供等の児童)が携帯する端末である。子端末1は、通信機能を備えるロボットであり、例えば、ランドセルの肩ベルト等に取り付けられて用いられる。子端末1は、子端末1で得られた各種情報(例えば、子端末1の位置を示す位置情報)を、ネットワークNを介してサーバ3へ送信する。子端末1は、サーバ3が送信した各種情報(例えば、子端末1を携帯する移動者によって所定動作がなされるよう事前に設定された地理的位置である第1設定位置PT1を示す第1設定位置情報SP1、事前に設定された地理的位置である第2設定位置PT2を示す第2設定位置情報SP2)を、ネットワークNを介して受信する。本実施形態における子端末1は、本発明の情報処理装置および端末に相当するものである。なお、子端末1の詳細については後述する。
【0026】
親端末2は見守り対象である移動者(例えば、子供等の児童)の保護者が所持する端末である。親端末2は、例えば、スマートフォン、タブレット、またはスマートウォッチ等である。親端末2は、親端末2に入力された指示に応じた各種情報を、ネットワークNを介してサーバ3へ送信する。親端末2からサーバ3へ送信される情報としては、例えば、上記の第1設定位置情報SP1および第2設定位置情報SP2が挙げられる。サーバ3から親端末2へ送信される情報としては、例えば、子端末1の位置に関する子端末位置情報等が挙げられる。なお、親端末2の詳細については後述する。
【0027】
サーバ3は、子端末1と親端末2とを関連付けて、子端末1を携帯する移動者の交通安全教育を補助する。例えば、サーバ3は、子端末1から送信されてきた位置情報と地図情報とを用いて、子端末1を携帯する移動者の移動軌跡を生成し、地図情報に移動軌跡を合わせた情報を子端末位置情報として生成する。サーバ3は、生成した子端末位置情報を親端末2に送信する。
【0028】
サーバ3は、通信部31、制御部32、および記憶部33を備える。
【0029】
通信部31は、子端末1からネットワークNを介して送信されてきた各種情報(例えば、位置情報)を受信して制御部32に出力する。通信部31は、親端末2からネットワークNを介して送信されてきた各種情報(例えば、第1設定位置情報SP1、第2設定位置情報SP2)を受信して制御部32に出力する。通信部31は、制御部32から出力される情報(例えば、第1設定位置情報SP1、第2設定位置情報SP2)を、ネットワークNを介して子端末1に送信する。通信部31は、制御部32から出力される情報(例えば、子端末位置情報)を、ネットワークNを介して親端末2に送信する。
【0030】
制御部32は、サーバ3の動作を統括して制御する。具体的に、制御部32は、通信部31から出力される情報(子端末1および親端末2から受信した各種情報)を記憶部33に記憶させる。また、制御部32は、親端末2から受信した指示情報で示される指示に応じた制御または処理を行う。例えば、制御部32は、上記の指示が、第1設定位置PT1(子端末1を携帯する移動者によって所定動作がなされるよう事前に設定された地理的位置)を子端末1に設定する旨を示す指示である場合には、通信部31を制御して、記憶部33から読みだした第1設定位置情報SP1を子端末1に送信させる。また、制御部32は、上記の指示が、第2設定位置PT2(事前に設定された地理的位置)を親端末2に設定する旨を示す指示である場合には、通信部31を制御して、記憶部33から読みだした第2設定位置情報SP2を子端末1に送信させる。
【0031】
また、制御部32は、上記の指示が、子端末位置情報を要求する旨を示す指示である場合には、記憶部33に記憶されている位置情報と地図情報とを用いて子端末位置情報を生成し、通信部31を制御して親端末2に送信させる。
【0032】
また、制御部32は、電話番号または識別情報に基づいて、移動者が携帯する子端末1と保護者が所持する親端末2とを関連付けて記憶部33に記憶させる。これにより、サーバ3は、複数組の子端末1および親端末2に対して処理を行う。
【0033】
記憶部33は、子端末1および親端末2から受信した各種情報を記憶する。また、記憶部33は、地図情報を記憶する。なお、地図情報は、例えば、自宅から学校までの通学路を含む地図と、帰宅前に行く塾等の位置情報とを含む。また、地図情報は、歩道および道路の経路ネットワーク(岐点、枝)等の情報を含む。
【0034】
<子端末>
図2は、本発明の実施形態に係る子端末の要部構成を示すブロック図である。図2に示す通り、子端末1は、位置取得部11、検出部12、運動取得部13、マイクロフォン14、発光部15、報知部16、通信部17、メモリ18、および制御部19を備える。なお、子端末1は、操作部を備えてもよい。
【0035】
位置取得部11は、子端末1の位置情報を取得する。位置取得部11は、取得した位置情報を制御部19に出力する。位置取得部11は、例えば、衛星などから測位信号を受信する測位信号受信アンテナを備えており、受信した測位信号を制御部19に出力する。なお、子端末1は、例えば、基地局との通信に基づいて現在位置を示す情報を取得してもよい。なお、子端末1が第3状態ST3(後述)にある場合、位置取得部11は休止し、子端末1の位置情報を取得しない。
【0036】
検出部12は、レーダである。検出部12は、子端末1の周辺の物体を検知する。検出部12は、例えば、子端末1の周辺における前方の物体を検知するフロントレーダと、子端末1の周辺における後方(例えば、フロントレーダよりも後方)の物体を検知するリヤレーダと、を備える。フロントレーダおよびリヤレーダは、例えば、ミリ波レーダ等である。検出部12は、例えば、外部の物体に対する距離、相対速度、相対位置、および方位等に係る検知信号を制御部19に出力する。なお、子端末1が第3状態ST3(後述)にある場合、検出部12は休止し、子端末1の周辺の物体を検知しない。
【0037】
運動取得部13は、子端末1の運動を取得する。例えば、運動取得部13は、加速度センサである。運動取得部13は、子端末1に作用する加速度を検出し、検出した加速度の信号を制御部19に出力する。具体的に、運動取得部13は、子端末1のX軸、Y軸、およびZ軸の3方向の加速度を検出し、検出した3方向の加速度の信号を制御部19に出力する。
【0038】
マイクロフォン14は、収音により得られる信号(例えば、音声信号等)を制御部19に出力する。なお、マイクロフォン14は、複数のマイクロフォンによって構成されるマイクロフォンアレイであってもよい。
【0039】
発光部15は、制御部19が出力する発光指示情報に応じた発光度合い(強度、頻度等)で発光する。発光部15は、例えば、赤色、緑色、および青色の3色発光のLED(発光ダイオード)を備える。図1に示すように、発光部15は、子端末1の外部から視認可能に設けられている。発光部15は、動物またはキャラクターの目を模した形状に発光するように構成されている。例えば、発光部15は、図1に示す通り、円環形状の2つの発光部位LPを有する。各々の発光部位LPは、上部と下部とに分割されており、上部のみの発光、下部のみの発光、または上部および下部の双方の発光が可能である。発光部位LPの上部、下部を何色で発光させるかは任意である。なお、発光部15は、例えば、液晶表示装置、有機EL(エレクトロルミネッセンス)表示装置または電子インク表示装置等であってもよい。この場合、発光部15は、液晶表示装置等に動物またはキャラクターの目を模した形状を表示するように構成されていてもよい。
【0040】
報知部16は、スピーカ16aおよびバイブレータ16bを備える。スピーカ16aは、制御部19が出力する信号(例えば、音声信号等)を音に変換する。バイブレータ16bは、振動子であり、制御部19が出力する報知情報に応じて振動を発生させる。報知部16は、制御部19が出力する報知情報に応じた報知度合い(音量、振動強度等)で動作し、子端末1を携帯する移動者への報知を行う。
【0041】
通信部17は、例えば、通信用ICカード、通信アンテナ、および通信モジュールを備えており、制御部19の制御の下で通信(無線通信)を行う。通信部17は、制御部19が出力する情報(例えば、位置情報等)を、ネットワークNを介してサーバ3へ送信する。通信部17は、サーバ3が送信した情報(例えば、第1設定位置情報SP1、第2設定位置情報SP2)を受信し、受信した情報を制御部19に出力する。なお、子端末1が第3状態ST3(後述)にある場合、通信部17は休止し、通信を行わない。
【0042】
メモリ18は、子端末1で用いられる各種情報およびプログラムを記憶する。例えば、メモリ18は、サーバ3から送信されてきた第1設定位置情報SP1および第2設定位置情報SP2を記憶する。なお、この第1設定位置情報SP1で規定される第1設定位置PT1は、親端末2に対して入力された操作に応じて設定された地理的位置である。同様に、この第2設定位置情報SP2で規定される第2設定位置PT2は、親端末2に対して入力された操作に応じて設定された地理的位置である。
【0043】
また、第1設定位置PT1は、例えば、子端末1を携帯する移動者の交通の安全を高める所定動作がなされるよう事前に設定された地理的位置(例えば、安全確認地点等)である。「移動者の交通の安全を高める所定動作」とは、例えば、停止動作、左右確認動作、挙手動作等である。具体的に、第1設定位置PT1は、子端末1の移動者が通行する経路上の位置であり、例えば、子供に危険が及ぶ可能性がある位置等である。第1設定位置PT1は、例えば、経路上の交差点、車道と区分された歩道上の位置、および危険性がある構造物の近傍等を含む。
【0044】
また、第2設定位置PT2は、例えば、発光部15の発光や報知部16による報知が低減されることが望ましい対象施設TF(図6も参照)内の位置である。具体的に、対象施設TFは、例えば、子端末1を携帯する移動者が通う学校や塾等の施設である。
【0045】
また、メモリ18は、制御部19の機能(例えば、位置判断部19aの機能)を実現するプログラムを記憶する。
【0046】
制御部19は、子端末1の動作を統括して制御する。制御部19は、位置取得部11が出力する測位情報、検出部12が出力する検知信号、運動取得部13が出力する検出値、マイクロフォン14が出力する音声信号を取得する。制御部19は、通信部17を制御して、位置取得部11から取得した測位情報に基づく位置情報、検出部12から取得した検知信号、運動取得部13から取得した検出値、およびマイクロフォン14から取得した音声信号をサーバ3へ送信する。
【0047】
制御部19は、位置判断部19aを備える。位置判断部19aは、メモリ18に記憶された第1設定位置情報SP1と、位置取得部11から取得した測位情報に基づく位置情報とを用い、第1設定位置情報SP1で示される第1設定位置PT1と、位置情報で示される子端末1の現在位置とが所定の地理的関係にあることを判断する。例えば、位置判断部19aは、子端末1の現在位置と第1設定位置PT1との間の距離が、予め規定された所定距離(例えば、数m程度の距離)よりも短くなったか否かを判断する。また、位置判断部19aは、メモリ18に記憶された第2設定位置情報SP2と、位置取得部11から取得した測位情報に基づく位置情報とを用い、第2設定位置情報SP2で示される第2設定位置PT2と、位置情報で示される子端末1の現在位置とが所定の地理的関係にあることを判断する。例えば、位置判断部19aは、子端末1の現在位置と第2設定位置PT2との間の距離が、予め規定された所定距離(例えば、数10m程度の距離)よりも短くなったか否かを判断する。
【0048】
ここで、本実施形態に係る子端末1は、図3および図4に示すように、第1状態ST1、第2状態ST2、および第3状態ST3の3つの状態を取り得る。また、第2状態ST2は、主状態ST2aおよび補助状態ST2bとの2つの状態に細分化される。図3に示すように、第1状態ST1においては、通信部17、位置取得部11、検出部12、運動取得部13、発光部15、スピーカ16a、バイブレータ16bの全てが動作する(ONである)。第2状態ST2の補助状態ST2bにおいては、通信部17、位置取得部11、検出部12、運動取得部13、および発光部15が動作し(ONであり)、スピーカ16aおよびバイブレータ16bは動作しない(OFFである)。第2状態ST2の主状態ST2aにおいては、通信部17、位置取得部11、検出部12、および運動取得部13が動作し(ONであり)、発光部15、スピーカ16a、およびバイブレータ16bは動作しない(OFFである)。第3状態ST3においては、運動取得部13のみが動作し(ONであり)、通信部17、位置取得部11、検出部12、発光部15、スピーカ16a、およびバイブレータ16bは動作しない(OFFである)。
【0049】
制御部19は、位置取得部11が出力する測位情報、運動取得部13が出力する検出値、および位置判断部19aの判断結果に基づいて、子端末1の状態を、上述した第1状態ST1と、第2状態ST2(主状態ST2a、補助状態ST2b)と、第3状態ST3と、の間で切り替える(遷移させる)。なお、制御部19が子端末1の状態を各状態間で切り替える条件の詳細については後述する。
【0050】
子端末1が第1状態ST1にある場合、制御部19は、位置判断部19aが子端末1の現在位置と第1設定位置PT1との間の距離が所定距離よりも短くなったと判断したときに、報知情報を出力して報知部16を動作させる。「報知部16を動作させる」とは、具体的には、スピーカ16aから音を鳴らしたり、バイブレータ16bを振動させたりすること等を意味する。このような場合に報知部16を動作させるのは、第1設定位置PT1に近づいた旨を、子端末1を携帯する移動者に報知するためである。
【0051】
子端末1が第1状態ST1にある場合、制御部19は、検出部12が、子端末1に接近する物体を検出したときに、報知情報を出力して報知部16を動作させる。これにより、子端末1を携帯する移動者に対して物体の接近を報知することができる。なお、制御部19は、検出部12から取得した検知信号から周知の認識情報を用いて人または車両が含まれているかを判断してもよい。この場合、制御部19は、検知信号に車両が含まれていると判断した場合に、報知情報を出力して報知部16を動作させるように構成されていてもよい。これにより、子端末1を携帯する移動者に対して車両の接近を報知することができる。なお、制御部19は、バイブレータ16bを振動させる場合には、報知する内容に応じて振動間隔または振動の強さを変えてもよい。以下、第1状態において報知部16が行う報知の度合いを「第1報知度合い」と称する場合がある。
【0052】
一方、子端末1が第2状態ST2にある場合、制御部19は、位置判断部19aが子端末1の現在位置と第1設定位置PT1との間の距離が所定距離よりも短くなったと判断したときに、報知情報を出力して、報知部16に第1報知度合いよりも小さい第2報知度合いで報知を行わせる。本実施形態においてより具体的に、子端末1が第2状態ST2にある場合、制御部19は、報知部16に報知を行わせない。同様に、子端末1が第2状態ST2にある場合、制御部19は、検出部12が、子端末1に接近する物体を検出したときに、報知情報を出力して、報知部16に第1報知度合いよりも小さい第2報知度合いで報知を行わせる。本実施形態においてより具体的に、子端末1が第2状態ST2にある場合、制御部19は、報知部16に報知を行わせない。子端末1が第2状態ST2にある場合、制御部19は、通信部17から各種情報を取得しても、報知部16(スピーカ16a、バイブレータ16b)に報知を行わせない。
【0053】
また、子端末1が第1状態ST1にある場合、制御部19は、発光指示情報を出力して、発光部15を第2発光度合いで発光させる。一方、子端末1が補助状態ST2bにある場合、制御部19は、発光指示情報を出力して、発光部15を第1発光度合いで発光させる。ここで、第2発光度合いは、第1発光度合いよりも大きい。具体的に、子端末1が第1状態ST1にある場合、発光部15は、子端末1が補助状態ST2bにある場合と比較して、より強い強度で発光する。または、子端末1が第1状態ST1にある場合、発光部15は、子端末1が補助状態ST2bにある場合と比較して、より高い頻度で発光する。なお、子端末1が第1状態ST1にある場合、発光部15は、子端末1が補助状態ST2bにある場合と比較して、より強い強度、かつ、より高い頻度で発光してもよい。また、子端末1が主状態ST2aにある場合、制御部19は、発光指示情報を出力せず、発光部15を発光させない。
【0054】
<親端末>
図5は、本発明の実施形態に係る親端末の要部構成を示すブロック図である。図5に示す通り、親端末2は、操作部21、表示部22、マイクロフォン23、スピーカ24、バイブレータ25、通信部26、メモリ27、および制御部28を備える。なお、親端末2は、マイクロフォン23、スピーカ24、またはバイブレータ25を備えていなくてもよい。
【0055】
操作部21は、親端末2を所持する保護者によって操作され、保護者の操作に応じた信号を制御部28に出力する。操作部21は、例えば、表示部22上に設けられたタッチパネルセンサである。表示部22は、制御部28が出力する各種情報(例えば、子端末位置情報等)を表示する。表示部22は、例えば、液晶表示装置、有機EL表示装置、または電子インク表示装置等である。
【0056】
マイクロフォン23は、収音により得られる信号(例えば、音声信号等)を制御部28に出力する。なお、マイクロフォン23は、複数のマイクロフォンによって構成されるマイクロフォンアレイであってもよい。スピーカ24は、制御部28が出力する信号(例えば、音声信号等)を音に変換する。バイブレータ25は、振動子であり、制御部28が出力する報知情報に応じて振動を発生させる。
【0057】
通信部26は、例えば、通信用ICカード、通信アンテナ、および通信モジュールを備えており、制御部28の制御の下で通信(無線通信)を行う。通信部26は、制御部28が出力する情報(例えば、第1設定位置情報SP1、第2設定位置情報SP2)を、ネットワークNを介してサーバ3へ送信する。通信部26は、サーバ3が送信した各種情報(例えば、子端末位置情報等)を受信して制御部28に出力する。メモリ27は、親端末2で用いられる各種情報およびプログラムを記憶する。
【0058】
制御部28は、親端末2の動作を統括して制御する。制御部28は、操作部21が出力する信号を取得し、取得した信号に応じた制御または処理を行う。例えば、制御部28は、取得した信号が第1設定位置PT1を子端末1に設定する旨を示す指示である場合には、操作部21の操作によって入力された第1設定位置PT1を示す第1設定位置情報SP1を通信部26に出力する。また、制御部28は、取得した信号が第2設定位置PT2を子端末1に設定する旨を示す指示である場合には、操作部21の操作によって入力された第2設定位置PT2を示す第2設定位置情報SP2を通信部26に出力する。また、制御部28は、取得した信号が子端末位置情報を要求する旨を示す指示である場合には、その胸を示す指示情報を通信部26に出力する。制御部28は、子端末位置情報が通信部26から出力された場合には、その子端末位置情報を表示部22に出力する。
【0059】
なお、子端末1、親端末2、サーバ3の構成要素のうち、例えば、制御部19(例えば、位置判断部19a)、制御部28、制御部32の機能は、CPU(Central Processing Unit)等のハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現されてもよい。これらの構成要素のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)等のハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予めHDD(Hard Disk Drive)またはフラッシュメモリ等の記憶装置(非一過性の記憶媒体を備える記憶装置)に格納されていてもよいし、DVDまたはCD-ROM等の着脱可能な記憶媒体(非一過性の記憶媒体)に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることでインストールされてもよい。
【0060】
<報知システムで行われる処理>
次に、本実施形態に係る報知システムNSで行われる処理について説明する。すなわち、子端末1の状態を、第1状態ST1と、第2状態ST2(主状態ST2a、補助状態ST2b)と、第3状態ST3と、の間で切り替える処理(状態切替処理)について説明する。図4は、本実施形態に係る子端末1の状態の切り替わり(状態遷移)を示す図である。
【0061】
≪第1状態ST1から第2状態ST2への切り替え≫
子端末1が第1状態ST1にある場合において、制御部19は、位置判断部19aによる判断の結果に基づき、以下の条件C1が満たされているか否かを判断する。制御部19は、条件C1が満たされていると判断すると、子端末1の状態を第1状態ST1から第2状態ST2に切り替える(切替ステップ)。なお、本実施形態においては、子端末1の状態が第1状態ST1から第2状態ST2に切り替わる場合、子端末1の状態は第2状態ST2のうち主状態ST2aに切り替わる。
条件C1:「位置取得部11が取得した子端末1の現在位置が、第2設定位置PT2と所定の地理的関係にある」
なお、「第2設定位置PT2と所定の地理的関係にある」とは、例えば、子端末1の現在位置が第2設定位置PT2から所定の距離R以内(図6も参照)であることを意味する(以下の説明においても同様)。距離Rの値は、親端末2に対して入力された操作に応じて設定されてもよい。
【0062】
このように子端末1の状態を第1状態ST1から第2状態ST2(主状態ST2a)に切り替えることで、発光部15、スピーカ16a、およびバイブレータ16bがOFFとなる(図3も参照)。これにより、学校や塾等の対象施設TFにおいて、発光部15の発光および報知部16の動作が低減され(禁止され)、授業が阻害される等の問題を未然に防ぐことができる。第1状態ST1は、アクティブモードとも称される。第2状態ST2(主状態ST2a)は、サイレントモードとも称される。
【0063】
≪第2状態ST2から第3状態ST3への切り替え≫
子端末1が第2状態ST2(主状態ST2aまたは補助状態ST2b)にある場合において、制御部19は、位置取得部11が出力する子端末1の位置情報と、運動取得部13が出力する検出値と、に基づき、以下の条件C2が満たされているか否かを判断する。制御部19は、条件C2が満たされていると判断すると、子端末1の状態を第2状態ST2から第3状態ST3に切り替える。
条件C2:「所定の経過時間T2の間、位置取得部11が、子端末1の現在位置が動いていることを取得しない」または「所定の経過時間T2の間、運動取得部13が、子端末1が動いていることを取得しない」
なお、経過時間T2は、例えば60秒程度である。
【0064】
このように子端末1の状態を第2状態ST2から第3状態ST3に切り替えることで、通信部17、位置取得部11、および検出部12(、ならびに発光部15)がOFFになる(図3も参照)。したがって、子端末1の消費電力を抑制することができる。第3状態ST3は、スリープモードとも称される。
【0065】
≪第3状態ST3から第2状態ST2への切り替え≫
子端末1が第3状態ST3にある場合において、制御部19は、運動取得部13が出力する検出値に基づき、以下の条件C3が満たされているか否かを判断する。制御部19は、条件C3が満たされていると判断すると、子端末1の状態を第3状態ST3から第2状態ST2に切り替える。なお、本実施形態においては、子端末1の状態が第3状態ST3から第2状態ST2に切り替わる場合、子端末1の状態は第2状態ST2のうち主状態ST2aに切り替わる。
条件C3:「運動取得部13が、子端末1が動いていることを取得している」かつ「第3状態ST3に切り替わる直前の子端末1の状態が第2状態ST2であった」
【0066】
このように子端末1の状態を第3状態ST3から第2状態ST2に切り替えることで、通信部17、位置取得部11、および検出部12がONになる(図3も参照)。これにより、報知システムNSが、子端末1を携帯する移動者が対象施設TFから出発するにあたっての準備を行うことができる。また、上記と同様に、発光部15または報知部16によって授業が阻害される等の問題を未然に防ぐことができる。
【0067】
≪主状態ST2aから補助状態ST2bへの切り替え≫
子端末1が第2状態ST2の主状態ST2aにある場合において、制御部19は、位置取得部11が出力する子端末1の位置情報と、運動取得部13が出力する検出値と、位置判断部19aによる判断の結果と、に基づき、以下の条件C4が満たされているか否かを判断する。制御部19は、条件C4が満たされていると判断すると、子端末1の状態を主状態ST2aから補助状態ST2bに切り替える。
条件C4:「位置取得部11が、取得した子端末1の現在位置が動いていない状態から動いている状態に変化したことを取得している」または「運動取得部13が、子端末1が動いていない状態から子端末1が動いている状態に変化したことを取得している」、かつ、「位置取得部11が取得した子端末1の現在位置が、第2設定位置PT2と所定の地理的関係にある」
【0068】
このように子端末1の状態を主状態ST2aから補助状態ST2bに切り替えることで、発光部15がONとなり、発光部15が第2発光度合いよりも小さい第1発光度合いで発光する(図3も参照)。これにより、子端末1を携帯する移動者が対象施設TFから出発しようと対象施設TF内で移動を始めた場合において、当該移動者は、子端末1が正常に動作していることを視覚的に確認することができる。補助状態ST2bは、寝起きモードとも称される。
【0069】
≪第2状態ST2から第1状態ST1への切り替え≫
子端末1が第2状態ST2(主状態ST2aまたは補助状態ST2b)にある場合において、制御部19は、位置判断部19aによる判断の結果に基づき、以下の条件C5が満たされているか否かを判断する。制御部19は、条件C5が満たされていると判断すると、子端末1の状態を第2状態ST2から第1状態ST1に切り替える。
条件C5:「位置取得部11が取得した子端末1の現在位置が、第2設定位置PT2と所定の地理的関係になくなった」
【0070】
このように子端末1の状態を第2状態ST2から第1状態ST1に切り替えることで、スピーカ16aおよびバイブレータ16bがONとなり、発光部15が第2発光度合いで発光する(図3も参照)。これにより、子端末1が第1設定位置情報SP1に近づいたときまたは子端末1に車両等が接近したとき等における報知部16による報知が有効化される。つまり、子端末1を携帯する移動者が対象施設TFから出発した際に、報知部16による移動者に対する報知を再開することができる。
【0071】
≪第1状態ST1から第3状態ST3への切り替え≫
子端末1が第1状態ST1にある場合において、制御部19は、位置取得部11が出力する子端末1の位置情報と、運動取得部13が出力する検出値と、に基づき、以下の条件C6が満たされているか否かを判断する。制御部19は、条件C6が満たされていると判断すると、子端末1の状態を第1状態ST1から第3状態ST3に切り替える。
条件C6:「所定の経過時間T6の間、位置取得部11が、子端末1の現在位置が動いていることを取得しない」または「所定の経過時間T6の間、運動取得部13が、子端末1が動いていることを取得しない」
なお、経過時間T6は、例えば300秒程度である。上述した経過時間T2(例えば、60秒程度)は、この経過時間T6よりも短いことが望ましい。
【0072】
このように子端末1の状態を第1状態ST1から第3状態ST3に切り替えることで、通信部17、位置取得部11、検出部12、発光部15、スピーカ16a、およびバイブレータ16bがOFFになる(図3も参照)。したがって、子端末1の消費電力を抑制することができる。また、経過時間T2を経過時間T6よりも短くすることで、次の利点が得られる。つまり、児童が対象施設TFにおいて子端末1に徒に触れてしまい、子端末1の状態が第3状態ST3から第2状態ST2に切り替わっても、比較的速やかに、子端末1の状態を第3状態ST3に戻すことができる。これにより、子端末1の消費電力をより確実に抑えることができる。
【0073】
≪第3状態ST3から第1状態ST1への切り替え≫
子端末1が第3状態ST3にある場合において、制御部19は、運動取得部13が出力する検出値に基づき、以下の条件C3が満たされているか否かを判断する。制御部19は、条件C7が満たされていると判断すると、子端末1の状態を第3状態ST3から第1状態ST1に切り替える。
条件C7:「運動取得部13が、子端末1が動いていることを取得している」かつ「第3状態ST3に切り替わる直前の子端末1の状態が第1状態ST1であった」
【0074】
このように子端末1の状態を第3状態ST3から第1状態ST1に切り替えることで、通信部17、位置取得部11、検出部12、発光部15、スピーカ16a、およびバイブレータ16bがONになる(図3も参照)。これにより、報知部16による移動者に対する報知を再開することができる。
【0075】
以上の通り、本実施形態によれば、例えば図6に示すように子端末1が対象施設TF内に進入した場合において、報知部16の動作が低減される(禁止される)。これにより、授業が阻害される等の問題を未然に防ぐことができる。
【0076】
なお、本発明の技術的範囲は前記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0077】
例えば、前記実施形態では、子端末1が第3状態ST3にある場合において位置取得部11、検出部12、および通信部17の動作が休止されていたが、子端末1が第3状態ST3にある場合においてこれらの動作は休止ではなく低減されてもよい。例えば、子端末1が第3状態ST3にある場合において、位置取得部11は、子端末1が第1状態ST1にある場合と比較して低い頻度で子端末1の現在位置を取得してもよい。また、子端末1が第3状態ST3にある場合において、検出部12は、子端末1が第1状態ST1にある場合と比較して低い頻度で周辺の物体を検知してもよい。また、子端末1が第3状態ST3にある場合において、通信部17は、子端末1が第1状態ST1にある場合と比較して低い頻度で通信を行ってもよい。
【0078】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した実施形態や変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0079】
1…子端末(情報処理装置、端末) 11…位置取得部 12…検出部 13…運動取得部 15…発光部 16…報知部 19…制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6