(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024021982
(43)【公開日】2024-02-16
(54)【発明の名称】文具用ケース
(51)【国際特許分類】
A45C 11/34 20060101AFI20240208BHJP
【FI】
A45C11/34 104
A45C11/34 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022125229
(22)【出願日】2022-08-05
(71)【出願人】
【識別番号】000134589
【氏名又は名称】株式会社トンボ鉛筆
(74)【代理人】
【識別番号】100145713
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 竜太
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100087893
【弁理士】
【氏名又は名称】中馬 典嗣
(72)【発明者】
【氏名】川合 健斗
(72)【発明者】
【氏名】山元 さつき
【テーマコード(参考)】
3B045
【Fターム(参考)】
3B045BA17
3B045CE08
3B045DA42
3B045EB03
(57)【要約】
【課題】外観の意匠性を損なうことなく、キャップ体のケース本体に対するガタツキを軽減するととともに、適度な着脱感が得られる文具用ケースを提供する。
【解決手段】本発明の文具用ケース1は、本体開口部11が設けられた有底筒形状で、内部に文具Sを収容可能なケース本体10と、キャップ開口部21が設けられた有底筒形状で、前記キャップ開口部21を前記本体開口部11と対向させた状態で、前記ケース本体10に対して着脱可能なキャップ体20と、を備える文具用ケース1において、前記ケース本体10には、本体側係合嵌合部15と、本体側圧入嵌合部16とが設けられ、前記キャップ体20には、本体側係合嵌合部15と係合嵌合可能なキャップ側係合嵌合部25と、本体側圧入嵌合部16と圧入嵌合可能なキャップ側圧入嵌合部26とが設けられている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体開口部が設けられた有底筒形状で、内部に文具を収容可能なケース本体と、
キャップ開口部が設けられた有底筒形状で、前記キャップ開口部を前記本体開口部と対向させた状態で、前記ケース本体に対して着脱可能なキャップ体と、を備える文具用ケースにおいて、
前記ケース本体には、
本体側係合嵌合部と、
本体側圧入嵌合部とが設けられ、
前記キャップ体には、
本体側係合嵌合部と係合嵌合可能なキャップ側係合嵌合部と、
本体側圧入嵌合部と圧入嵌合可能なキャップ側圧入嵌合部とが設けられている、
文具用ケース。
【請求項2】
前記本体側係合嵌合部は、凹凸の一方で、
前記キャップ側係合嵌合部は、凹凸の他方である、
請求項1に記載の文具用ケース。
【請求項3】
前記本体側圧入嵌合部は、前記ケース本体の側面を着脱方向に延び、
前記キャップ側圧入嵌合部は、前記キャップ体の側面を前記着脱方向に延び、
前記ケース本体に前記キャップ体が装着されたときに、前記キャップ側圧入嵌合部が前記本体側圧入嵌合部に押圧される、
請求項1又は請求項2に記載の文具用ケース。
【請求項4】
前記本体開口部を上にした状態の前記ケース本体に、前記キャップ開口部を下にした状態で前記キャップ体を被せたときに、
前記キャップ体が前記ケース本体をスライドして下方に移動して自重で停止したときの、キャップ開口側端部の前記ケース本体上での位置をP1とし、
前記キャップ体をさらに下方に移動させ、前記キャップ側係合嵌合部が、前記本体側係合嵌合部に嵌って、前記ケース本体に対して前記キャップ体が装着されたときの、前記キャップ開口側端部の前記ケース本体上での位置をP2としたときの、P1とP2との距離である圧入嵌合距離は、
前記ケース本体上での、前記本体側係合嵌合部の中央部までの位置P3とP2との距離である係合嵌合距離よりも長い、
請求項1又は請求項2に記載の文具用ケース。
【請求項5】
前記キャップ体を前記ケース本体に取り付ける際に、
前記キャップ側圧入嵌合部と前記本体側圧入嵌合部との圧入嵌合が開始した後、前記キャップ側係合嵌合部と前記本体側係合嵌合部との係合嵌合が開始される、
請求項1又は請求項2に記載の文具用ケース。
【請求項6】
前記本体側係合嵌合部と前記本体側圧入嵌合部とは、前記ケース本体の外周面にそれぞれ2以上配置され、
前記キャップ側係合嵌合部と前記キャップ側圧入嵌合部とは、前記キャップ体の内周面にそれぞれ2以上配置されている、
請求項1又は請求項2に記載の文具用ケース。
【請求項7】
前記本体側係合嵌合部と前記本体側圧入嵌合部とは、前記ケース本体の外周面において周方向に交互に配置され、
前記キャップ側係合嵌合部と前記キャップ側圧入嵌合部とは、前記キャップ体の内周面において周方向に交互に配置されている、
請求項1又は請求項2に記載の文具用ケース。
【請求項8】
前記ケース本体と、前記キャップ体のうちの一方が結晶性樹脂製である、
請求項1又は請求項2に記載の文具用ケース。
【請求項9】
係合嵌合力は圧入嵌合力の1倍~5倍である、
請求項1又は請求項2に記載の文具用ケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文具用ケースに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、シャープペンシルの替芯を収納する替芯ケース等の文具用ケースとして、ケース本体と、このケース本体に着脱可能なキャップ体とを備え、ケース本体の外面に係合凸部が設けられ、キャップ体の内面に係合凹部が設けられているものがある(特許文献1参照)。
【0003】
このような文具ケースは、キャップ体をケース本体に装着する際、キャップ体を、ケース本体の開口部を覆うようにしてケース本体に被せ、さらに奥へスライドさせていく。そうすると、係合凹部が係合凸部に係合し、キャップ体がケース本体に装着される。
【0004】
当該構成を有する文具ケースは、キャップ体がケース本体に装着された状態において、キャップ体とケース本体との間の隙間によってガタツキが発生し、ユーザにキャップ体がケース本体から外れるという不安感を与える場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような不安感を解消するために、ケース本体の係合凸部の突出量を大きくして、係合凹部と係合凸部とが係合した状態において係合凸部が係合凹部を強く押圧している状態にすることが考えられる。
【0007】
しかし、キャップ体をケース本体に装着する際、まず、キャップ体の係合凹部よりも手前の係合凹部が形成されていない部分がケース本体の係合凸部を乗り上げる。そして、係合凹部が係合凸部まで到達すると、係合凹部が係合凸部に係合される。ここで、係合凸部の突出量を大きくすると、キャップ体の係合凹部よりも手前の部分にケース本体の係合凸部が乗り上げる際に、係合凸部によってこの手前の部分が押し広げられる量が大きくなり、キャップ体が膨張する可能性がある。
【0008】
また、係合凹部と係合凸部とが係合した状態において、突出量の大きな係合凸部が係合凹部を押圧していると、キャップ体が変形して外側に突出し、文具用ケースの外観の意匠性を損なう可能性がある。
【0009】
さらに、係合凸部の突出量が大きいと、係合凸部がキャップ体の内面によって擦られ、係合凸部に傷が付く可能性がある。
【0010】
また、キャップ体の内面に設けられる係合凹部はアンダーカット形状となるが、量産性を考慮すると無理抜き成形が好ましい。ここで、係合凸部の突出量を大きくすると、それに合わせて係合凹部も深く製造することになるが、無理抜き成形では係合凹部をあまり深くすることができない。
【0011】
本発明は、外観の意匠性を損なうことなく、キャップ体のケース本体に対するガタツキを軽減するととともに、適度な着脱感が得られる文具用ケースを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために、本発明は以下のものを提供する。
(1)本体開口部が設けられた有底筒形状で、内部に文具を収容可能なケース本体と、キャップ開口部が設けられた有底筒形状で、前記キャップ開口部を前記本体開口部と対向させた状態で、前記ケース本体に対して着脱可能なキャップ体と、を備える文具用ケースにおいて、前記ケース本体には、本体側係合嵌合部と、本体側圧入嵌合部とが設けられ、前記キャップ体には、本体側係合嵌合部と係合嵌合可能なキャップ側係合嵌合部と、本体側圧入嵌合部と圧入嵌合可能なキャップ側圧入嵌合部とが設けられている文具用ケース。
【0013】
(2)前記本体側係合嵌合部は、凹凸の一方で、前記キャップ側係合嵌合部は、凹凸の他方である(1)に記載の文具用ケース。
【0014】
(3)前記本体側圧入嵌合部は、前記ケース本体の側面を着脱方向に延び、前記キャップ側圧入嵌合部は、前記キャップ体の側面を前記着脱方向に延び、前記ケース本体に前記キャップ体が装着されたときに、前記キャップ側圧入嵌合部が前記本体側圧入嵌合部に押圧される(1)又は(2)に記載の文具用ケース。
【0015】
(4)前記本体開口部を上にした状態の前記ケース本体に、前記キャップ開口部を下にした状態で前記キャップ体を被せたときに、前記キャップ体が前記ケース本体の外面をスライドして下方に移動して自重で停止したときの、キャップ開口側端部の前記ケース本体上での位置をP1とし、前記キャップ体をさらに下方に移動させ、前記キャップ側係合嵌合部が、前記本体側係合嵌合部に嵌って、前記ケース本体に対して前記キャップ体が装着されたときの、前記キャップ開口側端部の前記ケース本体上での位置をP2としたときの、P1とP2との距離である圧入嵌合距離は、前記ケース本体上での、前記本体側係合嵌合部の中央部までの位置P3とP2との距離である係合嵌合距離よりも長い(1)から(3)の何れかに記載の文具用ケース。
【0016】
(5)前記キャップ体を前記ケース本体に取り付ける際に、前記キャップ側圧入嵌合部と前記本体側圧入嵌合部との圧入嵌合が開始した後、前記キャップ側係合嵌合部と前記本体側係合嵌合部との係合嵌合が開始される(1)から(4)の何れかに記載の文具用ケース。
【0017】
(6)前記本体側係合嵌合部と前記本体側圧入嵌合部とは、前記ケース本体の外周面にそれぞれ2以上配置され、前記キャップ側係合嵌合部と前記キャップ側圧入嵌合部とは、前記キャップ体の内周面にそれぞれ2以上配置されている(1)から(5)の何れかに記載の文具用ケース。
【0018】
(7)前記本体側係合嵌合部と前記本体側圧入嵌合部とは、前記ケース本体の外周面において周方向に交互に配置され、前記キャップ側係合嵌合部と前記キャップ側圧入嵌合部とは、前記キャップ体の内周面において周方向に交互に配置されている(1)から(6)の何れかに記載の文具用ケース。
【0019】
(8)前記ケース本体と、前記キャップ体のうちの一方が結晶性樹脂製であることが好ましい(1)から(7)の何れかに記載の文具用ケース。
【0020】
(9)係合嵌合力は圧入嵌合力の1倍~5倍である(1)から(8)の何れかに記載の文具用ケース。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、外観の意匠性を損なうことなく、キャップ体のケース本体に対するガタツキを軽減するとともに、適度な着脱感が得られる文具用ケースを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図2】ケース本体10にキャップ体20が装着された状態における、文具用ケース1の部分斜視図である。
【
図3】ケース本体10から、キャップ体20が取り外された状態の部分正面図である。
【
図4】ケース本体10にキャップ体20が完全に装着された
図2に示す状態での、長手方向(着脱方向)Lと直交するIV-IV線に沿った断面図である。
【
図5】キャップ体20が自重によって下方に移動したときの、キャップ体20のケース本体10に対する所定位置を示す図である。
【
図6】実施例と比較例との実験結果を示した表である。
【
図7】係合嵌合力及び圧入嵌合力を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
(文具用ケース1)
以下、本発明の実施形態の文具用ケース1について説明する。
図1は文具用ケース1の全体斜視図である。文具用ケース1は、ケース本体10と、ケース本体10に着脱可能なキャップ体20とを備える。
図1はケース本体10から、キャップ体20が取り外された状態を示す。
図2はケース本体10にキャップ体20が装着された状態における、文具用ケース1の部分斜視図である。
図3は、ケース本体10から、キャップ体20が取り外された状態の部分正面図である。
【0024】
本実施形態では、文具用ケース1として、シャープペンシルの替芯Sを収納する替芯ケースを例に説明する。ただし、本発明はこれに限定されず、文具用ケース1は、替芯S以外の文具を収納するものであってもよい。なお、
図1及び
図2においては文具用ケース1内に替芯Sが1本収容されている状態を示す。
【0025】
(ケース本体10)
ケース本体10は、本体開口部11が設けられた、長手方向(着脱方向)Lに延びる有底筒形状である。実施形態でケース本体10は、例えば、非結晶性樹脂であるポリスチレン(PS)を材料として製造されている。
【0026】
ケース本体10は、本体部12と、本体部12よりも長手方向Lの本体開口部11側に設けられた嵌合領域13とを有する。本体部12の外面として、本体部外表面12a、本体部外裏面12b、2つの本体部外側面12c、及び本体部外底面12dを有し、本体部外表面12a及び本体部外裏面12bの幅が2つの本体部外側面12cの幅(ケース本体10の厚さ)より大きく、長手方向Lと直交する断面が略長方形である。ただし、これに限定されず、ケース本体10(本体部12及び/又は嵌合領域13)の長手方向Lと直交する断面は、正方形、ひし形、その他の多角形、又は円形であってもよい。
【0027】
以下、ケース本体10の長手方向Lに対して直交し、本体部外表面12a、本体部外裏面12bに沿った方向を幅方向W、長手方向Lに対して直交し、2つの本体部外側面12cに略沿った方向を厚さ方向Tとして説明する。
【0028】
嵌合領域13の外形は、本体部12の外形よりも一回り小さく、嵌合領域13と本体部12との間には段部14が設けられている。
【0029】
本体開口部11は、
図3に示すように、嵌合領域13の先端に設けられ、外表面13a側が外裏面13b側よりも大きく切り欠かれている。すなわち、嵌合領域13は、外表面13a側の長手方向Lの長さが、外裏面13b側の長手方向Lの長さより短い。
【0030】
嵌合領域13の外面には、本体側係合嵌合部としての係合凸部15と、本体側圧入嵌合部としての圧入曲面16とが設けられている。
【0031】
(係合凸部15)
係合凸部15は、
図3に示すように、幅方向Wにおいて、係合凸部幅W1で延びる凸条部である。係合凸部15は、嵌合領域13の外表面13aと外裏面13bとに1つずつ、合計2つ設けられている。係合凸部15は、幅方向Wにおいて、嵌合領域13の外表面13a及び外裏面13bの中央部に設けられている。
【0032】
(係合嵌合距離L1)
係合凸部15は、長手方向Lにおいて、嵌合領域13における本体開口部11よりも段部14側であって、段部14から長手方向Lに、係合嵌合距離L1だけ離れた位置に設けられている。L1は段部14から係合凸部15の長手方向Lの中央部P3までの距離である。係合嵌合距離L1が長いと、係合嵌合が開始してからアンサーバックが発生するまでの時間が長くなり、キャップ体20のケース本体10への装着がしにくく感じ、また、キャップ体20が変形する可能性が高くなるので好ましくない。係合嵌合距離L1は、例えば、1.5mm~3.0mmであることが好ましい。
【0033】
(圧入曲面16)
図4は、ケース本体10にキャップ体20が完全に装着された
図2に示す状態での、長手方向Lと直交するIV-IV線に沿った断面図である。嵌合領域13の2つの外側面13cは、
図4に示すように湾曲した圧入曲面16となっている。
【0034】
係合凸部15と圧入曲面16とは、ケース本体10の外周面の周方向において、互いに異なる面に形成され、また、交互にそれぞれ2つ配置されている。
すなわち、ケース本体10の嵌合領域13の外表面13aに係合凸部15、その外表面13aと周方向に隣り合う一方の外側面13cに圧入曲面16、その一方の外側面13cと周方向に隣り合う外裏面13bに係合凸部15、その外裏面13bと周方向に隣り合う他方の外側面13cに圧入曲面16が形成されている。
【0035】
(キャップ体20)
キャップ体20は、キャップ開口部21が設けられた、長手方向Lに延びる有底筒形状で、キャップ開口部21を本体開口部11と対向させた状態で、ケース本体10に対して着脱可能である。
実施形態では、キャップ体20とのケース本体10に対する着脱方向は、長手方向Lに一致している。実施形態でキャップ体20は、例えば、結晶性樹脂であるポリプロピレン(PP)で製造されている。結晶性樹脂は、非結晶性樹脂よりも弾性変形しやすいので、キャップ体20のケース本体10に対する着脱が容易になるとともに、着脱を繰り返すことによるダメージが非結晶性樹脂に比べて小さい。そのため、キャップ体20を結晶性樹脂により構成することで、キャップ体20を長期間使用できる。
また、実施形態では、キャップ体20は、ケース本体10の嵌合領域13の外側に装着される。このときに、ケース本体10の本体部12の本体部外表面12a、本体部外裏面12b、本体部外側面12cは、キャップ体20の対応する外周の表面(符号なし)と、それぞれ略面一となり、外観の意匠性に優れる。
【0036】
キャップ体20は、内面形状がケース本体10の嵌合領域13の外面形状に略対応しており、内表面20a、内裏面20b、2つの内側面20cと内底面20dとを有し、内表面20a及び内裏面20bの幅が2つの内側面20cの幅より大きく、長手方向Lと直交する断面が略長方形である。キャップ体20も、これに限定されず、ケース本体10の形状に対応して長手方向Lと直交する断面が正方形、ひし形、その他の多角形、又は円形でもよい。
【0037】
以下、ケース本体10と同様に、キャップ体20の長手方向Lに対して直交し、内表面20a、内裏面20bに沿った方向を幅方向W、長手方向Lに対して直交し、2つの内側面20cに略沿った方向を厚さ方向Tとして説明する。
【0038】
キャップ開口部21は、長手方向Lと直交する方向に、長方形状に設けられている。
【0039】
キャップ体20の内面には、キャップ側係合嵌合部としての係合凹部25と、キャップ側圧入嵌合部としての圧入平面26が設けられている。
【0040】
(係合凹部25)
係合凹部25は、
図3に示すように、幅方向Wにおいて、係合凹部幅W2で延びる凹条部である。係合凹部幅W2は係合凸部幅W1よりも長い。係合凹部25は、キャップ体20の内表面20aと内裏面20bに1つずつ、合計2つ設けられている。係合凹部25は、幅方向Wにおいて、内表面20a及び内裏面20bの中央部に設けられている。
【0041】
(係合嵌合距離L1)
図3に示すように、係合凹部25は、長手方向Lにおいてキャップ開口部21側であって、キャップ開口部21から長手方向Lに係合嵌合距離L1だけ離れた位置に設けられている。係合凹部25のキャップ開口部21からの係合嵌合距離L1は、係合凸部15の段部14からの係合嵌合距離L1と略等しい。
【0042】
(圧入平面26)
キャップ体20の2つの内側面20cは、
図4に示す断面において湾曲しているが、湾曲部分の厚さ方向Tの中央部には平らな圧入平面26が形成されている。圧入平面26は、
図1に示すように内側面20cにおける厚さ方向Tの中央を長手方向Lに沿って延びている。圧入平面26は、長手方向Lにおいてキャップ開口部21までは延びておらず、キャップ開口部21の手前で終了している。圧入平面26と内側面20cとの間には、案内部27が設けられている。
【0043】
係合凹部25と圧入平面26とは、キャップ体20の内周面の周方向において、互いに異なる面に形成され、また、交互にそれぞれ2つ配置されている。
すなわち、キャップ体20の内表面20aに係合凹部25、その内表面20aと周方向に隣り合う一方の内側面20cに圧入平面26、その一方の内側面20cと周方向に隣り合う内裏面20bに係合凹部25、その内裏面20bと周方向に隣り合う他方の内側面20cに圧入平面26が形成されている。
【0044】
ケース本体10の外表面13aに設けられた係合凸部15は、外表面13aと対向するキャップ体20の内表面20aに設けられた係合凹部25と係合嵌合する。ケース本体10の外裏面13bに設けられた係合凸部15は、外裏面13bと対向するキャップ体20の内裏面20bに設けられた係合凹部25と係合嵌合する。ケース本体10の外側面13cの一方に設けられた圧入曲面16は、その一方の外側面13cと対向するキャップ体20の内側面20cの同じ一方に設けられた圧入平面26と圧入嵌合する。ケース本体10の外側面13cの他方に設けられた圧入曲面16は、その他方の外側面13cと対向するキャップ体20の内側面20cの同じ他方に設けられた圧入平面26と圧入嵌合する。
【0045】
以後、適宜、本体側係合嵌合部である係合凸部15と、その係合凸部15と係合嵌合するキャップ側係合嵌合部である係合凹部25とを合わせて係合嵌合部とし、本体側圧入嵌合部である圧入曲面16とキャップ側圧入嵌合部である圧入平面26とを合わせて圧入嵌合部として説明する。
【0046】
実施形態の文具用ケース1は、圧入嵌合部と係合嵌合部とを有し、圧入嵌合部と係合嵌合部とは、文具用ケース1の外周に交互に、異なる面に設けられている。
圧入嵌合部と係合嵌合部とが同じ面に設けられていると、圧入嵌合部と係合嵌合部とが互いに干渉し合い、一方が他方の嵌合に悪影響を与える可能性がある。しかし、実施形態では、圧入嵌合部と係合嵌合部とが、文具用ケース1の異なる面に設けられているので、一方が他方の嵌合に悪影響を与える可能性を低減することができる。
【0047】
(文具用ケース1の動作)
次に、文具用ケース1においてキャップ体20をケース本体10に装着する動作の一例について説明する。まず、
図3に示すように、本体開口部11が鉛直方向の上になるように配置されたケース本体10に、キャップ開口部21を下にしてキャップ体20を被せる。
【0048】
(圧入嵌合距離L2)
そうすると、キャップ体20は、自重によって下方に移動し、案内部27と圧入曲面16とが当接した所定位置で停止する。
図5は、キャップ体20が自重によって下方に移動したときの、キャップ体20のケース本体10に対する、前記所定位置を示す図であり、このときのキャップ開口部21のケース本体10上の位置をP1とする。このP1と、ケース本体10に対してキャップ体20が完全に装着されたときの、キャップ開口部21の位置P2との間の距離を圧入嵌合距離L2とする。実施形態では、位置P2は、段部14の位置でもある。
【0049】
圧入嵌合距離L2は、係合嵌合距離L1よりも長い。したがって、キャップ体20をケース本体10に取り付ける際、圧入嵌合が開始した後、係合嵌合が開始する。
【0050】
圧入嵌合距離L2は、5mm以上が好ましく、9mm以上がより好ましい。また、圧入嵌合距離L2は、長すぎると着脱性が低下し、係合嵌合部でのアンサーバックに対して悪影響を及ぼす可能性がある。ゆえに圧入嵌合距離L2は9mm~12mm程度であることが好ましい。
【0051】
キャップ体20を、さらに下方に移動させると、圧入平面26の圧入曲面16に対する圧入嵌合が開始し、キャップ体20の圧入平面26がケース本体10の圧入曲面16をスライドして下方に移動する。このとき、2つの圧入曲面16間の幅方向Wの距離は下方においても一定の幅である。
【0052】
その後、係合嵌合が開始され、キャップ体20の、キャップ開口部21から係合凹部25までの部分である先端部分が、係合凸部15を乗り越えるため、さらに引き延ばされて広がり、先端部分が係合凸部15を乗り越えると係合凹部25が係合凸部15に嵌って係合嵌合する。
【0053】
係合凹部25と係合凸部15とが係合嵌合すると、キャップ開口部21は、位置P2に移動し、段部14と当接する。これにより、ケース本体10に対してキャップ体20が完全に装着される。
【0054】
(ガタつき防止)
以上、実施形態の文具用ケース1は、圧入嵌合部と係合嵌合部とを有する。ゆえに、ケース本体10に対してキャップ体20が完全に装着されたときに、係合嵌合部による厚さ方向T、長手方向L、及び圧入嵌合による幅方向Wの、三方向でキャップ体20のケース本体10に対する移動を規制できるので、ガタツキの発生が抑制される。
【0055】
(アンサーバック)
キャップ体20の先端部分が係合凸部15を乗り越え、係合凸部15に係合凹部25が嵌り込むと、引き延ばされて広がっていたキャップ体20の先端部分が元の大きさに戻り、キャップ体20をケース本体10に押し込む荷重が一気に減少する。これによって使用者は、キャップ体20がケース本体10に対して嵌った感触(アンサーバック)を得ることができる。さらに、これとほぼ同時にキャップ開口部21は、位置P2に至り、段部14と衝突することにより、キャップ体20がケース本体10に対して最後まで嵌った感触(アンサーバック)を、よりはっきりと得ることができる。
【0056】
(意匠性)
例えば、実施形態と異なり、文具用ケースのキャップ体のケース本体への嵌合において、係合嵌合のみで圧入嵌合を有していない場合、係合嵌合が弱いとガタツキが発生し、文具用ケースが落下する等によってキャップ体がケース本体からはずれる可能性がある。係合凸部の突出量を大きくし、係合凹部の内面を強く押圧することで、係合嵌合部のみでガタツキを抑えることも考えられる、しかし、そうすると、キャップ体における、係合凸部によって押圧された係合凹部の部分の外面に膨らみが生じる。ケース本体10の本体部12の本体部外表面12a、本体部外裏面12bは、キャップ体20の対応する外周の表面と、それぞれ略面一ではなくなり、外観の意匠性が低下する。さらに、係合凸部とキャップ体の内面との間の擦れが大きくなり、係合凸部に損傷が発生する可能性がある。
【0057】
しかし、実施形態では係合嵌合と圧入嵌合とを有しているので、係合嵌合部の嵌合量を大きくしなくても、ガタツキを防止することができ、外観の意匠性が損なわれず、係合凸部15及び係合凹部25に損傷が発生する可能性が低減される。
【0058】
(実験結果)
次に、本実施形態の文具用ケース1の、上記効果について検証するために、実施形態に係る実施例1,2,3,4の文具用ケース1と、比較例1,2,3,4の文具用ケース1とを準備し、それらに対して同様の実験を行った実験結果を説明する。
【0059】
図6は実施例と比較例との実験結果を示した表である。なお、以下の説明において、実施形態に係る実施例の文具用ケース1と、比較例の文具用ケース1とに対して、同様の部分については同じ符号で説明する。
図6における、圧入嵌合オーバーラップ量と係合嵌合オーバーラップ量とは以下のように定義する。
【0060】
(圧入嵌合オーバーラップ量)
図5に示す、キャップ体20が自重によって下方に移動し、案内部27と圧入曲面16とが当接した所定位置で停止したときの、キャップ体20の圧入曲面16間の幅方向Wの距離を圧入前幅W3とする。
図4において圧入前幅W3を想像線(二点鎖線)で示す。ケース本体10に対してキャップ体20が完全に装着されたときの、キャップ体20の圧入曲面16間の幅方向Wの距離を、
図4に示す圧入後幅W4とする。圧入後幅W4は、圧入前幅W3よりも大きくなる。W4-W3を、圧入嵌合オーバーラップ量とする。
【0061】
(係合嵌合オーバーラップ量)
キャップ体20がケース本体10に装着される前の、キャップ体20のキャップ開口部21から2つの係合凹部25までの部分である先端部分における内表面20aと内裏面20bの厚さ方向Tの距離をT1とする。ケース本体10に設けられた2つの係合凸部15の頂部の間の厚さ方向Tの距離をT2とする。T2-T1を、係合嵌合オーバーラップ量とする。
【0062】
実施例及び比較例として、キャップ体20をケース本体10から一度も抜き差ししていない文具用ケース1をそれぞれ用意する。実験に用いた文具用ケース1の係合凸部幅W1は5.3mmである。
【0063】
比較例1,2,3は、圧入嵌合部は設けられておらず、係合嵌合部のみである。比較例4は、係合嵌合部は設けられておらず、圧入嵌合部のみである。実施例1,2,3,4は、圧入嵌合部と係合嵌合部とが設けられている。実施例1,2,3は、それぞれ圧入嵌合距離L2が異なる。実施例4は、実施例3に対して圧入嵌合オーバーラップ量が異なる。
係合嵌合を設けている比較例1,2,3及び実施例1,2,3,4において、係合嵌合オーバーラップ量の変更は、下記のようにして行った。
キャップ体20の(キャップ開口部21から2つの係合凹部25までの部分である先端部分における内表面20aと内裏面20bの厚さ方向Tの)距離T1及び係合凹部25の深さは一定にし、ケース本体10の係合凸部15を高くすることにより、係合嵌合オーバーラップ量を調整した。
【0064】
比較例1,2,3,4及び実施例1,2,3,4に係る文具用ケース1のケース本体10をフォースゲージにセットする。次いで、キャップ体20をケース本体10上に配置し、自重で停止した
図5の状態から、キャップ体20をケース本体10側に一定速度(50mm/min)で押し込んでいき、そのときの荷重を測定する。
【0065】
(係合嵌合力、圧入嵌合力)
図7は、キャップ体20をケース本体10側に押し込んでいったときの、荷重の変化の一例を示したグラフであり、係合嵌合力及び圧入嵌合力を説明する図である。キャップ体20がケース本体10の下方に向かって移動し、キャップ開口部21のケース本体10上の位置がP1になると圧入嵌合が開始する。キャップ開口部21の位置がP1よりもさらに深くなるようにキャップ体20をケース本体10に向かって押し込んでいくと、荷重が増加していく。キャップ体20の圧入平面26は、ケース本体10の圧入曲面16に押されて、圧入前幅W3から徐々に広がっていく。このときのフォースゲージに加わる荷重は、圧入嵌合による荷重(圧入嵌合力)のみである。
【0066】
キャップ体20のキャップ開口部21が、ケース本体10の係合凸部15に到達すると、係合凸部15を乗り越えるための荷重が必要になるので、荷重が一気に増加する。
そして、キャップ体20の先端部分が係合凸部15を乗り越えるまでの間は、フォースゲージに対して高い荷重が加わり続ける。このときのフォースゲージに加わる荷重から、圧入嵌合のみの状態での荷重(圧入嵌合力)を引いた量を、係合嵌合による荷重(係合嵌合力)とする。実施形態において係合嵌合力は圧入嵌合力の1~5倍であることが好ましい。
【0067】
キャップ体20の先端部分が係合凸部15を乗り越え、係合凸部15に係合凹部25が嵌り込むと、荷重が一気に減少する。これによって使用者は、キャップ体20がケース本体10に対して嵌った感触(アンサーバック)を得ることができる。
【0068】
(比較例1,2)
圧入嵌合部を有しておらず、係合嵌合部のみである比較例1,2は、
図6に示すように、係合嵌合オーバーラップ量が0.22mm及び0.35mmであり、係合嵌合オーバーラップ量が0.46mmの比較例3と比べて小さい。本実験においてキャップ体20の距離T1及び係合凹部の深さは一定である。係合嵌合オーバーラップ量が小さいということは、ケース本体10の係合凸部15の高さが低いことでもある。
これらの比較例1,2は、キャップ体20をケース本体10に装着した状態において、キャップ体20とケース本体10との間にかなりのガタツキが発生した。
【0069】
(比較例3)
比較例3は、圧入嵌合部を有しておらず、係合嵌合部のみであり、係合嵌合オーバーラップ量が0.46mmであって比較例1,2よりもケース本体10の係合凸部15が高く係合嵌合オーバーラップ量が大きい。比較例3においては比較例1,2より小さいが、ガタツキは生じていた。これは、キャップ体20がケース本体10に完全に装着された際、厚さ方向T及び長手方向Lのガタツキが抑えられるが、幅方向Wのガタツキが抑えられないからと考えられる。
さらに、比較例3は、キャップ体20がケース本体10に完全に装着された状態において、キャップ体20における、係合凸部15によって押圧された係合凹部25の部分のに外面に膨らみが生じ、ケース本体10の本体部12の本体部外表面12a、本体部外裏面12bは、キャップ体20の対応する外周の表面と、それぞれ略面一ではなくなり、外観意匠性が損なわれていた。
キャップ体20の内面に設けられる係合凹部25は、アンダーカット形状となるが、量産性を考慮すると無理抜き成形が好ましい。しかし、比較例3のように係合嵌合オーバーラップ量を大きくしても、係合凹部25の部分の外面に膨らみが生じないように、係合凹部25を深くすると、無理抜き成形が困難になり製造できないことや製造コストがかかる等の理由で好ましくない。
【0070】
(比較例4)
圧入嵌合部のみで係合嵌合部を有していない比較例4の場合、アンサーバックがないので装着感が得られなかった。
【0071】
(実施例1,2,3)
実施例1,2,3,4は、圧入嵌合部と係合嵌合部とを有する。そして、実施例1,2,3は、圧入嵌合距離L2が実施例1,2,3の順で大きくなっている。実施例4は、実施例3と比較して圧入嵌合距離L2が同じだが、圧入嵌合オーバーラップ量が大きくなっている。これらによって圧入嵌合力が実施例1,2,3,4の順で大きくなっている。
合計(圧入+係合)嵌合力として好ましくは3N~12Nである。この範囲であれば、使用時や持ち運び時等に、振動により収納されたシャープペンシルの替芯Sがキャップ体20を押し上げても、キャップ体20がケース本体10に対し容易に外れてしまわず、使用者が手でキャップ体20をケース本体10から容易に着脱可能である。
実施例1,2,3の合計(圧入+係合)嵌合力は、好ましい範囲であるが、実施例4の合計(圧入+係合)嵌合力は、許容範囲で着脱可能であるがやや高く感じられた。
【0072】
圧入嵌合距離L2が3.0mmの実施例1は、キャップ体20とケース本体10との間のガタツキがわずかに感じられたが、許容範囲であった。
圧入嵌合距離L2が5.0mmの実施例2、11.6mmの実施例3、11.6mmの実施例4は、いずれもキャップ体20とケース本体10との間のガタツキは感じられなかった。
以上の結果より、圧入嵌合距離が長いほど、ガタツキがなくなりやすいことがわかった。
比較例4は、圧入嵌合はしているが、係合嵌合はしていない。しかし、キャップ体20とケース本体10とのガタツキが抑えられて、表において〇の評価となっている。これは、圧入嵌合距離L2が11.6mmと長いことが影響していると考えられる。
また、実施例1及び実施例2は、圧入嵌合及び係合嵌合をしているため、キャップ体20がケース本体10に完全に装着された際、圧入嵌合距離L2を短くしても、厚さ方向T及び長手方向Lのガタツキが抑えられている。
【0073】
全ての実施例において、係合嵌合部を有しているのでアンサーバックがあり、装着感が得られた。
【0074】
いずれの実施例においても、係合嵌合オーバーラップ量は0.37mmであり、比較例3のように大きな係合嵌合オーバーラップ量ではないため、キャップ体20における、係合凸部15によって押圧された係合凹部25の部分の外面に膨らみは生じず、外観の意匠性が損なわれなかった。
【0075】
(変形形態)
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されず、種々の変形が可能である。例えば、実施形態ではケース本体10の嵌合領域13の外側に、キャップ体20がはめ込まれるが、これに限定されず、ケース本体10の嵌合領域13の内側に、キャップ体20がはめ込まれてもよい。
【0076】
また、実施形態では、ケース本体10に係合凸部15が設けられ、キャップ体20に係合凹部25が設けられているが、これに限定されず、ケース本体10に係合凹部25が設けられ、キャップ体20に係合凸部15が設けられていてもよい。また、例えば、ケース本体10に凸部を設けるとともにキャップ体20の開口付近に凸部を設け、キャップ体20の凸部がケース本体10の凸部を乗り越えることでそれらを嵌合させるといったように、ケース本体10及びキャプ体20の両方に係合凸部が設けられていてもよい。
【0077】
実施形態では、キャップ側圧入嵌合部(圧入平面26)が平面、本体側圧入嵌合部(圧入曲面16)が曲面あったが、これに限定されず、平面と曲面が逆であってもよいし、片方が平面で他方がビード状凸部などであってもよい。
実施形態では、本体側係合嵌合部(係合凸部15)と本体側圧入嵌合部(圧入曲面16)とは、ケース本体10の嵌合領域13の外周面(外表面13a,外裏面13b,外側面13c)にそれぞれ2つ配置され、キャップ側係合嵌合部(係合凹部25)とキャップ側圧入嵌合部(圧入平面26)とは、キャップ体20の内周面(内表面20a,内裏面20b,内側面20c)にそれぞれ2つ配置されていたが、これに限定しない。係合嵌合部及び圧入嵌合部が、それぞれ3以上配置されていてもよい。
【0078】
実施形態では、ケース本体10が非結晶性樹脂で製造され、キャップ体20が結晶性樹脂で製造されていたがこれに限定されない。ただし、本発明は、いずれか一方が結晶性樹脂で製造されていることが好ましく、ケース本体10が結晶性樹脂で製造され、キャップ体20が結晶性樹脂で製造されていてもよい。
【符号の説明】
【0079】
L1 係合嵌合距離
L2 圧入嵌合距離
W1 係合凸部幅
W2 係合凹部幅
W3 圧入前幅
W4 圧入後幅
S 替芯(文具)
1 文具用ケース
10 ケース本体
11 本体開口部
12 本体部
12a 本体部外表面
12b 本体部外裏面
12c 本体部外側面
12d 本体部外底面
13 嵌合領域
13a 外表面
13b 外裏面
13c 外側面
14 段部
15 係合凸部(本体側係合嵌合部)
16 圧入曲面(本体側圧入嵌合部)
20 キャップ体
20a 内表面
20b 内裏面
20c 内側面
20d 内底面
21 キャップ開口部
25 係合凹部(キャップ側係合嵌合部)
26 圧入平面(キャップ側圧入嵌合部)
27 案内部