(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024022016
(43)【公開日】2024-02-16
(54)【発明の名称】情報処理装置、プログラム、及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
H04M 11/00 20060101AFI20240208BHJP
H04W 64/00 20090101ALI20240208BHJP
【FI】
H04M11/00 301
H04W64/00 171
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022125293
(22)【出願日】2022-08-05
(71)【出願人】
【識別番号】514093947
【氏名又は名称】モティーブリサーチ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ブイ ホアン アン トゥアン
(72)【発明者】
【氏名】ラギル プトロ ウィチャクソノ
(72)【発明者】
【氏名】チャン クワンロック
【テーマコード(参考)】
5K067
5K201
【Fターム(参考)】
5K067EE02
5K067HH23
5K201BA02
5K201CC04
5K201CC07
5K201CC08
5K201CC10
5K201DC04
5K201EA07
5K201ED05
5K201ED09
(57)【要約】 (修正有)
【課題】入力を電波状況情報とし、出力を高度情報とするネットワークを生成する生成部を備える情報処理装置、プログラム及び情報処理方法を提供する。
【解決手段】無線通信端末の電波状況に基づいて、無線通信端末が位置する高度を推定する推定装置100は、無線通信端末が特定したサービングセル及びネイバーセルのセル識別情報を含む電波状況情報と、前記無線通信端末が測定した気圧から特定された高度情報とを含む端末関連情報を記憶する記憶部から、複数の前記端末関連情報を取得する情報取得部と、前記複数の端末関連情報を教師データとして用いた教師有学習によって、入力を電波状況情報とし、出力を高度情報とするネットワークを生成する生成部と、を備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信端末が特定したサービングセル及びネイバーセルのセル識別情報を含む電波状況情報と、前記無線通信端末が測定した気圧から特定された高度情報とを含む端末関連情報を記憶する記憶部から、複数の前記端末関連情報を取得する情報取得部と、
前記複数の端末関連情報を教師データとして用いた教師有学習によって、入力を電波状況情報とし、出力を高度情報とする学習モデルを生成する生成部と
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記電波状況情報は、前記無線通信端末による前記サービングセルからの電波受信強度と、前記無線通信端末による前記ネイバーセルからの電波受信強度と、前記サービングセルのタイミングアドバンスとを更に含む、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記生成部は、MDN(Mixture Density Network)を用いて、前記学習モデルを生成する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記生成部によって生成された前記学習モデルを用いて、高度を特定する対象となる複数の電波状況情報のそれぞれに対応する高度位置を特定する高度位置特定部
を更に備える、請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記高度位置特定部は、前記学習モデルを用いて前記複数の電波状況情報に対応する複数の高度情報を出力させ、前記複数の高度情報に対してフィルタリングを実行し、前記高度位置を特定する、請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記高度位置特定部は、前記電波状況情報を前記学習モデルに入力して前記学習モデルから出力された信頼度情報が示す信頼度が予め定められた閾値より低い前記電波状況情報については、前記高度位置の特定対象から除外する、請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記高度位置特定部は、前記学習モデルから出力された前記MDNにおける確率密度関数のピーク値が前記予め定められた閾値より低い前記電波状況情報について、前記高度位置の特定対象から除外する、請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記高度位置特定部は、一の無線通信端末に対応する複数の前記電波状況情報に対して特定した複数の前記高度位置について、前記無線通信端末の高度位置が一定の期間内で連続して切り替わらない特性に基づいて調整を行う、請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記高度位置特定部は、動的計画法を用いて、一定の期間内において高度位置が連続して切り替わらないように、前記複数の高度位置を調整する、請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記高度位置特定部は、多数決に基づいて、一定の期間内において高度位置が連続して切り替わらないように、前記複数の高度位置を調整する、請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記高度位置特定部は、一の建物内において前記サービングセル及び前記ネイバーセルを特定した複数の前記無線通信端末のそれぞれが、前記一の建物内のいずれの階に位置していたかを特定する、請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項12】
コンピュータを、請求項1から11のいずれか一項に記載の情報処理装置として機能させるためのプログラム。
【請求項13】
コンピュータによって実行される情報処理方法であって、
無線通信端末が特定したサービングセル及びネイバーセルのセル識別情報を含む電波状況情報と、前記無線通信端末が測定した気圧から特定された高度情報とを含む端末関連情報を記憶する記憶部から、複数の前記端末関連情報を取得する情報取得段階と、
前記複数の端末関連情報を教師データとして用いた教師有学習によって、入力を電波状況情報とし、出力を高度情報とする学習モデルを生成する生成段階と
を備える情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、プログラム、及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、無線通信端末が屋内に位置するのか屋外に位置するのかを判定する技術が記載されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特許第6739499号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明の一実施態様によれば、情報処理装置が提供される。前記情報処理装置は、無線通信端末が特定したサービングセル及びネイバーセルのセル識別情報を含む電波状況情報と、前記無線通信端末が測定した気圧から特定された高度情報とを含む端末関連情報を記憶する記憶部から、複数の前記端末関連情報を取得する情報取得部を備えてよい。前記情報処理装置は、前記複数の端末関連情報を教師データとして用いた教師有学習によって、入力を電波状況情報とし、出力を高度情報とする学習モデルを生成する生成部を備えてよい。
【0004】
前記情報処理装置において、前記電波状況情報は、前記無線通信端末による前記サービングセルからの電波受信強度と、前記無線通信端末による前記ネイバーセルからの電波受信強度と、前記サービングセルのタイミングアドバンスとを更に含んでよい。
【0005】
前記情報処理装置において、前記生成部は、MDN(Mixture Density Network)を用いて、前記学習モデルを生成してよい。
【0006】
前記いずれかの情報処理装置は、前記生成部によって生成された前記学習モデルを用いて、高度を特定する対象となる複数の電波状況情報のそれぞれに対応する高度位置を特定する高度位置特定部を更に備えてよい。
【0007】
前記高度位置特定部は、前記学習モデルを用いて前記複数の電波状況情報に対応する複数の高度情報を出力させ、前記複数の高度情報に対してフィルタリングを実行し、前記高度位置を特定してよい。前記高度位置特定部は、前記電波状況情報を前記学習モデルに入力して前記学習モデルから出力された信頼度情報が示す信頼度が予め定められた閾値より低い前記電波状況情報については、前記高度位置の特定対象から除外してよい。前記高度位置特定部は、前記学習モデルから出力された前記MDNにおける確率密度関数のピーク値が前記予め定められた閾値より低い前記電波状況情報について、前記高度位置の特定対象から除外してよい。
【0008】
前記高度位置特定部は、一の無線通信端末に対応する複数の前記電波状況情報に対して特定した複数の前記高度位置について、前記無線通信端末の高度位置が一定の期間内で連続して切り替わらない特性に基づいて調整を行ってよい。前記高度位置特定部は、動的計画法を用いて、一定の期間内において高度位置が連続して切り替わらないように、前記複数の高度位置を調整してよい。前記高度位置特定部は、多数決に基づいて、一定の期間内において高度位置が連続して切り替わらないように、前記複数の高度位置を調整してよい。
【0009】
前記高度位置特定部は、一の建物内において前記サービング及び前記ネイバーセルを特定した複数の前記無線通信端末のそれぞれが、前記建物内のいずれの階に位置していたかを特定してよい。
【0010】
本発明の一実施態様によれば、コンピュータを、上記情報処理装置として機能させるためのプログラムが提供される。
【0011】
本発明の一実施態様によれば、コンピュータによって実行される情報処理方法が提供される。前記情報処理方法は、無線通信端末が特定したサービングセル及びネイバーセルのセル識別情報を含む電波状況情報と、前記無線通信端末が測定した気圧から特定された高度情報とを含む端末関連情報を記憶する記憶部から、複数の前記端末関連情報を取得する情報取得段階を備えてよい。前記情報処理方法は、前記複数の端末関連情報を教師データとして用いた教師有学習によって、入力を電波状況情報とし、出力を高度情報とする学習モデルを生成する生成段階を備えてよい。
【0012】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】推定装置100の通信環境の一例を概略的に示す。
【
図2】推定装置100が用いる推定アルゴリズム400の一例を概略的に示す。
【
図3】Embedding_layer404について説明するための説明図である。
【
図4】推定装置100の機能構成の一例を概略的に示す。
【
図5】生成部108によるMDNについて説明するための説明図である。
【
図6】生成部108によるMDNについて説明するための説明図である。
【
図7】生成部108によるMDNについて説明するための説明図である。
【
図8】特定の入力xに対するMDNによる予測の一具体例を示す。
【
図9】Time-series_filteringについて説明するための説明図である。
【
図10】Time-series_filteringについて説明するための説明図である。
【
図11】Time-series_filteringについて説明するための説明図である。
【
図12】Time-series_filteringについて説明するための説明図である。
【
図13】Time-series_filteringについて説明するための説明図である。
【
図14】Time-series_filteringについて説明するための説明図である。
【
図15】推定装置100として機能するコンピュータ1200の機能構成の一例を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0015】
図1は、推定装置100の通信環境の一例を概略的に示す。推定装置100は、情報処理装置の一例であってよい。本実施形態に係る推定装置100は、無線通信端末300の電波状況に基づいて、無線通信端末300が位置する高度を推定する。例えば、推定装置100は、無線通信端末300の地上高度を推定する。例えば、推定装置100は、無線通信端末300が位置する高度位置を推定する。高度位置とは、高度に対応する位置であってよく、例えば、建物40の階数等である。
【0016】
本実施形態においては、情報収集装置200が、複数の無線通信端末300のそれぞれから、無線通信端末300によって測定された測定情報を収集する。測定情報は、無線通信端末300によって測定された、無線通信端末300の周囲の無線基地局20からの電波状況を示す電波状況情報を含む。また、無線通信端末300が気圧センサを備える場合には、測定情報は、無線通信端末300が備える気圧センサによって測定された気圧を示す気圧情報を含んでよい。
【0017】
無線基地局20及び無線通信端末300は、5G(5th Generation)通信システムに準拠していてよい。無線基地局20及び無線通信端末300は、LTE(Long Term Evolution)通信システムに準拠していてもよい。無線基地局20及び無線通信端末300は、3G(3rd Generation)通信システムに準拠していてもよい。無線基地局20及び無線通信端末300は、6G(6th Generation)通信システム以降の移動体通信システムに準拠していてもよい。ここでは、無線基地局20及び無線通信端末300が5G通信システムに準拠している場合を例に挙げて説明する。無線通信端末300の例としては、スマートフォン等の携帯電話、タブレット端末、及びウェアラブル端末等が挙げられる。
【0018】
電波状況情報は、サービングセルのPCI(Physical Cell ID)を含んでよい。PCIは、セル識別情報の一例であってよい。電波状況情報は、ネイバーセルのPCIを含んでよい。電波状況情報は、サービングセルからの電波受信強度を含んでよい。電波状況情報は、例えば、サービングセルからのRSRP(Reference Signal Received Power)を含む。電波状況情報は、ネイバーセルからの電波受信強度を含んでよい。電波状況情報は、例えば、ネイバーセルからのRSRPを含む。電波状況情報は、サービングセルのタイミングアドバンスを含んでもよい。
【0019】
無線通信端末300は、例えば、定期的に、測定情報を情報収集装置200に送信する。無線通信端末300は、MR(Measurement Report)として、測定情報を情報収集装置200に送信してよい。無線通信端末300は、測定情報を、ネットワーク10を介して情報収集装置200に送信してよい。ネットワーク10は、無線通信端末300及び無線基地局20が準拠する移動体通信システムを含む。また、ネットワーク10は、インターネットを含んでよい。
【0020】
情報収集装置200は、無線通信端末300のコールIDに対応付けて、無線通信端末300の測定情報を記憶する。情報収集装置200は、複数の無線通信端末300の測定情報を記憶する。情報収集装置200が記憶する情報として、コールID、電波状況情報及び気圧情報が対応付けられた情報と、気圧情報は含まずに、コールID及び電波状況情報が対応付けられた情報が存在することになる。
【0021】
推定装置100は、情報収集装置200から、学習に用いる情報を受信してよい。推定装置100は、情報収集装置200が収集した情報を、情報収集装置200から受信してよい。推定装置100は、ネットワーク10を介して情報収集装置200と通信してよい。
【0022】
推定装置100は、学習用として、コールIDに対して測定情報及び気圧情報が対応付けられている情報を情報収集装置200から受信してよい。推定装置100は、気圧情報から高度情報を算出し、コールIDと、測定情報と、高度情報とを含む情報(端末関連情報と記載する場合がある。)を記憶する。
【0023】
推定装置100は、公知の任意の技術を用いて、気圧情報から高度情報を算出してよい。推定装置100は、例えば、下記数式1を用いて、気圧情報から高度情報を算出する。
【0024】
【0025】
ただし、Pbは静圧(海面気圧)[Pa]、Tbは標準温度(海面温度)[K]、Lbは標準温度気温減率[K/m]、hは海抜高[m]、hbは大気層の底の高さ[m]、Rは一般気体定数であり8.31432[Nm/molK]、g0は重力加速定数であり9.80665[m/s2]、Mは地球の大気のモル質量[kg/mol]である。
【0026】
なお、情報収集装置200が、気圧情報から高度情報を算出してもよい。この場合、推定装置100は、情報収集装置200から、コールID、測定情報、及び高度情報を受信してよい。
【0027】
推定装置100と情報収集装置200とは一体であってもよい。すなわち、推定装置100が、情報収集装置200の機能を備えてもよい。
【0028】
推定装置100は、複数の端末関連情報を教師データとして用いた教師有学習によって、入力を電波状況情報とし、出力を高度情報とする学習モデルを生成する。そして、推定装置100は、当該学習モデルを用いて、高度を特定する対象となる複数の電波状況情報のそれぞれに対応する高度位置を特定する。推定装置100は、例えば、高度を特定する対象となる複数の電波状況情報として、情報収集装置200から、気圧情報又は高度情報が対応付けられていない、測定情報を受信してよい。また、推定装置100は、高度を特定する対象となる複数の電波状況情報の入力を別途受け付けてもよい。
【0029】
推定装置100は、学習アルゴリズムとして、MDN(Mixture Density Network)を用いてよい。推定装置100は、複数の端末関連情報を教師データとして、MDNを用いて学習モデルを生成してよい。
【0030】
図2は、推定装置100が用いる推定アルゴリズム400の一例を概略的に示す。ここでは、学習が完了しているものとして説明する。推定装置100は、複数のセルのそれぞれについて、推定アルゴリズム400を用いて、それぞれのセルをサービングセルとしていた無線通信端末300の電波状況情報から、無線通信端末300の高度位置を推定する。
【0031】
Neighbor_PCI_list402は、隣接セルのPCIのリストである。本例においては、Neighbor_PCI_list402がEmbedding_layer404に入力され、Embedding_layer404によって変換される。PCIは数値で表されるが、基本的に、当該数値同士の関係は、セルの位置関係を表さない。例えば、PCI:200は、数値としてはPCI:100の倍であるが、セルの位置関係に、倍の関係があるわけではない。例えば、PCI:199とPCI:200とは、数値としては近いが、セルの位置が近いわけではない。Embedding_layer404は、PCIを、セルの位置関係を示す値に変換する。
【0032】
RF_features406は、無線通信端末300によるサービングセルからの受信電波強度を含んでよい。RF_features406は、無線通信端末300によるネイバーセルからの受信電波強度を含んでよい。RF_features406は、サービングセルのタイミングアドバンスを含んでよい。Embedding_layer404の出力と、RF_features406とが、MDN408に入力される。MDN408は、無線通信端末300の高度情報を出力する。
【0033】
Altitude_extraction410は、MDN408によって出力された高度情報から、高度位置を抽出する。推定装置100は、例えば、高度情報と、建物40の階数とを対応付けた対応付け情報を用いて、高度情報から建物40の階数を特定する。
【0034】
Time-series_filtering412は、複数の無線通信端末300のそれぞれについて、Altitude_extraction410によって出力された複数の高度位置を、無線通信端末300の高度位置が頻繁には変化しない特性に基づいて調整する。情報収集装置200は、電波状況情報に対応するコールIDによって、一の無線通信端末300に対応する複数の高度位置を特定してよい。
【0035】
推定装置100は、Time-series_filtering412の出力によって、複数の電波状況情報のそれぞれに対応する高度位置、すなわち、測定を行ったときの無線通信端末300の高度位置(例えば、測定を行ったときに無線通信端末300が位置していた建物40の階数)を、特定する。
【0036】
図3は、Embedding_layer404について説明するための説明図である。ここでは、無線基地局20及び無線通信端末300が5G通信方式に準拠しており、PCIとして、1008通りのIDが用いられている場合について説明するが、無線基地局20及び無線通信端末300がLTE通信方式に準拠している場合は、PCIとして504通りのIDが用いられる。
【0037】
Embedding_layer404においては、PCIを、One-hot encoding処理したOne-hotベクトルで表し、埋込行列を作用させることによって、変換する。
【0038】
埋込行列は、複数の端末関連情報によって学習可能である。例えば、第1のセルに在圏していた無線通信端末300によって測定された気圧に対応する第1高度と、第2のセルに在圏していた無線通信端末300によって測定された気圧に対応する第2高度とが近い場合には、第1のセルのPCIの変換後の値と第2のセルのPCIの変換後の値とが近くなるようにし、第1高度と第2高度とが遠い場合には、第1のセルのPCIの変換後の値と第2のセルのPCIの変換後の値とが遠くなるように学習することによって、埋込行列は生成される。
図3に示す例では、埋込行列が1008×2である場合を示しているが、埋込行列は、1008×1、又は1008×3以上であってもよい。推定装置100がEmbedding_layer404を用いることによって、PCIを、無線通信端末300の高度を特定する上で意味のある値に変換することができる。
【0039】
図4は、推定装置100の機能構成の一例を概略的に示す。推定装置100は、記憶部102、情報収集部104、情報取得部106、生成部108、高度位置特定部110、及び出力制御部112を備える。
【0040】
記憶部102は、各種情報を記憶する。記憶部102は、情報収集部104が収集した情報を記憶する。
【0041】
情報収集部104は、各種情報を収集する。情報収集部104は、建物40の情報を収集してよい。建物40の情報は、建物40の階数と、各階の高度とを含んでよい。
【0042】
情報収集部104は、情報収集装置200から情報を受信してよい。例えば、情報収集部104は、情報収集装置200から、無線通信端末300による測定情報を受信する。情報収集部104は、測定情報に気圧情報が含まれる場合に、気圧情報から高度情報を算出してよい。なお、気圧情報から高度情報を算出する処理は、情報収集装置200において実行されてもよい。その場合、情報収集部104は、情報収集装置200から高度情報を受信してよい。
【0043】
記憶部102は、情報収集部104が収集した情報をデータベースによって管理してよい。記憶部102は、測定情報を識別する測定情報ID、サービングセルのPCI、コールID、無線通信端末300が測定を実行した時刻を示すタイムスタンプ、サービングセルからの電波受信強度、ネイバーセルのPCI、ネイバーセルからの電波受信強度、及びサービングセルのタイミングアドバンスを対応付けてデータベースに格納してよい。測定情報に気圧情報が含まれる場合、記憶部102は、更に、気圧情報及び高度情報を対応付けてデータベースに格納してよい。記憶部102が管理する当該情報を、端末関連情報と記載する場合がある。
【0044】
情報取得部106は、記憶部102から、学習に用いる端末関連情報を取得する。情報取得部106は、記憶部102から、高度情報を含む複数の端末関連情報を取得する。
【0045】
生成部108は、情報取得部106が取得した複数の端末関連情報を教師データとして用いた教師有学習によって、入力を電波状況情報とし、出力を高度情報とする学習モデルを生成する。生成部108は、MDNを用いて、学習モデルを生成してよい。生成部108は、生成した学習モデルを記憶部102に記憶させる。
【0046】
高度位置特定部110は、生成部108によって生成された学習モデルを用いて、高度を特定する対象となる複数の電波状況情報のそれぞれに対応する高度位置を特定する。高度位置特定部110は、例えば、記憶部102から、高度情報を含まない複数の端末関連情報を取得し、それぞれに対応する高度位置を特定する。高度位置特定部110は、例えば、高度を特定する対象となる複数の電波状況情報を新たに外部から取得してもよい。高度位置特定部110は、特定結果を記憶部102に記憶させる。
【0047】
高度位置特定部110は、例えば、一の建物40内においてサービング及びネイバーセルを特定した複数の無線通信端末300のそれぞれが、建物40内のいずれの階に位置していたかを特定する。
【0048】
高度位置特定部110は、学習モデルを用いて複数の電波状況情報に対応する複数の高度情報を出力させ、複数の高度情報に対してフィルタリングを実行して、高度位置を特定してよい。
【0049】
例えば、高度位置特定部110は、電波状況情報を学習モデルに入力して学習モデルから出力された信頼度情報が示す信頼度が予め定められた閾値より低い電波状況情報については、高度位置の特定対象から除外する。例えば、高度位置特定部110は、学習モデルから出力されたMDNにおける確率密度関数のピーク値が予め定められた閾値より低い電波状況情報について、高度位置の特定対象から除外する。これにより、高度位置の特定精度が低くなると想定される場合に、高度位置を特定しないようにでき、特定結果の信頼性を高めることができる。
【0050】
高度位置特定部110は、一の無線通信端末300に対応する複数の電波状況情報に対して特定した複数の高度情報について、無線通信端末300の高度位置が一定の期間内で連続して切り替わらない特性に基づいて調整する。これにより、例えば、複数の高度情報が、無線通信端末300が位置する階が短期間の間に切り替わるという、現実的に発生する可能性が低い事象を示す場合に、修正を行うことができ、特定結果の信頼性を高めることができる。
【0051】
高度位置特定部110は、例えば、動的計画法を用いて、一定の期間内において高度位置が連続して切り替わらないように、複数の高度情報を調整する。これにより、推定装置100の計算負荷を低減することができる。高度位置特定部110は、例えば、多数決に基づいて、一定の期間内において高度位置が連続して切り替わらないように、複数の高度情報について高度位置を調整する。
【0052】
出力制御部112は、記憶部102に記憶されている情報を出力するよう制御する。出力制御部112は、例えば、高度位置特定部110による特定結果を出力するよう制御する。出力制御部112は、特定結果を、推定装置100が備えるディスプレイに表示出力させてよい。出力制御部112は、特定結果を、外部の装置に対して送信してよい。出力制御部112は、生成部108によって生成された学習モデルを、外部の装置に対して送信してもよい。
【0053】
図5から
図7は、生成部108によるMDNについて説明するための説明図である。同じ高度に位置する無線通信端末300の電波状況は、同じ特徴を示す可能性が高い。例えば、建物40内の同じ階に位置する無線通信端末300は、同じサービングセルに在圏し、同じネイバーセルを検出する可能性が高く、サービングセルからの電波受信強度、ネイバーセルからの電波受信強度、及びサービングセルのタイミングアドバンスが近い値を示す可能性が高い。
【0054】
生成部108は、無線通信端末300のサービングセル及びネイバーセル、サービングセルからの電波受信強度、ネイバーセルからの電波受信強度、及びサービングセルのタイミングアドバンスのコンビネーションx毎に、無線通信端末300の高度の分布を生成する。
図5は、ある特定のコンビネーションxにおける無線通信端末300の高度の分布を示す。横軸が高度(建物40における階数)を示し、縦軸が無線通信端末300の量を示す。
【0055】
図5に示す例では、無線通信端末300が、10階周辺に位置したことを示すガウス成分(
図5におけるGaussian component 1)と、5階周辺に位置したことを示すガウス分布(
図5におけるGaussian component 2)とが含まれる。すなわち、当該コンビネーションにおいては、無線通信端末300が10階周辺に位置していたケースが多く、5階周辺に位置していたケースがその次に多いことを示す。
【0056】
生成部108は、MDNによって、
図5に例示するような分布のパラメータθが、コンビネーションxの関数であると想定して、xからθへのマッピングを学習する。
【0057】
図6に示すように、θは、3つのベクトルμ、σ、Pによって表される。μはガウシアン成分の平均を示し、σはガウシアン成分の標準偏差を示し、Pはガウシアン成分の混合確率を示す。
【0058】
図7に示すように、xは、PCIのベクトルをEmbedding_layerによって変換した値と、RF_featuresとの結合であり、MDN408は、負の対数尤度関数(Negative log likelihood loss)を用いて、End-to-end networkで訓練される。
【0059】
図8は、特定の入力xに対するMDNによる予測の一具体例を示す。MDNによれば、高度そのものではなく、高度の条件付き分布が予測される。本例において、高度位置特定部110は、
図8に示すように、PDF(Probability Density Function)ピークが最も高いコンポーネントの平均を、予測高度として用いる。
【0060】
図8に示す具体例では、第1のコンポーネントが、P=0.6124、σ=1.142、μ=1.2312であり、第2のコンポーネントが、P=0.2535、σ=0.515、μ=3.2215であり、第3のコンポーネントが、P=0.1341、σ=1.523、μ=7.0942である。そして、第1のコンポーネントのピークPDFが、0.536であり、第2のコンポーネントのピークPDFが、0.492であり、第3のコンポーネントのピークPDFが、0.088である。第1のコンポーネントのピークPDFが最も高いので、高度位置特定部110は、予測高度を、第1のコンポーネントのμ=1.2312とする。
【0061】
高度位置特定部110は、ピークPDFが予め定められた閾値より低い電波状況情報について、高度位置の特定対象から除外してもよい。ピークPDFの値が低いということは、高度の信頼性が低いことになるので、当該除外によって、特定結果の信頼性を高めることができる。
【0062】
当該閾値は、任意に設定可能であってよく、変更可能であってよい。当該閾値は、例えば、推定装置100のユーザ等によって手動設定されてよい。閾値を高くすると、結果として出力される高度位置の精度が高まる一方、除外される電波状況情報が多くなる。閾値を低くすると、結果が出力される電波状況情報を多くできる一方、高度位置の精度が低くなる。推定装置100のユーザ等は、高度位置の精度と、出力される結果の数とのバランスに鑑みて、当該閾値を設定し得る。
【0063】
図9~14は、Time-series_filteringについて説明するための説明図である。推定装置100は、コールIDによって、電波状況情報を無線通信端末300毎にサブセットに分け、タイムスタンプによって、10分間等の予め定められた期間内の複数の電波状況情報を特定し、時系列フィルタリングを実行してよい。予め定められた期間は、10分間に限らず、任意に設定可能であってよく、変更可能であってよい。
【0064】
高度位置特定部110は、一の無線通信端末300に対応する複数の電波状況情報に対して特定した複数の高度位置について、無線通信端末300の高度位置が一定の期間内で連続して切り替わらない特性に基づいて調整を行う。
【0065】
図9~
図13は、動的計画法を用いた時系列フィルタリングについて説明するための説明図である。高度位置特定部110は、サブセットに含まれる、(P、μ、σ)がTタイムステップで変化する複数のガウシアンコンポーネントと、時刻tから時刻t+1への経路のコストとを入力とし、時刻0から時刻T-1までの最短経路(コストが最も少ない経路)を出力して、対応する高度位置を調整する。
【0066】
高度位置特定部110は、経路のコストを、以下の数式2によって算出する。
【0067】
【0068】
時刻0と時刻T-1におけるコンポーネントは、スターティングコスト及びエンディングコストとして、σi0/Pi0とσi(T-1)/Pi(T-1)とを有する。
【0069】
具体例として、μ2tが2.1、P2(t+1)が0.65、μ2(t+1)が1.75、σ2(t+1)が1.1である場合、経路のコストは、上記数式2によって、0.59となる。
【0070】
高度位置特定部110は、時刻0から時刻T-1への最短経路を特定すべく、動的計画法を用いる。
図10では、一例として、時刻0から時刻2の間の最短経路を特定する場合の流れについて説明する。
図10において、ノード510、ノード520、ノード512、ノード522内の数字はスターティングコスト及びエンディングコストを表し、矢印に対して配置された数字は遷移コストを表す。
【0071】
本動的計画法では、2つの問題に分けて考える。1つ目は、
図11に示すように、全てのノードについて、時刻1から時刻2への最短経路を特定する問題。2つ目は、
図12に示すように、全てのノードについて、時刻0から時刻2への最短経路を特定する問題。
【0072】
図11に示すように、本具体例においては、ノード511からノード522への経路のコストが1.5、ノード511からノード512への経路のコストが5.3、ノード521からノード522への経路のコストが1.5、ノード521からノード512への経路のコストが2.3となり、時刻1から時刻2への最短経路が、ノード511からノード522及びノード521からノード522となり、コストがそれぞれ1.5及び2となる。
【0073】
図12に示す問題を解決するためには、
図11に示す問題を解決することが必須となる。そこで、高度位置特定部110は、
図11に示す最短経路を必須とすることによって、全体の計算量を低減する。すなわち、
図12に示す問題を解決する場合に、
図13に示すように、ノード512への経路を削除して計算する。
【0074】
ノード510、ノード511、ノード522の経路のコストは0.6+3.8+1.5=5.9、ノード510、ノード521、ノード522の経路のコストは0.6+0.9+2=3.5、ノード520、ノード511、ノード522の経路のコストは0.1+0.7+1.5=2.3、ノード520、ノード521、ノード522の経路のコストは0.1+1.0+2.0=3.1となる。2.3が3.5よりも小さいことから、高度位置特定部110は、時刻0においてコンポーネント2を出発するノード520、ノード511、ノード522を最短経路として決定する。
【0075】
図14は、多数決に基づく時系列フィルタリングの処理の流れを概略的に示す。
図14に示すフローは、高度位置特定部110が主体となって実行される。
【0076】
高度位置特定部110は、Tタイムステップ毎の高度位置の評価を順番に検証し、異常が検出された場合に、投票を開始し、次の信頼できる評価が現在の状態に対して同意と言えるのか非同意といえるのかを決定していく。そして、勝者側(同意又は非同意)の平均によって全ての評価を置き換えて、投票を終了する。多数決に基づく時系列フィルタリングの入力は、時系列の高度位置の評価と、それぞれの評価の信頼度(例えば、ピークPDF)とであってよく、出力は、調整された高度位置の評価であってよい。
【0077】
図14において、高度位置の評価をサンプルsと記載する。d
threshは、投票を開始するか否かを判定するための閾値である。無線通信端末300の高度位置が少なくとも1階分変化したときに投票を開始したい場合、d
threshは1程度に設定される。R
threshは、投票中にサンプルsを棄却するか否かを判定するための閾値である。n
votesは、投票を終わらす条件となるNear/Farサンプルの数である。αは、重み係数である。g(e、s)=αe+(1-α)sであり、R
s=P
s/σ
sである。
【0078】
高度位置特定部110は、まず、最初のいくつかのサンプルの平均によって、eを初期化する。ステップ(ステップをSと省略して記載する場合がある。)102では、次のサンプルSを取得する。S104では、投票が続いているか否かを判定する。続いていない場合、S106に進み、続いている場合、S112に進む。
【0079】
S106では、|s-e|がdthreshより大きいか否かを判定する。大きくない場合、S108に進み、大きい場合、S110に進む。S108では、eにg(e、s)の結果を挿入し、S102に戻る。
【0080】
S110では、投票を開始する。S112では、サンプルsのRsがRthreshより大きいか否かを判定する。大きい場合、S114に進み、大きくない場合、S102に戻る。
【0081】
S114では、|s-e|がdthreshより大きいか否かを判定する。大きくない場合、S116に進み、大きい場合、S118に進む。S116では、sをnear_bufferに挿入する。S118では、sをfar_bufferに挿入する。
【0082】
S120では、いずれかのバッファがフルになったか否かを判定する。高度位置特定部110は、いずれかのバッファが、nvotesをに達した場合に、フルになったと判定する。フルになっていない場合、S102に戻り、フルになっている場合、S122に進む。
【0083】
S122では、投票中のサンプルsに対応する高度位置の評価を、フルになった勝者側のバッファの平均とする。また、eに、フルになった勝者側のバッファの平均を挿入する。
【0084】
S124では、near_buffer及びfar_bufferをフラッシュし、投票を終了する。そして、S102に戻る。
【0085】
このように、高度位置特定部110は、サンプルsの平均eを維持し、投票が終了した時点でサンプルsを調整する。高度位置特定部110は、現在のサンプルsが、eとdthresh以上異なる場合、すなわち、無線通信端末300の高度が変化した場合に、投票を開始する。高度位置特定部110は、投票の間、eを維持し、信頼度がRthreshより小さいサンプルを棄却し、サンプルsとeとの差がdthreshより大きいか否かによって、サンプルsを近バッファ又は遠バッファに分類する。そして、近バッファ又は遠バッファがnvotesに達した場合に、投票を終了する。投票終了時に、高度位置特定部110は、投票の間の全てのサンプルsを、勝者側のバッファの平均に置き換えて、eに、当該平均を挿入する。
【0086】
以上の処理によって、高度位置が変化した場合に、変化する前の平均と、変化した後の平均から、一時的な変化(すなわち、誤特定)であるかを判定し、誤判定である場合に、修正することができる。
【0087】
図15は、推定装置100として機能するコンピュータ1200のハードウェア構成の一例を概略的に示す。コンピュータ1200にインストールされたプログラムは、コンピュータ1200を、本実施形態に係る装置の1又は複数の「部」として機能させ、又はコンピュータ1200に、本実施形態に係る装置に関連付けられるオペレーション又は当該1又は複数の「部」を実行させることができ、及び/又はコンピュータ1200に、本実施形態に係るプロセス又は当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ1200に、本明細書に記載のフローチャート及びブロック図のブロックのうちのいくつか又はすべてに関連付けられた特定のオペレーションを実行させるべく、CPU1212によって実行されてよい。
【0088】
本実施形態によるコンピュータ1200は、CPU1212、RAM1214、及びグラフィックコントローラ1216を含み、それらはホストコントローラ1210によって相互に接続されている。コンピュータ1200はまた、通信インタフェース1222、記憶装置1224、DVDドライブ1226、及びICカードドライブのような入出力ユニットを含み、それらは入出力コントローラ1220を介してホストコントローラ1210に接続されている。DVDドライブ1226は、DVD-ROMドライブ及びDVD-RAMドライブ等であってよい。記憶装置1224は、ハードディスクドライブ及びソリッドステートドライブ等であってよい。コンピュータ1200はまた、ROM1230及びキーボードのようなレガシの入出力ユニットを含み、それらは入出力チップ1240を介して入出力コントローラ1220に接続されている。
【0089】
CPU1212は、ROM1230及びRAM1214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ1216は、RAM1214内に提供されるフレームバッファ等又はそれ自体の中に、CPU1212によって生成されるイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス1218上に表示されるようにする。
【0090】
通信インタフェース1222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。記憶装置1224は、コンピュータ1200内のCPU1212によって使用されるプログラム及びデータを格納する。DVDドライブ1226は、プログラム又はデータをDVD-ROM1227等から読み取り、記憶装置1224に提供する。ICカードドライブは、プログラム及びデータをICカードから読み取り、及び/又はプログラム及びデータをICカードに書き込む。
【0091】
ROM1230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ1200によって実行されるブートプログラム等、及び/又はコンピュータ1200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入出力チップ1240はまた、様々な入出力ユニットをUSBポート、パラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入出力コントローラ1220に接続してよい。
【0092】
プログラムは、DVD-ROM1227又はICカードのようなコンピュータ可読記憶媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体から読み取られ、コンピュータ可読記憶媒体の例でもある記憶装置1224、RAM1214、又はROM1230にインストールされ、CPU1212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ1200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置又は方法が、コンピュータ1200の使用に従い情報のオペレーション又は処理を実現することによって構成されてよい。
【0093】
例えば、通信がコンピュータ1200及び外部デバイス間で実行される場合、CPU1212は、RAM1214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース1222に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース1222は、CPU1212の制御の下、RAM1214、記憶装置1224、DVD-ROM1227、又はICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、又はネットワークから受信した受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ領域等に書き込む。
【0094】
また、CPU1212は、記憶装置1224、DVDドライブ1226(DVD-ROM1227)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイル又はデータベースの全部又は必要な部分がRAM1214に読み取られるようにし、RAM1214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU1212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックしてよい。
【0095】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、及びデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU1212は、RAM1214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプのオペレーション、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM1214に対しライトバックする。また、CPU1212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU1212は、当該複数のエントリの中から、第1の属性の属性値が指定されている条件に一致するエントリを検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0096】
上で説明したプログラム又はソフトウエアモジュールは、コンピュータ1200上又はコンピュータ1200近傍のコンピュータ可読記憶媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワーク又はインターネットに接続されたサーバシステム内に提供されるハードディスク又はRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読記憶媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ1200に提供する。
【0097】
本実施形態におけるフローチャート及びブロック図におけるブロックは、オペレーションが実行されるプロセスの段階又はオペレーションを実行する役割を持つ装置の「部」を表わしてよい。特定の段階及び「部」が、専用回路、コンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、及び/又はコンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタル及び/又はアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)及び/又はディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、及びプログラマブルロジックアレイ(PLA)等のような、論理積、論理和、排他的論理和、否定論理積、否定論理和、及び他の論理演算、フリップフロップ、レジスタ、並びにメモリエレメントを含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
【0098】
コンピュータ可読記憶媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読記憶媒体は、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読記憶媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(登録商標)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0099】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、又はSmalltalk(登録商標)、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、及び「C」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコード又はオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
【0100】
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路が、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を生成するために当該コンピュータ可読命令を実行すべく、ローカルに又はローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路に提供されてよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0101】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0102】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階などの各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」などと明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」などを用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0103】
10 ネットワーク、20 無線基地局、40 建物、100 推定装置、102 記憶部、104 情報収集部、106 情報取得部、108 生成部、110 高度位置特定部、112 出力制御部、200 情報収集装置、300 無線通信端末、400 推定アルゴリズム、402 Neighbor_PCI_list、404 Embedding_layer、406 RF_features、408 MDN、410 Altitude_extraction、412 Time-series_filtering、510、511、512 ノード、520、521、522 ノード、1200 コンピュータ、1210 ホストコントローラ、1212 CPU、1214 RAM、1216 グラフィックコントローラ、1218 ディスプレイデバイス、1220 入出力コントローラ、1222 通信インタフェース、1224 記憶装置、1226 DVDドライブ、1227 DVD-ROM、1230 ROM、1240 入出力チップ