(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024022026
(43)【公開日】2024-02-16
(54)【発明の名称】圧電発振器およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
H03B 5/32 20060101AFI20240208BHJP
【FI】
H03B5/32 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022125316
(22)【出願日】2022-08-05
(71)【出願人】
【識別番号】000232483
【氏名又は名称】日本電波工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】村瀬 重善
(72)【発明者】
【氏名】金丸 晶浩
【テーマコード(参考)】
5J079
【Fターム(参考)】
5J079AA04
5J079BA43
5J079BA47
5J079HA02
5J079HA07
5J079HA25
5J079HA30
(57)【要約】
【課題】パッケージに設けた接続パッド2cと半導体チップ3との間に中継基板5を用いる圧電発振器であって、バンプの位置が異なる複数種類の半導体チップに対しても、同一パッケージを使用でき、然も簡易な構造を有した圧電発振器を提供する。
【解決手段】圧電発振器1は、中継基板5として、第一の面5aに設けられ接続パッドに接続されていて平坦な第一パターン30a~30gと、第一の面と反対面の第二の面5bに設けられ半導体チップのバンプ70a~70gに接続されていて平坦な第二パターンであって、バンプに対応する領域各々の平面的大きさが、バンプの領域より大きい第二パターン40a~40gとを備える中継基板を用いている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
凹部を有するパッケージと、前記凹部の底面に設けられ半導体チップが接続される接続パッドと、前記凹部内に実装されている圧電振動子及び当該半導体チップと、前記底面及び前記半導体チップ間に設けられた中継基板と、前記パッケージに接合された蓋部材と、を備える圧電発振器において、
前記中継基板は、
第一の面に設けられ前記接続パッドに接続されていて平坦な第一パターンと、
前記第一の面と反対面の第二の面に設けられ前記半導体チップのバンプに接続されていて平坦な第二パターンであって、前記バンプに対応する領域各々の平面的大きさが、前記バンプの領域より大きい第二パターンと、
を備えることを特徴とする圧電発振器。
【請求項2】
前記接続パッドの平面的な配置と、前記第一パターンの平面的な配置は同一であり、前記接続パッドの平面的な配置と、前記第二パターンの平面的な配置は異なることを特徴とする請求項1に記載の圧電発振器。
【請求項3】
前記中継基板の第二の面の中央領域に、前記第二パターンの一部を配線してあることを特徴とする請求項1に記載の圧電発振器。
【請求項4】
凹部を有するパッケージと、前記凹部の底面に設けられ半導体チップが接続される接続パッドと、前記凹部内に実装されている圧電振動子及び当該半導体チップと、前記底面及び前記半導体チップ間に設けられた中継基板と、前記パッケージに接合された蓋部材と、を備える圧電発振器を製造するに当たり、
第一の面に、前記接続パッドと対応する第一パターンを備え、前記第一の面の反対面の第二の面に、前記半導体チップのバンプと対応する第二パターンを備える中継基板であって、前記第二パターンが、使用予定の複数種類の半導体チップに対応して違えてある複数種類の中継基板を用意する工程と、
前記複数種類の中継基板から、圧電発振器の仕様に応じた半導体チップ用の中継基板を選択する工程と、
前記選択した中継基板を前記パッケージに、前記接続パッド及び前記第一パターンを介して接合する工程と、
前記半導体チップを前記選択した中継基板に、前記バンプ及び前記第二パターンを介して接合する工程と、を含むことを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧電発振器およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器等では基準発振源の必要性が益々高まっている。基準発振源の1つとして圧電発振器、典型的には水晶発振器がある。その一例が特許文献1に記載されている。
特許文献1に記載の圧電発振器は、圧電振動子片を収納している第一の部屋と、半導体チップを収納している第二の部屋と、が積層されたものである。然も、半導体チップは第二の部屋の底面に中継基板を介して接合されている。中継基板は、一方の面だけに配線パターンが形成されており、かつ貫通孔を備えている(特許文献1の段落0008)。貫通孔は半導体チップのバンプと第二の部屋の底面に設けられた端子とを接続するものであって、バンプの凸部分が挿入されて、圧電発振器の薄型化を図るものである(特許文献1の段落0011)。さらに中継基板は片面のみに配線パターンを設けているため、圧電発振器の低コスト化が図れている(特許文献1の段落0038)。
【0003】
特許文献1に記載された水晶発振器によれば、半導体チップの複数のバンプの配置と、第二の部屋の底面に設けられた端子の配置が異なる場合でも、それらの配置に合わせて、中継基板の貫通孔の位置、および中継基板の片面に設けられた配線パターンを変更することで、第二の部屋の底面に設けられた端子と半導体チップのバンプの配置を変更することなく圧電発振器を構成できる。すなわち、中継基板によって、コンパチビリティを高めている(特許文献1の段落0036)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記記載の圧電発振器では、以下の課題がある。バンプの配置が異なる半導体チップを用いる場合、半導体チップごとに、中継基板の、半導体チップのバンプに対応する位置に貫通孔を設ける必要があるため、中継基板の設計、準備、加工等の制約が大きい。然も、中継基板に設けた貫通孔に、半導体チップのバンプを挿入する際の、精密な位置調整が必要となる。
【0006】
本発明は上記の点に鑑みなされたものであり、従ってこの出願の目的は、中継基板を用いる圧電発振器であって、バンプの位置が異なる複数種類の半導体チップに対しても、適応でき、然も簡易な構造を有した圧電発振器とその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的の達成を図るため、この発明の圧電発振器によれば、凹部を有するパッケージと、前記凹部の底面に設けられ半導体チップが接続される接続パッドと、前記凹部内に実装されている圧電振動子及び当該半導体チップと、前記底面及び前記半導体チップ間に設けられた中継基板と、前記パッケージに接合された蓋部材と、を備える圧電発振器において、
前記中継基板は、
第一の面に設けられ前記接続パッドに接続されていて平坦な第一パターンと、
前記第一の面と反対面の第二の面に設けられ前記半導体チップのバンプに接続されていて平坦な第二パターンであって、前記バンプに対応する領域各々の平面的大きさが、前記バンプの領域より大きい第二パターンと、
を備えることを特徴とする。
【0008】
また、この出願の圧電発振器の製造方法によれば、凹部を有するパッケージと、前記凹部の底面に設けられ半導体チップが接続される接続パッドと、前記凹部内に実装されている圧電振動子及び当該半導体チップと、前記底面及び前記半導体チップ間に設けられた中継基板と、前記パッケージに接合された蓋部材と、を備える圧電発振器を製造するに当たり、
第一の面に、前記接続パッドと対応する第一パターンを備え、前記第一の面の反対面の第二の面に、前記半導体チップのバンプと対応する第二パターンを備える中継基板であって、前記第二パターンが、使用予定の複数種類の半導体チップに対応して違えてある複数種類の中継基板を用意する工程と、
前記複数種類の中継基板から、圧電発振器の仕様に応じた半導体チップ用の中継基板を選択する工程と、
前記選択した中継基板を前記パッケージに、前記接続パッド及び前記第一パターンを介して接合する工程と、
前記半導体チップを前記選択した中継基板に、前記バンプ及び前記第二パターンを介して接合する工程と、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
この発明の圧電発振器によれば、半導体チップのバンプの配置が、パッケージの凹部の底面に設けた接続パッドの配置と異なる場合でも、第二パターンの配置がバンプの配置に対応している中継基板を用いるので、パッケージを変更することなく圧電発振器を構成できる。従って、バンプの位置が異なる複数種類の半導体チップに対して、同一のパッケージを使用することができるため、パッケージのコンパチビリティを高めることが出来る。
然も、中継基板の第二パターンは、バンプに対応する領域各々の平面的大きさが、バンプの領域より大きいため、半導体チップの中間基板に対する位置が、正規の位置より多少ずれても、半導体チップと中継基板とを接続できる。
然も、中継基板の第二パターンは平面であり、従来のように中継基板に貫通孔を設ける構造でないため、中継基板も簡易なもので済む。
これらのことから、中継基板を用いる圧電発振器であって、バンプの位置が異なる複数種類の半導体チップに対しても、適応でき、然も簡易な構造を有した圧電発振器を提供できる。
この発明の圧電発振器の製造方法によれば、第一の面に半導体チップのパッケージ底面の接続パッドと対応する第一パターンを備え、第二の面に半導体チップのバンプと対応する第二パターンを備えた複数種類の半導体チップに対応する複数種類の中継基板を用意し、これら複数種類の中継基板から、圧電発振器の仕様に応じた半導体チップ用の中継基板を選択して、圧電発振器を製造するので、バンプの配置が異なる半導体チップごとにパッケージを変更することなく圧電発振器を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】(a)、(b)、(c)、(d)は、本発明の実施形態の圧電発振器1を説明するための図である。(c)図は、(b)図中のB部を拡大した図である。
【
図2】(a)図は、半導体チップの第一例、(b)図は、中継基板の第一の面の第一例、(c)図は、中継基板の第二の面の第一例である。
【
図3】(a)図は、半導体チップの第二例、(b)図は、中継基板の第一の面の第二例、(c)図は、中継基板の第二の面の第二例である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照してこの発明の圧電発振器及びその製造方法の実施形態についてそれぞれ説明する。
なお、説明に用いる各図はこれらの発明を理解できる程度に概略的に示してあるにすぎない。また、説明に用いる各図において、同様な構成成分については同一の番号を付して示し、その説明を省略する場合もある。また、以下の説明で述べる形状、材質等はこの発明の範囲内の好適例に過ぎない。従って、本発明は以下の実施形態のみに限定されるものではない。
【0012】
1.圧電発振器の実施形態
図1及び
図2を参照して、実施形態の圧電発振器1について説明する。
図1(a)は、圧電発振器1のパッケージ2に半導体チップ3および中継基板5が実装された状態を、半導体チップ3の上方側から見た上面図である。
図1(b)は、
図1(a)中のA-A線に沿った断面図である。また、
図1(d)は、
図1(a)中の半導体チップ3および中継基板5を外した状態の図である。また、
図2(a)は半導体チップ3及びバンプ70a~70gを説明する平面図、
図2(b)は、中継基板5及び第一の面5aに設けた第一パターン30a~30gを説明する平面図、
図2(c)は、中継基板5及び第二の面5bに設けた第二パターン40a~40gを説明する平面図である。
【0013】
圧電発振器1は、凹部2aを有するパッケージ2と、凹部2aの底面2bに設けられ半導体チップ3が接続される接続パッド2cと、凹部2a内に実装されている圧電振動子4及び当該半導体チップ3と、凹部2aの底面2b及び半導体チップ3間に設けられた中継基板5と、パッケージ2に接合された蓋部材6と、を備えている。
然も、中継基板5は、
図2(b)、(c)に示したように、第一の面5aに設けられパッケージ2の接続パッド2cに接続されていて平坦な第一パターン30a~30gと、第一の面と反対面の第二の面5bに設けられ半導体チップのバンプ70a~70gに接続されていて平坦な第二パターン40a~40gであって、バンプ70a~70gに対応する領域各々の平面的大きさが、バンプの領域より大きい第二パターンと、を備えている。以下、各構成成分の具体的な構造例を説明する。
パッケージ2は、この場合、第1層2x、第2層2y及び第3層2zの3層の積層構造としてある。第2層2y及び第3層2zは、パッケージ2の縁で土手部2dを構成していて、土手部2dの内側に凹部2aを構成している。凹部2aの底面2bに、半導体チップ3用の接続パッド2cを備えている。また、この場合、パッケージ2の第2層2yは、第3層2zに比べて、パッケージ2の中心側に張り出している。この張り出した部分上に、圧電振動子4を接続するための接続パッド2eを備えている。また、パッケージ2は、外側の底面に、任意の電子装と接続するための外部接続端子(図示せず)を備えている。凹部2aの底面の接続パッド2c、圧電素子用の接続パッド2eおよび図示していない外部接続端子は、所定の関係で図示しない配線によって接続してある。なお、パッケージ2は、周知のセラミック製パッケージによって構成できる。
【0014】
半導体チップ3は、平面視において矩形状であり、中継基板と接合する面に電極パッド20a~20gと、球形状のバンプ70a~70gとを備えたものである。バンプ70a~70gは、金又ははんだで形成されている。
圧電振動子4は、平面視において矩形状であり、表裏の面に励振用電極と、それぞれの励振用電極から圧電振動子4の一つの短辺に引出した、引出電極と、を備えている(図示せず)。
中継基板5は、平面視において矩形状であり、第一の面5aに平坦な第一パターン30a~30gと、第一の面と反対の第二の面に平坦な第二パターン40a~40gを備えている。ここで、平坦な面とは、特許文献1に記載の中継基板で設けていた貫通孔、すなわち半導体チップのバンプが挿入される貫通孔は有しておらず、半導体チップのバンプに対し実用上平坦な面という意味である。また、第一パターンと第2パターンとは、中継基板5の半導体チップのバンプの位置とは重ならない適正な領域に設けられたスルーホールおよびスルーホール内配線(いずれも図示せず)で、互いに所定関係で繋がっている。
また、パッケージ2の接続パッド2cと中継基板5の第一パターン30a~30gは、平面的な配置が同一であり、接続パッド2cと中継基板5の第二パターン40a~40gは平面的な配置が異なる。本発明に係る中継基板の場合、中継基板の中央領域に配線を設けることもできる。例えば、半導体チップ3のバンプの位置がパッケージ側の接続パッドの位置に対し、遠い場合や、用いる半導体チップの大きさが異なる場合等は、第二パターン40a~40gの一部は、中継基板5の中央領域に配線することもできる。具体的には、
図2の例と、
図3の例では、半導体チップの大きさが異なる例を示している。すなわち、
図3の例では、半導体チップの大きさが
図2の例より小さいので、
図3(c)に示したように、第二パターン40a~40gの一部は、中継基板の中央領域から第一パターン30a~30gに通ずるように配線を伸ばしている。なお、中継基板5は、水晶又はガラスで構成されることが好ましい。中継基板を水晶で構成した場合、水晶振動子で利用される水晶片を流用できるので、材料調達が容易なこと、及び、中継基板の低コスト化が期待できる。中継基板をガラスで構成する場合、ガラスは比較的安価であるので、中継基板の低コスト化が期待できる。
蓋部材6は、平面視において矩形状であり、例えば金属製である。
【0015】
圧電発振器1は、凹部2aを有するパッケージ2に、凹部2aの底面2bに設けられた接続パッド2cと中継基板5の第一パターン30a~30gとを、導電性接着剤(図示せず)を介して接合する。次に、凹部2aに接合された中継基板5の第二パターン40a~40gと半導体チップ3と、を半導体チップ3に接着しているバンプ70a~70gを荷重と超音波振動により溶融し、接合する。その後、パッケージ2の第2層2yに備えられた接続パッド2eと圧電振動子4を、導電性接着剤8を介して接合する。凹部2a内を適度な真空又は不活性ガス雰囲気にした後、シールリング9と蓋部材6をシーム溶接で接合し、封止する。中継基板5の第二パターンの各々の平面的大きさが、バンプの領域より大きいため、半導体チップ3の電極パッドの領域内でバンプがずれて接着していた場合でも、バンプのずれを第二パターンの大きさが相殺し、中継基板に半導体チップを接合することができる。その後、パッケージ2の第2層2yに備えられた接続パッド2eと圧電振動子4を、導電性接着剤8を介して接合する。凹部2a内を適度な真空又は不活性ガス雰囲気にした後、シールリング9と蓋部材6をシーム溶接で接合し、封止する。
【0016】
2.圧電発振器の製造方法
図1、
図2及び
図3を参照して、実施形態の圧電発振器1の製造方法について説明する。
図3(a)は、
図2(a)と別の半導体チップ3及びバンプ71a~71fを説明する平面図、
図3(b)は、
図2(b)と別の中継基板5及び第一の面5cに設けた第一パターン31a~31gを説明する平面図、
図3(c)は、
図2(c)と別の中継基板5及び第二の面5dに設けた第二パターン41a~41fを説明する平面図である。
【0017】
この発明の製造方法は、複数種類の半導体チップとこれに対応する複数種類の中継基板とを、共通のパッケージに実装し得るものである。
そこで、初めに、半導体チップ3と中継基板5をそれぞれ複数種類用意する。この例では、
図2、
図3に示したように、半導体チップ3と中継基板5とを、2種類ずつ用意し、共通のパッケージに実装する例を示している。従って、中継基板5は、第一の面5a(
図2)又は5c(
図3)にパッケージ2の接続パッド2cに接続されていて平坦な第一パターン30a~30g又は31a~31gと、第二の面5b又は5dに半導体チップ3a又は3bのバンプ70a~70g又は71a~71fと接続させる第二パターン40a~40g又は41a~41fを備えている。
また、中継基板5の第一の面5a又は5cに備えられた第一パターン30a~30g又は31a~31gは、平面的な配置が同一である。中継基板5は複数存在するが、第一の面の第一パターンは全て平面的な配置が同一である。今回は、
図2の半導体チップと中継基板を選択したとして説明していく。
【0018】
次に、用意した複数の半導体チップ3と複数の中継基板5の中から、圧電発振器1の仕様に合致する半導体チップ3と、中継基板5と、を選択する。次に、凹部を有するパッケージ2と、圧電振動子4と、蓋部材6と、を用意する。次に、凹部を有するパッケージ2底面の接続パッド2cと選択した中継基板5を、導電性接着剤(図示せず)を介して接合する。次に、パッケージ2底面に接合した中継基板5と、選択した半導体チップ3を、バンプ70a~70gを介して接合する。ここの工程は、中継基板5と半導体チップ3を接合して一体化してから、パッケージ2底面の接続パッド2cに接合するやり方でもよい。
【0019】
次に、パッケージ2の第2層2yに備えられた接続パッド2eと圧電振動子4を導電性接着剤8を介して接合する。次に、凹部2a内を適度な真空又は不活性ガス雰囲気にした後、シールリング9と蓋部材6をシーム溶接で接合し、封止する。
【0020】
通常、圧電発振器の仕様に合わせた半導体チップを選択し、選択した半導体チップの電極パッドに対応するパッケージを選択する。この選択は、圧電発振器の複数の仕様に合わせて毎回行う必要がある。そのため、半導体チップの電極パッドに合わせたパッケージを複数用意する必要があり、毎回パッケージの金型費用がかかってしまう。しかし、圧電発振器の仕様に合わせた半導体チップを選択し、その半導体チップの電極パッドに対応した中継基板を使用することで、中継基板の第一の面はいつも同じパターンで固定されているため、パッケージを変更することなく、圧電発振器を製造することができる。このことから、パッケージのコンパチビリティを高めることができる。
【符号の説明】
【0021】
1:圧電発振器 2:パッケージ
2a:パッケージの凹部 2b:パッケージの底面
2c、2e:パッケージの接続パッド 2d:パッケージの土手部
2x:パッケージの第一層 2y:パッケージの第二層
2z:パッケージの第三層
20a~20g、21a~21f:半導体チップの電極パッド
3、3a、3b:半導体チップ
30a~30g、31a~31g:中継基板の第一パターン
4:圧電振動子
40a~40g、41a~41f:中継基板の第二パターン
5:中継基板 5a、5c:中継基板の第一の面
5b、5d:中継基板の第二の面 6:蓋部材
7、70a~70g、71a~71f:バンプ
8:導電性接着剤 9:シールリング