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特開2024-22036情報処理装置、二酸化炭素処理装置、システム及び情報処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024022036
(43)【公開日】2024-02-16
(54)【発明の名称】情報処理装置、二酸化炭素処理装置、システム及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240208BHJP
   G05B 23/02 20060101ALI20240208BHJP
   G06Q 50/06 20240101ALI20240208BHJP
   G06Q 50/04 20120101ALI20240208BHJP
   B01D 53/62 20060101ALI20240208BHJP
   B01D 53/96 20060101ALI20240208BHJP
【FI】
G06Q50/10
G05B23/02 Z ZAB
G06Q50/06
G06Q50/04
B01D53/62
B01D53/96
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022125337
(22)【出願日】2022-08-05
(71)【出願人】
【識別番号】000000974
【氏名又は名称】川崎重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】竹田 航哉
(72)【発明者】
【氏名】國政 瑛大
(72)【発明者】
【氏名】秋山 隼太
(72)【発明者】
【氏名】橋本 康平
【テーマコード(参考)】
3C223
4D002
5L049
【Fターム(参考)】
3C223AA02
3C223AA04
3C223BA03
3C223BB12
3C223CC02
3C223DD03
3C223EB01
3C223EB03
3C223FF05
3C223FF23
3C223GG01
4D002AA09
4D002AC04
4D002AC07
4D002AC10
4D002FA01
4D002GA03
4D002GB20
4D002HA09
5L049CC03
5L049CC06
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】プラントから排出される二酸化炭素の効率的な処理に貢献する情報処理装置等を提供する。
【解決手段】情報処理装置の処理回路は、プラントから排出される二酸化炭素を含む処理対象の二酸化炭素を処理するのに要する二酸化炭素処理装置の第1電力量と、前記第1電力量のうちの前記二酸化炭素処理装置が前記プラントから供給を受ける第2電力量との差分である第3電力量を演算することと、前記二酸化炭素処理装置による前記処理対象の二酸化炭素の第1処理量と、前記第3電力量から算出される二酸化炭素の第2処理量とに基づき、前記二酸化炭素処理装置による二酸化炭素の実質的な第3処理量を演算することとを実行する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発電装置を含むプラントから排出される二酸化炭素に対する二酸化炭素処理装置の処理に関する演算をする処理回路を含む、情報処理装置であって、
前記処理回路は、
前記プラントから排出される二酸化炭素を含む処理対象の二酸化炭素を処理するのに要する前記二酸化炭素処理装置の第1電力量と、前記第1電力量のうちの前記二酸化炭素処理装置が前記プラントから供給を受ける第2電力量とを取得することと、
前記第1電力量と前記第2電力量との差分である第3電力量を演算することと、
前記二酸化炭素処理装置による前記処理対象の二酸化炭素の第1処理量と、前記第3電力量から算出される二酸化炭素の第2処理量とに基づき、前記二酸化炭素処理装置による二酸化炭素の実質的な第3処理量を演算することとを実行する、情報処理装置。
【請求項2】
前記処理回路は、前記第1処理量と前記第3処理量とを用いて前記二酸化炭素処理装置における二酸化炭素の処理効率を演算することをさらに実行する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記処理回路は、
前記第3処理量の演算において、
前記第2電力量が前記第1電力量よりも小さい場合、前記二酸化炭素処理装置が前記第3電力量の電力の供給を受ける第1電源の情報を用い、
前記第1電源の電力供給において生じる二酸化炭素の発生量が多いほど、前記第3処理量を小さくする前記第2処理量を算出する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記処理回路は、
第1期間に含まれる前記第1電力量及び前記第2電力量に基づき、前記第1期間に含まれる前記第3電力量を演算し、
前記第1期間に含まれる前記第1処理量及び前記第2処理量に基づき、前記第1期間に含まれる前記第3処理量を演算する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記処理回路は、
前記第3電力量の演算において、前記第1期間内の第1時刻での前記第1電力量と、前記第1時刻に対応する前記第1期間内の第2時刻での前記第2電力量との差分を用い、
前記第3処理量の演算に、前記第1時刻での前記第1処理量を用いる
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記処理回路は、
前記第1処理量と前記第3処理量とを用いて前記二酸化炭素処理装置における二酸化炭素の処理効率を演算し、
前記発電装置の前記第1期間内の発電量の総量が固定値であり、前記二酸化炭素処理装置の前記第1期間内の処理量の総量が所定値以上であるという制約条件のもと、前記処理効率を最大化するように、前記第1電力量、前記第2電力量及び前記第3電力量のうちの2つ以上を演算し出力する
請求項4又は5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記処理回路は、
前記第1処理量と前記第3処理量とを用いて前記二酸化炭素処理装置における二酸化炭素の処理効率を演算し、
前記発電装置の前記第1期間内の発電量の総量が固定値であり、前記二酸化炭素処理装置の前記第1期間内の処理量の総量が所定値以上であるという制約条件のもと、前記処理効率を最大化するように、前記プラントの処理量及び前記二酸化炭素処理装置の二酸化炭素の処理量を演算し出力する
請求項4又は5に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記処理回路は、
前記第1処理量と前記第3処理量とを用いて前記二酸化炭素処理装置における二酸化炭素の処理効率を演算し、
前記第1期間内の発電電力の売電価格と、前記発電装置の前記第1期間内の発電量と、前記二酸化炭素処理装置の前記第1期間内の電力所要量と、前記処理効率とに基づき、前記第1期間内の発電電力の売電収入が最大となるように、前記第1期間内の前記発電装置の発電量と前記二酸化炭素処理装置の電力使用量とのいずれか又は両方を演算し出力する
請求項4又は5に記載の情報処理装置。
【請求項9】
請求項1に記載の情報処理装置を備える二酸化炭素処理装置。
【請求項10】
請求項1に記載の情報処理装置と、
前記二酸化炭素処理装置と、
前記プラントとを含むシステム。
【請求項11】
発電装置を含むプラントから排出される二酸化炭素に対する二酸化炭素処理装置の処理に関する演算をする情報処理方法であって、
前記プラントから排出される二酸化炭素を含む処理対象の二酸化炭素を処理するのに要する前記二酸化炭素処理装置の第1電力量と、前記第1電力量のうちの前記二酸化炭素処理装置が前記プラントから供給を受ける第2電力量との差分である第3電力量を演算することと、
前記二酸化炭素処理装置による前記処理対象の二酸化炭素の第1処理量と、前記第3電力量から算出される二酸化炭素の第2処理量とに基づき、前記二酸化炭素処理装置による二酸化炭素の実質的な第3処理量を演算することとを含む、情報処理方法。
【請求項12】
前記第1処理量と前記第3処理量とを用いて前記二酸化炭素処理装置における二酸化炭素の処理効率を演算することをさらに含む
請求項11に記載の情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、二酸化炭素処理装置、システム及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発電プラントの中には、排ガス中の二酸化炭素を回収する装置を備えるものがある。例えば、特許文献1は、発電設備用CO回収装置の運転制御システムを開示する。当該システムは、CO回収装置を含む発電設備の運転に応じて生じる収入価格から、CO回収装置を発電設備の運転に応じて生じる支出価格を差し引いた評価指数が最大となる態様で運転制御を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-245430号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、二酸化炭素の発生量の低減が注目されている。特許文献1のシステムは、発電設備の運転コストの低減を目的とするが、発電設備の運転に関わる二酸化炭素の発生量の低減を目的とするものではない。
【0005】
本開示は、プラントから排出される二酸化炭素の効率的な処理に貢献する情報処理装置、二酸化炭素処理装置、システム及び方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る情報処理装置は、発電装置を含むプラントから排出される二酸化炭素に対する二酸化炭素処理装置の処理に関する演算をする処理回路を含む。前記処理回路は、前記プラントから排出される二酸化炭素を含む処理対象の二酸化炭素を処理するのに要する前記二酸化炭素処理装置の第1電力量と、前記第1電力量のうちの前記二酸化炭素処理装置が前記プラントから供給を受ける第2電力量とを取得することと、前記第1電力量と前記第2電力量との差分である第3電力量を演算することと、前記二酸化炭素処理装置による前記処理対象の二酸化炭素の第1処理量と、前記第3電力量から算出される二酸化炭素の第2処理量とに基づき、前記二酸化炭素処理装置による二酸化炭素の実質的な第3処理量を演算することとを実行する。
【発明の効果】
【0007】
本開示の技術は、プラントから排出される二酸化炭素の効率的な処理に貢献することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施の形態に係る処理システムの構成の一例を示す図である。
図2図2は、実施の形態に係る情報処理装置の構成の一例を示すブロック図である。
図3図3は、処理プラントの1日間の余剰電力量及び売電価格の予測値と二酸化炭素処理装置の1日間の所要電力量の予測値との一例を示す図である。
図4図4は、実施の形態に係る情報処理装置の二酸化炭素の処理効率の演算動作の一例を示すフローチャートである。
図5図5は、実施の形態に係る情報処理装置の第1最適化演算動作の一例を示すフローチャートである。
図6図6は、実施の形態に係る情報処理装置の第2最適化演算動作の一例を示すフローチャートである。
図7図7は、実施の形態に係る情報処理装置の第3最適化演算動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下において、本開示の例示的な実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的又は具体的な例を示すものである。以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。添付の図面における各図は、模式的な図であり、必ずしも厳密に図示されたものでない。各図において、実質的に同一の構成要素に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化される場合がある。本明細書及び特許請求の範囲では、「装置」とは、1つの装置を意味し得るだけでなく、複数の装置からなるシステムも意味し得る。「装置」は、「設備」も含み得る。
【0010】
[処理システムの構成]
図1を参照しつつ、実施の形態に係る処理システム1の構成を説明する。図1は、実施の形態に係る処理システム1の構成の一例を示す図である。処理システム1は、処理プラント10と、二酸化炭素処理装置20と、情報処理装置30とを含む。処理プラント10は、発電機能を有し且つ二酸化炭素を発生するいかなるプラントであってもよい。処理プラント10の例として、発電プラント、焼却プラント、石油化学プラント及び精錬プラント等が挙げられる。発電プラントの例として、火力発電プラント及びバイオマス発電プラント等が挙げられる。焼却プラントの例として、廃棄物焼却プラントが挙げられる。本実施の形態では、処理プラント10は、排ガスとして燃焼ガスを発生するバイオマス発電プラント又は廃棄物焼却プラントである。
【0011】
処理プラント10は、発電装置11と、焼却炉12と、ボイラー13と、管理装置15とを含む。本実施の形態では、処理プラント10は、蓄電池14をさらに含むが、蓄電池14を含まなくてもよい。焼却炉12は、バイオマスを含む燃料又は廃棄物を受け入れて燃焼する。焼却炉12で発生する燃焼ガスである排ガスは、ボイラー13に送られる。ボイラー13では、ボイラー13内を流れる水が排ガスの排熱により蒸発させられる。蒸気は、発電装置11に送られ、発電装置11内のタービン11aを回転する。これにより、発電装置11は電力を生成する。蓄電池14は、発電装置11によって生成された電力を蓄積し、さらに他の電力を蓄積してもよい。蓄電池14は、電力を充放電することができる電池である。蓄電池14は、充放電のための回路を含んでもよい。蓄電池14の例は、鉛蓄電池、リチウムイオン二次電池、全固体電池、ニッケル・水素蓄電池、ニッケル・カドミウム蓄電池等である。ボイラー13を通過した排ガスは、二酸化炭素処理装置20に送られる。処理プラント10は、燃料又は廃棄物を貯留する貯留槽、及び、貯留槽内の燃料又は廃棄物を焼却炉12に移送するクレーン等の移送装置をさらに含んでもよい。
【0012】
発電装置11によって生成された電力は、処理プラント10の稼働に用いられる。その他の余剰電力は、二酸化炭素処理装置20の稼働と、売却とに使用される。処理プラント10の稼働に用いられる電力及び余剰電力は、蓄電池14に蓄積された後に用いられてもよい。売却先の例は、電力会社、並びに、処理プラント10が位置する地域内の事業者及び家庭等である。売電価格は、季節及び時間等に応じて変動する。さらに、売電価格の変動は、売却対象に応じて異なる。例えば、売電価格は、7月から9月等の夏季シーズン及び12月から2月等の冬季シーズンにおいてそれ以外のシーズンに比べて高くなる傾向がある。例えば、1日における売電価格の時間的な変動は、電力会社及び事業者への売却の場合には夜間の時間帯よりも昼間の時間帯の方が高くなり、家庭への売却の場合には昼間の時間帯よりも朝間及び夜間の時間帯の方が高くなる傾向がある。
【0013】
管理装置15は、発電装置11、焼却炉12、ボイラー13、蓄電池14、及び処理プラント10の他の装置の動作を管理及び制御する。管理装置15は、処理プラント10内の装置、電力の売却先及び二酸化炭素処理装置20への電力の供給を管理及び制御する。管理装置15は、処理回路及び回路を含む、つまり、コンピュータを含む。さらに、管理装置15は、有線通信、無線通信又はこれらの組み合わせを介して、二酸化炭素処理装置20及び情報処理装置30に通信可能に接続される。管理装置15は、二酸化炭素処理装置20及び情報処理装置30との間で、情報、データ及び指令等を互いに送受信する。いかなる有線通信及び無線通信が用いられてもよい。
【0014】
二酸化炭素処理装置20は、処理プラント10から分離している設備又は施設に配置されてもよく、処理プラント10の一部として処理プラント10内に配置されてもよい。二酸化炭素処理装置20は、二酸化炭素の処理プラントに配置されてもよい。
【0015】
二酸化炭素処理装置20は、ガスから二酸化炭素を分離する機能、又は、ガスから二酸化炭素を分離して回収する機能を有する。二酸化炭素処理装置20は、二酸化炭素回収装置21と、管理装置22とを含む。二酸化炭素回収装置21は、排ガスを含むガスから二酸化炭素を分離する機能、又は、排ガスを含むガスから二酸化炭素を分離して回収する機能を有する。本実施の形態では、二酸化炭素回収装置21は、二酸化炭素の分離及び回収の機能を有し、既知のいかなる二酸化炭素回収装置であってもよい。
【0016】
二酸化炭素回収装置21は、ボイラー13からの排ガスから二酸化炭素を分離及び回収する機能を有するが、処理プラント10及び二酸化炭素処理装置20のいずれか又は両方の建屋内空気を収集し、収集された空気から二酸化炭素を分離及び回収する機能をさらに有してもよい。二酸化炭素回収装置21は、処理プラント10及び二酸化炭素処理装置20のいずれか又は両方の建屋外空気を収集し、収集された空気から二酸化炭素を分離及び回収する機能をさらに有してもよい。本明細書及び特許請求の範囲において、「二酸化炭素を回収する」ことは、「二酸化炭素を分離し回収する」ことと、「単に二酸化炭素を回収する」こととのいずれも含む。
【0017】
二酸化炭素回収装置21は、要求される二酸化炭素の用途に応じて二酸化炭素を処理する機能をさらに有してもよい。二酸化炭素の用途の例として、尿素及びメタノール等の製造のための化学原料としての化学用途、ドライアイスの製造等のための一般用途、並びに、油田での原油の回収を増進するための石油増進回収用途が挙げられる。二酸化炭素回収装置21の複数の機能は、1つの二酸化炭素回収装置によって実現されてもよく、複数の二酸化炭素回収装置によって実現されてもよい。
【0018】
二酸化炭素処理装置20は、処理プラント10から供給される電力を使用して稼働する。処理プラント10は、処理プラント10の稼働への使用後の余剰電力を二酸化炭素処理装置20に供給する。二酸化炭素処理装置20は、処理プラント10から供給される電力を超える電力を要する場合、処理プラント10以外の電源から電力の供給を受ける場合がある。処理プラント10の余剰電力のうち、二酸化炭素処理装置20への供給後に残った電力が、売却される。
【0019】
管理装置22は、二酸化炭素回収装置21の動作を管理及び制御する。管理装置22は、二酸化炭素回収装置21に供給される電力及び当該電力の電力源を管理及び制御する。管理装置22は、処理回路及び回路を含む、つまり、コンピュータを含む。さらに、管理装置22は、有線通信、無線通信又はこれらの組み合わせを介して、処理プラント10の管理装置15及び情報処理装置30に通信可能に接続される。管理装置22は、管理装置15及び情報処理装置30との間で、情報、データ及び指令等を互いに送受信する。いかなる有線通信及び無線通信が用いられてもよい。
【0020】
情報処理装置30は、処理回路及び回路を含む、つまり、コンピュータを含む。情報処理装置30は、電子回路基板、電子制御ユニット、マイクロコンピュータ、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、スマートフォン及びタブレットなどのスマートデバイス、並びにその他の電子機器等であってもよい。情報処理装置30は、単独で1つの装置を形成してもよく、他の装置に組み込まれてもよい。例えば、情報処理装置30は、処理プラント10の管理装置15、又は、二酸化炭素処理装置20の管理装置22に組み込まれてもよい。情報処理装置30は、有線通信、無線通信又はこれらの組み合わせを介して、管理装置15及び22に通信可能に接続される。情報処理装置30は、管理装置15及び22との間で、情報、データ及び指令等を互いに送受信する。いかなる有線通信及び無線通信が用いられてもよい。
【0021】
情報処理装置30は、プロセッサP及びメモリMを含む。例えば、情報処理装置30の処理回路は、プロセッサPを含んでもよい。情報処理装置30は、ストレージを含んでもよい。プロセッサP及びメモリMは、他の装置との指令、情報及びデータ等の送受信を行い、各種機器からの信号の入力及び各制御対象への制御信号の出力を行う。
【0022】
メモリMは、プロセッサPが実行するプログラム、及び各種データ等を記憶する。メモリMは、揮発性メモリ及び不揮発性メモリ等の半導体メモリのような記憶装置を含んでもよい。本実施の形態では、メモリMは、揮発性メモリであるRAM(Random Access Memory)と不揮発性メモリであるROM(Read-Only Memory)とを含む。ストレージは、各種データを記憶する。ストレージは、半導体メモリ、ハードディスクドライブ(HDD:Hard Disk Drive)及び固体ドライブ(SSD:Solid State Drive)のような記憶装置を含んでもよい。
【0023】
プロセッサPは、RAM及びROMと一緒にコンピュータシステムを形成する。コンピュータシステムは、プロセッサPがRAMをワークエリアとして用いてROMに記録されたプログラムを実行することによって、情報処理装置30の機能を実現してもよい。
【0024】
情報処理装置30の機能の一部又は全部は、上記コンピュータシステムにより実現されてもよく、電子回路又は集積回路等の専用のハードウェア回路により実現されてもよく、上記コンピュータシステム及びハードウェア回路の組み合わせにより実現されてもよい。情報処理装置30は、単一の装置による集中制御により各処理を実行するように構成されてもよく、複数の装置の協働による分散制御により各処理を実行するように構成されてもよい。
【0025】
限定されないが、例えば、プロセッサPは、CPU(中央処理装置:Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、マイクロプロセッサ(microprocessor)、プロセッサコア(processor core)、マルチプロセッサ(multiprocessor)、ASIC(Application-Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等を含み、IC(集積回路)チップ、LSI(Large Scale Integration)等に形成された論理回路又は専用回路によって各処理を実現してもよい。複数の処理は、1つ又は複数の集積回路により実現されてもよく、1つの集積回路により実現されてもよい。
【0026】
管理装置15及び22も、情報処理装置30と同様に、処理回路及び回路を含み、コンピュータを含む。管理装置15及び22は、プロセッサP及びメモリMを含み、さらに、ストレージを含んでもよい。プロセッサP及びメモリM等の機能は、情報処理装置30について説明した機能と同様である。
【0027】
図2は、実施の形態に係る情報処理装置30の構成の一例を示すブロック図である。図2に示すように、情報処理装置30は、処理部30Aと、入出力I/F(インタフェース:Interface)30B及び30Cとを含む。入出力I/F30Bは、処理プラント10の管理装置15と通信可能に接続され、情報処理装置30と管理装置15と間での情報、指令及びデータ等の入出力を可能にする。入出力I/F30Cは、二酸化炭素処理装置20の管理装置22と通信可能に接続され、情報処理装置30と管理装置22と間での情報、指令及びデータ等の入出力を可能にする。
【0028】
処理部30Aは、情報処理装置30の機能的構成要素である。処理部30Aは、第1入力処理部301と、第2入力処理部302と、第1出力処理部303と、第2出力処理部304と、演算部305と、記憶部306とを機能的構成要素として含む。記憶部306の機能は、メモリMとストレージとのいずれか又は両方によって実現される。記憶部306以外の機能的構成要素の機能は、プロセッサP等によって実現される。
【0029】
記憶部306は、種々の情報及びデータを記憶し、格納している情報及びデータの読み出しが可能である。例えば、記憶部306は、処理部30Aの機能的構成要素が実行するプログラム、並びに、当該機能的構成要素が使用する情報及びデータを記憶する。記憶部306は、第1入力処理部301及び第2入力処理部302から入力される情報及びデータを記憶する。記憶部306は、演算部305が二酸化炭素に関する演算をするための情報及びデータを記憶し、例えば、演算部305が二酸化炭素の処理効率を演算するための情報及びデータ、並びに、演算部305が最適化演算を行うための情報及びデータを記憶する。
【0030】
第1入力処理部301は、処理プラント10の管理装置15から情報、指令及びデータ等を取得する。第1入力処理部301は、取得した情報等を記憶部306に格納してもよく、演算部305に出力してもよい。例えば、第1入力処理部301は、所定期間での売電価格の予測値、所定期間での燃焼対象物の焼却量の予測値、所定期間での燃焼対象物の燃焼による発熱量の予測値、所定期間での燃焼対象物の搬入量の予測値、所定期間での燃焼対象物の残量、所定期間での発電電力量の予測値、所定期間での処理プラント10の使用電力量の予測値、所定期間での処理プラント10の余剰電力量の予測値、処理プラント10の電力源、及び最適化演算の制約条件のうちの1つ以上の情報を取得してもよい。
【0031】
予測値は、過去の実績に基づく値である実績値であってもよく、シミュレーション等の所定の演算による演算値であってもよい。売電価格の予測値は、電力会社等の売電対象による買電価格の案又は決定値であってもよい。電力源の例は、発電装置11、処理プラント10に配置される蓄電池14、処理プラント10に配置される他の発電装置、電力会社の商用電源である。蓄電池14は、発電装置11の発電電力を蓄電してもよく、商用電源の電力を蓄電してもよい。他の発電装置は、燃焼対象物の燃料を利用しない発電装置であってもよく、例えば、太陽光発電装置、風力発電装置、水力発電装置及び地熱発電装置等であってもよい。
【0032】
所定期間は、例えば、1日、1週間、1カ月、1シーズン及び1年などのうちのいずれであってもよい。上記の価格及び量は、所定期間を複数の期間に分割して得られる区分期間あたりの価格及び量であってもよい。所定期間での価格及び量は、これらの時間的な変動を表すことができる。
【0033】
第2入力処理部302は、二酸化炭素処理装置20の管理装置22から情報、指令及びデータ等を取得する。第2入力処理部302は、取得した情報等を記憶部306に格納してもよく、演算部305に出力してもよい。例えば、第2入力処理部302は、所定期間での二酸化炭素処理装置20の排ガスの処理量の上限値及び下限値、所定期間での二酸化炭素処理装置20の排ガスの処理率、所定期間での排ガスの処理量の予測値、所定期間での二酸化炭素の回収量の予測値、所定期間での二酸化炭素処理装置20の所要電力量の予測値、二酸化炭素処理装置20の電力源、並びに、最適化演算の制約条件のうちの1つ以上の情報を取得してもよい。予測値は、過去の実績に基づく値である実績値であってもよく、シミュレーション等の所定の演算による演算値であってもよい。所定期間は、処理プラント10の場合と同様に設定される。電力源の例は、処理プラント10及び電力会社の商用電源である。
【0034】
二酸化炭素処理装置20の排ガスの処理量の上限値は、二酸化炭素回収装置21が処理可能である排ガスの処理量の上限値であってもよい。二酸化炭素処理装置20の排ガスの処理量の下限値は、二酸化炭素回収装置21の稼働時における排ガスの処理量の下限値であってもよく、二酸化炭素回収装置21の停止時の処理量、つまり0であってもよい。二酸化炭素処理装置20の排ガスの処理率は、排ガスの処理量の上限値に対する、稼働時における排ガスの処理量の比率であってもよい。所定期間での各値は、所定期間全体についての値であってもよく、所定期間を分割して形成される区間期間等の所定期間に含まれる時刻又は期間についての値であってもよい。
【0035】
第1出力処理部303は、演算部305の処理結果を処理プラント10の管理装置15に出力する。例えば、演算部305は、処理プラント10及び二酸化炭素処理装置20の運転についての最適化演算を行い、演算結果に基づき、処理プラント10の焼却量である負荷を上昇又は下降する指令と、二酸化炭素処理装置20の処理量である負荷を上昇又は下降する指令とのいずれか又は両方を出力する。第1出力処理部303は、処理プラント10についての指令を管理装置15に出力する。
【0036】
第2出力処理部304は、演算部305の処理結果を二酸化炭素処理装置20の管理装置22に出力する。例えば、第2出力処理部304は、最適化演算に基づき演算部305によって出力された二酸化炭素処理装置20についての指令を管理装置22に出力する。例えば、演算部305は、二酸化炭素処理装置20における二酸化炭素の処理効率を演算する。第2出力処理部304は、処理効率を管理装置22に出力してもよい。
【0037】
演算部305は、第1演算部305aと、第2演算部305bとを機能的構成要素として含む。第1演算部305aは、所定期間内での二酸化炭素処理装置20における二酸化炭素の処理効率を演算し、第2演算部305b及び第2出力処理部304のいずれか又は両方に出力する。
【0038】
本実施の形態では、所定期間TP内での二酸化炭素処理装置20における二酸化炭素の処理効率CCは、所定期間TP内での二酸化炭素処理装置20における二酸化炭素の総処理量CTに対する、所定期間TP内での二酸化炭素処理装置20における二酸化炭素の総実質処理量CSTの割合として定義される。(処理効率CC)=(総実質処理量CST)/(総処理量CT)と定義されてもよい。例えば、処理効率CCは、0以上1以下の値をとり得る。
【0039】
例えば、総処理量CTは、所定期間TP内で二酸化炭素処理装置20によって回収される二酸化炭素の総量であってもよい。総実質処理量CSTは、所定期間TP内で二酸化炭素処理装置20によって実質的に回収される二酸化炭素の総量であってもよい。総実質処理量CSTは、二酸化炭素処理装置20が処理プラント10以外の電力源の電力を使用して二酸化炭素を回収することに起因する、所定期間TP内の二酸化炭素の総発生量CATを、考慮に入れる二酸化炭素の回収量であってもよい。(総実質処理量CST)=(総処理量CT)-(総発生量CAT)と定義されてもよい。
【0040】
例えば、第1演算部305aは、所定期間TPとして1日間の処理効率を演算する。1日間は、第1期間T1の一例である。第1演算部305aは、処理効率の演算に、1日間の処理プラント10の余剰電力量の予測値の情報と、1日間の二酸化炭素処理装置20の所要電力量の予測値の情報と、二酸化炭素処理装置20の電力源の情報とを用いる。第1演算部305aは、記憶部306又は第1入力処理部301から余剰電力量の予測値の情報を取得してもよく、余剰電力量の予測値を演算してもよい。例えば、第1演算部305aは、売電価格の予測値、燃焼対象物の焼却量の予測値、燃焼対象物の燃焼による発熱量の予測値、燃焼対象物の搬入量の予測値、燃焼対象物の残量、発電電力量の予測値、及び処理プラント10の所要電力量の予測値のうちの1つ以上の情報を、記憶部306又は第1入力処理部301から取得して用いることで、余剰電力量の予測値を演算してもよい。
【0041】
第1演算部305aは、記憶部306又は第2入力処理部302から二酸化炭素処理装置20の所要電力量の予測値の情報を取得してもよく、所要電力量の予測値を演算してもよい。例えば、第1演算部305aは、二酸化炭素処理装置20の排ガスの処理率、排ガスの処理量の予測値、及び二酸化炭素の回収量の予測値のうちの1つ以上の情報を、記憶部306又は第2入力処理部302から取得して用いることで、所要電力量の予測値を演算してもよい。二酸化炭素処理装置20の所要電力量は、処理プラント10から排出される排ガス中の二酸化炭素を含む処理対象の二酸化炭素を処理するのに要する電力量である。処理対象の二酸化炭素は、処理プラント10の建屋内空気中の二酸化炭素、二酸化炭素処理装置20の建屋内空気中の二酸化炭素、処理プラント10の建屋外空気中の二酸化炭素、及び二酸化炭素処理装置20の建屋外空気中の二酸化炭素のうちの1つ以上を含んでもよい。
【0042】
図3は、処理プラント10の1日間の余剰電力量及び売電価格の予測値と二酸化炭素処理装置20の1日間の所要電力量の予測値との一例を示す図である。本例では、排ガスの処理率が1日を通して一定であるため、一点鎖線のラインで示されるように、二酸化炭素処理装置20の所要電力量erも一定である。実線のラインで示されるように、処理プラント10の余剰電力量esは、夜間で多いが昼間では少ない。昼間では、二酸化炭素処理装置20の所要電力量erが、処理プラント10の余剰電力量esよりも多い。二酸化炭素処理装置20の所要電力量erが処理プラント10の余剰電力量es以下である区間期間では、二酸化炭素処理装置20は、処理プラント10から、全ての所要電力量erの電力供給を受ける。二酸化炭素処理装置20の所要電力量erが処理プラント10の余剰電力量esよりも多い区間期間では、二酸化炭素処理装置20は、処理プラント10から所要電力量erの一部の電力供給を受け、商用電源から所要電力量erの不足分の電力供給を受ける。本例では、1つの区間期間は1時間であるが、これに限定されない。第1期間T1は、n個の区間期間を含み、1日間である第1期間T1は、1時間である区間期間を24個含む。
【0043】
第1演算部305aは、第1期間T1内の各区間期間について、第2時刻の区間期間内の処理プラント10の余剰電力量と、第1時刻の区間期間内の二酸化炭素処理装置20の所要電力量とを比較する。第1時刻と第2時刻とは互いに対応する関係にあり、例えば、第2時刻の区間期間内の余剰電力が、第1時刻の区間期間内の所要電力に用いられてもよい。第1時刻と第2時刻とは、同じであってもよく、異なっていてもよい。例えば、処理プラント10の余剰電力が生じた後に、当該余剰電力が二酸化炭素処理装置20によって使用されるため、第1時刻は、第2時刻よりも後であってもよい。
【0044】
さらに、第1演算部305aは、対応区間期間毎に、第1使用電力量e1と第2使用電力量e2とを算出する。第1使用電力量e1は、二酸化炭素処理装置20が余剰電力量esから使用する電力量である。第2使用電力量e2は、二酸化炭素処理装置20が商用電源から使用する電力量である。図3において、第1使用電力量e1は、実線ハッチの領域で表され、第2使用電力量e2は、破線ハッチの領域で表される。
【0045】
第1使用電力量e1は、二酸化炭素処理装置20が、所要電力量erのうちの余剰電力量esから供給を受けることができる電力量であり、所要電力量erを超えない。第1使用電力量e1と第2使用電力量e2との和は、所要電力量erであり、所要電力量erからの第1使用電力量e1の差分が、第2使用電力量e2である。余剰電力量esが所要電力量er以上の場合、第2使用電力量e2は0であり、余剰電力量esが所要電力量er未満の場合、第2使用電力量e2は0超である。所要電力量erは第1電力量の一例であり、第1使用電力量e1は第2電力量の一例であり、第2使用電力量e2は第3電力量の一例である。
【0046】
第1演算部305aは、区間期間毎に、二酸化炭素処理装置20による二酸化炭素の回収量C1を算出する。具体的には、第1演算部305aは、区間期間毎に、二酸化炭素処理装置20の排ガスの処理率PRと、二酸化炭素処理装置20の排ガスの処理量の上限値PMXとを乗算して、二酸化炭素の回収量C1を算出する。本例では、処理量の上限値及び下限値は、1時間当たりの処理量の上限値及び下限値である。回収量C1は、二酸化炭素処理装置20による所要電力量erでの二酸化炭素の回収量に相当する。回収量C1は、第1処理量の一例である。
【0047】
第1演算部305aは、対応区間期間毎に、第1使用電力量e1と、第2使用電力量e2と、二酸化炭素の回収量C1とを用いて、第2使用電力量e2での二酸化炭素の見掛回収量C2を算出する。C2=C1×e2/er=C1×e2/(e1+e2)の関係式により、見掛回収量C2が算出される。第2使用電力量e2の区間期間の時刻と見掛回収量C2の区間期間の時刻とは、互いに対応し、例えば、同じである。
【0048】
第1演算部305aは、二酸化炭素の回収量C1から第2使用電力量e2での二酸化炭素の見掛回収量C2を減算して、二酸化炭素の第1実質回収量CS1を算出する。処理プラント10以外の電源では、電力の生成、貯留及び供給の際に二酸化炭素が発生している可能性がある。このため、処理プラント10以外の電源の電力を使用して回収された見掛回収量C2の二酸化炭素の一部又は全部は、二酸化炭素処理装置20が発生した二酸化炭素として扱われ得る。第1実質回収量CS1では、見掛回収量C2の二酸化炭素の全部が、二酸化炭素処理装置20が発生した二酸化炭素として扱われる。CS1=C1-C2の関係式により、第1実質回収量CS1が算出される。見掛回収量C2は、第2処理量の一例である。第1実質回収量CS1は、二酸化炭素の実質処理量及び第3処理量の一例である。
【0049】
本実施の形態では、第1演算部305aは、第1実質回収量CS1を変換して得られる第2実質回収量CS2を算出する。第1演算部305aは、二酸化炭素の換算係数α1を見掛回収量C2に乗算して得られる換算回収量α1×C2を、見掛回収量C2の代わりに用いる。第1演算部305aは、換算回収量α1×C2を回収量C1から減算して、第2実質回収量CS2を算出する。第1演算部305aは、見掛回収量C2を変換して用いる。CS2=C1-α1×C2の関係式により、第2実質回収量CS2が算出される。第2実質回収量CS2は、二酸化炭素の実質処理量及び第3処理量の一例である。換算回収量α1×C2は、二酸化炭素の発生量及び第2処理量の一例である。
【0050】
二酸化炭素の換算係数α1は、二酸化炭素処理装置20が電力供給を受ける電源種に関係付けられる係数である。換算係数α1は、電源種の電力生成、蓄電及び電力供給の際の二酸化炭素発生量に応じた値に設定され、二酸化炭素発生量が多い程、大きい値に設定される。本実施の形態では、換算係数α1は、0以上1以下の範囲内の値である。換算係数α1と電源種との関係は、記憶部306に予め記憶されている。
【0051】
電源種が処理プラント10である場合、自らのエネルギーを使用するため換算係数α1は0である。本実施の形態では、電源種が、太陽光発電、風力発電及び地熱発電等の自然エネルギーを利用して発電する商業電源種である場合、換算係数α1は0であると設定する。電源種が、水力発電又はバイオマス発電により電力を生成する商業電源種である場合、換算係数α1は0であると設定する。電源種が、火力発電により電力を生成する商業電源種である場合、換算係数α1は1であると設定する。電源種が処理プラント10の発電電力を蓄電する蓄電池である場合、換算係数α1は0であると設定する。電源種が、様々な電源種により電力を生成する電力会社の商業電源種である場合、換算係数α1は0.5であると設定する。
【0052】
第1演算部305aは、1日に含まれる全ての区間期間の二酸化炭素の回収量C1を時間積分し、1日間の二酸化炭素の総回収量C1Tを算出する。総回収量C1Tは、総処理量CT及び第1処理量の一例である。第1演算部305aは、1日に含まれる全ての区間期間の第2実質回収量CS2を時間積分し、1日間の二酸化炭素の総第2実質回収量CS2Tを算出する。総第2実質回収量CS2Tは、総実質処理量CST及び第3処理量の一例である。
【0053】
第1演算部305aは、総第2実質回収量CS2Tを総回収量C1Tで除算して、二酸化炭素処理装置20における1日間の二酸化炭素の処理効率CCを算出する。CC=CS2T/C1Tの関係式により、処理効率CCが算出される。本例では、総回収量C1Tは100トン(tоn)であり、総第2実質回収量CS2Tは95トンであり、処理効率CCは0.95である。なお、1日に含まれる全ての区間期間の総第1実質回収量は、90トンであり、1日に含まれる全ての区間期間の第2使用電力量e2での二酸化炭素の総回収量は、10トンであり、換算係数α1は0.5である。総第2実質回収量CS2Tは、95=100-0.5×10の関係式によっても算出可能である。第1演算部305aは、処理効率CCの情報を、第2演算部305b、記憶部306及び二酸化炭素処理装置20の管理装置22のうちの1つ以上に出力する。
【0054】
本実施の形態では、第1演算部305aは、1日間の二酸化炭素の処理効率CCを演算するが、別の期間の二酸化炭素の処理効率を演算してもよい。例えば、第1演算部305aは、1週間、1ヶ月、1シーズン又は1年間等の所定期間内の二酸化炭素の処理効率を演算してもよい。
【0055】
例えば、1週間の二酸化炭素の処理効率及び1ヶ月の二酸化炭素の処理効率の場合、処理プラント10の余剰電力量と二酸化炭素処理装置20の所要電力量との比較に用いられる区間期間は、1時間又は1日であってもよい。1シーズンの二酸化炭素の処理効率及び1年間の二酸化炭素の処理効率の場合、処理プラント10の余剰電力量と二酸化炭素処理装置20の所要電力量との比較に用いられる区間期間は、1時間、1日、1週間又は1ヶ月であってもよい。いずれの場合も、上述と同様にして、二酸化炭素の処理効率の演算が可能である。
【0056】
第1演算部305aは、以下のように、別の演算方法で二酸化炭素の実質回収量及び処理効率を演算してもよい。第1演算部305aは、二酸化炭素処理装置20が電力供給を受ける電源種に関係付けられる排出係数α2を用いる。排出係数α2は、電源種の電力生成の際に発生する二酸化炭素量を表す。排出係数α2は、電源種によって供給される単位電力量当たりの二酸化炭素の発生量を表す。例えば、排出係数α2の単位は、kg/kWである。排出係数α2と電源種との関係は、記憶部306に予め記憶されている。
【0057】
電源種が処理プラント10である場合、自らのエネルギーを使用するため排出係数α2は0kg/kWである。電源種が、太陽光発電、風力発電及び地熱発電等の自然エネルギーを利用して発電する商業電源種である場合、排出係数α2は0kg/kWである。電源種が、水力発電又はバイオマス発電により電力を生成する商業電源種である場合、排出係数α2は0kg/kWである。電源種が、火力発電により電力を生成する商業電源種である場合、石炭火力発電の排出係数α2は0.8kg/kWであり、LNG(液化天然ガス:Liquefied Natural Gas)火力発電の排出係数は0.4kg/kwである。電源種が処理プラント10の発電電力を蓄電する蓄電池である場合、排出係数α2は0kg/kWである。電源種が、電力会社の商業電源種である場合、排出係数α2は0.5kg/kWである。
【0058】
第1演算部305aは、対応区間期間毎に、排出係数α2を第2使用電力量e2に乗算して、二酸化炭素発生量C2Aを算出する。例えば、C2A=α2×e2の関係式により、二酸化炭素発生量C2Aが算出される。第1演算部305aは、二酸化炭素の回収量C1から二酸化炭素発生量C2Aを減算して、二酸化炭素の第3実質回収量CS3を算出する。二酸化炭素発生量C2Aは、第2処理量の一例であり、第3実質回収量CS3は、実質処理量及び第3処理量の一例である。
【0059】
第1演算部305aは、1日に含まれる全ての区間期間の二酸化炭素の回収量C1を時間積分し、総回収量C1Tを算出する。第1演算部305aは、1日に含まれる全ての区間期間の第3実質回収量CS3を時間積分し、1日間の二酸化炭素の総第3実質回収量CS3Tを算出する。総第3実質回収量CS3Tは、総実質処理量CSTの一例である。第1演算部305aは、総第3実質回収量CS3Tを総回収量C1Tで除算して、二酸化炭素処理装置20における1日間の二酸化炭素の処理効率CCを算出する。
【0060】
第2演算部305bは、第1最適化演算と第2最適化演算と第3最適化演算とのうちの1つ以上を実行する。第1最適化演算及び第2最適化演算は、二酸化炭素処理装置20における第1期間T1の二酸化炭素の処理効率CCを1に近づける演算である。第3最適化演算は、第1期間T1における処理プラント10の売電収入を最大化する演算である。
【0061】
第1最適化演算において、第2演算部305bは、制約条件を満たしつつ処理効率CCを最大化するように、所要電力量er、第1使用電力量e1及び第2使用電力量e2のうちの2つ以上を決定する。例えば、第1期間T1が1日間である場合、第2演算部305bは、以下の式1に示す目的関数を第1最適化演算に用いる。iは、区間期間の順序を示す自然数である。本例では、第1期間T1は1日間であるため、iは、1,2,・・・・,24の自然数である。「i」が付された要素は、i番目の区間期間の要素又はi番目の区間期間に対応する要素である。
【0062】
【数1】
【0063】
二酸化炭素処理装置20による二酸化炭素の実質回収量CSiは、対応する区間期間の第1実質回収量CS1、第2実質回収量CS2又は第3実質回収量CS3である。CS1=C1i-C2iであり、CS2=C1i-α1×C2iであり、CS3=C1i-α2×e2iである。見掛回収量C2iは、第2使用電力量e2iでの二酸化炭素の見掛回収量であり、第2使用電力量e2iに相関する。このため、実質回収量CSiは、係数βを用いて、CSi=C1i-β×e2iの関係式を満たす。
【0064】
二酸化炭素処理装置20による二酸化炭素の回収量C1iは、二酸化炭素処理装置20による所要電力量eriでの二酸化炭素の回収量に相当するため、所要電力量eriに相関する。このため、回収量C1iは、係数γを用いて、C1i=γ×eriという関係式を満たす。また、eri=e1i+e2iという関係が成立するため、式1において、所要電力量eri又は第2使用電力量e2iの代わりに、第1使用電力量e1iが用いられてもよい。
【0065】
第2演算部305bは、制約条件を満たしつつ処理効率CCを最大化するような全ての区間期間の所要電力量eri及び第2使用電力量e2iを演算する。第2演算部305bは、記憶部306に記憶される制約条件、又は、情報処理装置30に入力される制約条件を使用する。制約条件は、二酸化炭素の1日間の総回収量C1Tが所定値以上であるという条件と、1日間の余剰電力量esの総量が固定値であるという条件と、1日間の各区間期間の余剰電力量esiが固定値であるという条件と、処理効率CCが1以下であるという条件とを含む。
【0066】
なお、式1において、所要電力量eri又は第2使用電力量e2iの代わりに、第1使用電力量e1iが用いられると、第2演算部305bは、制約条件を満たしつつ処理効率CCを最大化するように、全ての区間期間における所要電力量eri又は第2使用電力量e2iと第1使用電力量e1iとを演算する。第2演算部305bは、所要電力量eri、第2使用電力量e2i及び第1使用電力量e1iの2つ以上を算出することができる。
【0067】
第2演算部305bは、既知のいかなる最適化法を用いて所要電力量eri及び第2使用電力量e2iを演算してもよい。例えば、第2演算部305bは、線形計画法を用いる最適化法を用いてもよい。線形計画法は、目的関数及び制約条件を線形式で記述可能な場合の解法である。線形計画法において得られた解は、必ず目的関数を最適化する解となること、計算が高速に行えること等の利点がある。第2演算部305bは、線形計画法を用いた演算を回帰的に行い、その中から最適な結果を選び出すことによって最適解に近い解を得てもよい。
【0068】
線形計画法に加えて、第2演算部305bは、メタヒューリスティクスを用いた演算を行ってもよい。メタヒューリスティクスは、発見的解法により、より良い解を現実的な時間で求めることを目的とする解法である。メタヒューリスティクスは、演算時間に拘わらず何らかの解を得ることができるという利点がある。第2演算部305bは、目的関数及び制約条件を線形式で記述することが難しい場合に、メタヒューリスティクスによる探索により最適解に近い解を演算してもよい。
【0069】
第1期間T1が1週間、1ヶ月、1シーズン又は1年間等である場合も、第2演算部305bは、上記と同様にして、第1最適化演算を行うことができる。制約条件は、第1期間T1に応じて変更されてもよい。
【0070】
第2演算部305bは、第1最適化演算によって得られる区間期間毎の所要電力量eri及び第2使用電力量e2iに従って制御を実行する指令を、二酸化炭素処理装置20の管理装置22に出力してもよい。これにより、二酸化炭素処理装置20における二酸化炭素の処理効率が最大化される。第2演算部305bは、所要電力量eri、第2使用電力量e2i及び第1使用電力量e1iのうちの2つを固定して第1最適化演算を行ってもよい。
【0071】
第2最適化演算において、第2演算部305bは、第1演算部305aによって算出される処理効率CCに基づき、制約条件を満たしつつ処理効率CCを最大化するように、処理プラント10の処理量と二酸化炭素処理装置20による二酸化炭素の処理量とを決定する。例えば、二酸化炭素処理装置20が余剰電力量esiから使用する第1使用電力量e1iが二酸化炭素処理装置20の所要電力量eriよりも小さい区間期間において、処理プラント10の処理量の増加により発電装置11の発電量を増加することと二酸化炭素処理装置20の二酸化炭素の処理量を減少することとのいずれか又は両方によって、処理効率CCが向上する。二酸化炭素処理装置20の第1使用電力量e1iが二酸化炭素処理装置20の所要電力量eriよりも大きい区間期間において、処理プラント10の処理量の減少により発電装置11の発電量を減少することと、二酸化炭素処理装置20の二酸化炭素の処理量を増加することとのいずれか又は両方によって、処理効率CCが向上する。
【0072】
このため、例えば、第1期間T1が1日間である場合、第2演算部305bは、以下の式2に示す目的関数を第2最適化演算に用いる。式2の目的関数は、式1の目的関数から得られる。iは、区間期間の順序を示す自然数である。本例では、第1期間T1は1日間であるため、iは、1,2,・・・・,24の自然数である。
【0073】
【数2】
【0074】
【数3】
【0075】
C1i=PRi×PMXである。PMXは、二酸化炭素処理装置20の排ガスの処理量の上限値であり、PRiは、二酸化炭素処理装置20の排ガス処理率である。esiは、区間期間における処理プラント10の余剰電力量であり、eriは、区間期間における二酸化炭素処理装置20の所要電力量である。二酸化炭素処理装置20の所要電力量eriは、排ガス処理率PRiと相関し、排ガス処理率PRiに変換可能である。所要電力量eriは、係数sを用いて、eri=s×PRi/βの関係式を満たす。排ガス処理率PRiは、二酸化炭素処理装置20の二酸化炭素の処理量と相関し、二酸化炭素の処理量に変換可能である。余剰電力量esiは、処理プラント10の処理量Giと相関し、処理量Giに変換可能である。処理量Giの例として、処理プラント10の焼却量等が挙げられる。余剰電力量esiは、係数tを用いて、esi=t×Gi/βの関係式を満たす。
【0076】
第2演算部305bは、制約条件を満たしつつ処理効率CCを最大化するような、全ての区間期間の処理量Gi及び排ガス処理率PRiを演算する。第2演算部305bは、式2の目的関数を用いる演算において、「PRi×(PMX-s)+t×Gi」が「PRi×PMX」を超える場合、「PRi×(PMX-s)+t×Gi」を「PRi×PMX」として扱う。これは、このような場合では、第2使用電力量e2iでの二酸化炭素の見掛回収量C2iが0であるためである。
【0077】
第2演算部305bは、記憶部306に記憶される制約条件、又は、情報処理装置30に入力される制約条件を使用する。制約条件は、二酸化炭素の1日間の総回収量C1Tが所定値以上であるという条件と、1日間の余剰電力量esの総量が固定値であるという条件と、処理効率CCが1以下であるという条件とを含む。第2演算部305bは、既知のいかなる最適化法を用いて処理量Gi及び排ガス処理率PRiを演算してもよい。例えば、第2演算部305bは、線形計画法を用いる最適化法を用いてもよい。
【0078】
処理量Giは、処理プラント10の発電装置11の発電量に相関し、排ガス処理率PRiは、二酸化炭素処理装置20による排ガスの処理量又は二酸化炭素の回収量に相関する。第2演算部305bは、全ての区間期間について、処理量Giの代わりに、発電装置11の発電量を算出してもよく、排ガス処理率PRiの代わりに、二酸化炭素処理装置20による排ガスの処理量又は二酸化炭素の回収量を算出してもよい。
【0079】
第1期間T1が1週間、1ヶ月、1シーズン又は1年間等である場合も、第2演算部305bは、上記と同様にして、第2最適化演算を行うことができる。制約条件は、第1期間T1に応じて変更されてもよい。
【0080】
第2演算部305bは、第2最適化演算によって得られる区間期間毎の処理プラント10の処理量Gi及び二酸化炭素処理装置20の排ガス処理率PRiに従って制御を実行する指令を、二酸化炭素処理装置20の管理装置22に出力してもよい。そして、管理装置22が、区間期間毎の処理プラント10の処理量Giに従って制御を実行する指令を、処理プラント10の管理装置15に出力してもよい。又は、第2演算部305bが、処理プラント10の処理量Giに従って制御を実行する指令を、処理プラント10の管理装置15に出力してもよい。これにより、二酸化炭素処理装置20における二酸化炭素の処理効率が最大化される。第2演算部305bは、処理プラント10の処理量Gi及び二酸化炭素処理装置20の排ガス処理率PRiの一方を固定して第2最適化演算を行ってもよい。
【0081】
第2演算部305bは、第3最適化演算を以下のように行う。例えば、第1期間T1が1日間である場合、第2演算部305bは、以下の式3に示す目的関数を第3最適化演算に用いる。iは、区間期間の順序を示す自然数である。本例では、第1期間T1は1日間であるため、iは、1,2,・・・・,24の自然数である。
【0082】
【数4】
【0083】
Qは、1日間の売電収入を示し、qiは、売電価格の予測値を示し、Wiは、売電量を示す。売電収入Qの単位は「円」である。売電価格の予測値qiは、1キロワット(kW)で1時間当たりの価格であり、単位は「円/kWh」である。売電量は、1時間当たり電力量であり、単位は「kWh」である。売電量は、処理プラント10の余剰電力量esiから二酸化炭素処理装置20の第1使用電力量e1iを減算して得られる電力量である。Giは、時間毎の処理プラント10の処理量を示し、ai及びbiは、時間毎の発熱量及び気温等から定められる処理プラント10の性能指標を示す。ciは、時間毎の二酸化炭素処理装置20の性能指標を示す。
【0084】
第2演算部305bは、制約条件を満たしつつ売電収入Qを最大化するような、全ての区間期間における処理プラント10の処理量Gi及び二酸化炭素処理装置20の排ガス処理率PRiのいずれか又は両方を演算する。第2演算部305bは、記憶部306に記憶される制約条件、又は、情報処理装置30に入力される制約条件を使用する。制約条件は、二酸化炭素の1日間の総回収量C1Tが所定値以上であるという条件と、余剰電力量esの1日間の総量が固定値であるという条件と、処理効率CCが第1演算部305aによって算出された値であるという条件とを含む。制約条件において、処理効率CCは、第2演算部305bの第1最適化演算又は第2最適化演算によって算出された値であってもよい。第2演算部305bは、既知のいかなる最適化法を用いて処理量Gi及び処理率PRiを演算してもよい。例えば、第2演算部305bは、第1最適化演算と同様に、線形計画法を用いる最適化法を用いてもよい。
【0085】
第1期間T1が1週間、1ヶ月、1シーズン又は1年間等である場合も、第2演算部305bは、上記と同様にして、第3最適化演算を行うことができる。制約条件は、第1期間T1に応じて変更されてもよい。
【0086】
第2演算部305bは、第3最適化演算によって得られる区間期間毎の処理量Giに従って制御を実行する指令を処理プラント10の管理装置15に出力してもよく、第3最適化演算によって得られる区間期間毎の処理率PRiに従って制御を実行する指令を、二酸化炭素処理装置20の管理装置22に出力してもよい。これにより、処理プラント10における売電収入が最大化される。第2演算部305bは、処理プラント10の処理量Gi及び二酸化炭素処理装置20の排ガス処理率PRiの一方を固定して第3最適化演算を行ってもよい。
【0087】
第2演算部305bは、第1最適化演算と第2最適化演算と第3最適化演算とのうちの2つ以上を組み合わせて当該組み合わせ内の最適化演算を順次行うことによって、処理効率CCを最大化してもよく、さらに、第1最適化演算と第2最適化演算と第3最適化演算とのうちの2つ以上の組み合わせを繰り返し行って当該組み合わせ内の最適化演算を順次行うことによって、処理効率CCをさらに最大化してもよい。繰り返し行われる組み合わせ同士の間において、最適化演算の組み合わせが異なっていてもよく、同じであってもよい。
【0088】
処理量Giは、処理プラント10の発電装置11の発電量に相関する。排ガス処理率PRiは、二酸化炭素処理装置20による排ガスの処理量又は二酸化炭素の回収量に相関し、上記処理又は回収のための二酸化炭素処理装置20の電力使用量に相関する。第2演算部305bは、全ての区間期間について、処理量Giの代わりに、発電装置11の発電量を算出してもよい。第2演算部305bは、全ての区間期間について、排ガス処理率PRiの代わりに、二酸化炭素処理装置20による排ガスの処理量若しくは二酸化炭素の回収量、又は、二酸化炭素処理装置20の電力使用量を算出してもよい。
【0089】
第2演算部305bは、第1最適化演算と第2最適化演算とのうちの1つ以上と第3最適化演算とを組み合わせて最適化演算を順次行うことによって、売電収入を最大化してもよく、さらに、第1最適化演算と第2最適化演算とのうちの1つ以上と第3最適化演算との組み合わせを繰り返し行って最適化演算を順次行うことによって、売電収入をさらに最大化してもよい。繰り返し行われる組み合わせ同士の間において、最適化演算の組み合わせが異なっていてもよく、同じであってもよい。
【0090】
第2演算部305bは、第1最適化演算及び第2最適化演算において、処理プラント10の性能指標ai及びbi、並びに、二酸化炭素処理装置20の性能指標ci等を用いて演算してもよい。
【0091】
図4を参照しつつ、情報処理装置30の動作の一例を説明する。図4は、実施の形態に係る情報処理装置30の二酸化炭素の処理効率の演算動作の一例を示すフローチャートである。ステップS101において、情報処理装置30は、第1期間T1の一例である1日間の二酸化炭素処理装置20の二酸化炭素の処理効率を要求する指令を、二酸化炭素処理装置20の管理装置22から受け取る。
【0092】
ステップS102において、情報処理装置30は、管理装置22に、処理効率の演算に必要な情報を要求する。例えば、当該情報は、1日間の二酸化炭素処理装置20の所要電力量の予測値の情報、商用電源等の処理プラント10以外の二酸化炭素処理装置20の電力源の情報、1日間の二酸化炭素処理装置20の排ガスの処理量の上限値及び下限値、1日間の二酸化炭素処理装置20の排ガスの処理率、換算係数α1及び排出係数α2等を含む。
【0093】
ステップS103において、情報処理装置30は、処理プラント10の管理装置15に、処理効率の演算に必要な情報を要求する。例えば、当該情報は、1日間の処理プラント10の余剰電力量の予測値の情報等を含む。
【0094】
ステップS104において、情報処理装置30は、区間期間の一例である1時間毎に、二酸化炭素処理装置20の所要電力量eriに基づき、二酸化炭素処理装置20が処理プラント10の余剰電力量esiから使用する第1使用電力量e1iと、二酸化炭素処理装置20が商用電源から使用する第2使用電力量e2iとを算出する。iは、1,2,・・・・,24の自然数であり、時間的な順序を示す。
【0095】
ステップS105において、情報処理装置30は、1時間毎に、二酸化炭素処理装置20の排ガスの処理率PRiと、二酸化炭素処理装置20の排ガスの処理量の上限値PMXとを乗算して、二酸化炭素の回収量C1iを算出する。
【0096】
ステップS106において、情報処理装置30は、1時間毎に、第1使用電力量e1iと、第2使用電力量e2iと、二酸化炭素の回収量C1iとを用いて、第2使用電力量e2iでの二酸化炭素の見掛回収量C2iを算出する。
【0097】
ステップS107において、情報処理装置30は、1時間毎の二酸化炭素の実質回収量CSiを算出する。実質回収量CSiは、第1実質回収量CS1、第2実質回収量CS2又は第3実質回収量CS3である。
【0098】
ステップS108において、情報処理装置30は、全ての二酸化炭素の回収量C1iを時間積分し、1日間の二酸化炭素の総回収量C1Tを算出する。情報処理装置30は、全ての実質回収量CSiを時間積分し、1日間の二酸化炭素の総実質回収量CSTを算出する。総実質回収量CSTは、総実質処理量の一例である。
【0099】
ステップS109において、情報処理装置30は、総実質回収量CSTを総回収量C1Tで除算して、二酸化炭素処理装置20における1日間の二酸化炭素の処理効率CCを算出する。
【0100】
ステップS110において、情報処理装置30は、処理効率CCの情報を二酸化炭素処理装置20の管理装置22に出力する。
【0101】
処理効率の算出及び出力に、ステップS101からS110の全ての処理が必須というわけではない。例えば、情報処理装置30は、上記式1を用いる場合、ステップS106の処理を省略してもよい。情報処理装置30は、上記式2を用いる場合、ステップS104及びS106の処理を省略してもよい。
【0102】
図5を参照しつつ、情報処理装置30の動作の別の一例を説明する。図5は、実施の形態に係る情報処理装置30の第1最適化演算動作の一例を示すフローチャートである。ステップS201において、情報処理装置30は、第1期間T1の一例である1日間の二酸化炭素処理装置20の二酸化炭素の処理効率の最適化を要求する指令を、二酸化炭素処理装置20の管理装置22から受け取る。
【0103】
ステップS202において、情報処理装置30は、管理装置22に、処理効率の第1最適化演算に必要な情報を要求する。当例えば、該情報は、処理効率の演算に必要な情報、及び、二酸化炭素処理装置20に関する制約条件等を含む。
【0104】
ステップS203において、情報処理装置30は、処理プラント10の管理装置15に、処理効率の第1最適化演算に必要な情報を要求する。例えば、当該情報は、処理効率の演算に必要な情報、及び、処理プラント10に関する制約条件等を含む。
【0105】
ステップS204からS208において、情報処理装置30は、処理効率CCの演算時のステップS104からS108と同様の処理を行う。
【0106】
ステップS209において、情報処理装置30は、ステップS204からS208の演算結果を、上記の式1に示される目的関数に適用する。
【0107】
ステップS210において、情報処理装置30は、目的関数において、制約条件を満たしつつ処理効率CCを最大化するような、全ての区間期間の所要電力量eri及び第2使用電力量e2iを演算する。つまり、情報処理装置30は、処理効率を最適化する所要電力量eri及び第2使用電力量e2iを演算する。
【0108】
ステップS211において、情報処理装置30は、処理効率CCを最大化する全ての区間期間の所要電力量eri及び第2使用電力量e2iと、最大化された処理効率CCとを含む情報を、二酸化炭素処理装置20の管理装置22に出力する。
【0109】
処理効率の最適化に、ステップS201からS211の全ての処理が必須というわけではない。例えば、情報処理装置30は、ステップS204で算出される第2使用電力量e2iを用いて、目的関数の最適化演算をする場合、ステップS206の処理を省略してもよい。又は、情報処理装置30は、ステップS204で算出される第2使用電力量e2iを用いずに、目的関数の最適化演算をする場合、ステップS204及びS206の処理を省略してもよい。
【0110】
図6を参照しつつ、情報処理装置30の動作の別の一例を説明する。図6は、実施の形態に係る情報処理装置30の第2最適化演算動作の一例を示すフローチャートである。ステップS301において、情報処理装置30は、第1期間T1の一例である1日間の二酸化炭素処理装置20の二酸化炭素の処理効率の最適化を要求する指令を、二酸化炭素処理装置20の管理装置22から受け取る。
【0111】
ステップS302において、情報処理装置30は、管理装置22に、処理効率の第3最適化演算に必要な情報を要求する。例えば、当該情報は、処理効率の演算に必要な情報、及び、二酸化炭素処理装置20に関する制約条件等を含む。
【0112】
ステップS303において、情報処理装置30は、処理プラント10の管理装置15に、処理効率の第3最適化演算に必要な情報を要求する。例えば、当該情報は、処理効率の演算に必要な情報、及び、処理プラント10に関する制約条件等を含む。
【0113】
ステップS304において、情報処理装置30は、ステップS302及びS303で得られた情報を、上記の式2に示される目的関数に適用する。
【0114】
ステップS305において、情報処理装置30は、目的関数において、制約条件を満たしつつ処理効率CCを最大化するような、全ての区間期間における処理プラント10の処理量Gi及び二酸化炭素処理装置20の排ガス処理率PRiを演算する。つまり、情報処理装置30は、処理効率を最適化する処理量Gi及び排ガス処理率PRiを演算する。
【0115】
ステップS306において、情報処理装置30は、処理効率CCを最大化する、全ての区間期間における処理プラント10の処理量Gi及び二酸化炭素処理装置20の排ガス処理率PRiと、最大化された処理効率CCとを含む情報を、二酸化炭素処理装置20の管理装置22に出力する。情報処理装置30は、全ての区間期間の処理量Giを、処理プラント10の管理装置15に出力してもよい。
【0116】
図7を参照しつつ、情報処理装置30の動作の別の一例を説明する。図7は、実施の形態に係る情報処理装置30の第3最適化演算動作の一例を示すフローチャートである。ステップS401において、情報処理装置30は、第1期間T1の一例である1日間の処理プラント10の売電収入の最大化を要求する指令を、処理プラント10の管理装置15から受け取る。
【0117】
ステップS402において、情報処理装置30は、管理装置15に、売電収入の第3最適化演算に必要な情報を要求する。例えば、当該情報は、処理効率の演算に必要な情報、並びに、処理プラント10に関する情報及び制約条件等を含む。
【0118】
ステップS403において、情報処理装置30は、二酸化炭素処理装置20の管理装置22に、売電収入の第3最適化演算に必要な情報を要求する。例えば、当該情報は、処理効率の演算に必要な情報、並びに、二酸化炭素処理装置20に関する情報及び制約条件等を含む。
【0119】
ステップS404からS409において、情報処理装置30は、処理効率CCの演算時のステップS104からS109と同様の処理を行い、二酸化炭素処理装置20における1日間の二酸化炭素の処理効率CCを算出する。
【0120】
ステップS410において、情報処理装置30は、ステップS402及びS403で取得した情報を、上記の式3に示される目的関数に適用する。
【0121】
ステップS411において、情報処理装置30は、目的関数において、制約条件及び処理効率CCを満たしつつ売電収入Qを最大化するような、全ての区間期間の処理プラント10の処理量Gi及び二酸化炭素処理装置20の排ガス処理率PRiを演算する。
【0122】
ステップS412において、情報処理装置30は、売電収入Qを最大化する、全ての区間期間における処理プラント10の処理量Gi及び二酸化炭素処理装置20の排ガス処理率PRiと、最大化された売電収入Qとを含む情報を、処理プラント10の管理装置15に出力する。情報処理装置30は、全ての区間期間の排ガス処理率PRiを、二酸化炭素処理装置20の管理装置22に出力してもよい。
【0123】
売電収入の最大化に、ステップS401からS412の全ての処理が必須というわけではない。例えば、情報処理装置30は、上記式1を用いて処理効率を算出する場合、ステップS406の処理を省略してもよい。情報処理装置30は、上記式2を用いて処理効率を算出する場合、ステップS404及びS406の処理を省略してもよい。情報処理装置30は、処理効率を用いずに売電収入を最大化してもよい。この場合、情報処理装置30は、ステップS404からS409の処理を省略してもよい。
【0124】
情報処理装置30は、ステップS404からS409の処理によって算出された二酸化炭素処理装置20の二酸化炭素の処理効率CCを、第3最適化演算に用いるが、これに限定されない。情報処理装置30は、ステップS404からS409の処理によって算出された二酸化炭素処理装置20の二酸化炭素の処理効率CCをさらに第1最適化演算又は第2最適化演算して、最大化された処理効率を算出し、最大化された処理効率を第3最適化演算に用いてもよい。
【0125】
(その他の実施の形態)
以上、本開示の実施の形態について説明したが、本開示は、上記実施の形態に限定されない。すなわち、本開示の範囲内で種々の変形及び改良が可能である。例えば、各種変形を実施の形態に施したもの、及び、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本開示の範囲内に含まれる。
【0126】
実施の形態では、情報処理装置30は、二酸化炭素処理装置20の二酸化炭素の処理効率を最大化する所要電力量eri及び第2使用電力量e2i、又は、処理効率を最大化する処理プラント10の処理量Gi及び二酸化炭素処理装置20の排ガス処理率PRiを演算するが、これに限定されない。情報処理装置30は、売電価格を最大化する処理プラント10の処理量Gi及び二酸化炭素処理装置20の排ガス処理率PRiを演算するが、これに限定されない。
【0127】
例えば、情報処理装置30は、式1から式3に含まれる要素を、当該要素から変換可能な相関要素に置き換え、処理効率を最大化する相関要素を演算してもよい。例えば、処理プラント10の余剰電力量、発熱量、燃焼対象物の搬入量、燃焼対象物の残量及び使用電力等が相関要素として用いられてもよく、売電価格が処理プラント10の処理量に相関する場合には売電価格が相関要素として用いられてもよい。例えば、二酸化炭素処理装置20の二酸化炭素の回収量等が相関要素として用いられてもよい。
【0128】
実施の形態では、情報処理装置30は、二酸化炭素処理装置20の二酸化炭素の処理効率を最大化する第1使用電力量e1i及び第2使用電力量e2i、又は、処理効率を最大化する処理プラント10の処理量Gi及び二酸化炭素処理装置20の排ガス処理率PRiを演算するが、これに限定されない。例えば、情報処理装置30は、式1及び式2に含まれる要素を、当該要素から変換可能な相関要素に置き換え、処理効率を最大化する相関要素を演算してもよい。例えば、処理プラント10の余剰電力量及び二酸化炭素処理装置20の第1使用電力量等が相関要素として用いられてもよく、売電価格が処理プラント10に相関する場合には売電価格が相関要素として用いられてもよい。
【0129】
本開示の技術の各態様例は、以下のように挙げられる。本開示の第1態様に係る情報処理装置は、発電装置を含むプラントから排出される二酸化炭素に対する二酸化炭素処理装置の処理に関する演算をする処理回路を含む。前記処理回路は、前記プラントから排出される二酸化炭素を含む処理対象の二酸化炭素を処理するのに要する前記二酸化炭素処理装置の第1電力量と、前記第1電力量のうちの前記二酸化炭素処理装置が前記プラントから供給を受ける第2電力量とを取得することと、前記第1電力量と前記第2電力量との差分である第3電力量を演算することと、前記二酸化炭素処理装置による前記処理対象の二酸化炭素の第1処理量と、前記第3電力量から算出される二酸化炭素の第2処理量とに基づき、前記二酸化炭素処理装置による二酸化炭素の実質的な第3処理量を演算することとを実行する。
【0130】
第1態様によると、二酸化炭素処理装置の所要の第1電力量が第2電力量に対して超過する場合、第3電力量は、電力量の超過分に相当する。第3電力量での二酸化炭素処理装置による二酸化炭素の処理は、プラントの発電電力以外の電力を使用し、このような電力は生成時、貯留時及び送電時のうちの少なくともいずれかにおいて二酸化炭素の発生を伴う場合がある。第3処理量は、二酸化炭素の発生を伴う可能性がある第3電力量に基づく第2処理量を考慮した処理量であるため、二酸化炭素の実質的な処理量を示すことができる。第3処理量により、二酸化炭素の処理が効率的であるか否かを決定することが可能である。よって、情報処理装置は、プラントから排出される二酸化炭素の効率的な処理に貢献することができる。第3電力量は、二酸化炭素処理装置の外部から供給されるものであってもよい。このような第3電力量の供給は、例えば、電力の生成時、電力の貯留時及び電力の送電時に、二酸化炭素の発生を伴う場合がある。
【0131】
処理量などの「情報等を取得する」とは、処理回路が情報処理装置の外部から情報等を取得すること、処理回路が情報処理装置の入力装置への入力により情報等を取得すること、処理回路が情報処理装置の内部から情報等を取得すること、処理回路が情報等を算出すること、及び、処理回路が情報等を検出することを含み得る。処理回路が情報処理装置の外部から情報等を取得することは、情報処理装置と接続された、装置及び記録媒体等の外部デバイスから処理回路が情報等を取得すること、処理回路が有線通信、無線通信又はこれらの組み合わせを介して情報等を取得すること、並びに、処理回路が通信ネットワークを介して情報等を取得することを含み得る。処理回路が情報処理装置の外部から情報等を取得することは、情報処理装置及び処理回路に含まれる装置、記憶装置、メモリ及びストレージから処理回路が情報等を取得することを含み得る。
【0132】
本開示の第2態様に係る情報処理装置の前記処理回路は、上記第1態様において、前記第1処理量と前記第3処理量とを用いて前記二酸化炭素処理装置における二酸化炭素の処理効率を演算することをさらに実行してもよい。
【0133】
第2態様によると、第1処理量と第3処理量とを用いて算出される二酸化炭素の処理効率は、二酸化炭素の実質的な処理効率を示すことができる。情報処理装置は、このような処理効率を演算することによって、プラントから排出される二酸化炭素の処理の効率を示すことができる
【0134】
本開示の第3態様に係る情報処理装置の前記処理回路は、上記第1又は第2態様において、前記第3処理量の演算では、前記第2電力量が前記第1電力量よりも小さい場合、前記二酸化炭素処理装置が前記第3電力量の電力の供給を受ける第1電源の情報を用い、前記第1電源の電力供給において生じる二酸化炭素の発生量が多いほど、前記第3処理量を小さくする前記第2処理量を算出しもよい。
【0135】
第3態様によると、第3電力量は、二酸化炭素処理装置の所要の第1電力量の第2電力量に対する超過分に相当する。第1電源の電力供給において生じる二酸化炭素の発生量が多いほど、第3電力量の供給のために生じる二酸化炭素量が多い。情報処理装置は、第1電源の電力供給において生じる二酸化炭素の発生量が多いほど第3処理量を小さくするように、第2処理量を算出する。よって、第3処理量は、二酸化炭素処理装置による二酸化炭素の実質的な処理量を、より忠実に示すことができる。第1電源の電力供給において生じる二酸化炭素は、第1電源での電力生成、蓄電及び送電の少なくともいずれかで生じる二酸化炭素を含んでもよい。
【0136】
本開示の第4態様に係る情報処理装置の前記処理回路は、上記第1から第3態様のいずれかにおいて、第1期間に含まれる前記第1電力量及び前記第2電力量に基づき、前記第1期間に含まれる前記第3電力量を演算し、前記第1期間に含まれる前記第1処理量及び前記第2処理量に基づき、前記第1期間に含まれる前記第3処理量を演算してもよい。第4態様によると、情報処理装置は、第1期間内の各処理量を算出することができる。
【0137】
本開示の第5態様に係る情報処理装置の前記処理回路は、上記第4態様において、前記第3電力量の演算では、前記第1期間内の第1時刻での前記第1電力量と、前記第1時刻に対応する前記第1期間内の第2時刻での前記第2電力量との差分を用い、前記第3処理量の演算に、前記第1時刻での前記第1処理量を用いてもよい。
【0138】
第5態様によると、情報処理装置は、互いに対応する時刻の第1電力量及び第2電力量を用いて第3電力量を演算するため、第3電力量の精度を向上できる。情報処理装置は、第1電力量及び第2電力量に対応する時刻の第1処理量を用いて第3処理量を演算するため、第3処理量の精度を向上できる。
【0139】
本開示の第6態様に係る情報処理装置の前記処理回路は、上記第4又は第5態様において、前記第1処理量と前記第3処理量とを用いて前記二酸化炭素処理装置における二酸化炭素の処理効率を演算し、前記発電装置の前記第1期間内の発電量の総量が固定値であり、前記二酸化炭素処理装置の前記第1期間内の処理量の総量が所定値以上であるという制約条件のもと、前記処理効率を最大化するように、前記第1電力量、前記第2電力量及び前記第3電力量のうちの2つ以上を演算し出力してもよい。第6態様によると、情報処理装置は、制約条件の中で第1電力量、第2電力量及び第3電力量の2つ以上を調節して、最適な処理効率を演算することができる。よって、情報処理装置は、処理効率の向上に貢献することができる。
【0140】
本開示の第7態様に係る情報処理装置の前記処理回路は、上記第4から第6態様のいずれかにおいて、前記第1処理量と前記第3処理量とを用いて前記二酸化炭素処理装置における二酸化炭素の処理効率を演算し、前記発電装置の前記第1期間内の発電量の総量が固定値であり、前記二酸化炭素処理装置の前記第1期間内の処理量の総量が所定値以上であるという制約条件のもと、前記処理効率を最大化するように、前記プラントの処理量及び前記二酸化炭素処理装置の二酸化炭素の処理量を演算し出力してもよい。第7態様によると、情報処理装置は、制約条件の中でプラントの処理量及び二酸化炭素処理装置の処理量を調節して、最適な処理効率を演算することができる。よって、情報処理装置は、処理効率の向上に貢献することができる。
【0141】
本開示の第8態様に係る情報処理装置の前記処理回路は、上記第4から第7態様のいずれかにおいて、前記第1処理量と前記第3処理量とを用いて前記二酸化炭素処理装置における二酸化炭素の処理効率を演算し、前記第1期間内の発電電力の売電価格と、前記発電装置の前記第1期間内の発電量と、前記二酸化炭素処理装置の前記第1期間内の電力所要量と、前記処理効率とに基づき、前記第1期間内の発電電力の売電収入が最大となるように、前記第1期間内の前記発電装置の発電量と前記二酸化炭素処理装置の電力使用量とのいずれか又は両方を演算し出力してもよい。第8態様によると、情報処理装置は、最適な売電収入を演算することができる。よって、情報処理装置は、売電収入及び処理効率の両方の向上に貢献することができる。
【0142】
本開示の第9態様に係る二酸化炭素処理装置は、上記第1から第8態様のいずれかに係る情報処理装置を備える。第9態様によると、二酸化炭素処理装置は、第1から第8態様に係る情報処理装置と同様の効果を奏することができる。
【0143】
本開示の第10態様に係るシステムは、上記第1から第8態様のいずれかに係る情報処理装置と、前記二酸化炭素処理装置と、前記プラントとを含む。第10態様によると、システムは、第1から第8態様に係る情報処理装置と同様の効果を奏することができる。
【0144】
本開示の第11態様に係る情報処理方法は、発電装置を含むプラントから排出される二酸化炭素に対する二酸化炭素処理装置の処理に関する演算をする情報処理方法である。情報処理方法は、前記プラントから排出される二酸化炭素を含む処理対象の二酸化炭素を処理するのに要する前記二酸化炭素処理装置の第1電力量と、前記第1電力量のうちの前記二酸化炭素処理装置が前記プラントから供給を受ける第2電力量との差分である第3電力量を演算することと、前記二酸化炭素処理装置による前記処理対象の二酸化炭素の第1処理量と、前記第3電力量から算出される二酸化炭素の第2処理量とに基づき、前記二酸化炭素処理装置による二酸化炭素の実質的な第3処理量を演算することとを含む。
【0145】
第11態様によると、情報処理方法は、第1から第8態様に係る情報処理装置と同様の機能を実現できる。
【0146】
本開示の第12態様に係る情報処理方法は、上記第11態様において、前記第1処理量と前記第3処理量とを用いて前記二酸化炭素処理装置における二酸化炭素の処理効率を演算することをさらに含んでもよい。
【0147】
例えば、本開示の情報処理方法は、プロセッサ、処理回路、処理回路及び回路の組み合わせ、ICカード又は単体のモジュール等によって、実現されてもよい。本開示の技術は、情報処理方法を実行するためのプログラムであってもよく、上記プログラムが記録された非一時的なコンピュータ読み取り可能な記録媒体であってもよい。上記プログラムは、インターネット等の伝送媒体を介して流通させることができるのは言うまでもない。
【0148】
本明細書で開示する要素の機能は、開示された機能を実行するよう構成又はプログラムされた汎用プロセッサ、専用プロセッサ、集積回路、ASIC、従来の回路、及び/又は、それらの組み合わせ、を含む回路又は処理回路を使用して実行できる。プロセッサは、トランジスタやその他の回路を含むため、処理回路又は回路と見なされる。本開示において、回路、ユニット、又は手段は、列挙された機能を実行するハードウェアであるか、又は、列挙された機能を実行するようにプログラムされたハードウェアである。ハードウェアは、本明細書に開示されているハードウェアであってもよいし、あるいは、列挙された機能を実行するようにプログラム又は構成されているその他の既知のハードウェアであってもよい。ハードウェアが回路の一種と考えられるプロセッサである場合、回路、手段、又はユニットはハードウェアとソフトウェアの組み合わせであり、ソフトウェアはハードウェア及び/又はプロセッサの構成に使用される。
【0149】
上記で用いた序数、数量等の数字は、全て本開示の技術を具体的に説明するために例示するものであり、本開示は例示された数字に制限されない。また、構成要素間の接続関係は、本開示の技術を具体的に説明するために例示するものであり、本開示の機能を実現する接続関係はこれに限定されない。
【0150】
機能ブロック図におけるブロックの分割は一例であり、複数のブロックを一つのブロックとして実現する、一つのブロックを複数に分割する、及び/又は、一部の機能を他のブロックに移してもよい。また、類似する機能を有する複数のブロックの機能を単一のハードウェア又はソフトウェアが並列又は時分割に処理してもよい。
【0151】
本開示は、その本質的な特徴の精神から逸脱することなく、様々なかたちで実施され得るように、本開示の範囲は、明細書の記載よりも添付の特許請求の範囲によって定義されるため、例示的な実施の形態及び変形例は、例示的なものであって限定的なものではない。特許請求の範囲及びその範囲内にあるすべての変更、又は、請求項及びその範囲の均等物は、特許請求の範囲によって包含されることが意図されている。
【符号の説明】
【0152】
1 処理システム
10 処理プラント
11 発電装置
20 二酸化炭素処理装置
30 情報処理装置
P プロセッサ
M メモリ

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7