(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024022039
(43)【公開日】2024-02-16
(54)【発明の名称】発熱部品の取付構造
(51)【国際特許分類】
H05K 7/20 20060101AFI20240208BHJP
H05K 9/00 20060101ALI20240208BHJP
H02K 5/22 20060101ALI20240208BHJP
H02K 11/33 20160101ALI20240208BHJP
【FI】
H05K7/20 B
H05K9/00 U
H02K5/22
H02K11/33
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022125340
(22)【出願日】2022-08-05
(71)【出願人】
【識別番号】000102692
【氏名又は名称】NTN株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087941
【弁理士】
【氏名又は名称】杉本 修司
(74)【代理人】
【識別番号】100112829
【弁理士】
【氏名又は名称】堤 健郎
(74)【代理人】
【識別番号】100155963
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】100150566
【弁理士】
【氏名又は名称】谷口 洋樹
(74)【代理人】
【識別番号】100154771
【弁理士】
【氏名又は名称】中田 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100142608
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 由佳
(74)【代理人】
【識別番号】100213470
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 真二
(72)【発明者】
【氏名】阿部 理生
【テーマコード(参考)】
5E321
5E322
5H605
5H611
【Fターム(参考)】
5E321AA11
5E321BB53
5E321CC02
5E321CC12
5E321GG05
5E321GH03
5E322AA02
5E322AB01
5E322AB05
5E322AB06
5E322EA10
5E322EA11
5E322FA09
5H605AA01
5H605BB05
5H605CC06
5H605CC10
5H605DD11
5H605EC20
5H611AA09
5H611BB01
5H611BB04
5H611TT01
5H611UA04
(57)【要約】
【課題】発熱部品の放熱性の向上を図ると共にEMC性能を向上することができる発熱部品の取付構造を提供する。
【解決手段】発熱部品17の取付構造は、発熱部品17が取り付けられた部品取付板16と、基板15に設けられたコネクタ18、部品取付板16および発熱部品17を収納するケース14とを備える。部品取付板16は、ケース14内における、コネクタ18が収納される空間A1とコネクタ以外の部品が収納される空間A2とを仕切る隔壁19と、この隔壁19とケース14とを繋ぐ繋ぎ部20とを含む。隔壁19に発熱部品17が取り付けられ、隔壁19および繋ぎ部20とケース14の一部とでコネクタ18を覆う。発熱部品17は、締結部材を介して隔壁19に取り付けられている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発熱部品が取り付けられた部品取付板と、
基板に設けられたコネクタ、前記部品取付板および前記発熱部品を収納するケースと、を備え、
前記部品取付板は、前記ケース内における、前記コネクタが収納される空間とコネクタ以外の定められた部品が収納される空間とを仕切る隔壁と、この隔壁と前記ケースとを繋ぐ繋ぎ部とを含み、前記隔壁に前記発熱部品が取り付けられ、前記隔壁および前記繋ぎ部と前記ケースの一部とで前記コネクタを覆う、発熱部品の取付構造。
【請求項2】
請求項1に記載の発熱部品の取付構造において、前記発熱部品は、締結部材を介して前記隔壁に取り付けられている発熱部品の取付構造。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の発熱部品の取付構造において、前記ケースと前記繋ぎ部とが一体に構成されている発熱部品の取付構造。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載の発熱部品の取付構造において、前記基板と電動アクチュエータの端子とが、プレスフィットまたはコネクタにより電気的に接続された発熱部品の取付構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、機電一体電動アクチュエータ等に利用することができる発熱部品の取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
コントローラの放熱性とEMC(electromagnetic compatibility:電磁両立性)性能を、部品の配置と、プリント基板を覆うケースの形状で確保した技術が提案されている(特許文献1)。特許文献1では、
図13のように、プリント基板5に面実装した発熱部品7を、コネクタ6の近傍でこのコネクタ6の長手方向に一列に配置している。さらに
図14のように、ケース2の一部3bを発熱部品7に接触する凹んだ形状にすることで、放熱性を確保している。かつコネクタピン6bをケース2で覆うことで、ノイズ対策としてのシールド板の役割を果たしてEMC性能を確保している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4400001号公報
【特許文献2】特開平10-242614号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の前記技術は面実装部品にのみ成立する技術であり、
図15に示す課題がある。リード部品38は、基板32のスルーホールにリードを挿入した後にはんだ付けするので、ヒートシンク39により固定する必要がある。ケース34の壁面にヒートシンク39を接する配置にすることで、リード部品38の放熱性を確保している。
【0005】
但し、ヒートシンク39がケース34の壁面に接する配置でないと、リード部品38の放熱効果が得られない。ケース34の壁面近傍にリード部品38を配置すると、リード部品38とコネクタ36との間隔は広くなるのでパターン配線35が長くなり実装面積の有効利用ができない場合がある。
はんだ付け時の固定とパターン配線を短くするなら、
図16のように、部品取付板1をプリント基板12に挿入する方法があるが(特許文献2)、放熱効果はない。
【0006】
本発明の目的は、発熱部品の放熱性の向上を図ると共にEMC性能を向上することができる発熱部品の取付構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の発熱部品の取付構造は、発熱部品が取り付けられた部品取付板と、
基板に設けられたコネクタ、前記部品取付板および前記発熱部品を収納するケースと、を備え、
前記部品取付板は、前記ケース内における、前記コネクタが収納される空間とコネクタ以外の定められた部品が収納される空間とを仕切る隔壁と、この隔壁と前記ケースとを繋ぐ繋ぎ部とを含み、前記隔壁に前記発熱部品が取り付けられ、前記隔壁および前記繋ぎ部と前記ケースの一部とで前記コネクタを覆う。
前記定められた部品は、設計等によって任意に定められる部品である。
【0008】
この構成によると、部品取付板の隔壁に発熱部品が取り付けられ、隔壁とケースとを繋ぐ繋ぎ部が設けられているため、発熱部品からの熱を繋ぎ部を介してケースに放熱することができる。部品取付板の隔壁および繋ぎ部とケースの一部とでコネクタを覆う。このように部品取付板をシールド材として利用し、シールド材としての部品取付板と、ケースの一部とで協働してコネクタから放射されるノイズ等を遮断することができる。したがって、従来の技術に対し、発熱部品の放熱性の向上を図ると共にEMC性能を向上することができる。
【0009】
前記発熱部品は、締結部材を介して前記隔壁に取り付けられてもよい。この場合、発熱部品の取付構造を簡素化し、製造コストの低減を図ることができる。
【0010】
前記ケースと前記繋ぎ部とが一体に構成されていてもよい。
前記「一体に構成され」とは、ケースと繋ぎ部とが、複数の要素を結合したものではなく単一の材料から例えば鍛造、機械加工等により単独の物の一部または全体として成形されたことを意味する。
この場合、ケースと繋ぎ部とが別体の構造よりも、部品点数の低減をおよび組立工数の低減を図ることができる。これにより、製造コストの低減を図れる。
【0011】
前記基板と電動アクチュエータの端子とが、プレスフィットまたはコネクタにより電気的に接続されてもよい。この場合、基板と電動アクチュエータの端子とが、例えば、はんだ付けされる構成よりも、組立を簡単化することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の発熱部品の取付構造は、部品取付板の隔壁に発熱部品が取り付けられ、隔壁とケースとを繋ぐ繋ぎ部が設けられているため、発熱部品からの熱を繋ぎ部、ケースに放熱することができる。部品取付板の隔壁および繋ぎ部とケースの一部とでコネクタを覆うため、コネクタから放射されるノイズ等を遮断することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係る発熱部品の取付構造を示す斜視図である。
【
図2】同発熱部品等を収納するケースの要部の縦断面図である。
【
図3】同発熱部品が取り付けられた部品取付板の斜視図である。
【
図4】同部品取付板を別の方向から見た斜視図である。
【
図5】本発明の第2の実施形態に係る発熱部品の取付構造を示す斜視図である。
【
図6】同発熱部品等を収納するケースの斜視図である。
【
図8】同ケースに設けられた基板とモータ端子とのプレスフィット接続タイプを示す部分拡大図である。
【
図9】同プレスフィット接続タイプをコネクタ接続タイプに変更した例の縦断面図である。
【
図10】同コネクタ接続タイプの部分拡大図である。
【
図11】本発明の第3の実施形態に係る発熱部品の取付構造を示す縦断面図である。
【
図12】
図11のプレスフィット接続タイプをコネクタ接続タイプに変更した例の縦断面図である。
【
図13】従来例の発熱部品の取付例を示す斜視図である。
【
図15】他の従来例の発熱部品の取付例を示す斜視図である。
【
図16】さらに他の従来例の発熱部品の取付例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[第1の実施形態]
本発明の実施形態に係る発熱部品の取付構造を
図1ないし
図4と共に説明する。
この発熱部品の取付構造は、例えば、機電一体型の電動アクチュエータに適用される。
図1のように、機電一体型の電動アクチュエータ10は、モータ11と、このモータ11を制御する制御装置13とを1つのユニットとして製品化したものである。電動アクチュエータ10は、例えば、車両に搭載され、車載機器等を駆動する駆動源として用いられる。
【0015】
<モータ>
モータ11は、例えば、永久磁石型同期モータとされる。その他、モータ11は、スイッチトリラクタンスモータ、インダクションモータ等各種形式が採用できる。モータ11は、このモータ11を取付対象に取り付けるための取付フランジ11aと、取付フランジ11aの上部に固定されたモータ本体11bとを備える。モータ本体11bの一部(この例では上部)に制御装置13が固定されている。
【0016】
<制御装置>
制御装置13は、上位の制御装置からの指令値に従ってモータ11を制御する。上位の制御装置としては、例えば、車両全般の制御を行う電気制御ユニットである車両制御ECUが適用される。制御装置13は、モータ11に関する各検出値および制御値等の各情報を前記上位の制御装置に出力してもよい。
【0017】
制御装置13は、ケース14、基板15、部品取付板16、発熱部品17、コネクタ18およびその他の部品を備える。基板15に設けられたコネクタ18、部品取付板16、発熱部品17およびその他の部品は、ケース14に収納されている。ケース14は、例えば、外観視で直方体形状であり薄板状の金属から機械加工等により成形される。前記金属としては、例えば、アルミニウムまたは鉄等が適用される。
【0018】
図2のように、ケース14内の底面付近には、矩形板状の基板15が支持されている。基板15はいわゆるプリント基板であり、プリント基板15には、モータ11(
図1)を駆動するための電気回路等が設けられている。発熱部品17は部品取付板16に取り付けられ、部品取付板16はプリント基板15に固定されている。発熱部品17は複数のリード部品を含み、これらリード部品は、例えば、図示外のバッテリの直流電力をモータ11(
図11)の駆動に用いる交流電力に変換する複数のスイッチング素子である。前記スイッチング素子としては、例えば、IGBTまたはMOS-FET等の半導体スイッチング素子が用いられる。
【0019】
前記上位の制御装置は、コネクタ18および前記電気回路を介して発熱部品17に電気的に接続されている。発熱部品17は、前記電気回路およびコネクタ18を介して、
図1のモータ11および前記バッテリに電気的に接続されている。上位の制御装置からの指令値に従ってスイッチング素子を開閉することにより、前記直流電力をモータ11の駆動に用いる交流電力に変換する。スイッチング素子を開閉することで、同スイッチング素子から熱が発生する。コネクタ18は、ケース14内の一辺に沿うように基板15に支持されている。
【0020】
<部品取付板等について>
図3のように、部品取付板16は、隔壁19と、繋ぎ部20とを含む。
図4のように、隔壁19および繋ぎ部20は、薄板状の金属から機械加工等により一体に成形され、一定の板厚である。前記金属としては、例えば、アルミニウムまたは鉄等が適用される。前記「一体に成形される」とは、隔壁19および繋ぎ部20が、複数の要素を結合したものではなく単一の材料から、前記機械加工等により単独の物の一部または全体として成形されたことを意味する。隔壁19および繋ぎ部20の少なくともいずれか1つを別体に成形し、接合してもよい。
【0021】
図1のように、隔壁19は、ケース14内における、コネクタ18が収納される第1の空間A1と、コネクタ18以外の定められた部品が収納される第2の空間A2とを仕切る薄板状である。この例では、前記定められた部品の1つとして発熱部品17が第2の空間A2に収納されているが、発熱部品17は、コネクタ18と共に第1の空間A1に収納されてもよい。
図2のように、繋ぎ部20は、隔壁19とケース14とを繋ぐ薄板状である。
【0022】
隔壁19は、プリント基板15側に位置する基端縁部19aから上方に向かうに従って、コネクタ18が収納される第1の空間A1側に傾斜する傾斜角度αを成す。傾斜角度αは、ケース14の容積およびリード部品17の個数等に応じて適宜に設定される。
図3のように、隔壁19の背面、つまり隔壁19のうち第2の空間A2(
図2)に臨む斜面19bに、締結部材21を介して発熱部品17が取り付けられている。
【0023】
締結部材21として、例えば、粘着シートが採用されているが、ねじ、加締め部等を採用してもよい。例えば、隔壁19の一部にバーリング加工した孔にタップ加工を施したバーリングタップを利用して、発熱部品17を隔壁19にねじ止めし得る。隔壁19の一部を切り欠き、発熱部品17の周囲を、複数箇所加締る加締め部とし得る。
図2のように、発熱部品17のリード線17aは、基板15に挿入された状態で実装される。
【0024】
繋ぎ部20は、平板部22と、
図4に示す一対の側壁23,23とを有する。平板部22は、隔壁19の上端縁部に繋がり、
図2のケース14内の天井面14aに平行に接する平板状である。平板部22は、発熱部品17からの発熱をケース14に逃がす放熱経路である。この例の平板部22は、ケース14内の天井面14aに直接接しているが、図示外の放熱シートを介してケース14内の天井面14aに間接的に接する構造としてもよい。平板部22の表面積および板厚は、例えば、発熱部品17の発熱量に応じて適宜に設定される。
【0025】
図4のように、一対の側壁23,23は、隔壁19および平板部22の両側縁部からそれぞれ基板15(
図2)側に向かう台形の立板状である。各側壁23の下端縁部には、長手方向一定間隔おきに下方に突出する固定用突起23aが複数設けられている。
図2のように、基板15には、複数の固定用突起23aが嵌め込まれるスルーホールが形成されている。一対の側壁23,23は、複数の固定用突起23aが、対応するスルーホールに嵌め込まれはんだ付けされることで基板15に固定される。
【0026】
図1のように、隔壁19および繋ぎ部20とケース14の一部とでコネクタ18を覆う。具体的には、隔壁19、平板部22、一対の側壁23,23、ケース14のうち、隔壁19の正面に臨む一側面(第1の空間A1側の面)、この一側面にそれぞれ繋がる上面部分、両側面部分および下面部分により、コネクタ18が覆われる。ケース14の上面部分、両側面部分および下面部分は、ケース14の前記一側面から
図2に示す各側壁23の縁部23bに至る部分である。
【0027】
<作用効果>
以上説明した発熱部品17の取付構造によれば、部品取付板16の隔壁19に発熱部品17が取り付けられ、隔壁19とケース14とを繋ぐ繋ぎ部20が設けられているため、発熱部品17からの熱を繋ぎ部20を介してケース14に放熱することができる。部品取付板16の隔壁19および繋ぎ部20とケース14の一部とでコネクタ18を覆う。
【0028】
このように部品取付板16をシールド材として利用し、シールド材としての部品取付板16と、ケース14の一部とで協働してコネクタ18から放射されるノイズ等を遮断することができる。したがって、従来の技術に対し、発熱部品17の放熱性の向上を図ると共にEMC性能を向上することができる。部品取付板16の一部を放熱経路として利用するため、発熱部品17とコネクタ18との間隔を従来構造(
図15)よりも狭くすることができる。これにより、基板15のパターン配線を短縮し基板15の実装面積の有効利用を図ることが可能となる。
【0029】
図3のように、隔壁19の斜面19bに発熱部品17が取り付けられているため、立板状の隔壁に発熱部品を取り付けるよりも発熱部品17が取り付け易い。また、隔壁19の斜面19bは、立板状の隔壁よりも面積が大きく確保できる分、発熱部品17の大きさの制約が少ない。したがって、発熱部品17の取付構造の設計の自由度を高めることができる。
【0030】
発熱部品17は、締結部材21を介して隔壁19に取り付けられているため、発熱部品17の取付構造を簡素化し、製造コストの低減を図ることができる。締結部材21として、粘着シートが採用された場合には、他の取付構造よりも発熱部品17を隔壁19に取り付けるタクトタイムを短縮できる。締結部材21として、ねじが採用された場合には、他の取付構造よりも発熱部品17を隔壁19に強固に取り付けることが可能となる。締結部材21として、隔壁19の一部を切り欠いた加締め部が採用された場合には、他の取付構造よりも部品点数を抑え全体構造を簡素化することが可能となる。
【0031】
<他の実施形態について>
以下の説明においては、各実施形態で先行して説明している事項に対応している部分には同一の参照符号を付し、重複する説明を略する。構成の一部のみを説明している場合、構成の他の部分は、特に記載のない限り先行して説明している実施形態と同様とする。同一の構成は同一の作用効果を奏する。各実施形態で具体的に説明している部分の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、実施形態同士を部分的に組合せることも可能である。
【0032】
[第2の実施形態]
<プレスフィット接続タイプ:
図5~
図8>
図5のように、部品取付板16Aは、隔壁19Aと繋ぎ部20Aとで
図7に示す断面L字形状に形成してもよい。
図6のように、繋ぎ部20Aは、ケース14内の天井面14a(
図7)に溶接等により接合される平板状である。
図7のように、隔壁19Aは、上端縁部から下端縁部19Aaに向かう立板状で下端縁部19Aaが基板15に所定の隙間を介して対向する。基板15とモータ端子(電動アクチュエータの端子)11bとは、
図8のプレスフィット24により電気的に接続される。
【0033】
図7のように、部品取付板16Aの繋ぎ部20Aがケース14に接合される構造では、発熱部品17が部品取付板16Aを介してケース14に固定される。このため、モータ側から出るモータ端子11bのはんだ付けができない構成となる。通常は、モータ端子11bのはんだ付け後にケース14を閉じるためである。しかし、前記プレスフィット24を用いることで、基板15とモータ端子11bとが電気的に接続される。
【0034】
この場合、基板とモータ端子とが、例えば、はんだ付けされる構成よりも、組立を簡単化することができる。部品取付板16Aは、隔壁19Aと繋ぎ部20Aとで断面L字形状に形成しているため、前述の一対の側壁を含む部品取付板16(
図4)よりも部品取付板16Aを簡素化し、製造コストの低減を図れる。その他前述の実施形態と同様の作用効果を奏する。
【0035】
<コネクタ接続タイプ:
図9~
図10>
図9および
図10のように、基板15とモータ端子(電動アクチュエータの端子)11bとがコネクタ25により電気的に接続されてもよい。コネクタ25は、ケース14の外側に配置される。前記コネクタ25以外の構成は、前記プレスフィット接続タイプと同様である。このコネクタ接続タイプによると、基板15とモータ端子11bとが、例えば、はんだ付けされる構成よりも、組立を簡単化することができる。その他前述の実施形態と同様の作用効果を奏する。
【0036】
[第3の実施形態]
図11または
図12のように、ケース14と、部品取付板16Aの繋ぎ部20Aとが一体に構成されていてもよい。このケース一体型の場合にも、発熱部品17がケース14に固定されるため、モータ11側から出るモータ端子11bのはんだ付けができない構成となる。しかし、
図11のプレスフィット24または
図12のコネクタ25を用いることで、基板15とモータ端子11nとが電気的に接続され組立を簡単化することができる。前記コネクタ25は、ケース14の外側に配置される。ケース14と、部品取付板16Aの繋ぎ部20Aとが一体に構成されている場合、ケースと繋ぎ部とが別体の構造よりも、部品点数の低減をおよび組立工数の低減を図ることができる。これにより、製造コストの低減を図れる。
【0037】
電動アクチュエータのアクチュエータ本体と、このアクチュエータ本体を制御する制御装置とが別体構造で電気的に接続された電動アクチュエータに、いずれかの実施形態に係る発熱部品の取付構造を適用することも可能である。
発熱部品は、半導体スイッチング素子に限定されるものではなく、指令値に従って発熱する素子であれば足りる。
ケースの一部がコネクタを覆うため、部品取付板とコネクタとの間隔は、各実施形態の間隔よりも空いてもよい。
電動アクチュエータを、車両以外の産業機械等に搭載してもよい。
【0038】
以上、本発明の実施形態を説明したが、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0039】
14…ケース、15…基板、16,16A…部品取付板、17…発熱部品、18…コネクタ、19,19A…隔壁、20,20A…繋ぎ部、21…締結部材、24…プレスフィット、25…コネクタ