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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024022053
(43)【公開日】2024-02-16
(54)【発明の名称】板状部材用スタンド
(51)【国際特許分類】
   E06B 3/70 20060101AFI20240208BHJP
【FI】
E06B3/70 H
E06B3/70 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022125370
(22)【出願日】2022-08-05
(71)【出願人】
【識別番号】522313710
【氏名又は名称】山下 秀樹
(74)【代理人】
【識別番号】100154966
【弁理士】
【氏名又は名称】海野 徹
(72)【発明者】
【氏名】山下 秀樹
【テーマコード(参考)】
2E016
【Fターム(参考)】
2E016KA01
(57)【要約】
【課題】 板状部材を安定して垂直状態に保持できる板状部材用スタンドを提供する。
【解決手段】本発明の板状部材用スタンド1は、第1水平部材11、第1水平部材から上方にのびる第1起立部材12とから成る第1パーツ10と、第2水平部材21、第2水平部材から上方にのびる第2起立部材22とから成る第2パーツ20と、第1パーツと第2パーツとを連結するばね機構30を備える。使用者がV字形の隙間50に板状部材100を挿入すると、板状部材の厚みに応じて第1パーツと第2パーツが相対的に水平方向に移動することで隙間の幅が拡がり、次に板状部材の自重を受けて第1パーツと第2パーツが相対的に鉛直方向に回転することで第1起立部と第2起立部が板状部材をその側面全体で支持する。したがって、板状部材を安定して垂直状態に保持することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平方向にのびる第1水平部材と、前記第1水平部材から上方にのびる第1起立部材とから成る第1パーツと、
水平方向にのびる第2水平部材と、前記第2水平部材から上方にのびる第2起立部材とから成る第2パーツと、
前記第1パーツと前記第2パーツとを連結するばね機構を少なくとも備えており、
外力が与えられていない状態では正面視した場合に前記第1起立部材と前記第2起立部材との隙間が上方に向かって広がるV字形になっており、
前記ばね機構は、前記第1パーツと前記第2パーツを相対的に水平方向に移動可能及び鉛直方向に回転可能となるようにばね付勢しており、
板状部材を前記隙間に対して上方から挿入すると、前記第1起立部材及び前記第2起立部材は前記板状部材から外力を受けて水平方向に移動すると共に前記隙間の上部が狭くなる方向に回転移動することを特徴とする板状部材用スタンド。
【請求項2】
前記第1起立部材及び前記第2起立部材の水平方向への移動量を調節する調節機構を備えることを特徴とする請求項1に記載の板状部材用スタンド。
【請求項3】
前記第1水平部材又は前記第2水平部材の下面を上方に押し上げるスペーサーを備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の板状部材用スタンド。
【請求項4】
前記第1起立部材と前記第2起立部材とで前記板状部材を保持した状態で、前記第1起立部材と前記第2起立部材の上部を挟むことで前記隙間が拡がらないようにするための固定部材を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の板状部材用スタンド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、板状の部材を垂直状態に保持できる板状部材用スタンドに関する。
【背景技術】
【0002】
窓ガラス、サッシ、ドア等の板状の部材(本明細書では「板状部材」という。)を地面に対して直立させて保持するための装置が知られている。
例えば特許文献1には隙間をあけて直立する2本の支柱と、一方の支柱にリンク板を介して取り付けられる中間押えからなる建具等垂直保持具が開示されている。使用者が中間押えの下端の突起に建具等を載せると、中間押えが他方の支柱側に平行移動して隙間を狭めるので、建具等を隙間で挟み込んで保持することができる。
また、特許文献2には2枚の保持板と、保持板間の距離を調節するためのトグル機構と、一方の保持板に対して他方の保持板を近づけたり遠ざけたりするための操作レバー等から構成される建具保持スタンドが開示されている。使用者はドアの下端を脚杆に載せた状態で操作レバーを操作して両保持板間の距離を狭めることでドアを保持することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-9549号公報
【特許文献2】実公昭58-3654号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記従来技術はいずれもまず板状部材を挟み込むための2つの部材(支柱、保持板)の間隔を空けておき、隙間に板状部材を配置した後で2つの部材の隙間を狭めていく仕組みである。したがって、隙間に板状部材を配置した直後の状態では板状部材が不安定になるという問題がある。
【0005】
本発明はこのような問題に鑑み、板状部材を安定して垂直状態に保持できる板状部材用スタンドを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の板状部材用スタンドは、水平方向にのびる第1水平部材と、前記第1水平部材から上方にのびる第1起立部材とから成る第1パーツと、水平方向にのびる第2水平部材と、前記第2水平部材から上方にのびる第2起立部材とから成る第2パーツと、前記第1パーツと前記第2パーツとを連結するばね機構を少なくとも備えており、外力が与えられていない状態では正面視した場合に前記第1起立部材と前記第2起立部材との隙間が上方に向かって広がるV字形になっており、前記ばね機構は、前記第1パーツと前記第2パーツを相対的に水平方向に移動可能及び鉛直方向に回転可能となるようにばね付勢しており、板状部材を前記隙間に対して上方から挿入すると、前記第1起立部材及び前記第2起立部材は前記板状部材から外力を受けて水平方向に移動すると共に前記隙間の上部が狭くなる方向に回転移動することを特徴とする。
また、前記第1起立部材及び前記第2起立部材の水平方向への移動量を調節する調節機構を備えることを特徴とする。
また、前記第1水平部材又は前記第2水平部材の下面を上方に押し上げるスペーサーを備えることを特徴とする。
また、前記第1起立部材と前記第2起立部材とで前記板状部材を保持した状態で、前記第1起立部材と前記第2起立部材の上部を挟むことで前記隙間が拡がらないようにするための固定部材を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明では、使用者がV字形の隙間に板状部材を挿入すると、板状部材の厚みに応じて第1パーツと第2パーツが相対的に水平方向に移動することで隙間の幅が拡がり、次に板状部材の自重を受けて第1パーツと第2パーツが相対的に鉛直方向に回転することで第1起立部材と第2起立部材が板状部材をその側面全体で支持する。したがって、板状部材を安定して垂直状態に保持することができる。
調節機構を備えることにすれば、第1パーツと第2パーツの相対的な水平方向への移動距離を変えて隙間の幅を調節できるので板状部材の厚みの変化に容易に対応することができる。
スペーサーを第1水平部材又は第2水平部材の下面に配置すると、第1水平部材又は第2水平部材が上方に押し上げられるので、V字形の隙間の上部の幅を拡げることができる。
固定部材を使用することで、板状部材を保持した状態の第1起立部材と第2起立部材が移動及び回転できない状態になるので板状部材を更に安定的に保持できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の板状部材用スタンドの斜視図
図2】板状部材用スタンドの部品展開図
図3】第1パーツの正面図(a)及び背面図(b)
図4】第2パーツの正面図(a)及び背面図(b)
図5】板状部材用スタンドの正面図(a)及び背面図(b)
図6】板状部材用スタンドの動作を示す正面図(a)及び(b)
図7】動作中の板状部材用スタンドの内部構造を示す正面図(a)及び(b)
図8】板状部材用スタンドの動作を示す正面図(a)及び(b)
図9】動作中の板状部材用スタンドの内部構造を示す正面図(a)及び(b)
図10】調節機構使用中の板状部材用スタンドの内部構造を示す正面図(a)及び(b)
図11】動作中の板状部材用スタンドの内部構造を示す正面図(a)及び(b)
図12】動作中の板状部材用スタンドの内部構造を示す正面図(a)及び(b)
図13】固定部材を示す平面図
図14】板状部材用スタンドの内部構造を示す正面図(a)及び固定部材の使用方法を示す平面図(b)
図15】スペーサーの斜視図(a)、スペーサーの使用方法を示す正面図(a)及び(b)
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の板状部材用スタンドの実施の形態について説明する。
図1図5に示すように板状部材用スタンド1は第1パーツ10、第2パーツ20、ばね機構30及び調節機構40を備える。なお、図2は部品展開図であり、図2以外の図面は模式図である。したがって、図2に表している部品であっても図2以外の図面には表していないことがある。
第1パーツ10は水平方向にのびる第1水平部材11と、第1水平部材11から上方にのびる第1起立部材12を備える。
第2パーツ20は水平方向にのびる第2水平部材21と、第2水平部材21から上方にのびる第2起立部材22を備える。
第1パーツ10及び第2パーツ20の素材は特に限定されず、アルミニウム、ステンレス等の金属やプラスチックが挙げられる。
【0010】
第1水平部材11及び第2水平部材21は中空の部材である。第1水平部材11と第2水平部材21の後端には水平面内で回転自在な脚13が取り付けられている。第1水平部材11及び第2水平部材21の長手方向に直交する方向に脚13を回転させて固定することで板状部材用スタンド1を自立させることができる。第1水平部材11及び第2水平部材21の表面の一部には板状部材100に傷をつけないための緩衝材14を貼り付けてある。
第1起立部材12及び第2起立部材22は第1水平部材11及び第2水平部材21の表面から上方にのびる棒状部材である。第1起立部材12及び第2起立部材22の内面側の側面には、板状部材100の滑りを良くし、且つ板状部材100に傷をつけないための緩衝材15を貼り付けてある。
【0011】
図5に示すように、外力が与えられていない状態では正面視した場合に第1起立部材12と第2起立部材22との隙間50が上方に向かって広がるV字形になっている。具体的には、図3に示すように正面視した場合に水平方向にのびる第1水平部材11に対して第1起立部材12の傾斜角は87度程度である。同様に図4に示すように正面視した場合に水平方向にのびる第2水平部材21に対して第2起立部材22の傾斜角も87度程度である。傾斜角をどの程度とるかは設計事項であり、板状部材100の厚み、材質、重量等を踏まえて適宜変更すればよい。本実施の形態ではV字形の隙間50の頂角が成す角度は約6度になっている。
【0012】
ばね機構30は第1パーツ10と第2パーツ20とを連結するための機構であり、第1パーツ10と第2パーツ20を相対的に水平方向に移動可能及び鉛直方向に回転可能となるようにばね付勢している。
具体的には、図2及び図7に示すようにばね機構30は引張ばね31を備える。引張ばね31は中空の第1水平部材11の内部に配置されている。引張ばね31の一方の端部31aはブラケット32を介して第1水平部材11の内部の後端に固定されている。引張ばね31の他方の端部31bは複数のナット、スペーサー等33aを介してボルト33の先端に固定されている。
ボルト33は第2水平部材21と一体的に移動する。ボルト33の基部は第2水平部材21の側面に取り付けられている。第1水平部材11の側面には長手方向にのびる第1切欠部11aが形成されており、ボルト33の先端は第1切欠部11aを通って第1水平部材11の内部に至り、上述の通り引張ばね31の他方の端部31bが固定される。
【0013】
図6(a)及び図7(a)に示した状態から、図6(b)及び図7(b)に示すように第1水平部材11と第2水平部材21に対して水平方向に相互に引き離すように外力F1を作用させると、ボルト33は引張ばね31の引張力に抗して第1切欠部11a内を水平方向に第1水平部材11の左端側に移動する。これにともない、第1起立部材12と第2起立部材22は相互に離れる方向に移動するので隙間50の幅は拡がる。一方、外力F1を除去するとボルト33は引張ばね31の引張力に従って第1切欠部11a内を水平方向に第1水平部材11の右端側に移動し、図6(a)及び図7(a)に示すように第1切欠部11aの終端部11bに接触した状態で停止する。これにともないV字形の隙間50の幅は最も狭くなる。
【0014】
また、図8(a)及び図9(a)に示した状態から、図8(b)及び図9(b)に示すように第1水平部材11と第2水平部材21に対して鉛直方向に相互に逆向きに回転するように外力F2を作用させる、例えば正面視した場合に第1水平部材11が反時計回り、第2水平部材21が時計回りに回転するように外力F2を作用させると、ボルト33が回転中心となり、第1起立部材12及び第2起立部材22の上端同士の距離が近くなり、隙間50のV字形が消滅し、第1起立部材12と第2起立部材22が平行に近い状態になる。
左右の脚13によって第1水平部材11及び第2水平部材21の下面と地面との間に空間を生じさせて、この空間を利用して第1水平部材11及び第2水平部材21を鉛直方向に回転させるためのスペースを確保している。
【0015】
調節機構40は第1起立部材12及び第2起立部材22の水平方向への移動量を調節するための機構である。
図2及び図7に示すように調節機構40は調節用ボルト41を備える。調節用ボルト41は中空の第1水平部材11の内部に配置される。調節用ボルト41の頭部は第1水平部材11の先端から外部に露出しており、調節用ボルト41の先端は複数のブラケット42等を介して第1水平部材11の右端側にのびており、板状のストッパー43に固定されている。第1水平部材11の側面には長手方向にのびる第2切欠部11cが形成されており、第2切欠部11cに沿って目盛り11dが表示されている。ストッパー43の一部が第2切欠部11cから目視できる程度に露出している。
【0016】
調節機構40は更に球形の摘み44、摘み44の下部から下方にのびる棒状部材45、棒状部材45の先端に固定される半分に切断されたナット46を備える。棒状部材45には引張ばね47が挿入されており、摘み44は引張ばね47によって下方に付勢された状態で第1水平部材11の表面に露出している。ナット46の溝が調節用ボルト41の溝に嵌合することで調節用ボルト41の長手方向の移動を規制している。
使用者は板状部材100の厚みに応じて、目盛り11dを参照しながらストッパー43の位置を調節する。具体的には図10(a)に示すように摘み44を持ち上げることでナット46と調節用ボルト41の嵌合を解除し、図10(b)に示すように調節用ボルト41を水平方向に移動させる。例えば板状部材100の厚みが小さい場合には、使用者が調節用ボルト41の先端を第1水平部材11の右端側に移動させると、ストッパー43も第1水平部材11の右端側に移動する。ストッパー43が目盛り11dの所望の位置まで到達した時点で使用者が手から摘み44を離すとナット46と調節用ボルト41は再び嵌合し、調節用ボルト41の位置を固定できる。
【0017】
上述したとおり、第1水平部材11と第2水平部材21に対して水平方向に相互に引き離すように外力を作用させると、ボルト33は第1切欠部11a内を水平方向に第1水平部材11の左端側に移動する。そして、ボルト33の先端がストッパー43と衝突した時点でボルト33の移動が停止する。つまり、調節用ボルト41を操作してストッパー43の位置を調節することで第1水平部材11に対して第2水平部材21が移動可能な距離を調節することができ、V字形の隙間50の幅を調節することができる。
ストッパー43の位置を微調整したい場合には、ナット46の溝が調節用ボルト41の溝と嵌合した状態のまま、つまり摘み44を持ち上げずに調節用ボルト41を軸回りに回転させればよい。これにより調節用ボルト41をナット46と嵌合させたまま少しずつ左右方向に移動させることができる。
【0018】
次に、板状部材用スタンド1の使用方法について説明する。
使用者はまず板状部材用スタンド1を2つ用意して、板状部材100の寸法に応じて間隔を空けて地面に置く。
次に使用者は板状部材100の厚みに応じて調節機構40を操作する。具体的には、図10(a)及び(b)に示すように摘み44を持ち上げて調節用ボルト41を移動させ、目盛り11dを参考にしながらストッパー43の位置を調節する。ストッパー43の位置の微調整が必要な場合には摘み44を下げた状態で調整用ボルト33を軸回りに回転させる。この状態ではV字形の隙間50の幅は最も狭くなっている。
【0019】
次に使用者は図11(a)に示すように板状部材100を隙間50に対して上方から挿入する。
第1起立部材12と第2起立部材22は板状部材100から矢印に示す外向きの外力F3を受け、この外力F3は第1水平部材11と第2水平部材21に対して水平方向に相互に引き離すように作用する。したがって図11(b)に示すようにボルト33は引張ばね31の引張力に抗して第1切欠部11a内を水平方向に第1水平部材11の左端側に移動する。第1起立部材12と第2起立部材22は相互に離れる方向に移動して隙間50の幅が拡がっていく。
板状部材100が隙間50の最下部(頂角付近)に到達すると、図12(a)に示すように板状部材100の重さによる荷重が外力F4として第1水平部材11と第2水平部材21に作用する。この外力F4によって、図12(b)に示すように第1水平部材11と第2水平部材21との連結箇所であるボルト33を中心にして、正面視した場合に第1水平部は反時計回り、第2水平部は時計回りに回転する。
【0020】
第1水平部材11及び第2水平部材21の回転によって、第1起立部材12の上端及び第2起立部材22の上端は相互に近くなる方向に移動し、これにより隙間50のV字形が消滅し、第1起立部材12と第2起立部材22が平行に近い状態になって板状部材100の表裏を保持する。
このように、隙間50に板状部材100を挿入すると、板状部材100の厚みに応じて隙間50の幅が拡がり、次に第1起立部材12と第2起立部材22が回転して板状部材100をその側面全体で支持するので、板状部材100を安定して垂直状態に保持することができる。
使用者が板状部材100を持ち上げて隙間50から取り除くと、上記の動作と反対にばね付勢されていた第1パーツ10と第2パーツ20が元の位置まで移動し、隙間50が元のV字形に戻る。
【0021】
板状部材100を更に安定的に保持するために、図13に示す固定部材60を使用しても良い。
固定部材60は板状部材100を保持した状態の第1起立部材12及び第2起立部材22を挟むことで隙間50が拡がらないようにするために用いる。固定部材60の構造は特に限定されないが、例えば左右のアーム61の基部同士を蝶番で連結することでトング状にして、両アーム61にボルト62を掛け渡す。ボルト62に圧縮ばね62aを通しておく。両アーム61の開き具合はボルト33に螺合させた蝶ネジ63で調節する。各アーム61の先端の内側面に穴64をあけておき、図14(a)に示すように第1起立部材12と第2起立部材22の外面側の側面に突起65を設けておく。そして、図14(b)に示すように穴64に突起65を嵌めて蝶ネジ63で締める。これにより第1起立部材12と第2起立部材22が移動及び回転できない状態になるので板状部材100を更に安定的に保持できる。
【0022】
板状部材100の厚みが大きい場合には図15(a)に示すスペーサー70を配置しても良い。この場合、図15(b)に示すように第1水平部材11又は第2水平部材21の下面に突起71を設けておき、この突起71をスペーサー70で押し上げる仕組みにしてもよい。図15(c)に示すようにスペーサー70を第1水平部材11又は第2水平部材21の下面(又は突起71の下面)と地面の間に配置すると、第1水平部材11及び第2水平部材21が上方に押し上げられるので、V字形の隙間50の上部の幅を拡げることができる。スペーサー70は板状部材100を隙間50に挿入した後の適当なタイミングで取り外せばよい。
【産業上の利用可能性】
【0023】
本発明は板状部材を安定して垂直状態に保持できる板状部材用スタンドであり、産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0024】
F1 外力
F2 外力
F3 外力
F4 外力
1 板状部材用スタンド
10 第1パーツ
11 第1水平部材
11a 第1切欠部
11b 終端部
11c 第2切欠部
11d 目盛り
12 第1起立部材
13 脚
14 緩衝材
15 緩衝材
20 第2パーツ
21 第2水平部材
22 第2起立部材
30 ばね機構
31 引張ばね
31a 一方の端部
31b 他方の端部
32 ブラケット
33 ボルト
33a ナット、スペーサー等
40 調節機構
41 調節用ボルト
42 ブラケット
43 ストッパー
44 摘み
45 棒状部材
46 ナット
47 引張ばね
50 隙間
60 固定部材
61 アーム
62 ボルト
62a 圧縮ばね
63 蝶ネジ
64 穴
65 突起
70 スペーサー
71 突起
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15