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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024022054
(43)【公開日】2024-02-16
(54)【発明の名称】加熱調理品の提供方法
(51)【国際特許分類】
   A47G 23/00 20060101AFI20240208BHJP
   A47J 37/06 20060101ALI20240208BHJP
   G07F 9/00 20060101ALI20240208BHJP
【FI】
A47G23/00 Z
A47J37/06 311
G07F9/00 112
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022125372
(22)【出願日】2022-08-05
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】399049512
【氏名又は名称】株式会社あみやき亭
(74)【代理人】
【識別番号】100079050
【弁理士】
【氏名又は名称】後藤 憲秋
(74)【代理人】
【識別番号】100201879
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 大輝
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 啓介
【テーマコード(参考)】
3B115
3E044
4B040
【Fターム(参考)】
3B115AA19
3B115DC17
3B115DC20
3E044AA01
3E044AA12
4B040AA02
4B040AC03
4B040AD04
4B040AE13
4B040EB20
(57)【要約】
【課題】ステーキ料理等の加熱調理品の提供時間の大幅な迅速化を可能とし、さらなるステーキ類提供のカジュアル化を提供する。
【解決手段】提供される加熱調理品の顧客による注文及び支払いを行う自動販売機11と、前記自動販売機による提供加熱調理品の注文を調理場で認知する認知手段21と、前記認知手段に基づいて提供加熱調理品に対し加熱を行う調理場加熱手段25と、前記自動販売機から調理場加熱された調理品の提供口に顧客を導く受渡案内手段M1と、調理場加熱された調理品を載置するプレート加熱手段40と、前記提供口で調理場加熱された調理品を前記プレート加熱手段に移載する手段50と、前記提供口から食事テーブルへ顧客を導く食卓案内手段M2とを含む。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客による加熱調理品の注文及び支払いの完了後に、顧客を提供口に導き、調理場から注文品を受け取り、食事テーブルへ持運ぶステップを含む加熱調理品の提供方法であって、
提供される加熱調理品の顧客による注文及び支払いを行う自動販売機と、
前記自動販売機による提供加熱調理品の注文を調理場で認知する認知手段と、
前記認知手段に基づいて提供加熱調理品に対し加熱を行う調理場加熱手段と、
前記自動販売機から調理場加熱された調理品の提供口に顧客を導く受渡案内手段と、
前記調理場加熱された調理品を載置するプレート加熱手段と、
前記提供口で調理場加熱された調理品を前記プレート加熱手段に移載する手段と、
前記提供口から食事テーブルへ顧客を導く食卓案内手段
とを含むことを特徴とする加熱調理品の提供方法。
【請求項2】
前記調理場加熱された調理品を載置するプレート加熱手段が溶岩プレートである請求項1に記載の加熱調理品の提供方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ステーキやハンバーグステーキ等の加熱調理品の提供方法に関し、特には提供時間を大幅に短縮することができる提供システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の飲食店で提供されるステーキ料理は、ゆったりとワインなどとともに会話を楽しみながら食するのが一般的とされ、比較的高価なものとされていた。近年では、立食などで好みの分量の肉を選べるカジュアルなステーキ料理の提供も行われている(例えば特許文献1)。
【0003】
一方において、この種ステーキ類の加熱調理品は加熱のための時間がかかり、せいぜい45分から1時間以内、場合によっては30分という時間の制約のあるランチタイムなどの勤労者の食事としては選択しにくい料理であった。また、時間がかかるということは、料理を提供する側としても、顧客回転率が悪く地価の高い場所などの店舗経営上大きな制約となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第5946491号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明は、ステーキ料理等の加熱調理品の提供時間の大幅な迅速化を可能とし、さらなるステーキ類提供のカジュアル化を目指して提案されたものである。すなわち、この発明は、加熱調理品の提供の迅速化、例えば料理のオーダーテイクから焼き時間を入れて顧客へ提供するまで、従来どんなに早くても注文から最低10分から15分以上を要していたものを、数分単位(1、2分以内)という超高速処理を可能としたもので、時間の制約のあるランチタイムや多忙な顧客の要請に応え、同時に注文の確定と支払いの完了を瞬時に行うことによる効率化、調理したての提供商品の品質向上、さらには、顧客回転率の向上などによるコストダウンに伴う提供価格の低額化などをその目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち、請求項1の発明は、顧客による加熱調理品の注文及び支払いの完了後に、顧客を提供口に導き、調理場から注文品を受け取り、食事テーブルへ持運ぶステップを含む加熱調理品の提供方法であって、提供される加熱調理品の顧客による注文及び支払いを行う自動販売機と、前記自動販売機による提供加熱調理品の注文を調理場で認知する認知手段と、前記認知手段に基づいて提供加熱調理品に対し加熱を行う調理場加熱手段と、前記自動販売機から調理場加熱された調理品の提供口に顧客を導く受渡案内手段と、前記調理場加熱された調理品を載置するプレート加熱手段と、前記提供口で調理場加熱された調理品を前記プレート加熱手段に移載する手段と、前記提供口から食事テーブルへ顧客を導く食卓案内手段とを含むことを特徴とする加熱調理品の提供方法に係る。
【0007】
また、請求項2の発明は、前記調理場加熱された調理品を載置するプレート加熱手段が溶岩プレートである請求項1に記載のステーキ類の提供方法に係る。
【発明の効果】
【0008】
請求項1の発明によれば、顧客による加熱調理品の注文及び支払いの完了後に、顧客を提供口に導き、調理場から注文品を受け取り、食事テーブルへ持運ぶステップを含む加熱調理品の提供方法であって、提供される加熱調理品の顧客による注文及び支払いを行う自動販売機と、前記自動販売機による提供加熱調理品の注文を調理場で認知する認知手段と、前記認知手段に基づいて提供加熱調理品に対し加熱を行う調理場加熱手段と、前記自動販売機から調理場加熱された調理品の提供口に顧客を導く受渡案内手段と、前記調理場加熱された調理品を載置するプレート加熱手段と、前記提供口で調理場加熱された調理品を前記プレート加熱手段に移載する手段と、前記提供口から食事テーブルへ顧客を導く食卓案内手段とを含むことを特徴とするものであるから、提供加熱調理品の注文の確定及び支払いの完了が瞬時になされるともに、調理場での加熱調理の開始を直ちに行うことができ、この調理場加熱された調理品を提供口で提供トレーのプレート加熱手段に移載して、これを食事テーブルへ導くことによって、加熱調理品の加熱を調理場における調理場加熱手段と提供トレーに載置されたプレート加熱手段とによって連続して行うことができる。したがって、調理品は、注文時からトレー載置を経て飲食開始時にわたって、かつ飲食開始後も継続的に加熱されることになり、加熱時間つまり調理時間を有効に活用でき、調理品の提供を迅速処理することができるのみならず、加熱調理品をまさに作りたての状態で食することができる。
【0009】
また、請求項2の発明によれば、前記調理場加熱された調理品を載置するプレート加熱手段が溶岩プレートであり、溶岩プレートの加熱力及び保温力は格段であるから本発明の提供方法を極めて有効かつ有用に実施できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の加熱調理品の提供方法の一実施形態を時系列で表したブロック図である。
図2】本発明の一実施形態を表した店舗の概略平面配置図である。
図3】加熱調理品の調理場加熱状態を表した斜視図である。
図4】溶岩プレートを提供トレーに載置する状態を表した斜視図である。
図5】提供トレーの溶岩プレートに加熱調理品を載置したプレート加熱状態を表した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
この発明は、ステーキ料理等の加熱調理品の提供時間の大幅な迅速化を可能とし、さらなるステーキ類提供のカジュアル化を目指して提案されたものであって、以下の実施例では、ステーキ料理について説明するが、加熱調理品であれば、ハンバーグや鶏肉料理などの肉を主体とした料理品のほかに、餃子やシュウマイを含む各種中華料理やイタリア、スペイン、フランス、ロシアなどのスープ料理などにも適用できる。
【0012】
この発明は、この種加熱調理品の提供の迅速化を図るために、以下の特徴を有する。
(あ)提供加熱調理品の注文の確定及び支払いの完了が瞬時になされる。
(い)調理場での加熱調理の開始が注文後直ちに行われる。
(う)調理場加熱された調理品は提供口で提供トレーのプレート加熱手段に移載される。
(え)これを食事テーブルへ導くことによって、加熱調理品の加熱が調理場における調理場加熱手段と提供トレーに載置されたプレート加熱手段とによって連続して行われる。
(お)したがって、調理品は、注文時から提供トレー移載を経て飲食開始時にわたって、かつ飲食開始後も継続的に加熱される。
(か)上記によって、加熱時間つまり調理時間を有効に活用でき、調理品の提供を迅速処理することができるのみならず、加熱調理品をまさに作りたての状態で食することができる。
【0013】
この発明は、上の特徴、ステップを経ることによって、加熱調理品の注文後1、2分以内(図1のT1)で調理場加熱された調理品を提供トレーの加熱プレートに受け渡しこれを連続して加熱しつつ、その後の主食、副食材などを受け取り食卓へ到達するまで約5分(図1のT2)とかからない時間で熱々の食事を開始することができる。そして、顧客は統計では昼食は10分程度で食べ終るケースが多いので(個人差があるが)、入店から15分~20分程度でそのまま退出して(支払いは完了しているのでレジ不要)、その後のコーヒータイムなどの自由時間を作出することができる。
【0014】
以下、図の実施例について説明すると、図2の店舗平面図に示すように、店舗出入口Eより入店した客は、自動販売機11で、加熱調理品であるステーキ類の品名を選択して注文及び支払いを行う。なお、荷物などのある顧客はトレーなどを持ち運びにくいので店内のテーブルなどへ荷物を置いてきてもよい。ステーキ類の肉の種類としては、ハラミ、ロース、ヒレ、ハンバーグ、チキンなどで、単品セットのほか(ハーフ)追加セットもある。
【0015】
自動販売機11の提供加熱調理品の注文信号は、調理場20内のモニター21によって、調理場で認知され、モニター21情報に基づいて冷蔵庫22内で保管されている提供加熱調理品に対しグリル25等の調理場加熱手段によって直ちに加熱が行われる。肉の加熱は図3のように一般と変わらず、肉種による火力の違うグリル25位置を選び、必要により押さえ付けて網の焼き目が斜めに交差するよう片面のみを5秒2回焼く。この実施例ではステーキ焼成時間は片面のみを5秒2回で10秒である。そして、裏返して、焼き目が上面となるようにして、プレート加熱手段40に移載される。
【0016】
ここで、調理場加熱されるステーキ肉Sは、低温調理されたものを使用してもよい。低温調理は通常50~65℃で一定時間(例えば30分)加熱することによって、肉が柔らかくなり、見た目も良くなることが知られている。肉のコラーゲンが分解され肉の筋繊維は縮まないからであるとされる。低温調理された肉は冷蔵庫に収容保管され使用される。
【0017】
図2のように、自動販売機11の隣にはトレー受取所12があって、顧客はトレー50やカトラリー(ナイフ、フォーク)類を受け取って、調理場加熱された調理品の提供口13へ進む。図2の符号M1は、顧客を提供口13へ導く受渡案内手段である動線表示である。図示しないが表示板も備えられる。
【0018】
提供口13では、レシートや札等(図示せず)によって顧客と注文調理品とを確認した後、前記のように片面のみを調理場加熱され裏返して焼き目が上面となるようにしたステーキ肉が顧客持運び用のプレート加熱手段40に移載される(図4参照)。プレート加熱手段40は、前記したように、この発明では、加熱調理品の加熱を調理場加熱手段と連続して行うための重要な手段である。実施例では、この皿状加熱手段として公知の溶岩プレートを使用している。溶岩プレートの加熱力及び保温力は格段であるから本発明の提供方法を極めて有効かつ有用に実施できる。溶岩プレートは九州や富士山産のものが知られており、加熱炉(オーブン)26で250℃に加熱された後15分経過しても100℃の加熱力及び保温力がある。
【0019】
前記提供口13で調理場加熱された調理品を前記プレート加熱手段40に移載された調理品は、該プレート加熱手段40で調理品の加熱を調理場加熱手段と連続して行いつつ、食卓案内手段に導かれて食事テーブルへ案内される。実施例では、図2に図示したように、主食、副食受取所14でトレー50にごはん51や汁物52、香の物53などを受け取るほか、セルフコーナー15で飲み物やその他の小鉢類を好みにより受け取り、食卓案内手段である動線表示M2や表示板等によって、食卓であるテーブル31やカウンター32へ向かう。
【0020】
食事は、前記したように、プレート加熱手段40による調理品の加熱が連続して続いており、熱々の料理を楽しむことができる。肉の焼き具合も好みによりプレート位置を変えるなどして調節できる。
【産業上の利用可能性】
【0021】
以上のとおり、本発明の加熱調理品の提供方法によれば、加熱調理品の注文の確定及び支払いの完了が瞬時になされ、調理場での加熱調理の開始を直ちに行うことができ、この調理場加熱された調理品を提供口で提供トレーのプレート加熱手段に移載して、これを食事テーブルへ導くことによって、加熱調理品の加熱を調理場における調理場加熱手段と提供トレーに載置されたプレート加熱手段とを連続して行うことができるので、調理品は、注文時から飲食開始時にわたって、かつ飲食開始後も継続的に加熱されることになり、加熱時間つまり調理時間を有効に活用でき、調理品の提供を迅速処理することができるのみならず、加熱調理品をまさに作りたての状態で提供することができる。
【0022】
したがって、この発明は、ステーキ料理等の加熱調理品の提供時間の大幅な迅速化が可能となり、ステーキ類提供のカジュアル化が推進され、従来どんなに早くても注文から提供まで最低10分から15分以上を要していたものを、数分単位(1、2分以内)という超高速の提供が可能となり、時間の制約のあるランチタイムや多忙な顧客の要請に応え、新しいサービスによる新規顧客の開発が期待でき、提供商品の品質向上、さらには、顧客回転率の向上などによるコストダウンに伴う提供価格の低額化などによる、産業上の利用性は極めて大きい。また、食事時間の大幅な短縮は、利用客にとっても限られた時間内での、コーヒータイムなどの自由時間を作出するなど新しいトレンドとして歓迎される。
【符号の説明】
【0023】
11 自動販売機
12 トレー・カトラリー受取所
13 調理場加熱品受取口
14 主食・副食受取所
15 セルフコーナー
20 調理場
21 モニター
22 冷蔵庫
25 グリル
26 プレート加熱炉
29 返却口
30 ホール
31 テーブル
32 カウンター
M1,M2 動線表示
S ステーキ
図1
図2
図3
図4
図5