(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024022087
(43)【公開日】2024-02-16
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/06 20230101AFI20240208BHJP
【FI】
G06Q30/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022125431
(22)【出願日】2022-08-05
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100139686
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(72)【発明者】
【氏名】波多野 亮平
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB21
(57)【要約】
【課題】商品の最新の情報に基づいてユーザへ購買計画を提示するために必要な管理者の作業負荷を軽減する。
【解決手段】情報処理装置は、取得部、参照部、認識部、特定部、および決定部を備える。前記取得部は、ユーザが指定する商品に関する情報を取得する。前記参照部は、前記商品の情報および関連商品の情報を含む第1情報を生成する。前記認識部は、店舗に関するデータから前記商品および前記関連商品の各々の商品属性を取得する。前記特定部は、前記第1情報を使用することにより、前記商品を販売する店舗の情報と、前記関連商品を販売する店舗の情報と、前記商品属性とを含む第2情報を生成する。前記決定部は、前記第2情報と、前記ユーザの購買傾向を示す情報とを使用することにより、前記商品を販売する店舗の位置と、前記関連商品を販売する店舗の位置と、購買予定時間とを含むユーザの購買計画を決定する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが指定する商品に関する情報を取得する取得部と、
前記取得部によって取得された前記情報と対応する商品情報を含み、かつ前記商品と関連付けられた関連商品に関する関連商品情報を含む第1情報を生成する参照部と、
前記商品を販売する店舗と、前記関連商品を販売する店舗とに関するデータから前記商品および前記関連商品の各々の商品属性を取得する認識部と、
前記第1情報を使用することにより、前記商品を販売する店舗の情報と、前記関連商品を販売する店舗の情報と、前記商品属性とを含む第2情報を生成する特定部と、
前記第2情報と、前記ユーザの購買傾向を示す情報とを使用することにより、前記商品を販売する店舗の位置と、前記関連商品を販売する店舗の位置と、購買予定時間とを含むユーザの購買計画を決定する決定部と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記認識部は、前記商品属性を示す非構造化データから前記商品属性を取得することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記特定部は、前記商品および前記関連商品の各々の識別情報と、前記商品および前記関連商品の各々の価格とを含む前記商品属性を含む前記第2情報を生成することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記特定部は、前記価格の有効期間を含む前記商品属性を含む前記第2情報を生成することを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記決定部は、前記第2情報に含まれる前記商品属性を含む前記購買計画を決定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項6】
ユーザが指定する商品に関する情報を取得部が取得する取得ステップと、
前記取得部によって取得された前記情報と対応する商品情報を含み、かつ前記商品と関連付けられた関連商品に関する関連商品情報を含む第1情報を参照部が生成する参照ステップと、
前記商品を販売する店舗と、前記関連商品を販売する店舗とに関するデータから前記商品および前記関連商品の各々の商品属性を認識部が取得する認識ステップと、
前記第1情報を使用することにより、前記商品を販売する店舗の情報と、前記関連商品を販売する店舗の情報と、前記商品属性とを含む第2情報を特定部が生成する特定ステップと、
前記第2情報と、前記ユーザの購買傾向を示す情報とを使用することにより、前記商品を販売する店舗の位置と、前記関連商品を販売する店舗の位置と、購買予定時間とを含むユーザの購買計画を決定部が決定する決定ステップと、
を備えることを特徴とする情報処理方法。
【請求項7】
ユーザが指定する商品に関する情報を取得する取得ステップと、
前記取得ステップにおいて取得された前記情報と対応する商品情報を含み、かつ前記商品と関連付けられた関連商品に関する関連商品情報を含む第1情報を生成する参照ステップと、
前記商品を販売する店舗と、前記関連商品を販売する店舗とに関するデータから前記商品および前記関連商品の各々の商品属性を取得する認識ステップと、
前記第1情報を使用することにより、前記商品を販売する店舗の情報と、前記関連商品を販売する店舗の情報と、前記商品属性とを含む第2情報を生成する特定ステップと、
前記第2情報と、前記ユーザの購買傾向を示す情報とを使用することにより、前記商品を販売する店舗の位置と、前記関連商品を販売する店舗の位置と、購買予定時間とを含むユーザの購買計画を決定する決定ステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
日常生活における必要な商品の購入を支援するシステムが知られている。
【0003】
例えば、ユーザ(消費者)が複数の商品を購入する際、商品および移動に係るコスト(特許文献1)、単位時間当たりのコスト(特許文献2)、または商品の属性(特許文献3)を考慮し、複数店舗を含む購買経路を最適化するシステムが知られている。
【0004】
また、ユーザが選択した食材または買い置きの食材に基づいてレシピまたは必要な食材を提示するシステム(特許文献4)、および店舗で買い物をしているユーザのリアルタイムな趣向を反映したレシピまたは食材を提示するシステム(特許文献5)が知られている。
【0005】
ユーザが特定の商品を起点として複数の商品を購入する場合がある。例えば、ユーザが料理に必要な食材を購入する、あるいはスマートフォン、保護フィルム、およびケーブルなどの関連商品を購入する場合がある。ユーザがこれらの商品の購買経路(買い回り)および日時を含む購買計画を練る場合、ユーザが店舗までの距離、店舗の営業時間、複数店舗における取扱商品、その商品の価格、産地、もしくは製造メーカのような商品属性を事前に比較かつ検討することが想定される。このとき、取扱商品と商品属性とが店舗毎に異なる。また、同じ店舗において、同一商品に関する産地または製造メーカの変更が頻繁に発生し、あるいは特売または催事による価格の変更が頻繁に発生する。
【0006】
ユーザに対して最適な購買計画を提示するシステムの実現には、高頻度で発生する商品属性の変化について常に最新の情報をシステムへ反映し続けることが必要となる。しかし、購買計画の提示とそれに必要な情報のシステムへの反映を担う管理者(システム管理者)にとって、これを継続することは困難である。
【0007】
具体的には、各店舗が管理しているデータベースの分類体系および形式に互換性がないケース、あるいはシステムが店舗データベースと連携しておらず、チラシまたは他の広告媒体の内容をシステムへ手作業で入力しなければならないケースが多い。そのため、管理者にとってシステムへ商品および商品属性を登録するための負担が大きい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2001-147133号公報
【特許文献2】特開2002-56178号公報
【特許文献3】特開2012-83971号公報
【特許文献4】特開2021-140513号公報
【特許文献5】特開2019-144951号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたもので、商品の最新の情報に基づいてユーザへ購買計画を提示するために必要な管理者の作業負荷を軽減することができる情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、ユーザが指定する商品に関する情報を取得する取得部と、前記取得部によって取得された前記情報と対応する商品情報を含み、かつ前記商品と関連付けられた関連商品に関する関連商品情報を含む第1情報を生成する参照部と、前記商品を販売する店舗と、前記関連商品を販売する店舗とに関するデータから前記商品および前記関連商品の各々の商品属性を取得する認識部と、前記第1情報を使用することにより、前記商品を販売する店舗の情報と、前記関連商品を販売する店舗の情報と、前記商品属性とを含む第2情報を生成する特定部と、前記第2情報と、前記ユーザの購買傾向を示す情報とを使用することにより、前記商品を販売する店舗の位置と、前記関連商品を販売する店舗の位置と、購買予定時間とを含むユーザの購買計画を決定する決定部と、を備えることを特徴とする情報処理装置である。
【0011】
本発明は、ユーザが指定する商品に関する情報を取得部が取得する取得ステップと、前記取得部によって取得された前記情報と対応する商品情報を含み、かつ前記商品と関連付けられた関連商品に関する関連商品情報を含む第1情報を参照部が生成する参照ステップと、前記商品を販売する店舗と、前記関連商品を販売する店舗とに関するデータから前記商品および前記関連商品の各々の商品属性を認識部が取得する認識ステップと、前記第1情報を使用することにより、前記商品を販売する店舗の情報と、前記関連商品を販売する店舗の情報と、前記商品属性と、を含む第2情報を特定部が生成する特定ステップと、前記第2情報と、前記ユーザの購買傾向を示す情報とを使用することにより、前記商品を販売する店舗の位置と、前記関連商品を販売する店舗の位置と、購買予定時間とを含むユーザの購買計画を決定部が決定する決定ステップと、を備えることを特徴とする情報処理方法である。
【0012】
本発明は、ユーザが指定する商品に関する情報を取得する取得ステップと、前記取得ステップにおいて取得された前記情報と対応する商品情報を含み、かつ前記商品と関連付けられた関連商品に関する関連商品情報を含む第1情報を生成する参照ステップと、前記商品を販売する店舗と、前記関連商品を販売する店舗とに関するデータから前記商品および前記関連商品の各々の商品属性を取得する認識ステップと、前記第1情報を使用することにより、前記商品を販売する店舗の情報と、前記関連商品を販売する店舗の情報と、前記商品属性と、を含む第2情報を生成する特定ステップと、前記第2情報と、前記ユーザの購買傾向を示す情報とを使用することにより、前記商品を販売する店舗の位置と、前記関連商品を販売する店舗の位置と、購買予定時間とを含むユーザの購買計画を決定する決定ステップと、をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムは、商品の最新の情報に基づいてユーザへ購買計画を提示するために必要な管理者の作業負荷を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の実施形態に係る情報処理システムの構成例を示すブロック図である。
【
図2】本発明の実施形態における情報処理装置の構成例を示すブロック図である。
【
図3】本発明の実施形態における記憶部の構成例を示すブロック図である。
【
図4】本発明の実施形態における店舗情報のデータ構成の例を示す図である。
【
図5】本発明の実施形態における商品一覧情報のデータ構成の例を示す図である。
【
図6】本発明の実施形態における商品属性情報のデータ構成の例を示す図である。
【
図7】本発明の実施形態における商品属性情報のデータ構成の例を示す図である。
【
図8】本発明の実施形態における関連商品情報のデータ構成の例を示す図である。
【
図9】本発明の実施形態におけるユーザ属性情報のデータ構成の例を示す図である。
【
図10】本発明の実施形態におけるグループ属性情報のデータ構成の例を示す図である。
【
図11】本発明の実施形態における履歴情報のデータ構成の例を示す図である。
【
図12】本発明の実施形態における決定部の構成例を示すブロック図である。
【
図13】本発明の実施形態における購買計画の例を示す図である。
【
図14】本発明の実施形態における購買計画の例を示す図である。
【
図15】本発明の実施形態に係る情報処理装置の動作例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態を説明する。以下の実施形態は、本発明の範囲を限定する趣旨のものではなく、あくまで例示である。
【0016】
(システムの構成)
図1は、本発明の実施形態に係る情報処理システム1の構成例を示すブロック図である。情報処理システム1は、1台以上の情報処理装置10、1台以上の端末装置20、および通信ネットワーク30を有する。
【0017】
情報処理装置10は、任意のユーザ(消費者またはシステム利用者)が所持する端末装置20から供給されるリクエストに基づいて任意のコンテンツを端末装置20へレスポンスとして送信するサーバ装置である。例えば、情報処理装置10は、汎用コンピュータまたはパーソナルコンピュータである。端末装置20は、通信ネットワーク30を介して情報を送受信するためにユーザが使用する端末である。例えば、端末装置20は、汎用コンピュータ、パーソナルコンピュータ、タブレット型端末、またはスマートフォンである。
【0018】
端末装置20は、図示されていない送信部および受信部を有する。端末装置20は、送信部を使用することにより、通信ネットワーク30を介して情報処理装置10へ情報を送信する。また、端末装置20は、必要に応じて受信部を使用することにより、通信ネットワーク30を介して情報処理装置10から情報を受信する。例えば、通信ネットワーク30は、インターネットまたはLAN(Local Area Network)である。
【0019】
図2は、情報処理装置10の構成例を示すブロック図である。情報処理装置10は、取得部110、参照部120、特定部130、決定部140、認識部150、記憶部160、およびグループ推定部170を有する。
【0020】
図3は、記憶部160の構成例を示すブロック図である。記憶部160は、店舗情報記憶部161、商品一覧記憶部162、商品属性記憶部163、関連商品記憶部164、ユーザ属性記憶部165、グループ属性記憶部166、および履歴記憶部167を有する。各記憶部が記憶する情報において、同じレコードに含まれる複数の情報は互いに関連付けられている。
【0021】
例えば、各記憶部は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、またはRAM(Random Access Memory)である。各記憶部は、これらの記録媒体の任意の組み合わせであってもよい。
【0022】
店舗情報記憶部161は、店舗情報を記憶する。
図4は、店舗情報のデータ構成の例を示す図である。店舗情報は、店舗の所在地および営業時間などを構成要素として含む。具体的には、店舗情報は、店舗ID1610、店舗名1611、所在地1612、座標1613、開店時間1614、閉店時間1615、および定休日1616をレコードとして含む。
【0023】
店舗ID1610は、店舗に付与された識別情報を示す。店舗名1611は、店舗の名称を示す。所在地1612は、店舗の位置を示す。座標1613は、所在地1612と対応する緯度および経度を示す。開店時間1614は、店舗が営業を開始する時間を示す。閉店時間1615は、店舗が営業を終了する時間を示す。定休日1616は、店舗が営業していない日を示す。
【0024】
商品一覧記憶部162は、商品一覧情報を記憶する。
図5は、商品一覧情報のデータ構成の例を示す図である。商品一覧情報は、店舗に依存しない商品マスタを含む。具体的には、商品一覧情報は、商品分類ID1620、商品分類名1621、商品ID1622、商品名1623、および製造元1624をレコードとして含む。
【0025】
商品分類ID1620は、商品分類に付与された識別情報を示す。商品分類名1621は、商品分類の名称を示す。商品ID1622は、商品に付与された識別情報を示す。商品名1623は、商品の名称を示す。製造元1624は、メーカまたは産地を示す。
【0026】
例えば、商品Aの商品名と商品Bの商品名とが同じであり、商品Aの製造元と商品Bの製造元とが異なる場合がある。その場合、商品Aの商品分類IDと商品Bの商品分類IDとは同じであるが、商品Aの商品IDと商品Bの商品IDとは異なる。商品分類は、必要に応じて、大分類、中分類、および小分類などに細分化されてもよい。
【0027】
商品属性記憶部163は、商品属性情報を記憶する。例えば、商品属性記憶部163は、2種類の商品属性情報を記憶する。
図6および
図7は、商品属性情報のデータ構成の例を示す図である。商品属性情報は、各店舗で取扱う商品の価格などを構成要素として含む。具体的には、
図6に示す商品属性情報は、店舗ID1630、商品分類ID1631、商品ID1632、および価格1633をレコードとして含む。商品属性情報は、製造元(メーカまたは産地)を含んでもよい。
【0028】
店舗ID1630は、店舗に付与された識別情報を示す。商品分類ID1631は、商品分類に付与された識別情報を示す。商品ID1632は、商品に付与された識別情報を示す。価格1633は、商品の価格を示す。
図6に示す商品属性情報は、構造化データで構成されている。
【0029】
図7に示す商品属性情報は、店舗ID1630、商品分類ID1631、商品ID1632、および価格1633に加えて、価格有効期間に関する価格開始日1634および価格終了日1635をレコードとして含む。価格開始日1634は、価格1633の開始日を示す。価格終了日1635は、価格1633の終了日を示す。価格1633は、価格開始日1634から価格終了日1635まで有効である。価格開始日1634および価格終了日1635は、後述する認識部150によって非構造化データから生成される。
【0030】
関連商品記憶部164は、関連商品情報を記憶する。
図8は、関連商品情報のデータ構成の例を示す図である。関連商品情報は、任意の商品と関連する商品の情報を含む。具体的には、関連商品情報は、商品グループID1640、商品グループ名1641、および商品リスト1642をレコードとして含む。
【0031】
商品グループID1640は、商品グループに付与された識別情報を示す。商品グループ名1641は、商品グループの名称を示す。商品リスト1642は、商品グループに含まれる1つ以上の商品の商品分類IDを示す。
【0032】
料理レシピを想定した場合、商品グループ名1641は料理の名称であり、商品リスト1642は、その料理に必要な材料である。商品リスト1642に含まれる商品分類IDは、商品一覧記憶部162に記憶された商品一覧情報(
図5)に含まれる商品分類ID1620と同じである。
【0033】
関連商品情報は、料理レシピまたは店舗から得た関連商品のリストであってもよい。あるいは、関連商品情報は、後述するユーザ属性記憶部165、グループ属性記憶部166、および履歴記憶部167に記憶された情報に基づいてユーザ同士の類似性および商品間の相関関係を解析することにより得られた関連商品のリストであってもよい。
【0034】
ユーザ属性記憶部165は、ユーザ属性情報を記憶する。
図9は、ユーザ属性情報のデータ構成の例を示す図である。ユーザ属性情報は、システム利用者の情報を構成要素として含む。具体的には、ユーザ属性情報は、ユーザID1650、年齢1651、性別1652、所在地1653、座標1654、および購買傾向推定モデル1655をレコードとして含む。
【0035】
ユーザID1650は、ユーザに付与された識別情報を示す。年齢1651は、ユーザの年齢を示す。性別1652は、ユーザの性別を示す。所在地1653は、ユーザの住所を示す。座標1654は、所在地1653と対応する緯度および経度を示す。購買傾向推定モデル1655は、ユーザの購買傾向を推定することにより生成されたモデルを示す。
【0036】
グループ属性記憶部166は、グループ属性情報を記憶する。
図10は、グループ属性情報のデータ構成の例を示す図である。グループ属性情報は、グループ推定部170によって処理された情報に基づいて生成される。具体的には、グループ属性情報は、ユーザID1660、グループID1661、年代1662、性別1663、および購買傾向推定モデル1664をレコードとして含む。
【0037】
ユーザID1660は、そのユーザID1660が含まれるレコードと同じレコードにおけるグループID1661が示すグループに分類されたユーザの識別情報を示す。ユーザID1660は、ユーザ属性記憶部165に記憶されたユーザ属性情報(
図9)に含まれるユーザID1650と同じである。グループID1661は、ユーザが分類されたグループの識別情報を示す。年代1662は、ユーザ属性情報に含まれる年齢1651を含む年代を示す。性別1663は、ユーザ属性情報に含まれる性別1652と同じである。購買傾向推定モデル1664は、ユーザ属性情報に含まれる購買傾向推定モデル1655を生成する方法と同様の方法を使用することによりグループID1661ごとに生成される。
【0038】
グループ推定部170は、記憶部160に記憶された情報を使用することによりグルーピング処理を実行する。
【0039】
グループ推定部170は、例えば、ユーザ属性記憶部165に記憶された年齢および性別を使用し、「30代」であり、かつ「男性」であるユーザを1つのグループとするように処理を実行する。グループ推定部170は、この方法に加え機械学習を使用することも可能である。例えば、グループ推定部170は、ユーザ属性記憶部165または後述する履歴記憶部167に記憶された情報を使用することにより、教師なし学習の一種であるクラスタリングによりグルーピング処理を実行してもよい。
【0040】
履歴記憶部167は、履歴情報を記憶する。
図11は、履歴情報のデータ構成の例を示す図である。履歴情報は、購買計画の元となる店舗と商品属性との網羅的なレコード(第2情報)と、ユーザが実際に選択した購買計画の履歴とを含む。具体的には、履歴情報は、レコードID1670、レコード日時1671、ユーザID1672、店舗ID1673、商品ID1674、価格1675、タイミング1676、およびフラグ1677をレコードとして含む。
【0041】
レコードID1670は、レコードの識別情報を示す。レコード日時1671は、レコードが履歴情報に記録された日時を示す。ユーザID1672は、ユーザ属性記憶部165に記憶されたユーザ属性情報(
図9)に含まれるユーザID1650と同じである。タイミング1676は、購買計画として提示された店舗にユーザが訪問したタイミングを示す。タイミング1676は、ユーザが商品を購入したタイミングを示してもよい。フラグ1677は、購買計画としてレコードが提示されたときにユーザがそのレコードを採用したか否かを示す。
【0042】
情報処理装置10は、図示されていない通信機を有する。取得部110は、その通信機を介して端末装置20と通信を実施し、端末装置20から送信された情報を取得する。これにより、取得部110は、ユーザが指定する商品に関する情報を取得する。取得部110は、取得された情報を参照部120へ出力する。
【0043】
参照部120は、特定部130が実行する処理に必要な第1情報を生成する。第1情報は、取得部110によって取得された情報と対応する商品情報を含み、かつユーザが指定する商品と関連付けられた関連商品に関する関連商品情報を含む。
【0044】
参照部120は、上記の処理を実現する方法として、関係データベースを使用するルールに基づいて関連商品を抽出する方法を使用できる。例えば、ユーザがシステムに任意の商品情報を入力した場合を想定する。まず、参照部120は、商品一覧記憶部162に記憶された商品一覧情報(
図5)に含まれる商品名1623(あるいは商品分類名1621)と関連付けられた商品分類ID1620を取得する。次に、参照部120は、関連商品記憶部164に記憶された関連商品情報(
図8)において、商品分類ID1620と同じ商品分類IDを商品リスト1642に持つレコードを特定する。参照部120は、そのレコードの商品リスト1642に含まれる全ての商品分類IDを抽出する。この規則に沿って処理を実行することにより、参照部120は、購入候補の商品群を示す第1情報を生成できる。
【0045】
上記の例では、商品分類ID1620は、ユーザが指定する商品の商品情報と対応し、商品リスト1642は、その商品の商品分類IDと、関連商品の商品分類IDとを含む。関連商品の商品分類IDは、関連商品情報と対応する。
【0046】
上述の方法を使用することにより得られた結果は、特定部130に入力される。特定部130は、一連の処理が完了するまでその結果を保持する。
【0047】
特定部130は、参照部120によって生成された第1情報を使用することにより、第2情報を生成する。第2情報は、決定部140が実行する処理に必要な店舗と商品属性との網羅的な組み合わせである。第2情報は、ユーザが指定する商品を販売する店舗の情報と、関連商品を販売する店舗の情報と、商品属性とを含む。ユーザが指定する商品を販売する店舗と、関連商品を販売する店舗とは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0048】
第2情報は、ユーザが指定する商品の1つ以上の商品属性と、その商品の関連商品の1つ以上の商品属性とを含む。第2情報に含まれる商品属性は、ユーザが指定する商品およびその商品の関連商品の各々の識別情報および価格を含む。また、その商品属性は、価格有効期間を含む。その商品属性は、製造元(メーカまたは産地)を含んでもよい。
【0049】
特定部130は、上記の処理を実現する方法として、商品属性記憶部163に記憶された商品属性情報(
図7)から、第1情報を構成する商品分類IDと同じ商品分類IDを持つレコードを網羅的に抽出する方法を使用できる。この場合、第2情報は、店舗ID1630、商品分類ID1631、商品ID1632、価格1633、価格開始日1634、および価格終了日1635を含む。
【0050】
上述の方法を使用することにより得られた結果は、決定部140に入力される。決定部140は、一連の処理が完了するまでその結果を保持する。
【0051】
決定部140は、特定部130によって生成された第2情報と、ユーザの購買傾向を示す情報とを使用することにより、ユーザの購買計画を決定する。その購買計画は、ユーザが指定する商品を販売する店舗の位置と、その商品の関連商品を販売する店舗の位置と、購買予定時間とを含む。決定部140は、ユーザ毎の購買傾向に応じて店舗および商品属性の組み合わせを決定する。これにより、決定部140は、第2情報に含まれる商品属性を含む購買計画を決定する。ユーザの購買傾向は、購買傾向推定モデルを使用することにより算出された、店舗と商品属性との組み合わせ毎のスコアを示す。
【0052】
購買計画は、1つ以上の店舗の情報と、各店舗を訪問する日時とを含む。また、購買計画は、各店舗が販売する1つ以上の商品の商品属性を含む。2つ以上の店舗に関するレコードが抽出された場合、決定部140は、それらの店舗を通る経路を含む購買計画を決定する。
【0053】
購買計画は、2つ以上の商品を同じ店舗で購入することを示してもよい。例えば、ユーザが指定する商品に第1関連商品および第2関連商品が関連している場合、購買計画は、ユーザが指定する商品を第1店舗で購入し、第1関連商品および第2関連商品を第2店舗で購入することを示してもよい。あるいは、購買計画は、ユーザが指定する商品および第1関連商品を第1店舗で購入し、第2関連商品を第2店舗で購入することを示してもよい。
【0054】
図12は、決定部140の構成例を示すブロック図である。決定部140は、モデル構築部141、購買傾向推定部142、および購買計画決定部143を有する。
【0055】
モデル構築部141は、記憶部160に記憶された情報を使用することにより、ユーザおよびグループ毎の購買計画の推定に必要な数式およびルールを示す購買傾向推定モデルを構築および更新する。購買傾向推定モデルは、店舗と商品属性との組み合わせが入力されたとき、その組み合わせとユーザの購買傾向との適合度を示すスコアを出力する。
【0056】
モデル構築部141は、上記の処理を実現する方法として、教師あり学習、教師なし学習、または強化学習などの機械学習を使用できる。
【0057】
機械学習を使用するモデル構築方法として、ロジスティック回帰を一例として説明する。ロジスティック回帰は、いくつかの要因(説明変数)から2値の結果(目的変数)が起こる確率を予測および説明する方法である。本実施形態において、目的変数は、履歴記憶部167に記憶された履歴情報(
図11)に含まれるフラグ1677を示す。つまり、目的変数は、ユーザが複数の同一商品の中から1つの商品を購買計画として採用したか否かを示す。説明変数は、商品属性、店舗ID、店舗までの距離、日付、時間、および曜日などを示す。商品属性は、価格、価格有効日、商品分類名、メーカ、および産地などを示す。モデル構築部141は、説明変数および目的変数の関係を学習し、購買傾向推定モデルを構築する。
【0058】
説明変数を設定するために、遺伝的プログラミングなどを適用した探索結果を使用してもよい。遺伝的プログラミングは、遺伝的アルゴリズムを拡張した手法であり、目的変数をいかに高精度に推定できたかを適合度として説明変数の探索を可能とする。
【0059】
モデル構築部141は、複数の購買傾向推定モデルを構築できる。例えば、モデル構築部141は、各ユーザに特化したモデルである固有モデル、あるいは個人を特定せず類似したユーザ群に適用することが可能なモデルである汎用モデルを構築する。
【0060】
モデル構築部141は、ユーザが情報処理システム1を利用する度に記憶部160に蓄積される新たな情報に基づいて、各ユーザに対応するモデルを更新する。情報処理装置10の管理者は、この更新の頻度すなわち更新周期を任意に設定できる。
【0061】
購買傾向推定部142は、特定部130から得られた第2情報と、モデル構築部141によって生成された購買傾向推定モデルとを使用することにより、第2情報に含まれる店舗の情報と商品属性との組み合わせ毎に、ユーザの購買傾向に応じたスコアを算出する。
【0062】
情報処理システム1の利用を開始したばかりのユーザに関して、蓄積されたデータは少ない。その場合、購買傾向推定部142は、グループ推定部170によって実行されたグルーピング処理の結果を参照し、上記のユーザに最も類似したユーザに適用されている汎用モデルを使用することによりスコアを推定できる。
【0063】
購買計画決定部143は、購買傾向推定部142によって算出されたスコアに基づいて店舗および商品属性を絞り込む。例えば、購買計画決定部143は、スコアに基づいて、同じ商品分類IDを持つレコード群から、最も高いスコアを持つレコードを抽出する。購買計画決定部143は、抽出されたレコードに含まれる価格有効期間と、店舗の営業時間とに基づいて、日時のグループ化および経路の設定を行う。例えば、購買計画決定部143は、ユーザの所在地と店舗の所在地との距離を算出し、その距離に応じて経路を設定する。
【0064】
決定部140によって決定された購買計画に対して、必要に応じて、表示に適した処理が実行される。購買計画は、情報処理装置10が有する通信機を介して端末装置20へ送信される。
【0065】
図13および
図14は、ユーザに提示された購買計画の概念(イメージ)を示す図である。
図13に示すように、購買計画は、まずO月O日に、店舗ID:S0001を持つ店舗で商品ID:P0001、P0002、P0003の各々を持つ商品を購入した後、店舗ID:S0004を持つ店舗で商品ID:P0004、P0008の各々を持つ商品を購入することを提案する。また、
図14に示すように、購買計画は、X月X日に、店舗ID:S0001を持つ店舗で商品ID:P0005、 P0012、P0013の各々を持つ商品を購入した後、店舗ID:S0002を持つ店舗で商品ID:P0020、P0024の各々を持つ商品を購入することを提案する。上記のように、購買計画は、日毎の購買経路、および店舗と商品との組み合わせをユーザへ提示する。これに加えて、購買計画は、価格および価格有効期間などをユーザへ提示してもよい。
【0066】
図13および
図14に示す購買計画が示す経路は、公知の経路提示方法を使用することによりユーザに提示される。ユーザ属性記憶部165に記憶されたユーザ属性情報(
図9)に含まれる座標1654と、店舗情報記憶部161に記憶された店舗情報(
図4)に含まれる座標1613と、地図情報とに対して、公知の経路提示方法を適用することにより、複数の地点を結ぶ経路を提示できる。経路提示方法は公知の技術であるため、経路提示方法の詳細な説明を省略する。
【0067】
ユーザは、情報処理装置10によって決定された購買計画を、端末装置20を操作することにより変更してもよい。ユーザによって変更された購買計画は、履歴情報として履歴記憶部167へ出力される。
【0068】
情報処理装置10は、提示された購買計画に対する各ユーザの評価を取得するために、明示的な項目を端末装置20に提示させ、ユーザに評価を促してもよい。このとき、端末装置20は、明示的な項目として、「この購買計画で確定しますか? はい/いいえ」のようなメッセージを表示してもよい。この明示的な項目に対するユーザからの応答が確定を示す場合、情報処理装置10は、購買計画がユーザの購買傾向と一致している、あるいはユーザが提示された購買計画を選択したと判断する。このとき、情報処理装置10は、履歴記憶部167に記憶された履歴情報(
図11)に含まれるフラグ1677に「TRUE」を設定する。
【0069】
認識部150は、ユーザが指定する商品を販売する店舗と、関連商品を販売する店舗とに関するデータからその商品およびその関連商品の各々の商品属性を取得する。具体的には、認識部150は、商品属性を示す非構造化データから商品属性を取得する。
【0070】
例えば、非構造化データは、画像データまたは音声データである。画像データは、店舗と関連付けられたチラシまたはパンフレットなどの印刷物または店舗の看板をカメラまたはスキャナなどが電子データに変換することにより生成される。音声データは、商品のCMなどの音声のデータである。
【0071】
例えば、管理者は、印刷物または看板をカメラまたはスキャナなどで撮影し、画像データを生成する。例えば、管理者は、商品のCMなどを録音し、音声データを生成する。取得部110は、情報処理装置10が有する通信機を介して店舗などのコンピュータと通信を実施し、そのコンピュータから画像データまたは音声データを取得してもよい。記憶部160は、取得部110によって取得された画像データまたは音声データを記憶してもよい。
【0072】
管理者が印刷物または看板に記載された情報あるいはCMなどの音声に含まれる情報を手作業でシステムに入力する必要はない。そのため、管理者の作業負荷が軽減される。
【0073】
画像を対象として上記の処理を実現するための手段として、光学文字認識(Optical Character Recognition:OCR)がある。OCRは、機械学習タスクの一種であり、画像から文字を取り出し、その文字をテキストデータに変換する。
【0074】
音声を対象として上記の処理を実現するための手段として、機械学習を使用する音声認識手法であるConnectionist Temporal Classification(CTC)がある。CTCは、再帰的ニューラルネットワーク(Recurrent Neural Network:RNN)を使用することにより、音響データから音素/音節/単語を取り出し、それらをテキストデータに変換する。
【0075】
上記の処理が終了した後、認識部150は、商品一覧記憶部162に記憶された商品一覧情報(
図5)を使用することにより、商品名1623と一致するテキストを抽出する。また、認識部150は、商品属性を示す価格および価格有効期間(開始、終了)については、「*円」、「¥*」、「*月*日」、または「*/*」のような正規表現と一致するテキストを抽出する。
【0076】
テキストデータが画像データから生成された場合、認識部150は、認識されたテキスト領域の座標の位置関係に応じて商品名と商品属性とを関連付ける。テキストデータが音声データから生成された場合、認識部150は、テキストデータに対して自然言語処理による構文解析を適用する。認識部150は、文を分割し、かつ抽出されたテキスト間の文字間隔を統合する。これにより、認識部150は、商品名と商品属性とを関連付ける。
【0077】
認識部150は、商品名と関連付けられた商品ID1622を商品一覧情報から取得する。印刷物または看板は店舗と関連付けられており、認識部150は、その店舗の店舗ID1610を店舗情報記憶部161に記憶された店舗情報(
図4)から取得する。認識部150は、商品属性記憶部163に記憶された商品属性情報(
図6)において、店舗ID1610と同じ店舗ID1630および商品ID1622と同じ商品ID1632を持つレコードを特定し、そのレコードの情報と商品属性とを
図7に示す商品属性情報に追加する。特定されたレコードの情報が
図7に示す商品属性情報に既に登録されている場合、認識部150は、商品属性情報に含まれる商品属性を新たに取得された商品属性で更新する。
【0078】
認識部150は、画像データまたは音声データから製造元1624(メーカまたは産地)と一致するテキストを商品属性として抽出してもよい。
【0079】
認識部150は、新たな広告媒体が追加されるたびに処理を実行する。例えば、認識部150は、新たな広告媒体が追加された直後に処理を実行する。あるいは、認識部150は、毎日0:00から5:00の時間帯でバッチ処理を実行する。情報処理装置10の管理者は、この処理の頻度を任意に設定できる。
【0080】
取得部110、参照部120、特定部130、決定部140、認識部150、およびグループ推定部170の少なくとも1つは、CPU(Central Processing Unit)のようなプロセッサが、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムを実行することにより実現されてもよい。取得部110、参照部120、特定部130、決定部140、認識部150、およびグループ推定部170の少なくとも1つは、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)またはFPGA(Field-Programmable Gate Array)のようなハードウェア(回路)によって実現されてもよい。取得部110、参照部120、特定部130、決定部140、認識部150、およびグループ推定部170の少なくとも1つは、ソフトウェアおよびハードウェアの組み合わせによって実現されてもよい。
【0081】
コンピュータ読み取り可能な記録媒体は、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、またはCD-ROMのような可搬媒体、あるいはコンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶部である。上述したプログラムは、差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。取得部110、参照部120、特定部130、決定部140、認識部150、およびグループ推定部170の少なくとも1つの機能は、コンピュータに既に記録されているプログラムと差分プログラムとの組み合わせによって実現されてもよい。
【0082】
(システムの動作)
図15は、情報処理装置10の動作例を示すフローチャートである。例えば、
図15に示す動作は、ユーザが端末装置20を使用することによりテキストによるリクエストを情報処理装置10へ送信し、購買計画を検討するときに開始される。
【0083】
利用者登録などの手続きを経て、ユーザIDが登録された後、情報処理装置10は、ユーザ属性記憶部165およびグループ属性記憶部166に記憶された情報に基づいて任意のユーザを特定可能な状態において以下の処理を実行する。ユーザIDが登録されていない場合、情報処理装置10は、ユーザにユーザIDの登録を促す処理を実行してもよい。
【0084】
ステップS1:
認識部150は、画像データまたは音声データから商品属性を取得する。認識部150は、商品属性記憶部163に記憶されている商品属性情報を更新する。新たな広告媒体が追加されていない、あるいは現在の時間が特定の時間帯でない場合、認識部150はステップS1をスキップする。ステップS1は、後述するステップS2からS11の実行タイミングにかかわらず実行可能である。
【0085】
ステップS2:
取得部110は、端末装置20からリクエストが取得されたか否かを判定する。リクエストが取得された場合、取得部110は処理をステップS3へ進める。リクエストが取得されていない場合、取得部110は処理をステップS1へ進める。
【0086】
例えば、ユーザは、端末装置20を使用することにより、任意の商品のテキストデータ(商品名)とユーザIDとを含むリクエストを情報処理装置10に送信する。この場合、取得部110は、複数台の端末装置20のうちいずれかの端末装置20からリクエストを取得し、処理をステップS3へ進める。このとき、取得部110は、リクエストに含まれる任意の商品のテキストデータを参照部120へ出力する。また、取得部110は、リクエストに含まれるユーザIDを決定部140へ出力する。
【0087】
ステップS3:
参照部120は、取得部110から出力されたテキストデータが示す商品の情報と、その商品と関連する関連商品の情報とを含む第1情報を生成する。
【0088】
このとき、参照部120は以下の処理を実行する。参照部120は、商品一覧記憶部162に記憶された商品一覧情報(
図5)から、ユーザが指定した商品と対応する商品分類ID1620を抽出する。参照部120は、関連商品記憶部164に記憶された関連商品情報(
図8)において、商品分類ID1620と同じ商品分類IDを商品リスト1642に持つレコードを検索する。参照部120は、商品分類ID1620と同じ商品分類IDを商品リスト1642に持つ全てのレコードを読み出す。参照部120は、取得されたレコードを特定部130へ出力する。
【0089】
ステップS4:
参照部120は、第1情報が生成されたか否かを判定する。ユーザが指定した商品と対応する商品分類ID1620が特定され、第1情報が生成された場合、参照部120は処理をステップS5へ進める。ユーザが指定した商品と対応する商品分類ID1620が特定されず、第1情報が生成されなかった場合、参照部120は、商品がシステムに登録されていないことを示すメッセージを提示し、処理をステップS1へ進める。
【0090】
ステップS5:
特定部130は、商品属性記憶部163に記憶された商品属性情報(
図7)から、第1情報に含まれる商品分類IDと同じ商品分類ID1631を抽出し、その商品分類ID1631が示す商品を販売する店舗と商品属性との網羅的なレコードを示す第2情報を生成する。
【0091】
このとき、特定部130は、以下の処理を実行する。特定部130は、第1情報を参照し、商品分類IDを抽出する。特定部130は、商品属性記憶部163に記憶された商品属性情報(
図6、
図7)から、その商品分類IDを持つ全てのレコードを抽出する。そのレコードは、店舗の情報として店舗IDを含み、かつ商品属性として商品ID、価格、および価格有効期間を含む。
【0092】
図7に示す商品属性情報は、特売または催事における価格を含む。
図6に示す商品属性情報のレコードと、
図7に示す商品属性情報のレコードとが重複する場合、特定部130は、
図7に示す商品属性情報のレコードを優先する。特定部130は、取得されたレコードを決定部140へ出力する。
【0093】
ステップS6:
決定部140は、ユーザ属性記憶部165に記憶されたユーザ属性情報(
図9)を参照し、取得部110から出力されたユーザIDと関連付けられた購買傾向推定モデルが記憶されているか否かを判定する。購買傾向推定モデルが記憶されている場合、決定部140は処理をステップS7へ進める。購買傾向推定モデルが記憶されていない場合、決定部140は処理をステップS8へ進める。
【0094】
ステップS7:
決定部140は、ユーザ属性記憶部165から、ユーザIDと関連付けられた購買傾向推定モデルを読み出す。決定部140は、処理をステップS9へ進める。
【0095】
ステップS8:
決定部140は、グループ属性記憶部166から、ユーザIDと関連付けられた購買傾向推定モデルを読み出す。決定部140は、処理をステップS9へ進める。
【0096】
ステップS9:
決定部140は、購買傾向推定モデルを使用することにより、第2情報の各レコードとユーザの購買傾向との適合度を示すスコアを算出する。決定部140は、第2情報の全てのレコードに対してスコアを算出する。決定部140は、このステップにおいて、任意の店舗と商品属性との組み合わせを購買計画としてユーザに提示するか否かを判定できる。
【0097】
決定部140は、同じ商品分類ID毎にレコード間でスコアを比較し、最も高いスコアを持つレコードを商品分類ID毎に決定する。このとき、決定部140は、店舗情報記憶部161に記憶された店舗情報(
図4)に含まれる営業時間(開店時間1614、閉店時間1615)を参照する。決定部140は、システム利用のタイミングと営業時間とを考慮し、必要に応じて、レコードをスコアの比較対象から除外する。
【0098】
ステップS10:
決定部140は、ステップS9において決定された購買計画を履歴記憶部167へ記録する。
【0099】
ステップS11:
情報処理装置10は、決定部140によって決定された購買計画に基づいて、日毎の購買経路、および店舗と商品属性との組み合わせを端末装置20へ送信する。このとき、情報処理装置10は、店舗情報記憶部161(
図4)に記憶された店舗情報に含まれる座標(緯度/経度)を参照し、公知の経路提示方法と地図情報とを使用することにより購買経路を地図上にマップしてもよい。
【0100】
端末装置20は、ユーザに提示された購買計画に対するユーザの反応を示す情報を情報処理装置10へ送信する。その情報は、ユーザが購買計画を選択したか否かを示す。情報処理装置10は、その情報に基づいて、履歴記憶部167に記憶された履歴情報(
図11)に含まれるフラグ1677を設定する。
【0101】
上記の構成によれば、情報処理装置10は、商品の最新の情報に基づいてユーザへ購買計画を提示するために必要な管理者の作業負荷を軽減することができる。また、情報処理装置10は、短期的に変化する商品属性を反映した購買計画を提示することができる。
【0102】
上記の構成によれば、商品属性である価格有効期間を考慮した、複数日に渡る購買計画の提示を実現できる。そのため、従来のシステムと比べて、融通性および柔軟性のより高いシステムを提供できる。
【0103】
(付記)
実施形態の第1の態様によれば、情報処理装置は、ユーザが指定する商品に関する情報を取得する取得部と、前記取得部によって取得された前記情報と対応する商品情報を含み、かつ前記商品と関連付けられた関連商品に関する関連商品情報を含む第1情報を生成する参照部と、前記商品を販売する店舗と、前記関連商品を販売する店舗とに関するデータから前記商品および前記関連商品の各々の商品属性を取得する認識部と、前記第1情報を使用することにより、前記商品を販売する店舗の情報と、前記関連商品を販売する店舗の情報と、前記商品属性と、を含む第2情報を生成する特定部と、前記第2情報と、前記ユーザの購買傾向を示す情報とを使用することにより、前記商品を販売する店舗の位置と、前記関連商品を販売する店舗の位置と、購買予定時間とを含むユーザの購買計画を決定する決定部と、を備える。
【0104】
実施形態の第2の態様によれば、第1の態様において、前記認識部は、前記商品属性を示す非構造化データから前記商品属性を取得することを特徴とする。
【0105】
実施形態の第3の態様によれば、第1または第2の態様において、前記特定部は、前記商品および前記関連商品の各々の識別情報と、前記商品および前記関連商品の各々の価格とを含む前記商品属性を含む前記第2情報を生成することを特徴とする。
【0106】
実施形態の第4の態様によれば、第3の態様において、前記特定部は、前記価格の有効期間を含む前記商品属性を含む前記第2情報を生成することを特徴とする。
【0107】
実施形態の第5の態様によれば、第1から第4の態様のいずれか1つにおいて、前記決定部は、前記第2情報に含まれる前記商品属性を含む前記購買計画を決定することを特徴とする。
【0108】
実施形態の第6の態様によれば、情報処理方法は、ユーザが指定する商品に関する情報を取得部が取得する取得ステップと、前記取得部によって取得された前記情報と対応する商品情報を含み、かつ前記商品と関連付けられた関連商品に関する関連商品情報を含む第1情報を参照部が生成する参照ステップと、前記商品を販売する店舗と、前記関連商品を販売する店舗とに関するデータから前記商品および前記関連商品の各々の商品属性を認識部が取得する認識ステップと、前記第1情報を使用することにより、前記商品を販売する店舗の情報と、前記関連商品を販売する店舗の情報と、前記商品属性と、を含む第2情報を特定部が生成する特定ステップと、前記第2情報と、前記ユーザの購買傾向を示す情報とを使用することにより、前記商品を販売する店舗の位置と、前記関連商品を販売する店舗の位置と、購買予定時間とを含むユーザの購買計画を決定部が決定する決定ステップと、を備える。
【0109】
実施形態の第7態様によれば、プログラムは、ユーザが指定する商品に関する情報を取得する取得ステップと、前記取得ステップにおいて取得された前記情報と対応する商品情報を含み、かつ前記商品と関連付けられた関連商品に関する関連商品情報を含む第1情報を生成する参照ステップと、前記商品を販売する店舗と、前記関連商品を販売する店舗とに関するデータから前記商品および前記関連商品の各々の商品属性を取得する認識ステップと、前記第1情報を使用することにより、前記商品を販売する店舗の情報と、前記関連商品を販売する店舗の情報と、前記商品属性と、を含む第2情報を生成する特定ステップと、前記第2情報と、前記ユーザの購買傾向を示す情報とを使用することにより、前記商品を販売する店舗の位置と、前記関連商品を販売する店舗の位置と、購買予定時間とを含むユーザの購買計画を決定する決定ステップと、をコンピュータに実行させる。
【0110】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について詳述してきたが、具体的な構成は上記の実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【符号の説明】
【0111】
1 情報処理システム、10 情報処理装置、20 端末装置、30 通信ネットワーク、110 取得部、120 参照部、130 特定部、140 決定部、141 モデル構築部、142 購買傾向推定部、143 購買計画決定部、150 認識部、160 記憶部、161 店舗情報記憶部、162 商品一覧記憶部、163 商品属性記憶部、164 関連商品記憶部、165 ユーザ属性記憶部、166 グループ属性記憶部、167 履歴記憶部、170 グループ推定部