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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024022096
(43)【公開日】2024-02-16
(54)【発明の名称】評価システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240208BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022125452
(22)【出願日】2022-08-05
(71)【出願人】
【識別番号】522083536
【氏名又は名称】株式会社イグアス
(74)【代理人】
【識別番号】110002790
【氏名又は名称】One ip弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】中村 彬
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】異性に関する理解度を評価するための評価システムを提供すること。
【解決手段】本発明による評価システムは、複数の設問と、当該設問に対する回答選択肢と、当該回答選択肢のそれぞれに関連付けられた配点情報とを記憶する設問情報記憶部と、ユーザに対して前記設問と、当該設問に関連付けられた前記回答選択肢を提示する設問提示部と、提示した前記回答選択肢においてユーザから選択操作を受付けたユーザ回答選択肢を受付ける回答受付部と、前記ユーザ選択情報に対応する配点に基づいて、前記ユーザのスコアを評価する評価部と、前記評価を前記ユーザに提供する評価提示部と、を備えている。かかる構成によれば、異性への理解力を評価し診断することができる。
【選択図】図5

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の設問と、当該設問に対する回答選択肢と、当該回答選択肢のそれぞれに関連付けられた配点情報とを記憶する設問情報記憶部と、
ユーザに対して前記設問と、当該設問に関連付けられた前記回答選択肢を提示する設問提示部と、
提示した前記回答選択肢においてユーザから選択操作を受付けたユーザ回答選択肢を受付ける回答受付部と、
前記ユーザ選択情報に対応する配点に基づいて、前記ユーザのスコアを評価する評価部と、
前記評価を前記ユーザに提供する評価提示部と、を備える
評価システム。
【請求項2】
前記設問は、異性が感じる嫌悪の度合いを理解しているか否かに関する地雷リスク判定設問を含んでおり、
前記評価部は、前記地雷リスク判定設問への前記ユーザ回答選択肢に基づいて、地雷リスクスコアを評価する、
請求項1に記載の評価システム。
【請求項3】
前記設問は、異性が感じる嫌悪の度合いが著しく高い言動であることを理解しているか否かに関する特別地雷リスク判定設問を含んでおり、
前記評価部は、前記特別地雷リスク判定設問への前記ユーザ回答選択肢に基づいて、特別地雷リスクを選択したことを評価する、
請求項1に記載の評価システム。
【請求項4】
前記設問は、異性が感じる嫌悪の度合いを理解しているか否かに関する地雷リスク判定設問を複数含んでおり、
前記評価部は、複数の前記地雷リスク判定設問への前記ユーザ回答選択肢の状況に基づいて、積み重ねによる地雷リスクスコアを評価する、
請求項1に記載の評価システム。
【請求項5】
前記回答受付部は、更に前記ユーザの前記選択操作の自信度に関する回答を受付け、
前記評価部は、前記ユーザ回答選択肢に対応する配点と、前記自信度との差に基づいて自己認識度を評価する
請求項1に記載の評価システム。
【請求項6】
前記回答受付部は、更に前記ユーザの前記選択操作の理由を受付け、
前記評価部は、前記ユーザ回答選択肢に対応する配点と、前記理由とに基づいて、自己認識度に関するアドバイス文章を生成する
請求項1に記載の評価システム。
【請求項7】
前記評価部による評価に基づいて、所定のトレーニングコースの受講を提案する提案部を更に備える、
請求項1に記載の評価システム。
【請求項8】
前記評価部による評価に基づいて、講師を提案する提案部を更に備える、
請求項1に記載の評価システム。
【請求項9】
前記設問は、異性の心理を理解しているか否かに関する異性心理設問を含んでおり、
前記評価部は、前記異性心理設問への前記ユーザ回答選択肢に基づいて、異性心理理解スコアを評価する、
請求項1に記載の評価システム。
【請求項10】
前記回答受付部は、更に前記ユーザの前記選択操作の自信度に関する回答を受付け、
前記評価部は、前記ユーザ回答選択肢に対応する配点と、前記自信度との差に基づいて自己認識度を評価する
請求項1に記載の評価システム。
【請求項11】
前記設問は、異性の行動の根拠となる心理を理解しているか否かに関する異性行動心理設問を含んでおり、
前記評価部は、前記異性行動心理設問への前記ユーザ回答選択肢に基づいて、異性心理理解スコアを評価する、
請求項1に記載の評価システム。
【請求項12】
前記評価部による評価に基づいて、所定のトレーニングコースの受講を提案する提案部を更に備える、
請求項1に記載の評価システム。
【請求項13】
前記評価部による評価に基づいて、講師を提案する提案部を更に備える、
請求項1に記載の評価システム。
【請求項14】
前記ユーザ回答選択肢と、他のユーザ回答選択肢とを比較する比較部を更に備えており、
前記評価部は、前記比較の結果に基づいて、異性心理理解スコアの確信度を推定する、
請求項1に記載の評価システム。
【請求項15】
前記設問は、少なくともパートナーの振る舞いに関して、前記ユーザがその振る舞いを行うことを期待しているかどうかに関する期待度と、前記パートナーの当該振る舞いに関して満足しているかに関する満足度とに関する設問を含んでおり、
前記評価部は、前記期待度と前記満足度とに基づいて、前記ユーザの恋愛心理状態を評価する、
請求項1に記載の評価システム。
【請求項16】
前記評価部は、前記期待度が前記満足度よりも高い場合には、前記パートナーに対する異性心理理解が不十分である評価を行う、
請求項15に記載の評価システム。
【請求項17】
前記回答受付部は、前記ユーザのパートナーからのパートナー回答選択肢を受付け、
前記評価部は、前記ユーザ回答選択肢と前記パートナー回答選択肢とから前記ユーザと前記パートナーとの相性を評価する、
請求項1に記載の評価システム。
【請求項18】
前記評価部による評価に基づいて、所定のトレーニングコースの受講を提案する提案部を更に備える、
【請求項19】
前記評価部による評価に基づいて、講師を提案する提案部を更に備える、
請求項1に記載の評価システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、評価システムに関し、特に、異性に関する理解度を評価するための評価システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、人間の無意識下の行動特性まで診断し数値化することができる行動特性診断テストが開示されている。行動特性診断テストは、対象者の無意識下の行動特性まで診断し数値化するサーバ装置であって、対象者の評価用に出題する問題を選択する出題部と、記出題に対する対象者による回答について、少なくとも心理学的統計データを参照し、行動特性分析を実施する行動特性プロフィール部と、行動特性分析結果に基づいて能力分析を行う能力分析部と、前記行動特性分析結果及び能力分析結果に基づいてサポートアドバイスを出力する支援助言選択部と、行動特性分析結果に基づく第1のレポートを生成し、前記能力分析結果に基づく第2のレポートを生成し、前記支援助言選択結果に基づく第3のレポートを生成するレポート生成部を備える。
【0003】
特許文献2には、現場や人事が自ら組織を強化していくことを可能とするエンゲージメントシステムが開示されている。エンゲージメントシステムは、複数のサーベイ設問に対する回答を集計したサーベイ集計結果を作成するサーベイ回答集計手段と、サーベイ集計結果に応じた少なくとも1つのアクションプランを提案する改善項目提案手段と、アクションプランの選択を受け付けて実施対象アクションプランとして設定するアクションプラン設定手段と、実施対象アクションプランに関する進捗状況の登録を受け付けるアクションプラン進捗管理手段と、を備える
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-64691号公報
【特許文献2】特開2018-018152号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した文献には、異性に関する理解度を評価する方法としては不十分である。
【0006】
そこで本発明は、異性に関する理解度を評価するための評価システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本出願の発明者は、恋愛に発展し、結婚に至らない原因として、恋愛が継続できない原因、結婚に至らない原因が発生していることが多いという実態に加え、女性側に起因するその原因の多くが、男性心理の不理解であると考えた。例えば、男性と違い好きな人に愛され続けたいという強い想いを持っている女性に対して、地雷を踏んでいないかどうかを女性たちは知りたいと考えていることもある。また、パートナーと付き合う前まで、付き合った後から結婚まで、結婚してから子育てまで、などの男性の信頼が落ちる影響度の大きい要因(以下、地雷リスクという)はなんなのかが知りたいといったニーズも存在している。特に、付き合うまでや付き合った直後に、突然連絡が途絶えることなどや男性側が別れる理由の本音を話してくれないことが多く、反省することも何が悪かったかも分からない状態が生じてしまっている。このように、突然いなくなる可能性のある男性の地雷リスクの心配を抱えながら、男性と付き合うことへのリスクを低減する必要がある。そして、これらの状況の要因は「性差による考え方の違い」を理解し受け入れることが難しいという実態によるものと推測できる。本発明はかかる知見に基づいたものである。
【0008】
即ち、本発明によれば、
複数の設問と、当該設問に対する回答選択肢と、当該回答選択肢のそれぞれに関連付けられた配点情報とを記憶する設問情報記憶部と、
ユーザに対して前記設問と、当該設問に関連付けられた前記回答選択肢を提示する設問提示部と、
提示した前記回答選択肢においてユーザから選択操作を受付けたユーザ回答選択肢を受付ける回答受付部と、
前記ユーザ選択情報に対応する配点に基づいて、前記ユーザのスコアを評価する評価部と、
前記評価を前記ユーザに提供する評価提示部と、を備える
評価システムを提供することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、自分が踏んでしまう可能性のあるコミュニケーション上の地雷リスクを評価し診断することができ、恋愛が終了するリスクや、結婚に至らないリスクを評価することができる。
【0010】
また、本発明によれば、異性への理解力を評価し診断することができる。これにより、例えば、男性側がプロポーズしたくなる要因分析と充足度の評価を行い、結婚可能性の定量的評価が統計的に可能となる。
【0011】
更に本発明によれば、現パートナーに対する理想と現実のギャップを評価し、診断することができる。なお、パートナー側に対する評価を行うことによりその結果を突き合わせることによって、精度を高めることも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施の形態によるシステムの構成例を示す図である。
図2】評価サーバの機能ブロック図である。
図3図2の評価サーバが使用するデータテーブルの例である。
図4図2の評価サーバが使用するデータテーブルの他の例である。
図5】本発明の実施の形態によるシステムが提供する画面例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<実施の形態の詳細>
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0014】
<概要>
本発明は、所定の設問をユーザに提示して、当該設問への回答内容に応じてユーザを評価する評価システムである。特に、評価システムは、地雷リスク、異性心理理解力、理想と現実ギャップに関して、ユーザの能力を推定し、評価結果を出力するものである。
【0015】
本発明の一つの実施の形態として、地雷リスク(恋愛が終了するリスクや、結婚に至らないリスク)を診断することが可能となる。地雷リスクは、質問に対する回答から地雷リスクをスコアリングすることにより行う。かかる評価によれば、恋愛破綻可能性や、結婚実現可能性(結婚確率)を数値として評価することができる。また、過去の恋愛継続事例や結婚承諾事例との比較データに対するユーザのデータの比較分析を行うことが可能となる。
【0016】
本発明の他の実施の形態として、男性心理理解力の診断を定量的に行うことができる。男性心理理解力は、男性心理に関する質問への回答から男性心理理解力のスコアを算定して、男性側がプロポーズしたくなる要因分析と充足度の評価を行うことによって、結婚可能性の定量的評価が可能となる。
【0017】
本発明の更に他の実施の形態として、ユーザの現在のパートナーとの理想と現実のギャップを診断することも可能となる。ギャップ診断は、例えば、設問に対して、パートナーの振る舞いに関して「期待する度合い」と「満足している度合い」の両方を回答させその乖離度合いを評価することにより行う。
【0018】
<構成>
図1に示されるように、評価システムは、評価システムを提供する評価サーバ1、ユーザ端末2及びパートナー端末3とネットワークNWを通じて互いに接続されている。ユーザ端末2は、ユーザが使用する端末であり、例えばパーソナルコンピュータ、タブレット端末又はスマートホンである。ユーザ端末2は、評価サーバ1から提示される設問を表示する表示部と、ユーザが設問に対する回答を入力する入力部とを少なくとも備える。パートナー端末は、ユーザのパートナーが所有している端末であり、ハードウェア構成はユーザ端末2と同様のものが例示できる。
【0019】
評価システムは、例えばパーソナルコンピュータにおいて所定のコンピュータプログラムを実行することで実現される他、機能の一部又は全部がクラウドコンピュータにより実現されていてもよい。また、評価システムは、複数のハードウェア構成により成っていてもよく、機能の一部又は全部が、ユーザ端末に備えられていてもよい。
【0020】
<ハードウェア構成>
図2に示されるように、評価サーバ1は、設問情報記憶部10設問提示部11、回答受付部12、評価部13、評価提示部15、提案部16及び比較部17を備えている。
【0021】
上記各機能ブロックは、例えばサーバ装置に備えられたハードウェア、DSP(Digital Signal Processor)、ソフトウェアの何れによっても構成することが可能である。例えばソフトウェアによって構成する場合、上記各機能ブロック11~16は、実際にはコンピュータのCPU、RAM、ROMなどを備えて構成され、RAMやROM、ハードディスクまたは半導体メモリ等の記録媒体に記憶されたプログラムが動作することによって実現される。
【0022】
図2及び図3に示すように、設問情報記憶部10は、主としてパートナー心理理解力テーブルT101、比較能力値テーブルT102、変化率テーブルT103、悩みテーブルT104およびトレーニング履歴テーブルT105を格納する。
【0023】
図2(a)に示すパートナー心理理解力テーブルT101は、コミュニケーション能力に関する設問(以下、「能力設問」ともいう。)に対する回答と、あらかじめ複数の項目に対する配点とが対応付けられて記憶されている。より具体的には、パートナー心理理解力テーブルT101では、能力設問に対する回答と、各性格タイプに対する配点が対応付けられている。本実施形態においては、性格タイプは6通りである。パートナー心理理解力テーブルT101では、1個の回答に対し複数の性格タイプに加点されてもよいし、1の性格タイプに1点又は複数点が加点されるようになっていてもよい。この構成によれば、1個の回答に対して1個の性格タイプに1点のみが加点される構成に比べて、各回答を様々な性格タイプに段階的に反映することができる。
【0024】
なお、本実施の形態における能力設問には、異性が感じる嫌悪の度合いを理解しているか否かに関する地雷リスクに関する設問や、当該嫌悪の度合いが著しく高い言動であることを理解しているか否かに関する特別地雷リスク(一発アウトリスク)に関する設問や、複数のセット(組)からなる当該嫌悪の度合いを理解しているか否かに関する積み重ね地雷リスクに関する設問が直接的に含まれていてもよい。なお、地雷リスクと考えられる事例を提示された場合に何が良くないのかその理由を選択させるような設問を用意してもよい。
【0025】
また、本実施の形態における能力設問には、異性の心理を理解しているか否かに関する異性心理設問や、当該回答に関するユーザの自信度を問う設問や、異性の行動の根拠となる心理を理解しているか否かに関する異性行動心理設問を含んでいてもよい。
【0026】
さらに、本実施の形態による能力設問は、少なくともパートナーの振る舞いに関して、ユーザがその振る舞いを行うことを期待しているかどうかに関する期待度と、パートナーの当該振る舞いに関して満足しているかに関する満足度とに関する設問を含んでいてもよい。
【0027】
また、パートナー心理理解力テーブルT101は、能力設問に対する回答と、コミュニケーションに関する複数の能力値に対する配点とが対応付けられている。本実施形態においては、能力値は、自己肯定感、傾聴力、幸福度、対話力、信頼関係構築力の5種類であり、これらを総称してパートナー心理理解力とも称される。パートナー心理理解力テーブルT101においては、1個の回答に対し複数の能力値に加点されてもよいし、1の能力値に1点又は複数点が加点されるようになっていてもよい。
【0028】
図2(b)に示す比較能力値テーブルT102は、ユーザの属性と、診断結果の画面において比較対象として表示される能力値(「比較能力値」ともいう。)とを対応付けるテーブルである。ユーザの属性は、例えば性別、年齢、年収、居住地又は結婚歴であり、性格とは別にユーザの環境を表す情報である。比較能力値は、結婚生活又はパートナーシップがうまくいっていると回答した人の能力値である。なお、比較能力値として、例えば各属性のユーザがトレーニングや講座受講等、研鑽活動(以下、単に「トレーニング」と呼ぶ)を継続して受講した後の能力値の平均値が格納されていてもよい。また、比較能力値は、トレーニング後の各属性のユーザのうち、上位の所定パーセントに含まれるユーザの能力値の平均を採用してもよい。比較能力値テーブルT102は、トレーニング後のユーザのデータを取得すると更新されるようになっていてもよい。
【0029】
図2(c)に示す変化率テーブルT103は、ユーザの一定期間経過後の評価結果や各能力値の変化率を格納するテーブルである。変化率テーブルT103には、経過期間に応じて複数の変化率が格納されている。本実施形態においては、変化率テーブルT103には、経過期間を3か月継続した場合の第1変化率と、経過期間を6か月継続した場合の第2変化率とが格納されている。
【0030】
また、変化率テーブルT103は、ユーザが一定期間経過後の各能力値の変化率を、性格タイプごとに格納している。例えば、上述したトレーニングによる習熟度合いや習熟ペースはユーザの性格によるところがある。また、本願発明が意図するトレーニングは心理的な能力向上の側面があるため、性格の影響は一層顕著である。その点、性格タイプにより変化率を異ならせる構成によれば、例えば、ユーザのトレーニング後の能力値をより精度よく推定することができる。
【0031】
なお、本実施形態においては性格タイプにより変化率を異ならせる構成としたが、能力値と変化率とを対応付けたテーブルを参照し、能力値により変化率を異ならせてもよい。また、この場合、複数の能力値のうち特定の能力値、例えば傾聴力又は対話力といった、講師のアドバイスを聞き入れる能力に関わる能力値により変化率を異ならせる構成であってもよい。さらに能力値に応じて変化率の補正値を格納しておき、性格タイプにより決定した変化率を、補正値により補正する構成としてもよい。
【0032】
図3(a)に示す悩みテーブルT104は、ユーザの悩みタイプ、ユーザがコミュニケーションに悩んでいる相手のタイプ、およびユーザへの表示文を互いに対応付けるテーブルである。
【0033】
図3(b)に示すトレーニング履歴テーブルT105は、ユーザに対して行われたトレーニングの履歴を格納するテーブルである。トレーニング履歴テーブルT105には、アドバイスをユーザの悩みタイプと対応付けて記憶してもよい。
【0034】
設問提示部11は、ユーザ端末2の表示部を介してユーザに設問を提示し、設問への回答入力を受け付ける機能部である。設問提示部11は、ユーザが操作するユーザ端末2に、少なくとも能力設問を提示する。能力設問は、例えばコミュニケーションに関わる性格や、人間関係におけるトラブル時の対処方法等に関する設問が含まれる。各設問には、回答形式が合わせて記憶されていてよい。回答形式が選択形式の場合には、選択肢が合わせて記憶されている。また、回答の入力規則が記憶されていてもよい。
【0035】
また、設問提示部11は、ユーザの属性に関するプロフィール設問をユーザの端末に提示する。プロフィール設問は、例えばユーザの属性、すなわち年齢、年収、居住地域等を問う設問である。
【0036】
回答受付部12は、能力設問およびプロフィール設問に対する回答を、ユーザ端末2を介して取得する機能部である。回答受付部12は、ユーザ端末2を介してユーザの悩み情報を受け付けてもよい。悩み情報は、評価サーバ1より提示される悩みタイプの選択肢からユーザに選択してもらう形式の他、自由入力を受け付ける形式であってもよい。この場合、回答受付部12は、自由入力により入力された悩み情報を解析し、内容の近い悩みタイプを抽出してもよい。また、回答受付部12は、自由入力により入力された悩み情報から、悩みを示す特徴的な用語を抽出し、次回以降に表示する選択肢に追加してもよい。
【0037】
評価部13は、パートナー心理理解力テーブルT101を参照して、ユーザのパートナー心理理解力を診断する機能部である。評価部13は配点に応じて項目ごとに能力値を算出する。評価部13は、パートナー心理理解力テーブルT101を参照し、能力設問に対する回答に基づいてユーザの性格タイプを決定する。
【0038】
評価部13は、解析部120は、能力設問に対する回答から特徴値や行動の傾向値を算出する機能を有していてもよい。特徴値や行動の傾向値は、ユーザのプロフィール設問に含まれる行動や性格に関する設問から傾向推定等によって算出される値やアンケート等でヒアリングした自己申告の特徴値または行動の傾向値等としてもよい。当該算出にあたっては、傾向推定、因子分析、相関分析および統計解析等の分析手法を用いてもよい。
【0039】
また、評価部13は、上述地雷リスク判定設問へのユーザの回答選択肢に基づいて地雷リスクスコアを評価してもよいし、特別地雷リスク判定設問へのユーザ回答選択肢に基づいて特別地雷リスクを選択したことを評価してもよいし、複数の地雷リスク判定設問へのユーザ回答選択肢の状況に基づいて積み重ねによる地雷リスクスコアを評価してもよい。また、ユーザ回答選択肢に対応する配点と自信度との差に基づいて自己認識度を評価してもよい。
【0040】
評価部13は、異性心理設問へのユーザの回答選択肢に基づいて異性心理理解スコアを評価してもよいし、異性行動心理設問へのユーザの回答選択肢に基づいて異性心理理解スコアを評価してもよい。
【0041】
評価部13は、期待度と満足度とに基づいて、ユーザの恋愛心理状態を評価することとしてもよい。特に、期待度が満足度よりも高い場合には、パートナーに対する異性心理理解が不十分である評価を行うことができ、結婚に至る可能性を低く評価する。また、期待度も満足度も共に高い場合には、パートナーとの相性が良く結婚に至る可能性の評価を高くすることができる。
【0042】
評価提示部15は、評価部13により診断されたユーザの能力値をユーザ端末2に表示する機能部である。
【0043】
評価提示部15は、例えば、同じ属性のユーザにおけるトレーニング後の能力値に基づいて算出される比較能力値を、当該ユーザの能力値とともにユーザ端末2に表示してもよい。能力値と比較能力値は、例えば縦又は横の棒グラフで併記される他、レーダーチャートにより表示されてもよい。この構成によれば、ユーザは不足している能力値を明確に把握することができる。また、同じ属性のユーザと比較可能に表示される構成によれば、比較対象を一層身近に感じ、ユーザの向上心を高めることができる。
【0044】
評価提示部15は、トレーニング履歴テーブルT105を参照し、ユーザと同一の性格タイプに対応付けられ、かつ受け付けられた悩みタイプと対応付けて記憶されているアドバイスの少なくとも一部を、ユーザ端末2に出力してもよい。また、これに代えて又は加えて、評価提示部15は、ユーザ端末2を介して受け付けた相手タイプと対応付けて記憶されているアドバイスの少なくとも一部をユーザ端末2に出力してもよい。なお、出力の態様は文章の他、音声や動画であってもよい。
【0045】
なお、結果画面に表示される情報は設問情報記憶部10に記憶されており、評価提示部15は回答の入力後に適宜のタイミングで設問情報記憶部10の情報を参照し、結果画面を生成することができる。結果画面の例については、後述する。
【0046】
提案部16は、トレーニングの記録からトレーニング情報や講師(トレーナー、カウンセラー、コンサルタント等)に関する情報を抽出し、トレーニング履歴テーブルT105に格納する機能部である。提案部16は、ユーザの識別情報と、当該ユーザのトレーニングの実施日時、トレーニングで相談が行われた悩みタイプおよび相手のタイプを抽出する。なお、これらの情報は、講師端末(図示せず)から選択入力又は自由記述により入力されてもよい。また、提案部16は、トレーニングにおいて講師からアドバイスされた内容を抽出する。さらに、提案部16は、講師が入力した報告書の内容を抽出し、トレーニング履歴テーブルT105に格納してもよい。
【0047】
以上説明した評価システムによって、図5に示される結婚確率を統計的に評価することとしてもよい。結婚確率は、評価部13による評価結果や、上述した配点に対して必要に応じて係数を乗じて算出することとしてもよい。例えば、評価部13は、能力設問の回答に関して、自己肯定感、信頼関係構築力、幸福感、対話力、傾聴力に関する配点を積算してそれぞれの総合点を考慮して婚可能指数を算定することとしてもよい。この際、結婚可能指数を階級幅として表データにし、各階級幅に結婚可能性を所定の数値(%)で統計的に規定して算出することとしてもよい。なお、かかる表データは、実績に基づいて特に結婚可能性については実数サンプリング等の統計的手法によって適宜更新さてもよい。
【0048】
更に、当該算定にあたっては、比較部17の結果等から例えば、類出パターン抽出およびクラス分類等のデータマイニング手法や、推論による仮説生成を行い検証を行うこととしてもよい。なお、当該推論にあたっては、例えば、演繹的推論、帰納的推論および確率的推論等を用いてもよい。
【0049】
<変形例1>
本発明の回答受付部12は、ユーザの回答選択肢の選択に当たってなぜその回答を選択したのかに関する選択操作の理由を受付けることとしてもよい。評価部13は、ユーザ回答選択肢に対応する配点と、理由とに基づいて、自己認識度に関するアドバイス文章を生成することとしてもよい。アドバイス文章は事前に記憶されている情報から選択抽出することとしてもよいし、講師などに入力を促して、入力された情報を提示することとしてもよい。
【0050】
<変形例2>
評価システムは、ユーザの回答選択肢と、他のユーザ回答選択肢とを比較する比較部17(図2参照)を備えていてもよい。これにより、評価部13は、比較の結果に基づいて、異性心理理解スコアの推定の確からしさ(確信度)を推定する、
請求項1に記載の評価システム。
【0051】
<変形例3>
設問提示部11はユーザのパートナーに対して能力設問を提示し、回答受付部12はパートナーからの回答の選択肢を受付けることとしてもよい。評価部13は、ユーザの回答選択肢とパートナーの回答選択肢とからユーザとパートナーとの相性や結婚に至る可能性を評価することとしてもよい。
【0052】
上述した実施の形態は、本発明の理解を容易にするための例示に過ぎず、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良することができると共に、本発明にはその均等物が含まれることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0053】
1 評価サーバ
2 ユーザ端末
3 パートナー端末
図1
図2
図3
図4
図5