(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024022098
(43)【公開日】2024-02-16
(54)【発明の名称】熱源モニタリングシステム
(51)【国際特許分類】
H02N 11/00 20060101AFI20240208BHJP
【FI】
H02N11/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022125455
(22)【出願日】2022-08-05
(71)【出願人】
【識別番号】000217491
【氏名又は名称】ダイヤゼブラ電機株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】515135114
【氏名又は名称】株式会社Eサーモジェンテック
(71)【出願人】
【識別番号】591054244
【氏名又は名称】富士化工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087941
【弁理士】
【氏名又は名称】杉本 修司
(74)【代理人】
【識別番号】100112829
【弁理士】
【氏名又は名称】堤 健郎
(74)【代理人】
【識別番号】100155963
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】100142608
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 由佳
(74)【代理人】
【識別番号】100154771
【弁理士】
【氏名又は名称】中田 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100167977
【弁理士】
【氏名又は名称】大友 昭男
(72)【発明者】
【氏名】宮本 太裕
(57)【要約】
【課題】容易にシステムの小型化を可能とするとともに、電力の有効利用を図ることができる熱源モニタリングシステムを提供する。
【解決手段】熱源の流体を通す配管2、配管表面に装着されて温度差により電力を発生させる熱電変換ユニット3、熱電変換ユニット3に接続されて当該発生電力を蓄電する蓄電手段5、少なくとも配管温度を計測する計測手段6、計測値を演算する制御手段7、演算されたデータを送信する通信手段8、および蓄電手段5、制御手段7、通信手段8を収納する筐体10を備える。制御手段7は、設定されたシステム全体の平均消費電力に基づいて、蓄電手段5の電力使用を平均化する制御を行う蓄電電力制御手段18を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱源の熱水または蒸気の流体を通す配管、
前記配管表面に装着されて温度差により電力を発生させる熱電変換ユニット、
前記熱電変換ユニットに接続されて当該発生電力を蓄電する蓄電手段、
少なくとも配管温度を計測する計測手段、
前記計測値を演算する制御手段、
演算されたデータを送信する通信手段、および
前記制御手段、前記通信手段および前記蓄電手段を収納する筐体を備え、
前記制御手段は、設定されたシステム全体の平均消費電力に基づいて、前記蓄電手段の電力使用を平均化する制御を行う蓄電電力制御手段、
を備えた熱源モニタリングシステム。
【請求項2】
請求項1において、
前記蓄電電力制御手段は、システムの各機器をシーケンシャルに動作させる機器シーケンシャル動作部を備えた、熱源モニタリングシステム。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記制御手段は、さらに、前記筐体内の温度を上げる制御を行う発熱制御部を備えた、熱源モニタリングシステム。
【請求項4】
請求項3において、
前記発熱制御部は、前記筐体内の制御手段の動作周波数を上げて内部温度を上げる制御を行う、熱源モニタリングシステム。
【請求項5】
請求項3において、
前記発熱制御部は、前記熱電変換ユニットの発生電力の余剰電力を用いて、筐体内部に配置した発熱体を発熱させて内部温度を上げる制御を行う、熱源モニタリングシステム。
【請求項6】
請求項1において、
前記熱電変換ユニットは、前記配管外面に熱電発電素子を複数個実装した熱電発電モジュールが装着され、
前記熱電発電モジュールの外面に、前記放熱フィンが巻きつけられており、
前記放熱フィンは、前記熱電発電モジュール側に位置する、屈曲可能なベースプレートと、前記ベースプレート上に設けられ、該ベースプレートと柔軟性接着剤又は接着シートで接着された折り曲げフィンと、前記ベースプレートの両端にそれぞれ設けられ、前記ベースプレートが前記熱電発電モジュールに巻きつけられた状態で、締めあげ、固定する機構を有する剛性フランジとを備えた、
熱電モニタリングシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱水や蒸気などの熱源の状態を常時監視する、熱源モニタリングシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
温泉場などに引かれる温泉水や蒸気などの熱源の状態は、降雨、降雪や強風などの自然環境によって大きく変化するため、熱源モニタリングシステムによって常時監視する場合が多い。また近年では、この温泉水や蒸気を用いた地熱発電も注目されている。
【0003】
この熱源は一般に山岳地帯や河川上流などの遠隔地に位置するため、電気が通っておらず(未電化地域)、温泉水の温度や流量を監視するセンサや通信装置などを動作させる電源として乾電池のような一次電池を使用していた。この一次電池は寿命が有限でその寿命前に交換する必要があり、往来に不便な場所では一次電池の交換に手間とコストがかかっていた。
【0004】
このため、従来から、動作電源として一次電池に代えて二次電池のような蓄電手段を使用することが行われており、温泉水のような流体を通すパイプと、パイプを覆って温度差により電力を発生させる熱電変換ユニットと、この熱電変換ユニットに接続されて当該発生電力を蓄電する二次電池のような蓄電手段とを備え、パイプ温度や流量などを各計測機器で計測して当該データを外部に通信する、熱源モニタリングシステムが知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、従来システムでは、各計測機器などの動作開始時および測定開始時に必要とされるピーク時の消費電力で熱電変換ユニットから発生させる電力を設定していたため、大きな発電量をもつ熱電変換ユニットを設置する必要があり、システム全体が大型化していた。
【0007】
また、熱源が地熱(温泉)では、熱電変換ユニットは常時電力を発生することができるのに対して、システムは例えば5分に1回程度、間欠した計測動作をするので、不動作時に二次電池による蓄電によって電力の無駄は少ないものの、一時的に蓄電容量をオーバーしてあふれることにより余剰電力が発生し、この余剰電力を使い切れずに消滅させることもある。このとき、二次電池の蓄電容量を大きくすればよいが、システムが大型化する。したがって、二次電池を小型化しながら省エネルギの観点から電力の有効利用を図る必要もあった。
【0008】
本発明は、容易にシステムの小型化を可能とするとともに、電力の有効利用を図ることができる熱源モニタリングシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明に係る熱源モニタリングシステムは、熱源の熱水または蒸気の流体を通す配管、前記配管表面に装着されて温度差により電力を発生させる熱電変換ユニット、前記熱電変換ユニットに接続されて当該発生電力を蓄電する蓄電手段、少なくとも配管温度を計測する計測手段、前記計測値を演算する制御手段、演算されたデータを送信する通信手段、および前記制御手段、前記通信手段および前記蓄電手段を収納する筐体を備える。前記制御手段は、設定されたシステム全体の平均消費電力に基づいて、前記蓄電手段の電力使用を平均化する制御を行う蓄電電力制御手段を備えている。
【0010】
この構成によれば、熱源モニタリングシステムのピーク時の消費電力に基づくのではなく、例えば各機器の動作タイミングをずらすことにより、システム全体の平均消費電力に基づく蓄電手段の電力使用を平均化する制御を行うので、より小さな発電量を有する熱電変換ユニットを使用でき、システムを容易に小型化できる。また、蓄電手段の電力使用の平均化により、蓄電手段を効率的に充放電させることが可能となり、小型化しながら電力の有効利用を図ることができる。
【0011】
好ましくは、前記蓄電電力制御手段は、システムの各機器をシーケンシャルに動作させる機器シーケンシャル動作部を備える。したがって、さらに熱電変換ユニットを小さくしてシステムをより小型化でき、蓄電手段のより効率的な充放電が可能となる。
【0012】
好ましくは、前記制御手段は、さらに、前記筐体内の温度を上げる制御を行う発熱制御部を備えている。寒冷地の設置場所では低温となって機器によっては動作不良となる場合があり、筐体内の温度を上げることにより低温対策とすることができる。
【0013】
また好ましくは、前記発熱制御部は、前記筐体内の制御手段の動作周波数を上げて内部温度を上げる制御を行う。この場合、容易に低温対策をすることができる。
【0014】
好ましくは、前記発熱制御部は、前記熱電変換ユニットの発生電力の余剰電力を用いて、筐体内部に配置した発熱体を発熱させて内部温度を上げる制御を行う。この場合、低温対策をするとともに、熱電変換ユニットから発生する電力の有効利用を図ることができる。
【0015】
さらに好ましくは、前記熱電変換ユニットは、前記配管外面に熱電発電素子を複数個実装した熱電発電モジュールが装着され、前記熱電発電モジュールの外面に、前記放熱フィンが巻きつけられている。前記放熱フィンは、前記熱電発電モジュール側に位置する、屈曲可能なベースプレートと、前記ベースプレート上に設けられ、該ベースプレートと柔軟性接着剤又は接着シートで接着された折り曲げフィンと、前記ベースプレートの両端にそれぞれ設けられ、前記ベースプレートが前記熱電発電モジュールに巻きつけられた状態で、締めあげ、固定する機構を有する剛性フランジとを、備えている。したがって、熱電変換ユニットを小型化して配管に容易に装着することができ、高い出力電力を得ることが可能となる。
【発明の効果】
【0016】
本発明では、システム全体の平均消費電力に基づく蓄電手段の電力使用を平均化する制御を行うので、より小さな発電量を有する熱電変換ユニットを使用でき、システムを容易に小型化できる。また、蓄電手段を効率的に充放電させることが可能となり電力の有効利用を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の一実施形態に係る熱源モニタリングシステムを示す概略配置図である。
【
図2】本システムにおける筐体内の具体的な配置図である。
【
図3】
図1の熱源モニタリングシステムの構成図である。
【
図4】本システムにおける制御手段を示す構成図である。
【
図5】本システムのモニタリングリング動作の一例を示す図である。
【
図6】本システムのモニタリングリング動作の他例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態を図面にしたがって説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る熱源モニタリングシステム1を示す概略配置図である。この熱源モニタリングシステム1は、熱源の温泉水または蒸気の流体を通すパイプのような配管2と、配管2の表面に装着されて温度差により電力を発生させる熱電変換ユニット3とを備えている。
【0019】
配管2は、好ましくは、温泉水や蒸気による腐食に耐える強化プラスチック製やステンレス製などが適するが、設置場所の温泉水や蒸気の条件により、他の配管材の選択を妨げない。
【0020】
熱電変換ユニット3には外気側でこれを冷却する放熱フィン4が取り付けられ、さらに放熱して冷却する図示しないヒートシンクも有して放熱器を形成しており、例えば半導体に配管2表面の高温側熱源とこれら外気側の低温側放熱器との温度差を与えることにより、半導体の両端から起電力を発生させている(ゼーベック効果)。
【0021】
熱電変換ユニット3は、例えば、配管2外面に図示しない熱電発電素子を複数個実装した熱電発電モジュールが装着され、この熱電発電モジュールの外面に、放熱フィン4が巻きつけられている。放熱フィン4は、前記熱電発電モジュール側に位置する、同様に図示しない屈曲可能なベースプレートと、このベースプレート上に設けられ、該ベースプレートと柔軟性接着剤又は接着シートで接着された折り曲げフィンと、ベースプレートの両端にそれぞれ設けられ、ベースプレートが熱電発電モジュールに巻きつけられた状態で、締めあげ、固定する機構を有する剛性フランジとを、備えている。したがって、熱電変換ユニット3を小型化して配管2に容易に装着することができ、高い出力電力を得ることが可能となる。
【0022】
また、本システム1は、熱電変換ユニット3に接続されて当該発生電力を蓄電する例えばリチウムイオン電池(二次電池)のような蓄電手段5を備えている。本システム1は、蓄電手段5を備えているので、遠隔地でも自立して作動することができる。蓄電手段5の直流電圧を計測動作用等に使用される他の直流電圧に変換する2つのDC/DCコンバータ11、12も設けられている。
【0023】
本システム1は、配管温度および流量を計測する計測手段6を備えている。配管2の表面温度を計測する熱電対のような温度センサ13、外気側の温度を計測する温度センサ14、および流体の流量を計測する流量センサ15が設けられている。温度センサ13、14は、それぞれ複数の場所に設けられる。例えば温度センサ13は、配管2の先端開放部や末端側など、温度センサ14は、熱電変換ユニット3の直近部や筐体近傍部などに配置される。
【0024】
各計測値は、例えばマイクロコンピュータのような制御手段7により演算される。また、配管2表面温度と外気側温度との温度差、熱電変換ユニット3からの出力電圧なども演算される。演算されたデータは、例えばLTE(通信モジュール)のような通信手段8によって送信される。システム1全体を撮像するカメラ25(
図3)の画像データも送信される。これにより、本システム1の動作状態を遠隔地から観測できる。
【0025】
蓄電手段(二次電池)5とDC/DCコンバータ11、12、制御手段(マイクロコンピュータ)7および通信手段(通信モジュール)8などは筐体10に収納される。筐体10は雨や雪から内部機器を保護する防水構造になっており、温泉場では硫黄などが発生している場合が多く、これら腐食性物質から内部機器を保護する防蝕構造になっている。
【0026】
制御手段7は、さらに、筐体10内の内部温度を上げる制御を行う発熱制御部23(
図4)を備えている。筐体近傍部の温度センサ14が例えば厳冬期に0℃以下を計測したとき、発熱制御が行われる。この場合、発熱制御部23は、筐体10内のマイクロコンピュータ7の動作周波数を上げて内部温度を上げる制御を行う。マイクロコンピュータは動作周波数(クロック周波数)を高めることで性能を向上させるが、動作周波数を増大させることにより発熱量も増大することを利用している。この場合、寒冷地の設置場所では低温となって機器によっては動作不良となる場合があり、筐体10内の温度を上げることにより動作不良を防止して低温対策とすることができる。
【0027】
前記発熱制御部23は、前記熱電変換ユニット3の発生電力の余剰電力を用いて、筐体10内部の破線ブロックで示す発熱体(ヒータ)27を発熱させて内部温度を上げる制御を行ってもよい。この場合、低温対策をするとともに、余剰電力の有効利用を図ることができる。
【0028】
図2は、本システムの筐体10内の配置を具体的に示す図である。図の左側に二次電池(バッテリ)5とDC/DCコンバータ11、12などが配置され、右側に発熱体ともなるマイクロコンピュータ7と通信モジュール8などが配置されている。なお、筐体10を熱源に近づけて設置するようにして筐体10の内部温度を上げるようにしてもよい。
【0029】
図3は、
図1の熱源モニタリングシステムのシステム構成図である。熱電変換ユニット3からの発生電力は、バッテリ制御部(DC/DCコンバータ(降圧)を含む)9により、二次バッテリ5に所定電圧で蓄電される。二次バッテリ5に蓄電された電力は、前記DC/DCコンバータ11によりさらに例えば5Vに降圧され、DC/DCコンバータ12により例えば24Vに昇圧される。
【0030】
5Vに降圧された電力は、例えばカメラ25、マイクロコンピュータ7、通信モジュール8、およびパイプ2の表面温度を計測する熱電対のような第1温度センサ13,外気温を計測する第2温度センサ14に供給される。24Vに昇圧された電力は、流量センサ15およびシステム1およびシステム1周辺の照明を行うLED照明26に供給される。
【0031】
図4に示すように、制御手段7は、システム1の各計測値を演算する計測演算手段16、システム全体の平均消費電力を設定するシステム平均消費電力設定手段17、設定されたシステム全体の平均消費電力に基づいて、二次電池5の電力使用を平均化する制御を行う蓄電電力制御手段18を備える。制御手段7は、設定されたシステム全体の平均消費電力に基づいて、蓄電手段5の蓄電容量も設定する。
【0032】
蓄電電力制御手段18では、二次電池5の電力使用を平均化するのに、熱源モニタリングシステム1のピーク時の消費電力に基づくのではなく、システム全体の平均消費電力に基づく制御を行っている。例えば複数の構成機器A~Fについてすべて同時に動作させるのではなく、それぞれ動作タイミングを互いにずらすことによってシステム全体の電力使用を平均化してピーク電力を下げる。また、機器A~Fのうち、一定数の機器について、例えばA~Cを同時に動作させ、他の機器D~Fをそれぞれ別のタイミングで動作させるようにしてもよい。
【0033】
これによって、従来、熱電変換ユニット3が構成機器をすべて同時に動作させた状態のピーク電力を出し続けて大きな発電量を賄っていたのに対し、機器すべてを同時に動作させるのではなく各機器の動作タイミングを互いにずらすことによって電力使用を平均化してピーク電力を下げ、より小さな発電量を有する熱電変換ユニット3を使用することができ、システム1全体を容易に小型化できる。また、蓄電手段5の電力使用の平均化により、二次電池5を効率的に充放電させることが可能となって、一時的に蓄電容量をオーバーしてあふれること(余剰電力)が少なくなり、電力の無駄を小さくできる。したがって、二次電池5を小型化しながら効率的に充放電させて電力の有効利用を図ることができる。
【0034】
図4の蓄電消費電力制御手段18は、さらに、システム1の各構成機器をシーケンシャルに動作させる機器シーケンシャル動作部19を備えることが好ましい。例えば構成機器A~FについてAの動作を完了させた後、Bを動作させ、Bの動作を完了させた後、Cを動作させる。以下順次D、E、Fと動作させる。このとき、ピーク電力はA~Fのうちいずれかの機器の最大値で決定される。これによって、電力使用はより小さく平均化されピーク電力をより下げることができる。
【0035】
このように、さらに蓄電手段5の電力使用が容易に小さく平均化されて熱電変換ユニット3を小さくしシステム1をより小型化できる。また、蓄電手段5を小型化しながらより効率的に充放電させて電力の有効利用を図ることができる。
【0036】
図5は、本システムにおけるモニタリングリング動作の一例を示す図である。上欄は熱電変換ユニット3の発電量を棒グラフで示したものであり、縦軸は発電量(W)、横軸は日付と時間当たりのログデータである。Aブロックは例えば配管2の下流側のように温度差が小さく、Bブロック配管2の上流側の熱電変換ユニット3の直近のように温度差が大きい。下欄はLED照明26の点灯状態を示したものである。例えば、夜間(18:00~6:00)にLEDを点灯させ、昼間(6:00~18:00)にLEDを消灯させている。
【0037】
図6は、本システムにおけるモニタリングリング動作の他例を示す図である。
温度差と発生電圧の関係を示すもので、縦軸は温度(℃)と電圧(V)、横軸は
例えば10分当たりのログデータであり、熱電変換ユニット3の直近、パイプ温度、ヒートシンク温度、周囲温度、温度差、および開放端電圧の各変化を折れ線グラフで示している。例えば、温度差が大きいとき(図示c、d)、開放端電圧が大きくなっている(図示a、b)。
【0038】
このように、本発明では、熱源の状態のモニタリングにおいて、蓄電電力制御手段18によりシステム全体の平均消費電力に基づく二次電池5の電力使用を平均化する制御を行うので、より小さな発電量を有する熱電変換ユニット3を使用でき、システム1を容易に小型化することができる。また、二次電池5を小型化しながら効率的に充放電させることが可能となり電力の有効利用を図ることができる。
【0039】
なお、上記実施形態では、蓄電手段5として二次電池を使用しているが、これに代えて、例えば充放電時の損失が少ない電気二重層コンデンサ(EDLC)などのような電力保持素子を使用してもよい。
【0040】
なお、上記実施形態では、温泉場における温泉水や蒸気の熱源モニタリングを例示しているが、地熱発電における熱源モニタリングでもよい。また他に石油プラントなどの排熱設備における熱源モニタリングでもよい。
【0041】
本発明は、以上の実施形態に限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で、種々の追加、変更または削除が可能である。したがって、そのようなものも本発明の範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0042】
1:熱源モニタリングシステム
2:配管(パイプ)
3:熱電変換ユニット
4:放熱フィン
5:蓄電手段(二次電池)
6:計測手段
7:制御手段(マイクロコンピュータ)
8:通信手段
10:筐体
13:温度センサ
14:温度センサ
15:流量センサ
16:計測演算手段
17:システム平均消費電力設定手段
18:蓄電電力制御手段
19:機器シーケンシャル動作部
23:発熱制御部