(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024022148
(43)【公開日】2024-02-16
(54)【発明の名称】変速機構
(51)【国際特許分類】
F16H 61/02 20060101AFI20240208BHJP
F16H 61/28 20060101ALI20240208BHJP
F16H 59/04 20060101ALI20240208BHJP
F16H 61/12 20100101ALI20240208BHJP
【FI】
F16H61/02
F16H61/28
F16H59/04
F16H61/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022125514
(22)【出願日】2022-08-05
(71)【出願人】
【識別番号】720001060
【氏名又は名称】ヤンマーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】末松 佑太
(72)【発明者】
【氏名】石田 博康
【テーマコード(参考)】
3J067
3J552
【Fターム(参考)】
3J067AA03
3J067AA21
3J067AB23
3J067AC02
3J067BA51
3J067CA31
3J067DA52
3J067DB32
3J067FB83
3J067GA14
3J552MA04
3J552MA17
3J552NA07
3J552NB01
3J552PA51
3J552PB01
3J552QC04
3J552RA12
3J552RA19
3J552SA26
3J552SA30
3J552SB02
3J552TA01
3J552VA01W
3J552VA62W
(57)【要約】
【課題】ポテンショメータを用いることなく変速操作による変速部材の移動を判定することにより、ポテンショメータの数を低減して、変速機構を小型化できる。
【解決手段】変速機構(100)は、変速操作を受け付ける変速操作部(110)と、特定の回転位相で出力を変速する変速部材(120)と、変速操作部(110)の変速操作に基づいて変速部材(120)を変速するアクチュエータ(130)と、アクチュエータ(130)に流れる電流を測定する測定部(140)と、測定部(140)において測定された電流に基づいて変速部材(120)の変速動作を判定する制御部(182)とを備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
変速操作を受け付ける変速操作部と、
特定の回転位相で出力を変速する変速部材と、
前記変速操作部の変速操作に基づいて前記変速部材を変速するアクチュエータと、
前記アクチュエータに流れる電流を測定する測定部と、
前記測定部において測定された前記電流に基づいて、前記変速部材の変速動作を判定する制御部と
を備える、変速機構。
【請求項2】
前記制御部は、前記測定部において測定された前記電流の所定のピーク値に基づいて前記変速部材の変速動作を判定する、請求項1に記載の変速機構。
【請求項3】
前記制御部は、前記測定部において測定された前記電流の変化量に基づいて前記変速部材の変速動作を判定する、請求項2に記載の変速機構。
【請求項4】
前記制御部は、前記変速部材の変速動作が完了しなかったと判定した場合、前記アクチュエータに出力する電流を増加させる、請求項2または3に記載の変速機構。
【請求項5】
前記制御部は、前記変速部材の変速動作が完了しなかったと判定した場合、前記アクチュエータに逆方向の電流を出力する、請求項4に記載の変速機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、変速機構に関する。
【背景技術】
【0002】
走行車両が前進と後退との間で変速できることにより、走行車両は、好適に操作される。例えば、田植機等の作業用走行車両は、前進および後退を切り替えるように変速動作可能であることにより、作業用走行車両の作業性を向上できる。
【0003】
典型的には、走行車両の運転者は、変速レバー等の操作手段を介して走行車両の前進と後退との間で変速する。前後方向に操作することによって変速部材の変速段を切り替え可能な主変速レバーにおいて、変速段に応じて左右方向の操作による機能を異ならせることが検討されている(特許文献1参照)。特許文献1の作業車両では、主変速レバーの操作に応じてモーターを作動させることにより、スライドギアの変速段を切り替えできる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の作業車両では、スライドギアの位置は、ポテンショメータで検知される。このように、スライドギアの位置をポテンショメータで検知する場合、変速機構を小型化できないことがある。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ポテンショメータを用いることなく変速操作による変速部材の移動を判定することにより、ポテンショメータの数を低減可能な変速機構を、をひいては小型化された変速機構を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一局面によれば、変速機構は、変速操作を受け付ける変速操作部と、特定の回転位相で出力を変速する変速部材と、前記変速操作部の変速操作に基づいて前記変速部材を変速するアクチュエータと、前記アクチュエータに流れる電流を測定する測定部と、前記測定部において測定された前記電流に基づいて、前記変速部材の変速動作を判定する制御部とを備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ポテンショメータを用いることなく変速操作による変速部材の移動を判定することにより、ポテンショメータの数を低減でき、これにより、変速機構を小型化できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施形態の変速機構を備えた走行車両の模式図である。
【
図2】本実施形態の変速機構を備えた走行車両の模式的なブロック図である。
【
図3】本実施形態の変速機構における入力操作部の模式的な斜視図である。
【
図4】(a)および(b)は、本実施形態の変速機構における測定部の測定結果を示すグラフである。
【
図5】本実施形態の変速機構における変速部材の模式図である。
【
図6】(a)~(c)は、本実施形態の変速機構における変速部材のシフトの変化を示す模式図である。
【
図7】(a)~(c)は、本実施形態の変速機構の変化を示す模式図である。
【
図8A】本実施形態の変速機構を備えた走行車両における変速部材の切り替えを説明するためのフローチャートである。
【
図8B】本実施形態の変速機構を備えた走行車両における変速部材の切り替えを説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明による変速機構の実施形態を説明する。図中、同一または相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。なお、本願明細書では、発明の理解を容易にするため、互いに直交するX軸、Y軸およびZ軸を記載することがある。
【0011】
まず、
図1を参照して、本実施形態の変速機構100を備えた走行車両200を説明する。
図1は、本実施形態の変速機構100を備えた走行車両200の左側面図である。走行車両200は、農業用作業車両の一例である。ここでは、走行車両200の一例として、田植機について説明する。ただし、走行車両200は、田植機に限定されず、他の農業用作業車両であってもよい。
【0012】
走行車両200は、車両の回転によって走行する。走行車両200は、前進だけでなく後退できる。
【0013】
また、走行車両200は、走行車両200自体によって作業を行う。走行車両200は、移動しながら作業可能であることが好ましい。本実施形態において、走行車両200の前進方向は、
図1の紙面において左方向である。なお、以下の説明では、走行車両200の前進方向に向かって左側を左と称し、走行車両200の前進方向に向かって右側を右と称することがある。
【0014】
図1に示されるように、走行車両200は、走行部210と、ボディ220と、施肥機230と、植付部240と、測位ユニット260と、表示部270とを備える。走行部210、施肥機230、植付部240、測位ユニット260および表示部270は、ボディ220に取り付けられる。
【0015】
走行部210は、走行車両200の車体として構成される。走行部210により、走行車両200は走行する。走行部210は、変速機構100と、エンジン211と、ハンドル212と、ペダル213と、前輪214と、後輪216とを備える。走行部210は、エンジン211の動力によって走行する。
【0016】
前輪214および後輪216は、それぞれボディ220に対して左右一対に設けられている。前輪214および後輪216は、ボディ220を支持する。
【0017】
ボディ220は、ミッションケース222と、ボンネット224と、ダッシュボード226と、運転座席228とを有する。ミッションケース222は、左右の前輪214の間に配置される。ボンネット224は、ミッションケース222の前方上方に配置される。ダッシュボード226は、ボンネット224に対して運転座席228側に配置される。運転座席228は、前輪214と後輪216との間に配置される。運転座席228は、運転者の座席として用いられる。
【0018】
本実施形態において、前輪214の車軸には、車速センサ250が配置されている。車速センサ250は、車軸の回転を検出することで、走行部210の走行速度を検出する。なお、車速センサ250は、前輪214と異なる位置に配置されてもよい。
【0019】
エンジン211は、ボディ220の前側に支持されている。エンジン211は、ボンネット224に覆われる。ボンネット224は、開閉可能に構成されている。エンジン211は、走行車両200の動力源として機能する。
【0020】
エンジン211の動力は、ミッションケース222に入力される。ミッションケース222は、変速機構100を収容する。エンジン211の動力は、ミッションケース222により変速されて、前輪214および後輪216に伝達される。変速機構100は、エンジン211から前輪214または後輪216への出力を変速する。また、エンジン211の動力は、ミッションケース222を介して、植付部240に伝達される。
【0021】
運転座席228には、走行車両200の運転者が着座する。運転座席228は、ボディ220の前後方向において前輪214と後輪216との間に配置されている。運転座席228の前方には、ダッシュボード226および表示部270が配置される。ダッシュボード226には、ハンドル212が配置される。
【0022】
表示部270は、例えば、液晶ディスプレイまたは有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイのようなディスプレイによって構成される。また、液晶ディスプレイ等の表面に、タッチパネルが一体化された構成であってもよい。タッチパネルは、運転者の操作を受け付ける操作部280の一例である。操作部280は、タッチパネルに限定されず、ハードスイッチまたはハードボタン等であってもよい。
【0023】
本実施形態では、表示部270は、保持具(不図示)によってハンドル212の右側に取り付けられている。ただし、表示部270の位置はこれに限定されず、表示部270は、運転座席228に着座する運転者が視認できる位置に配置されればよい。
【0024】
ハンドル212は、運転座席228の前方に配置されたステアリングコラムに取り付けられている。運転者がハンドル212を手で握って回すことで、前輪214および後輪216の直進および旋回を指示できる。
【0025】
ペダル213は、運転座席228の前側の床から上方に突出するように配置されている。ペダル213を足で踏むことによって、運転者は、ペダル213を操作する。また、ペダル213には、運転者がペダル213への踏込みを解除したときにペダル213を戻すための戻しバネが取り付けられている(不図示)。
【0026】
運転者がペダル213を足で踏み込むことで、走行部210の走行を指示する。具体的には、運転者がペダル213を足で踏み込む深さを変更することによって、走行部210の増速または減速を指示する。一方、運転者がペダル213から足を離すことによって、走行部210の走行停止を指示する。
【0027】
植付部240は、走行部210の後方に配置されている。植付部240は、苗を圃場に対して植え付ける。植付部240は、昇降リンク機構241を介して走行部210に連結されている。植付部240は、例えば、植付ユニット242および苗載台243を含む。苗載台243には、苗マットが載置される。苗載台243に載置された苗マットの苗は、植付ユニット242に供給される。植付ユニット242は、苗を圃場に植え付ける。
【0028】
走行部210には、昇降シリンダ244が配置されている。昇降シリンダ244が伸縮駆動することにより、走行部210に対して植付部240を上下に昇降させる。
【0029】
施肥機230は、肥料タンク231と、繰出部232と、搬送ホース234と、ブロワ235と、繰出体236とを備える。本実施形態では、施肥機230は、複数の肥料タンク231と、肥料タンク231と同数の繰出部232とを備える。施肥機230は、走行部210に支持され圃場で作業する作業部の一例であり、圃場に農用資材を供給する作業を行う。
【0030】
肥料タンク231は、走行部210の前後方向において運転座席228と苗載台243との間の位置に配置されている。本実施形態において、肥料タンク231は、例えば、粉粒体状の肥料を貯留する。粉粒体状の肥料は、農用資材の一例である。
【0031】
繰出部232は、肥料タンク231の下部に接続されている。繰出部232は、肥料タンク231から供給された肥料を所定量ずつ下方に繰り出す。
【0032】
繰出部232の内部には、肥料が通過可能な経路が配置されている(不図示)。当該経路には、略円板形状を有する繰出体236が回転可能に配置されている。即ち、繰出部232は、繰出体236を含む。繰出体236には、所定量の肥料を収容可能な複数の繰出凹部が形成されている(不図示)。繰出体236を回転させることによって、繰出凹部に収容された肥料が経路の下流に繰り出される。
【0033】
なお、電動モーターは、施肥機230の適宜の位置に取り付けられる。電動モーターは、繰出部232の繰出体236を回転させる駆動源として機能する。
【0034】
搬送ホース234は、繰出部232の内部に配置される経路の下流側に接続されている。搬送ホース234は、可撓性を有する細長いチューブ状の部材である。
【0035】
ブロワ235は、繰出部232に近接した適宜の位置に配置されている。ブロワ235は、空気流を生成して、繰出部232の内部の経路に空気流を送り出す。その結果、搬送ホース234を通じて当該経路の下流に繰り出された肥料が圃場に供給される(施肥される)。
【0036】
施肥コントローラは、電動モーターを制御して繰出体236の動作速度を変更することによって、単位時間当たりに搬送ホース234に繰り出される肥料の量を変更する。
【0037】
測位ユニット260は、走行車両200の位置を示す位置情報を取得する。測位ユニット260は、例えば、測位用アンテナ、および位置情報受信機を含む。測位用アンテナは、例えば衛星測位システム(GNSS:Global Navigation Satellite System)等の測位システムを構成する測位衛星からの信号を受信する。測位用アンテナで受信された測位信号は、位置情報受信機に入力される。位置情報受信機は、入力された測位信号を信号処理して走行車両200の位置を示す位置情報を取得する。
【0038】
図2は、本実施形態に係る走行車両200の構成を示すブロック図である。走行車両200は、走行部210、施肥機230、車速センサ250、測位ユニット260、表示部270および操作部280に加えて、制御部182、記憶部184、および、通信部290を備える。
【0039】
制御部182は、例えば、中央処理演算装置(Central Processing Unit:CPU)のようなプロセッサを有する。プロセッサは、記憶部184に記憶されたコンピュータプログラムを実行することにより、コンピュータプログラムで規定された各種処理を実行する。制御部182の詳細については後述する。
【0040】
記憶部184は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、またはSSD(Solid State Drive)のようなメモリを有する。記憶部184は、制御部182によって実行されるコンピュータプログラムを記憶する。また、記憶部184は、複数の圃場のそれぞれに関する作業情報を記憶する。作業情報は、例えば、圃場の位置情報、圃場の名称、圃場の供給量計画情報等を含む。
【0041】
通信部290は、サーバと無線通信を行う。通信部290は、サーバから供給量計画情報を受信して、制御部182へ出力する。制御部182は、通信部290がサーバから受信した供給量計画情報を、記憶部184に記憶する。
【0042】
図2に示される制御部182は、サーバから受信した供給量計画情報を記憶部184に記憶する構成であるが、この構成に限定されない。例えば、制御部182は、USB(Universal Serial Bus)メモリ等の記憶媒体に記憶されている供給量計画情報を読み出して、記憶部184に記憶してもよい。
【0043】
変速機構100は、変速操作部110と、変速部材120と、アクチュエータ130と、測定部140とを備える。変速操作部110は、運転者の変速操作を受け付ける。運転者は、変速部材120の変速動作を実行するために変速操作部110を操作する。運転者が変速操作部110を操作することにより、変速部材120は、出力を変速する。例えば、運転者は、変速操作部110を操作して、変速部材120の駆動を前進に切り替える。この場合、前輪214および/または後輪216は、前進方向に回転する。あるいは、運転者は、変速操作部110を操作して、変速部材120の駆動を後退に切り替える。この場合、前輪214および/または後輪216は、後退方向に回転する。
【0044】
変速部材120は、特定の回転位相で変速する。変速部材120は、変速操作部110の変速操作に応じて、特定の回転位相で変速する。変速部材120は、シャフトに対して移動可能なシフトを有してもよい。
【0045】
アクチュエータ130は、変速操作部110の変速操作に応じて、変速部材120の回転位相を変速する。例えば、アクチュエータ130は、モーターを含む。アクチュエータ130は、シフトの位置を移動させる。
【0046】
アクチュエータ130は、制御部182の制御により、変速部材120を変速する。制御部182は、変速操作部110の変速操作に応じてアクチュエータ130を制御する。例えば、変速操作部110が前進するよう操作されると、制御部182の制御により、アクチュエータ130は、変速部材120の駆動を前進に切り替える。あるいは、変速操作部110が後進するよう操作されると、制御部182の制御により、アクチュエータ130は、変速部材120の駆動を後進に切り替える。
【0047】
測定部140は、アクチュエータ130の出力を測定する。例えば、測定部140は、アクチュエータ130に流れる電流を測定する。一例では、測定部140は、電流計を含む。
【0048】
変速操作部110は、運転者によって操作される入力操作部112と、入力操作部112の操作結果を検知する操作検知部114とを有してもよい。例えば、入力操作部112は、レバーを含み、操作検知部114は、ポテンショメータを含む。
【0049】
上述したように、アクチュエータ130は、変速部材120のシフトの位置を移動させる。このように、変速機構100は、シフトバイワイヤであってもよい。
【0050】
次に、
図1~
図3を参照して、本実施形態の変速機構100における入力操作部112を説明する。
図3は、本実施形態の変速機構100における入力操作部112の模式的な斜視図である。
【0051】
図3に示すように、入力操作部112は、運転者によって操作される。例えば、入力操作部112は、レバー112aを含む。レバー112aは、ハンドル212の側方および運転座席228の前方のダッシュボード226に配置される。
【0052】
ダッシュボード226には、レバー112aが移動可能な開口部112bが設けられる。レバー112aは、開口部112bに沿って操作できる。レバー112aの操作に応じて走行車両200は走行する。
【0053】
開口部112bは、前後方向に延びる第1部分112b1と、第1部分に隣接して前後方向に延びる第2部分112b2と、第1部分112b1と第2部分112b2とを連絡して左右方向に延びる連絡部分112b3とを有する。第1部分112b1において、レバー112aは、前進、中立位置(ニュートラル)、後退のいずれかの位置に操作できる。
【0054】
レバー112aが第1部分112b1に位置する場合、走行車両200は、レバー112aの位置に応じて走行する。この場合、走行車両200は、レバー112aの位置に応じて走行するとともに作業できる。
【0055】
レバー112aが第1部分112b1の前進の位置に操作される場合、走行車両200は前進する。レバー112aが第1部分112b1のニュートラルの位置に操作される場合、エンジン211が駆動していても、走行車両200は走行しない。レバー112aが第1部分112b1の後退の位置に操作される場合、走行車両200は後退する。
【0056】
レバー112aが第2部分112b2に位置する場合、走行車両200は、前進する。この場合、走行車両200は、走行とともに作業できないが、レバー112aが前進の位置にある場合と比べて速い速度で走行できる。
【0057】
次に、
図1~
図4を参照して、本実施形態における変速機構100を説明する。
図4(a)および
図4(b)は、測定部140による測定結果を示すグラフである。ここでは、測定部140は、アクチュエータ130の電流を測定する。
【0058】
図4(a)に示すように、測定部140によって測定された電流のうち所定部分のピーク値が所定値以上である場合、制御部182は、変速部材120の変速動作を判定する。例えば、制御部182は、測定部140によって測定された電流において、正の突入電流の発生後に2A程度に減少してから増加して減少するまでのピーク値が3A以上である場合、制御部182は、変速部材120がニュートラルから前進に変速したと判定する。
【0059】
同様に、制御部182は、測定部140によって測定された電流において、負の突入電流の発生後に-2A程度に増加してから減少して増加するまでのピーク値が-3A以下である場合、制御部182は、変速部材120が前進からニュートラルに変速したと判定する。また、制御部182がアクチュエータ130に逆方向の電流を出力することにより、アクチュエータ130は、変速部材120を逆方向に変速できる。
【0060】
ここでは、変速部材120が前進とニュートラルとの間で変速した場合について説明したが、変速部材120がニュートラルと後退との間で変速する場合も同様であり、冗長を避ける目的で重複する説明を省略する。
【0061】
なお、
図4(a)を参照した上述の説明では、電流のピーク値に基づいて変速部材120の変速動作を判定したが、本実施形態はこれに限定されない。電流の変化量に基づいて変速部材120の変速動作を判定してもよい。
【0062】
図4(b)に示すように、電流の変化量が所定値以上である場合、制御部182は、変速部材120の変速動作を判定する。例えば、制御部182は、測定部140によって測定された電流値が、正の突入電流の発生後に2A程度に減少してから所定の閾値よりも大きい変化量で減少する場合、制御部182は、変速部材120がニュートラルから前進に変速したと判定する。
【0063】
同様に、制御部182は、測定部140によって測定された電流値が、負の突入電流の発生後に-2A程度に増加してから所定の閾値よりも大きい変化量で増加する場合、制御部182は、変速部材120が前進からニュートラルに変速したと判定する。また、制御部182がアクチュエータ130に逆方向の電流を出力することにより、アクチュエータ130は、変速部材120を逆方向に変速できる。
【0064】
また、ここでも、変速部材120が前進とニュートラルとの間で変速した場合について説明したが、変速部材120がニュートラルと後退との間で変速する場合も同様であり、冗長を避ける目的で重複する説明を省略する。
【0065】
なお、制御部182は、変速部材120の変速動作が完了していないと判定した場合、アクチュエータ130に出力する電流を増加させてもよい。例えば、制御部182は、変速部材120の変速動作が完了していないと判定した場合、次にアクチュエータ130に出力する電流の絶対値が先に出力した電流の絶対値よりも大きくなるように設定を変更してもよい。これにより、先の変速動作では、測定部140の測定結果から変速部材120の変速動作を判定できなかった場合でも、アクチュエータ130は、変速部材120を変速できるため、次回以降の変速動作では、測定部140の測定結果から変速部材120の変速動作を判定できる。これにより、変速機構100の個体差として変速動作に必要な電流が不足する場合でも、アクチュエータ130は、変速部材120を変速できる。
【0066】
さらに、電流の絶対値が大きくなるように設定を変更した後でも、変速部材120の変速動作を判定できなかった場合、制御部182は、アクチュエータ130にあらかじめ設定された電流とは逆方向の電流を出力した後で、アクチュエータ130による変速部材120の変速を実行してもよい。このように、変速動作に必要な電流を出力した場合でも変速動作が完了しなかった場合には、アクチュエータ130が変速部材120を一旦逆方向に変速することにより、その後、アクチュエータ130は、変速部材120を所定の方向に変速できる。
【0067】
なお、電流の絶対値が大きくなるように設定を変更する場合でも、電流の絶対値の最大値があらかじめ設定されていることが好ましい。これにより、アクチュエータ130に過剰な電流が流れることを抑制できる。
【0068】
次に、
図5を参照して、本実施形態の変速機構100における変速部材120を説明する。
図5は、本実施形態の変速機構100における変速部材120の模式図である。
【0069】
図5に示すように、変速部材120は、エンジン211によって回転するシャフトSに取り付けられる。変速部材120は、シャフトSの回転の位相を変えて伝達する。
【0070】
例えば、変速部材120は、シフタ122と、第1クラッチ部分124と、第2クラッチ部分126とを有する。シフタ122は、第1クラッチ部分124および第2クラッチ部分126に対して移動する。例えば、シフタ122の移動により、シャフトSの回転は、第1クラッチ部分124に伝達される。また、シフタ122が別に移動することにより、シャフトSの回転は、第2クラッチ部分126に伝達される。
【0071】
ここでは、変速部材120は、ボールクラッチを有してもよい。変速部材120がボールクラッチを有する場合、シフタ122を移動させてボールクラッチのボールをシャフトSに対して押圧することにより、シャフトSの回転を伝達できる。
【0072】
なお、変速部材120がボールクラッチである場合には、変速操作部110によって変速操作されても、変速部材120が適切に変速しないことがある。例えば、変速部材120が特定の位相のためボールクラッチのボールが移動できず、変速部材120が適切に変速しないことがある。これに対して、本実施形態の変速機構100では、測定部140による測定結果から、アクチュエータ130が変速部材120を適切に変速したか判定できる。このため、本実施形態の変速機構100では、変速部材120がボールクラッチであっても、変速部材120が適切に変速したか簡便に判定できる。また、本実施形態の変速機構100では、ポテンショメータを用いることなく変速操作による変速部材120の移動を判定することにより、ポテンショメータの数を低減でき、これにより変速機構100を小型化できる。
【0073】
次に、
図1~
図6を参照して、本実施形態の変速機構100における変速部材120を説明する。
図6(a)~
図6(c)は、本実施形態の変速機構100における変速部材120の模式図である。
図6(a)~
図6(c)では、図面が過度に複雑になることを避ける目的で、シャフトSに対して+Z方向側の構成のみを示している。
【0074】
図6(a)に示すように、変速部材120は、シフタ122と、第1クラッチ部分124と、第2クラッチ部分126と、ボール128aと、ボール128bとを有する。シフタ122、第1クラッチ部分124および第2クラッチ部分126は、シャフトSの周囲に配置される。第1クラッチ部分124は、第2クラッチ部分126に対して+X方向側に位置する。典型的には、シフタ122は、アクチュエータ130からの駆動に応じて移動するが、ここでは、シフタ122を移動させる構成について省略する。
【0075】
シフタ122は、第1クラッチ部分124および第2クラッチ部分126に対して移動する。シフタ122は、ボール128aおよびボール128bを覆う。シフタ122は、端部122aと、端部122bと、中央部122cとを有する。端部122a、端部122b、中央部122cのそれぞれとシャフトSの間に空間122hが設けられる。中央部122cは、端部122aと、端部122bとを連結する。端部122aは、中央部122cに対して+X方向側に位置し、端部122bは、中央部122cに対して-X方向側に位置する。
【0076】
ボール128aは、第1クラッチ部分124に対応して配置される。第1クラッチ部分124には、挿入孔124hが設けられる。ボール128aは、挿入孔124hに対応して配置される。
【0077】
ボール128bは、第2クラッチ部分126に対応して配置される。第2クラッチ部分126には、挿入孔126hが設けられる。ボール128bは、挿入孔126hに対応して配置される。
【0078】
図6(a)に示すように、変速操作部110がニュートラルの位置に操作されている場合、シフタ122において、ボール128aおよびボール128bは、挿入孔124hおよび挿入孔126hに挿入されることなく、空間122h内に収まる状態になる。この場合、シフタ122は、ボール128aおよびボール128bを固定しないため、シャフトSの回転は、第1クラッチ部分124および第2クラッチ部分126のいずれにも伝達しない。
【0079】
図6(b)に示すように、変速操作部110がニュートラルから前進に操作されると、シフタ122は-X方向に移動する。このとき、シフタ122の端部122aがボール128aと接触してボール128aを押し出すことにより、ボール128aは第1クラッチ部分124の挿入孔124hに挿入される。シフタ122の端部122aは、ボール128aに接触した状態でボール128aをシャフトSに押し付けており、ボール128aは、第1クラッチ部分124に固定され、挿入孔124hに挿入された状態でシャフトSとともに回転する。このとき、ボール128bは、第2クラッチ部分126に固定されないままである。このため、シャフトSの回転は、第1クラッチ部分124に伝達される。一方で、シャフトSの回転は、第2クラッチ部分126には伝達しない。
【0080】
図6(c)に示すように、変速操作部110がニュートラルから後退に操作されると、シフタ122は+X方向に移動する。このとき、シフタ122の端部122bがボール128bと接触してボール128bを押し出すことにより、ボール128bは第2クラッチ部分126の挿入孔126hに挿入される。シフタ122の端部122bは、ボール128bに接触した状態でボール128bをシャフトSに押し付けており、ボール128bは、第2クラッチ部分126に固定され、挿入孔126hに挿入された状態でシャフトSとともに回転する。このとき、ボール128aは、第1クラッチ部分124に固定されないままである。このため、シャフトSの回転は、第2クラッチ部分126に伝達される。一方で、シャフトSの回転は、第1クラッチ部分124には伝達しない。
【0081】
変速部材120がボールクラッチを含む場合、シフタ122がボール128aおよび/またはボール128bを適切に押し出すことができずに、変速部材120が適切に変速動作できないことがある。例えば、変速部材120が特定の位相のためボールクラッチのボールが移動できず、変速部材120が適切に変速しないことがある。この場合でも、本実施形態の変速機構100では、測定部140がアクチュエータ130を流れる電流を測定することにより、アクチュエータ130による変速部材120の変速動作が適切に行われたか否かを精度よく判定できる。
【0082】
次に、
図1~
図7を参照して、本実施形態の変速機構100を説明する。
図7(a)~
図7(c)は、本実施形態の変速機構100の模式図である。
【0083】
図7(a)に示すように、変速機構100は、変速部材120、アクチュエータ130および測定部140に加えてリンク機構150をさらに備える。リンク機構150は、シフタ122と、アクチュエータ130とを連結する。シフタ122は、アクチュエータ130の動作により、シャフトSに対して移動する。
【0084】
リンク機構150は、付勢バネロッド152と、連結機構154と、シャフト156を備える。付勢バネロッド152は、アクチュエータ130の動作に応じて伸縮する。付勢バネロッド152は、アクチュエータ130が動作することで変位すると、アクチュエータ130の変位に応じて伸縮し、伸縮しながら連結機構154を変位させる。例えば、アクチュエータ130が付勢バネロッド152に近づく方向に変位した場合、付勢バネロッド152に力が付与され、付勢バネロッド152は縮む。アクチュエータ130が付勢バネロッド152から離れる方向に変位した場合、付勢バネロッド152は伸びる。
【0085】
連結機構154は、付勢バネロッド152と、シャフト156とを連結する。シャフト156は、変速部材120のシフタ122に取り付けられる。シャフト156の動きに応じて、シフタ122は移動する。
【0086】
図7(a)において、変速操作部110がニュートラルに操作された場合、アクチュエータ130は、付勢バネロッド152に対して力を付与しない。この場合、測定部140は、アクチュエータ130の電流を測定しなくてもよい。
【0087】
図7(b)に示すように、変速操作部110がニュートラルから前進に操作されると、アクチュエータ130は、付勢バネロッド152を引っ張る。これにより、付勢バネロッド152と連結機構154との連結部分は、シャフト156から離れる方向に移動する。この場合、測定部140がアクチュエータ130の電流を測定することにより、制御部182は、変速部材120の変速動作を判定できる。
【0088】
図7(c)に示すように、変速操作部110がニュートラルから後退に操作されると、アクチュエータ130は、付勢バネロッド152を圧縮する。これにより、付勢バネロッド152と連結機構154との連結部分は、シャフト156に近づく方向に移動する。この場合も、測定部140がアクチュエータ130の電流を測定することにより、制御部182は、変速部材120の変速動作を判定できる。
【0089】
次に、
図1~
図8Bを参照して、本実施形態の変速機構100を備えた走行車両200における変速動作を説明する。
図8Aおよび
図8Bは、本実施形態の変速機構100を備えた走行車両200における変速動作を説明するためのフローチャートである。
【0090】
図8Aに示すように、ステップS110において、アクチュエータ130は、変速部材120を変速させる。このとき、測定部140は、アクチュエータ130の電流を測定する。
【0091】
ステップS122において、電流値が所定の条件を満たすか否かを判定する。例えば、制御部182は、測定部140において測定された電流の絶対値が所定の条件を満たすか否かを判定する。一例では、制御部182は、測定部140において測定された電流の絶対値が、上限閾値よりも大きいか、下限閾値よりも大きく上限閾値以下であるか、下限閾値以下であるかを判定する。
【0092】
電流の絶対値が下限閾値よりも大きく上限閾値以下である場合(ステップS122においてOK)、処理は、ステップS124に進む。また、電流の絶対値が上限閾値よりも大きい場合(ステップS122おいて過大)、処理は、ステップS122aに進む。一方、電流の絶対値が下限閾値以下である場合(ステップS122おいて過少)、処理は、ステップS122pに進む。
【0093】
ステップS122pにおいて、アクチュエータ130の出力を停止する。詳細には、制御部182は、アクチュエータ130の出力を停止する。その後、ステップS122qにおいて、制御部182は、変速機構100が異常状態である旨を出力する。例えば、制御部182の制御により、変速機構100の異常状態を報知する。
【0094】
ステップS122aにおいて、異常状態の発生回数(異常発生回数)が閾値よりも大きいか否かを判定する。詳細には、制御部182は、異常発生回数が閾値よりも大きいか否かを判定する。異常発生回数が閾値以下である場合(ステップS122aにおいてNo)、処理は、ステップS122bに進む。また、異常発生回数が閾値よりも大きい場合(ステップS122aおいてYes)、処理は、ステップS122cに進む。
【0095】
例えば、閾値が1回に設定されている場合、制御部182は、異常発生回数が1回よりも大きいか否かを判定する。異常発生回数が1回以下である場合、制御部182は、異常発生回数が閾値以下であると判定する。一方で、異常発生回数が2回以上である場合、制御部182は、異常発生回数が閾値よりも大きいと判定する。
【0096】
ステップS122bにおいて、アクチュエータ130の出力を反転させる。詳細には、制御部182は、アクチュエータ130を逆方向に回転させる電流を出力する。これにより、電流値が過大となっても、変速機構100内において生じる負荷を解消することができる。その後、処理は、ステップS110に戻る。
【0097】
ステップS122cにおいて、アクチュエータ130の出力を停止する。詳細には、制御部182は、アクチュエータ130の出力を停止する。その後、ステップS122dにおいて、制御部182は、変速機構100が異常状態である旨を出力する。例えば、制御部182の制御により、変速機構100の異常状態を報知する。
【0098】
ステップS124において、アクチュエータ130の電流の位相が目標値に到達したか否かを判定する。例えば、制御部182は、アクチュエータ130の電流の位相が目標値に到達したか否かを判定する。
【0099】
アクチュエータ130の電流の位相が目標値に到達しない場合(ステップS124においてNo)、処理は、ステップS124aに進む。また、アクチュエータ130の電流の位相が目標値に到達する場合(ステップS124おいてYes)、処理は、ステップS126に進む。
【0100】
ステップS124aにおいて、経過時間が閾値よりも大きいか否かを判定する。詳細には、制御部182は、経過時間が閾値よりも大きいか否かを判定する。経過時間が閾値以下である場合(ステップS124aにおいてNo)、処理は、ステップS110に戻る。また、経過時間が閾値よりも大きい場合(ステップS124aおいてYes)、処理は、ステップS124bに進む。
【0101】
ステップS124bにおいて、アクチュエータ130の出力を停止する。詳細には、制御部182は、アクチュエータ130の出力を停止する。その後、ステップS124cにおいて、制御部182は、変速機構100が異常状態である旨を出力する。例えば、制御部182の制御により、変速機構100の異常状態を報知する。
【0102】
ステップS126において、アクチュエータ130の出力を停止する。詳細には、制御部182は、アクチュエータ130の出力を停止する。その後、処理は、ステップS128に進む。
【0103】
図8Bに示すように、ステップS128において、変速機構100のデテントが検知されるか否か判定する。詳細には、制御部182は、測定部140によって測定されたアクチュエータ130を流れる電流の傾きからデテントが検知されるか否かを判定する。変速機構100のデテントは、変速機構100の変速動作が適切に切り替わることによって検知される。
【0104】
デテントが検知されない場合(ステップS128においてNo)、処理は、ステップS128aに進む。また、デテントが検知される場合(ステップS128おいてYes)、処理は、ステップS128pに進む。
【0105】
ステップS128aにおいて、異常発生回数が閾値よりも大きいか否かを判定する。詳細には、制御部182は、異常発生回数が閾値よりも大きいか否かを判定する。異常発生回数が閾値以下である場合(ステップS128aにおいてNo)、処理は、ステップS128bに進む。また、異常発生回数が閾値よりも大きい場合(ステップS128aおいてYes)、処理は、ステップS128cに進む。
【0106】
ステップS128bにおいて、アクチュエータ130の目標位相を暫定的に更新する。詳細には、制御部182は、アクチュエータ130の目標位相を暫定的に更新する。その後、処理は、ステップS110に戻る。
【0107】
ステップS128cにおいて、制御部182は、変速機構100が異常状態である旨を出力する。例えば、制御部182の制御により、変速機構100の異常状態を報知する。
【0108】
ステップS128pにおいてアクチュエータ130の目標位相を更新する。詳細には、制御部182は、アクチュエータ130の目標位相を更新する。その後、処理は、ステップS130に進む。
【0109】
ステップS130において、シフト位置が目標位置に到達したか否かを判定する。詳細には、制御部182は、シフト位置が目標位置に到達したか否かを判定する。シフト位置が目標位置に到達する場合(ステップS130においてYes)、処理は、ステップS130aに進む。また、シフト位置が目標位置に到達していない場合(ステップS130おいてNo)、処理は、ステップS130bに進む。
【0110】
ステップS130aにおいて、シフトポジションを点灯する。詳細には、制御部182は、シフトポジションを点灯する。その後、処理は、終了する。
【0111】
ステップS130bにおいて、制御部182は、変速機構100が異常状態である旨を出力する。例えば、制御部182の制御により、変速機構100の異常状態を報知する。その後、処理は、終了する。
【0112】
本実施形態によれば、アクチュエータ130を流れる電流により、変速部材120による変速動作を判定できる。これにより、変速部材120の変速動作を簡便に判定できる。
【0113】
なお、上述した説明では、走行車両200の一例として田植機を説明したが、本実施形態はこれに限定されない。走行車両200は、トラクターであってもよい。
【0114】
以上、図面を参照して本発明の実施形態を説明した。ただし、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。また、上記の実施形態に開示される複数の構成要素を適宜組み合わせることによって、種々の発明の形成が可能である。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚み、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素の材質、形状、寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0115】
本発明は、変速機構に好適に用いられる。
【符号の説明】
【0116】
100 変速機構
110 変速操作部
120 変速部材
130 アクチュエータ
140 測定部
200 走行車両