(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024022189
(43)【公開日】2024-02-16
(54)【発明の名称】ウォーターサーバー
(51)【国際特許分類】
B67D 1/14 20060101AFI20240208BHJP
B67D 1/08 20060101ALI20240208BHJP
【FI】
B67D1/14 Z
B67D1/08 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022125586
(22)【出願日】2022-08-05
(71)【出願人】
【識別番号】316003276
【氏名又は名称】株式会社コスモライフ
(74)【代理人】
【識別番号】100130513
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 直也
(74)【代理人】
【識別番号】100074206
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 文二
(74)【代理人】
【識別番号】100127340
【弁理士】
【氏名又は名称】飛永 充啓
(74)【代理人】
【識別番号】100130177
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 弥一郎
(72)【発明者】
【氏名】荒川 眞吾
【テーマコード(参考)】
3E082
【Fターム(参考)】
3E082AA02
3E082BB01
3E082CC01
3E082EE01
3E082FF05
(57)【要約】
【課題】幼児のやけど事故を効果的に防止することが可能なウォーターサーバーを提供する。
【解決手段】出水操作部4は、出水ダイヤル40と、出水ダイヤル40を回動操作したときにその回動方向とは逆の回動方向に出水ダイヤル40を付勢する温水側バルブスプリング35と、出水ダイヤル40を前後方向の奥側に弾性保持するダイヤル引き込みばね54と、出水ダイヤル40がダイヤル引き込みばね54の付勢力に従って前後方向の奥側に移動した状態では出水ダイヤル40の回動操作を阻止し、出水ダイヤル40をダイヤル引き込みばね54の付勢力に抗して前後方向の手前側に引き出した状態では出水ダイヤル40の回動操作を許容するダイヤルロック機構55とを有する。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体(1)と、
前記筐体(1)の内部に配置された温水タンク(3)と、
前記温水タンク(3)から前記筐体(1)の外部に温水を注出する温水注出路(20)と、
前記温水注出路(20)を開閉する温水注出弁(21)と、
前記温水注出弁(21)を開弁するためにユーザーが操作する出水操作部(4)と、を有するウォーターサーバーにおいて、
前記出水操作部(4)は、前後方向に延びるダイヤル回動軸(44)を中心に回動可能かつ前後方向に移動可能に支持された出水ダイヤル(40)と、前記出水ダイヤル(40)を回動操作したときにその回動方向とは逆の回動方向に前記出水ダイヤル(40)を付勢するダイヤル回動復帰ばね(35)と、前記出水ダイヤル(40)を前後方向の奥側に弾性保持するダイヤル引き込みばね(54)と、前記出水ダイヤル(40)が前記ダイヤル引き込みばね(54)の付勢力に従って前後方向の奥側に移動した状態では前記出水ダイヤル(40)の回動操作を阻止し、前記出水ダイヤル(40)を前記ダイヤル引き込みばね(54)の付勢力に抗して前後方向の手前側に引き出した状態では前記出水ダイヤル(40)の回動操作を許容するダイヤルロック機構(55)と、を有することを特徴とするウォーターサーバー。
【請求項2】
前記ダイヤルロック機構(55)は、前記出水ダイヤル(40)から前後方向の奥側に向かって延びるように前記出水ダイヤル(40)に設けられたロック爪(56)と、前記出水ダイヤル(40)が前後方向の奥側に移動した状態では前記ロック爪(56)が挿入され、前記出水ダイヤル(40)が前後方向の手前側に移動した状態では前記ロック爪(56)が抜け出るように、前記出水ダイヤル(40)の前後方向の奥側に対向して配置されるハウジング壁(45)に形成されたロック穴(57)とで構成されている請求項1に記載のウォーターサーバー。
【請求項3】
前記ロック爪(56)は、前記出水ダイヤル(40)の外周に開口するボタン収容孔(58)に径方向に移動可能に収容したロック解除ボタン(59)に一体に形成され、
前記出水ダイヤル(40)には、前記ロック解除ボタン(59)を径方向外方に付勢するボタン付勢ばね(60)が組み込まれ、
前記ロック爪(56)には、前記ロック穴(57)の前後方向の奥側の開口縁の径方向外側の部分に係合するように前記出水ダイヤル(40)の径方向外方に突出する鍵部(61)が形成されている請求項2に記載のウォーターサーバー。
【請求項4】
前記鍵部(61)の前後方向の奥側の径方向外端に、前後方向の手前側から奥側に向かうにしたがって径方向内側に変位するように傾斜した爪側傾斜面(62)が形成され、
前記ロック穴(57)の前後方向の手前側の開口縁の径方向外側の部分に、前後方向の手前側から奥側に向かうにしたがって径方向内側に変位するように傾斜した穴側傾斜面(63)が形成されている請求項3に記載のウォーターサーバー。
【請求項5】
前記ロック解除ボタン(59)および前記ロック爪(56)は、前記出水ダイヤル(40)の回動中心を間に挟んで互いに180°反対の位置関係となるようにそれぞれ一対設けられている請求項3または4に記載のウォーターサーバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ウォーターサーバーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、主にオフィスや病院などでウォーターサーバーが利用されてきたが、近年、水の安全や健康への関心の高まりから、一般家庭にもウォーターサーバーが普及しつつある。ウォーターサーバーは、一般に、筐体と、筐体の内部に配置された冷水タンクおよび温水タンクと、冷水タンクから筐体の外部に冷水を注出する冷水注出路と、冷水注出路に設けられた冷水注出弁と、温水タンクから筐体の外部に温水を注出する温水注出路と、温水注出路に設けられた温水注出弁とを有する。そして、冷水注出弁と温水注出弁を選択的に開弁することで、いつでもすぐに美味しい冷水または温水を利用することができ、優れた利便性をもつ(例えば、特許文献1)。
【0003】
ところで、温水が利用できるタイプのウォーターサーバーにおいては、幼児が不用意にウォーターサーバーを操作して温水を注出し、幼児のやけど事故が発生するのを防止するため、通常、チャイルドロック機能が設けられている。
【0004】
チャイルドロック機能は、一般に、温水を注出するための操作を、2つ以上の操作の組み合わせとすることにより、幼児が操作しても簡単には温水が注出されないようにしたものである。
【0005】
例えば、特許文献1のウォーターサーバーは、筐体の前面に設けられたチャイルドロック解除ボタンと、チャイルドロック解除ボタンの下方で前後方向に揺動可能に設けられた温水注出レバーとを有する。そして、チャイルドロック解除ボタンを押し込む操作をしながら、温水注出レバーを前後方向の奥側に揺動させる操作をすることで、温水を注出することができ、一方、チャイルドロック解除ボタンを押し込む操作をしなければ、温水注出レバーを操作しても温水注出レバーが揺動せず、温水を注出することができないようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1のように、チャイルドロック解除ボタンを設けた場合であっても、チャイルドロック解除ボタンを押し込みながら温水注出レバーを揺動させるユーザーの操作を、幼児が見て真似する可能性があり、幼児が温水を注出してやけどする危険性を完全には無くすことが難しい。
【0008】
そこで、本願の発明者は、幼児によるウォーターサーバーの温水注出操作を効果的に防止するには、どのようにすればよいかを検討した。その検討の結果、幼児は、大人に比べて指先の力が弱い点に着眼し、温水注出弁を開弁するための操作を、指先の力が弱い幼児には真似しにくいものとすればよいという着想を得た。
【0009】
この発明が解決しようとする課題は、幼児のやけど事故を効果的に防止することが可能なウォーターサーバーを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、この発明では、以下の構成のウォーターサーバーを提供する。
[構成1]
筐体と、
前記筐体の内部に配置された温水タンクと、
前記温水タンクから前記筐体の外部に温水を注出する温水注出路と、
前記温水注出路を開閉する温水注出弁と、
前記温水注出弁を開弁するためにユーザーが操作する出水操作部と、を有するウォーターサーバーにおいて、
前記出水操作部は、前後方向に延びるダイヤル回動軸を中心に回動可能かつ前後方向に移動可能に支持された出水ダイヤルと、前記出水ダイヤルを回動操作したときにその回動方向とは逆の回動方向に前記出水ダイヤルを付勢するダイヤル回動復帰ばねと、前記出水ダイヤルを前後方向の奥側に弾性保持するダイヤル引き込みばねと、前記出水ダイヤルが前記ダイヤル引き込みばねの付勢力に従って前後方向の奥側に移動した状態では前記出水ダイヤルの回動操作を阻止し、前記出水ダイヤルを前記ダイヤル引き込みばねの付勢力に抗して前後方向の手前側に引き出した状態では前記出水ダイヤルの回動操作を許容するダイヤルロック機構と、を有することを特徴とするウォーターサーバー。
【0011】
この構成を採用すると、指先の力が弱い幼児による温水注出操作を効果的に防止し、幼児のやけど事故を効果的に防止することが可能となる。すなわち、上記構成を採用した場合、温水を注出するには、まず、出水ダイヤルを指先でつまんでダイヤル引き込みばねの付勢力に抗して手前側に引き出し、次に、その出水ダイヤルを、ダイヤル引き込みばねの付勢力に抗して手前側に引っ張った状態のまま、ダイヤル回動復帰ばねの付勢力に抗して回動操作する必要がある。一方、指先の力が弱い幼児にとって、指先でつまんだ出水ダイヤルをダイヤル引き込みばねの付勢力に抗して手前側に引き出し、その出水ダイヤルを、ダイヤル引き込みばねの付勢力に抗して手前側に引っ張った状態のまま、ダイヤル回動復帰ばねの付勢力に抗して回動させるのは簡単でない。しかも、出水ダイヤルを手前側に引き出す操作は、出水ダイヤルを回動操作する手と同じ手で、出水ダイヤルの回動操作と一連に行なうので、幼児に見られても分かりにくく、幼児に真似されにくい。そのため、幼児による温水注出操作を効果的に防止し、幼児のやけど事故を効果的に防止することが可能である。
【0012】
[構成2]
前記ダイヤルロック機構は、前記出水ダイヤルから前後方向の奥側に向かって延びるように前記出水ダイヤルに設けられたロック爪と、前記出水ダイヤルが前後方向の奥側に移動した状態では前記ロック爪が挿入され、前記出水ダイヤルが前後方向の手前側に移動した状態では前記ロック爪が抜け出るように、前記出水ダイヤルの前後方向の奥側に対向して配置されるハウジング壁に形成されたロック穴とで構成されている構成1に記載のウォーターサーバー。
【0013】
この構成を採用すると、出水ダイヤルがダイヤル引き込みばねの付勢力に従って前後方向の奥側に移動した状態では、出水ダイヤルのロック爪がハウジング壁のロック穴に挿入され、そのロック爪とロック穴の係合により出水ダイヤルが回り止めされるので、出水ダイヤルの回動操作を確実に阻止することができる。一方、出水ダイヤルがダイヤル引き込みばねの付勢力に抗して前後方向の手前側に引き出した状態では、出水ダイヤルのロック爪がハウジング壁のロック穴から抜け出るので、ロック爪とロック穴の係合が解除され、出水ダイヤルの回動操作が許容された状態となる。
【0014】
[構成3]
前記ロック爪は、前記出水ダイヤルの外周に開口するボタン収容孔に径方向に移動可能に収容したロック解除ボタンに一体に形成され、
前記出水ダイヤルには、前記ロック解除ボタンを径方向外方に付勢するボタン付勢ばねが組み込まれ、
前記ロック爪には、前記ロック穴の前後方向の奥側の開口縁の径方向外側の部分に係合するように前記出水ダイヤルの径方向外方に突出する鍵部が形成されている構成2に記載のウォーターサーバー。
【0015】
この構成を採用すると、ロック爪に形成された鍵部が、ロック穴の前後方向の奥側の開口縁に係合するので、単に出水ダイヤルをつまんで前後方向の手前側に引っ張っただけでは、出水ダイヤルを前後方向の奥側から手前側に引き出すことができない。ここで、出水ダイヤルを前後方向の奥側から手前側に引き出すには、指先で出水ダイヤルをつまむときに、その指先で、出水ダイヤルの外周に開口するボタン収容孔に収容されたロック解除ボタンを、ボタン付勢ばねの付勢力に抗して径方向内方に押し込むことで、ロック爪を径方向内方に移動させる必要がある。そのため、指先の力が弱い幼児による温水注出操作を、特に効果的に防止することが可能となる。
【0016】
[構成4]
前記鍵部の前後方向の奥側の径方向外端に、前後方向の手前側から奥側に向かうにしたがって径方向内側に変位するように傾斜した爪側傾斜面が形成され、
前記ロック穴の前後方向の手前側の開口縁の径方向外側の部分に、前後方向の手前側から奥側に向かうにしたがって径方向内側に変位するように傾斜した穴側傾斜面が形成されている構成3に記載のウォーターサーバー。
【0017】
この構成を採用すると、ユーザーが、出水ダイヤルを指先でつまんでダイヤル引き込みばねの付勢力に抗して手前側に引き出し、その出水ダイヤルを回動操作した後、その出水ダイヤルから手を離し、ダイヤル引き込みばねの付勢力によって出水ダイヤルが前後方向の奥側に引き込まれるときに、ロック爪の爪側傾斜面がロック穴の穴側傾斜面を摺動することで、ロック爪が径方向内方に移動する。そのため、ユーザーが出水ダイヤルから手を離し、ダイヤル引き込みばねの付勢力によって出水ダイヤルが前後方向の奥側に引き込まれるときに、ユーザーが指先でロック解除ボタンを径方向内方に押し込まなくても、ロック爪の鍵部がロック穴の開口縁に干渉するのが防止され、ロック爪をロック穴に自動的に挿入することができる。
【0018】
[構成5]
前記ロック解除ボタンおよび前記ロック爪は、前記出水ダイヤルの回動中心を間に挟んで互いに180°反対の位置関係となるようにそれぞれ一対設けられている構成3または4に記載のウォーターサーバー。
【0019】
この構成を採用すると、一対のロック解除ボタンを同時に径方向内方に押し込まないと、出水ダイヤルを手前側に引き出すことができない。そのため、指先の力が弱い幼児による温水注出操作を、特に効果的に防止することが可能となる。
【発明の効果】
【0020】
この発明のウォーターサーバーは、指先の力が弱い幼児による温水注出操作を効果的に防止し、幼児のやけど事故を効果的に防止することが可能である。すなわち、この発明のウォーターサーバーにおいて、温水を注出するには、まず、出水ダイヤルを指先でつまんでダイヤル引き込みばねの付勢力に抗して手前側に引き出し、次に、その出水ダイヤルを、ダイヤル引き込みばねの付勢力に抗して手前側に引っ張った状態のまま、ダイヤル回動復帰ばねの付勢力に抗して回動操作する必要がある。一方、指先の力が弱い幼児にとって、指先でつまんだ出水ダイヤルをダイヤル引き込みばねの付勢力に抗して手前側に引き出し、その出水ダイヤルを、ダイヤル引き込みばねの付勢力に抗して手前側に引っ張った状態のまま、ダイヤル回動復帰ばねの付勢力に抗して回動させるのは簡単でない。しかも、出水ダイヤルを手前側に引き出す操作は、出水ダイヤルを回動操作する手と同じ手で、出水ダイヤルの回動操作と一連に行なうので、幼児に見られても分かりにくく、幼児に真似されにくい。そのため、幼児による温水注出操作を効果的に防止し、幼児のやけど事故を効果的に防止することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】この発明の実施形態のウォーターサーバーを左側から見た断面図
【
図2】
図1のウォーターサーバーを前側から見た正面図
【
図8】
図4のロック解除ボタンを押し込んだ状態を示す出水ダイヤルの近傍の拡大断面図
【
図10】
図4のロック解除ボタンを押し込んだ後、出水ダイヤルを前後方向の手前側に引き出した状態を示す断面図
【
図11】
図7に示す出水ダイヤルを反時計回りに回動して冷水注出弁を開弁した状態を示す部分断面図
【
図12】
図7に示す出水ダイヤルを時計回りに回動して温水注出弁を開弁した状態を示す部分断面図
【
図13】
図8、
図9に示す出水ダイヤルの一対のロック解除ボタンのうち、一方のロック解除ボタンの近傍の分解斜視図
【
図14】
図8、
図9に示す出水ダイヤルの一対のロック解除ボタンのうち、他方のロック解除ボタンの近傍の分解斜視図
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1、
図2に、この発明の実施形態のウォーターサーバーを示す。このウォーターサーバーは、筐体1と、筐体1の内部に配置された冷水タンク2および温水タンク3と、筐体1の前面側に設けられた出水操作部4と、出水操作部4の操作に応じて冷水と温水とを選択的に出水する出水口5とを有する。
【0023】
図1に示すように、筐体1は、左右に対向する一対の側板6(
図2参照)と、一対の側板6の上端に固定された天板7と、一対の側板6の下端に固定された底板8と、一対の側板6の前端同士を連結する前面パネル9と、一対の側板6の後端同士を連結する背面板10と、筐体1の内部を上下に仕切るように一対の側板6に水平に固定されたタンク固定板11と、タンク固定板11の前端に沿って鉛直に固定された出水操作部取り付け板12とを有する。
【0024】
タンク固定板11には、冷水タンク2および温水タンク3が固定して取り付けられている。出水操作部取り付け板12には、出水操作部4が取り付けられている。タンク固定板11と出水操作部取り付け板12は、両者を別体に形成し、それを互いに接続固定するようにしてもよく、単一の板部材を折り曲げることで両者を一体に形成してもよい。
【0025】
前面パネル9と底板8の間には、筐体1の前面下部を開閉する前面扉13が取り付けられ、この前面扉13を開閉することで、筐体1の下部に収容された水ボトル14の交換作業をすることが可能となっている。
【0026】
筐体1の内部には、水ボトル14から冷水タンク2および温水タンク3に飲料水を汲み上げるポンプ15が組み込まれている。水ボトル14と冷水タンク2の間は、ポンプ15を介して原水汲み上げ管(図示せず)で接続されている。
【0027】
冷水タンク2には、水ボトル14から導入した飲料水を冷却する冷却装置16が取り付けられている。冷水タンク2に収容した冷水は、冷却装置16で所定の低温(例えば10℃以下)に保たれている。
【0028】
温水タンク3には、水ボトル14から導入した飲料水を加熱する加熱装置17が取り付けられている。温水タンク3内に収容した温水は、加熱装置17で所定の高温(例えば80℃以上)に保たれている。
【0029】
図5、
図7に示すように、このウォーターサーバーは、冷水タンク2(
図1参照)から筐体1の外部に冷水を注出する冷水注出路18と、冷水注出路18に設けられた冷水注出弁19と、温水タンク3(
図1参照)から筐体1の外部に温水を注出する温水注出路20と、温水注出路20に設けられた温水注出弁21とを有する。冷水注出路18と温水注出路20は合流部22で合流し、その合流部22から下方に延びて共通の出水口5(
図7参照)に開放している。冷水注出路18と温水注出路20は、合流させずにそれぞれ下方に延びて開放するように設けることも可能である。
【0030】
図5、
図7に示すように、冷水注出路18は、合流部22の直前に水平に延びて合流部22に接続する冷水水平流路23と、合流部22から下方に延びる出水流路24と、冷水タンク2(
図1参照)から延び出して冷水水平流路23に接続する冷水タンク接続流路25とで構成されている。冷水タンク接続流路25の冷水水平流路23に対する接続部分は、その流路方向が前後方向(
図5の上下方向)となるように設けられている。冷水水平流路23は、その流路方向が左右方向となるように設けられている。出水流路24は、その流路方向が上下方向となるように設けられている。
【0031】
同様に、温水注出路20は、合流部22の直前に水平に延びて合流部22に接続する温水水平流路26と、合流部22から下方に延びる出水流路24と、温水タンク3(
図1参照)から延び出して温水水平流路26に接続する温水タンク接続流路27とで構成されている。温水タンク接続流路27の温水水平流路26に対する接続部分は、その流路方向が前後方向(
図5の上下方向)となるように設けられている。温水水平流路26は、その流路方向が左右方向となるように設けられている。温水水平流路26は、冷水水平流路23に対して合流部22を間に挟んで左右方向の反対側に配置されている。
【0032】
冷水注出弁19は、冷水水平流路23を囲む環状の冷水側弁座28と、冷水側弁座28に着座して冷水水平流路23を閉鎖する閉弁位置(
図7に示す位置)と冷水側弁座28から離反して冷水水平流路23を開放する開弁位置(
図11に示す位置)との間で水平に移動可能に設けられた冷水側弁体29と、冷水側弁体29と一体に水平に移動するように冷水側弁体29に連結して設けられた冷水側弁棒30と、冷水側弁体29を開弁位置から閉弁位置に向けて移動させるように冷水側弁棒30を付勢する冷水側バルブスプリング31とを有する。
【0033】
同様に、温水注出弁21は、温水水平流路26を囲む環状の温水側弁座32と、温水側弁座32に着座して温水水平流路26を閉鎖する閉弁位置(
図7に示す位置)と温水側弁座32から離反して温水水平流路26を開放する開弁位置(
図12に示す位置)との間で水平に移動可能に設けられた温水側弁体33と、温水側弁体33と一体に水平に移動するように温水側弁体33に連結して設けられた温水側弁棒34と、温水側弁体33を開弁位置から閉弁位置に向けて移動させるように温水側弁棒34を付勢する温水側バルブスプリング35とを有する。
【0034】
冷水側弁体29と温水側弁体33は、合流部22を間に挟んで左右に対向配置され、冷水側弁体29と温水側弁体33は、左右方向のうち、合流部22に近づく方向が閉弁方向となり、合流部22から遠ざかる方向が開弁方向となるように配置されている。
【0035】
出水操作部4は、手動で回動操作される出水ダイヤル40(
図3参照)と、出水ダイヤル40と一体に回動するように出水ダイヤル40に連結されたカム部材41と、カム部材41の一方向の回動(ここでは反時計回りの回動)を冷水側弁棒30の水平移動に変換して伝達する冷水側てこレバー42と、カム部材41の他方向の回動(ここでは時計回りの回動)を温水側弁棒34の水平移動に変換して伝達する温水側てこレバー43とを有する。
【0036】
図2に示すように、出水ダイヤル40は、筐体1の前面側に配置された円筒状のつまみである。
図4に示すように、出水ダイヤル40には、出水ダイヤル40と一体に回動するようにダイヤル回動軸44が固定して設けられ、そのダイヤル回動軸44が、出水ダイヤル40の前後方向の奥側に対向して配置されるハウジング壁45で回動可能に支持されている。ダイヤル回動軸44は、前後方向(図では上下方向)に延びる軸体である。出水ダイヤル40は、ダイヤル回動軸44を中心に回動可能に支持されている。
【0037】
図7に示すように、カム部材41の外周には、冷水カム面46および温水カム面47とが左右対称に形成されている。冷水カム面46は、出水ダイヤル40の回動中心からの距離が出水ダイヤル40の下端から回動方向の一方(図では時計回り方向)に向かって次第に大きくなる面であり、例えば、出水ダイヤル40の回動中心から上方に偏心した位置に中心をもつ円筒面である。温水カム面47は、出水ダイヤル40の回動中心からの距離が出水ダイヤル40の下端から回動方向の他方(図では反時計回り方向)に向かって次第に大きくなる面であり、例えば、出水ダイヤル40の回動中心から上方に偏心した位置に中心をもつ円筒面である。
【0038】
冷水側てこレバー42は、長手方向の下端をてこ支点48とし、長手方向の上端を冷水カム面46に摺接して左右に揺動する揺動端部49とするように上下に延びる部材である。冷水側てこレバー42のてこ支点48の近傍(揺動端部49とてこ支点48の間のてこ支点48寄りの位置)には、冷水側連結ピン50が設けられ、この冷水側連結ピン50を介して冷水側てこレバー42に冷水側弁棒30が連結されている。
【0039】
温水側てこレバー43は、長手方向の下端をてこ支点51とし、長手方向の上端を温水カム面47に摺接して左右に揺動する揺動端部52とするように上下に延びる部材である。温水側てこレバー43のてこ支点51の近傍(揺動端部52とてこ支点51の間のてこ支点51寄りの位置)には、温水側連結ピン53が設けられ、この温水側連結ピン53を介して温水側てこレバー43に温水側弁棒34が連結されている。
【0040】
図4、
図10に示すように、出水ダイヤル40は、ハウジング壁45に対して前後方向に移動可能に支持され、その出水ダイヤル40と一体に前後方向に移動するように、カム部材41がダイヤル回動軸44を介して出水ダイヤル40に連結されている。出水ダイヤル40は、ダイヤル引き込みばね54で前後方向の奥側に向けて付勢されている。図では、カム部材41をダイヤル引き込みばね54で前後方向の奥側に向けて付勢し、そのカム部材41を介して出水ダイヤル40を付勢するようにしたが、出水ダイヤル40を直接付勢するようにダイヤル引き込みばね54を組み込むようにすることも可能である。
【0041】
ここで、
図4、
図6に示すように、カム部材41が、ダイヤル引き込みばね54の付勢力に従って前後方向の奥側に移動した状態では、
図4に示すように、冷水カム面46および温水カム面47の前後方向の位置と、冷水側てこレバー42および温水側てこレバー43の前後方向の位置とがずれたオフセット状態となる。このオフセット状態では、カム部材41が回動しても、カム部材41の外周の冷水カム面46および温水カム面47は、冷水側てこレバー42の揺動端部49および温水側てこレバー43の揺動端部52に摺接せず、冷水注出弁19および温水注出弁21はいずれも開弁しない。
【0042】
一方、
図10に示すように、カム部材41がダイヤル引き込みばね54の付勢力に抗して前後方向の手前側に移動した状態では、冷水カム面46および温水カム面47の前後方向の位置と、冷水側てこレバー42および温水側てこレバー43の前後方向の位置とが合致する非オフセット状態となる。この非オフセット状態では、カム部材41が回動したときに、カム部材41の外周の冷水カム面46および温水カム面47が、冷水側てこレバー42の揺動端部49および温水側てこレバー43の揺動端部52に摺接し、冷水注出弁19および温水注出弁21の開弁操作が可能となる。
【0043】
また、出水ダイヤル40とハウジング壁45には、
図4に示すように、出水ダイヤル40がダイヤル引き込みばね54の付勢力に従って前後方向の奥側(図では上側)に移動した状態では出水ダイヤル40の回動操作を阻止し、
図10に示すように、出水ダイヤル40をダイヤル引き込みばね54の付勢力に抗して前後方向の手前側(図では下側)に引き出した状態では出水ダイヤル40の回動操作を許容するダイヤルロック機構55が組み込まれている。
【0044】
図8に示すように、ダイヤルロック機構55は、出水ダイヤル40から前後方向の奥側(図では上側)に向かって延びるように出水ダイヤル40に設けられたロック爪56と、ロック爪56が挿入されるロック穴57とで構成されている。ロック穴57は、ハウジング壁45を前後方向(図では上下方向)に貫通して形成された穴である。
【0045】
図8、
図9、
図13、
図14に示すように、ロック爪56は、出水ダイヤル40の外周に開口するボタン収容孔58に出水ダイヤル40の径方向に移動可能に収容したロック解除ボタン59に一体に形成されている。ロック解除ボタン59およびロック爪56は、出水ダイヤル40の回動中心を間に挟んで互いに180°反対の位置関係となるようにそれぞれ一対設けられている。ロック解除ボタン59は、出水ダイヤル40に組み込んだボタン付勢ばね60で出水ダイヤル40の径方向外方に付勢されている。
【0046】
図4に示すように、ロック爪56には、ロック解除ボタン59がボタン付勢ばね60の付勢力に従って径方向外方に移動した状態で、ロック穴57の前後方向の奥側の開口縁の径方向外側の部分(ハウジング壁45の前後方向の奥側の面)に係合するように出水ダイヤル40の径方向外方に突出する鍵部61が形成されている。また、鍵部61は、
図8に示すように、ロック解除ボタン59をボタン付勢ばね60の付勢力に抗して径方向内方に押し込むと、ハウジング壁45の前後方向の奥側の面(ロック穴57の縁)に対する鍵部61の係合が解除されるようになっている。
【0047】
鍵部61の前後方向の奥側(図では上側)の径方向外端には、前後方向の手前側から奥側に向かうにしたがって径方向内側に変位するように傾斜した爪側傾斜面62が設けられている。また、ロック穴57の前後方向の手前側(図では下側)の開口縁の径方向外側の部分には、前後方向の手前側から奥側に向かうにしたがって径方向内側に変位するように傾斜した穴側傾斜面63が設けられている。
【0048】
図4、
図8に示すように、ロック爪56は、出水ダイヤル40がダイヤル引き込みばね54の付勢力に従って前後方向の奥側に移動した状態では、ハウジング壁45に形成されたロック穴57に挿入され、そのロック爪56とロック穴57の係合により出水ダイヤル40の回動を制限し、一方、
図10に示すように、出水ダイヤル40がダイヤル引き込みばね54の付勢力に抗して前後方向の手前側に移動した状態では、ロック穴57から抜け出して出水ダイヤル40の回動を許容する前後方向の長さを有する。
【0049】
このウォーターサーバーで冷水を注出する操作例を説明する。まず、
図3に示す出水ダイヤル40を指先でつまむ。このとき、
図8、
図9に示すように、出水ダイヤル40の外周に位置するロック解除ボタン59を、ボタン付勢ばね60の付勢力に抗して径方向内方に押し込むことで、ロック爪56を径方向内方に移動させる。次に、
図10に示すように、ロック解除ボタン59を径方向内方に押し込んだ状態のまま、出水ダイヤル40を、ダイヤル引き込みばね54の付勢力に抗して前後方向の手前側に引き出し、ロック爪56をロック穴57から抜き出すとともに、冷水カム面46の前後方向の位置と冷水側てこレバー42の前後方向の位置とを合致させる。続けて、出水ダイヤル40をダイヤル引き込みばね54の付勢力に抗して手前側に引き出した状態のまま、
図11に示すように、出水ダイヤル40を一方向(反時計回り)に手動で回動させると、出水ダイヤル40と一体にカム部材41が回動し、そのカム部材41の外周の冷水カム面46が、冷水側てこレバー42の揺動端部49を押し動かす。このとき、てこの原理により、冷水側てこレバー42に冷水側連結ピン50を介して連結された冷水側弁棒30が冷水側バルブスプリング31の付勢力に抗して開弁方向に動かされ、冷水側弁体29が冷水側弁座28から離反し、冷水注出弁19が開弁する。冷水注出弁19が開弁すると、冷水タンク2(
図1参照)内の冷水が、冷水注出路18を通って出水口5から注出される。その後、ユーザーが出水ダイヤル40から手を離すと、冷水側バルブスプリング31の付勢力により、冷水側弁体29が冷水側弁座28に着座し、冷水注出弁19が閉弁し、冷水の注出が停止する。このとき、出水ダイヤル40は、冷水側バルブスプリング31から冷水側弁棒30と冷水側連結ピン50と冷水側てこレバー42とカム部材41とを順に介して伝達する力により逆方向(時計回り)に回動し、さらに、
図4に示すように、出水ダイヤル40およびカム部材41が、ダイヤル引き込みばね54の付勢力によって前後方向の奥側に移動する。ここで、出水ダイヤル40がダイヤル引き込みばね54の付勢力によって前後方向の奥側に引き込まれる際、
図8に示すロック爪56の爪側傾斜面62がロック穴57の穴側傾斜面63を摺動することで、ロック爪56がボタン付勢ばね60の付勢力に抗して径方向内方に移動し、鍵部61がロック穴57を通過する。その後、ロック爪56がボタン付勢ばね60の付勢力によって径方向外方に移動し、鍵部61が、ロック穴57の前後方向の奥側(図では上側)の開口縁の径方向外側の部分に係合する。
【0050】
温水を注出するときも同様に、まず、
図3に示す出水ダイヤル40を指先でつまむ。このとき、
図8、
図9に示すように、出水ダイヤル40の外周に位置するロック解除ボタン59を、ボタン付勢ばね60の付勢力に抗して径方向内方に押し込むことで、ロック爪56を径方向内方に移動させる。次に、
図10に示すように、ロック解除ボタン59を径方向内方に押し込んだ状態のまま、出水ダイヤル40を、ダイヤル引き込みばね54の付勢力に抗して前後方向の手前側に引き出し、ロック爪56をロック穴57から抜き出すとともに、温水カム面47の前後方向の位置と温水側てこレバー43の前後方向の位置とを合致させる。続けて、出水ダイヤル40をダイヤル引き込みばね54の付勢力に抗して手前側に引き出した状態のまま、
図12に示すように、出水ダイヤル40を他方向(時計回り)に手動で回動させると、出水ダイヤル40と一体にカム部材41が回動し、そのカム部材41の外周の温水カム面47が、温水側てこレバー43の揺動端部52を押し動かす。このとき、てこの原理により、温水側てこレバー43に温水側連結ピン53を介して連結された温水側弁棒34が温水側バルブスプリング35の付勢力に抗して開弁方向に動かされ、温水側弁体33が温水側弁座32から離反し、温水注出弁21が開弁する。温水注出弁21が開弁すると、温水タンク3(
図1参照)内の温水が、温水注出路20を通って出水口5から注出される。その後、ユーザーが出水ダイヤル40から手を離すと、温水側バルブスプリング35の付勢力により、温水側弁体33が温水側弁座32に着座し、温水注出弁21が閉弁し、温水の注出が停止する。このとき、出水ダイヤル40は、温水側バルブスプリング35から温水側弁棒34と温水側連結ピン53と温水側てこレバー43とカム部材41とを順に介して伝達する力により逆方向(反時計回り)に回動し、さらに、
図4に示すように、出水ダイヤル40およびカム部材41が、ダイヤル引き込みばね54の付勢力によって前後方向の奥側に移動する。このとき、冷水を注出するときと同様、
図8に示すロック爪56の爪側傾斜面62がロック穴57の穴側傾斜面63を摺動することで、ロック爪56がボタン付勢ばね60の付勢力に抗して径方向内方に移動し、鍵部61がロック穴57を通過する。その後、ロック爪56がボタン付勢ばね60の付勢力によって径方向外方に移動し、鍵部61が、ロック穴57の前後方向の奥側(図では上側)の開口縁の径方向外側の部分に係合する。
【0051】
ここで、
図11、
図12に示すように、出水ダイヤル40は、冷水と温水のいずれも出水しない初期位置から一方の回動方向(ここでは反時計回り)に回動操作したときにその回動方向とは逆の回動方向(時計回り)に冷水側バルブスプリング31で付勢され、初期位置から他方の回動方向(ここでは時計回り)に回動操作したときにもその回動方向とは逆の回動方向(反時計回り)に温水側バルブスプリング35で付勢される。温水側バルブスプリング35は、温水注出弁21を開弁する方向に出水ダイヤル40を回動操作したときにその回動方向とは逆の回動方向に出水ダイヤル40を付勢するダイヤル回動復帰ばねとして機能する。
【0052】
このウォーターサーバーは、指先の力が弱い幼児による温水注出操作を効果的に防止し、幼児のやけど事故を効果的に防止することが可能である。すなわち、このウォーターサーバーにおいて、温水を注出するには、まず、
図4、
図10に示すように、出水ダイヤル40を指先でつまんでダイヤル引き込みばね54の付勢力に抗して手前側に引き出し、次に、その出水ダイヤル40を、ダイヤル引き込みばね54の付勢力に抗して手前側に引っ張った状態のまま、温水側バルブスプリング35の付勢力に抗して回動操作する必要がある。一方、指先の力が弱い幼児にとって、指先でつまんだ出水ダイヤル40をダイヤル引き込みばね54の付勢力に抗して手前側に引き出し、その出水ダイヤル40を、ダイヤル引き込みばね54の付勢力に抗して手前側に引っ張った状態のまま、温水側バルブスプリング35の付勢力に抗して回動させるのは簡単でない。しかも、出水ダイヤル40を手前側に引き出す操作は、出水ダイヤル40を回動操作する手と同じ手で、出水ダイヤル40の回動操作と一連に行なうので、幼児に見られても分かりにくく、幼児に真似されにくい。そのため、幼児による温水注出操作を効果的に防止し、幼児のやけど事故を効果的に防止することが可能である。
【0053】
また、このウォーターサーバーは、
図4に示すように、出水ダイヤル40がダイヤル引き込みばね54の付勢力に従って前後方向の奥側に移動した状態では、出水ダイヤル40のロック爪56がハウジング壁45のロック穴57に挿入され、そのロック爪56とロック穴57の係合により出水ダイヤル40が回り止めされるので、出水ダイヤル40の回動操作を確実に阻止することができる。一方、
図10に示すように、出水ダイヤル40がダイヤル引き込みばね54の付勢力に抗して前後方向の手前側に引き出した状態では、出水ダイヤル40のロック爪56がハウジング壁45のロック穴57から抜け出るので、ロック爪56とロック穴57の係合が解除され、出水ダイヤル40の回動操作が許容された状態となる。
【0054】
また、このウォーターサーバーは、
図4に示すように、ロック爪56に形成された鍵部61が、ロック穴57の前後方向の奥側の開口縁に係合するので、単に出水ダイヤル40をつまんで前後方向の手前側に引っ張っただけでは、出水ダイヤル40を前後方向の奥側から手前側に引き出すことができない。ここで、出水ダイヤル40を前後方向の奥側から手前側に引き出すには、
図8、
図9に示すように、指先で出水ダイヤル40をつまむときに、その指先で、出水ダイヤル40の外周に開口するボタン収容孔58に収容されたロック解除ボタン59を、ボタン付勢ばね60の付勢力に抗して径方向内方に押し込むことで、ロック爪56を径方向内方に移動させる必要がある。そのため、指先の力が弱い幼児による温水注出操作を、特に効果的に防止することが可能となる。
【0055】
また、このウォーターサーバーは、
図8、
図9に示すように、ユーザーが、出水ダイヤル40を指先でつまんでダイヤル引き込みばね54の付勢力に抗して手前側に引き出し、その出水ダイヤル40を回動操作した後、その出水ダイヤル40から手を離し、
図10に示すダイヤル引き込みばね54の付勢力によって出水ダイヤル40が前後方向の奥側に引き込まれるときに、
図8に示すロック爪56の爪側傾斜面62がロック穴57の穴側傾斜面63を摺動することで、ロック爪56が径方向内方に移動する。そのため、ユーザーが出水ダイヤル40から手を離し、
図10に示すダイヤル引き込みばね54の付勢力によって出水ダイヤル40が前後方向の奥側に引き込まれるときに、ユーザーが指先でロック解除ボタン59を径方向内方に押し込まなくても、ロック爪56の鍵部61がロック穴57の開口縁に干渉するのが防止され、ロック爪56をロック穴57に自動的に挿入することができる。
【0056】
また、このウォーターサーバーは、
図9に示すように、一対のロック解除ボタン59を同時に径方向内方に押し込まないと、出水ダイヤル40を手前側に引き出すことができない。そのため、指先の力が弱い幼児による温水注出操作を、特に効果的に防止することが可能である。
【0057】
上記実施形態では、筐体1の下部に交換式の水ボトル14を設置するタイプのウォーターサーバーを例に挙げて説明したが、この発明は、筐体1の上部(例えば、天板7の上面)に交換式の水ボトル14を設置するタイプのウォーターサーバーに同様に適用することも可能である。さらに、この発明は、交換式の水ボトル14に代えて、家庭の水道水を収容する原水タンクを有し、その原水タンクの水を筐体1の内部に配置した浄水カートリッジで濾過し、その濾過後の浄水を冷水タンク2および温水タンク3に収容するタイプの浄水式ウォーターサーバーに適用してもよい。
【符号の説明】
【0058】
1 筐体
3 温水タンク
4 出水操作部
20 温水注出路
21 温水注出弁
35 温水側バルブスプリング(ダイヤル回動復帰ばね)
40 出水ダイヤル
44 ダイヤル回動軸
45 ハウジング壁
54 ダイヤル引き込みばね
55 ダイヤルロック機構
56 ロック爪
57 ロック穴
58 ボタン収容孔
59 ロック解除ボタン
60 ボタン付勢ばね
61 鍵部
62 爪側傾斜面
63 穴側傾斜面