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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024022191
(43)【公開日】2024-02-16
(54)【発明の名称】台車
(51)【国際特許分類】
   B61C 9/48 20060101AFI20240208BHJP
【FI】
B61C9/48
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022125592
(22)【出願日】2022-08-05
(71)【出願人】
【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(72)【発明者】
【氏名】浅野間 俊朗
(72)【発明者】
【氏名】湯下 篤
(72)【発明者】
【氏名】内田 浩二
(72)【発明者】
【氏名】河野 浩幸
(72)【発明者】
【氏名】福家 康隆
(72)【発明者】
【氏名】谷本 光史
(72)【発明者】
【氏名】矢延 雪秀
(72)【発明者】
【氏名】中窪 真史
(57)【要約】
【課題】車軸に対するモータの相対変位を吸収することができる台車を提供する。
【解決手段】台車は、台車フレームと、台車フレームの下方に位置し、水平方向に延びる車軸と、台車フレームに対して上下方向に相対変位可能に設けられ、車軸を車軸の軸線回りに回転させるモータと、車軸とモータの駆動軸とを同軸に連結する動力伝達継手と、モータの外面に設けられ、車軸に対して軸線の径方向外側に位置するモータブラケットと、台車フレームとモータブラケットとを上下方向に接続し、上下方向に弾性変形可能な弾性部材と、弾性部材の上下方向の長さを規定するラッチと、車軸の外周側に円環状に設けられるとともにモータブラケットを径方向内側から支持し、車軸と一体に回転して生じる遠心力を受けて回転時に縮径可能で且つ回転停止時に膨径可能な逆遠心クラッチと、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
台車フレームと、
前記台車フレームの下方に位置し、水平方向に延びる車軸と、
前記台車フレームに対して上下方向に相対変位可能に設けられ、前記車軸を前記車軸の軸線回りに回転させるモータと、
前記車軸と前記モータの駆動軸とを同軸に連結する動力伝達継手と、
前記モータの外面に設けられ、前記車軸に対して前記軸線の径方向外側に位置するモータブラケットと、
前記台車フレームと前記モータブラケットとを上下方向に接続し、上下方向に弾性変形可能な弾性部材と、
前記弾性部材の上下方向の長さを規定するラッチと、
前記車軸の外周側に円環状に設けられるとともに前記モータブラケットを前記径方向内側から支持し、前記車軸と一体に回転して生じる遠心力を受けて回転時に縮径可能で且つ回転停止時に膨径可能な逆遠心クラッチと、
を備える台車。
【請求項2】
前記ラッチは、
前記台車フレームに設けられた第一ラッチ部材と、
前記モータブラケットに設けられ、前記第一ラッチ部材に対向して前記第一ラッチ部材と係合可能な第二ラッチ部材と、
を有する、請求項1に記載の台車。
【請求項3】
前記ラッチは、
前記モータの電圧を利用して前記第一ラッチ部材と前記第二ラッチ部材との係合、及び前記第一ラッチ部材と前記第二ラッチ部材との係合解除を行うロックリリース機構を有する、請求項2に記載の台車。
【請求項4】
前記ラッチは、
前記逆遠心クラッチの縮径及び膨径と連動して前記第一ラッチ部材と前記第二ラッチ部材との係合、及び前記第一ラッチ部材と前記第二ラッチ部材との係合解除を行う連動機構を有する、請求項2に記載の台車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、台車に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、モータのトルクを直接車軸に伝達する構造の鉄道車両用直接駆動式電動台車が開示されている。この台車は、モータを固定支持する台車フレームを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11-301471号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、例えば車両に乗員が乗降すると、台車フレームの重量が変化して、台車フレームが上下に変動する。特許文献1に記載の台車では、台車フレームの上下変動に伴ってモータが変位し、車軸に対するモータの相対変位が生じてしまう。車軸に対するモータの相対変位は、動力伝達効率の低下や、走行時の振動の増大等の原因となる。
【0005】
本開示は、上記課題を解決するためになされたものであって、車軸に対するモータの相対変位を吸収することができる台車を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本開示に係る台車は、台車フレームと、前記台車フレームの下方に位置し、水平方向に延びる車軸と、前記台車フレームに対して上下方向に相対変位可能に設けられ、前記車軸を前記車軸の軸線回りに回転させるモータと、前記車軸と前記モータの駆動軸とを同軸に連結する動力伝達継手と、前記モータの外面に設けられ、前記車軸に対して前記軸線の径方向外側に位置するモータブラケットと、前記台車フレームと前記モータブラケットとを上下方向に接続し、上下方向に弾性変形可能な弾性部材と、前記弾性部材の上下方向の長さを規定するラッチと、前記車軸の外周側に円環状に設けられるとともに前記モータブラケットを前記径方向内側から支持し、前記車軸と一体に回転して生じる遠心力を受けて回転時に縮径可能で且つ回転停止時に膨径可能な逆遠心クラッチと、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本開示の台車によれば、車軸に対するモータの相対変位を吸収することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の第一実施形態に係る台車の構成を示す図である。
図2】本開示の第一実施形態に係る台車の要部の構成を示す図である。
図3】本開示の第一実施形態に係るラッチを示す図である。
図4】本開示の第一実施形態に係る台車停車時の逆遠心クラッチの構成を示す図である。
図5】本開示の第一実施形態に係る台車走行時の逆遠心クラッチの構成を示す図である。
図6】本開示の第一実施形態に係る台車停車時の逆遠心クラッチの作用を説明する図である。
図7】本開示の第一実施形態に係る台車走行時の逆遠心クラッチの作用を説明する図である。
図8】本開示の第二実施形態に係るラッチを示す図である。
図9】本開示の第三実施形態に係る台車の要部の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<第一実施形態>
以下、本開示の第一実施形態に係る台車10について、図1から図7を参照して説明する。
【0010】
(車両)
図1に示すように、本実施形態の台車10が用いられる車両1は、例えば鉄道車両である。車両1は、車体2と、台車10とを備える。車体2の内部には、乗員が乗降するためのスペースが設けられている。
【0011】
以下では、鉛直上下方向を単に「上下方向」と称し、車両1の走行方向を単に「前後方向」と称する場合がある。
【0012】
(台車)
台車10は、車体2を下方から支持するともに、地面に沿うレールL上を走行する。レールLは、一方向に延びている。レールLは、レールLの長手方向に直交する方向に対向して一対設けられている。台車10は、台車フレーム20と、車軸11と、保持機構12と、車輪13と、軸ばね14と、モータ15と、動力伝達継手16と、モータブラケット19と、ラッチ40と、逆遠心クラッチ50とを備える。
【0013】
(台車フレーム)
台車フレーム20は、レールLから上方に離間する位置に設けられている。台車フレーム20は、車体2を下方から支持する。すなわち、台車フレーム20は、乗員の重量を下方から支持する。台車フレーム20は、水平方向に延在する枠体である。
【0014】
(車軸)
車軸11は、台車フレーム20の下方に位置している。車軸11は、水平方向に延びる円柱状に形成されている。
以下、車軸11の軸線Oを単に「軸線O」と称し、軸線Oの径方向を単に「径方向」と称し、軸線Oの周方向を単に「周方向」と称する場合がある。軸線O方向は、レールLの長手方向と直交している。すなわち、軸線O方向は、前後方向と直交している。
【0015】
(保持機構)
保持機構12は、車軸11を保持する部材である。保持機構12は、モータ15を挟んで軸線O方向両側に一対設けられている。各保持機構12は、軸線O方向でモータ15と車輪13との間に設けられている。保持機構12は、軸受箱12aと、第一軸受12bと、を備える。軸受箱12aは、車軸11を上下方向から挟み込むように設けられている。第一軸受12bは、車軸11と軸受箱12aとの間に設けられている。第一軸受12bは、車軸11を軸線O回りに回転可能に支持している。
【0016】
(車輪)
車輪13は、車軸11の軸線O方向両端に1つずつ設けられている。車輪13は、円板状に形成されている。車輪13の板厚方向は、軸線O方向と一致する。車輪13は、中央部で車軸11の端部と連結されている。車輪13は、車軸11に固定され、車軸11と一体に回転する。車輪13は、レールL上を回転移動する。
【0017】
(軸ばね)
軸ばね14は、台車フレーム20と保持機構12との間に設けられている。軸ばね14は、台車フレーム20と軸受箱12aとを上下方向に接続している。軸ばね14は、上下方向に延びるコイルばねであり、上下方向の振動を吸収する。軸ばね14は、台車フレーム20を下方から支持している。このため、乗員の乗降によって重量が変化すると、台車フレーム20は上下に変動する。
【0018】
(モータ)
モータ15は、台車フレーム20の下方であって、軸線O方向で一対の車輪13の中間位置に設けられている。モータ15は、台車フレーム20に対して上下方向に相対変位可能に設けられている。モータ15は、車軸11を軸線O回りに回転させる。モータ15は、ダイレクトドライブ方式のモータ15である。モータ15は、ステータ15aと、ロータ15bと、駆動軸15cと、を有する。ステータ15aは、中心軸線が車軸11の軸線Oに沿う円筒状に形成されている。ロータ15bは、ステータ15aの径方向内側に設けられている。ロータ15bは、ステータ15aと同様に、中心軸線が車軸11の軸線Oに沿う円筒状に形成されている。ロータ15bは、ステータ15aに挿通され、軸線O回りに回転する。駆動軸15cは、ステータ15aと同様に、中心軸線が車軸11の軸線Oに沿う円筒状に形成された中空軸である。駆動軸15cは、ロータ15bに挿通され、ロータ15bの内周面に固定されている。駆動軸15cは、ロータ15bと一体に軸線O回りに回転可能に設けられている。駆動軸15cの軸線O方向両端部のうち一方の端部には、動力伝達継手16が設けられている。
【0019】
(動力伝達継手)
動力伝達継手16は、軸線O方向でモータ15と保持機構12との間に設けられている。動力伝達継手16は、車軸11とモータ15の駆動軸15cとを同軸に連結し、モータ15の動力を車軸11に伝達する。動力伝達継手16は、モータ側継手部材16aと、車軸側継手部材16bと、カップリング16cと、を備える。モータ側継手部材16aは、駆動軸15cの外周面から径方向から張り出すフランジ状に形成されている。モータ側継手部材16aは、駆動軸15cに固定され、駆動軸15cと一体に軸線O回りに回転する。車軸側継手部材16bは、車軸11の外周面に固定されている。車軸側継手部材16bは、筒部17と、フランジ部18と、を有する。筒部17には、車軸11が圧入されている。フランジ部18は、筒部17の外周面から径方向に張り出している。フランジ部18は、筒部17と一体に形成されている。カップリング16cは、モータ側継手部材16aと、車軸側継手部材16bとの間に設けられている。カップリング16cは、モータ側継手部材16aと、車軸側継手部材16bとを接続している。カップリング16cは、弾性変形可能に形成されている。動力伝達継手16は、カップリング16cを変形させることにより、車軸11に対するモータ15の相対変位を吸収する。
【0020】
(モータブラケット)
図1図2に示すように、モータブラケット19は、モータ15の外面に設けられ、車軸11に対して軸線Oの径方向外側に位置している。本実施形態では、モータブラケット19は、モータ15の軸線O方向両側の側面に1つずつ設けられている。各モータブラケット19は、モータ15に固定されている。モータブラケット19は、軸線O方向から見てT字状に形成されている。モータブラケット19には、車軸11が挿通されている。
【0021】
(弾性部材)
弾性部材30は、各モータブラケット19に2つずつ設けられている。弾性部材30は、各モータブラケット19の上面であって、前後方向の両端部に1つずつ設けられている。弾性部材30は、台車フレーム20とモータブラケット19とを上下方向に接続している。弾性部材30は、上下方向に弾性変形可能な部材である。弾性部材30は、例えば上下方向に延びるコイルばねである。
【0022】
(ラッチ)
ラッチ40は、弾性部材30の上下方向の長さを規定する。本実施形態では、ラッチ40は、モータ15に対して後方に設けられている。ラッチ40は、第一ラッチ部材41と、第二ラッチ部材42と、ラッチ用ばね43と、を有する。
【0023】
第一ラッチ部材41は、台車フレーム20に設けられている。本実施形態では、第一ラッチ部材41は、モータ15の後方に設けられている。第一ラッチ部材41は、台車フレーム20から下方に延びている。第一ラッチ部材41は、台車フレーム20に固定されている。第一ラッチ部材41は、第一ラッチ基部44と、ラッチ溝45と、を有する。第一ラッチ基部44は、台車フレーム20から下方に延びる板状に形成されている。ラッチ溝45は、第一ラッチ基部44のモータ15側に面する側面に形成されている。ラッチ溝45は、上下方向に複数設けられている。ラッチ溝45は、モータ15側に開口している。ラッチ溝45は、軸線O方向に延びている。
【0024】
第二ラッチ部材42は、モータブラケット19に設けられ、第一ラッチ部材41に対向している。第二ラッチ部材42は、第一ラッチ部材41と係合可能に設けられている。本実施形態では、第二ラッチ部材42は、ラッチ突起部46を有する。図3に示すように、ラッチ突起部46は、上下方向に並んで複数設けられている。ラッチ突起部46は、突没可能に設けられている。ラッチ突起部46が突状態で、ラッチ突起部46とラッチ溝45とが係合する。また、ラッチ突起部46が没状態で、ラッチ突起部46とラッチ溝45との係合が解除される。
【0025】
ラッチ用ばね43は、モータブラケット19の内部に設けられている。ラッチ用ばね43は、モータブラケット19の内側からラッチ突起部46を外側に押出しモータブラケット19からラッチ突起部46を突出させている。ラッチ突起部46に外力が加わると、ラッチ用ばね43が縮み、ラッチ突起部46がモータブラケット19の内側に移動する。
【0026】
(逆遠心クラッチ)
逆遠心クラッチ50は、車軸11の外周側に円環状に設けられている。逆遠心クラッチ50は、車軸11一体に回転する。逆遠心クラッチ50は、台車停車時には、モータブラケット19を径方向内側から支持する。本実施形態の逆遠心クラッチ50は、台車停車時には、モータブラケット19の内周面19aに接触している。逆遠心クラッチ50は、台車走行時には車軸11と一体に回転して生じる遠心力を受けて回転時に縮径可能で且つ回転停止時に膨径可能となっている。図4図5に示すように、逆遠心クラッチ50は、クラッチ基部51と、クラッチシュー52と、回転ピン53と、スプリング54と、可動ピン55と、クラッチ接続部56と、遠心力増大機構57と、を有する。図4は、台車停車時の状態を示し、図5は、台車走行時の状態を示している。
【0027】
クラッチ基部51は、車軸11を外周側から覆う円環板状に形成されている。クラッチ基部51は、車軸11の外周面に固定され、車軸11と一体に回転する。クラッチシュー52は、クラッチ基部51上に設けられている。クラッチシュー52は、周方向に並んで複数設けられている。クラッチシュー52は、軸線O方向から見て、径方向外側に凸のV字状に形成されている。クラッチシュー52の一端は、回転ピン53によってクラッチ基部51に接続されている。クラッチシュー52は、回転ピン53回りに回転可能に設けられている。クラッチシュー52は、台車停車時には、クラッチ基部51の外周縁よりも径方向外側に広がる。このため、台車停車時には、クラッチシュー52の外周縁が、逆遠心クラッチ50の外周縁となる。クラッチシュー52は、台車走行時には、径方向内側に回転し、クラッチ基部51の外周縁よりも径方向内側に移動する。このため、台車停車時には、クラッチ基部51の外周縁が、逆遠心クラッチ50の外周縁となる。
【0028】
スプリング54は、クラッチシュー52と同様にクラッチ基部51上に設けられている。スプリング54は、車軸11に沿うように延びている。スプリング54の一端は、回転ピン53に固定されている。スプリング54の他端には、可動ピン55が設けられている。可動ピン55は、スプリング54の他端に固定されるとともに、可動ピン55は、クラッチ基部51上を、クラッチ基部51の内周縁に沿って周方向に移動可能に設けられている。可動ピン55は、台車停車時には、クラッチシュー52を固定するロック位置Pに位置する。なお、クラッチシュー52の固定は、不図示のロック機構によって行われる。このロック機構は、可動ピン55がロック位置Pに位置する時に稼働してクラッチシュー52を固定する。可動ピン55がロック位置Pから外れると、ロック機構によるクラッチシュー52の固定が解除される。また、台車走行時には、遠心力よりスプリング54が周方向で回転ピン53とは反対側に伸長する。これにより、可動ピン55がロック位置Pから周方向で回転ピン53とは反対側に離間する方向に移動し、クラッチシュー52の固定が解除される。
【0029】
可動ピン55は、クラッチ接続部56によって、クラッチシュー52の他端に接続されている。クラッチ接続部56は、例えば紐状の部材である。
【0030】
また、可動ピン55には、遠心力増大機構57が設けられている。遠心力増大機構57は、スプリング54に加わる遠心力を増大させる。遠心力増大機構57は、おもり接続部57aと、おもり57bと、おもりガイド57cと、を有する。おもり接続部57aは、一方向に延びる部材であり、例えばワイヤが挙げられる。なお、おもり接続部57aの例として、ワイヤの他にロッド等が挙げられる。おもり接続部57aの一端には、可動ピン55が接続されている。また、おもり接続部57aの他端には、おもり57bが接続されている。おもり57bは、遠心力の増減により、おもりガイド57cに沿って移動する。おもりガイド57cは、おもり57bの移動方向を規定する。おもりガイド57cは、例えば、おもり接続部57aの延在方向に交差する方向の両側からおもり57bを挟み込む形状に形成されている。おもりガイド57cは、例えば、おもり57bが収容される筒状に形成されている。
【0031】
台車走行時には、おもり57bの遠心力によりスプリング54が伸長して可動ピン55が周方向に移動すると、クラッチ接続部56がクラッチシュー52の他端を径方向内側に移動させる。台車10が停車すると、遠心力がなくなるためスプリング54が縮み、可動ピン55がロック位置Pに移動する。この際、クラッチ接続部56がクラッチシュー52の他端を引っ張りながら、可動ピン55が移動する。このため、クラッチシュー52が回転ピン53回りに回転し、クラッチシュー52の他端が径方向外側に移動する。
【0032】
なお、図4図5では、1つのクラッチシュー52についてのみ、回転ピン53やスプリング54、可動ピン55、クラッチ接続部56等の機構が詳細に開示されているが、実際には、他の全てのクラッチシュー52についても、同様の機構が設けられている。なお、図4では、1つのクラッチシュー52について、台車走行時の状態が二点鎖線で開示されている。
【0033】
また、本実施形態では、逆遠心クラッチ50が遠心力増大機構57を有する場合について説明したが、可動ピン55が十分に重い場合、可動ピン55の遠心力によってスプリング54を伸長させることができるため、遠心力増大機構57が設けられていなくてもよい。また、遠心力増大機構57は、スプリング54にかかる遠心力を増大させる機構であればよく、上述したおもり接続部57a、おもり57b及びおもりガイド57cを有する機構に限られない。
【0034】
(作用効果)
以下、本実施形態の台車10の作用について、図1図3図6図7を参照して説明する。
基本的に、車軸11と台車フレーム20との相対位置は、台車停車時の乗員の乗降により変化する。
車軸11と台車フレーム20との相対位置の変化に対して、逆遠心クラッチ50は、台車停止時(モータ15の停止時)に膨径して大きくなり、モータブラケット19を押し上げ、または押し下げるために設けられている。モータブラケット19は、モータ15に固定されているため、モータ15は、逆遠心クラッチ50によって押し上げられ、または押し下げられることになる。この逆遠心クラッチ50の作用について、以下に詳細に説明する。
【0035】
台車停車時には、図6に示すように、逆遠心クラッチ50が膨径して大きくなり、モータブラケット19の内周面19aと接触する。これにより、台車停車時には、車軸11からの荷重が逆遠心クラッチ50を介してモータブラケット19に良好に伝達されるようになる。この状態で、例えば図1に示すように、乗員の乗車によって台車10の重量が増加して、台車フレーム20に下向きの荷重がかかり台車フレーム20が下降する場合について考える。モータブラケット19はモータ15に固定されており、逆遠心クラッチ50がモータブラケット19に接触しているため、車軸11に働いた地面からの反力が逆遠心クラッチ50を介してモータ15に良好に伝達される。これにより、モータ15は、逆遠心クラッチ50によって押し上げられる。すると弾性部材30が上下方向に縮み、上向きの荷重と下向きの反力が吸収される。これにより、モータ15の高さが維持される。
【0036】
また、反対に、例えば乗員の降車によって台車10の減少が増加すると、台車フレーム20にかかる下向きの荷重が減少し、台車フレーム20が上昇する。この時、逆遠心クラッチ50は膨径して大きくなりモータブラケット19と接触しているため、逆遠心クラッチ50は、モータブラケット19を介してモータ15を押し下げる。すると、弾性部材30が上下方向に延びる。これにより、台車フレーム20の上方の変位が吸収されて、モータ15の高さが維持される。
【0037】
台車走行時には、図7に示すように、逆遠心クラッチ50のクラッチシュー52が径方向内側に移動し、逆遠心クラッチ50が縮径して小さくなる。これにより、逆遠心クラッチ50の外周縁が、モータブラケット19の内周面19aから離間する。すなわち、台車走行時には、逆遠心クラッチ50は、モータブラケット19に接触しない。このため、車軸11は、逆遠心クラッチ50とモータブラケット19との摩擦による影響を受けることなく、軸線O回りに回転することができる。
【0038】
また、図3に示すように、弾性部材30の伸縮長は、ラッチ40によって規定される。台車停車時には、乗員の乗降によって台車10の重量が大きく変動する。これにより、台車停車時には、ラッチ用ばね43を縮めて、ラッチ突起部46をモータブラケット19の内側に移動させるだけの外力がラッチ40に加わる。このため、台車停車時には、弾性部材30が上下方向に伸縮可能となり、台車フレーム20に対するモータ15の上下方向の位置が調整可能となる。一方で、台車走行時には、乗員の乗降がないため、ラッチ用ばね43を縮めて、ラッチ突起部46をモータブラケット19の内側に移動させるだけの外力がラッチ40に加わることがない。このため、台車走行時には、ラッチ溝45とラッチ突起部46との係合が維持されて、弾性部材30の上下方向の伸縮長が維持される。すなわち、台車走行時には、台車フレーム20に対するモータ15の上下方向の位置が維持される。
【0039】
以下、本実施形態の台車10の利点について説明する。
【0040】
本実施形態によれば、台車10は、モータ15の外面に設けられ、車軸11に対して軸線Oの径方向外側に位置するモータブラケット19と、台車フレーム20とモータブラケット19とを上下方向に接続し、上下方向に弾性変形可能な弾性部材30と、弾性部材30の上下方向の長さを規定するラッチ40と、車軸11の外周側に円環状に設けられるとともにモータブラケット19を径方向内側から支持し、車軸11と一体に回転して生じる遠心力を受けて回転時に縮径可能且つ回転停止時に膨径可能な逆遠心クラッチ50と、を備える。
【0041】
本実施形態によれば、台車停車時には、逆遠心クラッチ50がモータブラケット19を径方向内側から支持することができる。この状態で、乗員の乗車によって台車10の重量が増加すると、台車フレーム20に下向きの荷重がかかり、台車フレーム20が下降する。これに対し、車軸11には地面からの上向きの反力が加わる。このとき、逆遠心クラッチ50は、車軸11から上向きの反力を受けて、モータブラケット19を押し上げる。これにより、モータ15に対する車軸11の偏心が抑制される。反対に、乗員の降車によって台車10の重量が減少すると、台車フレーム20が上昇する。これに対し、モータ15も台車フレーム20とともに上昇しようとするが、逆遠心クラッチ50によってモータ15に対する車軸11の偏心が抑制される。このように、台車停車時には、逆遠心クラッチ50によってモータ15に対する車軸11の偏心が抑制された状態で、弾性部材30が上下方向に伸縮する。このため、モータ15の上下方向の変位が良好に吸収され、モータ15の高さが維持される。すなわち、台車10は、車軸11に対するモータ15の相対変位を十分に吸収することができる。
【0042】
また、台車走行時には、逆遠心クラッチ50が縮径して、逆遠心クラッチ50によるモータブラケット19の押し上げがなくなるが、ラッチ40によってモータブラケット19の高さが維持される。すなわち、車軸11に対するモータ15の相対変位を十分に吸収された状態が維持される。
このように、台車10は、台車停車時に車軸11に対するモータ15相対変位を十分に吸収し、台車走行時にはモータ15の相対変位が吸収された状態を維持することができる。よって、動力伝達継手16が吸収すべき変位量が少なくなり、動力伝達継手16の設計の自由度が増大する。さらに、動力伝達継手16の応力振幅が小さくなるので、動力伝達継手16の長寿命化を達成することができる。
【0043】
また、モータ15には、ダイレクトドライブ方式が採用されており、モータ15と車軸11とが動力伝達継手16を介して直結されている。このため、モータ15と車軸11とが例えばギヤボックスを介して接続される場合と比較して、台車10の重量と体積が低減される。さらに、モータ15は弾性部材30を介して台車フレーム20に吊り下げられる。これにより、モータ15の重量の少なくとも一部が台車フレーム20によって負担されるため、車輪13及び車軸11の重量が低減される。よって、レールダメージの低減が可能となる。
【0044】
本実施形態では、ラッチ40は、台車フレーム20に設けられた第一ラッチ部材41と、モータブラケット19に設けられ、第一ラッチ部材41に対向して第一ラッチ部材41と係合可能な第二ラッチ部材42と、を有する。
【0045】
本実施形態によれば、ラッチ40は、台車走行時に、第一ラッチ部材41と第二ラッチ部材42とを係合させることができる。これにより、モータブラケット19の高さが維持され、車軸11の偏心が抑制された状態が確実に維持される。
【0046】
<第二実施形態>
以下、本開示の第二実施形態に係る台車210について、図8を参照して説明する。前述した第一実施形態と同様の構成については、同一の名称及び同一の符号を付す等して説明を適宜省略する。
【0047】
本実施形態では、図8に示すように、ラッチ240は、ロックリリース機構243を有する。ロックリリース機構243は、モータ15の電圧を利用して第一ラッチ部材41と第二ラッチ部材42との係合、及び第一ラッチ部材41と第二ラッチ部材42との係合解除を行う。
【0048】
本実施形態によれば、第一ラッチ部材41と第二ラッチ部材42との係合、及び第一ラッチ部材41と第二ラッチ部材42との係合解除を行うために、台車210に特別な動力源を設ける必要がなくなる。これにより、台車210の重量と体積がより一層低減される。
【0049】
<第三実施形態>
以下、本開示の第三実施形態に係る台車310について、図9を参照して説明する。前述した第一実施形態と同様の構成については、同一の名称及び同一の符号を付す等して説明を適宜省略する。なお、図9では、逆遠心クラッチ50の構造が簡略化されている。
【0050】
図9に示すように、モータブラケット319は、位置決めフレーム319aと、突出板部319bと、を有する。
位置決めフレーム319aは、モータ15の軸線O方向の端面に設けられている。位置決めフレーム319aは、矩形枠部319dと、中間棒319eと、を有する。矩形枠部319dは、軸線O方向から見て上下方向に延びる矩形枠状に形成されている。矩形枠部319dの上端は、モータ15の外周面に固定されている。中間棒319eは、矩形枠部319dの内側であって、矩形枠部319dの上下方向中間位置に設けられている。中間棒319eは、前後方向に延びて、矩形枠部319dの前縁と後縁とを接続している。矩形枠部319dの内側面と、中間棒319eの径方向を向く表面とが、位置決めフレーム319aの内周面319cを形成している。
【0051】
突出板部319bは、モータ15の外周面から前後方向に突出している。各突出板部319bは、弾性部材30によって台車フレーム20と接続されている。
【0052】
ラッチ340は、第一ラッチ部材41及び第二ラッチ部材342に加えて、連動機構360を有する。連動機構360は、逆遠心クラッチ50の縮径及び膨径と連動して第一ラッチ部材41と第二ラッチ部材342との係合、及び第一ラッチ部材41と第二ラッチ部材342との係合解除を行う。連動機構360は、第一ピン361と、第一バー362と、第二ピン363と、第二バー364と、第三ピン365と、第三バー366と、第四ピン367と、有する。
【0053】
第一ピン361は、モータ15の軸線O方向の端面に設けられている。第一ピン361は、モータ15に第一バー362を回転可能に接続する。第一バー362は、上下方向に延びる棒状の部材である。第一バー362の上端は、第一ピン361によって円環部に接続されている。第一バー362は、逆遠心クラッチ50と接触する位置に設けられている。第二ピン363は、第一バー362の下端に設けられている。第二ピン363は、第一バー362に第二バー364を回転可能に接続する。第二バー364は、前後方向に延びる棒状の部材である。第二バー364の前端は、第二ピン363によって第一バー362に接続されている。第二バー364の後端には、第三ピン365が設けられている。第三ピン365は、第二バー364に第三バー366を回転可能に接続する。第三バー366は、上下方向に延びる棒状の部材である。第三バー366の下端は、第三ピン365によって第二バー364に接続されている。第三バー366の延在方向中間部には、第四ピン367が設けられている。第四ピン367は、モータブラケット319の突出板部319bに第三バー366を回転可能に接続する。
【0054】
第三バー366の上端部には、第二ラッチ部材342が設けられている。第二ラッチ部材342は、第二ラッチ基部346と、ラッチ突起部347と、を有する。第二ラッチ基部346は、第三バー366に固定されている。ラッチ突起部347は、第二ラッチ基部346から第一ラッチ部材41に向けて突出している。
【0055】
続いて、本実施形態における逆遠心クラッチ50の動作について説明する。
基本的に、本実施形態でも第一実施形態と同様に、車軸11と台車フレーム20との相対位置は、台車停車時の乗員の乗降により変化する。
車軸11と台車フレーム20との相対位置の変化に対して、逆遠心クラッチ50は、台車停止時(モータ15の停止時)に膨径して大きくなり、位置決めフレーム319aを押し上げ、または押し下げるために設けられている。位置決めフレーム319aは、モータ15に固定されているため、モータ15は、逆遠心クラッチ50によって押し上げられ、または押し下げられることになる。
【0056】
車軸11の位置変化は、逆遠心クラッチ50、及び位置決めフレーム319aを介して、モータ15の位置を変化させる。この時、車軸11の軸線Oとモータ15の中心軸線とが一致するように、モータ15の高さ(モータ15の上下方向位置)が調整される。
【0057】
台車10が走行を開始すると、逆遠心クラッチ50は縮径して小さくなり、位置決めフレーム319aに接触しなくなる。このため、逆遠心クラッチ50によって車軸11の回転が阻害されることがない。
【0058】
続いて、連動機構360の動作について説明する。
図9では、台車走行時の連動機構360が実線で開示され、台車停車時の連動機構360が二点鎖線で開示されている。台車走行時には、逆遠心クラッチ50が縮径し、連動機構360の第一バー362は、水平面に対して垂直に延びている。この状態では、第三バー366も、第一バー362と同様に水平面に対して垂直に延び、第二ラッチ部材342は、第一ラッチ部材41と係合している。
【0059】
台車停車時には、逆遠心クラッチ50のクラッチシュー52が拡がり、逆遠心クラッチ50が膨径する。これにより、連動機構360の第一バー362が第一ラッチ部材41に向かって押される。すると、第三バー366が第四ピン367回りに回転して、第二ラッチ部材342が第一ラッチ部材41から離間する。このようにして、台車停車時には、第一ラッチ部材41と第二ラッチ部材342との係合が解除される。
【0060】
以下、本実施形態の台車310の利点について説明する。
本実施形態では、ラッチ340は、逆遠心クラッチ50の縮径及び膨径と連動して第一ラッチ部材41と第二ラッチ部材342との係合、及び第一ラッチ部材41と第二ラッチ部材342との係合解除を行う連動機構360を有する。
【0061】
本実施形態によれば、台車310は、走行状態と停車状態の切替に応じて、即座に第一ラッチ部材41と第二ラッチ部材342との係合、及び第一ラッチ部材41と第二ラッチ部材342との係合解除を行うことができる。さらに、第一ラッチ部材41と第二ラッチ部材342との係合、及び第一ラッチ部材41と第二ラッチ部材342との係合解除を行うために、台車310に特別な動力源を設ける必要がなくなる。これにより、台車310の重量と体積がより一層低減される。
【0062】
(その他の実施形態)
以上、本開示の実施の形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【0063】
なお、上記実施形態では、台車10,210,310が鉄道車両用台車である場合について説明したが、これに限られない。台車10,210,310は、例えば、フォークリフトや人が重量物を運搬する際に手押しで用いる電動アシスト台車に用いられてもよい。
【0064】
なお、上記実施形態では、逆遠心クラッチ50がモータブラケット19,319に接触して直接押し上げる、または押し下げる場合について説明したが、これに限るものではない。逆遠心クラッチ50の外周側に第二軸受(不図示)が設けられて、この第二軸受を介してモータブラケット19,319を押し上げ、または押し下げるようにしてもよい。
【0065】
<付記>
各実施形態に記載の台車10,210,310は、例えば以下のように把握される。
【0066】
(1)第1の態様に係る台車10,210,310は、台車フレーム20と、前記台車フレーム20の下方に位置し、水平方向に延びる車軸11と、前記台車フレーム20に対して上下方向に相対変位可能に設けられ、前記車軸11を前記車軸11の軸線O回りに回転させるモータ15と、前記車軸11と前記モータ15の駆動軸15cとを同軸に連結する動力伝達継手16と、前記モータ15の外面に設けられ、前記車軸11に対して前記軸線Oの径方向外側に位置するモータブラケット19,319と、前記台車フレーム20と前記モータブラケット19,319とを上下方向に接続し、上下方向に弾性変形可能な弾性部材30と、前記弾性部材30の上下方向の長さを規定するラッチ40,240,340と、前記車軸11の外周側に円環状に設けられるとともに前記モータブラケット19,319を前記径方向内側から支持し、前記車軸11と一体に回転して生じる遠心力を受けて回転時に縮径可能で且つ回転停止時に膨径可能な逆遠心クラッチ50と、を備える。
【0067】
本態様によれば、台車停車時には、逆遠心クラッチ50がモータブラケット19,319を径方向内側から支持することができる。この状態で、台車10,210,310の重量が増加すると、台車フレーム20に下向きの荷重がかかり、台車フレーム20が下降する。これに対し、車軸11には地面からの上向きの反力が加わる。このとき、逆遠心クラッチ50は、車軸11から上向きの反力を受けて、モータブラケット19,319を押し上げる。これにより、モータ15に対する車軸11の偏心が抑制される。逆遠心クラッチ50によってモータ15に対する車軸11の偏心が抑制された状態で、弾性部材30が上下方向に伸縮する。このため、モータ15の上下方向の変位が良好に吸収され、モータ15の高さが維持される。
また、台車走行時には、逆遠心クラッチ50が縮径して、逆遠心クラッチ50によるモータブラケット19,319の押し上げがなくなるが、ラッチ40,240,340によってモータブラケット19,319の高さが維持される。
【0068】
(2)第2の態様の台車10,210,310は、(1)の台車10,210,310であって、前記ラッチ40,240,340は、前記台車フレーム20に設けられた第一ラッチ部材41と、前記モータブラケット19,319に設けられ、前記第一ラッチ部材41に対向して前記第一ラッチ部材41と係合可能な第二ラッチ部材42,342と、を有してもよい。
【0069】
本態様によれば、ラッチ40は、台車走行時に、第一ラッチ部材41と第二ラッチ部材42,342とを係合させることができる。
【0070】
(3)第3の態様の台車210は、(2)の台車210であって、前記ラッチ240は、前記モータ15の電圧を利用して前記第一ラッチ部材41と前記第二ラッチ部材42との係合、及び前記第一ラッチ部材41と前記第二ラッチ部材42との係合解除を行うロックリリース機構243を有してもよい。
【0071】
本態様によれば、第一ラッチ部材41と第二ラッチ部材42との係合、及び第一ラッチ部材41と第二ラッチ部材42との係合解除を行うために、台車210に特別な動力源を設ける必要がなくなる。
【0072】
(4)第4の態様の台車310は、(2)の台車310であって、前記ラッチ340は、前記逆遠心クラッチ50の縮径及び膨径と連動して前記第一ラッチ部材41と前記第二ラッチ部材342との係合、及び前記第一ラッチ部材41と前記第二ラッチ部材342との係合解除を行う連動機構360を有してもよい。
【0073】
本態様によれば、台車310は、走行状態と停車状態の切替に応じて、即座に第一ラッチ部材41と第二ラッチ部材342との係合、及び第一ラッチ部材41と第二ラッチ部材342との係合解除を行うことができる。さらに、第一ラッチ部材41と第二ラッチ部材342との係合、及び第一ラッチ部材41と第二ラッチ部材342との係合解除を行うために、台車310に特別な動力源を設ける必要がなくなる。
【符号の説明】
【0074】
1…車両 2…車体 10…台車 11…車軸 12…保持機構 12a…軸受箱 12b…第一軸受 13…車輪 14…軸ばね 15…モータ 15a…ステータ 15b…ロータ 15c…駆動軸 16…動力伝達継手 16a…モータ側継手部材 16b…車軸側継手部材 16c…カップリング 17…筒部 18…フランジ部 19…モータブラケット 19a…内周面 20…台車フレーム 30…弾性部材 40…ラッチ 41…第一ラッチ部材 42…第二ラッチ部材 43…ラッチ用ばね 44…第一ラッチ基部 45…ラッチ溝 46…ラッチ突起部 50…逆遠心クラッチ 51…クラッチ基部 52…クラッチシュー 53…回転ピン 54…スプリング 55…可動ピン 56…クラッチ接続部 57…遠心力増大機構 57a…おもり接続部 57b…おもり 57c…おもりガイド 210…台車 240…ラッチ 243…ロックリリース機構 310…台車 319…モータブラケット 319a…位置決めフレーム 319b…突出板部 319c…内周面 319d…矩形枠部 319e…中間棒 340…ラッチ 342…第二ラッチ部材 346…第二ラッチ基部 347…ラッチ突起部 360…連動機構 361…第一ピン 362…第一バー 363…第二ピン 364…第二バー 365…第三ピン 366…第三バー 367…第四ピン 370…第二軸受 L…レール O…軸線 P…ロック位置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9