(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024022219
(43)【公開日】2024-02-16
(54)【発明の名称】半導体記憶装置
(51)【国際特許分類】
H05K 7/20 20060101AFI20240208BHJP
H05K 5/00 20060101ALI20240208BHJP
H01L 23/467 20060101ALI20240208BHJP
【FI】
H05K7/20 B
H05K5/00 A
H01L23/46 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022125640
(22)【出願日】2022-08-05
(71)【出願人】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】弁理士法人志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】粟賀 宏介
【テーマコード(参考)】
4E360
5E322
5F136
【Fターム(参考)】
4E360AA02
4E360AB12
4E360BA01
4E360BB22
4E360CA02
4E360ED02
4E360GA24
4E360GB99
4E360GC02
5E322AA01
5E322AB01
5E322BA01
5E322BA03
5E322EA11
5E322FA04
5F136BA02
5F136CA00
5F136DA25
5F136DA50
5F136FA01
5F136FA02
5F136FA03
(57)【要約】
【課題】放熱性を向上できる半導体記憶装置を提供することである。
【解決手段】実施形態の半導体記憶装置は、基板21と、電子部品25と、コンデンサ50と、ヒートシンク60とを持つ。電子部品25は、基板21に実装されている。コンデンサ50は、基板21に実装されており、かつ、基板21の厚さ方向に電子部品25と重なる。ヒートシンク60は、コンデンサ50を支持する支持部65と空気流動路64とを有する。ヒートシンク60は、電子部品25に接続されている。
【選択図】
図3A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板に実装された電子部品と、
前記基板に実装され、前記基板の厚さ方向に前記電子部品と重なるコンデンサと、
前記コンデンサを支持する支持部と空気流動路とを有し、前記電子部品に接続されたヒートシンクと、
を備えた半導体記憶装置。
【請求項2】
前記ヒートシンクは、フィンを有し、
前記フィンは、前記基板の前記厚さ方向に延び、
前記フィンは、前記空気流動路に面している、
請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項3】
前記基板、前記電子部品、前記コンデンサ、及び前記ヒートシンクを収容する筐体と、
前記筐体の内面に接続された熱伝導体と、
を有し、
前記ヒートシンクは、
前記筐体の前記内面に対向する第1板部と、
前記第1板部とは反対側に位置するとともに前記電子部品に接続された第2板部と、
を有し、
前記電子部品は、前記第2板部に接続されており、
前記筐体の前記内面と前記第1板部との間に前記熱伝導体が設けられている、
請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項4】
前記電子部品は、第1電子部品と第2電子部品とを含み、
前記基板は、第1面と、前記第1面とは反対側に位置した第2面とを有し、
前記第1電子部品は、前記第1面に実装されており、
前記第2電子部品は、前記第2面に実装されており、
前記筐体は、前記第1面に対向する第1筐体部材と、前記第2面に対向する第2筐体部材とを有し、
前記熱伝導体は、前記第1筐体部材の第1内面に接続された第1熱伝導体と、前記第2筐体部材の第2内面に接続された第2熱伝導体とを有し、
前記ヒートシンクの前記第1板部は、前記第1筐体部材の前記第1内面に対向し、
前記第1電子部品は、前記第2板部に接続されており、
前記第1筐体部材の前記第1内面と前記第1板部との間に前記第1熱伝導体が設けられており、
前記第2筐体部材の前記第2内面と前記第2電子部品との間に前記第2熱伝導体が設けられている、
請求項3に記載の半導体記憶装置。
【請求項5】
各々が前記コンデンサに対応する複数のコンデンサを有し、
前記ヒートシンクの前記支持部は、前記複数のコンデンサを支持する、
請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項6】
前記支持部に対する、前記複数のコンデンサのうち少なくとも2つのコンデンサの挿入方向は、互いに異なる、
請求項5に記載の半導体記憶装置。
【請求項7】
前記支持部は、前記コンデンサを支持する支持面を有し、
前記支持面は、前記コンデンサに接続することで前記コンデンサの位置を決める、
請求項5に記載の半導体記憶装置。
【請求項8】
前記基板、前記電子部品、前記コンデンサ、及び前記ヒートシンクを収容する筐体を有し、
前記筐体は、前記筐体に流入する空気が通る通気孔を有する側壁を有し、
前記筐体は、前記空気流動路が延在する方向に対して傾斜する第1ガイド部を有し、
前記第1ガイド部は、前記側壁と前記ヒートシンクとの間の領域に位置する、
請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項9】
前記基板、前記電子部品、前記コンデンサ、及び前記ヒートシンクを収容する筐体を有し、
前記筐体は、前記筐体に流入する空気が通る通気孔を有する側壁を有し、
前記ヒートシンクは、前記空気流動路が延在する方向に対して傾斜する第2ガイド部を有し、
前記第2ガイド部は、前記側壁と前記ヒートシンクとの間の領域に位置する、
請求項1に記載の半導体記憶装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、半導体記憶装置に関する。
【背景技術】
【0002】
基板と、基板に実装された電子部品とを備えた半導体記憶装置が知られている。半導体記憶装置は、放熱性の向上が期待されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施形態は、放熱性を向上できる半導体記憶装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の半導体記憶装置は、基板と、電子部品と、コンデンサと、ヒートシンクとを持つ。電子部品は、基板に実装されている。コンデンサは、基板に実装されており、かつ、基板の厚さ方向に電子部品と重なる。ヒートシンクは、コンデンサを支持する支持部と空気流動路とを有する。ヒートシンクは、電子部品に接続されている。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】第1実施形態の半導体記憶装置を示す斜視図。
【
図2】第1実施形態の半導体記憶装置の一部を分解して示す分解斜視図。
【
図3A】第1実施形態の半導体記憶装置に含まれるヒートシンクを部分的に示す断面図。
【
図3B】第1実施形態の半導体記憶装置に含まれるヒートシンクを部分的に示す断面図。
【
図4】第1実施形態の半導体記憶装置に含まれるコンデンサ組立体26を示す平面図。
【
図5】第2実施形態の半導体記憶装置に含まれるカバー、ヒートシンク、及びコンデンサを示す下面図。
【
図6】第3実施形態の半導体記憶装置に含まれる筐体、ヒートシンク、及びコンデンサを示す下面図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態の半導体記憶装置を、図面を参照して説明する。
実施形態の説明では、同一または類似の機能を有する構成に同一の符号を付す。そして、それら構成の重複する説明は省略する場合がある。「第1」「第2」「第3」といった序数詞を用いる場合がある。この序数詞は、序数詞で記載された部材の個数を示していない。
【0008】
以下の説明では、文言「重なる」とは、2つの対象物の仮想的な投影像同士が重なることを意味し、2つの対象物が直接に接しない場合も含み得る。文言「平行」、文言「直交」、及び文言「同一」の各々は、「略平行」、「略直交」、及び「略同一」である場合も含み得る。文言「接続」とは、機械的な接続に限定されず、電気的な接続である場合も含み得る。すなわち「接続」とは、対象物と直接に接続された場合に限定されず、別の要素を間に介在させて接続される場合も含み得る。また、文言「接続」とは、互いに連結された場合に限定されず、接しているだけの場合も含み得る。
【0009】
ここで、先に、+X方向、-X方向、+Y方向、-Y方向、+Z方向、及び-Z方向について定義する。+X方向、-X方向、+Y方向、及び-Y方向は、後述する基板21の第1面21aと平行な方向である(
図2参照)。+X方向は、後述する筐体10の第1端部10aから第2端部10bに向かう方向である(
図1参照)。-X方向は、+X方向とは反対の方向である。+X方向と-X方向とを区別しない場合は、単に「X方向」と称する。+Y方向及び-Y方向は、X方向とは交差する(例えば、直交する)方向である。
【0010】
+Y方向は、後述する筐体10の第3端部10cから第4端部10dに向かう方向である(
図1参照)。-Y方向は、+Y方向とは反対の方向である。+Y方向と-Y方向とを区別しない場合は、単に「Y方向」と称する。+Z方向及び-Z方向は、X方向及びY方向とは交差する(例えば、直交する)方向であり、後述する基板21の厚さ方向である。
【0011】
+Z方向は、基板21から後述する筐体10のカバー主壁15に向かう方向である(
図2参照)。-Z方向は、+Z方向とは反対の方向である。+Z方向と-Z方向とを区別しない場合は、単に「Z方向」と称する。Z方向は、基板21の厚さ方向である。
以下の説明では、X方向、Y方向、Z方向を纏めて称する場合、単に、XYZ方向と称することがある。X方向、Y方向、Z方向の各々を、第1方向、第2方向、第3方向と称してもよい。
【0012】
<第1実施形態>
<半導体記憶装置の全体構成>
図1から
図4を参照し、第1実施形態の半導体記憶装置1について説明する。半導体記憶装置1は、例えば、SSD(Solid State Drive)のような記憶装置である。半導体記憶装置1は、例えば、サーバやパーソナルコンピュータなどの情報処理装置に取り付けられ、情報処理装置の記憶領域として利用される。本実施形態では、半導体記憶装置1が取り付けられる情報処理装置を「ホスト装置」と称する。
【0013】
図1は、半導体記憶装置1を示す斜視図である。
図2は、半導体記憶装置1の一部を分解して示す分解斜視図である。
図1及び
図2に示すように、半導体記憶装置1は、例えば、筐体10、基板ユニット20、支持フレーム30、及び複数の固定部材40を有する。
図3A及び
図3Bは、本実施形態の半導体記憶装置1を部分的に示す断面図である。
図3Aにおいては、ヒートシンク60に固定された第4コンデンサ50Dの断面を示している。
図3Bにおいては、ヒートシンク60に固定された第1コンデンサ50A、第2コンデンサ50B、及び第3コンデンサ50Cの断面を示している。
【0014】
<筐体>
図1に示すように、筐体10は、例えば、扁平な矩形箱状の形状を有する。筐体10は、例えば、金属製である。筐体10は、筐体10の長手方向(X方向)に分かれた一対の端部として、第1端部10aと、第2端部10bとを有する。第2端部10bは、第1端部10aとは反対側の端部である。第1端部10aには、開口(図示せず)が設けられている。第1端部10aに設けられた開口は、後述する基板ユニット20のコネクタ22(
図2参照)を筐体10の外部に露出させる。
筐体10は、筐体10の短手方向(Y方向)に分かれた一対の端部として、第3端部10cと、第4端部10dとを有する。第4端部10dは、第3端部10cとは反対側の端部である。
【0015】
図2に示すように、筐体10は、ベース11とカバー12とを含む。
ベース11とカバー12とが組み合わされることで、筐体10は構成されている。
ベース11及びカバー12の各々は、「筐体」の一例である。カバー12は、「第1筐体部材」の一例である。ベース11は、「第2筐体部材」の一例である。
筐体10は、基板ユニット20を収容するように構成されている。すなわち、筐体10は、後述する基板21、コントローラ23、DRAM24、NAND25、コンデンサ50、及び前記ヒートシンク60を収容する。
【0016】
<ベース>
ベース11は、例えば、ベース主壁14と、3つの側壁11b、11c、11dとを有する。ベース主壁14は、X方向及びY方向に沿う壁である。ベース主壁14は、ベース外面14Eとベース内面14Iとを有する。ベース外面14Eは、-Z方向に向く面である。ベース外面14Eは、-Z方向における半導体記憶装置1の外表面を形成する。
【0017】
ベース内面14Iは、+Z方向に向く面である。ベース内面14Iは、基板21の第2面21bに対向する面である。ベース内面14Iの一部は、後述する第2熱伝導シート27Bに接続されている。ベース内面14Iは、「第2内面」の一例である。
3つの側壁11b、11c、11dの各々は、筐体10の第2端部10b、第3端部10c、及び第4端部10dに対応する側壁である。3つの側壁11b、11c、11dの各々は、ベース主壁14から+Z方向に延びている。
【0018】
<カバー>
カバー12は、カバー主壁15と、4つの側壁12a、12b、12c、12dとを有する。カバー主壁15は、X方向及びY方向に沿う壁である。カバー主壁15は、カバー外面15Eとカバー内面15Iとを有する。カバー外面15Eは、+Z方向に向く面である。カバー外面15Eは、+Z方向における半導体記憶装置1の外表面を形成する。
【0019】
カバー内面15Iは、-Z方向に向く面である。カバー内面15Iは、基板21の第1面21aに対向する面である。カバー内面15Iの一部は、後述する第1熱伝導シート27Aに接続されている。カバー内面15Iは、「第1内面」の一例である。
【0020】
4つの側壁12a、12b、12c、12dの各々は、第1端部10a、第2端部10b、第3端部10c、及び第4端部10dに対応する側壁である。4つの側壁12a、12b、12c、12dの各々は、カバー主壁15から-Z方向に延びている。
【0021】
筐体10は、ベース11とカバー12とが組み合わされることで形成された第1側壁16、第2側壁17、第3側壁18、及び第4側壁19を有する(
図1参照)。第1側壁16は、-X方向側の側壁であり、カバー12の側壁12aにより形成されている。第2側壁17は、+X方向側の側壁であり、ベース11の側壁11bとカバー12の側壁12bとにより形成されている。第1側壁16及び第2側壁17の各々は、Y方向及びZ方向に沿う壁である。第3側壁18は、-Y方向側の側壁であり、ベース11の側壁11cとカバー12の側壁12cとにより形成されている。第4側壁19は、+Y方向側の側壁であり、ベース11の側壁11dとカバー12の側壁12dとにより形成されている。第3側壁18及び第4側壁19の各々は、X方向及びZ方向に沿う壁である。
【0022】
図2に示すように、筐体10の第1側壁16は、複数の第1通気孔16aを有する。同様に、筐体10の第2側壁17は、複数の第2通気孔17aを有する。第1通気孔16a及び第2通気孔17aのうち一方が吸気孔として機能し、他方が排気孔として機能してもよい。例えば、+X方向に風が流れる設置環境に半導体記憶装置1が置かれる場合、筐体10の外部の空気は、第1通気孔16aから筐体10の内部に流入し、第2通気孔17aから筐体10の外部に排気される。一方で、-X方向に風が流れる設置環境に半導体記憶装置1が置かれる場合、筐体10の外部の空気は、第2通気孔17aから筐体10の内部に流入し、第1通気孔16aから筐体10の外部に排気される。以下では、-X方向に風が流れる場合、つまり、複数の第2通気孔17aに空気が流入し、空気が筐体10の内部を流れ、複数の第1通気孔16aから空気が流出する場合を説明する。
【0023】
ベース11は、後述する基板21が載置される複数の載置部11sを有する。複数の載置部11sは、筐体10の4つの角部に対応して設けられている。各載置部11sは、後述する固定部材40が挿入されて固定される固定穴11hを有する。カバー12の各々は、固定部材40が通される複数の挿通穴12hを有する。挿通穴12hは、固定穴11hに対応する位置に設けられている。
【0024】
<支持フレーム>
支持フレーム30は、基板21とカバー12との間に位置する。支持フレーム30は、基板21とカバー12との間の隙間を埋めるスペーサである。支持フレーム30は、例えば、基板21の外周に沿う枠状である。支持フレーム30は、基板21の第1面21aの上に載置される。支持フレーム30は、各々、固定部材40が通される複数の挿通穴30hを有する。挿通穴30hは、ベース11の載置部11sの固定穴11hに対応する位置に設けられている。なお、支持フレーム30は、省略されてもよい。この場合、カバー12、基板21、及びベース11が固定部材40によって共締めされることで一体に固定されてもよい。
【0025】
<固定部材>
固定部材40は、カバー12の挿通穴12h、支持フレーム30の挿通穴30h、基板21の挿通穴21h、及びベース11の固定穴11hに挿入され、カバー12、支持フレーム30、基板21、及びベース11を一体に固定する。固定部材40は、ねじでもよいし、ピンのような嵌合部材でもよい。ただし、文言「固定部材」は、上記例に限定されない。固定部材40は、ベース11とカバー12とを固定する固定部材に限定されず、ベース11とカバー12とのうちいずれか一方のみと基板21とを固定する固定部材でもよい。
【0026】
<基板ユニット>
基板ユニット20は、筐体10のベース11とカバー12との間に位置する。基板ユニット20は、筐体10に収容されている。基板ユニット20は、基板21、コネクタ22、コントローラ23、複数のDRAM(Dynamic Random Access Memory)24、複数のNAND型フラッシュメモリ25、コンデンサ組立体26、及び熱伝導シート27を有する。本実施形態では、NAND型フラッシュメモリ25を「NAND25」と称する。
【0027】
<基板>
基板21は、X方向及びY方向に沿う板状の部材である。基板21は、プリント配線板であり、絶縁基材と、絶縁基材に設けられた配線と、接続端子21Tとを有する。配線は、後述するコンデンサ50のリード52に接続される接続端子21Tに接続されている。基板21は、第1面21a、第1面21aとは反対側に位置した第2面21bとを有する。
【0028】
第1面21aは、+Z方向に向いている。第1面21aは、筐体10のカバー主壁15のカバー内面15Iに対向する。一方で、第2面21bは、-Z方向に向いている。第2面21bは、ベース主壁14のベース内面14Iに対向する。
基板21は、ベース11に設けられた複数の載置部11sの上に載置される。基板21は、複数の挿通穴21hを有する。複数の挿通穴21hの各々には、固定部材40が通される。挿通穴21hは、ベース11の載置部11sの固定穴11hに対応する位置に設けられている。
【0029】
<コネクタ>
コネクタ22は、基板21の-X方向側の端部に設けられている。コネクタ22は、複数の金属端子を有する。コネクタ22は、筐体10の第1端部10aに設けられた開口(図示せず)を通じて筐体10の外部に露出されている。コネクタ22は、ホスト装置のコネクタと接続可能である。このため、コネクタ22を外部接続コネクタと称することができる。
【0030】
<コントローラ>
コントローラ23は、例えば、基板21の第1面21aに実装されている。コントローラ23は、半導体記憶装置1の全体を統括的に制御する。コントローラ23は、例えば、ホスト装置に対するホストインターフェース回路、複数のDRAM24を制御する制御回路、及び複数のNAND25を制御する制御回路などが1つの半導体チップに集積されたSoC(System on a Chip)を含む半導体パッケージである。コントローラ23は、不図示の熱接続部材を介して、ベース11のベース主壁14に接続されている。これにより、コントローラ23で発生する熱の一部は、ベース11のベース主壁14に移動し、ベース11のベース主壁14から筐体10の外部に放散される。
【0031】
本実施形態において、コントローラ23は、基板21の第1面21aに実装されている。コントローラ23が基板21に実装される面は、第1面21aに限定されない。コントローラ23は、基板21の第2面21bに実装されてもよい。また、コントローラ23は、基板21の第1面21a及び第2面21bの両面に実装されてもよい。
【0032】
<DRAM>
DRAM24は、例えば、基板21の第1面21aに実装されている。DRAM24は、揮発性の半導体メモリチップを含む半導体パッケージである。DRAM24は、ホスト装置から受信した書き込み対象データ、及びNAND25から読み出された読み出し対象データなどが一時的に格納されるデータバッファである。ただし、半導体記憶装置1は、DRAM24を有しなくてもよい。
【0033】
本実施形態において、DRAM24は、基板21の第1面21aに実装されている。
DRAM24が基板21に実装される面は、基板21の第1面21aに限定されない。DRAM24は、基板21の第2面21bに実装されてもよい。また、DRAM24は、基板21の第1面21a及び第2面21bの両面に実装されてもよい。
【0034】
<NAND>
複数のNAND25は、例えば、基板21の第1面21a及び第2面21bの両面に実装されている。第1面21aに実装されているNAND25は、第1NAND25Aである。第2面21bに実装されているNAND25は、第2NAND25Bである。NAND25は、「電子部品」の一例である。第1NAND25Aは、「第1電子部品」の一例である。第2NAND25Bは、「第2電子部品」の一例である。
以下の説明では、第1NAND25A及び第2NAND25Bを単にNAND25と称する場合がある。
【0035】
複数のNAND25は、X方向及びY方向に並べて配置されている。NAND25は、不揮発性の半導体メモリチップを含む半導体パッケージである。NAND25は、半導体記憶装置1の動作時に発熱する部品であり、「発熱部品」の一例である。ただし、「発熱部品」は、NAND25に限定されず、コントローラ23、DRAM24、又は、半導体記憶装置1に含まれる部品であってもよい。
なお、
図3A及び
図3Bに示す例では、NAND25は、基板21の第1面21a及び第2面21bの両面に実装されているが、変形例として、NAND25は、第1面21aのみに実装されてもよい。
【0036】
<コンデンサ組立体>
図4は、半導体記憶装置1に含まれるコンデンサ組立体26を-Z方向に見た平面図である。
コンデンサ組立体26は、複数のコンデンサ50と、ヒートシンク60とを有する。コンデンサ組立体26は、NAND25に接続され、固定されている。NAND25に対するコンデンサ組立体26の固定構造としては、例えば、固定部材40の締結力によりカバー12をコンデンサ組立体26に向けて押圧する押圧構造が挙げられる。このような固定構造以外に、ネジ等の公知の締結部材を用いた締結構造によって、コンデンサ組立体26をNAND25に固定してもよい。また、コンデンサ組立体26は、カバー12による押圧構造と、締結部材を用いた締結構造との組み合わせによって、NAND25に固定されてもよい。
【0037】
コンデンサ組立体26においては、ヒートシンク60が複数のコンデンサ50を支持している。コンデンサ組立体26においては、X方向、Y方向、及びZ方向における複数のコンデンサ50の位置が決定されている。言い換えると、基板21の第1面21aに形成されている接続端子21Tに対する複数のコンデンサ50の各々のリード52の位置が、コンデンサ組立体26において予め決定されている。
【0038】
<コンデンサ>
図4に示すように、複数のコンデンサ50は、Z方向においてNAND25と重なっている。複数のコンデンサ50は、第1コンデンサ50A、第2コンデンサ50B、第3コンデンサ50C、及び第4コンデンサ50Dである。第1コンデンサ50A、第2コンデンサ50B、及び第3コンデンサ50Cは、X方向に並んでいる。言い換えると、X方向に並ぶコンデンサの数は、3つである。
【0039】
本実施形態では、コンデンサの個数が4つである場合を説明するが、コンデンサの個数は、4つに限定されず、5つ以上であってもよい。また、X方向及びY方向の各々に並ぶコンデンサの個数は、
図4に示す例に限定されない。コンデンサ組立体においては、複数のコンデンサの配置パターンは、半導体記憶装置1の設計に応じて適宜変更可能である。
以下の説明では、4つのコンデンサ50A、50B、50C、50Dを、4つのコンデンサ50と称する場合がある。また、4つのコンデンサ50の各々の説明を省略するため、1つのコンデンサ50について説明する場合がある。
【0040】
コンデンサ50は、予期せぬ電力遮断時のデータ保護を目的とする電源バックアップ機能を担う。例えば、コンデンサ50は、ホスト装置からの電力供給が予期せず遮断された場合、コントローラ23、複数のDRAM24、及び複数のNAND25などに対して電力を一定時間にわたり供給する。コンデンサ50は、例えば、電解コンデンサである。さらに言えば、コンデンサ50は、例えば、アルミ電解コンデンサである。ただし、コンデンサ50は、上記例に限定されない。
【0041】
コンデンサ50は、本体51と、一対のリード52とを有する。
本体51は、円柱状に形成されている。本体51は、リード突出面53と、リード突出面53とは反対側に位置する先端面54と、外周面55を有する。リード突出面53は、本体51からリード52が突出する面である。
リード52は、基板21の第1面21aに形成されている配線に電気的に接続されている。リード52と配線との電気接続構造としては、公知の接合部材を用いた接続構造が用いられる。接合部材としては、例えば、はんだや導電性ペーストが挙げられる。
【0042】
<ヒートシンク>
ヒートシンク60は、第1板部61と、第2板部62と、複数のフィン63と、複数の空気流動路64と、支持部65とを有する。
図3A及び
図3Bに示すように、ヒートシンク60は、Z方向に見て、NAND25に重なっている。言い換えると、ヒートシンク60は、Z方向においてNAND25に接続されている。ヒートシンク60は、NAND25及びコンデンサ50から発生した熱を放熱する放熱部品である。
【0043】
図4に示すように、ヒートシンク60は、X方向に平行な第1側面60Aと、Y方向に平行な第2側面60Bと、Y方向に平行な第3側面60Cを有する。第1側面60Aは、+Y方向に向いている。第2側面60Bは、+X方向に向いている。第3側面60Cは、第2側面60Bとは反対側に位置する側面である。第3側面60Cは、-X方向に向いている。
【0044】
ヒートシンク60の材料としては、熱伝導性に優れる公知の金属材料が採用される。金属材料は、例えば、アルミニウムや銅である。
ヒートシンク60の加工方法としては、公知の加工方法が採用される。例えば、塑性加工の一つである押出成形法によって、空気流動路64を含むヒートシンク構造体の全体形状を形成することができる。その後、切削加工によって、複数の支持部65をヒートシンク構造体に形成することによって、上述したヒートシンク60を形成することができる。
【0045】
<第1板部>
第1板部61は、カバー内面15Iに対向する面である。
第1板部61は、コンデンサ配置領域61Aと、熱伝導シート配置領域61Bと、開口部61Cとを有する。第1板部61は、ヒートシンク60の熱をヒートシンク60の外部に放熱する放熱部として機能する。
コンデンサ配置領域61Aにおいては、複数のコンデンサ50が配置されている。熱伝導シート配置領域61Bには、第1熱伝導シート27Aが接続される。熱伝導シート配置領域61Bは、第1熱伝導シート27Aを介してカバー内面15Iに接続されている。
開口部61Cは、+Z方向にコンデンサ50の一部を露出させる。
【0046】
第1板部61の形状として、コンデンサ50を露出させない形状、つまり、第1板部61に開口部61Cが形成されていない形状を採用することも可能である。
また、第1板部61における開口部61Cの幅、例えば、第1コンデンサ50AのX方向における幅W1を調整することも可能である。
【0047】
図3A、
図3B、及び
図4に示すように、開口部61Cを形成するか否かの判断及び開口部61Cの幅の調整は、コンデンサ50の大きさ(例えば、直径)やZ方向におけるヒートシンク60の厚さに応じて行われる。
例えば、コンデンサ50の直径が比較的小さい場合には、開口部61Cを形成することなく、ヒートシンク60の内部にコンデンサ50を配置することが可能である。コンデンサ50の直径が比較的大きい場合には、開口部61Cを形成することが可能である。
半導体記憶装置1の設計において、ヒートシンク60の厚さを比較的大きくすることが可能である場合には、開口部61Cを形成することなく、ヒートシンク60の内部にコンデンサ50を配置することが可能である。ヒートシンク60の厚さを比較的小さくする必要がある場合には、開口部61Cを形成することが可能である。
【0048】
<第2板部>
図3Aに示すように、第2板部62は、Z方向において第1板部61とは反対側に位置する部位である。第2板部62は、第1NAND25Aに接続されている。本実施形態においては、第1NAND25Aと第2板部62との間に、熱伝導テープ、グリス等の熱伝導部材28が設けられている。言い換えると、第2板部62は、熱伝導部材28を介して、第1NAND25Aに接続されている。すなわち、第2板部62は、第1NAND25Aから発生した熱を受ける部位である。つまり、第2板部62は、受熱部として機能する。第1NAND25Aと第2板部62との間における熱伝導性を確保することが可能であれば、第1NAND25Aに第2板部62を直接的に接続させてもよい。Z方向に見て、第2板部62は、基板21の第1面21aに実装されている第1NAND25Aの配置パターンに重なる平面形状を有する。
【0049】
<フィン>
フィン63は、第1板部61と第2板部62との間に設けられている。
フィン63は、+Z方向において第2板部62から第1板部61に延びるように設けられている。フィン63は、X方向に平行に延びている。空気流動路64を流れる空気とフィン63の表面との間で熱交換が可能なように、フィン63は、空気流動路64に面している。フィン63は、空気流動路64を流動する空気にヒートシンク60の熱を移動させる放熱部として機能する。
【0050】
本実施形態においては、空気の流出入方向はX方向である。つまり、フィン63の延在方向はX方向である。しかしながら、フィン63の延在方向は、X方向に限定されない。フィン63の延在方向はY方向であってもよい。フィン63の延在方向は、複数の第1通気孔16a及び複数の第2通気孔17aが形成される位置、つまり、筐体10の外部から筐体10の内部に空気が流入し、筐体10の内部から筐体10の外部に空気が流出する方向に応じて決定される。
【0051】
<空気流動路>
複数の空気流動路64は、第1板部61と第2板部62との間に設けられている。
複数の空気流動路64の各々は、複数のフィン63のうち互いに互いに隣り合う2つのフィン63の間に形成されている。空気流動路64は、第2側面60B及び第3側面60Cの各々に開口している。空気流動路64は、+Z方向において第2板部62から第1板部61に延びるように形成されている。空気流動路64は、第2側面60Bから第3側面60Cに向けてX方向に延びている。
【0052】
本実施形態において、半導体記憶装置1の外部から複数の第2通気孔17aに流入した空気は、第3側面60Cに開口する複数の空気流動路64に流入する。空気は、複数の空気流動路64の内部を流れ、第2側面60Bに開口する複数の空気流動路64から流出する。複数の空気流動路64から流出した空気は、複数の第1通気孔16aを通じて、半導体記憶装置1の外部に排気される。
【0053】
<支持部>
複数の支持部65の各々は、ヒートシンク60においてコンデンサ50を支持する。支持部65は、コンデンサ50から発生する熱を受ける部位である。このため、支持部65を受熱部として機能する、または、受熱支持部として機能する。
【0054】
複数の支持部65は、第1支持部65A、第2支持部65B、第3支持部65C、及び第4支持部65Dである。第1支持部65A、第2支持部65B、第3支持部65C、及び第4支持部65Dの各々は、第1コンデンサ50A、第2コンデンサ50B、第3コンデンサ50C、及び第4コンデンサ50Dを支持する。
第1コンデンサ50A、第2コンデンサ50B、及び第3コンデンサ50Cの各々は、Y方向において、第1支持部65A、第2支持部65B、及び第3支持部65Cに挿入されている。第4コンデンサ50Dは、X方向において、第4支持部65Dに挿入されている。すなわち、ヒートシンク60は、支持部65に対する挿入方向が互いに異なる複数のコンデンサを支持することが可能である。
【0055】
以下の説明では、4つの支持部65A、65B、65C、65Dを、4つの支持部65と称する場合がある。また、4つの支持部65の各々の説明を省略するため、1つの支持部65について説明する場合がある。
【0056】
図3Aに示すように、第4支持部65Dは、第4コンデンサ50Dを支持する支持面66を有する。
図3Bに示すように、第1支持部65A、第2支持部65B、第3支持部65Cの各々は、第1コンデンサ50A、第2コンデンサ50B、及び第3コンデンサ50Cを支持する支持面66を有する。
【0057】
支持面66は、第1支持面66A、第2支持面66B、及び第3支持面66Cを有する。
図3Aにおいては、第1支持面66A及び第2支持面66Bは、Y方向において互いに向かい合っている。
図3Bにおいては、第1支持面66A及び第2支持面66Bは、X方向において互いに向かい合っている。第3支持面66Cは、+Z方向に向く面である。
第1支持面66A、第2支持面66B、及び第3支持面66Cの各々は、コンデンサ50の外周面55に対応する形状を有する。本実施形態においては、第1支持面66A、第2支持面66B、及び第3支持面66Cの各々は、コンデンサ50の外周面55を形成する曲面に対応する曲面を有する。
【0058】
第1支持面66Aは、コンデンサ50の外周面55の一部を形成する側面55Aに接続されている。第2支持面66Bは、コンデンサ50の外周面55の一部を形成する側面55Bに接続されている。第3支持面66Cは、コンデンサ50の外周面55の一部を形成する側面55Cに接続されている。コンデンサ50の側面55Cは、-Z方向に向く面である。
第1支持面66A及び第2支持面66Bは、フィン63の一部に形成された部位である。第3支持面66Cは、フィン63の一部及び第2板部62の一部に形成された部位である。
【0059】
第1支持面66A及び第2支持面66Bは、ヒートシンク60に挿入されたコンデンサ50の位置を決定する。つまり、
図3Aに示す第1支持面66A及び第2支持面66Bは、コンデンサ50DのY方向の位置を決める。
図3Aに示す第3支持面66Cは、コンデンサ50DのZ方向の位置を決める。同様に、
図3Bに示す第1支持面66A及び第2支持面66Bは、コンデンサ50A、50B、50CのX方向の位置を決める。
図3Bに示す第3支持面66Cは、コンデンサ50A、50B、50CのZ方向の位置を決める。
【0060】
図4に示すように、第1支持部65A、第2支持部65B、及び第3支持部65Cの各々は、ヒートシンク60の第1側面60Aから-Y方向に延びるようにヒートシンク60の内部に形成されている。
支持部65A、65B、65Cの各々は、支持端面67Aと支持開口部68Aとを有する。支持端面67Aは、コンデンサ50A、50B、50Cの先端面54に接続される部位である。支持開口部68Aは、第1側面60Aに形成されている。支持開口部68Aには、コンデンサ50A、50B、50Cが挿入される。
【0061】
第4支持部65Dは、ヒートシンク60の第2側面60Bから-X方向に延びるようにヒートシンク60の内部に形成されている。第4支持部65Dは、支持端面67Bと支持開口部68Bとを有する。支持端面67Bは、コンデンサ50Dの先端面54に接続される部位である。支持開口部68Bは、第2側面60Bに形成されている。支持開口部68Bには、コンデンサ50Dが挿入される。
言い換えると、支持端面67A、67Bは、支持開口部68A、68Bを通じてヒートシンク60に挿入されたコンデンサ50の位置を決定する。すなわち、支持端面67Aは、コンデンサ50A、50B、50Cの各々のY方向の位置を決める。支持端面67Bは、コンデンサ50DのX方向の位置を決める。支持端面67A、67Bは、「支持面」の一例である。
【0062】
支持部65がコンデンサ50を支持する支持構造としては、例えば、嵌合構造と接着構造とが挙げられる。嵌合構造においては、支持部65の内部にコンデンサ50が圧入されている。コンデンサ50の圧入によって、コンデンサ50に復元力が生じ、コンデンサ50の外周面55が支持面66を押圧する。これにより、コンデンサ50が支持部65から抜けることがなく、コンデンサ50が支持部65に対して固定される。この状態では、コンデンサ組立体26におけるコンデンサ50の位置が決められる。このような嵌合構造においては、支持開口部から支持端面に向かう方向において支持部65の断面における径が次第に小さくなるように、支持面66にテーパ部が形成されてもよい。
【0063】
接着構造においては、支持面66とコンデンサ50の外周面55との間の隙間に接着剤が注入される。接着剤が固着することで、接着剤の接着力によってコンデンサ50が支持部65に対して固定される。接着剤としては、公知の熱硬化性樹脂や紫外線硬化性樹脂を用いることができる。コンデンサ50の支持構造においては、嵌合構造及び接着構造の一方が採用されてもよいし、両方が採用されてもよい。
【0064】
<コンデンサ組立体の形成方法>
まず、4つの支持部65を有するヒートシンク60と、4つのコンデンサ50とを用意する。
4つのコンデンサ50のうちの3つのコンデンサ50A、50B、50Cの各々を支持部65A、65B、65Cの支持開口部68Aに挿入する。その後、コンデンサ50A、50B、50Cを-Y方向に移動させる。これにより、コンデンサ50A、50B、50Cの各々の先端面54は、支持部65A、65B、65Cの支持端面67Aに接続される。したがって、3つのコンデンサ50A、50B、50CのY方向における位置が決められる。さらに、3つのコンデンサ50A、50B、50Cの各々は、支持部65A、65B、65Cの支持面66に接続される。第1支持面66A及び第2支持面66Bによって、3つのコンデンサ50A、50B、50CのX方向における位置が決められる。さらに、第3支持面66Cによって、3つのコンデンサ50A、50B、50CのZ方向における位置が決められる。
【0065】
同様に、4つのコンデンサ50のうちの残りのコンデンサ50Dを支持部65Dの支持開口部68Aに挿入する。その後、コンデンサ50Dを-X方向に移動させる。これにより、コンデンサ50Dの先端面54は、支持部65Dの支持端面67Aに接続される。したがって、コンデンサ50DのX方向における位置が決められる。さらに、コンデンサ50Dは、支持部65Dの支持面66に接続される。第1支持面66A及び第2支持面66Bによって、コンデンサ50DのY方向における位置が決められる。さらに、第3支持面66Cによって、コンデンサ50DのZ方向における位置が決められる。
このような形成方法により、ヒートシンク60によってコンデンサ50A、50B、50C、50Dが支持されたコンデンサ組立体26を形成することができる。
【0066】
<熱伝導シート>
熱伝導シート27は、基板ユニット20のZ方向における両側に設けられている。具体的に、熱伝導シート27は、第1熱伝導シート27Aと第2熱伝導シート27Bを有する。熱伝導シート27は、例えば、公知のTCシートを用いることが可能である。
熱伝導シート27は、「熱伝導体」の一例である。熱伝導が可能な部材や材料であれば、シート状の熱伝導体以外の熱伝導体を用いてもよい。例えば、熱伝導シート27に代えて、熱伝導を有するグリスを用いてもよい。また、熱伝導シート27に代えて、熱伝導テープを用いてもよい。
【0067】
<第1熱伝導シート>
図4に示すように、第1熱伝導シート27Aは、ヒートシンク60の第1板部61上における熱伝導シート配置領域61Bに設けられている。
図3A及び
図3Bに示すように、第1熱伝導シート27Aは、Z方向において、第1板部61とカバー内面15Iとの間に設けられている。固定部材40が筐体10と基板ユニット20との間に付与する締結力の作用により、第1熱伝導シート27Aは、第1板部61とカバー内面15Iとよって押圧されている。固定部材40による締結力により、第1熱伝導シート27Aとヒートシンク60とが密着し、かつ、第1熱伝導シート27Aとカバー12とが密着している。したがって、第1熱伝導シート27Aを介在させて、ヒートシンク60とカバー12との間の熱伝導性が向上している。
また、第1熱伝導シート27Aが設けられる熱伝導シート配置領域61Bの位置は、
図4に示す位置に限定されない。第1熱伝導シート27Aは、ヒートシンク60の第1板部61上の全面に亘って設けられていてもよい。また、第1熱伝導シート27Aの形状は、特に限定されない。
【0068】
<第2熱伝導シート>
図3A及び
図3Bに示すように、第2熱伝導シート27Bは、Z方向において、第2NAND25Bとベース内面14Iとの間に設けられている。固定部材40が筐体10と基板ユニット20との間に付与する締結力の作用により、第2熱伝導シート27Bは、第2NAND25Bとベース内面14Iとよって押圧されている。固定部材40による締結力により、第2熱伝導シート27Bと第2NAND25Bとが密着し、かつ、第2熱伝導シート27Bとベース11とが密着している。したがって、第2熱伝導シート27Bを介在させて第2NAND25Bとベース11との間の熱伝導性が向上している。
【0069】
<コンデンサ組立体を基板に実装する実装方法>
以下の説明では、実装ロボットを稼働させることによってコンデンサ組立体を基板に実装する実装方法を説明する。なお、変形例として、作業者の作業によってコンデンサ組立体を基板に実装する実装方法が行われてもよい。
まず、半導体記憶装置1の製造に用いられる実装ロボットは、コンデンサ組立体26を把持し、コンデンサ組立体26を基板21の第1面21aに対向させる。このとき、コンデンサ組立体26においては、コンデンサ50A、50B、50C、50Dの位置が予め決定されている。
【0070】
実装ロボットは、Z方向においてコンデンサ組立体26と基板21とを離間させた状態で、X方向及びY方向におけるコンデンサ50A、50B、50C、50Dのリード52の位置と、X方向及びY方向における基板21の第1面21a上の接続端子21Tの位置とを合わせる。
その後、実装ロボットは、コンデンサ組立体26を基板21に近づけ、コンデンサ組立体26に含まれるヒートシンク60の第2板部62を第1NAND25A上に配置する。第1NAND25A上には、予め、熱伝導部材28が設けられている。このため、コンデンサ組立体26は、熱伝導部材28を介して第1NAND25A上に配置される。なお、第2板部62に熱伝導部材28が設けられた状態で、コンデンサ組立体26を第1NAND25A上に配置してもよい。コンデンサ組立体26が基板21に実装された後、実装ロボットは、コンデンサ組立体26を放し、基板21から退避する。
【0071】
これにより、
図2に示すように、コンデンサ50A、50B、50C、50Dのリード52は、第1面21a上の接続端子21Tに接続される。その後、リード52は、はんだを用いて、第1面21a上の接続端子21Tに電気的に接続される。
【0072】
<作用効果>
<放熱性向上>
半導体記憶装置1の駆動に伴って、第1NAND25A、第2NAND25B、4つのコンデンサ50から熱が発生する。第1NAND25Aから発生した熱は、熱伝導部材28及び第2板部62を介して、ヒートシンク60に移動する。第2NAND25Bから発生した熱は、第2熱伝導シート27Bを介して、ベース11に移動する。4つのコンデンサ50から発生した熱は、外周面55に接触する第1支持面66A、第2支持面66B、及び第3支持面66Cを介して、ヒートシンク60に移動する。
【0073】
ヒートシンク60は、複数のフィン63と、複数の空気流動路64とを備える。空気流動路64を流れる空気は、フィン63と接触する。これにより、ヒートシンク60の熱は、空気流動路64を流れる空気に移動する。つまり、空気流動路64を流れる空気とフィン63の表面との間で熱交換が行われる。したがって、ヒートシンク60の熱は、空気流動路64を流れる空気によって、ヒートシンク60の外部に排出される。
【0074】
さらに、ヒートシンク60の第1板部61とカバー12のカバー内面15Iとの間には第1熱伝導シート27Aが設けられている。ヒートシンク60の熱は、第1熱伝導シート27Aを介して、カバー12に移動する。
【0075】
このような構成を有する半導体記憶装置1によれば、ヒートシンク60が複数の空気流動路64を有するとともに、第1熱伝導シート27Aを介してカバー12に接続されている。このため、複数の空気流動路64を流動する空気を介して、第1NAND25A及び4つのコンデンサ50から発生する熱を半導体記憶装置1の外部に排出することができる。さらに、第1熱伝導シート27A及びカバー12を介して、第1NAND25A及び4つのコンデンサ50から発生する熱を半導体記憶装置1の外部に排出することができる。
また、第2熱伝導シート27B及びベース11を介して、第2NAND25Bから発生する熱を半導体記憶装置1の外部に排出することができる。
【0076】
<剛性向上>
半導体記憶装置1においては、固定部材40の締結力により、ベース11及びカバー12によって基板ユニット20が押圧されている。基板ユニット20に付与される押圧力の作用によって、カバー12は、ヒートシンク60を押圧し、ヒートシンク60は第1NAND25Aを押圧する。これにより、コンデンサ組立体26は、第1NAND25Aに対して安定的に固定されている。したがって、コンデンサ組立体26においてヒートシンク60によって支持されたコンデンサ50に衝撃や振動が加わったとしても、支持部65がコンデンサ50を安定的に支持する。すなわち、コンデンサ50の位置が変わることがなく、コンデンサ50のリード52が折れたり、曲がってしまったりすることを防止することができる。
【0077】
<コンデンサの位置決め性向上>
コンデンサ組立体26においては、コンデンサ50A、50B、50C、50DのXYZ方向における位置が決定されている。言い換えると、第1NAND25Aにコンデンサ組立体26を設ける前に、接続端子21Tに対する複数のコンデンサ50の各々のリード52のXYZ方向における位置が、コンデンサ組立体26において予め決定されている。
このため、従来の実装工程のように、コンデンサ50の単体を第1面21aに実装する際の位置決め治具を用いる必要がなく、第1NAND25A上にコンデンサ組立体26を設けるだけで、複数のコンデンサ50の各々のリード52を接続端子21Tに正確に配置させることができる。
【0078】
また、コンデンサ50の単体を基板21の第1面21aに直接的に実装する必要がないため、組立効率が向上する。言い換えると、コンデンサ組立体26を予め形成するため、コンデンサ50を第1面21aに実装工程とヒートシンク60を第1面21aに実装工程とを分けて行う必要がない。第1NAND25A上にコンデンサ組立体26を設けるだけで、ヒートシンク60、4つのコンデンサ50を基板ユニット20に実装することができ、組立効率が向上する。
【0079】
<第2実施形態>
図5を参照し、第2実施形態の半導体記憶装置2について説明する。
第2実施形態において、第1実施形態と同一部材には同一符号を付して、その説明は省略または簡略化する。
図5は、第2実施形態の半導体記憶装置2に含まれるカバー12及びコンデンサ組立体26を下方から見た下面図である。
【0080】
<カバー>
カバー12は、筐体10の一部を形成している。上述したように、筐体10は、基板ユニット20、コンデンサ50、及びヒートシンク60を収容している。
カバー12は、第2側壁17を有する。第2側壁17には、筐体10に流入する空気が通る第2通気孔17aが形成されている。
【0081】
<ガイド板>
図5に示すように、カバー12は、カバー内面15Iに設けられたガイド板13を有する。ガイド板13は、-Z方向に向けて突出するように、カバー内面15Iに設けられている。ガイド板13は、カバー12における+Y方向側に位置する第1ガイド板13Aと、カバー12における-Y方向側に位置する第2ガイド板13Bとを有する。ガイド板13は、「第1ガイド部」の一例である。第1ガイド板13A及び第2ガイド板13Bは、第2側壁17とヒートシンク60の側面60Bとの間の領域12Rに位置する。言い換えると、領域12Rにおける+Y方向側に第1ガイド板13Aが位置し、領域12Rにおける-Y方向側に第2ガイド板13Bが位置している。さらに、具体的には、領域12Rの全体を囲むように、第2側壁17、ヒートシンク60の側面60B、第1ガイド板13A、及び第2ガイド板13Bが配置されている。ここで、領域12Rの全体を囲む状態においては、互いの隣り合う2つの部材が離間して設けられてもよいし、接続されてもよい。
【0082】
第1ガイド板13Aは、第1開口端部13eと第1ガイド端部13fとを有する。第1開口端部13eは、+Y方向側に位置する第2側壁17の端部17cに接続されている。第1ガイド端部13fは、+Y方向側に位置するヒートシンク60の側面60Bの端部60Dに対向している。
図5に示す例では、第1開口端部13eは端部17cに接続されているが、第1ガイド板13Aによって空気をガイドする効果を十分に得ることが可能であれば、第1開口端部13eは端部17cから離間して設けられてもよい。第1ガイド端部13fは端部60Dに対向しているが、第1ガイド板13Aによって空気をガイドする効果を十分に得ることが可能であれば、第1ガイド端部13fと端部60Dとの間の距離は変更可能である。
【0083】
Y方向に見て、第1開口端部13eは、第1ガイド端部13fよりも、+Y方向側に位置している。言い換えると、第1開口端部13eは、第1ガイド端部13fよりも、カバー12の側壁12dの近くに位置している。
第1ガイド板13Aは、第1開口端部13eから第1ガイド端部13fに向けて延在するように、X方向に対して傾斜している。例えば、第1ガイド板13Aは、符号13Cで示す傾斜方向に向けて延在している。言い換えると、第1ガイド板13Aは、空気流動路64が延在する方向に対して傾斜する傾斜面を有する。
【0084】
第2ガイド板13Bは、第2開口端部13gと第2ガイド端部13hとを有する。第2開口端部13gは、+Y方向側に位置する第2側壁17の端部17dに接続されている。第2ガイド端部13hは、+Y方向側に位置するヒートシンク60の側面60Bの端部60Eに対向している。
図5に示す例では、第2開口端部13gは端部17dに接続されているが、第2ガイド板13Bによって空気をガイドする効果を十分に得ることが可能であれば、第2開口端部13gは端部17dから離間して設けられてもよい。第2ガイド端部13hは端部60Eに対向しているが、第2ガイド板13Bによって空気をガイドする効果を十分に得ることが可能であれば、第2ガイド端部13hと端部60Eとの間の距離は変更可能である。
【0085】
Y方向に見て、第2開口端部13gは、第2ガイド端部13hよりも、-Y方向側に位置している。言い換えると、第2開口端部13gは、第2ガイド端部13hよりも、カバー12の側壁12cの近くに位置している。
第2ガイド板13Bは、第2開口端部13gから第2ガイド端部13hに向けて延在するように、X方向に対して傾斜している。例えば、第2ガイド板13Bは、符号13Dで示す傾斜方向に向けて延在している。言い換えると、第2ガイド板13Bは、空気流動路64が延在する方向に対して傾斜する傾斜面を有する。
【0086】
<作用効果>
<放熱性向上>
-X方向に風が流れる設置環境に半導体記憶装置2が置かれる場合、筐体10の外部の空気は、第2通気孔17aから筐体10の内部に流入し、第1通気孔16aから筐体10の外部に排気される。
第2通気孔17aを通じて筐体10の内部に流入する空気流は、符号F1、F2、F3で示されている。空気流F1は、Y方向における第2側壁17の中央領域に形成された第2通気孔17aを流れる空気流である。空気流F2は、第2側壁17のうち+Y方向側に位置する領域に形成された第2通気孔17aを流れる空気流である。空気流F3は、第2側壁17のうち-Y方向側に位置する領域に形成された第2通気孔17aを流れる空気流である。
【0087】
空気流F1は、第2通気孔17aを通じて筐体10の内部に流入した後、ヒートシンク60の側面60Bに到達し、ヒートシンク60の空気流動路64に流入する。空気流動路64を流れる空気とフィン63の表面との間で熱交換が行われ、ヒートシンク60の熱は、空気流動路64を流れる空気に移動する。熱交換に用いられた空気は、第1通気孔16aから筐体10の外部に排気される。
【0088】
空気流F2は、第2通気孔17aを通じて筐体10の内部に流入した後、第1ガイド板13Aに衝突する。第1ガイド板13Aに衝突した空気は、傾斜方向13Cに向けて流動し、ヒートシンク60の側面60Bに到達し、ヒートシンク60の空気流動路64に流入する。空気流動路64を流れる空気とフィン63の表面との間で熱交換が行われ、ヒートシンク60の熱は、空気流動路64を流れる空気に移動する。熱交換に用いられた空気は、第1通気孔16aから筐体10の外部に排気される。
【0089】
空気流F3は、第2通気孔17aを通じて筐体10の内部に流入した後、第2ガイド板13Bに衝突する。第2ガイド板13Bに衝突した空気は、傾斜方向13Dに向けて流動し、ヒートシンク60の側面60Bに到達し、ヒートシンク60の空気流動路64に流入する。空気流動路64を流れる空気とフィン63の表面との間で熱交換が行われ、ヒートシンク60の熱は、空気流動路64を流れる空気に移動する。熱交換に用いられた空気は、第1通気孔16aから筐体10の外部に排気される。
【0090】
このような構成を有する半導体記憶装置2によれば、第1ガイド板13A及び第2ガイド板13Bをカバー12に設けたことによって、空気流F2、F3をヒートシンク60の空気流動路64に導くことができる。したがって、ガイド板を設けない構造と比較して、より多くの流量の空気を空気流動路64に流入させることができ、空気流動路64を流れる空気とフィン63の表面との間で行わる熱交換を促進させることができる。すなわち、上述した第1実施形態によって得られる放熱性向上の効果をさらに高めることができる。
【0091】
<第3実施形態>
図6を参照し、第3実施形態の半導体記憶装置3について説明する。
第3実施形態において、第1実施形態及び第2実施形態と同一部材には同一符号を付して、その説明は省略または簡略化する。
図6は、第3実施形態の半導体記憶装置3に含まれるカバー12及びコンデンサ組立体26を下方から見た下面図である。
【0092】
<ガイド部材>
図6に示すように、ヒートシンク60は、ガイド部材70を有する。ガイド部材70は、ヒートシンク60における+Y方向側の側面60Aに設けられた第1ガイド部材70Aと、ヒートシンク60における-Y方向側の側面60Fに設けられた第2ガイド部材70Bとを有する。ガイド部材70は、「第2ガイド部」の一例である。第1ガイド部材70A及び第2ガイド部材70Bは、第2側壁17とヒートシンク60の側面60Bとの間の領域12Rに位置する。言い換えると、領域12Rにおける+Y方向側に第1ガイド部材70Aが位置し、領域12Rにおける-Y方向側に第2ガイド部材70Bが位置している。さらに、具体的には、領域12Rの全体を囲むように、第2側壁17、ヒートシンク60の側面60B、第1ガイド部材70A、及び第2ガイド部材70Bが配置されている。ここで、領域12Rの全体を囲む状態においては、互いの隣り合う2つの部材が離間して設けられてもよいし、接続されてもよい。
【0093】
側面60A、60Fに対する第1ガイド部材70A及び第2ガイド部材70Bの固定構造としては、例えば、接着剤を用いた接着構造、ネジ等の締結部材を用いた締結構造等が挙げられる。言い換えると、第1ガイド部材70A及び第2ガイド部材70Bは、ヒートシンク60とは別体の部材である。半導体記憶装置1の軽量化の点で、第1ガイド部材70A及び第2ガイド部材70Bの材料として、例えば、樹脂材料を用いることが可能である。
【0094】
第1ガイド部材70Aは、第1開口端部71Aと第1ガイド端部71Bとを有する。第1開口端部71Aは、+Y方向側に位置する第2側壁17の端部17cに対向している。第1ガイド端部71Bは、+Y方向側に位置するヒートシンク60の側面60Bの端部60Dに接続されている。第1ガイド部材70Aによって空気をガイドする効果を十分に得ることが可能であれば、第1開口端部71Aと端部17cとの間の距離は、変更可能である。
【0095】
Y方向に見て、第1開口端部71Aは、第1ガイド端部71Bよりも、+Y方向側に位置している。言い換えると、第1開口端部71Aは、第1ガイド端部71Bよりも、カバー12の側壁12dの近くに位置している。
第1ガイド部材70Aは、第1開口端部71Aから第1ガイド端部71Bに向けて延在するように、X方向に対して傾斜している。例えば、第1ガイド部材70Aは、符号71Cで示す傾斜方向に向けて延在している。言い換えると、第1ガイド部材70Aは、空気流動路64が延在する方向に対して傾斜する傾斜面を有する。
【0096】
第2ガイド部材70Bは、第2開口端部72Aと第2ガイド端部72Bとを有する。第2開口端部72Aは、+Y方向側に位置する第2側壁17の端部17dに対向している。第2ガイド端部72Bは、+Y方向側に位置するヒートシンク60の側面60Bの端部60Eに接続されている。第2ガイド部材70Bによって空気をガイドする効果を十分に得ることが可能であれば、第2開口端部72Aと端部17dとの間の距離は、変更可能である。
【0097】
Y方向に見て、第2開口端部72Aは、第2ガイド端部72Bよりも、-Y方向側に位置している。言い換えると、第2開口端部72Aは、第2ガイド端部72Bよりも、カバー12の側壁12cの近くに位置している。
第2ガイド部材70Bは、第2開口端部72Aから第2ガイド端部72Bに向けて延在するように、X方向に対して傾斜している。例えば、第2ガイド部材70Bは、符号72Dで示す傾斜方向に向けて延在している。言い換えると、第2ガイド部材70Bは、空気流動路64が延在する方向に対して傾斜する傾斜面を有する。
【0098】
<作用効果>
<放熱性向上>
-X方向に風が流れる設置環境に半導体記憶装置3が置かれる場合、筐体10の外部の空気は、第2通気孔17aから筐体10の内部に流入し、第1通気孔16aから筐体10の外部に排気される。
第2通気孔17aを通じて筐体10の内部に流入する空気流は、符号F1、F2、F3で示されている。空気流F1は、Y方向における第2側壁17の中央領域に形成された第2通気孔17aを流れる空気流である。空気流F2は、第2側壁17のうち+Y方向側に位置する領域に形成された第2通気孔17aを流れる空気流である。空気流F3は、第2側壁17のうち-Y方向側に位置する領域に形成された第2通気孔17aを流れる空気流である。
【0099】
空気流F1は、第2通気孔17aを通じて筐体10の内部に流入した後、ヒートシンク60の側面60Bに到達し、ヒートシンク60の空気流動路64に流入する。空気流動路64を流れる空気とフィン63の表面との間で熱交換が行われ、ヒートシンク60の熱は、空気流動路64を流れる空気に移動する。熱交換に用いられた空気は、第1通気孔16aから筐体10の外部に排気される。
【0100】
空気流F2は、第2通気孔17aを通じて筐体10の内部に流入した後、第1ガイド部材70Aに衝突する。第1ガイド部材70Aに衝突した空気は、傾斜方向71Cに向けて流動し、ヒートシンク60の側面60Bに到達し、ヒートシンク60の空気流動路64に流入する。空気流動路64を流れる空気とフィン63の表面との間で熱交換が行われ、ヒートシンク60の熱は、空気流動路64を流れる空気に移動する。熱交換に用いられた空気は、第1通気孔16aから筐体10の外部に排気される。
【0101】
空気流F3は、第2通気孔17aを通じて筐体10の内部に流入した後、第2ガイド部材70Bに衝突する。第2ガイド部材70Bに衝突した空気は、傾斜方向72Dに向けて流動し、ヒートシンク60の側面60Bに到達し、ヒートシンク60の空気流動路64に流入する。空気流動路64を流れる空気とフィン63の表面との間で熱交換が行われ、ヒートシンク60の熱は、空気流動路64を流れる空気に移動する。熱交換に用いられた空気は、第1通気孔16aから筐体10の外部に排気される。
【0102】
このような構成を有する半導体記憶装置3によれば、第1ガイド部材70A及び第2ガイド部材70Bをヒートシンク60設けたことによって、空気流F2、F3をヒートシンク60の空気流動路64に導くことができる。したがって、ガイド部材を設けない構造と比較して、より多くの流量の空気を空気流動路64に流入させることができ、空気流動路64を流れる空気とフィン63の表面との間で行わる熱交換を促進させることができる。すなわち、上述した第1実施形態によって得られる放熱性向上の効果をさらに高めることができる。
【0103】
本実施形態において、ヒートシンク60の側面にガイド部材70が固定された構造を述べた。本実施形態の変形例として、ヒートシンク60及びガイド部材70は一体の部材であってもよい。言い換えると、ヒートシンク60の製造工程において、上述したガイド部材70と同様の構造を有するガイド部を備えるようにヒートシンク60が形成されてもよい。
【0104】
<電子部品の変形例>
上述した実施形態においては、電子部品の一例として、NAND25を説明した。コントローラ23及びDRAM24の各々が電子部品として用いられてもよい。つまり、コントローラ23に接続されるようにヒートシンク60を配置してもよいし、DRAM24に接続されるようにヒートシンク60を配置してもよい。電子部品は、上述した実施形態に限定されない。例えば、電子部品は、プロセッサや電子機器であってもよい。
【0105】
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、半導体記憶装置は、基板と、電子部品と、コンデンサと、ヒートシンクとを持つ。電子部品は、基板に実装されている。コンデンサは、基板に実装されており、かつ、基板の厚さ方向に電子部品と重なる。ヒートシンクは、コンデンサを支持する支持部と空気流動路とを有する。ヒートシンクは、電子部品に接続されている。これにより、半導体記憶装置の放熱性を向上できる。
【0106】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0107】
1、2、3…半導体記憶装置、10…筐体、10a…第1端部、10b…第2端部、10c…第3端部、10d…第4端部、11…ベース、11b、11c、11d…側壁、11h…固定穴、11s…載置部、12…カバー、12a、12b、12c、12d…側壁、12h…挿通穴、12R…領域、13…ガイド板、13A…第1ガイド板、13B…第2ガイド板、13e…第1開口端部、13f…第1ガイド端部、13g…第2開口端部、13h…第2ガイド端部、14…ベース主壁、14E…ベース外面、14I…ベース内面、15…カバー主壁、15E…カバー外面、15I…カバー内面、16…第1側壁、16a…第1通気孔、17…第2側壁、17a…第2通気孔、17c…端部、17d…端部、18…第3側壁、19…第4側壁、20…基板ユニット、21…基板、21a…第1面、21b…第2面、21h…挿通穴、21T…接続端子、22…コネクタ、23…コントローラ、24…DRAM、25…NAND(NAND型フラッシュメモリ)、25…電子部品、25A…第1NAND(NAND)、25B…第2NAND(NAND)、26…コンデンサ組立体、27…熱伝導シート、27A…第1熱伝導シート、27B…第2熱伝導シート、28…熱伝導部材、30…支持フレーム、30h…挿通穴、40…固定部材、50…コンデンサ、50A…第1コンデンサ(コンデンサ)、50B…第2コンデンサ(コンデンサ)、50C…第3コンデンサ(コンデンサ)、50D…第4コンデンサ(コンデンサ)、51…本体、52…リード、53…リード突出面、54…先端面、55…外周面、55A…側面、55B…側面、55C…側面、60…ヒートシンク、60A…第1側面(側面)、60B…第2側面(側面)、60C…第3側面(側面)、60D、60E…端部、60F…側面、61…第1板部、61A…コンデンサ配置領域、61B…熱伝導シート配置領域、61C…開口部、62…第2板部、63…フィン、64…空気流動路、65…支持部、65A…第1支持部(支持部)、65B…第2支持部(支持部)、65C…第3支持部(支持部)、65D…第4支持部(支持部)、66…支持面、66A…第1支持面(支持面)、66B…第2支持面(支持面)、66C…第3支持面(支持面)、67A、67B…支持端面、68A、68B…支持開口部、70A…第1ガイド部材(ガイド部材)、70B…第2ガイド部材(ガイド部材)、71A…第1開口端部、71B…第1ガイド端部、72A…第2開口端部、72B…第2ガイド端部、F1、F2、F3…空気流。