(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024022273
(43)【公開日】2024-02-16
(54)【発明の名称】センサパネル及び電子機器
(51)【国際特許分類】
G06F 3/041 20060101AFI20240208BHJP
G06F 3/044 20060101ALI20240208BHJP
G06F 3/03 20060101ALI20240208BHJP
【FI】
G06F3/041 422
G06F3/041 450
G06F3/044 122
G06F3/03 400A
G06F3/044 127
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022125731
(22)【出願日】2022-08-05
(71)【出願人】
【識別番号】000139403
【氏名又は名称】株式会社ワコム
(74)【代理人】
【識別番号】110004277
【氏名又は名称】弁理士法人そらおと
(74)【代理人】
【識別番号】100130982
【弁理士】
【氏名又は名称】黒瀬 泰之
(72)【発明者】
【氏名】門脇 淳
(57)【要約】
【課題】タブレット型の電子機器のさらなる狭ベゼル化を実現できるセンサパネルを提供する。
【解決手段】センサパネル5は、表示パネル3に重畳配置されて使用され、少なくとも表示パネル3のアクティブエリアA内におけるアクティブペン10の位置を検出するセンサコントローラ4に接続されるセンサパネル5であって、それぞれy方向に延在し、かつ、x方向に並べて配設され、互いに異なる配線6xによってセンサコントローラ4に接続される複数の線状電極5xを含む。複数の線状電極5xは、x方向の両端に位置する外側電極5xb,5xc、並びに、それぞれ外側電極5xb,5xc以外の線状電極5xである複数の内側電極5xaを含む。外側電極5xb,5xcはそれぞれソリッド導体によって構成され、複数の内側電極5xaはそれぞれメッシュ導体によって構成される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示装置に重畳配置されて使用され、少なくとも前記表示装置のアクティブエリア内におけるアクティブペンの位置を検出する集積回路に接続されるセンサパネルであって、
それぞれ第1の方向に延在し、かつ、前記第1の方向と異なる第2の方向に並べて配設され、互いに異なる第1のルーティング線によって前記集積回路に接続される複数の第1の電極を含み、
前記複数の第1の電極は、前記第2の方向の両端に位置する第1及び第2の外側電極、並びに、それぞれ前記第1及び第2の外側電極以外の前記第1の電極である複数の第1の内側電極を含み、
前記第1及び第2の外側電極はそれぞれソリッド導体によって構成され、
前記複数の第1の内側電極はそれぞれメッシュ導体によって構成される、
センサパネル。
【請求項2】
それぞれ前記第2の方向に延在し、かつ、前記第1の方向に並べて配設され、互いに異なる第2のルーティング線によって前記集積回路に接続される複数の第2の電極をさらに含み、
前記複数の第2の電極は、前記第1の方向の両端に位置する第3及び第4の外側電極、並びに、それぞれ前記第3及び第4の外側電極以外の前記第2の電極である複数の第2の内側電極を含み、
前記第3及び第4の外側電極はそれぞれ前記ソリッド導体によって構成され、
前記複数の第2の内側電極はそれぞれ前記メッシュ導体によって構成される、
請求項1に記載のセンサパネル。
【請求項3】
前記第1及び第2のルーティング線はそれぞれ前記ソリッド導体によって構成される、
請求項1又は2に記載のセンサパネル。
【請求項4】
表示装置に重畳配置されて使用され、少なくとも前記表示装置のアクティブエリア内におけるアクティブペンの位置を検出する集積回路に接続されるセンサパネルであって、
それぞれ第1の方向に延在し、かつ、前記第1の方向と異なる第2の方向に並べて配設され、互いに異なる第1のルーティング線によって前記集積回路に接続される複数の第1の電極を含み、
前記複数の第1の電極は、前記第2の方向の両端に位置する第1及び第2の外側電極、並びに、それぞれ前記第1及び第2の外側電極以外の前記第1の電極である複数の第1の内側電極を含み、
前記第1及び第2の電極はそれぞれ不透明導体によって構成され、
前記複数の第1の内側電極はそれぞれ透明導体によって構成される、
センサパネル。
【請求項5】
それぞれ前記第2の方向に延在し、かつ、前記第1の方向に並べて配設され、互いに異なる第2のルーティング線によって前記集積回路に接続される複数の第2の電極をさらに含み、
前記複数の第2の電極は、前記第1の方向の両端に位置する第3及び第4の外側電極、並びに、それぞれ前記第3及び第4の外側電極以外の前記第2の電極である複数の第2の内側電極を含み、
前記第3及び第4の外側電極はそれぞれ前記不透明導体によって構成され、
前記複数の第2の内側電極はそれぞれ前記透明導体によって構成される、
請求項4に記載のセンサパネル。
【請求項6】
前記第1及び第2のルーティング線はそれぞれ前記不透明導体によって構成される、
請求項4又は5に記載のセンサパネル。
【請求項7】
前記第1及び第2の外側電極はそれぞれ前記アクティブエリアの外側に配置される、
請求項1,2,4,5のいずれか一項に記載のセンサパネル。
【請求項8】
前記第1乃至第4の外側電極はそれぞれ前記アクティブエリアの外側に配置される、
請求項2又は5に記載のセンサパネル。
【請求項9】
前記第1及び第2の外側電極それぞれの前記第2の方向の幅は、前記複数の第1の内側電極それぞれの前記第2の方向の幅よりも狭い、
請求項1,2,4,5のいずれか一項に記載のセンサパネル。
【請求項10】
前記第1及び第2の外側電極それぞれの前記第2の方向の幅は、前記複数の第1の内側電極それぞれの前記第2の方向の幅よりも狭く、
前記第3及び第4の外側電極それぞれの前記第1の方向の幅は、前記複数の第2の内側電極それぞれの前記第1の方向の幅よりも狭い、
請求項2又は5に記載のセンサパネル。
【請求項11】
表示装置に重畳配置されるセンサパネルと、
前記センサパネルに接続され、少なくとも前記表示装置のアクティブエリア内におけるアクティブペンの位置を検出する集積回路と、を含む電子機器であって、
前記センサパネルは、それぞれ第1の方向に延在し、かつ、前記第1の方向と異なる第2の方向に並べて配設され、互いに異なるルーティング線によって前記集積回路に接続される複数の電極を含み、
前記複数の電極は、前記第2の方向の両端に位置する第1及び第2の外側電極、並びに、それぞれ前記第1及び第2の外側電極以外の前記第1の電極である複数の内側電極を含み、
前記複数の内側電極は、前記第1の外側電極に近いものから順に第1の内側電極及び第2の内側電極を含み、
前記第1及び第2の外側電極はそれぞれソリッド導体によって構成され、
前記複数の第1の内側電極はそれぞれメッシュ導体によって構成され、
前記集積回路は、
前記アクティブペンが送信した位置信号の前記複数の電極のそれぞれにおける受信強度を検出し、
前記複数の電極のそれぞれにおいて検出された前記受信強度のうち、前記第1の内側電極において検出された前記受信強度が最大であった場合に、前記第1の外側電極、前記第1の内側電極、及び前記第2の内側電極のそれぞれにおいて検出された前記受信強度に基づいて前記アクティブペンの前記第2の方向の位置を決定する、
電子機器。
【請求項12】
表示装置に重畳配置されるセンサパネルと、
前記センサパネルに接続され、少なくとも前記表示装置のアクティブエリア内におけるアクティブペンの位置を検出する集積回路と、を含む電子機器であって、
前記センサパネルは、それぞれ第1の方向に延在し、かつ、前記第1の方向と異なる第2の方向に並べて配設され、互いに異なるルーティング線によって前記集積回路に接続される複数の電極を含み、
前記複数の電極は、前記第2の方向の両端に位置する第1及び第2の外側電極、並びに、それぞれ前記第1及び第2の外側電極以外の前記第1の電極である複数の内側電極を含み、
前記複数の内側電極は、前記第1の外側電極に近いものから順に第1の内側電極及び第2の内側電極を含み、
前記第1及び第2の外側電極はそれぞれ不透明導体によって構成され、
前記複数の第1の内側電極はそれぞれ透明導体によって構成され、
前記集積回路は、
前記アクティブペンが送信した位置信号の前記複数の電極のそれぞれにおける受信強度を検出し、
前記複数の電極のそれぞれにおいて検出された前記受信強度のうち、前記第1の内側電極において検出された前記受信強度が最大であった場合に、前記第1の外側電極、前記第1の内側電極、及び前記第2の内側電極のそれぞれにおいて検出された前記受信強度に基づいて前記アクティブペンの前記第2の方向の位置を決定する、
電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はセンサパネル及び電子機器に関し、特に、表示装置に重畳配置されて使用されるセンサパネル、及び、該センサパネルを含む電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
指やスタイラスの位置を検出する機能を有するタブレット型の電子機器においては、センサパネルが表示パネルと重ねて配置される。センサパネルは、表示パネルのアクティブエリア(表示領域)と重なる領域に、それぞれy方向に延在し、x方向に等間隔で配置された複数のx電極と、それぞれx方向に延在し、y方向に等間隔で配置された複数のy電極とを含む複数の線状電極を有しており、これらは、表示パネルのベゼル領域と重なる領域に配置された各複数の配線及びFPC(Flexible Printed Circuits)接続端子を介して、指やスタイラスの検出処理を行う集積回路(センサコントローラ)に接続される。
【0003】
また、スタイラスの一種として、アクティブペンが知られている。アクティブペンは、電源部と信号処理回路とを備え、信号処理回路の生成する信号に応じた電荷をペン先付近に設けられた電極(ペン電極)に供給することにより、ペン信号を送信可能に構成されたスタイラスである。アクティブペンの検出時においては、センサパネル内の複数の線状電極のうちペン先の近傍にあるものでペン信号が受信され、上記したFPC接続端子を介してセンサコントローラに供給される。センサコントローラは、各x電極におけるペン信号の受信レベルに基づいてアクティブペンのx座標を決定し、各y電極におけるペン信号の受信レベルに基づいてアクティブペンのy座標を決定することにより、タッチ面内におけるアクティブペンの位置を検出する。
【0004】
特許文献1には、アクティブペンの位置検出を行う電子機器の例が開示されている。この例による電子機器に設けられる複数の線状電極は、アクティブエリア外周辺カバー方式に従って配置されている。アクティブエリア外周辺カバー方式は、アクティブエリア内の位置を検出するためにアクティブエリア外に配置された線状電極におけるペン信号の受信レベルも用いるという方式であり、最も端に位置する線状電極(外側電極)の延在方向の中心線がアクティブエリアの外周辺と一致するか又は外周辺よりも外側に位置するように複数の線状電極の配置を決定する必要がある。特許文献1には、このようなアクティブエリア外周辺カバー方式において、センサパネルのうちアクティブエリア外に設置しなければならない部分の面積をできるだけ小さくするために、外側電極の幅をその他の電極よりも細くする技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、近年は狭ベゼル化がさらに進展し、特許文献1の技術によっても不十分なケースが発生している。
【0007】
したがって、本発明の目的の一つは、タブレット型の電子機器のさらなる狭ベゼル化を実現できるセンサパネル及び電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の側面によるセンサパネルは、表示装置に重畳配置されて使用され、少なくとも前記表示装置のアクティブエリア内におけるアクティブペンの位置を検出する集積回路に接続されるセンサパネルであって、それぞれ第1の方向に延在し、かつ、前記第1の方向と異なる第2の方向に並べて配設され、互いに異なる第1のルーティング線によって前記集積回路に接続される複数の第1の電極を含み、前記複数の第1の電極は、前記第2の方向の両端に位置する第1及び第2の外側電極、並びに、それぞれ前記第1及び第2の外側電極以外の前記第1の電極である複数の第1の内側電極を含み、前記第1及び第2の外側電極はそれぞれソリッド導体によって構成され、前記複数の第1の内側電極はそれぞれメッシュ導体によって構成される、センサパネルである。
【0009】
本発明の第2の側面によるセンサパネルは、表示装置に重畳配置されて使用され、少なくとも前記表示装置のアクティブエリア内におけるアクティブペンの位置を検出する集積回路に接続されるセンサパネルであって、それぞれ第1の方向に延在し、かつ、前記第1の方向と異なる第2の方向に並べて配設され、互いに異なる第1のルーティング線によって前記集積回路に接続される複数の第1の電極を含み、前記複数の第1の電極は、前記第2の方向の両端に位置する第1及び第2の外側電極、並びに、それぞれ前記第1及び第2の外側電極以外の前記第1の電極である複数の第1の内側電極を含み、前記第1及び第2の電極はそれぞれ不透明導体によって構成され、前記複数の第1の内側電極はそれぞれ透明導体によって構成される、センサパネルである。
【0010】
本発明の第1の側面による電子機器は、表示装置に重畳配置されるセンサパネルと、前記センサパネルに接続され、少なくとも前記表示装置のアクティブエリア内におけるアクティブペンの位置を検出する集積回路と、を含む電子機器であって、前記センサパネルは、それぞれ第1の方向に延在し、かつ、前記第1の方向と異なる第2の方向に並べて配設され、互いに異なるルーティング線によって前記集積回路に接続される複数の電極を含み、前記複数の電極は、前記第2の方向の両端に位置する第1及び第2の外側電極、並びに、それぞれ前記第1及び第2の外側電極以外の前記第1の電極である複数の内側電極を含み、前記複数の内側電極は、前記第1の外側電極に近いものから順に第1の内側電極及び第2の内側電極を含み、前記第1及び第2の外側電極はそれぞれソリッド導体によって構成され、前記複数の第1の内側電極はそれぞれメッシュ導体によって構成され、前記集積回路は、前記アクティブペンが送信した位置信号の前記複数の電極のそれぞれにおける受信強度を検出し、前記複数の電極のそれぞれにおいて検出された前記受信強度のうち、前記第1の内側電極において検出された前記受信強度が最大であった場合に、前記第1の外側電極、前記第1の内側電極、及び前記第2の内側電極のそれぞれにおいて検出された前記受信強度に基づいて前記アクティブペンの前記第2の方向の位置を決定する、電子機器である。
【0011】
本発明の第2の側面による電子機器は、表示装置に重畳配置されるセンサパネルと、前記センサパネルに接続され、少なくとも前記表示装置のアクティブエリア内におけるアクティブペンの位置を検出する集積回路と、を含む電子機器であって、前記センサパネルは、それぞれ第1の方向に延在し、かつ、前記第1の方向と異なる第2の方向に並べて配設され、互いに異なるルーティング線によって前記集積回路に接続される複数の電極を含み、前記複数の電極は、前記第2の方向の両端に位置する第1及び第2の外側電極、並びに、それぞれ前記第1及び第2の外側電極以外の前記第1の電極である複数の内側電極を含み、前記複数の内側電極は、前記第1の外側電極に近いものから順に第1の内側電極及び第2の内側電極を含み、前記第1及び第2の外側電極はそれぞれ不透明導体によって構成され、前記複数の第1の内側電極はそれぞれ透明導体によって構成され、前記集積回路は、前記アクティブペンが送信した位置信号の前記複数の電極のそれぞれにおける受信強度を検出し、前記複数の電極のそれぞれにおいて検出された前記受信強度のうち、前記第1の内側電極において検出された前記受信強度が最大であった場合に、前記第1の外側電極、前記第1の内側電極、及び前記第2の内側電極のそれぞれにおいて検出された前記受信強度に基づいて前記アクティブペンの前記第2の方向の位置を決定する、電子機器である。
【発明の効果】
【0012】
本発明の第1及び第2の側面によれば、第1及び第2の外側電極の全体をアクティブエリアの外側に配置しなければならない一方で、第1及び第2の外側電極それぞれの第2の方向の幅を複数の第1の内側電極それぞれの第2の方向の幅よりも相当程度狭くすることができるので、結果として、センサパネルのうちアクティブエリア外に設置しなければならない部分の面積を従来よりも小さくすることができる。したがって、タブレット型の電子機器のさらなる狭ベゼル化を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の実施の形態による電子機器1及びアクティブペン10の構成を示す模式図である。
【
図2】
図1に示したセンサパネル5の一部分を模式的に拡大した図である。
【
図3】
図1に示したセンサパネル5(内側電極5ya,5ybをメッシュ導体によって構成した場合)の一部分を模式的に拡大した図である。
【
図4】
図2に示したA-A線に対応する電子機器1の模式的な断面図である。
【
図5】センサコントローラ4による指示位置の検出を説明する図である。
【
図6】センサコントローラ4による指示位置の検出を説明する図である。
【
図7】センサコントローラ4による指示位置の検出を説明する図である。
【
図8】センサコントローラ4による指示位置の検出を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0015】
図1は、本発明の第1の実施の形態による電子機器1及びアクティブペン10の構成を示す図である。また、
図2及び
図3は、
図1に示したセンサパネル5の一部分を模式的に拡大した図であり、
図4は、
図2に示したA-A線に対応する電子機器1の模式的な断面図である。なお、
図2~
図4は模式図であるため、
図1とは必ずしも一致しない。
【0016】
本実施の形態による電子機器1は例えばタブレット型のコンピュータであり、
図1に示すように、ホストプロセッサ2、表示パネル3、センサコントローラ4、及びセンサパネル5を有して構成される。
【0017】
ホストプロセッサ2は電子機器1の中央処理装置であり、図示しないメモリに記憶されるプログラムを読み出して実行することにより、図示した表示パネル3及びセンサコントローラ4を含む電子機器1の各部の制御、描画用のアプリを含む各種のアプリの実行などの各種処理を行う。メモリには、DRAM(Dynamic Random Access Memory)などのメインメモリと、フラッシュメモリなどの補助記憶装置とが含まれる。
【0018】
表示パネル3は、
図4に示すアクティブエリアA及びベゼル領域Bを有する表示装置である。アクティブエリアAは、複数の画素(図示せず)がマトリクス状に配置される矩形の領域である。表示パネル3内に設けられる駆動回路(図示せず)は、ホストプロセッサ2の制御を受けてこれらの各画素を駆動することにより、アクティブエリアA内に任意の表示を行う。ベゼル領域Bは、アクティブエリアAの外周辺Aaと表示パネル3の外縁との間に設けられる帯状の領域である。ベゼル領域Bには、上記駆動回路と、アクティブエリアA内の各画素を駆動回路に接続する配線(図示せず)とが配置される。表示パネル3の具体的な例としては、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、電子ペーパーなどが挙げられる。
【0019】
センサコントローラ4及びセンサパネル5は、ホストプロセッサ2に対する入力装置である。このうちセンサコントローラ4は、少なくとも表示パネル3のアクティブエリアA内において、アクティブペン10及びユーザの指(図示せず)の位置を検出する集積回路(IC)である。なお、センサコントローラ4は、アクティブエリアA内に加えてアクティブエリアAの外側においても、アクティブペン10及びユーザの指の位置を検出し出力するものであってもよい。また、センサコントローラ4が指の位置の検出機能を有することは、本発明では必須ではない。センサパネル5は、表示パネル3に重畳配置されて使用される装置であり、センサコントローラ4に接続される。
【0020】
初めにセンサパネル5について詳しく説明すると、センサパネル5は、
図1~
図4に示した各複数の線状電極5x,5y及び各複数の配線6x,6yと、
図1に示した複数のガード配線LGと、
図4に示した粘着シート23、フィルム24、粘着シート25、及びカバー部材26とを含んで構成される。
【0021】
複数の線状電極5x(第1の電極)は、
図1に示すように、それぞれy方向(第1の方向)に延在し、かつ、y方向と直交するx方向(第1の方向と異なる第2の方向)に並べて配設される。以下では、複数の線状電極5xのうちx方向の両端に位置する2つをそれぞれ外側電極5xb,5xc(第1及び第2の外側電極)と称し、外側電極5xb,5xc以外の線状電極5xを内側電極5xa(第1の内側電極)と称して区別する場合がある。外側電極5xb,5xcはそれぞれ、アクティブエリアAの外側に配置される。各線状電極5xは、互いに異なる配線6x(第1のルーティング線)及びFPC接続端子Tを介して、センサコントローラ4に接続される。
【0022】
また、複数の線状電極5y(第2の電極)は、
図1に示すように、それぞれx方向に延在し、かつ、y方向に並べて配設される。以下では、複数の線状電極5yのうちy方向の両端に位置する2つをそれぞれ外側電極5yb,5yc(第3及び第4の外側電極)と称し、外側電極5yb,5yc以外の線状電極5yを内側電極5ya(第2の内側電極)と称して区別する場合がある。外側電極5yb,5ycはそれぞれ、アクティブエリアAの外側に配置される。各線状電極5yは、互いに異なる配線6y(第2のルーティング線)及びFPC接続端子Tを介して、センサコントローラ4に接続される。なお、
図1及び
図2ではすべての線状電極5yがx方向の同じ側で配線6yに接続されているが、外側電極5ybから外側電極5ycにかけ交互に図面右側と左側の端部で、各線状電極5yを配線6yに接続することとしてもよい。また、外側電極5ybから外側電極5ycにかけて、一部(例えば、図面上側の半数)は図面右側、残り(例えば、図面下側の半数)は図面左側で、各線状電極5yを配線6yに接続することとしてもよい。
【0023】
両端部を除いてアクティブエリアA内に延設される複数の内側電極5xa及び複数の内側電極5yaは、表示パネル3からの光を透過させる必要があることから、メッシュ状に形成されてなるメッシュ導体(
図3を参照)、又は、酸化インジウムスズなどの透明導体によって構成される。なお、ここでいう両端部とは、内側電極5xa,5yaの延在方向における端部である。すなわち、内側電極5xaではy方向の端部、内側電極5yaではx方向の端部を指す。これらの両端部は、アクティブエリアAの外に配置されることがある。
【0024】
図3には、メッシュ導体により構成した内側電極5xa,5yaの例を示している。この例のように内側電極5xa,5yaをメッシュ導体により構成する場合、
図1等に示した形状は全体としての外形を表している。なお、
図3では、内側電極5xaを構成する導体を、内側電極5yaを構成する導体よりも太く描いているが、これは図面上での区別を容易にするためであり、内側電極5xaを構成する導体の幅と内側電極5yaを構成する導体の幅とは、互いに同じ値であってよい。
【0025】
一方、アクティブエリアAの外側に配置される外側電極5xb,5xc,5yb,5yc及び配線6x,6yは、表示パネル3からの光を透過させる必要がないことから、体積抵抗率を小さくするため、ベタ塗りされた不透明な板状の導体であるソリッド導体により構成される。このソリッド導体は、例えば、スクリーン印刷により形成される銀配線であってよい。外側電極5xb,5xc,5yb,5ycと配線6x,6yとは、同じ種類のソリッド導体(不透明導体)であってもよいし、異なる種類のソリッド導体(不透明導体)であってもよい。
【0026】
図2及び
図3に示すように、各内側電極5xaのx方向の幅はW1xであり、外側電極5xb,5xcそれぞれのx方向の幅はW2xである。また、各内側電極5yaのy方向の幅はW1yであり、外側電極5yb,5ycそれぞれのy方向の幅はW2yである。そして、幅W2xは幅W1xよりも大幅に小さな値となっており、幅W2yは幅W1yよりも大幅に小さな値となっている。なお、幅W1xと幅W1yとは、同じ値であってもよいし、異なる値であってもよい。また、幅W2xと幅W2yとは同じ値であってもよいし、異なる値であってもよい。
【0027】
典型的な例では、幅W1x,W1yが約1.0~1.5mmであるのに対し、幅W2x,W2yは0.1~0.2mmである。これは、光を透過させる必要がない外側電極5xb,5xc,5yb,5ycは上述したようにソリッド導体を用いて形成することができ、光を透過させるためにメッシュ導体や透明導体により構成しなければならない内側電極5xa,5yaに比べて体積抵抗率が小さいことから、細くしても、後述するペン信号や検出用信号を十分に通過させることができることによるものである。
【0028】
このように、本実施の形態によるセンサパネル5によれば、外側電極5xb,5xc,5yb,5ycの全体をアクティブエリアAの外側に配置しなければならない一方で、外側電極5xb,5xc,5yb,5ycそれぞれの幅W2x,W2yを複数の内側電極5xa,5yaそれぞれの幅W1x,W1yよりも相当程度狭くすることができるので、結果として、センサパネル5のうちアクティブエリアA外に設置しなければならない部分の面積を従来よりも小さくすることが可能になっている。
【0029】
複数のガード配線LGは、複数の配線6xと複数の配線6yとの間を絶縁する役割を果たす配線であり、
図1に示すように、複数の配線6xの両側及び複数の配線6yの両側を挟むように配線される。複数のガード配線LGも、それぞれ対応するFPC接続端子Tを介して、センサコントローラ4に接続される。センサコントローラ4は、各ガード配線LGにグランド電位などの特定の電位(時間変化しない固定電位)を供給するよう構成される。
【0030】
なお、複数のガード配線LGは必須の構成ではない。また、ガード配線LGは、配線6x,6yと同様のソリッド導体であってもよいし、メッシュ導体であってもよい。さらに、ベゼル位置にペンが存在するか否かを検出するための電極として、ガード配線LGを利用してもよい。
【0031】
粘着シート23、フィルム24、粘着シート25、及びカバー部材26は、
図4に示すように、x方向及びy方向に垂直な方向であるz方向に沿って、表示パネル3に近い側からこの順で積層されている。粘着シート23,25は、OCA(Optical Clear Adhesive) やOCR(Optical Clear Resin)などの透明粘着剤によって構成される。フィルム24の上面(カバー部材26側の表面)には複数の線状電極5x、複数の配線6x、複数のガード配線LG、及び、複数の配線6x及び複数のガード配線LGのそれぞれに接続される複数のFPC接続端子Tが配置されており、粘着シート25はこれらを覆い、フィルム24に固定する役割を果たす。また、フィルム24の下面には複数の線状電極5y、複数の配線6y、複数のガード配線LG、及び、複数の配線6y及び複数のガード配線LGのそれぞれに接続される複数のFPC接続端子Tが配置されており、粘着シート23はこれらを覆い、フィルム24に固定する役割を果たす。必要な場合には、フィルム24の上面に形成された配線と、フィルム24の下面に形成された配線とを、フィルム24を貫通するビア電極によって相互に接続することとしてもよい。なお、複数のFPC接続端子Tは、
図1に示すように、矩形であるセンサパネル5のx方向に平行な一辺に沿って並べて配置される。
【0032】
カバー部材26の上面は、アクティブペン10のペン先10a又はユーザの指(図示せず)でタッチするための平面であるタッチ面26aを構成する。このカバー部材26を含むセンサパネル5の各構成部材は、少なくともアクティブエリアAと重なる領域内においては、ユーザがセンサパネル5を通してアクティブエリアAに表示された画像を観ることができるよう、透明材料あるいは光が透過するように配置密度が設計された非透明材料(上述したメッシュ導体を含む)によって構成される。
【0033】
次にセンサコントローラ4は、プロセッサ及びメモリ(ともに図示せず)を有し、図示しないフレキシブルプリント回路(FPC)基板又はリジッド基板上に設けられる。センサコントローラ4が設けられる基板は、センサパネル5の配線領域(線状電極5x,5yが延設される矩形領域の周囲に広がる領域。配線6x,6yの設置領域)内に配置された複数のFPC接続端子Tと圧着され、この圧着を通じて、センサコントローラ4とセンサパネル5内の各配線とが電気的に接続される。
【0034】
センサコントローラ4は、機能的には、プロセッサがメモリに記憶されるプログラムを読み出して実行することにより、タッチ面26a上におけるアクティブペン10及びユーザの指(図示せず)の指示位置を検出するとともに、アクティブペン10が送信したデータ信号を受信可能に構成される。アクティブペン10の指示位置の検出は、アクティブ静電結合方式により実行される。一方、ユーザの指の位置の検出は、例えば相互容量方式又は自己容量方式などの静電容量方式により実行される。
【0035】
相互容量方式は、複数の線状電極5x,5yと、ユーザの指との間に生ずる静電容量の変化に基づいて、その指示位置を取得する方式である。相互容量方式による位置検出を行う場合、センサコントローラ4は、所定の検出用信号を複数の線状電極5xのそれぞれに順次供給し、その都度、複数の線状電極5yそれぞれの電位を測定する。ある線状電極5xと線状電極5yの交点にユーザの指が接近している場合、その線状電極5xからその線状電極5yに向かって流れる電流の一部がユーザの人体に向かって流れ出るため、その線状電極5yについて測定される電位が小さくなる。センサコントローラ4は、この電位の変化を利用して指示位置の検出を行う。相互容量方式に代えて自己容量方式により、ユーザの指の位置の検出を行うこととしてもよい。
【0036】
アクティブ静電結合方式は、アクティブペン10が送信したペン信号をセンサパネル5により受信し、その結果に基づいてアクティブペン10の指示位置を検出する方式である。ペン信号には、無変調のバースト信号である位置信号と、アクティブペン10に関連する各種データを示すデータ信号とが含まれる。各種データには、アクティブペン10のペン先10aにかかる圧力を示す筆圧データなどが含まれる。なお、アクティブペン10は、センサコントローラ4が複数の線状電極5x,5yを介して送信したアップリンク信号を受信したことに応じてペン信号の送信を行うこととしてもよい。この場合、アクティブペン10は、データ信号により送信するデータの具体的な内容を、アップリンク信号に含まれるコマンドに応じて決定することが好ましい。
【0037】
アクティブ静電結合方式による指示位置の検出を行う場合、センサコントローラ4は、複数の線状電極5x,5yのそれぞれで位置信号を受信し、受信された位置信号の強度、すなわち、各線状電極5x,5yにおいて検出される電圧に基づいてアクティブペン10の指示位置を検出する。センサコントローラ4は、この検出を上述したアクティブエリア外周辺カバー方式によって行う。また、センサコントローラ4は、複数の線状電極5x,5yのうち検出した指示位置に最も近いものを用いて、アクティブペン10が送出したデータ信号の検出を行う。なお、センサコントローラ4は、検出した指示位置に最も近い線状電極ではなく、検出した指示位置の近傍に位置する1以上の線状電極でデータ信号の検出を行うこととしてもよい。
【0038】
図5~
図8は、センサコントローラ4による指示位置の検出方法を説明する図である。以下、これらの図を参照しながら、アクティブエリア外周辺カバー方式による指示位置の検出方法を詳しく説明するとともに、アクティブエリアAの外側に線状電極5x,5yを配置する理由についても説明する。
【0039】
図5~
図8には、外側電極5xbと、外側電極5xbに近い側から順に3つの内側電極5xa-1~3とを図示している。以下、これら4つの電極に着目して説明するが、他の線状電極5x,5yについても同様である。
【0040】
図5には、アクティブペン10が送信する位置信号のタッチ面上における強度の分布(x方向の分布)の例を示している。この例は、アクティブペン10のペン先10aが外側電極5xbの上方にある場合の例となっている。
図5に示すように、アクティブペン10が送信する位置信号の強度は、ペン先10aに近い位置ほど大きくなる。したがって、各線状電極5xにおける位置信号の受信強度も、ペン先10aに近いほど大きくなる。
図5に示した領域DA0は、位置信号の受信強度が外側電極5xbにおいて最大となる領域である。領域DA1~DA3についても同様であり、位置信号の受信強度がそれぞれ内側電極5xa-1~3において最大となる領域である。
【0041】
図6には、アクティブペン10のペン先10aが領域DA2内にある場合における、各線状電極5xにおける位置信号の受信強度の例を示している。図示した受信強度RI0~RI3はそれぞれ、外側電極5xb、内側電極5xa-1、内側電極5xa-2、内側電極5xa-3における位置信号の受信強度である。この例のようにアクティブペン10のペン先10aが領域DA2内にある場合、センサコントローラ4は、内側電極5xa-2で検出される最大の受信強度RI2に加え、その両隣にある2つの内側電極5xa-1,3のそれぞれで検出される受信強度RI1,RI3を参照することにより、ペン先10aのx座標を検出する。
【0042】
具体的に説明すると、センサコントローラ4はまず、受信強度RI1と受信強度RI3とを比較する。そして、RI1=RI3であった場合、センサコントローラ4は、ペン先10aが内側電極5xa-2のx方向の中心線上にあると判定する。この場合のセンサコントローラ4は、内側電極5xa-2のx方向の中心線のx座標をペン先10aのx座標と決定する。また、RI1>RI3であった場合、センサコントローラ4は、ペン先10aが内側電極5xa-2のx方向の中心線から内側電極5xa-1側にずれた位置にあると判定する。この場合のセンサコントローラ4は、受信強度RI1,RI2に基づいてずれの大きさも判定し、その結果に基づいてペン先10aのx座標を決定する。一方、RI1<RI3であった場合、センサコントローラ4は、ペン先10aが内側電極5xa-2のx方向の中心線から内側電極5xa-3側にずれた位置にあると判定する。この場合のセンサコントローラ4は、受信強度RI2,RI3に基づいてずれの大きさも判定し、その結果に基づいてペン先10aのx座標を決定する。センサコントローラ4は、このようにずれの有無、ずれの方向、ずれの大きさを順次判定し、その結果に基づいてペン先10aのx座標の検出を行う。
【0043】
図7には、ペン先10aが領域DA1のうち内側電極5xa-1のx方向の中心線よりも外側に位置している場合を示し、
図8には、ペン先10aが領域DA1のうち内側電極5xa-1のx方向の中心線よりも内側に位置している場合を示している。これらの場合、センサコントローラ4がペン先10aのx座標を決定するためには、外側電極5xbにおける位置信号の受信強度RI0が必要になる。つまり、内側電極5xa-1で最大の受信強度RI1を検出したセンサコントローラ4は、ペン先10aのx座標を検出するために、その両隣にある2つの内側電極5xb,5xa-2のそれぞれで検出される受信強度RI0,RI2を参照する必要がある。
【0044】
具体的に説明すると、センサコントローラ4はまず、受信強度RI0と受信強度RI2とを比較する。そして、RI0=RI2であった場合、センサコントローラ4は、ペン先10aが内側電極5xa-1のx方向の中心線上にあると判定する。この場合のセンサコントローラ4は、内側電極5xa-1のx方向の中心線のx座標をペン先10aのx座標と決定する。また、RI0>RI2であった場合(
図7)、センサコントローラ4は、ペン先10aが内側電極5xa-1のx方向の中心線から内側電極5xb側にずれた位置にあると判定する。この場合のセンサコントローラ4は、受信強度RI0,RI1に基づいてずれの大きさも判定し、その結果に基づいてペン先10aのx座標を決定する。一方、RI0<RI2である場合(
図8)、センサコントローラ4は、ペン先10aが内側電極5xa-1のx方向の中心線から内側電極5xa-2側にずれた位置にあると判定する。この場合のセンサコントローラ4は、受信強度RI1,RI2に基づいてずれの大きさも判定し、その結果に基づいてペン先10aのx座標を決定する。
【0045】
このように、外側電極5xbは、ペン先10aがアクティブエリアAの近傍(具体的には、領域DA1内)にある場合に、ペン先10aのx座標を決定するために用いられる。その他の外側電極5xc,5yb,5ycについても同様であり、ペン先10aがアクティブエリアAの近傍にある場合に、ペン先10aの座標を決定するために用いられる。
【0046】
図1~
図4の説明に戻る。センサコントローラ4は、以上のようにして検出したアクティブペン10及びユーザの指の指示位置を示す座標と、アクティブペン10から受信したデータ信号に含まれる各種データとを、ホストプロセッサ2に対してレポートするよう構成される。また、センサコントローラ4は、アクティブペン10から受信される筆圧データに基づいて、アクティブペン10がタッチ面に接触したことを示すペンダウン情報と、アクティブペン10がタッチ面から離れたことを示すペンアップ情報との取得を行い、それぞれのタイミングでホストプロセッサ2に対してレポートするよう構成される。具体的には、センサコントローラ4は、筆圧データにより示される筆圧値が所定値(例えば0)から該所定値より大きい値に変化した場合にペンダウン情報を取得し、筆圧データにより示される筆圧値が所定値(例えば0)以外の値から所定値に変化した場合にペンアップ情報を取得すればよい。
【0047】
ホストプロセッサ2は、センサコントローラ4から座標が入力されたことを受けて、ポインタの表示及びインクデータの生成の少なくとも一方を行う。このうちポインタの表示は、表示パネル3のアクティブエリアA上の入力された座標と対応する位置に、所定のポインタ画像を表示することによって行う。
【0048】
インクデータは、センサコントローラ4から順次供給される複数の座標のそれぞれによって構成される制御点と、各制御点の間を所定の補間曲線によって補間してなる曲線データとを含むデータである。ホストプロセッサ2は、ユーザの指については、座標の入力が開始されたことを契機としてインクデータの生成を開始し、座標の入力が終了したことを契機としてインクデータの生成を終了する。一方、アクティブペン10については、ペンダウン情報が入力されたことを契機としてインクデータの生成を開始し、ペンアップ情報が入力されたことを契機としてインクデータの生成を終了する。なお、アクティブペン10についてインクデータを生成する際には、ホストプロセッサ2は、アクティブペン10から受信される筆圧データなどに基づき、インクデータを構成する曲線データの幅及び/又は透明度の制御も行う。ホストプロセッサ2は、生成したインクデータのレンダリングを行って表示パネル3に表示させるとともに、生成したインクデータを自身のメモリに記憶させる。
【0049】
以上説明したように、本実施の形態によるセンサパネル5によれば、内側電極5xa,5yaをメッシュ導体又は透明導体によって構成するのに対し、外側電極5xb,5xc,5yb,5ycをソリッド導体(不透明導体)によって構成しているので、外側電極5xb,5xc,5yb,5ycの全体をアクティブエリアAの外側に配置しなければならない一方で、外側電極5xb,5xc,5yb,5ycそれぞれの幅W2を各複数の内側電極5xa,5yaそれぞれの幅W1よりも相当程度狭くすることができる。したがって、結果として、センサパネル5のうちアクティブエリアA外に設置しなければならない部分の面積を従来よりも小さくすることができるので、タブレット型の電子機器1のさらなる狭ベゼル化を実現することが可能になる。
【0050】
以上、本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、本発明が、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施され得ることは勿論である。
【0051】
例えば、上記実施の形態では、各線状電極5yを外側電極5xb,5xcよりもx方向の外側まで延設し、各線状電極5xを外側電極5yb,5ycよりもy方向の外側まで延設する例を説明したが、より短く各線状電極5y,5xを形成することとしてもよい。こうすることで、センサパネル5のうちアクティブエリアA外に設置しなければならない部分の面積を、さらに小さくすることが可能になる。この場合において、タッチ面26aの法線方向に見て、配線6xと外側電極5yb,5ycが重なり、配線6yと外側電極5xb,5xcが重なることになっても構わない。
【符号の説明】
【0052】
1 電子機器
2 ホストプロセッサ
3 表示パネル
4 センサコントローラ
5 センサパネル
5x,5y 線状電極
5xa,5ya 内側電極
5xb,5xc,5yb,5yc 外側電極
6x,6y 配線
10 アクティブペン
10a アクティブペン10のペン先
23,25 粘着シート
24 フィルム
26 カバー部材
26a タッチ面
A アクティブエリア
Aa アクティブエリアAの外周辺
B ベゼル領域
LG ガード配線
T FPC接続端子