(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024022279
(43)【公開日】2024-02-16
(54)【発明の名称】スイッチギヤ
(51)【国際特許分類】
E05B 65/00 20060101AFI20240208BHJP
E05B 47/00 20060101ALI20240208BHJP
E05B 49/00 20060101ALI20240208BHJP
H02B 1/30 20060101ALI20240208BHJP
【FI】
E05B65/00 D
E05B47/00 G
E05B49/00 S
E05B49/00 R
E05B49/00 T
H02B1/30 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022125742
(22)【出願日】2022-08-05
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】廣島 誓二
(72)【発明者】
【氏名】皆川 建司
(72)【発明者】
【氏名】柏木 克巳
(72)【発明者】
【氏名】石崎 龍
(72)【発明者】
【氏名】甲木 政史
【テーマコード(参考)】
2E250
【Fターム(参考)】
2E250AA01
2E250BB05
2E250DD08
2E250DD09
2E250DD10
2E250FF08
2E250FF09
2E250FF11
(57)【要約】
【課題】容易に仕様変更及び客先からの追加要求に対応可能なスイッチギヤを得る。
【解決手段】実施形態に係るスイッチギヤは、例えば、開閉可能な扉を有する筐体と、タッチパネルと、制御部と、を備える。タッチパネルは、筐体の表面に設けられ、前記扉の開閉指示と、前記扉の施錠指示と、前記扉の解錠指示と、のうち少なくとも一つを前記筐体の外部から受け付けて制御信号を出力する。制御部は、前記制御信号に応答して前記扉の開閉と、前記扉の施錠と、前記扉の解錠と、のうち少なくとも一つを実行する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開閉可能な扉を有する筐体と、
前記筐体の表面に設けられ、前記扉の開閉指示と、前記扉の施錠指示と、前記扉の解錠指示と、のうち少なくとも一つを前記筐体の外部から受け付けて制御信号を出力するタッチパネルと、
前記制御信号に応答して前記扉の開閉と、前記扉の施錠と、前記扉の解錠と、のうち少なくとも一つを実行する制御部と、
を備えるスイッチギヤ。
【請求項2】
前記筐体は、前記扉を施錠及び解錠可能な電気錠を有し、
前記制御部は、前記制御信号に応答して前記電気錠を制御する、
請求項1に記載のスイッチギヤ。
【請求項3】
指紋認証及び静脈認証のうち少なくとも一方が可能な認証部をさらに有し、
前記認証部は、前記指紋認証及び前記静脈認証のうち少なくとも一方により前記タッチパネルの操作を可能にする、
請求項1又は2に記載のスイッチギヤ。
【請求項4】
顔認証及び虹彩認証のうち少なくとも一方が可能な撮影部をさらに有し、
前記撮影部は、前記顔認証及び前記虹彩認証のうち少なくとも一方により前記タッチパネルの操作を可能にする、
請求項1又は2に記載のスイッチギヤ。
【請求項5】
声紋認証が可能な集音部をさらに有し、
前記集音部は、前記声紋認証により前記タッチパネルの操作を可能にする、
請求項1又は2に記載のスイッチギヤ。
【請求項6】
前記筐体は、内部を撮影可能な撮影装置を有する、
請求項1又は2に記載のスイッチギヤ。
【請求項7】
記録部をさらに有し、
前記撮影部は、前記タッチパネルを操作する操作者の画像又は動画を撮影可能であり、
前記記録部は、前記タッチパネルの操作履歴と、前記撮影部が撮影した前記操作者の画像又は動画を記録する、
請求項4に記載のスイッチギヤ。
【請求項8】
前記制御部は、外部装置からの信号を伝送可能な、
請求項6に記載のスイッチギヤ。
【請求項9】
前記タッチパネルは、異常時に緊急連絡先及び所定の対応手順を自動表示可能な、
請求項2に記載のスイッチギヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、スイッチギヤに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スイッチギヤの筐体の扉には、タッチパネル、扉ハンドル、操作スイッチ、保護継電器、表示灯などの用品が設けられている。スイッチギヤの筐体の扉には、これらの用品を設けるための孔が開けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
スイッチギヤの製造時において、筐体の扉の仕様は早い段階で決定される。製造段階において、用品を筐体の扉に設けるための孔は、早い段階で開けられる。そのため、製造段階における、急な仕様変更及び客先からの追加要求に対応することが困難となっている。
【0005】
本発明が解決する課題の一例は、容易に仕様変更及び客先からの追加要求に対応可能なスイッチギヤを得ることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態に係るスイッチギヤは、例えば、開閉可能な扉を有する筐体と、タッチパネルと、制御部と、を備える。タッチパネルは、筐体の表面に設けられ、前記扉の開閉指示と、前記扉の施錠指示と、前記扉の解錠指示と、のうち少なくとも一つを前記筐体の外部から受け付けて制御信号を出力する。制御部は、前記制御信号に応答して前記扉の開閉と、前記扉の施錠と、前記扉の解錠と、のうち少なくとも一つを実行する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、本実施形態のスイッチギヤの斜視図である。
【
図2】
図2は、本実施形態のスイッチギヤの断面図である。
【
図3】
図3は、本実施形態のタッチパネル装置の平面図である。
【
図4】
図4は、本実施形態のタッチパネル装置の機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(実施形態)
以下、実施形態に係るスイッチギヤ1を図面に基づいて説明する。以下に記載する実施形態の構成、並びに当該構成によってもたらされる作用及び結果(効果)は、あくまで一例であって、以下の記載内容に限られるものではない。なお、本明細書では、序数は、部品や部材を区別するためだけに用いられており、順番や優先度を示すものではない。
【0009】
また、以下の各図では、便宜上、互いに直交する三方向が定義されている。X方向は、スイッチギヤ1の前後方向に沿う方向である。Y方向は、スイッチギヤ1の幅方向に沿う方向であり、左右方向とも称され得る。Z方向は、スイッチギヤ1の高さ方向に沿う方向であり、上下方向とも称され得る。
【0010】
図1は、本施形態のスイッチギヤ1の斜視図である。
図1に示すように、スイッチギヤ1は、筐体11と、タッチパネル装置12と、を備える。
【0011】
筐体11は、例えば、金属製であり、直方体状の箱型に構成されており、遮断器や断路器等を収容している。また、筐体11は、当該筐体11の開口部を閉じる扉111を有する。すなわち、扉111は、筐体11の一部である。扉111は、ヒンジ等で筐体11に対して開閉可能に取り付けられる。
【0012】
扉111には、取手112が設けられる。取手112は、扉111の表面から筐体11の内側に向かって凹んでいる。これにより、取手112は、扉111の表面から突出しない。なお、本実施形態では取手112を設けているが、取手112は設けなくとも良い。
【0013】
図2は、本実施形態のスイッチギヤ1を高さ方向から見た断面図である。
図2に示すように、筐体11は、監視カメラ113と、電気錠114と、を有する。監視カメラ113及び電気錠114は、筐体11の内部に設けられている。なお、監視カメラ113は、監視装置の一例である。
【0014】
監視カメラ113は、筐体11内部の上方に位置し、当該筐体11内部の映像を一日中撮影している。なお、監視カメラ113の設置位置は、筐体11内部の上方に限らない。監視カメラ113の設置位置は、客先ごとのスイッチギヤ1の仕様により適宜変更される。
【0015】
電気錠114は、電気的な制御によって扉111を施錠及び解錠可能である。電気錠114は、扉111の裏側に位置するとともに、当該扉111と筐体11の開口部の境界を施錠及び解除可能な位置にボルト等で固定されている。電気錠114は、タッチパネル装置12からの信号により自在に突出可能な突起114aを有する。
【0016】
タッチパネル装置12に電力が供給されている場合、突起114aは、電気錠114から突出して扉111及び筐体11の一部に開口した孔を貫通する。これにより、電気錠114は、筐体11と扉111を施錠する。一方で、停電等によりタッチパネル装置12に電力が供給されなくなった場合、突起114aは、電気錠114に内蔵されているバネ等によって当該電気錠114の内部に収容される。これにより、電気錠114は、筐体11から扉111を解錠する。
【0017】
図1に示すように、タッチパネル装置12は、扉111の表面に設けられている。言い換えると、タッチパネル装置12は、扉111の表面から開口している開口部に嵌合して取り付いている。
【0018】
タッチパネル装置12の取り付け位置は、操作者が操作しやすい高さに取り付けられている。なお、本実施形態では、扉111にタッチパネル装置12が取り付けられているが、これに限らない。例えば、筐体11の側面にタッチパネル装置12を取り付けても良い。
【0019】
通常時のタッチパネル装置12は、操作不可な状態であり、特定の操作者のみが操作できる。タッチパネル装置12の操作不可な状態を解除する方法は、例えば、指紋認証、静脈認証、顔認証、虹彩認証及び声紋認証等である。
【0020】
図3は、本実施形態のタッチパネル装置12の平面図であり、
図4は、本実施形態のタッチパネル装置12の機能ブロック図である。
図3、4に示すように、タッチパネル装置12は、センサー121と、カメラ122と、マイク123と、複数のボタン124と、記憶部125と、判定部126と、記録部127と、タッチパネル128と、制御部129と、を有する。なお、センサー121は、認証部の一例であり、カメラ122は、撮影部の一例である。さらに、マイク123は、集音部の一例である。
【0021】
センサー121は、タッチパネル装置12の操作者の指紋及び静脈を認識する装置である。操作者は、センサー121の上に手を置くことで、自身の指紋及び静脈を認識させる。これにより、タッチパネル装置12は、指紋認証及び静脈認証が可能になる。すなわち、センサー121は、指紋認証及び静脈認証によりタッチパネル装置12の操作を可能にする。なお、センサー121は、指紋認証及び静脈認証のうち少なくとも一方が可能であれば良い。
【0022】
カメラ122は、タッチパネル装置12を操作する操作者の画像又は動画を撮影する装置である。カメラ122は、撮影した画像から操作者の顔及び目の虹彩を認識する。これにより、タッチパネル装置12は、顔認証及び虹彩認証が可能になる。すなわち、カメラ122は、顔認証及び虹彩認証によりタッチパネル装置12の操作を可能にする。なお、カメラ122は、顔認証及び虹彩認証のうち少なくとも一方が可能であれば良い。
【0023】
マイク123は、タッチパネル装置12の操作者の音声を認識する装置である。これにより、タッチパネル装置12は、声紋認証が可能になる。すなわち、マイク123は、声紋認証によりタッチパネル装置12の操作を可能にする。
【0024】
タッチパネル装置12は、上記の指紋認証、静脈認証、顔認証、虹彩認証及び声紋認証の全てを用いて当該タッチパネル装置12の操作不可な状態を解除しても良いし、複数の認証を組み合わせて当該タッチパネル装置12の操作不可な状態を解除しても良い。
【0025】
操作者は、操作を完了した後、再度タッチパネル装置12を操作不可な状態にする。再度タッチパネル装置12を操作不可な状態にする方法は、例えば、一定時間タッチパネル装置12が操作されなかった場合に自動で操作不可な状態切り替わる方法、操作不可な状態に切り替えるボタンを押す方法等である。
【0026】
複数のボタン124は、タッチパネル装置12のタッチパネル128上に表示される。各ボタン124は、それぞれ異なる指示の信号をタッチパネル128から出力して制御部129に送る。各ボタン124が制御部129に送る指示は、例えば、筐体11の扉111を開閉する指示、扉111を電気錠114により施錠する指示、扉111を電気錠114により解錠する指示、筐体11内部の映像を確認する指示、カメラ122により撮影された操作者の画像又は動画を確認する指示及び操作者の操作履歴を確認する指示等である。なお、ボタン124の数やレイアウトは、適宜変更しても良い。
【0027】
記憶部125は、予め特定の人物の指紋、静脈、顔、虹彩及び声紋のデータを保存している。また、記憶部125には、スイッチギヤ1に異常が発生した際の緊急連絡先と、所定の対応手順も保存されている。
【0028】
判定部126は、センサー121、カメラ122及びマイク123から取得した指紋、静脈、顔、虹彩及び声紋のデータと、記憶部125に保存されている指紋、静脈、顔、虹彩及び声紋のデータを比較する。そして、取得したデータと記憶部125に保存されているデータが一致した場合、タッチパネル装置12を操作可能な状態にする。
【0029】
記録部127は、操作者がタッチパネル装置12を操作した際の操作履歴と、カメラ122が撮影した操作者の画像又は動画と、を記録する。
【0030】
タッチパネル128は、画像及び動画等が表示される表示画面を含む。タッチパネル128は、例えば、光を透過可能なガラスと、透明導電膜と、フィルムと、を有している。ガラス、透明導電膜、およびフィルムは、積層されている。タッチパネル128は、当該タッチパネル128上に表示されている複数のボタン124からの指示を受け付ける。
【0031】
具体的には、タッチパネル128は、複数のボタン124から筐体11の扉111を開閉する指示、扉111を電気錠114により施錠する指示、扉111を電気錠114により解錠する指示、筐体11内部の映像を確認する指示、カメラ122により撮影された操作者の画像又は動画を確認する指示及び操作者の操作履歴を確認する指示等を受け付けて制御部129に制御信号を出力する。なお、タッチパネル128は、扉111の開閉指示と、扉111の施錠指示と、扉111の解錠指示と、のうち少なくとも一つを受け付けて出力できれば良い。
【0032】
タッチパネル128は、スイッチギヤ1に異常が発生した際に、記憶部125に保存されている緊急連絡先及び所定の対応手順を自動で表示する。さらに、タッチパネル128は、記録部127に記録されているタッチパネル装置12の操作履歴と、カメラ122が撮影した操作者の画像又は動画と、を表示可能である。なお、緊急連絡先及び所定の対応手順は、スイッチギヤ1に異常が発生していない場合でもタッチパネル128に表示可能である。
【0033】
制御部129は、複数のボタン124を介してタッチパネル128から出力された制御信号に応答して電気錠114を制御する。さらに、制御部129は、各ボタン124を介してタッチパネル128から出力された制御信号に応答して扉111を開閉、扉111の施錠、扉111の解錠、筐体11内部の映像の確認、カメラ122により撮影された操作者の画像又は動画の確認及び操作者の操作履歴の確認を実行する。なお、制御部129は、扉111の開閉と、扉111の施錠と、扉111の解錠と、のうち少なくとも一つを実行可能であれば良い。
【0034】
本実施形態では、制御部129は、タッチパネル装置12に電力が供給されている間、電気錠114に扉111を閉じる制御をしている。例えば、操作者がタッチパネル装置12の扉111を開閉するボタン124を押した場合、制御部129から電気錠114に発信されている信号がなくなり、電気錠114の突起114aはバネ等によって電気錠114内部に収容される。これにより、扉111を開けることできる。しかし、タッチパネル装置12への電力供給の有無に拘わらず、例えば、タッチパネル装置12のボタン124によって制御部129から電気錠114への信号を制御しても良い。
【0035】
なお、本実施形態では、タッチパネル装置12は、現地で操作者が操作することを想定している。しかし、これに限らず、例えば、タッチパネル装置12の制御部129を、外部装置からの信号を伝送可能にして、遠方からでも操作者がタッチパネル装置12を操作可能としても良い。
【0036】
以上のように、スイッチギヤ1の筐体11の扉111には、タッチパネル装置12が取り付けられている。一方、従来のスイッチギヤの筐体の扉には、ハンドル、操作ボタン及び表示灯等が筐体の表面に取り付けられていた。
【0037】
スイッチギヤの製造時において、筐体の扉の仕様は早い段階で決定される。また、製造段階において、ハンドル、操作ボタン及び表示灯等を筐体の扉に設けるための孔は、早い段階で開けられる。
【0038】
従来のスイッチギヤ1では、製造段階における、急な仕様変更及び客先からの追加要求に対応することが困難であった。一方、本実施形態のスイッチギヤ1では、タッチパネル装置12は、ハンドル、操作ボタン及び表示灯等が果たす役割を機能として有している。すなわち、本実施形態のスイッチギヤ1では、筐体11の扉111にタッチパネル装置12を取り付けるための孔を開けるだけで良い。そのため、スイッチギヤ1は、製造段階における急な仕様変更及び客先からの追加要求に対応することが容易である。
【0039】
また、従来のスイッチギヤでは、筐体の扉の表面からは、ハンドル、操作ボタン及び表示灯等が突出していた。一方、本実施形態の筐体11の扉111の表面からは、タッチパネル装置12のみが突出している。そのため、例えば、操作者が筐体11から突出しているハンドル、操作ボタン及び表示灯等と接触して、スイッチギヤ1が誤作動することを抑制できる。
【0040】
また、従来のスイッチギヤでは、客先ごとに筐体の扉の仕様が異なるため、扉の図面を客先ごとに複数作図しており、図面数が増加していた。一方、本実施形態の筐体11の扉111には、タッチパネル装置12を取り付けるための孔を開けるだけで良い。そのため、従来の筐体よりも構造が簡略化された。従って、筐体11を作成するための図面数を削減することが可能になる。
【0041】
タッチパネル装置12は、例えば、指紋認証、静脈認証、顔認証、虹彩認証及び声紋認証によって操作不可な状態になっている。操作者がタッチパネル装置12を操作する場合、操作者は、上記認証のうち設定されている全ての認証を得るためのデータ(指紋、静脈、顔画像、虹彩画像、音声)をセンサー121、カメラ122及びマイク123からタッチパネル装置12に取得させる。
【0042】
センサー121、カメラ122及びマイク123から取得したデータは、記憶部125に予め保存されている特定の人物のデータ(指紋、静脈、顔画像、虹彩画像、音声)とともに、判定部126に送られる。
【0043】
判定部126は、センサー121、カメラ122及びマイク123で取得したデータと、記憶部125に保存されていたデータと、を比較して一致した場合のみ、操作者はタッチパネル装置12を操作することができる。これにより、スイッチギヤ1は、セキュリティが向上する。
【0044】
なお、本実施形態では、タッチパネル装置12が、センサー121と、カメラ122と、マイク123と、複数のボタン124と、記憶部125と、判定部126と、記録部127と、タッチパネル128と、制御部129と、を有する構成を一例として説明した。しかし、これに限らず、センサー121と、カメラ122と、マイク123と、複数のボタン124と、記憶部125と、判定部126と、記録部127と、タッチパネル128と、制御部129と、は、それぞれ別途設けられても良い。例えば、タッチパネル128のみが、扉111の表面に設けられても良い。
【0045】
操作者は、タッチパネル装置12のタッチパネル128に表示された複数のボタン124を押すことで、スイッチギヤ1を操作する。例えば、操作者がタッチパネル装置12の複数のボタン124のうち、筐体11の扉111を開閉する機能を有するボタン124を押した場合、制御部129は、電気錠114の突起114aを当該電気錠114に収容させる制御を行う。これにより、操作者は、ボタン124の操作により扉111を開けることができる。
【0046】
この時、カメラ122によってタッチパネル装置12を操作している操作者の画像又は動画が撮影されるとともに、タッチパネル装置12の操作履歴が記録部127に記録される。例えば、操作者がカメラ122により撮影された操作者の画像又は動画及び操作履歴を確認する機能を有するボタン124を押した場合、記録部127に記録された操作者の画像又は動画及び操作履歴がタッチパネル128に表示される。これにより、スイッチギヤ1が故障した場合、操作者は直前に操作していた操作者の様子と操作履歴を確認することで、故障原因を調査することが可能になる。
【0047】
例えば、操作者が筐体11内部の映像を確認する機能を有するボタン124を押した場合、タッチパネル装置12は、筐体11内部に設けられている監視カメラ113の映像をタッチパネル128に表示する。これにより、操作者は、筐体11の扉111を開けずに筐体11内部の様子を確認することが可能になる。
【0048】
また、停電等によりタッチパネル装置12に電力が供給されなくなった場合、制御部129から電気錠114に発信されていた信号は途切れる。突起114aは、制御部129からの信号を受信しなくなった時、バネ等によって電気錠114内部に収容される。これにより、操作者は、タッチパネル装置12が操作不能の状態においても扉111を開けることができる。
【0049】
また、故障等によりスイッチギヤ1が正常に動作しなくなった場合、記憶部125は、予め保存されていた緊急連絡先及び所定の対応手順をタッチパネル128に表示させる。これにより、操作者は、スイッチギヤ1に異常が発生した場合において迅速に対応することが可能になる。
【0050】
以上のように、スイッチギヤ1は、筐体11と、タッチパネル128と、制御部129と、を備える。筐体11は、開閉可能な扉111を有する。タッチパネル128は、筐体11の表面に設けられ、扉111の開閉指示と、扉111の施錠指示と、扉111の解錠指示と、のうち少なくとも一つを筐体11の外部から受け付けて制御信号を出力する。制御部129は、制御信号に応答して扉111の開閉と、扉111の施錠と、扉111の解錠と、のうち少なくとも一つを実行する。
【0051】
操作者は、スイッチギヤ1を筐体11の表面に設けられたタッチパネル128により操作する。例えば、操作者は、タッチパネル128に表示されているボタン124を押すことで、タッチパネル128から制御信号を制御部129に出力する。制御部129は、タッチパネル128から出力された制御信号に応じて筐体11の扉111の開閉、施錠及び解錠を行う。
【0052】
これにより、スイッチギヤ1は、筐体11に扉111を開閉するためのハンドルや操作するための操作ボタンを設けずとも良くなる。従って、スイッチギヤ1は、筐体11にハンドルや操作ボタンを設けるための孔を開けずとも良くなり、急な仕様変更や客先からの追加要求に対して容易に対応可能となる。
【0053】
また、筐体11の表面にはタッチパネル128だけが突出している。これにより、例えば、操作者が筐体11から突出しているハンドルや操作ボタンと接触して、スイッチギヤ1が誤作動することを抑制できる。
【0054】
また、スイッチギヤ1は、筐体11の表面にタッチパネル128が設けられている。これにより、スイッチギヤ1は、従来の筐体よりも構造を簡略化させ、筐体11を作成するための図面数を削減することができる。
【0055】
また、本実施形態では、筐体11は、扉111を施錠及び解錠可能な電気錠114を有する。制御部129は、制御信号に応答して電気錠114を制御する。操作者は、タッチパネル128に表示されているボタン124を押して制御部129に制御信号を出力することで、電気錠114の施錠及び解除を操作する。例えば、タッチパネル128が故障した場合や制御電源が供給できなくなった場合において、電気錠114は制御部129からの信号を受信しなくなる。電気錠114は、制御部129から信号を受信できない場合、突起114aは、電気錠114に内蔵されているバネ等によって当該電気錠114の内部に収容される。これにより、タッチパネル128が操作不能の状態において、操作者は筐体11の扉111を開閉可能になる。
【0056】
また、本実施形態では、スイッチギヤ1は、指紋認証及び静脈認証のうち少なくとも一方が可能なセンサー121をさらに有する。センサー121は、指紋認証及び静脈認証のうち少なくとも一方によりタッチパネル128の操作を可能にする。タッチパネル128は、特定の人物しか操作できないような状態になっている。タッチパネル128を操作する場合、操作者はセンサー121に自身の指の指紋と、静脈と、を読み込む。そして、読み込まれた指紋又は静脈のデータが、予め登録されているデータと一致した場合のみタッチパネル装置12は操作可能な状態になる。これにより、スイッチギヤ1は、指紋認証及び静脈認証によりセキュリティを向上させることができる。
【0057】
また、本実施形態では、スイッチギヤ1は、顔認証及び虹彩認証のうち少なくとも一方が可能なカメラ122をさらに有する。カメラ122は、顔認証及び虹彩認証のうち少なくとも一方によりタッチパネル装置12の操作を可能にする。タッチパネル128は、特定の人物しか操作できないような状態になっている。タッチパネル128を操作する場合、操作者はカメラ122に自身の顔と虹彩を撮影させる。そして、撮影された顔又は虹彩が、予め登録されているデータと一致した場合のみタッチパネル128は操作可能な状態になる。これにより、スイッチギヤ1は、顔認証及び虹彩認証によりセキュリティを向上させることができる。
【0058】
また、本実施形態では、スイッチギヤ1は、声紋認証が可能なマイク123をさらに有する。マイク123は、声紋認証によりタッチパネル装置12の操作を可能にする。タッチパネル128は、特定の人物しか操作できないような状態になっている。タッチパネル装置12を操作する場合、操作者はマイク123に自身の声を録音させる。そして、録音された操作者の声が、予め登録されている声と一致した場合のみタッチパネル128は操作可能な状態になる。これにより、スイッチギヤ1は、声紋認証によりセキュリティを向上させることができる。
【0059】
また、本実施形態では、筐体11は、内部を撮影可能な監視カメラ113を有する。これにより、筐体11内部の様子を確認する場合、操作者は、筐体11の扉111を開けずとも筐体11内部の様子を確認することが可能になる。
【0060】
また、本実施形態では、スイッチギヤ1は、記録部127をさらに有する。カメラ122は、タッチパネル128を操作する操作者の画像又は動画を撮影可能である。記録部127は、タッチパネル128の操作履歴と、カメラ122が撮影した操作者の画像又は動画を記録する。操作者がタッチパネル128でスイッチギヤ1を操作する場合、カメラ122は、タッチパネル128を操作している操作者を撮影する。この時、記録部127は、カメラ122が撮影した操作者の画像又は動画と、操作者がタッチパネル128を操作した際の操作履歴を記録する。これにより、例えば、スイッチギヤ1が故障した場合、操作者は直前に操作していた操作者の様子と操作履歴を確認することで、故障原因を調査することが可能になる。
【0061】
また、本実施形態では、制御部129は、外部装置からの信号を伝送可能である。これにより、操作者は、現地から離れた場所においてスイッチギヤ1の様子を監視することが可能になる。
【0062】
また、本実施形態では、タッチパネル装置12は、異常時に緊急連絡先及び所定の対応手順を自動表示可能である。これにより、操作者は、スイッチギヤ1に異常が発生した時、迅速に対応することが可能になる。
【0063】
以上、本発明の実施形態を説明したが、上記実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上記実施形態は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0064】
1 スイッチギヤ
11 筐体
111 扉
113 監視カメラ(監視装置)
114 電気錠
121 センサー(認証部)
122 カメラ(撮影部)
123 マイク(集音部)
127 記録部
128 タッチパネル
129 制御部