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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024002228
(43)【公開日】2024-01-11
(54)【発明の名称】装身具
(51)【国際特許分類】
   A44C 25/00 20060101AFI20231228BHJP
   A44C 9/00 20060101ALI20231228BHJP
【FI】
A44C25/00 A
A44C9/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022101300
(22)【出願日】2022-06-23
(71)【出願人】
【識別番号】503175966
【氏名又は名称】株式会社クロスフォー
(74)【代理人】
【識別番号】100108006
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 昌弘
(72)【発明者】
【氏名】土橋 秀位
【テーマコード(参考)】
3B114
【Fターム(参考)】
3B114AA01
3B114AA21
3B114BD13
(57)【要約】
【課題】揺動範囲を広くすることができる揺動式の装身具を提供する。
【解決手段】装身具1は、第1部材11と、第1部材11を揺動可能に支持する第2部材12と、第2部材12を揺動可能に支持する第3部材13とを有する。第1部材11は、第1部材11の2つの場所を通る仮想的な第1揺動軸X1の周りで揺動し、第2部材12は、第2部材12の2つの場所を通る仮想的な第2揺動軸X2の周りで揺動し、第1揺動軸X1に平行な方向と第2揺動軸X2に平行な方向とが直交する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1部材と、
前記第1部材を揺動可能に支持する第2部材と、
前記第2部材を揺動可能に支持する第3部材とを有し、
前記第1部材は、前記第1部材の2つの場所を通る仮想的な第1揺動軸の周りで揺動し、
前記第2部材は、前記第2部材の2つの場所を通る仮想的な第2揺動軸の周りで揺動し、
前記第1揺動軸に平行な方向と前記第2揺動軸に平行な方向とが直交する、
装身具。
【請求項2】
前記第1部材は、2つの第1接触部において前記第2部材に接触するとともに、前記第2部材に吊り下げられており、
前記第1揺動軸は、前記2つの第1接触部を通り、
前記第2部材は、1つの第2接触部において前記第3部材に接触するとともに、前記第3部材に吊り下げられており、
前記第2部材と前記第3部材とは、それぞれ磁性部材を含み、
前記第2部材の前記磁性部材と前記第3部材の前記磁性部材とが磁力によって互いに引き合い、
前記第2揺動軸は、前記1つの第2接触部と、前記第2部材の前記磁性部材と、前記第3部材の前記磁性部材とを通り、
前記第2部材の前記磁性部材は、前記第2揺動軸上において前記第3部材の前記磁性部材と前記第2接触部との間に位置する、
請求項1に記載の装身具。
【請求項3】
前記第2部材は、前記第2接触部を含んだ第3湾曲面を有し、
前記第3部材は、前記第3湾曲面の前記第2接触部に接触する第4湾曲面を有し、
前記第3湾曲面は、前記第2接触部に向かって円弧状に窪んでおり、
前記第4湾曲面は、前記第2接触部との接触部に向かって円弧状に窪んでいる、
請求項2に記載の装身具。
【請求項4】
前記第2部材は、第3リングを含み、
前記第3リングの内周面が前記第3湾曲面を形成し、
前記第3部材は、第4リングを含み、
前記第4リングの内周面が前記第4湾曲面を形成する、
請求項3に記載の装身具。
【請求項5】
前記第1部材は、2つの第1接触部において前記第2部材と接触するとともに、前記第2部材に吊り下げられており、
前記第1揺動軸は、前記2つの第1接触部を通り、
前記第2部材は、2つの第2接触部において前記第3部材と接触するとともに、前記第3部材に吊り下げられており、
前記第2揺動軸は、前記2つの第2接触部を通る、
請求項1に記載の装身具。
【請求項6】
前記第2部材は、それぞれ1つの前記第2接触部を含んだ2つの第3湾曲面を有し、
前記第3部材は、前記第3湾曲面の前記1つの第2接触部にそれぞれ接触する2つの第4湾曲面を有し、
前記第3湾曲面は、前記第2接触部に向かって円弧状に窪んでおり、
前記第4湾曲面は、前記第2接触部との接触部に向かって円弧状に窪んでいる、
請求項5に記載の装身具。
【請求項7】
前記第2部材は、2つの第3リングを含み、
各前記第3リングの内周面が前記第3湾曲面を形成し、
前記第3部材は、2つの第4リングを含み、
各前記第4リングの内周面が前記第4湾曲面を形成する、
請求項6に記載の装身具。
【請求項8】
前記第1部材は、それぞれ1つの前記第1接触部を含んだ2つの第1湾曲面を有し、
前記第2部材は、前記第1湾曲面の前記1つの第1接触部にそれぞれ接触する2つの第2湾曲面を有し、
前記第1湾曲面は、前記第1接触部に向かって円弧状に窪んでおり、
前記第2湾曲面は、前記第1接触部との接触部に向かって円弧状に窪んでいる、
請求項2~請求項7のいずれか一項に記載の装身具。
【請求項9】
前記第1部材は、2つの第1リングを含み、
各前記第1リングの内周面が前記第1湾曲面を形成し、
前記第2部材は、2つの第2リングを含み、
各前記第2リングの内周面が前記第2湾曲面を形成する、
請求項8に記載の装身具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネックレスや指輪などの装身具に関する。
【背景技術】
【0002】
本体に吊り下げられた部品が揺動することによって、部品に固定された宝石が瞬いて見えるように構成された揺動式の装身具が知られている。例えば、下記の特許文献1には、フレームに対して宝石の台座部が揺動可能に吊り下げられた身飾品が記載されている。この身飾品では、台座部に設けられた2つのリングがフレームに設けられた2つのリングとそれぞれ連結されることにより、台座部が揺動可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5424435号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に示す揺動式の装身具では、台座部に設けられた2つのリングとフレームに設けられた2つのリングとの接触部を通る仮想的な揺動軸の周りで揺動体(台座部と宝石)が揺動する。この揺動軸は、台座部の一方のリングとフレームの一方のリングとの接触部、及び、台座部の他方のリングとフレームの他方のリングとの接触部を通る仮想的な直線である。揺動軸の周りにおける揺動体の揺動角度は、例えばリングの内周面の曲率、内周面において接触するリング同士の摩擦の大きさ、揺動体の重さ、揺動体における重心の位置など、種々のパラメータによって決まる。これらのパラメータは、装身具の設計上の制約やデザイン上の制約を受けるため、パラメータの調整によって揺動角度を大きくすることには限界がある。
【0005】
本発明は係る事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、揺動範囲を広くすることができる揺動式の装身具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一つの態様は、第1部材を揺動可能に支持する第2部材と、第2部材を揺動可能に支持する第3部材とを有し、第1部材は、第1部材の2つの場所を通る仮想的な第1揺動軸の周りで揺動し、第2部材は、第2部材の2つの場所を通る仮想的な第2揺動軸の周りで揺動し、第1揺動軸に平行な方向と第2揺動軸に平行な方向とが直交する装身具である。
この装身具において、第1部材は、第1揺動軸の周りで揺動するだけでなく、第2揺動軸の周りでも揺動可能である。そのため、1つの揺動軸の周りで揺動する場合に比べて第1部材の揺動範囲が広くなる。また、第1揺動軸に平行な方向と第2揺動軸に平行な方向とが直交することにより、第1部材の第1揺動軸の周りにおける揺動と第2揺動軸の周りにおける揺動とが干渉し難くなる。そのため、一方の揺動が他方の揺動の干渉を受けて減衰することが回避され易くなる。
【0007】
好適な一つの態様において、第1部材は、2つの第1接触部において第2部材に接触するとともに、第2部材に吊り下げられており、第1揺動軸は、2つの第1接触部を通り、第2部材は、1つの第2接触部において第3部材に接触するとともに、第3部材に吊り下げられており、第2部材と第3部材とは、それぞれ磁性部材を含み、第2部材の磁性部材と第3部材の磁性部材とが磁力によって互いに引き合い、第2揺動軸は、1つの第2接触部と、第2部材の磁性部材と、第3部材の磁性部材とを通り、第2部材の磁性部材は、第2揺動軸上において第3部材の磁性部材と第2接触部との間に位置する。
この場合、第2部材は、第2接触部を含んだ第3湾曲面を有してよく、第3部材は、第3湾曲面の第2接触部に接触する第4湾曲面を有してよく、第3湾曲面は、第2接触部に向かって円弧状に窪んでいてよく、第4湾曲面は、第2接触部との接触部に向かって円弧状に窪んでいてよい。
例えば、第2部材が第3リングを含んでよく、第3リングの内周面が第3湾曲面を形成してよく、第3部材が第4リングを含んでよく、第4リングの内周面が第4湾曲面を形成してよい。
【0008】
好適な他の一つの態様において、第1部材は、2つの第1接触部において第2部材と接触するとともに、第2部材に吊り下げられており、第1揺動軸は、2つの第1接触部を通り、第2部材は、2つの第2接触部において第3部材と接触するとともに、第3部材に吊り下げられており、第2揺動軸は、2つの第2接触部を通る。
この場合、第2部材は、それぞれ1つの第2接触部を含んだ2つの第3湾曲面を有してよく、第3部材は、第3湾曲面の1つの第2接触部にそれぞれ接触する2つの第4湾曲面を有してよく、第3湾曲面は、第2接触部に向かって円弧状に窪んでいてよく、第4湾曲面は、第2接触部との接触部に向かって円弧状に窪んでいてよい。
例えば、第2部材は、2つの第3リングを含んでよく、各第3リングの内周面が第3湾曲面を形成してよく、第3部材は、2つの第4リングを含んでよく、各第4リングの内周面が第4湾曲面を形成してよい。
【0009】
また、好適には、第1部材は、それぞれ1つの第1接触部を含んだ2つの第1湾曲面を有してよく、第2部材は、第1湾曲面の1つの第1接触部にそれぞれ接触する2つの第2湾曲面を有してよく、第1湾曲面は、第1接触部に向かって円弧状に窪んでいてよく、第2湾曲面は、第1接触部との接触部に向かって円弧状に窪んでいてよい。
例えば、第1部材は、2つの第1リングを含んでよく、各第1リングの内周面が第1湾曲面を形成してよく、第2部材は、2つの第2リングを含んでよく、各第2リングの内周面が第2湾曲面を形成してよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、揺動式の装身具において揺動範囲を広くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1A及び図1Bは、第1の実施形態に係る装身具の一例を示す図である。
図2図2Aは、第2部材及び第3部材の断面図である。図2Bは、第1部材と第2リングを側面から見た図である。
図3図3及び図3Bは、第2の実施形態に係る装身具の一例を示す図である。
図4図4Aは、第2部材及び第3部材の断面図である。図4Bは、第1部材と第2リングを側面から見た図である。
図5図5は、第2部材及び第3部材の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<第1の実施形態>
図1A及び図1Bは、第1の実施形態に係る装身具1の一例を示す図である。図1Aは装身具1の正面図であり、図1Bは装身具1の右側面図である。図1A及び図1Bに示す装身具1は首飾りである。
【0013】
本明細書では、装身具の各部分の相対的な位置関係を示すため、互いに直交する3つの方向(X、y、z)が規定される。x方向は逆向きの2つの方向(x1、x2)を含み、y方向は逆向きの2つの方向(y1、y2)を含み、z方向は逆向きの2つの方向(z1、z2)を含む。一例として、x方向を横方向とし、z方向を縦方向とし、y方向を奥行方向とする。また一例として、x1方向を右方向とし、x2方向を左方向とし、z1方向を上方向とし、z2方向を下方向とし、y1方向を背面方向とし、y2方向を正面方向とする。なお、装身具の使用態様は、これらの方向の規定に必ずしも制限されない。
【0014】
首飾りである装身具1は、図1A及び図1Bに示すように、首にかけるチェーン19と、チェーン19を挿通させる丸環191と、下げ飾り10と、下げ飾り10を丸環191に連結する連結具192とを有する。
【0015】
下げ飾り10は、第1部材11と、第1部材11を揺動可能に支持する第2部材12と、第2部材12を揺動可能に支持する第3部材13とを有する。第1部材11は、第1部材11の2つの場所(2つの第1接触部C1)を通る仮想的な第1揺動軸X1の周りで揺動する。第2部材12は、第2部材12の2つの場所(第2接触部C2、磁性部材123)を通る仮想的な第2揺動軸X2の周りで揺動する。
第3部材13が静止しているものとみなした場合、第1部材11は、第1揺動軸X1の周りで揺動するだけでなく、第2揺動軸X2の周りでも揺動可能である。そのため、1つの第1揺動軸X1の周りで揺動する場合に比べて第1部材11の揺動範囲が広くなる。
【0016】
この装身具1では、第1揺動軸X1に平行な方向と、第2揺動軸X2に平行な方向とが直交する。図1A及び図1Bの例において、第1揺動軸X1は横方向(x方向)に伸びており、第2揺動軸X2は縦方向(z方向)に伸びている。
第1揺動軸X1に平行な方向と第2揺動軸X2に平行な方向とが直交することにより、第1部材11の第1揺動軸X1の周りにおける揺動と第2揺動軸X2の周りにおける揺動とが干渉し難くなるため、一方の揺動が他方の揺動の干渉を受けて減衰することが回避され易くなる。
【0017】
図2Aは、第2揺動軸X2に沿って奥行方向(y方向)に平行な面により第2部材12及び第3部材13を切断した断面図であり、右側(x1側)から見た断面を示す。図2A中、第1部材11は点線で表されている。
図2Bは、第1部材11を横方向から見た側面図である。図2B中、第2部材12は点線で表されている。また図2Bには、第2部材12の後述する第2リング124も表されている。
【0018】
第1部材11は、図1A及び図2Bに示すように、宝石110と、宝石110を保持する宝石保持部111と、宝石110を宝石保持部111に固定するための複数の爪112とを有する。宝石保持部111はカッブ型の形状を持ち、そのカップの縁に複数の爪112が設けられている。宝石110の背面側(パビリオン側)が宝石保持部111のカップの中に配置され、宝石110の正面側(クラウン側)が複数の爪112で押さえられている。
【0019】
また第1部材11は、2つの第1リング114を有する。図1Aに示すように、2つの第1リング114は、正面側(y2側)から見た宝石保持部111の左側(x2側)の端部と右側(x1側)の端部にそれぞれ設けられている。第1リング114は、宝石保持部111に直接接続されていてもよいし、宝石保持部111と第1リング114の間に接続用の中間部が設けられていてもよい。
【0020】
2つの第1リング114は、図1Aに示すように、第2部材12の後述する2つ第2リング124と接触する2つの第1接触部C1を持つ。第1部材11は、2つの第1接触部C1において第2部材12に接触するとともに、第2部材12に吊り下げられている。第1揺動軸X1は、この2つの第1接触部C1を通る。装身具1は、通常の使用状態において、第1揺動軸X1が水平方向と平行になる姿勢に保持される。このとき、第1部材11の重心は、第1揺動軸X1を含む水平面よりも下側に位置する。
【0021】
第1リング114の内周面は、第1接触部C1を含んだ第1湾曲面115を形成する。第1湾曲面115は、図1Aに示すように、第1接触部C1に向かって円弧状に窪んでいる。第1リング114の内周面(第1湾曲面115)が囲む孔(第1リング孔P1)は、この第1リング孔P1の貫通方向と平行な方向から見て、図1Aに示すように円形の形状を持つ。2つの第1リング114の第1リング孔P1は、形状とサイズが略等しく、貫通方向が互いに平行であり、その貫通方向に対して垂直な同一の平面上に位置する。第1リング孔P1の中心を通り、かつ、第1リング孔P1の貫通方向に平行な平面で第1リング114の内周面(第1湾曲面115)を切断した場合、その断面は図2Bに示すように、第1リング孔P1の内側(中心側)に向かって先細りした形状を持つ。このような形状にすることで、第1リング114と第2リング124との接触面積が小さくなり、摩擦が減るため、第1部材11の揺動が長続きし易くなる。
【0022】
第2部材12は、図1A図2A等に示すように、正面側フレーム120と、背面側フレーム121と、複数の支柱(122A,122B,122C,122D)と、磁性部材123と、2つの第2リング124と、1つの第3リング126とを有する。
【0023】
正面側フレーム120は、正面側から見て中央に円形の孔1201が開けられた円盤状の部材である。正面側フレーム120の中央の孔1201から第1部材11の正面側が露出する。背面側フレーム121は、背面側から見て中央に円形の孔1211が開けられた円盤状の部材である。背面側フレーム121の中央の孔1211から第1部材11の背面側が露出する。図2A図2Bに示すように、正面側フレーム120と背面側フレーム121は同一の形状及びサイズを有し、前後方向に離間している。
【0024】
第2部材12の各支柱(122A,122B,122C,122D)は、正面側フレーム120と背面側フレーム121とを互いに固定するための部材であり、一方の端部が正面側フレーム120の背面に接続され、他方の端部が背面側フレーム121の正面に接続される。2つの支柱122Aは、正面側から見てフレーム(120,121)の左上と右上の各端部に設けられている。2つの支柱122Aには、それぞれ第2リング124が固定される。2つの支柱122Bは、正面側から見てフレーム(120,121)の左下と右下の各端部に設けられている。
【0025】
支柱122C及び支柱122Dは、正面側からみて第2揺動軸X2と重なる場所に設けられている。支柱122Cがフレーム(120,121)の上端に設けられ、支柱122Dがフレーム(120,121)の下端に設けられている。支柱122Cには第3リング126が固定され、支柱122Dには磁性部材123が固定される。図1A図2Aに示すように、第3リング126と磁性部材123はそれぞれ第2揺動軸X2が通る場所に設けられている。
【0026】
2つの第2リング124は、図1A及び図2Bに示すように、それぞれ第1部材11(第1リング114)の第1接触部C1に接触する。各第2リング124の内周面は、第1接触部C1に接触する第2湾曲面125を形成する。第2湾曲面125は、図2A及び図2Bに示すように、第1接触部C1との接触部に向かって円弧状に窪んでいる。第2リング124の内周面(第2湾曲面125)が囲む孔(第2リング孔P2)は、この第2リング孔P2の貫通方向と平行な方向から見て、図2A図2Bに示すように概ね円形の形状を持つ。2つの第2リング124の第2リング孔P2は、形状とサイズが略等しく、貫通方向が互いに平行であり、貫通方向と平行な方向から見て互いの中心が重なる場所に位置する。第2リング孔P2の中心を通り、かつ、第2リング孔P2の貫通方向に平行な平面で第2リング124の内周面(第2湾曲面125)を切断した場合、その断面は図1Aに示すように、第2リング孔P2の内側(中心側)に向かって先細りした形状を持つ。このような形状にすることで、第1リング114と第2リング124との接触面積が小さくなり、摩擦が減るため、第1部材11の揺動が長続きし易くなる。
【0027】
第2リング124の第2リング孔P2の貫通方向は、第1リング114の第1リング孔P1の貫通方向に対して概ね直交する。
【0028】
第3リング126は、図1A及び図2Aに示すように、第3部材13の後述する第4リング134と接触する第2接触部C2を持つ。第2部材12は、1つの第2接触部C2において第3部材13に接触するとともに、第3部材13に吊り下げられている。第2揺動軸X2は、この第1接触部C1と磁性部材123を通る。装身具1は、通常の使用状態において、第2揺動軸X2が概ね鉛直方向となり、第3リング126が磁性部材123に対して上側に位置する姿勢に保持される。このとき、第1部材11及び第2部材12の全体の重心は、第3リング126の第2接触部C2よりも下側に位置する。
【0029】
第3リング126の内周面は、第2接触部C2を含んだ第3湾曲面127を形成する。第3湾曲面127は、図1Aに示すように、第2接触部C2に向かって円弧状に窪んでいる。第3リング126の内周面(第3湾曲面127)が囲む孔(第3リング孔P3)は、この第3リング孔P3の貫通方向と平行な方向から見て、図1Aに示すように円形の形状を持つ。第3リング孔P3の中心を通り、かつ、第3リング孔P3の貫通方向に平行な平面で第3リング126の内周面(第3湾曲面127)を切断した場合、その断面は図2Aに示すように、第3リング孔P3の内側(中心側)に向かって先細りした形状を持つ。このような形状にすることで、第3リング126と後述する第4リング134との接触面積が小さくなり、摩擦が減るため、第2部材12の揺動が長続きし易くなる。
【0030】
第3部材13は、図1A図1B及び図2Aに示すように、正面側フレーム130と、背面側フレーム131と、複数の支柱(132A、132B)と、磁性部材133と、1つの第4リング134とを有する。
【0031】
正面側フレーム130は、正面側から見て中央に円形の孔1301が開けられた円盤状の部材である。正面側フレーム130の中央の孔1301から第1部材11及び第2部材12の正面側が露出する。背面側フレーム131は、背面側から見て中央に円形の孔1311が開けられた円盤状の部材である。背面側フレーム131の中央の孔1311から第1部材11及び第2部材12の背面側が露出する。図1A図1Bに示すように、正面側フレーム130と背面側フレーム131は同一の形状及びサイズを有し、前後方向に離間している。
【0032】
第3部材13の各支柱(132A,132B)は、正面側フレーム130と背面側フレーム131とを互いに固定するための部材であり、一方の端部が正面側フレーム130の背面に接続され、他方の端部が背面側フレーム131の正面に接続される。4つの支柱132Aは、正面側から見てフレーム(130、131)の左上、右上、左下及び右下の各端部に設けられている。支柱132Bは、正面側からみて第2揺動軸X2と重なる場所であって、フレーム(130、131)の下端に設けられている。
【0033】
支柱132Bには、磁性部材133が固定される。磁性部材133は、第2揺動軸X2が通る場所に設けられている。第3部材13の磁性部材133と第2部材12の磁性部材123とは、磁力によって互いに引き合う。一例において、磁性部材123と磁性部材133の少なくとも一方が磁石である。すなわち、磁性部材123と磁性部材133の両方が硬磁性体で形成されていてもよいし、磁性部材123と磁性部材133の一方が硬磁性体で形成され、他方が軟磁性体で形成されていてもよい。
【0034】
第2部材12の磁性部材123は、図1A及び図2Aに示すように、第2揺動軸X2上において第3部材13の磁性部材133と第2接触部C2との間に位置する。これにより、磁性部材123と磁性部材133とが引き合った状態でも、第3リング126と第4リング134との第2接触部C2における接触が保たれる。
【0035】
第4リング134は、図1Bに示すように、正面側フレーム130の背面の上端と背面側フレーム131の正面の上端とにそれぞれ固定されている。第4リング134は、図1A図1B及び図2Aに示すように、第3リング126の第2接触部C2に接触する。第4リング134の内周面は、第2接触部C2に接触する第4湾曲面135を形成する。第4湾曲面135は、図1B及び図2Aに示すように、第2接触部C2との接触部に向かって円弧状に窪んでいる。第4リング134の内周面(第4湾曲面135)が囲む孔(第4リング孔P4)は、この第4リング孔P4の貫通方向と平行な方向から見て、図1B図2Aに示すように概ね円形の形状を持つ。第4リング孔P4の貫通方向は横方向(x方向)と平行である。第4リング孔P4の中心を通り、かつ、第4リング孔P4の貫通方向に平行な平面で第4リング134の内周面(第4湾曲面135)を切断した場合、その断面は図1Aに示すように、第4リング孔P4の内側(中心側)に向かって先細りした形状を持つ。このような形状にすることで、第3リング126と第4リング134との接触面積が小さくなり、摩擦が減るため、第2部材12の揺動が長続きし易くなる。
【0036】
第4リング134の第4リング孔P4の貫通方向は、第3リング126の第3リング孔P3の貫通方向に対して概ね直交する。
【0037】
上述した装身具1によれば、1つの第2接触部C2において第2部材12が第3部材13に接触するとともに、第2部材12が第3部材13に吊り下げられている。また、第2部材12の磁性部材123と、第3部材13の磁性部材133とが磁力によって互いに引き合っており、第2揺動軸X2が第2接触部C2と磁性部材123と磁性部材133とを通っている。また、第2揺動軸X2上において、第3部材13の磁性部材133と第2接触部C2との間に第2部材12の磁性部材123が位置する。第2接触部C2が磁性部材123及び133より上側に位置するとともに、第2揺動軸X2が鉛直方向に対して概ね平行になるように装身具1の姿勢を保った場合、第2部材12が第2接触部C2において第3部材13に吊り下げられた状態で、磁性部材123の位置が第2揺動軸X2上に拘束される。これにより、第2部材12は第2揺動軸X2の周りで揺動可能となる。このとき、第1揺動軸X1が水平方向に対して概ね平行になり、第1部材11が第1揺動軸X1の周りで揺動可能となる。従って、第1部材11は2つの揺動軸(X1、X2)の周りでそれぞれ揺動可能になり、第1部材11の揺動範囲が広くなる。また、2つの揺動軸(X1、X2)が直交しているため、一方の揺動軸の周りにおける揺動が他方の揺動軸の周りにおける揺動に対して干渉することによる揺動振幅の減衰が生じ難くなる。
【0038】
また、上述した装身具1では、第2揺動軸X2が鉛直方向に対して概ね平行になるように装身具1の姿勢を保った場合、第1揺動軸X1と第2揺動軸X2が概ね同一の平面に含まれる状態となり、第1揺動軸X1と第2揺動軸X2との交点付近に第1部材11の光反射部材(宝石110)が配置される。これにより、第1部材11の光反射部材の変位を抑制しつつ姿勢角を変化させることができるため、光反射部材から反射した光の瞬きを強調することができる。また、第1揺動軸X1と第2揺動軸X2の距離が近くなることによって、第1部材11の揺動の周波数を高めることができる。
【0039】
<第2の実施形態>
図3A及び図3Bは、第2の実施形態に係る装身具2の一例を示す図である。図3Aは装身具2の平面図であり、図3Bは装身具2の側面図である。図3A及び図3Bに示す装身具2は指輪である。
【0040】
指輪である装身具2は、図3A及び図3Bに示すように、第1部材21と、第1部材21を揺動可能に支持する第2部材22と、第2部材22を揺動可能に支持する第3部材23とを有する。第3部材23は、指を通す孔を備えたリング状の指輪本体231を含む。なお、図3A及び図3Bと後述の図4A図4B及び図5において、指輪本体231は、リング状の全体形状の一部分(第1部材21、第2部材22に近い部分)のみを図解している。
【0041】
第1部材21は、第1部材21の2つの場所(2つの第1接触部C1A)を通る仮想的な第1揺動軸X1Aの周りで揺動する。第2部材22は、第2部材22の2つの場所(2つの第2接触部C2A)を通る仮想的な第2揺動軸X2Aの周りで揺動する。
第3部材23が静止しているものとみなした場合、第1部材21は、第1揺動軸X1Aの周りで揺動するだけでなく、第2揺動軸X2Aの周りでも揺動可能である。そのため、1つの第1揺動軸X1Aの周りで揺動する場合に比べて第1部材21の揺動範囲が広くなる。
【0042】
この装身具2では、第1揺動軸X1Aに平行な方向と、第2揺動軸X2Aに平行な方向とが直交する。図3A及び図3Bの例において、第1揺動軸X1Aは横方向(x方向)に伸びており、第2揺動軸X2Aは奥行方向(y方向)に伸びている。
第1揺動軸X1Aに平行な方向と第2揺動軸X2Aに平行な方向とが直交することにより、第1部材21の第1揺動軸X1Aの周りにおける揺動と第2揺動軸X2Aの周りにおける揺動とが干渉し難くなるため、一方の揺動が他方の揺動の干渉を受けて減衰することが回避され易くなる。
【0043】
図4Aは、第2揺動軸X2Aに沿って縦方向(z方向)に平行な面により第2部材22及び第3部材23を切断した断面図であり、正面側(y2側)から見た断面を示す。図4A中、第1部材21は点線で表されている。
図4Bは、第1部材21を左側(x2側)から見た側面図である。図4B中、第2部材22及び第3部材23は点線で表されている。また図4Bには、第2部材22の後述する第2リング224も表されている。
図5は、第1揺動軸X1Aに沿って縦方向(z方向)に平行な面により第2部材22及び第3部材23を切断した断面図であり、左側(x2側)から見た断面を示す。
【0044】
第1部材21は、図3A及び図3Bに示すように、宝石210と、宝石210を保持する宝石保持部211と、宝石210を宝石保持部211に固定するための複数の爪212とを有する。宝石保持部211はカッブ型の形状を持ち、そのカップの縁に複数の爪212が設けられている。宝石210の背面側(パビリオン側)が宝石保持部211のカップの中に配置され、宝石210の正面側(クラウン側)が複数の爪212で押さえられている。
【0045】
また第1部材21は、2つの第1リング214を有する。図3A及び図4Bに示すように、2つの第1リング214は、上側(z1側)から見た宝石保持部111の正面側(y2側)の端部と背面側(y1側)の端部にそれぞれ設けられている。2つの第1リング214は、それぞれ中間部213を介してカップ状の宝石保持部211の縁に接続されている。
【0046】
2つの第1リング214は、図3A及び図4Bに示すように、第2部材22の後述する2つ第2リング224と接触する2つの第1接触部C1Aを持つ。第1部材21は、2つの第1接触部C1Aにおいて第2部材22に接触するとともに、第2部材22に吊り下げられている。第1接触部C1Aは、この第1接触部C1Aを通る。装身具2は、通常の使用状態において、第1揺動軸X1Aが水平方向と平行になる姿勢に保持される。このとき、第1部材21の重心は、第1揺動軸X1Aを含む水平面よりも下側に位置する。
【0047】
第1リング214の内周面は、第1接触部C1Aを含んだ第1湾曲面215を形成する。第1湾曲面215は、図4Bに示すように、第1接触部C1Aに向かって円弧状に窪んでいる。第1リング214の内周面(第1湾曲面215)が囲む孔(第1リング孔P1A)は、この第1リング孔P1Aの貫通方向と平行な方向から見て、図4Bに示すように円形の形状を持つ。2つの第1リング214の第1リング孔P1Aは、形状とサイズが略等しく、貫通方向が互いに平行であり、その貫通方向に対して垂直な同一の平面上に位置する。第1リング孔P1Aの中心を通り、かつ、第1リング孔P1Aの貫通方向に平行な平面で第1リング214の内周面(第1湾曲面215)を切断した場合、その断面は図3Bに示すように、第1リング孔P1Aの内側(中心側)に向かって先細りした形状を持つ。このような形状にすることで、第1リング214と第2リング224との接触面積が小さくなり、摩擦が減るため、第1部材21の揺動が長続きし易くなる。
【0048】
第2部材22は、図3A図3B等に示すように、フレーム部220~223と、2つの第2リング224と、2つの第3リング226とを有する。
【0049】
フレーム部220~223は、上側(z1側)から見て、第1揺動軸X1Aと第2揺動軸X2Aとの交点を含む範囲を囲んでおり、2つの第2リング224を第1揺動軸X1A上の正面側(y2側)と背面側(y1側)に位置させるように保持するとともに、2つの第3リング226を第2揺動軸X2A上の左側(x2側)と右側(x1側)に位置させるように保持する。上側(z1側)から見て、フレーム部220には背面側(y1側)の第2リング224と右側(x1側)の第3リング226とが固定され、フレーム部221には右側(x1側)の第3リング226と正面側(y2側)の第2リング224とが固定され、フレーム部222には正面側(y2側)の第2リング224と左側(x2側)の第3リング226とが固定され、フレーム部223には左側(x2側)の第3リング226と背面側(y1側)の第2リング224とが固定される。
【0050】
図3に示すように、上側(z1側)から見て、フレーム部220~223が囲む範囲は概ね円形であり、その範囲の中央付近に第1部材11の宝石210が位置している。また、フレーム部220~223の上側(z1側)には複数の宝石229が固定されており、上側(z1側)から見て中央の宝石210の周囲を複数の宝石229が囲んでいる。
【0051】
2つの第2リング224は、図3B及び図4Bに示すように、それぞれ第1部材21(第2リング224)の第1接触部C1Aに接触する。各第2リング224の内周面は、第1接触部C1Aに接触する第2湾曲面225を形成する。第2湾曲面225は、図3Bに示すように、第1接触部C1Aとの接触部に向かって円弧状に窪んでいる。第2リング224の内周面(第2湾曲面225)が囲む孔(第2リング孔P2A)は、この第2リング孔P2Aの貫通方向と平行な方向から見て、図3B図4Aに示すように概ね円形の形状を持つ。2つの第2リング224の第2リング孔P2Aは、形状とサイズが略等しく、貫通方向が互いに平行であり、貫通方向と平行な方向から見て互いの中心が重なる場所に位置する。第2リング孔P2Aの中心を通り、かつ、第2リング孔P2の貫通方向に平行な平面で第2リング224の内周面(第2湾曲面225)を切断した場合、その断面は図5に示すように、第2リング孔P2の内側(中心側)に向かって先細りした形状を持つ。このような形状にすることで、第1リング214と第2リング224との接触面積が小さくなり、摩擦が減るため、第1部材21の揺動が長続きし易くなる。
【0052】
第2リング224の第2リング孔P2Aの貫通方向は、第1リング214の第1リング孔P1Aの貫通方向に対して概ね直交する。
【0053】
2つの第3リング226は、図4A及び図5に示すように、それぞれ第3部材23の後述する第4リング234と接触する第2接触部C2Aを持つ。第2部材22は、2つの第2接触部C2Aにおいて第3部材23と接触するとともに、第3部材23に吊り下げられている。第2揺動軸X2Aは、この2つの第2接触部C2Aを通る。装身具2は、通常の使用状態において、第2揺動軸X2Aが水平方向と平行になる姿勢に保持される。このとき、第1部材21及び第2部材22の全体の重心は、第2揺動軸X2Aを含む水平面よりも下側に位置する。
【0054】
各第3リング226の内周面は、第2接触部C2Aを含んだ第3湾曲面227を形成する。第3湾曲面227は、図5に示すように、第2接触部C2Aに向かって円弧状に窪んでいる。第3リング226の内周面(第3湾曲面227)が囲む孔(第3リング孔P3A)は、この第3リング孔P3Aの貫通方向と平行な方向から見て、図5に示すように概ね円形の形状を持つ。2つの第3リング226の第3リング孔P3Aは、形状とサイズが略等しく、貫通方向が互いに平行であり、貫通方向と平行な方向から見て互いの中心が重なる場所に位置する。第3リング孔P3Aの中心を通り、かつ、第3リング孔P3Aの貫通方向に平行な平面で第3リング226の内周面(第3湾曲面227)を切断した場合、その断面は図4Aに示すように、第3リング孔P3Aの中心に向かって先細りした形状を持つ。このような形状にすることで、第3リング226と後述する第4リング234との接触面積が小さくなり、摩擦が減るため、第2部材22の揺動が長続きし易くなる。
【0055】
第3部材13は、指輪本体231と、2つの第4リング234と、2つの腕部232とを有する。
【0056】
2つの腕部232は、指輪本体231の外周面(指を通す孔を囲む内周面に対して反対側の面)に立設されており、外周面から離れた場所で第4リング234をそれぞれ支持する。
【0057】
第4リング134は、図4Aに示すように、第3リング226の第2接触部C2Aに接触する。第4リング134の内周面は、第2接触部C2Aに接触する第4湾曲面235を形成する。第4湾曲面235は、図4Aに示すように、第2接触部C2Aとの接触部に向かって円弧状に窪んでいる。第4リング234の内周面(第4湾曲面235)が囲む孔(第4リング孔P4A)は、この第4リング孔P4Aの貫通方向と平行な方向から見て、図4Aに示すように概ね円形の形状を持つ。2つの第4リング234の第4リング孔P4Aは、形状とサイズが略等しく、貫通方向が互いに平行であり、その貫通方向に対して垂直な同一の平面上に位置する。第4リング孔P4Aの貫通方向は、奥行方向(y方向)と平行である。第4リング孔P4Aの中心を通り、かつ、第4リング孔P4Aの貫通方向に平行な平面で第4リング234の内周面(第4湾曲面235)を切断した場合、その断面は図5に示すように、第4リング孔P4Aの内側(中心側)に向かって先細りした形状を持つ。このような形状にすることで、第3リング226と第4リング234との接触面積が小さくなり、摩擦が減るため、第2部材22の揺動が長続きし易くなる。
【0058】
上述した装身具2によれば、第1揺動軸X1Aが通る2つの第1接触部C1Aにおいて第1部材21が第2部材22に接触するとともに、第1部材21が第2部材22に吊り下げられている。また、第2揺動軸X2Aが通る2つの第2接触部C2Aにおいて第2部材22が第3部材23に接触するとともに、第2部材22が第3部材23に吊り下げられている。第1揺動軸X1A及び第2揺動軸X2がそれぞれ水平方向に対して概ね水平となるように装身具2の姿勢を保った場合、第1部材21が第1揺動軸X1Aの周りで揺動可能になるとともに、第2部材22が第2揺動軸X2Aの周りで揺動可能になる。従って、第1部材21は2つの揺動軸(X1A、X2A)の周りでそれぞれ揺動可能になり、第1部材21の揺動範囲が広くなる。また、2つの揺動軸(X1A、X2A)が直交しているため、一方の揺動軸の周りにおける揺動が他方の揺動軸の周りにおける揺動に対して干渉することによる揺動振幅の減衰が生じ難くなる。
【0059】
また、上述した装身具2では、第1揺動軸X1A及び第2揺動軸X2Aがそれぞれ水平方向に対して概ね平行になるように装身具2の姿勢を保った場合、第1揺動軸X1Aと第2揺動軸X2Aが概ね同一の平面に含まれる状態となり、第1揺動軸X1Aと第2揺動軸X2Aとの交点付近に第1部材21の光反射部材(宝石210)が配置される。これにより、第1部材21の光反射部材の変位を抑制しつつ姿勢角を変化させることができるため、光反射部材から反射した光の瞬きを強調することができる。また、第1揺動軸X1Aと第2揺動軸X2Aの距離が近くなることによって、第1部材21の揺動の周波数を高めることができる。
【0060】
なお、本発明の実施形態は上述した例に限定されるものではなく、様々なバリエーションを含んでいる。
【0061】
上述した実施形態では、リング(114、124、126、134、214、224、226、234)の内周面が湾曲面(115、125、127、135、215、225、227、235)を形成しているが、本発明はこの例に限定されない。すなわち、これらの湾曲面は、リングとは異なる任意の形状のものに形成されていてもよい。
【0062】
上述した実施形態では、湾曲面(115、125、127、135、215、225、227、235)がリングの内側に向かって先細りした断面形状を持っているが、本発明はこの例に限定されない。すなわち、これらの湾曲面の少なくとも一部は、先細りした断面形状とは異なる断面形状(例えば円弧状に曲がった断面形状)を持っていてもよい。
【符号の説明】
【0063】
1…装身具、10…下げ飾り、11…第1部材、110…宝石、111…宝石保持部、112…爪、114…第1リング、115…第1湾曲面、12…第2部材、120…正面側フレーム、1201…孔、121…背面側フレーム、1211…孔、122A~122D…支柱、123…磁性部材、124…第2リング、125…第2湾曲面、126…第3リング、127…第3湾曲面、13…第3部材、130…正面側フレーム、1301…孔、131…背面側フレーム、1311…孔、132A,132B…支柱、133…磁性部材、134…第4リング、135…第4湾曲面、19…チェーン、191…丸環、192…連結具、2…装身具、21…第1部材、210…宝石、211…宝石保持部、212…爪、213…中間部、214…第1リング、215…第1湾曲面、22…第2部材、220~223…フレーム部、224…第2リング、225…第2湾曲面、226…第3リング、227…第3湾曲面、229…宝石、23…第3部材、231…指輪本体、232…腕部、234…第4リング、235…第4湾曲面、C1,C1A…第1接触部、C2,C2A…第2接触部、X1,X1A…第1揺動軸、X2,X2A…第2揺動軸、P1,P1A…第1リング孔、P2,P2A…第2リング孔、P3,P3A…第3リング孔、P4,P4A…第4リング孔
図1
図2
図3
図4
図5