(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024022308
(43)【公開日】2024-02-16
(54)【発明の名称】車両用空調設備のフィルター清掃装置
(51)【国際特許分類】
B60H 3/06 20060101AFI20240208BHJP
B01D 46/681 20220101ALI20240208BHJP
B03C 3/28 20060101ALI20240208BHJP
B01D 46/04 20060101ALI20240208BHJP
F24F 8/90 20210101ALI20240208BHJP
【FI】
B60H3/06 611Z
B01D46/681
B03C3/28
B01D46/04
F24F8/90 110
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022125796
(22)【出願日】2022-08-05
(71)【出願人】
【識別番号】391044797
【氏名又は名称】株式会社コーワ
(72)【発明者】
【氏名】桑原 龍也
(72)【発明者】
【氏名】横山 広
(72)【発明者】
【氏名】高井 勉
(72)【発明者】
【氏名】町田 幸雄
(72)【発明者】
【氏名】吉田 知弘
(72)【発明者】
【氏名】山崎 朋香
【テーマコード(参考)】
3L211
4D054
4D058
【Fターム(参考)】
3L211BA54
3L211DA75
4D054AA12
4D054BC16
4D058JA12
4D058JA13
4D058JA15
4D058JB22
4D058JB42
4D058KB11
4D058MA31
4D058QA03
4D058QA21
4D058SA20
4D058UA12
(57)【要約】
【課題】 フィルター面に均等な力でブラシを当接させて清掃ムラの発生を防ぐと共に、簡易な構造で製造コストの低減を図ることができる車両用空調設備のフィルター清掃装置を提供する。
【解決手段】 フィルター清掃装置10は、車両用空調設備に設置されるフィルター1を備えたフィルター体2と、固定軸6と、フィルター1に当接すると共に、固定軸6回りに回動可能な清掃体3と、送風路4と、送風路4からの送風によって固定軸6回りに回動可能なファン5とを有しており、固定軸6の軸中心とフィルター体2の軸中心とを略一致させていると共に、ファン5の回動に連動して清掃体3が回動することによって、清掃体3がフィルター1に付着した塵埃を除去するようにした。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用空調設備のフィルターに付着した塵埃を除去するための清掃装置であって、
前記清掃装置は、カーエアコンに設置されるフィルターを備えたフィルター体と、
固定軸と、
前記フィルターに当接すると共に、前記固定軸回りに回動可能な清掃体と、
送風路と、
前記送風路からの送風によって前記固定軸回りに回動可能なファンと、を有し、
前記固定軸の軸中心と前記フィルター体の軸中心とを略一致させていると共に、
前記ファンの回動に連動して前記清掃体が回動することによって、前記清掃体が前記フィルターに付着した塵埃を除去することを特徴とする車両用空調設備のフィルター清掃装置
【請求項2】
送風路には、自動車の走行時の走行風が導入されることを特徴とする請求項1に記載の車両用空調設備のフィルター清掃装置
【請求項3】
フィルター体及び/又は清掃体は、導電性材料及び/又は帯電防止材料により形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用空調設備のフィルター清掃装置
【請求項4】
静電気によってフィルターに塵埃を付着させることができる静電気発生手段を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用空調設備のフィルター清掃装置
【請求項5】
フィルターの外形は略円錐形状、略円柱形状又は略円錐台形状であることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用空調設備のフィルター清掃装置
【請求項6】
フィルターは、プレフィルターとメインフィルターとで構成され、プレフィルターに清掃体が当接することを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用空調設備のフィルター清掃装置
【請求項7】
プレフィルターは、メインフィルターよりも細かな塵埃を捕捉可能であることを特徴とする請求項6に記載の車両用空調設備のフィルター清掃装置
【請求項8】
送風路は、外気送風路と、内気送風路とを有し、前記外気送風路の近傍に設置されたフィルターを清掃することを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用空調設備のフィルター清掃装置
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に自動車等の車両の空調設備に設置されるフィルターに付着している塵埃等を除去する車両用空調設備のフィルター清掃装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の車両用換気装置では、車外の新鮮な空気を車内に取り入れる給気側の入り口流路にフィルターをもうけて、車外のゴミや塵埃が換気装置に侵入するのを防ぐと共に、フィルターの自動清掃機構を設けたものが知られている。(特許文献1)。
【0003】
特許文献1に記載の車両用換気装置は、フィルターの手前に風車が設置されており、給気ファンが回転し、新鮮空気を吸入すると、その吸入風力により風車が回転し、風車の回転軸が回転し、回転軸の両端に装着されているホイールも一緒に回転する。また、風車の先端にはブラシ付シャフトが付いており、このブラシ付シャフトはフィルターの直近にあり、ブラシはフィルターに接触している。そして、ホイールが回転運動することにより、ブラシ付シャフトも一緒に回転運動することとなり、フィルターに堆積したゴミや塵埃を除去して自動的に清掃される仕組みとなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら上記特許文献1に記載の車両用換気装置は、回転するホイールの円周上にブラシが固定されているため、フィルター面の全体に均等な力で当接させることはできず、清掃ムラが生じやすいものであった。また、ホイールとブラシとの間にクランク機構を設置して、このクランク機構によってフィルター面に均等な力でブラシを当接させる実施形態も開示されているが、装置が複雑化、大型化するため、製造コストを増加させるものであった。
【0006】
本発明は、前記従来の課題を解決するものであり、フィルター面に均等な力でブラシを当接させて清掃ムラの発生を防ぐと共に、簡易な構造で製造コストの低減を図ることができる車両用空調設備のフィルター清掃装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記従来の課題を解決するために、請求項1の車両用空調設備のフィルター清掃装置の発明は、車両用空調設備のフィルターに付着した塵埃を除去するための清掃装置であって、前記清掃装置は、カーエアコンに設置されるフィルターを備えたフィルター体と、固定軸と、前記フィルターに当接すると共に、前記固定軸回りに回動可能な清掃体と、送風路と、前記送風路からの送風によって前記固定軸回りに回動可能なファンと、を有し、前記固定軸の軸中心と前記フィルター体の軸中心とを略一致させていると共に、前記ファンの回動に連動して前記清掃体が回動することによって、前記清掃体が前記フィルターに付着した塵埃を除去することを特徴としている。
【0008】
請求項1の発明では、送風路からの送風によって回動するファンに連動して清掃体が回動する構成としているので、フィルター体を回動させることなくフィルター面に均等な力で当接させることができ、清掃ムラの発生を防ぐことができる。また、固定軸の軸中心とフィルター体の軸中心とを略一致させたことによって、コンパクトな形態とすることができ、小スペースに設置することができると共に、従来の車両用空調設備のフィルター清掃装置と比較して簡易な構造であることから、製造コストの低減を図ることができる。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、送風路には、車両の走行時の走行風が導入されることを特徴としている。これにより、車内に設置されている給気送風機の出力を小さくすることができる。
【0010】
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、フィルター体及び/又は清掃体は、導電性材料及び/又は帯電防止材料により形成されていることを特徴としている。これにより、フィルター体と清掃体に塵埃が付着するのを防ぐことができる。
【0011】
請求項4の発明は、請求項1又は2の発明において、静電気によってフィルターに塵埃を付着させることができる静電気発生手段を有することを特徴としている。これにより、フィルターに効率よく塵埃を付着させることができる。
【0012】
請求項5の発明は、請求項1又は2の発明において、フィルターの外形は略円錐形状、略円柱形状又は略円錐台形状であることを特徴としている。これにより、狭いスペースに設置した場合でも多くの塵埃をフィルターに付着させることができ、清掃効率を向上させることができる。
【0013】
請求項6の発明は、請求項1又は2の発明において、フィルターは、プレフィルターとメインフィルターとで構成され、プレフィルターに清掃体が当接することを特徴としている。これにより、メインフィルターの清掃頻度又は、交換頻度を減少させることができる。
【0014】
請求項7の発明は、請求項6の発明において、プレフィルターは、メインフィルターよりも細かな塵埃を捕捉可能であることを特徴としている。これにより、プレフィルターによって、車外から運ばれてくる大きな塵埃から小さな塵埃までを捕捉することができるので、メインフィルターの清掃頻度又は、交換頻度を一層減少させることができる。
【0015】
請求項8の発明は、請求項1又は2の発明において、送風路は、外気送風路と、内気送風路とを有し、前記外気送風路の近傍に設置されたフィルターを清掃することを特徴としている。これにより、外気送風路は内気送風路と比較して、車外のゴミや虫、塵埃がより多く侵入するため、外気送風路に設置されたフィルターの清掃頻度又は、交換頻度を減少させることができる。
【発明の効果】
【0016】
請求項1の発明は、清掃体を回動させることなくフィルター面に均等な力で当接させることができ、清掃ムラの発生を防ぐことができる。また、コンパクトな形態とすることができ、小スペースに設置することができると共に、従来の車両用空調設備のフィルター清掃装置と比較して簡易な構造であることから、製造コストの低減を図ることができる。また、請求項2の発明は、車内に設置されている給気送風機の出力を小さくすることができる。
【0017】
請求項3の発明は、フィルター体と清掃体に塵埃が付着するのを防ぐことができる。また、請求項4の発明は、フィルターに効率よく塵埃を付着させることができる。また、請求項5の発明は、狭いスペースに設置した場合でも多くの塵埃をフィルターに付着させることができ、清掃効率を向上させることができる。
【0018】
請求項6及び7の発明は、メインフィルターの清掃頻度又は、交換頻度を減少させることができる。また、請求項8の発明は、外気に含まれている塵埃を確実に除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】(a)本発明に係る車両用空調設備のフィルター清掃装置が設置された自動車の一部を示す斜視図(b)本発明に係る車両用空調設備のフィルター清掃装置が設置された自動車の一部を示す断面図
【
図2】車両用空調設備のフィルター清掃装置の第1実施形態を示す斜視図
【
図3】車両用空調設備のフィルター清掃装置の第2実施形態を示す斜視図
【
図4】車両用空調設備のフィルター清掃装置の第3実施形態を示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。尚、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
図1(a)は、本発明に係る車両用空調設備のフィルター清掃装置が設置された自動車の一部を示す斜視図であり、
図1(b)は、同断面図である。これらの図を用いて本発明に係る車両用空調設備のフィルター清掃装置が設置される自動車の空調設備の概要について説明する。
【0021】
自動車60は、フロントバンパー11の上部に形成されているラジエターグリル12から外気を取り込むことが可能となっており、送風路4には、車両60の走行時の走行風が導入される構成としている。これにより、車内に設置されている給気送風機13の出力を小さくすることができる。また、送風路4は、外気送風路4aと、内気送風路4bとを有しており、本発明に係るフィルター清掃装置10は、外気送風路4aの近傍に設置されたフィルター1(1a)を清掃する構成としている。これにより、外気に含まれている塵埃を確実に除去することができる。
【0022】
また、フィルター1は、プレフィルター1aとメインフィルター1bとで構成され、プレフィルター1aに本発明に係る清掃装置10の清掃体が当接する構成としている。これにより、メインフィルター1bの清掃頻度又は、交換頻度を減少させることができる。また、プレフィルター1aは、メインフィルター1bよりも細かな塵埃を捕捉可能な構成としている。具体的には、プレフィルター1aの網目の大きさをメインフィルター1bの網目の大きさよりも小さくしている。これにより、プレフィルター1aによって、車外から運ばれてくる大きな塵埃から小さな塵埃までを捕捉することができるので、メインフィルター1bの清掃頻度又は、交換頻度を一層減少させることができる。尚、プレフィルター1a及びメインフィルター1bは、プリーツ状やメッシュ状など、形状によることなく本発明に含まれる。
【0023】
尚、外気送風路4aと車外排出路4cとの間には、回動可能な第1遮蔽壁14が設置されており、プレフィルター1aとメインフィルター1bの間の内気送風路4b内には、回動可能な第2遮蔽壁15が設置されている。第1遮蔽壁14と第2遮蔽壁15が
図1(b)に示す状態では、プレフィルター1a及びメインフィルター1bを通過した外気が車内に送風される。
【0024】
また、外気を車内に送風させたくない場合には、第1遮蔽壁14を
図1(b)において反時計回りに回転させて外気送風路4aを塞ぐ位置まで移動させればよい。また、外気を車外排出路4c側に排出させたい場合には、第1遮蔽壁14を
図1(b)において時計回りに回転させて、車外排出路4cの壁面近くまで移動させると共に、第2遮蔽壁15を
図1(b)において反時計回りに回転させてプレフィルター1aとメインフィルター1bの間の内気送風路4bを塞ぐ位置まで移動させればよく、この状態を維持することによって、フィルター清掃装置10によってプレフィルター1aから除去された塵埃を車外排出路4cから車外へと排出させることができる。
【0025】
図2は、本発明に係る車両用空調設備のフィルター清掃装置の第1実施形態を示す斜視図である。第1実施形態のフィルター清掃装置10は、車両用空調設備に設置され、フィルター1と枠体2aとを備えたフィルター体2と、固定軸6と、ブラシ3aを備え、該ブラシ3aがフィルター1に当接すると共に、固定軸6回りに回動可能な清掃体3と、送風路4(
図1参照)と、送風路4からの送風によって、複数の羽根5a、5a、5aを備え、固定軸6回りに回動可能なファン5とを有しており、固定軸6の軸中心とフィルター体2の軸中心とを略一致させていると共に、ファン5の回動に連動して清掃体3が回動することによって、清掃体3がフィルター1に付着した塵埃を除去する構成としている。
【0026】
これにより、フィルター体2を回動させることなく清掃体3のブラシ3aをフィルター1の上面に均等な力で当接させることができ、清掃ムラの発生を防ぐことができる。また、固定軸6の軸中心とフィルター体2の軸中心とを略一致させたことによって、コンパクトな形態とすることができ、小スペースに設置することができると共に、従来の車両用空調設備のフィルター清掃装置と比較して簡易な構造であることから、製造コストの低減を図ることができる。尚、フィルター体2は固定軸6側に固定されており、固定軸6の端部(図示せず)は車両側に固定されている。そして、ファン5と清掃体3は一体的に固定軸6回りに回動する構成としている。尚、本実施形態ではフィルター体2を固定軸6に固定した構成としたが、フィルター体2が車両側(送風路4など)に固定されている場合も、本発明に含まれる。また、本実施形態ではファン5と清掃体3が一体的に固定軸6回りに回動する構成としているが、ファン5と清掃体3が別体であってもよく、ファン5の回動に連動して清掃体3が回動する構成であれば本発明に含まれる。
【0027】
また、フィルター体2及び清掃体3は、導電性材料により形成されるのが好ましい。尚、フィルター体2と清掃体3のどちらか一方が導電性材料により形成される構成としてもよく、これも本発明に含まれる。これにより、フィルター体2と清掃体3に塵埃が付着するのを防ぐことができる。
【0028】
また、フィルター体2及び清掃体3は、帯電防止材料により形成されるのが好ましい。尚、フィルター体2と清掃体3のどちらか一方が帯電防止材料により形成される構成としてもよく、これも本発明に含まれる。これにより、フィルター体2と清掃体3に塵埃が付着するのを防ぐことができる。
【0029】
また、本発明に係る車両用空調設備のフィルター清掃装置10は、静電気によってフィルターに塵埃を付着させることができる静電気発生手段を有している。ここで、静電気発生手段の一例として、フィルター1の上面と清掃体3を構成するブラシ3aをあげることができる。即ち、フィルター1の上面とブラシ3aがこすれ合うことによって静電気を発生させることができる。これにより、フィルター1に効率よく塵埃を付着させることができる。尚、ブラシ3aに変えてブレードを適用することも可能である。
【0030】
図3は、本発明に係る車両用空調設備のフィルター清掃装置の第2実施形態を示す斜視図である。第2実施形態のフィルター清掃装置20は、車両用空調設備に設置されるフィルター21を備えたフィルター体22と、固定軸26と、ブラシ23aを備え、該ブラシ23aがフィルター21に当接すると共に、固定軸26回りに回動可能な清掃体23と、送風路4(
図1参照)と、送風路4からの送風によって、複数の羽根25a、25a、25aを備え、固定軸26回りに回動可能なファン25とを有しており、固定軸26の軸中心とフィルター体22の軸中心とを略一致させていると共に、ファン25の回動に連動して清掃体23が回動することによって、清掃体23がフィルター21に付着した塵埃を除去し、除去された塵埃は、ダストボックス7に収容される構成としている。尚、フィルター21にはプリーツフィルターを使用してしている。
【0031】
フィルター体22は固定軸26側に固定されており、固定軸26の端部(図示せず)は車両側に固定されている。そして、ファン25と清掃体23は一体的に固定軸26回りに回動する構成としている。尚、本実施形態ではフィルター体22を固定軸26に固定した構成としたが、フィルター体22が車両側(送風路4など)に固定されている場合も、本発明に含まれる。また、本実施形態ではファン25と清掃体23が一体的に固定軸26回りに回動する構成としているが、ファン25と清掃体23が別体であってもよく、ファン25の回動に連動して清掃体23が回動する構成であれば本発明に含まれる。
【0032】
これにより、フィルター体22を回動させることなく、清掃体23のブラシ23aをフィルター21の上面に均等な力で当接させることができ、清掃ムラの発生を防ぐことができる。また、固定軸26の軸中心とフィルター体22の軸中心とを略一致させたことによって、コンパクトな形態とすることができ、小スペースに設置することができ、従来の車両用空調設備のフィルター清掃装置と比較して簡易な構造であることから、製造コストの低減を図ることができる。
【0033】
図4は、本発明に係る車両用空調設備のフィルター清掃装置の第3実施形態を示す斜視図である。第4実施形態のフィルター清掃装置30は、車両用空調設備に設置され、フィルター31と、枠体32aとを備えたフィルター体32と、固定軸36と、ブラシ33aを備え、該ブラシ33aがフィルター31に当接すると共に、固定軸36回りに回動可能な清掃体33と、送風路4(
図1参照)と、送風路4からの送風によって、複数の羽根35a、35a・・・を備え、固定軸36回りに回動可能なファン35とを有しており、ファン35の回動に連動して清掃体33が回動することによって、清掃体33がフィルター31に付着した塵埃を除去する構成としている。これにより、フィルター体32を回動させることなく清掃体33のブラシ33aをフィルター31の上面に均等な力で当接させることができ、清掃ムラの発生を防ぐことができる。また、従来の車両用空調設備のフィルター清掃装置と比較して簡易な構造であることから、製造コストの低減を図ることができる。尚、フィルター体32は車両側(送風路4など)に固定されているが、フィルター体32を固定軸36に固定した構成も本発明に含まれる。また、ファン35を清掃体33とは別体として設けることで、ファン35により十分な回転動力を維持しながら、清掃体33をよりコンパクトに形成することができる。尚、ファン35の回動と清掃体33の回動とを連動させる構成は図示していないが、一例として、ファン35と清掃体33の各々に設けられたギアを歯合させる構成を挙げることができる。
【0034】
尚、第3実施形態を構成するフィルター31は、その外形が略円錐台形状となるプリーツフィルターを使用しているが、略円錐台形状の他に、略円錐形状又は略円柱形状の外形のプリーツフィルターを使用することも可能である。これにより、狭いスペースに設置した場合でも多くの塵埃をフィルター31に付着させることができ、清掃効率を一層向上させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明に係る車両用空調設備のフィルター清掃装置は、主に自動車等の車両の空調設備に設置されるフィルターに付着している塵埃等を除去する清掃装置として利用される。
【符号の説明】
【0036】
1、21、31 フィルター
1a プレフィルター
1b メインフィルター
2、22、32 フィルター体
2a、22a、32a 枠体
3、23、33 清掃体
3a、23a、33a ブラシ
4 送風路
4a 外気送風路
4b 内気送風路
4c 車外排出路
5、25、35 ファン
5a、25a、35a 羽根
6、26、36 固定軸
7 ダストボックス
10、20、30 フィルター清掃装置
11 フロントバンパー
12 ラジエターグリル
13 給気送風機
14 第1遮蔽壁
15 第2遮蔽壁
60 自動車(車両)