(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024022326
(43)【公開日】2024-02-16
(54)【発明の名称】ボトル保持機構および炭酸ガス注入装置
(51)【国際特許分類】
B01F 23/2361 20220101AFI20240208BHJP
B67D 1/08 20060101ALI20240208BHJP
B01F 21/00 20220101ALI20240208BHJP
B01F 35/42 20220101ALI20240208BHJP
B01F 35/45 20220101ALI20240208BHJP
B01F 35/60 20220101ALI20240208BHJP
B01F 35/71 20220101ALI20240208BHJP
【FI】
B01F23/2361
B67D1/08 Z
B01F21/00
B01F35/42
B01F35/45
B01F35/60
B01F35/71
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022125821
(22)【出願日】2022-08-05
(71)【出願人】
【識別番号】311007202
【氏名又は名称】アサヒビール株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000113997
【氏名又は名称】株式会社アクリテック
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】前田 勉
(72)【発明者】
【氏名】川崎 一真
(72)【発明者】
【氏名】隈本 正人
【テーマコード(参考)】
3E082
4G035
4G037
【Fターム(参考)】
3E082AA04
3E082BB02
3E082FF05
3E082FF09
4G035AA06
4G035AA10
4G035AA11
4G035AB07
4G035AE09
4G035AE13
4G037AA01
4G037DA25
4G037EA10
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ボトルが保持されたことが使用者に分かりやすいボトル保持機構および炭酸ガス注入装置を提供する。
【解決手段】ボトル保持機構は、ハウジング10と、第1、第2並進方向に並進可能に配置され、第1対向面を有する第1環状部材30と、第1、第2回動方向に回動可能に配置され、第1対向面に対向する第2対向面、第2対向面の反対側の端面、ボトルの口部が挿入される開口、突起3が係合する溝44を有する第2環状部材40と、ハウジングを第3、第4回動方向に回動可能に保持するホルダ20と、突起の移動を制限する制限部を備える。第3、第4回動方向へのハウジングの回動は、第1、第2並進方向への第1環状部材の並進となる。溝は、第2環状部材の軸方向に延びた縦溝部441と、第1回動方向に延びた横溝部442を含む。突起が縦溝部に係合後にボトルが第1回動方向に回動され、第3回動方向にされることにより口部がロック状態になる。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、
前記ハウジングの中で互いに反対方向である第1並進方向および第2並進方向に並進可能に配置され、第1対向面を有する第1環状部材と、
前記ハウジングの中で互いに反対方向である第1回動方向および第2回動方向に回動可能に配置され、前記第1対向面に対向する第2対向面、前記第2対向面の反対側の端面、ボトルの口部が挿入される開口、および、前記口部に設けられた突起が係合するように前記端面から延びた溝を有する第2環状部材と、
前記ハウジングを互いに反対方向である第3回動方向および第4回動方向に回動可能に保持するホルダと、
前記溝の中での前記突起の移動を制限する制限部と、を備え、
前記第3回動方向への前記ハウジングの回動は、前記第1並進方向への前記第1環状部材の並進に変換され、前記第4回動方向への前記ハウジングの回動は、前記第2並進方向への前記第1環状部材の並進に変換され、
前記溝は、前記第2環状部材の前記端面から前記第2環状部材の軸方向に延びた縦溝部と、前記縦溝部から前記第1回動方向に延びた横溝部と、を含み、
前記突起が前記縦溝部に係合した後に前記横溝部に沿って前記第1回動方向に回動するように前記ボトルが回動され、その後、前記第3回動方向に前記ボトルが回動されることにより前記第1環状部材が前記第1並進方向に移動し、この状態で前記溝の中での前記突起の移動が前記制限部によって制限されることにより前記口部がロック状態になる、
ことを特徴とするボトル保持機構。
【請求項2】
前記ロック状態は、前記ボトルが前記第4回動方向に回動された後に前記第2回動方向に回動されることによって解除される、
ことを特徴とする請求項1に記載のボトル保持機構。
【請求項3】
前記ロック状態における前記ボトルは、前記第4回動方向に回動されただけでは前記開口から引き抜くことができない、
ことを特徴とする請求項2に記載のボトル保持機構。
【請求項4】
前記ハウジングは、前記口部が挿入される挿入孔を有しかつ前記第2環状部材を前記第1並進方向に関して規制する底面部と、前記第1環状部材および前記第2環状部材を少なくとも部分的に取り囲むように前記底面部から延びた側面部と、を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のボトル保持機構。
【請求項5】
前記側面部は、角筒形状を有する、
ことを特徴とする請求項4に記載のボトル保持機構。
【請求項6】
前記ハウジングの中で前記第1環状部材を保持する保持部材を更に備え、
前記保持部材は、前記ハウジングの前記側面部に設けられたスロットを通して突出する突出部を有し、
前記ホルダは、前記第3回動方向および前記第4回動方向における前記ハウジングの回動を可能にするように前記ハウジングを軸支する軸支部と、前記突出部をガイドするガイド溝とを有する、
ことを特徴とする請求項4に記載のボトル保持機構。
【請求項7】
前記保持部材は、第1係合部を有し、前記第2環状部材は、第2係合部を有し、
前記ロック状態では、前記第2係合部が前記第1係合部に係合している、
ことを特徴とする請求項6に記載のボトル保持機構。
【請求項8】
前記第1対向面は、のこぎり波状の第1係合面を有し、前記第2対向面は、のこぎり波状の第2係合面を有し、前記ロック状態では、前記第1係合面が前記第2係合面に係合している、
ことを特徴とする請求項1に記載のボトル保持機構。
【請求項9】
前記第1環状部材および前記第2環状部材に対して、前記第1環状部材と前記第2環状部材とを相互に離隔する方向に力を作用させるコイルばねを更に備える、
ことを特徴とする請求項1に記載のボトル保持機構。
【請求項10】
前記コイルばねは、前記第1回動方向への前記第2環状部材の回動に対して抗力を発生するように配置されている、
ことを特徴とする請求項9に記載のボトル保持機構。
【請求項11】
前記突起が前記縦溝部に係合した後に前記横溝部に沿って前記第1回動方向に回動するように前記ボトルが回動された状態を表示する表示器を更に備える、
ことを特徴とする請求項1に記載のボトル保持機構。
【請求項12】
前記制限部は、前記第1環状部材に対して固定されている、
ことを特徴とする請求項11に記載のボトル保持機構。
【請求項13】
前記ロック状態において前記口部をシールするシール部を更に備える、
ことを特徴とする請求項1に記載のボトル保持機構。
【請求項14】
前記第1環状部材および前記第2環状部材を貫通するチューブを更に備え、
前記シール部は、前記チューブに取り付けられている、
ことを特徴とする請求項13に記載のボトル保持機構。
【請求項15】
ボトルに炭酸ガスを注入する炭酸ガス注入装置であって、
請求項1乃至14のいずれか1項に記載のボトル保持機構と、
前記ボトル保持機構によって保持されたボトルに対して炭酸ガスを供給する炭酸ガス供給部と、
を備えることを特徴とする炭酸ガス注入装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボトル保持機構および炭酸ガス注入装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、炭酸化装置に炭酸飲料の容器を取り付ける炭酸化ヘッドアッセンブリの一部を形成するクランプ器具が開示されている。このクランプ器具は、容器の口部を保持するように放射状に配置された複数のプロングと、使用者が炭酸化ヘッドアッセンブリに容器を非直立状態で位置決めし、容器を直立状態に動かしたときに複数のプロングによって容器の口部が保持されるように複数のプロングを締め付ける締め付けリングとを有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のクランプ器具では、容器の口部を炭酸化ヘッドアッセンブリに非垂直状態で位置決めした後に容器を垂直状態に回動させることによって容器の口部が複数のクランプによって保持される。しかし、容器がどの時点で確実に保持されたのかが分かりにくく、使用者に不安感を与えうる。
【0005】
本発明は、ボトルが保持されたことが使用者にとって分かりやすいボトル保持機構および炭酸ガス注入装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1側面は、ボトル保持機構に係り、前記ボトル保持機構は、ハウジングと、前記ハウジングの中で互いに反対方向である第1並進方向および第2並進方向に並進可能に配置され、第1対向面を有する第1環状部材と、前記ハウジングの中で互いに反対方向である第1回動方向および第2回動方向に回動可能に配置され、前記第1対向面に対向する第2対向面、前記第2対向面の反対側の端面、ボトルの口部が挿入される開口、および、前記口部に設けられた突起が係合するように前記端面から延びた溝を有する第2環状部材と、前記ハウジングを互いに反対方向である第3回動方向および第4回動方向に回動可能に保持するホルダと、前記溝の中での前記突起の移動を制限する制限部と、を備え、前記第3回動方向への前記ハウジングの回動は、前記第1並進方向への前記第1環状部材の並進に変換され、前記第4回動方向への前記ハウジングの回動は、前記第2並進方向への前記第1環状部材の並進に変換され、前記溝は、前記第2環状部材の前記端面から前記第2環状部材の軸方向に延びた縦溝部と、前記縦溝部から前記第1回動方向に延びた横溝部と、を含み、前記突起が前記縦溝部に係合した後に前記横溝部に沿って前記第1回動方向に回動するように前記ボトルが回動され、その後、前記第3回動方向に前記ボトルが回動されることにより前記第1環状部材が前記第1並進方向に移動し、この状態で前記溝の中での前記突起の移動が前記制限部によって制限されることにより前記口部がロック状態になる。
【0007】
本発明の第2側面は、ボトルに炭酸ガスを注入する炭酸ガス注入装置に係り、前記炭酸ガス注入装置は、前記第1側面に係るボトル保持機構と、前記ボトル保持機構によって保持されたボトルに対して炭酸ガスを供給する炭酸ガス供給部と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ボトルが保持されたことが使用者にとって分かりやすいボトル保持機構および炭酸ガス注入装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】一実施形態の炭酸ガス注入装置の構成を例示する図。
【
図4】一実施形態の炭酸ガス注入装置あるいはボトル保持機構の構成および動作を説明するための図。
【
図5】一実施形態の炭酸ガス注入装置あるいはボトル保持機構の構成および動作を説明するための図。
【
図6】一実施形態の炭酸ガス注入装置あるいはボトル保持機構の構成および動作を説明するための図。
【
図7】一実施形態の炭酸ガス注入装置あるいはボトル保持機構の構成および動作を説明するための図。
【
図8】一実施形態の炭酸ガス注入装置あるいはボトル保持機構の構成および動作を説明するための図。
【
図9】一実施形態の炭酸ガス注入装置あるいはボトル保持機構の構成および動作を説明するための図。
【
図10】一実施形態の炭酸ガス注入装置あるいはボトル保持機構の構成および動作を説明するための図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また、実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴のうち二つ以上の特徴が任意に組み合わされてもよい。また、同一若しくは同様の構成には同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0011】
図1には、一実施形態の炭酸ガス注入装置100の構成が例示的に示されている。
図2、
図3には、
図1に示された炭酸ガス注入装置100の一部が拡大して示されている。ここで、
図2には、炭酸ガス注入装置100にボトル1を取り付ける状態または炭酸ガス注入装置100からボトル1を取り外す状態が示されている。
図3には、炭酸ガス注入装置100がボトル1に炭酸ガスを注入する動作の準備が完了した状態、炭酸ガス注入装置100がボトル1に炭酸ガスを注入する動作を行っている状態、または、炭酸ガス注入装置100がボトル1に炭酸ガスを注入する動作が完了した状態が示されている。
【0012】
ボトル1の口部は、
図1、
図2に示されるようにボトル1の軸方向が鉛直方向に対して傾斜した状態(傾斜状態)でボトル保持機構BHMの挿入孔11に対して斜め上方向Uに挿入され、その後に第1回動方向R1に回動されることによってボトル保持機構BHMあるいは炭酸ガス注入装置100によって保持されうる。この状態は、その状態で斜め下方向Dにボトル1を引っ張ってもボトル保持機構BHMの挿入孔11からボトル1が抜けない状態である。よって、本実施形態によれば、ボトル1がボトル保持機構BHMによって保持されたことが使用者にとって分かりやすい。また、ボトル保持機構BHMによってボトル1が保持されるまでの動作が単純である。
【0013】
その後、ボトル1は、
図3に示されるように第3回動方向R3に回動され鉛直方向に平行な状態(鉛直状態)にされうる。この状態は、ボトル1がボトル保持機構BHMあるいは炭酸ガス注入装置100によって完全に保持された状態、あるいは、ボトル1の口部2(あるいは、ボトル1)がロックされたロック状態である。このロック状態からは、ボトル1が第3回動方向R3の反対方向である第4回動方向R4に回動され、更に、第1回動方向R1の反対方向である第2回動方向R2に回動された後でない限り、ボトル1をボトル保持機構BHMの挿入孔11から抜くことはできない。本実施形態によれば、ボトル保持機構BHMの挿入孔11にボトル1の口部を挿入し、第1回動方向R1に回動した後、第3回動方向R3に回動するという簡単で分かりやすい操作でボトル1の口部をロック状態にすることができる。
【0014】
ボトル1がボトル保持機構BHMあるいは炭酸ガス注入装置100によって完全に保持された状態、あるいは、ロック状態において、炭酸ガス供給部90によってチューブ85を通してボトル1に炭酸ガスが注入されうる。その後、ボトル1は、第3回動方向R3とは反対方向である第4回動方向R4に回動されて傾斜状態に戻され、更に第1回動方向R1とは反対方向である第2回動方向R2に回動されることによってボトル保持機構BHMから引き抜き可能になる。つまり、ロック状態は、ボトル1が第4回動方向R4に回動された後に第2回動方向R2に回動されることによって解除される、この状態で、ボトル1は、斜め下方向Dに向けてボトル保持機構BHMから引き抜かれることにより、ボトル保持機構BHMあるいは炭酸ガス注入装置100から取り外される。
【0015】
ここで、第1回動方向R1および第2回動方向R2は、ボトル1の中心軸を回転軸とする回動の方向(ロールの方向)を示し、第3回動方向R3および第4回動方向R4は、ボトル1の中心軸の方向を回動させる方向(ピッチングの方向)を示す。
【0016】
図4(a)には、炭酸ガス注入装置100あるいはボトル保持機構BHMがボトル1の取り付け(挿入)を待っている状態、あるいは、炭酸ガス注入装置100あるいはボトル保持機構BHMからボトル1が取り外された状態が模式的に示されている。
図4(b)には、炭酸ガス注入装置100あるいはボトル保持機構BHMにボトル1が取り付けられ、ボトル1が鉛直状態になった状態(ロック状態)が模式的に示されている。ボトル保持機構BHMは、その軸方向が鉛直方向に対して傾斜した傾斜状態でボトル1を受け入れうる。
【0017】
図4(a)に模式的に示されているように、ボトル1は、突起3が設けられた口部2を有しうる。炭酸ガス注入装置100あるいはボトル保持機構BHMは、突起3を利用してボトル1あるいはボトル1の口部2を保持しうる。ボトル1が鉛直状態でボトル保持機構BHMによって保持されているとき、即ちロック状態において、ボトル保持機構BHMもその軸方向が鉛直方向に平行な鉛直状態でありうる。
【0018】
以下、
図4の他、
図5~
図10を参照しながらボトル保持機構BHMおよび炭酸ガス注入装置100の構成および動作を例示的に説明する。なお、
図6~
図10には、視認性の向上のために、ホルダ20が取り除かれた状態が示されている。また、
図10は、
図6の一部の拡大図である。
【0019】
ボトル保持機構BHMは、ハウジング10と、ハウジング10を互いに反対方向である第3回動方向R3および第4回動方向R4に回動可能に保持するホルダ20と、を備えうる。また、ボトル保持機構BHMは、第1環状部材30および第2環状部材40を備えうる。第1環状部材30および第2環状部材40は、ハウジング10によって保持されうる。
【0020】
第1環状部材30は、ハウジング10の中で互いに反対方向である第1並進方向T1および第2並進方向T2に並進可能に配置されうる。第1環状部材30は、第1対向面31を有しうる。第1対向面31は、のこぎり波状の係合面でありうる。
【0021】
第2環状部材40は、ハウジング10の中で互いに反対方向である第1回動方向R1および第2回動方向R2に回動可能に配置されうる。
図10に例示されるように、第2環状部材40は、第1対向面31に対向する第2対向面41と、第2対向面41の反対側の端面42を有しうる。第2対向面41は、のこぎり波状の係合面でありうる。ボトル1の口部2がロックされたロック状態では、第1対向面31としての第1係合面が第2対向面41としての第2係合面に係合しうる。
【0022】
また、第2環状部材40は、ボトル1の口部2が挿入される開口43、および、ボトル1の口部2に設けられた突起3が係合するように端面42から延びた溝44を有しうる。溝44は、第2環状部材40の端面42から第2環状部材40の軸方向(第2並進方向T2)に延びた縦溝部441と、縦溝部441から第2環状部材40の周方向(第1回動方向R1)に延びた横溝部442とを含みうる。
【0023】
図4、
図5に例示されるように、ホルダ20は、ハウジング10を互いに反対方向である第3回動方向R3および第4回動方向R4に回動可能に保持する。また、
図8に例示されるように、ボトル保持機構BHMは、溝44の中での口部2の突起3の移動を制限する制限部70を備えうる。制限部70は、第1環状部材30に対して固定されうる。あるいは、制限部70は、第1環状部材30の一部として構成されてもよい。
【0024】
第3回動方向R3へのハウジング10の回動は、第1並進方向T1への第1環状部材30の並進に変換され、第4回動方向R4へのハウジング10の回動は、第2並進方向T2への第1環状部材30の並進に変換されうる。口部2の突起3が縦溝部441に係合した後に横溝部442に沿って第1回動方向R1に回動するようにボトル1が回動され、その後、第3回動方向R3にボトル1が回動されることにより第1環状部材30が第1並進方向T1に移動しうる。この状態で溝44の中での突起3の移動が制限部70によって制限されることにより口部2あるいはボトル1がロックされロック状態となりうる。口部2がロックされたロック状態は、ボトル1が第4回動方向R4に回動されない限り維持されうる。また、口部2がロックされた状態からボトル1が第4回動方向R4に回動されただけでは、ボトル1を開口43あるいは挿入孔11から引き抜くことができない。
【0025】
ハウジング10およびボトル1が傾斜状態であるとき、第1並進方向T1および第2並進方向T2は、斜め上方向Uおよび斜め下方向Dと平行でありうる。ハウジング10およびボトル1が鉛直状態であるとき、第1並進方向T1および第2並進方向T2は、鉛直方向と平行でありうる。
【0026】
ボトル保持機構BHMの挿入孔11に対するボトル1の口部2の挿入は、第2環状部材40の開口43に対する口部2の挿入としても理解されうる。第2環状部材40の開口43に対する口部2の挿入は、溝44に対して突起3が係合するようになされる。溝44は、前述のように、縦溝部441と、横溝部442とを含みうる。開口43あるいは挿入孔11に対するボトル1の口部2の挿入は、縦溝部441への突起3の挿入を伴い、その後の第1回動方向R1へのボトル1の回動は、横溝部442内での突起3の第1回動方向R1への回動を伴う。第1回動方向R1へのボトル1の回動は、横溝部442の最深部443への突起3の突き当てによって第2環状部材40を第1回動方向R1に回動させる。第1回動方向R1への第2環状部材40の回動可能範囲は、例えば、制限部70と、第2環状部材40に設けられた不図示の第2制限部とが当接することによって制限されうる。
【0027】
図4(a)に例示されるように、ハウジング10は、底面部12と、底面部12から(第1並進方向T1と平行な方向に)延びた側面部13とを含みうる。底面部12は、ボトル1の口部2が挿入される挿入孔11を有し、かつ、第2環状部材40を第1並進方向T1に関して規制するように構成されうる。側面部13は、第1環状部材30および第2環状部材40を少なくとも部分的に取り囲むように構成されうる。側面部13は、例えば、角筒形状を有しうる。
【0028】
ボトル保持機構BHMは、ハウジング10の中で第1環状部材30を保持する保持部材50を更に備えうる。ハウジング10の側面部13には、ハウジング10の軸方向に延びるスロットが設けられうる。保持部材50は、ハウジング10の側面部13に設けられた当該スロットを通して突出する突出部52を有しうる。ホルダ20は、
図4(a)、
図4(b)に模式的に示されるように、第1回動方向R1および第2回動方向R2におけるハウジング10の回動を可能にするようにハウジング10を軸支する軸支部22と、突出部52をガイドするガイド溝24とを有しうる。
【0029】
第3回動方向R3および第4回動方向R4におけるハウジング10の回動は、ガイド溝24を移動する突出部52によって、第1並進方向T1および第2並進方向T2における第1環状部材30の移動に変換されうる。より詳しくは、第3回動方向R3へのハウジング10の回動は、第1並進方向T1への第1環状部材30の並進に変換され、第4回動方向R4へのハウジング10の回動は、第2並進方向への第1環状部材30の並進に変換されうる。
【0030】
保持部材50は、第1係合部55を有し、第2環状部材40は、第2係合部45を有し、ボトル1の口部2がロックされたロック状態では、第2係合部45が第1係合部55に係合した状態となりうる。
【0031】
ボトル保持機構BHMは、
図4(b)に例示されるように、口部2の突起3が縦溝部441に係合した後に横溝部442に沿って第1回動方向R1に回動するようにボトル1が回動された状態を表示する表示器DSを更に備えうる。表示器DSは、例えば、第1回動方向R1および第2回動方向R2に回動可能な第2環状部材40に設けられたマーク48と、ハウジング10に設けられた窓18とを含みうる。一例において、突起3が縦溝部441に挿入された後に横溝部442に沿って第1回動方向R1に回動するようにボトル1が操作されると、第1カラーを有するマーク48が窓18に現われる。一方、その状態から突起3が横溝部442に沿って第2回動方向R2に回動するようにボトル1が操作されると、第2カラーを有する部分(例えば、第2環状部材40の一部)が窓18に現われる。
【0032】
ボトル保持機構BHMは、第1環状部材30および第2環状部材40に対して、第1環状部材30と第2環状部材40とを相互に離隔する方向に力を作用させるコイルばね60を更に備えうる。コイルばね60は、第1回動方向R1への第2環状部材40の回動に対して抗力を発生するように配置されうる。
【0033】
図10に例示されるように、ボトル保持機構BHMは、ボトル1の口部2が第2環状部材40の開口43に対して所定深さまで挿入された状態において口部2をシールするシール部80を備えうる。ボトル保持機構BHMは、第1環状部材30および第2環状部材40を貫通するチューブ85を更に備えうる。炭酸ガス注入装置100の炭酸ガス供給部90は、チューブ85を通してボトル1(ボトル1内の飲料)に対して炭酸ガスを注入するように構成されうる。シール部80は、チューブ85に取り付けられうる。
【0034】
以下、
図5~
図10を参照しながら炭酸ガス注入装置100あるいはボトル保持機構BHMへのボトル1の取り付け、および、炭酸ガス注入装置100あるいはボトル保持機構BHMからのボトル1の取り外しについて例示的に説明する。
【0035】
図5、
図6、
図10には、第2環状部材40の開口43(ハウジング10の挿入孔11)にボトル1の口部2が斜め上方向Uに挿入されて、第2環状部材40の溝44(の縦溝部441)に対して口部2の突起3が係合した様子が示されている。なお、
図6~
図10では、ハウジング10は図示されていない。
【0036】
図7には、
図5、
図6、
図10に示された状態から、ボトル1が第1回動方向R1に回動され、これにより横溝部442の中で突起3が第1回動方向R1に移動した状態が示されている。
【0037】
図8には、
図7に示された状態から、ボトル1が第3回動方向R3に回動され、これにより第1環状部材30が第1並進方向T1に並進され、ボトル1あるいは口部2がロックされたロック状態が示されている。この状態で、炭酸ガス供給部90によってチューブ85を通してボトル1(ボトル1内の飲料)に対して炭酸ガスが注入される。炭酸ガス注入装置100は、ボトル1に対する炭酸ガスの注入が完了した後、例えば、不図示の報知部によって、ボトル1を傾斜状態に戻すように使用者に促しうる。
【0038】
図9には、ボトル1(ボトル1内の飲料)に対する炭酸ガスの注入後に、ボトル1が第4回動方向R4に回動された状態が示されている。この状態では、突起3がまだ横溝部442に係合している。したがって、ボトル1を引き抜くことはできない。
【0039】
その後、ボトル1が第2回動方向R2に回動されることにより、
図5、
図6、
図10に示された状態となる。この状態では、第2環状部材40の開口43(ハウジング10の挿入孔11)からボトル1の口部2を斜め下方向Dに引き抜くことができる。
【0040】
上記のように
図8に示された状態において、炭酸ガス供給部90によってチューブ85を通してボトル1(ボトル1に充填された飲料)に炭酸ガスが注入されうる。ボトル1に対する炭酸ガスの注入は、不図示の操作ボタンが使用者によって操作されることに応じて実行されうる。あるいは、ボトル1に対する炭酸ガスの注入は、ハウジング10が
図8に示されたような鉛直状態になったことを検知するセンサの出力に応答して実行または中止されてもよい。
図8に示された状態になることを条件として炭酸ガス供給部90によってボトル1に炭酸ガスが注入される構成により、ボトル1がボトル保持機構BHMに対して正しい状態で取り付けられていないにも拘わらず炭酸ガス供給部90から炭酸ガスが噴射されることを防止することができる。
【0041】
発明は上記の実施形態に制限されるものではなく、発明の要旨の範囲内で、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0042】
1:ボトル、2:口部、3:突起、BHM:ボトル保持機構、U:斜め上方向、D:斜め下方向、10:ハウジング、11:挿入孔、12:底面部、13:側面部、18:窓、20:ホルダ、22:軸支部、24:ガイド溝、30:第1環状部材、31:第1対向面、40:第2環状部材、41:第2対向面、42:端面、43:開口、44:溝、441:縦溝部、442:横溝部、443:最深部、45:第2係合部、48:マーク、50:保持部材、52:突出部、55:第1係合部、60:コイルばね、70:制限部、80:シール部、85:チューブ、90:炭酸ガス供給部、100:炭酸ガス注入装置、T1:第1並進方向、T2:第2並進方向、R1:第1回動方向、R2:第2回動方向、R3:第3回動方向、R4:第4回動方向、DS:表示器