IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 前田 幹太の特許一覧 ▶ 西浦 隼正の特許一覧 ▶ 藤井 博幸の特許一覧

<>
  • 特開-ボードゲーム具 図1
  • 特開-ボードゲーム具 図2
  • 特開-ボードゲーム具 図3
  • 特開-ボードゲーム具 図4
  • 特開-ボードゲーム具 図5
  • 特開-ボードゲーム具 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024022370
(43)【公開日】2024-02-16
(54)【発明の名称】ボードゲーム具
(51)【国際特許分類】
   A63F 3/00 20060101AFI20240208BHJP
【FI】
A63F3/00 501Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022125912
(22)【出願日】2022-08-05
(71)【出願人】
【識別番号】522315264
【氏名又は名称】前田 幹太
(71)【出願人】
【識別番号】522315275
【氏名又は名称】西浦 隼正
(71)【出願人】
【識別番号】522313905
【氏名又は名称】藤井 博幸
(74)【代理人】
【識別番号】100095577
【弁理士】
【氏名又は名称】小西 富雅
(74)【代理人】
【識別番号】100100424
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 知公
(72)【発明者】
【氏名】前田 幹太
(72)【発明者】
【氏名】西浦 隼正
(72)【発明者】
【氏名】藤井 博幸
(57)【要約】      (修正有)
【課題】新規なボードゲーム具を提案する。
【解決手段】この発明のボードゲーム具は、36個のマスのボード盤と、第1種類の12個の第1コマ、第2種類の12個の第2コマ及び第3種類の12個の第3コマと、を備えてなる。また、このボードゲーム具を用いたゲーム手法の一つのルールは次の通りである。(1)プレーヤは順番に自分のコマを空マスの1つに置く。(2)前に置かれたコマの隣接(前後左右)したマスにコマを置く。(3)前後左右(行x、列y)に同じ種類のコマは置けない。即ち、前後左右に同じ種類のコマを置かざるを得なくなった場合に敗着となる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
36個のマスのボード盤と、 第1種類の12個の第1コマ、第2種類の12個の第2コマ及び第3種類の12個の第3コマと、 を備えてなる、ボードゲーム具。
【請求項2】
前記ボード盤は6×6のマス目を有する、請求項1に記載のボードゲーム具。
【請求項3】
前記ボード盤のマスは矩形であり、隣接するマスは前記矩形の一辺を共有する、請求項1に記載のボードゲーム具。
【請求項4】
前記マスの配置を任意に変更できる、請求項3に記載のボードゲーム具。
【請求項5】
前記第1コマ、前記第2コマ及び前記第3コマは、前記マスを覆う形状であり、前記種類に応じて、視覚的及び/又は触覚的に峻別可能である、請求項3に記載のボードゲーム具。
【請求項6】
アドレス指定部、コマ指定部及びゲーム終了部を備えるボードゲーム装置を用いるゲーム方法であって、 前記アドレス指定部に、36個のマスのアドレスを指定させ、 前記コマ指定部に、コマのアドレスとして前記マスのアドレスを指定させ、ここに、前記コマとして、第1種類の12個の第1コマ、第2種類の12個の第2コマ及び第3種類の12個の第3コマが指定可能であり、 前記ゲーム終了部に、第1マスのアドレスと該第1マスに隣接する隣接マスのアドレスとに、同種のコマが存在するとき、ゲームを終了させる、ボードゲーム方法。
【請求項7】
前記36個のマスはX方向に6個、Y方向に6個が配置される、請求項6に記載のボードゲーム方法。
【請求項8】
ディスプレイ及びマス配置制御部が更に備えられ、 前記ディスプレイに前記マスと前記コマとが表示され、ここに、前記マスは前記ディスプレイ上において矩形に表示され、かつ、隣接するマスは前記矩形の一辺を共有して表示され、 前記マス配置制御部に、前記マスの位置を前記ディスプレイにおいて任意に変更させ、 前記コマ指定に、前記ディスプレイ上において、前記マスを覆うようにコマのアドレスを指定させる、請求項6に記載のボードゲーム方法。
【請求項9】
アドレス指定部、コマ指定部及びゲーム終了部を備えるボードゲーム装置であって、 前記アドレス指定部に、36個のマスのアドレスを指定させ、 前記コマ指定部に、コマのアドレスとして前記マスのアドレスを指定させ、ここに、前記コマとして、第1種類の12個の第1コマ、第2種類の12個の第2コマ及び第3種類の12個の第3コマが指定可能であり、 前記ゲーム終了部に、第1マスのアドレスと該第1マスに隣接する隣接マスのアドレスとに、同種のコマが存在するとき、ゲームを終了させる、ボードゲーム装置。
【請求項10】
アドレス指定部、コマ指定部及びゲーム終了部を備えるボードゲーム装置に適用されるコンピュータ用のプログラムであって、 前記アドレス指定部に、36個のマスのアドレスを指定させ、 前記コマ指定部に、コマのアドレスとして前記マスのアドレスを指定させ、ここに、前記コマとして、第1種類の12個の第1コマ、第2種類の12個の第2コマ及び第3種類の12個の第3コマが指定可能であり、 前記ゲーム終了部に、第1マスのアドレスと該第1マスに隣接する隣接マスのアドレスとに、同種のコマが存在するとき、ゲームを終了させる、 コンピュータ用のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は新規なボードゲーム具を提供する。
【背景技術】
【0002】
従来から、オセロ(登録商標)に代表されるように、種々のボードゲーム具が提案されている。 特許文献1には、3種類のコマと8行8列(8×8)に区分されたマス目状のボード盤とからなるボードゲーム具が提案されている。このゲームでは、同種のコマは前後左右にならべてはならいないというルールが示唆されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭58-124185号公報のマイクロフィルム
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、そこに記載のボードゲーム具を利用して、同種のコマを前後左右に並べることを禁止するルールを採用して、8×8のマスのボード盤の空いたマスの数で勝敗を争うゲーム手法が提案されている。コマの数は特に指定されていない。 かかるゲーム手法では、勝敗を決するまでに長い時間がかかってしまう。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らの検討によれば、3種類のコマとマス目状のボード盤との組み合わせにおいて、次のコマ数とマス目の数を採用したときに、ボードゲームとして好ましいものとなることを見出した。 即ち、1種類あたり12個のコマの3セットと6×6のマス目状ボード盤との組み合わせである。ここに、ゲーム手法として、同種のコマを隣同士に並べることとなったとき、ゲームは敗着、即ちゲーム終了とする。
【0006】
12×3=36個のコマを用いることで、このゲームを2人、3人又は4人でプレイできる。2、3、4人に対してコマを均等に分配できるからである。 5人以上のプレーヤを参加させるには、2、3、4及び5の最小公倍数である60個のコマが必要となるが、5人以上のプレーヤの参加は迅速なゲームを求める観点に合致しない。 6×6=36のマスを準備するのは、マスに対して全部のコマが並べられる可能性があるからである。
【0007】
なお、この発明のボードゲーム具を用いたゲーム手法では、同種のコマを隣同士に並べることとなったとき、ゲームは敗着、即ちゲーム終了とする。かかるゲーム手法の場合、6×6のマスのいくつかを削除することができる。また、マス目の形も6×6に限られず、36個を最大値としてn×m(n、mは2以上の自然数)とすることができる。更には、マスの集合体の外形も矩形に限定されることはなく、任意の多角形を採用できる。
【0008】
36個のコマは12個に3分割され、分割された12個は異なる種類に分類される。ゲームを実行するにあたり、コマの種類を判別できるように、種類ごとにコマには統一した視覚的な特徴が付される。視覚的な特徴として、例えば、色、形、文字、図形若しくはこれらの組み合わせを採用できる。 視覚障害者向きには、触覚的な特徴をコマに付することが好ましい。触覚的な特徴とは、形状、凹凸、表面粗さなどの表面テクスチャー等を指す。 視覚的特徴と触覚的特徴とを併用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1はこの発明の一の態様のボードゲーム具を構成するボード盤とコマとを示す。
図2図2はこの発明のボードゲーム具を用いたゲーム手法において、敗着の例を示す模式図である。
図3図3は他の態様のボード盤を示す。
図4図4はコンピュータ装置を利用するボードゲーム具の構成を示すブロック図である。
図5図5図4のボードゲーム具の動作を示すフローチャートである。
図6図6図4のボードゲーム具のハード構成を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
この発明の実施形態のボードゲーム具1を図1に示す。 このボードゲーム具1は、ボード盤10とコマ30とを備えてなる。 ボード盤10は6×6(6行、6列)のマス目からなり、各マス11は矩形である。 コマ30は12個からなる第1種類のコマ31(黒)、12個からなる第2種類のコマ32(グレー)、12個からなる第3種類のコマ33(白)からなる。この例では、円形のコマであって、各種類のコマを白黒のグラデーションで区分けしているが、利用者が種類を峻別できるものであれば、任意の色や形を採用できる。
【0011】
このボードゲーム具1を用いたゲーム手法の一つのルールは次の通りである。(1) プレーヤは順番に自分のコマを空マスの1つに置く。(2) 前に置かれたコマの隣接(前後左右)したマスにコマを置く。(3) 前後左右(行x、列y)に同じ種類のコマは置けない。即ち、前後左右に同じ種類のコマを置かざるを得なくなった場合に敗着となる。 なお、3名以上でプレイするときは、先に全てのコマを使い切った方から勝順位を付ける。
【0012】
図2に敗着の例を示す。図2において、後手番のプレーヤ2は、(1)(2)のルールに従っていずれの種類のコマを置こうとしても、(3)のルールに抵触してしまう。
【0013】
図1、2の例では、6×6のマス目のボード盤10を利用したが、(1)~(3)のルールを実行するにあたり、例えば図3Aに示すとおり、そのマス目の1又は複数を使えなくしたボード盤10Aであっても、ゲーム自体は成立する。 同様に、図3Bに示すようにn×m(n、mは2以上の自然数、ただしn×m=36)マスのボード盤10Bを用いることもできる。図3Cに示すように、矩形以外の外周形のボード盤10Cも利用可能である。 なお、ボード盤のマス目は矩形に限定されるものではないが、その中心はx、y方向に、かつ、中心間の距離を均一にして配列されたものとする。
【0014】
図4は、コンピュータを用いて具現化するボードゲーム具100の構成を示すブロック図である。 このボードゲーム具100は実行部110、インターフェース部130を備える。 実行部110はマス配置制御部111、アドレス指定部113、コマ指定部115、ゲーム終了部117を備える。
【0015】
アドレス指定部113は36個のマスの配置を定める。マスは、仮想的なx、y平面において、36個の相互に連続したアドレス(座標)に位置する。アドレス指定部113は予め定められたプログラム従って、デフォルトとして、図1の6×6のマスのアドレスを定める。マス配置制御部11により、このマスのアドレスを変更することができる。例えば、マス配置指示部131からの利用者による指示にて、図3B、Cに示すようにマスの配置を変更したり、無効のアドレスを指定したりすることができる(図3Aの黒マス参照)。
【0016】
コマ指定部115は、コマを配置する位置として、空のマスの何れか1つを指定する。指定の方法は、利用者によるコマ位置指示部133の入力による。例えば、グラフィックコントローラを用いて、ディスプレイ135に表示されているコマの1つをクリックし、空マスの上へドロップする。 このとき、ゲームのルール(1)~(2)に反する指定は拒否される。
【0017】
ゲーム終了部117は、ルール(3)が生じたときに、ゲーム終了を宣言する。若しくは、ルール(3)以外の方法で空マスに対してコマを配置できなくなったと判断されたとき、次にコマを配置すべき順番のプレーヤに対する敗着を宣言することもできる。
【0018】
インターフェース部130は、実行部110と利用者とをつなぐものであり、マス配置指示部131とコマ位置指示部133はいわゆる入力部として機能している。 ディスプレイ135にはボード盤とコマが表示される。プレーヤの手持ちのコマは常に表示され、その1つがボード盤に配置されると、プレーヤ側の対応するコマが消去される。
【0019】
図5を用いて、ボードゲーム具100の動作を説明する。 ステップ1では、アドレス指定部113により、マスのアドレスを指定する。デフォルトでは、6×6のアドレスが指定される。利用者は、マス配置指示部131を介して所望のコマンドを入力することにより、マス配置制御部111を介して、マスのアドレスを変更することができる。 なお、マスのアドレスは、xy平面においてx方向、若しくはy方向に連続するものとする。 指定されたマスのアドレスに基づき、ディスプレイ135には、前後左右(x、y方向)に連続した36個のマスが表示される。
【0020】
ステップ3では、利用者は、ディスプレイに表示された空マスへコマを配置すべく、コマ位置指示部133を介してその配置すべきアドレスを入力する。 ステップ5において、コマ指定部115は、利用者の指示したコマのアドレスがルール(1)、(2)に従って、受け入れられるものか否か判断する。 指定されたコマのアドレスがルール(1)、(2)に反しているときは(ステップ5:N)、ステップ3に戻り、コマの再配置のための再入力を促す。指定されたコマのアドレスがルール(1)、(2)に適しているときは(ステップ5:Y)、ステップ7に進む。
【0021】
ステップ7では、指定されたコマのアドレスがルール3に抵触しているか否かを判断する。指定されたコマのアドレスがルール3に抵触していないときは(ステップ7:N)、ステップ9へ進んで更にゲームが続行される。指定されたコマのアドレスがルール3に抵触しているときは(ステップ7:Y)、ステップ11に進んでゲーム終了とする。
【0022】
図6に、図4に示したボードゲーム具100のハード構成を示す。 演算部300はCPU301、ROM303及びRAM305を備え、システム全体の制御をつかさどる。それとともに、実行部110をつかさどる。ROM303は、演算部300を制御する制御プログラム等が格納された不揮発性メモリである。RAM305はCPU301に対してワーキングエリアを提供する。演算部300を制御する制御プログラムはROM303に限らずRAM305や第1記憶装置340に格納されていてもよい。出力装置320を介して各種のデータが出力される。この出力装置320にディスプレイ135が含まれる。入力装置330を介して各種のデータやコマンドが入力される。この入力装置330にマス配置指示部131やコマ位置指示部133が含まれる。
【0023】
第1記憶装置340はハードメモリやフラッシュメモリなどから構成されることが好ましい。 一時的に保存されるデータ用保存部としての、いわゆるバッファメモリには、演算部のRAMの一部領域を利用できる。外部の通信ネットワークには通信インターフェース13でつながれる。 コンピュータを構成する各装置はシステムバス370で連結されている。
【0024】
この発明は、上記発明の実施の形態及び実施例の説明に何ら限定されるもので
はない。特許請求の範囲の記載を逸脱せず、当業者が容易に想到できる範囲で種々の変形態様もこの発明に含まれる。
【符号の説明】
【0025】
1 100 ボードゲーム部11 マス30 コマ
図1
図2
図3
図4
図5
図6