(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024022401
(43)【公開日】2024-02-16
(54)【発明の名称】連結具
(51)【国際特許分類】
A43B 23/02 20060101AFI20240208BHJP
A43C 11/16 20060101ALN20240208BHJP
【FI】
A43B23/02 105Z
A43C11/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022125957
(22)【出願日】2022-08-05
(71)【出願人】
【識別番号】519133938
【氏名又は名称】加藤 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100145861
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 薫
(72)【発明者】
【氏名】加藤 剛
【テーマコード(参考)】
4F050
【Fターム(参考)】
4F050AA01
4F050BC22
4F050BC29
4F050HA53
4F050HA56
4F050HA59
4F050MA05
(57)【要約】
【課題】靴の甲部に着脱可能に装着することができ、靴紐を解いたり緩めることなく左右の羽根間の間隔を広げることができる連結具を提供する。
【解決手段】靴100の甲部101の左右の羽根102,103間を連結する連結具1であって、連結具本体10を有し、連結具本体10は、靴100の甲部101の左右の羽根102,103間に着脱可能に装着され、伸縮性を有する材料で形成されている。連結具本体10は、全方向に伸縮する。連結具本体10は、切断可能とし、印刷可能とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
靴の甲部の左右の羽根間を連結する連結具であって、
連結具本体を有し、
前記連結具本体は、前記靴の甲部の左右の羽根間に着脱可能に装着され、伸縮性を有する材料で形成されることを特徴とする請求項1に記載の連結具。
【請求項2】
前記連結具本体は、全方向に伸縮することを特徴とする請求項1に記載の連結具。
【請求項3】
前記連結具本体は、シート状とすることを特徴とする請求項1に記載の連結具。
【請求項4】
前記連結具本体は、網目状とすることを特徴とする請求項1に記載の連結具。
【請求項5】
前記連結具本体は、切断可能とすることを特徴とする請求項1に記載の連結具。
【請求項6】
前記連結具本体は、印刷可能とすることを特徴とする請求項1に記載の連結具。
【請求項7】
前記連結具本体は、前記靴の甲部の表面側または裏面側に装着されることを特徴とする請求項1に記載の連結具。
【請求項8】
前記連結具本体は、前後方向の中間部に左右方向に縊れる縊れ部が設けられることを特徴とする請求項1に記載の連結具。
【請求項9】
前記連結具本体は、前記縊れ部を介して前部側および後部側が左右方向の外側に膨出するように構成されることを特徴とする請求項8に記載の連結具。
【請求項10】
前記連結具本体は、複数の穴が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の連結具。
【請求項11】
前記複数の穴は、前記靴の靴紐が挿通される羽根と対応する前記連結具本体の所定の位置において前後方向に並んで設けられ、前記所定の位置は、右側の位置と左側の位置を含み、前記右側の位置は、右側の羽根と対応する位置とし、前記左側の位置は、左側の羽根と対応する位置とし、前記連結具本体を前記靴の甲部の左右の羽根間に装着するための装着部材を前記複数の穴に挿通することを特徴とする請求項10に記載の連結具。
【請求項12】
前記装着部材は、靴紐とし、前記靴紐を、前記羽根および前記複数の穴に挿通することを特徴とする請求項11に記載の連結具。
【請求項13】
前記靴紐を、前記右側の位置における複数の穴と前記右側の羽根との間を前後方向に沿うように挿通するとともに、前記左側の位置における複数の穴と前記左側の羽根との間を前後方向に沿うように挿通することを特徴とする請求項11に記載の連結具。
【請求項14】
前記連結具本体の表面を被覆する被覆部材を固定部を介して設けることを特徴とする請求項1に記載の連結具。
【請求項15】
前記固定部は、前記複数の穴が設けられる前記所定の位置の内側において前後方向に延びるように設けられ、前記被覆部材は、前記固定部の外側が、前記被覆部材を捲るようにして開放可能とし、前記開放により前記複数の穴を露出可能とすることを特徴とする請求項14に記載の連結具。
【請求項16】
前記被覆部材は、前後方向に延びるスリットが設けられることを特徴とする請求項14に記載の連結具。
【請求項17】
前記被覆部材は、印刷可能とすることを特徴とする請求項14に記載の連結具。
【請求項18】
前記連結具本体は、ネオプレン、クロロプレンゴム、天然ゴム、ポリエステル、ポリウレタン、レーヨン、およびウールのうち少なくともいずれかにより構成されることを特徴とする請求項1に記載の連結具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連結具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から各種の靴が利用されており、その中でも紐靴は多くの需要がある。紐靴は、足の甲部に設けられた左右の羽根に舌革を介して挿通されて使用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、紐靴は、靴を履くたびに靴紐を解いたり緩めて左右の羽根間の間隔を広げるようにして足に装着し、靴を履いた後は靴紐を結び直して締める等するがこのような靴を履く作業が極めて煩雑であった。
【0005】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、靴の甲部に着脱可能に装着することができ、靴紐を解いたり緩めることなく左右の羽根間の間隔を広げることができる連結具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、連結具に係る請求項1の発明は、連結具であって、連結具本体を有し、前記連結具本体は、前記靴の甲部の左右の羽根間に着脱可能に装着され、伸縮性を有する材料で形成されることを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、連結具本体は、靴の甲部に着脱可能に装着され、伸縮性を有する材料で形成されることとしたので、靴の甲部に着脱可能に装着することができ、靴紐を解いたり緩めることなくその伸縮性により左右の羽根間の間隔を広げることができる
【0008】
連結具本体は、全方向に伸縮することとすれば、足のサイズや足の挿入動作に対応して伸縮させることができる。
連結具本体は、例えば、シート状とすることができる。
連結具本体は、例えば、網目状とすることができる。
【0009】
連結具本体は、切断可能とすることとすれば、靴の甲部の大きさに対応したサイズに切断することができる。
連結具本体は、印刷可能とすることとすれば、各種のデザインを施して意匠性を向上させることができる。
【0010】
連結具本体は、靴の甲部の表面側または裏面側に装着される。
連結具本体は、前後方向の中間部に左右方向に縊れる縊れ部が設けられることとすれば、前後方向の中間部で屈曲し易くなり、屈曲させながら靴の甲部に装着する等、靴の甲部への装着性を向上させることができる。
【0011】
連結具本体は、縊れ部を介して前部側および後部側が左右方向の外側に膨出するように構成されることとすれば、前部側および後部側において靴の甲部を左右方向において幅広に覆うことができる。これにより、靴の装着時に痛め易い足の甲部の後部側や足の甲部の指先側を左右方向において幅広に覆って保護することができる。
【0012】
連結具本体は、複数の穴が設けられている。
すなわち、複数の穴は、靴の靴紐が挿通される羽根と対応する連結具本体の所定の位置において前後方向に並んで設けられ、所定の位置は、右側の位置と左側の位置を含み、右側の位置は、右側の羽根と対応する位置とし、左側の位置は、左側の羽根と対応する位置とし、連結具本体を靴の甲部の左右の羽根間に装着するための装着部材を複数の穴に挿通することとすれば、靴の甲部の左右の羽根間を連結することができる。
【0013】
装着部材は、靴紐とし、靴紐を、羽根および複数の穴に挿通することとすれば、靴紐を介して連結具本体と左右の羽根とを連結することができる。
【0014】
靴紐を、右側の位置における複数の穴と右側の羽根との間を前後方向に沿うように挿通するとともに、左側の位置における複数の穴と左側の羽根との間を前後方向に沿うように挿通することとすれば、靴紐を左右の羽根間に挿通することなく連結具本体を左右の羽根に連結することができる。これにより、靴を履いたときに足の甲部への締め付けを緩和することができる。
【0015】
連結具本体の表面を被覆する被覆部材を固定部を介して設けることとすれば、連結具本体を保護することができる。
【0016】
固定部は、複数の穴が設けられる所定の位置から内側の両側において前後方向に延びるように設けられ、被覆部材は、固定部の外側が、被覆部材を捲るようにして開放可能とし、開放により複数の穴を露出可能とすることとすれば、複数の穴を被覆しながらも被覆部材を捲って複数の穴を適宜露出させることができる。これにより、被覆部材を捲りながら複数の穴に装着部材を挿通することが可能となる等、被覆部材が複数の穴への装着部材の挿通の障害となることを少なくすることができる。
【0017】
被覆部材は、前後方向に延びるスリットが設けられることとすれば、連結具本体の伸縮に対応してスリットの間隔を変化させることが可能となる。これにより、被覆部材が連結具本体の伸縮の障害となることを少なくすることができる。
【0018】
被覆部材は、印刷可能とすることとすれば、各種のデザインを施して意匠性を向上させることができる。
【0019】
連結具本体は、ネオプレン、クロロプレンゴム、天然ゴム、ポリエステル、ポリウレタン、レーヨン、およびウールのうち少なくともいずれかにより構成されることとすれば、連結具本体の高い伸縮性を実現することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、靴の甲部に着脱可能に装着することができ、靴紐を解いたり緩めることなく左右の羽根間の間隔を広げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る連結具の構成を示す図で、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【
図2】同連結具を靴の左右の羽根間の表面側に連結した状態を示す平面図である。
【
図3】同連結具を靴の左右の羽根間の表面側に連結した状態を模式的に示す側面図である。
【
図4】同連結具を靴の左右の羽根間の裏面側に連結した状態を示す平面図である。
【
図5】同連結具を靴の左右の羽根間の裏面側に連結した状態を模式的に示す側面図である。
【
図6】本発明の第2実施形態に係る連結具の構成を示す図で、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【
図7】同連結具の構成を分解して示す図で、(a)は被覆部材の構成を示す平面図、(b)は連結具本体の構成を示す平面図である。
【
図8】同連結具の被覆部材の連結具本体への固定方法を説明するための図で、(a)は被覆部材を連結具本体に固定する前の状態を示す平面図、(b)は被覆部材を連結具本体に固定した後の状態を示す平面図である。
【
図9】同連結具を靴の左右の羽根間の裏面側に連結した状態を示す平面図である。
【
図10】同連結具を靴の左右の羽根間の裏面側に連結した状態を模式的に示す側面図である。
【
図11】被覆部材のスリットの間隔が広がった状態を示す平面図である。
【
図12】同連結具を靴の左右の羽根間の裏面側に連結した状態を示す平面図である。
【
図13】同連結具を靴の左右の羽根間の裏面側に連結した状態を模式的に示す側面図である。
【
図14】被覆部材を捲った状態を示す平面図である。
【
図16】本発明の変形例を示す別の第1の平面図である。
【
図17】本発明の変形例を示す別の第2の平面図である。
【
図18】本発明の変形例を示す更に別の第1の側面図である。
【
図19】本発明の変形例を示す更に別の第2の側面図である。
【
図20】本発明の変形例を示すまた更に別の第1の側面図である。
【
図21】本発明の変形例を示すまた更に別の第2の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0023】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態について
図1~
図5を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る連結具の構成を示す図、
図2は、同連結具を靴の左右の羽根間の表面側に連結した状態を示す平面図、
図3は、同連結具を靴の左右の羽根間の表面側に連結した状態を示す側面図、
図4は、同連結具を靴の左右の羽根間の裏面側に連結した状態を示す平面図、
図5は、同連結具を靴の左右の羽根間の裏面側に連結した状態を示す側面図である。以下の説明においては、連結具1を靴100に装着した状態においてつま先側を前方、甲側を後方、連結具1を正面側から見て右側を右方(側方)、左側を左方(側方)とし、各方向を図において明示するものとする。
【0024】
図1乃至
図5を参照して本実施形態の連結具1の概要を説明すると、連結具1は、靴100の甲部101の左右の羽根102,103間を連結することができる。連結具1は、連結具本体10を有し、連結具本体10は、シート状となっている。また、連結具本体10は、靴100の本体110とは分離して形成されている。すなわち、連結具1は、靴100の甲部101の左右の羽根102,103間に、靴100の本体110とは分離した連結具本体10を、着脱可能に装着することができる。
【0025】
連結具本体10は、伸縮性を有する材料で形成されており、全方向に伸縮することができる。連結具本体10は、例えば、ネオプレン、クロロプレンゴム、天然ゴム、ポリエステル、ポリウレタン、レーヨン、およびウールのうち少なくともいずれかにより構成することができる。連結具本体10は、切断可能となっており、表面10a側は印刷可能となっている。連結具本体10の表面10a側には文字や図形、模様等を印刷することができる。連結具本体10は、網目状とする等各種の形態とすることができる。
【0026】
連結具本体10は、前後方向の中間部10Aに左右方向に縊れる縊れ部11が設けられている。連結具本体10は、縊れ部11を介して前部側および後部側が左右方向の外側に膨出するように構成されている。
【0027】
すなわち、連結具本体10は、後部側において左右方向の幅寸法Wが後端10Bから前後方向の中間部10Aにかけて漸次減少するように構成されている。また、連結具本体10は、前部側において左右方向の幅寸法Wが前後方向の中間部10Aから前端10Cに向かって一旦漸次増加しつつ増加が最大となった位置10Dからは漸次減少するように構成されている。連結具本体10は、周縁部10´がジグザグ状となっている。連結具本体10は、周縁部10´の外形形状が略前方後円墳の如き形状となっている。
【0028】
ここで、連結具本体10は、複数の穴12A,12Bが設けられている。複数の穴12A、12Bは、靴100の靴紐104が挿通される羽根102,103の穴102A,103Aと対応する連結具本体10の両側縁部10a1,10a2側の所定の位置13A,13Bにおいてそれぞれ前後方向に並んで設けられている。
【0029】
すなわち、所定の位置13A,13Bは、右側縁部10a1側の位置13Aと左側縁部10a2側の位置13Bを含んでいる。そして、右側の位置13Aは、右側の羽根102と対応する位置とし、左側の位置13Bは、左側の羽根103と対応する位置としている。連結具1は、連結具本体10を靴100の甲部101の左右の羽根102,103間に装着するための装着部材20を連結具本体10の複数の穴12A,12Bおよび羽根102,103の穴102A,103Aに挿通する構成となっている。
【0030】
すなわち、装着部材20は、例えば靴紐104とすることができる。靴紐104を、靴100の羽根102,103の穴102A,103Aおよび連結具1の複数の穴12A,12Bに挿通することにより、連結具1は、連結具本体10を介して靴100の甲部101の左右の羽根102,103間を連結することができる(靴紐104を靴100の舌革に挿通することを要しない)。
【0031】
連結具本体10は、靴紐104を、右側縁部10a1側の位置13Aにおける複数の穴12Aと右側の羽根102の穴102Aとの間を前後方向に沿うように挿通するとともに、左側縁部10a2側の位置13Bにおける複数の穴12Bと左側の羽根103の穴103Aとの間を前後方向に沿うように挿通する構成となっている(靴紐104は、1本であるため靴紐104が挿通される最前端側の穴12A,12B,102A,103Aでは左右に渡すように挿通されるが図に示すようにそれ以外の穴12A,12B,102A,103Aでは左右に渡すように挿通されることなく右側、左側でそれぞれ前後方向に挿通される)。
【0032】
このように構成された連結具1は、連結具本体10を、靴100の甲部101の表面101A側または裏面101B側に装着することができる。連結具1を甲部101の裏面101B側に装着することにより、足の甲と靴100の羽根102,103との間に伸縮性のある連結具本体10が介在し、足の甲を保護することができる(連結具1を甲部101の裏面101B側に装着する場合には、靴の羽根102,103と舌革との間に連結具1を挟めるように装着する)。
【0033】
以上、本第1実施形態の連結具1によれば、連結具本体10は、靴100の甲部101に着脱可能に装着され、伸縮性を有する材料で形成されることとしたので、靴100の甲部101に着脱可能に装着することができ、靴紐104を解いたり緩めることなくその伸縮性により左右の羽根102,103間の間隔を広げることができる。
【0034】
また、連結具本体10は、全方向に伸縮することとしたので、足のサイズや足の挿入動作に対応して伸縮させることができる。
【0035】
更に、連結具本体10は、前後方向の中間部10Aに左右方向に縊れる縊れ部11が設けられることとしたので、前後方向の中間部10Aで屈曲し易くなり、屈曲させながら靴100の甲部101に装着する等、靴100の甲部101への装着性を向上させることができる。
【0036】
更にまた、連結具本体10は、縊れ部11を介して前部側および後部側が左右方向の外側に膨出するように構成されることとしたので、前部側および後部側において靴100の甲部101を左右方向において幅広に覆うことができる。これにより、靴100の装着時に痛め易い足の甲部の後部側や足の甲部の指先側を左右方向において幅広に覆って保護することができる。
【0037】
また更に、連結具本体10は、切断可能とすることとしたので、靴100の甲部101の大きさに対応したサイズに切断することができる。
【0038】
また、連結具本体10は、印刷可能とすることとしたので、各種のデザインを連結具本体10に施して意匠性を向上させることができる。
【0039】
更に、複数の穴12A,12Bは、靴100の靴紐104が挿通される羽根102,103の穴102A,103Aと対応する連結具本体10の所定の位置13A,13Bにおいて前後方向に並んで設けられ、所定の位置13A,13Bは、右側縁部10a1側の位置13Aと左側縁部10a2側の位置13Bを含み、右側縁部10a1側の位置13Aは、右側の羽根102と対応する位置とし、左側縁部10a2側の位置13Bは、左側の羽根103と対応する位置とし、連結具本体10を靴100の甲部101の左右の羽根102,103間に装着するための装着部材20を連結具1の複数の穴12A,12Bおよび羽根102,103の穴102a,103aに挿通することとしたので、靴100の甲部101の左右の羽根102,103間を連結することができる。
【0040】
更にまた、装着部材20は、靴紐104とし、靴紐104を、羽根102,103の穴102A,103Aおよび連結具1の複数の穴12A,12Bに挿通することとしたので、靴紐104を介して連結具本体10と左右の羽根102,103とを連結することができる。
【0041】
また更に、靴紐104を、右側縁部10a1側の位置13Aにおける連結具1の複数の穴12Aと右側の羽根102の穴102Aとの間を前後方向に沿うように挿通するとともに、左側縁部10a2側の位置13Bにおける連結具1の複数の穴12Bと左側の羽根103の穴103Aとの間を前後方向に沿うように挿通することとしたので、靴紐104を左右の羽根102,103間に渡すように挿通することなく連結具本体10を左右の羽根102,103に連結することができる。これにより、靴100を履いたときに足の甲部への締め付けを緩和することができる。
【0042】
また、連結具本体10は、ネオプレン、クロロプレンゴム、天然ゴム、ポリエステル、ポリウレタン、レーヨン、およびウールのうち少なくともいずれかにより構成されることとしたので、連結具本体10の高い伸縮性を実現することができる。
【0043】
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態について
図6~
図14を参照して詳細に説明する。
図6は、本発明の第2実施形態に係る連結具の構成を示す図、
図7は、同連結具の構成を分解して示す図、
図8は、同連結具の被覆部材の連結具本体への固定方法を説明するための図、
図9は、同連結具を靴の左右の羽根間の表面側に連結した状態を示す平面図、
図10は、同連結具を靴の左右の羽根間の表面側に連結した状態を示す側面図、
図11は、被覆部材の側端側を捲った状態を示す平面図、
図12は、同連結具を靴の左右の羽根間の裏面側に連結した状態を示す平面図、
図13は、同連結具を靴の左右の羽根間の裏面側に連結した状態を示す側面図、
図14は、被覆部材のスリットが開放した状態を示す平面図である。以下の説明においては、連結具2を靴100に装着した状態においてつま先側を前方、踵側を後方、靴100を履いたユーザの右側を右方(側方)、左側を左方(側方)とし、各方向を図において明示するものとする。なお、本第2実施形態においては、上記した第1実施形態と同様の構成または同一の符号が付された構成については上記と同様であるとしてその説明を省略することがあるものとする。
【0044】
本発明の第2実施形態における連結具2においては、連結具本体10の表面10aを被覆する被覆部材30を固定部40を介して設けることとしている。被覆部材30は、シート状となっており、例えばビニールにより形成することができる。
【0045】
固定部40は、被覆部材30と連結具本体10とを糸により縫合することにより固定している。すなわち、被覆部材30は、連結具本体10の表面10aに対し糸により縫合されている部分については固定されており、糸により縫合されていない部分は非固定となっている。
【0046】
固定部40は、第1の固定部41および第2の固定部42を有している。第1の固定部41は、複数の穴12A,12Bが設けられる所定の位置13A,13Bの内側(複数の穴12A,12Bの内側)の両側において前後方向に線状に延びるように設けられている。被覆部材30は、第1の固定部41から外側が捲るようにして開放可能となっている。この開放により被覆部材30により被覆しつつも複数の穴12A,12Bを露出可能とすることができる。第2の固定部42は、連結具本体10の前端10C側において側方に線状に延びるように設けられている。
【0047】
被覆部材30は、前後方向に延びるスリット31が設けられている。スリット31は、両側に設けられた第1の固定部41間の中間位置に設けられている。また、被覆部材30は、切断可能とし、表面30a側が印刷可能となっている。被覆部材30の表面30a側には文字や図形、模様等を印刷することができる。
【0048】
このように構成された連結具2は、被覆部材30が設けられた連結具本体10を、靴100の甲部101の表面101A側または裏面101B側に装着することができる(連結具2を甲部101の裏面101B側に装着する場合には、靴の羽根102,103と舌革との間に連結具2を挟めるように装着する)。連結具2を甲部101の裏面101B側に装着することにより、足の甲と靴100の羽根102,103との間に被覆部材30とともに伸縮性のある連結具本体10が介在し、足の甲を保護することができる(連結具2を甲部101の裏面101B側に装着する場合には、連結具本体10の複数の穴12A,12Bと対応するように被覆部材30に複数の穴を設ける)。また、連結具本体10と羽根102,103との間に被覆部材30を介在させることができ、連結具本体10の表面10aを羽根102,103との摩擦から保護することができる。
【0049】
以上、本第2実施形態の連結具2によれば、連結具本体10の表面10Aを被覆する被覆部材30を固定部40を介して設けることとしたので、連結具本体10を保護することができる。
【0050】
また、固定部40は、第1の固定部41を有し、第1の固定部41は、複数の穴12A,12Bが設けられる所定の位置13A,13Bの内側の両側において前後方向に線状に延びるように設けられ、被覆部材30は、第1の固定部41から外側が捲るようにして開放可能とし、開放により複数の穴12A,12Bを露出可能とすることとしたので、複数の穴12A,12Bを被覆しながらも被覆部材30を捲って複数の穴12A,12Bを適宜露出させることができる。これにより、被覆部材30を捲りながら複数の穴12A,12Bに装着部材20を挿通することが可能となる等、被覆部材30が複数の穴12A,12Bへの装着部材20の挿通の障害となることを少なくすることができる。
【0051】
更に、固定部40は、第2の固定部42を有し、第2の固定部42は、連結具本体10の前端10C側において側方に線状に延びるように設けられることとしたので、連結具本体10への被覆部材30の固定を確実に行うことができる。
【0052】
更にまた、被覆部材30は、第1の固定部41間に前後方向に延びるスリット31が設けられることととしたので、連結具本体10の伸縮に対応してスリット31の間隔を変化させることが可能となる。これにより、被覆部材30が連結具本体10の伸縮の障害となることを少なくすることができる。
【0053】
また更に、被覆部材30は、印刷可能とすることとしたので、各種のデザインを施して意匠性を向上させることができる。
【0054】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されず特許請求の範囲を逸脱しない範囲内において種々の変形実施、応用実施が可能であることは勿論である。
例えば、上述した実施形態にあっては、連結具本体10は、前後方向の中間部10Aに左右方向に縊れる縊れ部11が設けられることとしているが、
図15に示すように、縊れ部11がない構成として、連結具本体10を略台形形状とすることとしてもよい。連結具本体10の形状は略台形形状以外の様々な形状を採用することができる。
【0055】
また、上述した実施形態にあっては、第1の固定部41は、複数の穴12A,12Bが設けられる所定の位置13A,13Bの内側の両側において前後方向に線状に延びるように設けられることとしているが、
図16に示すように、複数の穴12A,12Bの外側の両側において前後方向に線状に延びるように設けられることとしても所要の効果を奏することができる。この場合にあっては、
図17に示すように、被覆部材30は、第1の固定部41から内側が、被覆部材30を捲ることにより開放することができる。また、固定部40は、被覆部材30と連結具本体10とを糸により縫合することにより固定することとしているが、例えば、接着剤等、糸以外のもので被覆部材30と連結具本体10とを固定することとしてもよい。更に、固定部40は、線状に延びるように設けることとしているが、所定の幅をもって帯状に延びるように設けることとしてもよい。
【0056】
更に、上述した実施形態にあっては、装着部材20は、靴紐104とすることとしているが、
図18および
図19に示すように、装着部材20は、所定の係合部材50とし、係合部材50は、第1の係合部材51と第2の係合部材52を有し、羽根102,103と連結具1の所定の位置13A,13Bを挟むように係合し羽根102,103に連結具1を装着することとしてもよい。第1の係合部材51は、突出部51Aを有する雄型の係合部材51とし、第2の係合部材52は、穴52Aを有する雌型の係合部材52とすることができる。すなわち、雌型の係合部材52の穴52Aに雄型の係合部材51の突出部51Aを挿入して所定に係止し係合することができる。
【0057】
第1の係合部材51は、頭部51Bと突出部51Aを有している。頭部51Bは、平面視が円形で裏面51B´側の中央に突出部51Aが設けられている。突出部51Aは所定の長さを有している。突出部51Aの一の面側には鋸歯状の凸部51Dが設けられている。凸部51Dは、三角形状で傾斜面51D´と直交面51D´´を有している。傾斜面51D´は、突出部51Aの長手方向に対して傾斜する面であり、頭部51Bの裏面51B´から望む内角を鋭角としている。直交面51D´´は、長手方向に対し直交する面である。
【0058】
第2の係合部材52は、頭部52Bと突出部52Cを有している。頭部52Bは、平面視が円形で裏面52B´側の中央に突出部52Cが設けられている。突出部52Cには穴52Aが設けられており、穴52Aには係止爪52Dが設けられている。
【0059】
つまり、第1の係合部材51の突出部51Aを第2の係合部材52の穴52Aに挿入するときは、傾斜面51D´が作用して穴52Aに案内されるように挿入される。一方、第1の係合部材51の突出部51Aを穴52Aから抜くときは、直交面51D´´が係止爪52Dに係止されて突出部51Aが穴52Aから抜け出ることを防止することができる。つまり、第1の係合部材51と第2の係合部材52は、結束バンドの如く係合する。
【0060】
このような係合部材50の第1の係合部材51の突出部51Aを連結具1の穴12A,12Bおよび羽根102,103の穴102A,103Aのいずれも貫通するように挿入する。そして、貫通した突出部51Aを更に第2の係合部材52の穴52Aに挿入する。これにより、連結具1と羽根102,103とを第1の係合部材51の頭部51Bと第2の係合部材52Bの頭部52Bによって挟むように固定することができる。
【0061】
また、装着部材20は、
図20および
図21に示す所定の係合部材60により、羽根102,103に連結具1を装着することとしてもよい。
【0062】
すなわち、係合部材60は、第1の係合部材61と第2の係合部材62を有し、羽根102,103と連結具1の所定の位置13A,13Bを挟むように係合し羽根102,103に連結具1を装着することができる。第1の係合部材61は、突出部61Aを有する雄型の係合部材61とし、第2の係合部材62は、穴62Aを有する雌型の係合部材62とすることができる。すなわち、雌型の係合部材62の穴62Aに雄型の係合部材61の突出部61Aを挿入して所定に係止し係合することができる。
【0063】
図20に示すように、第1の係合部材61は、頭部61Bと突出部61Aを有している。頭部61Bは、平面視が円形で裏面61B´側の中央に突出部61Aが設けられている。突出部61Aの表面側は雄ネジとなっている。
【0064】
第2の係合部材62は、頭部62Bと突出部62Cを有している。頭部62Bは、平面視が円形で裏面62B´側の中央に突出部62Cが設けられている。突出部62Cは、第1の係合部材61の突出部61と略同じ長さとなっている。突出部62Cには穴62Aが設けられており、穴62Aの内面側は雌ネジとなっている。つまり、第1の係合部材61の突出部61Aを第2の係合部材62の穴62Aに螺合するように挿入し係合することができる。
【0065】
このような係合部材60の第1の係合部材61の突出部61Aを連結具1の穴12A,13Aおよび羽根102,103の穴102A,103Aのいずれも貫通するように挿入する。そして、貫通した突出部61Aを更に第2の係合部材62の穴62Aに挿入する。これにより、連結具1と羽根102,103とを第1の係合部材61の頭部61Bと第2の係合部材62の頭部62Bによって挟むように固定することができる。
【0066】
更に、上述した実施形態にあっては、装着部材20は、靴紐104とすることとしているが、
図22に示す紐80とすることとしてもよい。すなわち、紐80は、
図22に示すように、紐状部81と、紐状部81の一端81A側に抜け止め部82が設けられている。抜け止め部82は、例えば半球状となっており連結具1の穴12A,13Aおよび羽根102,103の穴102A,103Aの穴径よりも大きい寸法となっている。
【0067】
すなわち、紐80は、上述した靴紐104と同様に、右側の位置13Aにおける複数の穴12Aと右側の羽根102との間を前後方向に沿うように挿通するとともに、左側の位置13Bにおける複数の穴13Aと左側の羽根103との間を前後方向に沿うように挿通し、連結具1を羽根102,103に装着する。
図21の紐80においては、抜け止め部82が作用して、紐80が穴12A,13A,102A,103Aを貫通することを防止することができる。
【0068】
装着部材20は、上記の構成の他に、例えば、面ファスナー、チャックファスナー、スナップ釦等各種の装着部材20を採用することができる。
【0069】
更に、上述した実施形態にあっては、連結具本体10は、ネオプレン、クロロプレンゴム、天然ゴム、ポリエステル、ポリウレタン、レーヨン、およびウールのうち少なくともいずれかにより構成することとしているが、伸縮性を有するものであれば、他の材料により構成することとしても所要の効果を奏する。
【0070】
ただし、連結具本体10は、ネオプレン、クロロプレンゴム、天然ゴム、ポリエステル、ポリウレタン、レーヨン、およびウールのうち少なくともいずれかにより構成することとした方が、伸縮性に優れより好ましい実施形態となる。
【符号の説明】
【0071】
W:幅寸法
1,2:連結具
10:連結具本体
10´:周縁部
10a:表面
10a1:右側縁部
10a2:左側縁部
10A:中間部
10B:後端
10C:前端
10D:位置
11:縊れ部
12A,12B:穴
13A,13B:位置
20:装着部材
30:被覆部材
30a:表面
31:スリット
40:固定部
41:第1の固定部
42:第2の固定部
50:係合部材
51:第1の係合部材
51A:突出部
51B:頭部
51B´:裏面
51D:凸部
51D´:傾斜面
51D´´:直交面
52:第2の係合部材
52A:穴
52B:頭部
52B´:裏面
52C:突出部
52D:係止爪
60:係合部材
61:第1の係合部材
61A:突出部
61B:頭部
61B´:裏面
62:第2の係合部材
62A:穴
62B:頭部
62B´:裏面
62C:突出部
80:紐
81:紐状部
81A:一端
82:抜け止め部
100:靴
101:甲部
101A:表面
101B:裏面
102:羽根(右側の羽根)
102A:穴
103:羽根(左側の羽根)
103A:穴
104:靴紐
110:本体