(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024022415
(43)【公開日】2024-02-16
(54)【発明の名称】折り畳み式イヤーセット及びハウリング防止回路を備えたモバイル補聴器
(51)【国際特許分類】
H04R 25/00 20060101AFI20240208BHJP
【FI】
H04R25/00 R
H04R25/00 Q
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022149318
(22)【出願日】2022-09-20
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-01-29
(31)【優先権主張番号】10-2022-0096586
(32)【優先日】2022-08-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】522371961
【氏名又は名称】チョ、ソン ジェ
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】チョ、ソン ジェ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】帽子やサンバイザーに取り付けて使用できる、折り畳み式イヤーセットを備えたモバイル補聴器を提供する。
【解決手段】モバイル補聴器は、移動通信端末100のマイクロホンに入力された音波を帯域別に増幅して、近距離通信チャンネルでデータとして送信し、これを受信して、イヤーセット300Lを介してアナログ信号として提供する。それぞれのイヤーセットが耳を覆う対向面に人体赤外線を感知するセンサSLが備えられ、それぞれのイヤーセットが耳を覆うとき、補聴器音を提供し、それぞれのイヤーセットが耳を開放するとき、補聴器音をミューティングすることにより、開放されたイヤーセットから発生するハウリングを防止する回路を備える。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動通信端末(100)のマイクロホンに入力された音波を、使用者の難聴帯域別に補償増幅して、近距離通信チャンネルで提供する折り畳み式イヤーセット及びハウリング防止回路を備えたモバイル補聴器において、
帽子(200)に取り付けられた折り畳み式イヤーセット及びハウリング防止回路を備えたモバイル補聴器として、
帽子(200)の内周縁には、プラスチックや金属で構成される支持部材(210)を配置し、
前記支持部材(210)の一側には、左チャンネルイヤーセット(300L)と、
前記左チャンネルイヤーセット(300L)に固定され、上下方向に回動する左ヒンジ部(310L)と、
前記左ヒンジ部(310L)を支持部材(210)に固定させる左ヒンジ固定部(320L)と、
前記左チャンネルイヤーセット(300L)が耳を覆う対向面に配置される、人体赤外線を感知する左チャンネル人体赤外線センサ(SL)と、で構成されたことを特徴とする折り畳み式イヤーセット及びハウリング防止回路を備えたモバイル補聴器。
【請求項2】
前記支持部材(210)の他側には、
右チャンネルイヤーセット(300R)と、
前記右チャンネルイヤーセット(300R)に固定され、上下方向に回動する右ヒンジ部(310R)と、
前記右ヒンジ部(310R)を支持部材(210)に固定させる右ヒンジ固定部320Rと、
前記右チャンネルイヤーセット(300R)が耳を覆う対向面に配置される、人体赤外線を感知する右チャンネル人体赤外線センサ(SR)と、で構成されたことを特徴とする請求項1に記載の折り畳み式イヤーセット及びハウリング防止回路を備えたモバイル補聴器。
【請求項3】
前記支持部材(210)の前面中央には、
補聴器プロセッサ(400)が、帽子(200)の内部または外部に固定配置され、
前記補聴器プロセッサ(400)には、電源スイッチ(404)が構成され、
前記左チャンネルイヤーセット(300L)と右チャンネルイヤーセット(300R)は、補聴器プロセッサ(400)と有線で連結されて構成されたことを特徴とする、請求項1に記載の折り畳み式イヤーセット及びハウリング防止回路を備えたモバイル補聴器。
【請求項4】
前記補聴器プロセッサ(400)には、
補聴器音を提供する右チャンネルイヤーセットユニット(302R)、
右チャンネルイヤーセットカバー(304R)、
右チャンネル人体赤外線センサSRで構成される右チャンネルイヤーセット(300R)と、
補聴器音を提供する左チャンネルイヤーセットユニット(302L)、
左チャンネルイヤーセットカバー(304L)、
左チャンネル人体赤外線センサ(SL)で構成される左チャンネルイヤーセット(300L)と、が有線で接続されて構成されたことを特徴とする、請求項3に記載の折り畳み式イヤーセット及びハウリング防止回路を備えたモバイル補聴器。
【請求項5】
前記補聴器プロセッサ(400)は、
充電及び電源部(402)と、
前記充電及び電源部402から補聴器プロセッサ400に電源を供給するか遮断する電源スイッチ(404)と、
移動通信端末(100)とペアリングされ、移動通信端末(100)のマイクロホンに入力された音波を帯域別に増幅して、ブルートゥース(登録商標)のような近距離通信チャンネルでデータとして送信され、受信するBTコントローラー(406)と、
前記BTコントローラー(406)から受信されたオーディオストリームデータを抽出するオーディオストリーム抽出部(408)と、
前記オーディオストリーム抽出部(408)から供給されるオーディオストリームデータから左チャンネルと右チャンネルのデータを分離して、左チャンネルと右チャンネルのオーディオ信号に変換するL/R分離D/A変換部(410)と、で構成されたことを特徴とする、請求項4に記載の折り畳み式イヤーセット及びハウリング防止回路を備えたモバイル補聴器。
【請求項6】
前記L/R分離D/A変換部(410)から出力される右チャンネルオーディオ信号は、
前記右チャンネル人体赤外線センサ(SR)の出力で人体赤外線を感知するR人体赤外線感知部(416R)、
前記R人体赤外線感知部(416R)から人体赤外線が感知されると、作動するRミューティング部(414R)、
前記Rミューティング部(414R)から人体赤外線感知出力があった場合、ミューティングされるRイヤーピース増幅部(412R)に接続され、
前記Rイヤーピース増幅部(412R)の出力は、右チャンネルイヤーセットユニット(302R)に接続されて、補聴器音が提供されるかミューティングされるように構成されたことを特徴とする、請求項5に記載の折り畳み式イヤーセット及びハウリング防止回路を備えたモバイル補聴器。
【請求項7】
前記L/R分離D/A変換部(410)から出力される左チャンネルオーディオ信号は、
前記左チャンネル人体赤外線センサ(SL)の出力で人体赤外線を感知するL人体赤外線感知部(416L)、
前記L人体赤外線感知部(416L)から人体赤外線が感知されると、作動するLミューティング部(414L)、
前記Lミューティング部(414L)から人体赤外線感知出力があった場合、ミューティングされるLイヤーピース増幅部(412L)に接続され、
前記Lイヤーピース増幅部(412L)の出力は、左チャンネルイヤーセットユニット(302L)に接続されて、補聴器音が提供されるかミューティングされるように構成されたことを特徴とする、請求項5に記載の折り畳み式イヤーセット及びハウリング防止回路を備えたモバイル補聴器。
【請求項8】
Rイヤーピース増幅部(412R)は、L/R分離D/A変換部(410)の右チャンネルの信号を提供され、R2/R1の増幅度を有する非反転増幅器A1と、前記A1の出力を入力として、-R4/R3の増幅度を有する反転増幅器A2との2つの増幅器であって、右チャンネルイヤーセットユニット(302R)が差動で駆動され、
A1の反転入力とA2の非反転入力は、VccとGNDの中点電位Vcc/2で提供され、Rミューティング部(414R)のRbとバイアス回路によってオフセットやドリフトの影響を最小化し、
比較器Saの出力が「0」(GND)となると、A1の反転入力とA2の非反転入力の中点電位を「0」に制御し、これに基づき、A1とA2の出力は、GNDとなるので、L/R分離D/A変換部(410)から提供される右チャンネルの信号がミューティングされるように構成されたことを特徴とする、請求項6に記載の折り畳み式イヤーセット及びハウリング防止回路を備えたモバイル補聴器。
【請求項9】
前記比較記Saの非反転入力は、Vcc-GND間のRrに分圧された電圧が印加され、反転入力は、抵抗Rsと右チャンネル人体赤外線センサ(SR)の直列連結によって、人体赤外線が感知されると、Saの出力は、GNDとなり、右チャンネルイヤーセットユニット(302R)に供給される信号がミューティングされるように構成されたことを特徴とする、請求項8に記載の折り畳み式イヤーセット及びハウリング防止回路を備えたモバイル補聴器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モバイル補聴器に係り、イヤーセットを折り畳み式で構成して、使用者の便宜性を提供するだけでなく、イヤーセットから発生するハウリングを防止する回路を備え、帽子やサンバイザーに取り付けて使用できる、折り畳み式イヤーセット及びハウリング防止回路を備えたモバイル補聴器を、その技術分野とする。
【背景技術】
【0002】
本発明の背景技術として、
図1に示す特許文献1によるマイクロホンが備えられた帽子型補聴器の技術がある。この技術は、本発明と同一の出願人及び発明者による先行技術であって、通常の帽子の外部にイヤホンを取り付け、マイクロホンが内蔵または外装され、前記帽子の内部にバッテリーを含むことにより、着心地を高めるとともに、便利であり、費用が節減される補聴器を特徴とするものである。
【0003】
本発明の他の背景技術として、
図2に示す特許文献2による携帯用電子装置に結合された補聴器の技術がある。この技術は、補聴器を構成する装置を主補聴装置及び補助補聴装置に分離し、主補聴装置を携帯用電子装置のケースに取り付け、データ送信用の有線ケーブルを介して主補聴装置を携帯用電子装置と連結させ、補助補聴装置は、使用者の耳に位置させることにより、使用の便利性を増大させた、携帯用電子装置に結合された補聴器を特徴とするものである。
【0004】
本発明のまた他の背景技術として、
図3に示す特許文献3によるスマート補聴器の技術がある。この技術は、通信網を介して、外部のスマート機器と接続し、スマート機器音響信号を受信する通信部と、周辺の音響を入力され、周辺音響信号を出力するマイク部と、使用者の耳に挿入されるか、近くに配置され、前記スマート機器音響信号及び周辺音響信号を出力して使用者に提供するスピーカー部と、使用者が周辺状況を認知するための特定の音響信号が保存されたメモリと、前記スピーカー部から、スマート機器音響信号を出力させるエンターテイメントモードと、前記周辺音響信号を出力させる補聴モードとに分けて動作するように制御するが、前記エンターテイメントモードで動作するうちに、前記マイク部から入力される周辺音響信号の波形変化をリアルタイムで分析し、前記特定の音響信号の波形と一致する区間があると判断されると、自動に前記補聴モードに切り替えるか、前記スマート機器音響信号のボリュームを減少または消去させるか、前記周辺音響信号のボリュームが増加するように制御する制御モジュールと、を含むスマート補聴器を特徴とするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】大韓民国登録実用新案第20-0302614号公報
【特許文献2】大韓民国登録特許第10-1648840号公報
【特許文献3】大韓民国登録特許第10-1585793号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、イヤーセットを折り畳み式で構成して、使用者の便宜性を提供するだけでなく、それぞれのイヤーセットが耳を覆う対向面に人体赤外線を感知するセンサが備えられ、それぞれのイヤーセットが耳を覆うとき、補聴器音を提供し、それぞれのイヤーセットが耳を開放するとき、補聴器音をミューティングすることにより、開放されたイヤーセットから発生するハウリングを防止する回路を備え、帽子やサンバイザーに取り付けて使用できる、折り畳み式イヤーセット及びハウリング防止回路を備えたモバイル補聴器を提供することを、解決しようとする課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、帽子に取り付けられた折り畳み式イヤーセット及びハウリング防止回路を備えたモバイル補聴器であって、帽子の内周縁には、プラスチックや金属で構成される支持部材を配置し、前記それぞれのイヤーセットが耳を覆う対向面に人体赤外線を感知するセンサが備えられ、それぞれのイヤーセットが耳を覆うとき、補聴器音を提供し、それぞれのイヤーセットが耳を開放するとき、補聴器音をミューティングすることにより、開放されたイヤーセットから発生するハウリングを防止する、折り畳み式イヤーセット及びハウリング防止回路を備えたモバイル補聴器を課題の解決手段として提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の折り畳み式イヤーセット及びハウリング防止回路を備えたモバイル補聴器によれば、モバイル補聴器について、イヤーセットを折り畳み式で構成して使用者の便宜性を提供するだけでなく、それぞれのイヤーセットが耳を覆う対向面に人体赤外線を感知するセンサが備えられ、それぞれのイヤーセットが耳を覆うとき、補聴器音を提供し、それぞれのイヤーセットが耳を開放するとき、補聴器音をミューティングすることにより、開放されたイヤーセットから発生するハウリングを防止する回路を備え、帽子やサンバイザーに取り付けて使用できるようにする技術的効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の背景技術として、マイクロホンが備えられた帽子型補聴器の構成を示す図である。
【
図2】本発明の他の背景技術として、携帯用電子装置に結合された補聴器の構成を示す図である。
【
図3】本発明のまた他の背景技術として、スマート補聴器の構成を示す図である。
【
図4】本発明によるモバイル補聴器及び折り畳み式イヤーセットの基本構成を示す図である。
【
図5】本発明によるモバイル補聴器及び折り畳み式イヤーセットの作用関係を示す図である。
【
図6】本発明によるモバイル補聴器及び折り畳み式イヤーセットのハウリングメカニズムを示す図である。
【
図7】本発明による折り畳み式イヤーセット及びハウリング防止回路を備えたモバイル補聴器の取付構成を示す図である。
【
図8】本発明による折り畳み式イヤーセット及びハウリング防止回路を備えたモバイル補聴器の実装構成を示す図である。
【
図9】本発明による補聴器プロセッサ400の構成を示す図である。
【
図10】本発明による補聴器プロセッサ400の回路構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下の内容は、単に本発明の原理を例示する。これにより、当業者は、仮にこの明細書に明確に説明されるか、図示されていなくても、本発明の原理を具現し、本発明の概念と範囲に含まれた様々な装置及び駆動方法を発明することができる。
【0011】
この明細書に並べられた全ての条件付き用語及び実施形態は、原則として、本発明の概念を理解させるための目的でのみ用いられ、このように特に並べられた実施形態及び状態に制限されるものと理解されてはならない。また、本発明の原理、観点、及び実施形態だけでなく、特定の実施形態を並べる全ての詳細な説明は、このような事項の構造的及び機能的な均等物を含むように意図されるものと理解されなければならない。
【0012】
上述した目的、特徴、及び長所は、添付された図面と関連した下記の詳細な説明によってさらに明らかになるであろう。本発明を説明するにあたって、関連した公知技術についての具体的な説明が本発明の要旨を曖昧にすることがあると判断される場合には、その詳細な説明は省略する。以下、添付された図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳述する。
【0013】
図4は、本発明によるモバイル補聴器及び折り畳み式イヤーセットの基本構成を簡略に示す図である。本発明によるモバイル補聴器は、移動通信端末100のマイクロホンに入力された音波を帯域別に増幅して、ブルートゥース(登録商標)のような近距離通信チャンネルでデータとして送信し、これを受信して、イヤーセット300Lを介してアナログ信号として提供することを基本にする。このとき、前記イヤーセット300L(左側のみを図示する)は、ヒンジ結合を介して、耳を覆うか耳を開放するように折り畳み式で構成され、このような本発明の折り畳み式イヤーセットを備えたモバイル補聴器は、帽子200やサンバイザーまたはヘアバンドで構成されてもよい。以下、本発明による折り畳み式イヤーセット及びハウリング防止回路を備えたモバイル補聴器を、帽子200に備える実施形態として説明する。
【0014】
図5は、本発明によるモバイル補聴器及び折り畳み式イヤーセットの作用関係を示す図である。本発明によるモバイル補聴器は、移動通信端末100のマイクロホンに入力された音波を、使用者の難聴帯域別に補償増幅して、ブルートゥース(登録商標)のような近距離通信チャンネルで、オーディオストリーム(audio stream)データとして送信する。移動通信端末100からオーディオストリームの形態でデータを受信する補聴器プロセッサ400は、これをアナログ信号に変換して、イヤーセット300Lを介して、使用者の聴覚として提供する。このような本発明によるモバイル補聴器は、移動通信端末100と別個でイヤーセット300L(左側のみを図示)、補聴器プロセッサ400を帽子200やサンバイザーまたはヘアバンドに構成する。したがって、使用者は、補聴器の着用及び使用が簡便であるだけでなく、中耳、内耳等の耳道(ear cannel)にレシーバーのような装置を接触することなく、補聴器の機能を提供される特徴がある。
【0015】
図6は、本発明によるモバイル補聴器及び折り畳み式イヤーセットのハウリングメカニズムを示す図である。本発明のモバイル補聴器は、マイクロホンに入力された音波を、使用者の難聴帯域別に補償増幅して、オーディオストリームデータとして送信し、データを受信する補聴器プロセッサ400は、それをアナログ信号に変換して、イヤーセット300Lを介して、使用者の聴覚として提供する。このとき、前記イヤーセット300L(左側のみを図示)が開放される場合、補聴器プロセッサ400から使用者の聴覚として提供される補聴器音が外部音波とともにマイクロホンに入力され、繰り返して再生されることにより、ハウリング(howling)が発生する。これを防止するために、移動通信端末100や補聴器プロセッサ400の電源を遮断することが工夫されてもよいが、イヤーセット300L(左側のみを図示)が耳を覆うか、耳を開放する度に、移動通信端末100や補聴器プロセッサ400の電源を遮断するか連結する操作が極めて不便であるだけでなく、電話通話のために、一方のイヤーセットは、耳を覆い、他方のイヤーセットは、耳を開放する場合、さらに困難になる。本発明は、上述した折り畳み式イヤーセットとともにハウリング防止回路を提供する。
【0016】
図7は、本発明による折り畳み式イヤーセット及びハウリング防止回路を備えたモバイル補聴器の取付構成を示す図である。本発明による折り畳み式イヤーセット及びハウリング防止回路を備えたモバイル補聴器は、帽子やサンバイザーに取り付けて使用でき、図示の例は、帽子200に取り付けられた構成である。
【0017】
帽子200の内周縁には、プラスチックや金属で構成される支持部材210を配置し、前記支持部材210の一側には、左チャンネルイヤーセット300Lと、前記左チャンネルイヤーセット300Lに固定され、上下方向に回動する左ヒンジ部310Lと、前記左ヒンジ部310Lを支持部材210に固定させる左ヒンジ固定部320Lと、を備える。
【0018】
前記左チャンネルイヤーセット300Lが耳を覆う対向面には、人体赤外線を感知する左チャンネル人体赤外線センサSLが配置される。
【0019】
前記支持部材210の他側には、右チャンネルイヤーセット300Rと、前記右チャンネルイヤーセット300Rに固定され、上下方向に回動する右ヒンジ部310Rと、前記右ヒンジ部310Rを支持部材210に固定させる右ヒンジ固定部320Rと、を備える。
【0020】
前記右チャンネルイヤーセット300Rが耳を覆う対向面には、人体赤外線を感知する右チャンネル人体赤外線センサSRが配置される。
【0021】
前記支持部材210の前面中央には、補聴器プロセッサ400が、帽子200の内部または外部に固定配置され、前記補聴器プロセッサ400には、電源スイッチ404が備えられる。
【0022】
前記左チャンネルイヤーセット300Lと右チャンネルイヤーセット300Rは、補聴器プロセッサ400と有線で連結される。
【0023】
図8は、本発明による折り畳み式イヤーセット及びハウリング防止回路を備えたモバイル補聴器の実装構成を示す図である。
【0024】
前記支持部材210の一側には、左チャンネルイヤーセット300Lと、前記左チャンネルイヤーセット300Lに固定され、上下方向に回動する左ヒンジ部310Lとが支持部材210に固定され、前記左チャンネルイヤーセット300Lが耳を覆う対向面には、人体赤外線を感知する左チャンネル人体赤外線センサSLが配置される。
【0025】
前記支持部材210の他側には、右チャンネルイヤーセット300Rと、前記右チャンネルイヤーセット300Rに固定され、上下方向に回動する右ヒンジ部310Rとが支持部材210に固定され、前記右チャンネルイヤーセット300Rが耳を覆う対向面には、人体赤外線を感知する右チャンネル人体赤外線センサSRが配置される。
【0026】
前記支持部材210の前面中央には、補聴器プロセッサ400が、帽子200の内部または外部に固定配置され、前記補聴器プロセッサ400には、電源スイッチ404が備えられる。前記左チャンネルイヤーセット300Lと右チャンネルイヤーセット300Rは、補聴器プロセッサ400と有線で連結される。
【0027】
図9は、本発明による折り畳み式イヤーセット及びハウリング防止回路を備えたモバイル補聴器の補聴器プロセッサ400の構成を示す図である。
【0028】
本発明の補聴器プロセッサ400には、補聴器音を提供する右チャンネルイヤーセットユニット302R、右チャンネルイヤーセットカバー304R、及び右チャンネル人体赤外線センサSRで構成される右チャンネルイヤーセット300Rと、補聴器音を提供する左チャンネルイヤーセットユニット302L、左チャンネルイヤーセットカバー304L、及び左チャンネル人体赤外線センサSLで構成される左チャンネルイヤーセット300Lと、が有線で接続される。
【0029】
前記補聴器プロセッサ400は、充電及び電源部402と、前記充電及び電源部402から補聴器プロセッサ400に電源を供給するか遮断する電源スイッチ404と、移動通信端末100とペアリングされ、移動通信端末100のマイクロホンに入力された音波を帯域別に増幅して、ブルートゥース(登録商標)のような近距離通信チャンネルでデータとして送信され、受信するBTコントローラー406と、前記BTコントローラー406から受信されたオーディオストリームデータを抽出するオーディオストリーム抽出部408と、前記オーディオストリーム抽出部408から供給されるオーディオストリームデータから左チャンネルと右チャンネルのデータを分離して、左チャンネルと右チャンネルのオーディオ信号に変換するL/R分離D/A変換部410と、を備える。
【0030】
前記L/R分離D/A変換部410から出力される右チャンネルオーディオ信号は、前記右チャンネル人体赤外線センサSRの出力で人体赤外線を感知するR人体赤外線感知部416R、前記R人体赤外線感知部416Rから人体赤外線が感知されると、作動するRミューティング部414R、及び前記Rミューティング部414Rから人体赤外線感知の出力があった場合、ミューティングされるRイヤーピース増幅部412Rに接続され、前記Rイヤーピース増幅部412Rの出力は、右チャンネルイヤーセットユニット302Rに接続されて、補聴器音が提供されるかミューティングされる。
【0031】
前記L/R分離D/A変換部410から出力される左チャンネルオーディオ信号は、前記左チャンネル人体赤外線センサSLの出力で人体赤外線を感知するL人体赤外線感知部416L、前記L人体赤外線感知部416Lから人体赤外線が感知されると、作動するLミューティング部414L、及び前記Lミューティング部414Lから人体赤外線感知の出力があった場合、ミューティングされるLイヤーピース増幅部412Lに接続され、前記Lイヤーピース増幅部412Lの出力は、左チャンネルイヤーセットユニット302Lに接続されて、補聴器音が提供されるかミューティングされる。
【0032】
したがって、前記それぞれのイヤーセットが耳を覆う対向面に人体赤外線を感知するセンサが備えられ、それぞれのイヤーセットが耳を覆うとき、補聴器音を提供し、それぞれのイヤーセットが耳を開放するとき、補聴器音をミューティングすることにより、開放されたイヤーセットから発生するハウリングを防止することができる。
【0033】
図10は、本発明による折り畳み式イヤーセット及びハウリング防止回路を備えたモバイル補聴器の補聴器プロセッサ400の回路構成の一例を示す図である。
【0034】
補聴器プロセッサ400には、移動通信端末100とペアリングされ、移動通信端末100のマイクロホンに入力された音波を帯域別に増幅して、ブルートゥース(登録商標)のような近距離通信チャンネルでデータとして送信され、受信するBTコントローラー406と、前記BTコントローラー406から受信されたオーディオストリームデータを抽出するオーディオストリーム抽出部408と、前記オーディオストリーム抽出部408から供給されるオーディオストリームデータから左チャンネルと右チャンネルのデータを分離して、左チャンネルと右チャンネルのオーディオ信号に変換するL/R分離D/A変換部410と、を備える。
【0035】
本発明による折り畳み式イヤーセット及びハウリング防止回路を備えたモバイル補聴器の補聴器プロセッサ400の回路構成は、右チャンネル及び左チャンネルの回路が同一であるので、以下、右チャンネルのみについて説明する。
【0036】
本発明による補聴器プロセッサ400の回路において、Rイヤーピース増幅部412Rは、L/R分離D/A変換部410の右チャンネルの信号を提供され、R2/R1の増幅度を有する非反転増幅器A1と、前記A1の出力を入力として、-R4/R3の増幅度を有する反転増幅器A2との2つの増幅器であって、右チャンネルイヤーセットユニット302Rが差動で駆動される。このとき、A1の反転入力とA2の非反転入力は、VccとGNDの中点電位Vcc/2で提供され、Rミューティング部414RのRbとバイアス回路によってオフセットやドリフトの影響を最小化する。このとき、Rミューティング部414RのRbとバイアス回路は、A1とA2のバイアスを提供するだけでなく、前記バイアスを「0」電位、すなわち、GNDとして、A1の反転入力とA2の非反転入力の中点電位を制御する。前記Rミューティング部414Rのバイアス回路は、比較器Saの出力が「0」(GND)となると、A1の反転入力とA2の非反転入力の中点電位を「0」に制御し、これに基づき、A1とA2の出力は、GNDとなるので、L/R分離D/A変換部410から提供される右チャンネルの信号は、ミューティングされる。前記比較記Saの非反転入力は、Vcc-GND間のRrに分圧された電圧が印加され、反転入力は、抵抗Rsと右チャンネル人体赤外線センサSRの直列連結によって、人体赤外線が感知されると、Saの出力は、GNDとなり、右チャンネルイヤーセットユニット302Rに供給される信号は、ミューティングされる。
【0037】
したがって、本発明の折り畳み式イヤーセット及びハウリング防止回路を備えたモバイル補聴器は、それぞれのイヤーセットが耳を覆う対向面に人体赤外線を感知するセンサが備えられ、それぞれのイヤーセットが耳を覆うとき、補聴器音を提供し、それぞれのイヤーセットが耳を開放するとき、補聴器音をミューティングすることにより、開放されたイヤーセットから発生するハウリングを防止することができる。
【0038】
以上のように説明された本発明による折り畳み式イヤーセット及びハウリング防止回路を備えたモバイル補聴器は、仮に限定された実施形態と図面によって説明されているが、本発明は、これに限定されず、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者によって、本発明の技術的思想及び下記の特許請求の範囲の均等範囲内において様々な修正及び変形が可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0039】
100 移動通信端末
200 帽子
300L 左チャンネルイヤーセット
300R 右チャンネルイヤーセット
400 補聴器プロセッサ
【手続補正書】
【提出日】2023-12-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動通信端末(100)のマイクロホンに入力された音波を、使用者の難聴帯域別に補償増幅して、近距離通信チャンネルで提供する折り畳み式イヤーセット及びハウリング防止回路を備えたモバイル補聴器において、
帽子(200)に取り付けられた折り畳み式イヤーセット及びハウリング防止回路を備えたモバイル補聴器として、
帽子(200)の内周縁には、プラスチックや金属で構成される支持部材(210)を配置し、
前記支持部材(210)の一側には、左チャンネルイヤーセット(300L)と、
前記左チャンネルイヤーセット(300L)に固定され、上下方向に回動する左ヒンジ部(310L)と、
前記左ヒンジ部(310L)を支持部材(210)に固定させる左ヒンジ固定部(320L)と、
前記左チャンネルイヤーセット(300L)が耳を覆う対向面に配置される、人体赤外線を感知する左チャンネル人体赤外線センサ(SL)と、を備え、
前記支持部材(210)の他側には、
右チャンネルイヤーセット(300R)と、
前記右チャンネルイヤーセット(300R)に固定され、上下方向に回動する右ヒンジ部(310R)と、
前記右ヒンジ部(310R)を支持部材(210)に固定させる右ヒンジ固定部320Rと、
前記右チャンネルイヤーセット(300R)が耳を覆う対向面に配置される、人体赤外線を感知する右チャンネル人体赤外線センサ(SR)と、で構成され、
前記支持部材(210)の前面中央には、
補聴器プロセッサ(400)が、帽子(200)の内部または外部に固定配置され、
前記補聴器プロセッサ400の右チャネルと左チャネルの回路が同一に構成され、
Rイヤーピース増幅部(412R)は、L/R分離D/A変換部(410)の右チャンネルの信号を提供され、R2/R1の増幅度を有する非反転増幅器A1と、前記A1の出力を入力として、-R4/R3の増幅度を有する反転増幅器A2との2つの増幅器であって、右チャンネルイヤーセットユニット(302R)が差動で駆動され、
A1の反転入力とA2の非反転入力は、VccとGNDの中点電位Vcc/2で提供され、Rミューティング部(414R)のRbとバイアス回路によってオフセットやドリフトの影響を最小化し、
比較器Saの出力が「0」(GND)となると、A1の反転入力とA2の非反転入力の中点電位を「0」に制御し、これに基づき、A1とA2の出力は、GNDとなるので、L/R分離D/A変換部(410)から提供される右チャンネルの信号がミューティングされるように構成され、
前記比較器Saの非反転入力は、Vcc-GND間のRrに分圧された電圧が印加され、反転入力は、抵抗Rsと右チャンネル人体赤外線センサ(SR)の直列連結によって、人体赤外線が感知されると、Saの出力は、GNDとなり、右チャンネルイヤーセットユニット(302R)に供給される信号がミューティングされるように構成された
ことを特徴とする折り畳み式イヤーセット及びハウリング防止回路を備えたモバイル補聴器。