(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024022418
(43)【公開日】2024-02-16
(54)【発明の名称】商品レビュー情報収集システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0203 20230101AFI20240208BHJP
【FI】
G06Q30/02 312
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2022173790
(22)【出願日】2022-10-13
(31)【優先権主張番号】P 2022132820
(32)【優先日】2022-08-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
(71)【出願人】
【識別番号】521538756
【氏名又は名称】株式会社JAN8
(74)【代理人】
【識別番号】230131174
【弁護士】
【氏名又は名称】石田 拡時
(72)【発明者】
【氏名】六角 洋
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB02
(57)【要約】
【課題】従前、アパレル企業などの製造・小売を業とする企業において店舗販売員を通じて自社商品に対する顧客の反応・評価に関する情報(以下「顧客評価情報」という。)を取得するための方法としては、店舗販売員が接客の都度、手書きメモを残す等のアナログな手段に頼っていた。
しかし、こうした方法では、顧客評価情報の内容について販売員ごとにばらつきが生じ、整理された情報として顧客評価情報を有効活用できないという問題があった。
【解決手段】こうした課題を解決するため、各商品のタグに記載された
バーコード又はQRコードの情報を利用し、ネットワーク通信を介して、迅速かつ容易に、実店舗の販売員を通じて、各販売員が接客する中で把握した顧客評価情報を取得できるシステムを提供する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アプリケーション・ソフトウェア・プログラムを送信するサーバと、前記アプリケーション・ソフトウェア・プログラムを利用する電子端末とからなるネットワーク通信を利用した情報収集及び情報管理システムであって、
各店舗の販売員が商品のタグに記載されたバーコード又はQRコードを前記電子端末で読み取ることによってネットワーク通信を介して前記アプリケーション・ソフトウェア・プログラム上の商品ページ画面にアクセスすることと、
前記商品ページ画面に前記アプリケーション・ソフトウェア・プログラムとネットワーク連携するECサイト上の商品写真及び商品情報がネットワーク通信を介して表示されることと、
各店舗の販売員が前記商品ページ画面に表示された商品に係る顧客の評価・反応に関する複数の入力項目に情報を入力することと、
前記入力された情報がネットワーク通信を介して前記サーバのデータベースに登録されることと、
前記データベース上で同一商品に関して販売員が入力した多数の情報が入力項目ごとに棒線グラフの形式などを用いて整理されることと、
前記アプリケーション・ソフトウェア・プログラムの利用者において各商品につき入力項目ごとに前記のとおり整理された情報をまとめて一覧できることを特徴とするシステム。
【請求項2】
コンピュータ及び電子端末を請求項1に記載のシステムとして機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アパレル企業などの製造・小売を業とする企業が店舗販売員を通じて各店舗での商品に対する顧客の反応・評価等の情報をリアルタイムで収集することが可能となるネットワークシステムに関するものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
従前、アパレル企業などの製造・小売を業とする企業では、自社商品に対する顧客の反応・評価に関する情報(以下「顧客レビュー情報」という。)を、主に自社又は他社のECサイトにおける顧客レビュー機能を通じて収集していた。しかし、ECサイトにおける顧客レビューは、個々の顧客の主観的評価や漠然とした感想というレベルのものであることが多く、企業にとって具体的にどの商品のどの要素が顧客にプラス評価又はマイナス評価されているのかを把握しにくいという難点があった。
【0003】
また、店舗販売員を通じて顧客レビュー情報を取得するための方法としては、店舗販売員が接客の都度、各商品に対する顧客の反応・評価につき、手書きメモを残す等のアナログな手段に頼っていた。しかし、こうした方法では、顧客レビュー情報の内容について販売員ごとにばらつきが生じ、商品ごとに整理された情報として顧客レビュー情報を有効活用できないという問題があった。
【0004】
なお、上記のような課題は、アパレル企業に限らず、あらゆる種類の商品の製造・小売を行っている企業に広く共通するものである。
【0005】
したがって、本発明は、アパレル企業に限らず、あらゆる種類の商品の製造・小売を行っている多くの企業に利用されることが想定される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
こうした課題を解決するため、本発明は、各商品の商品タグに記載されたバーコード又はQRコードの情報を利用し、ネットワークを介して、簡単に、アパレル企業などの製造・小売を業とする企業が、実店舗の販売員を通じて、各販売員が顧客する中で把握した顧客レビュー情報をリアルタイムで収集できるネットワークシステム(以下「本システム」という。)を提供する。
【発明の効果】
【0007】
本システムでは、まず、実店舗の販売員は、店舗で使用する業務用スマートフォン上に本システムのアプリケーション・ソフトウェア・プログラム(以下「本アプリ」という。)をダウンロードする。
【0008】
その上で、店舗販売員は、業務用スマートフォンを利用して、顧客が購入した商品、試着した商品、手に取った商品などにつき、まず、商品タグに記載されたバーコード又はQRコードをスマートフォンのカメラ機能で読み取ることによってネットワークを介して本システム上の商品情報ページにアクセスする。
本システム上の商品情報ページには、本システムと本システムを利用する企業(以下「本システム利用企業」という。)の自社ECサイトとのネットワーク連携により、本システム利用企業の自社ECサイトの商品写真が表示される。
【0009】
次に、店舗販売員は、当該商品につき入力項目ごとに顧客レビュー情報を入力する。入力項目は、顧客ごとに自由に設定できる。具体的な入力項目の例としては、顧客の属性(性別、年齢層)、当該商品について接客した顧客のうち試着をした人の割合(試着率)、試着をした顧客のうち購入した人の割合(購入率)、顧客は商品のどの要素(価格、デザイン、生地感、カラー、サイズ感、着丈など)にどのような評価をしていたか、など多岐にわたる。
【0010】
そして、本システム上のデータベース上では、各商品につき、多くの店舗販売員から収集された顧客レビュー情報が入力項目ごとに整理された情報として保管される。
【0011】
本システムの利用により、本システム利用企業にとって、第1に、各商品について顧客が試着した回数や手に取った回数などの客観的なデータを取得することが可能となる。これにより、本システム利用企業にとって、売上データだけでは分からない、商品ごとの潜在的な需要を把握することができる。
【0012】
第2に、本システムの利用により、店舗販売員の目線から、顧客が商品のどの要素をプラス評価又はマイナス評価をしていたかという点について、より具体的な情報を収集することが可能となる。これにより、本システム利用企業にとって、各商品について追加生産を行うか否かあるいはセール処分するか否か等の判断を、売上データだけに頼らず、より的確に行うことができるようになる。また、こうした情報を新たな商品企画の中で活用することが可能となり、商品企画の精度を向上させることができると同時に、無駄な在庫を持たなくて済むことになる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本システムのネットワーク構成に関する全体図である。
【
図2】本システムを利用する際の業務フロー図である。
【
図3】
図3~
図13は、本システムで店舗販売員が利用する電子端末(スマートフォン)の画面である。店舗販売員は、業務用スマートフォンに本アプリをクラウドによりダウンロードする。本アプリがダウンロードされると、スマートフォンの画面上に本アプリのマーク(「JAN8CS」のマーク)が表示される。
【
図4】店舗販売員は、接客の際に取り扱った商品のタグに記載された
バーコード又はQRコードをスマートフォンのカメラ機能を用いてスキャンする。
【
図5】
バーコード又はQRコードをスキャンすると、スマートフォン上で自動的に本アプリが起動し、スマートフォンの画面下の箇所に当該商品の写真がアイコンとして表示される。このアイコンは100個まで表示される。
【
図6】続けて、スマートフォンの画面下に表示された商品アイコンをタッチすると、当該商品の商品ページへ移動する。商品ページには、本システムと本システム利用企業の自社又は他社ECサイトとのネットワーク連携により、自動的に、前記ECサイト上の商品写真及び商品情報が表示される。
【
図7】商品ページの右上のタブをタッチすると、「商品情報」、「顧客レビューを追加」、「顧客レビュー一覧」の各タブが表示される。
【
図8】「顧客レビューを追加」のタブをタッチすると、情報入力画面に移動する。
【
図9】情報入力画面では、「商品を接客してどうでしたか?」の表示に続けて、複数の入力項目が表示される。
【
図10】入力項目は、顧客の属性(性別、年齢層)、当該商品について接客した顧客のうち試着をした人の割合(試着率)、試着をした顧客のうち購入した人の割合(購入率)、顧客は商品のどの要素(価格、デザイン、生地感、カラー、サイズ感、着丈など)にどのような評価をしていたか、など多岐にわたる。店舗販売員は、入力項目ごとに、当該商品につき、接客の中で認知した情報を順次、入力していく。
【
図13】「顧客レビュー一覧」タブをタッチすると、店舗販売員は、自らが入力した多数の顧客レビューを一覧することができる。
【
図15】各商品につき、各店舗販売員から収集された数多くの顧客レビュー情報に基づいて整理された、入力項目(試着率、購入率、価格、サイズ、素材など)ごとに棒線グラフなどを用いて整理された情報の一覧することができる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本実施形態においては、本システムを提供するサービス提供者が「システム提供者」であり、本システムを利用するサービス被提供者が「本システム利用企業」である例を用いて、本発明に係る本システムの一実施形態を説明する。
【0015】
まず、
図1に沿って、本システムのネットワーク構成の全体について説明する。
【0016】
図1は、本アプリを送信するソフトウェア提供サーバと、本アプリを利用する電子端末と、本システム利用企業の自社又は他社ECサイトとからなるネットワークシステムの構成を示したものである。
【0017】
本システム利用企業の店舗販売員は、業務用スマートフォンを利用して、本アプリをシステム提供者のサーバからクラウド上でダウンロードする。
【0018】
本システム上で店舗販売員が入力した顧客レビュー情報は、システム提供者のサーバにあるデータベース上で管理されることになる。
【0019】
本システムは本システム利用企業の自社又は他社ECサイトとネットワーク連携することにより、店舗販売員が商品タグのバーコード又はQRコードをスキャンして本システム上の商品ページへアクセスすると、自動的に、自社又は他社ECサイト上の商品写真が本システムの商品ページに表示される。
【0020】
次に、
図2ないし
図13に沿って、実際に店舗販売員が本システムを利用して本システム上で顧客レビュー情報を入力する際の業務フローの流れについて説明する。
【0021】
まず、店舗販売員は、業務用スマートフォンに本アプリをクラウドによりダウンロードする。本アプリがダウンロードされると、
図3のように、スマートフォンの画面上に本アプリのマーク(「JAN8CS」のマーク)が表示される。
【0022】
続けて、店舗販売員は、
図4のように、店舗での接客の後、接客の際に取り扱った商品のタグに記載された
バーコード又はQRコードをスマートフォンのカメラ機能を用いてスキャンする。バーコード又はQRコードをスキャンすると、スマートフォン上で自動的に本アプリが起動し、
図5のように、スマートフォンの画面下の箇所に当該商品の写真がアイコンとして表示される。このアイコンは100個まで表示される。
【0023】
続けて、スマートフォンの画面下に表示された商品アイコンをタッチすると、
図6のように、当該商品の商品ページへ移動する。
【0024】
前記商品ページには、
図6のように、本システムと本システム利用企業の自社又は他社ECサイトとのネットワーク連携により、自動的に、前記ECサイト上の商品写真及び商品情報が表示される(つまり、同期する)。
【0025】
続けて、商品ページの右上のタブをタッチすると、
図7のように、「顧客レビューを追加」のタブが表示される。
【0026】
図8のように、「顧客レビューを追加」のタブをタッチすると、
図9ないし
図11のような情報入力画面に移動する。情報入力画面では、「商品を接客してどうでしたか?」の表示に続けて、複数の入力項目が表示される。入力項目は、顧客の属性(性別、年齢層)、当該商品について接客した顧客のうち試着をした人の割合(試着率)、試着をした顧客のうち購入した人の割合(購入率)、顧客は商品のどの要素(価格、デザイン、生地感、カラー、サイズ感、着丈など)にどのような評価をしていたか、など多岐にわたる。店舗販売員は、入力項目ごとに、当該商品につき、接客の中で認知した情報を順次、入力していく。
【0027】
以上、ここまでで、店舗販売員が本システム上で顧客レビュー情報を入力する際の業務フローは完了する。この一連の作業によって、店舗販売員が日々の接客業務の中で認知した顧客レビュー情報が、タイムリーに、本システムのデータベース上に蓄積されていくことになる。
【0028】
そして、本システム上のデータベース上では、各商品につき、多くの店舗販売員から収集された顧客レビュー情報が入力項目ごとに整理された情報として保管される。
【0029】
さらに、
図12のように、「顧客レビュー一覧」タブをタッチすると、店舗販売員は、各自、
図13のような画面表示により、自らが入力した多数の顧客レビューを一覧することができる。
【0030】
加えて、
図14のように、「商品情報」タブをタッチすると、
図15・
図16のように、各商品につき、各店舗販売員から収集された数多くの顧客レビュー情報に基づいて整理された、入力項目(試着率、購入率、価格、サイズ、素材など)ごとに棒線グラフなどを用いて整理された情報の一覧することができる。