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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024022419
(43)【公開日】2024-02-16
(54)【発明の名称】脚立
(51)【国際特許分類】
   E06C 1/39 20060101AFI20240208BHJP
   G07F 9/10 20060101ALI20240208BHJP
   E06C 7/00 20060101ALI20240208BHJP
【FI】
E06C1/39
G07F9/10 Z
E06C7/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022177377
(22)【出願日】2022-11-04
(62)【分割の表示】P 2022124230の分割
【原出願日】2022-08-03
(71)【出願人】
【識別番号】305018487
【氏名又は名称】有限会社アサヒ・メンテナンス
(74)【代理人】
【識別番号】100185270
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 貴史
(74)【代理人】
【識別番号】100225347
【弁理士】
【氏名又は名称】鬼澤 正徳
(72)【発明者】
【氏名】森川 博司
【テーマコード(参考)】
2E044
3E044
【Fターム(参考)】
2E044BA04
2E044CA05
2E044CB03
2E044CC01
2E044DA04
2E044DB01
2E044EA04
2E044EB02
2E044EC05
2E044EC09
3E044AA01
3E044CB06
3E044FB20
(57)【要約】
【課題】本開示の目的は、自動販売機の外部から商品の補充作業を行う場合に、作業性を向上させることの可能な脚立を提供する。
【解決手段】自動販売機へ補充する商品が載せられる載置部12と、載置部12に接続され、かつ、自動販売機の下部に設けられたベース部45に立てられる第1脚部13と、載置部12に接続され、かつ、自動販売機の設置場所20に立てられる第2脚部16と、を有する脚立10において、第1脚部13が載置部12から突出された長さL1は一定であり、第2脚部16が載置部12から突出された長さL2は、第1脚部13が載置部12から突出された長さL1を超えており、第2脚部16が載置部12から突出された長さL2を調整する調整機構が設けられている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動販売機へ補充する商品が載せられる載置部と、
前記載置部に接続され、かつ、前記自動販売機の下部に設けられたベース部に立てられる第1脚部と、
前記載置部に接続され、かつ、前記自動販売機の設置場所に立てられる第2脚部と、
を有する脚立において、
前記第1脚部が前記載置部から突出された長さは一定であり、
前記第2脚部が前記載置部から突出された長さは、前記第1脚部が前記載置部から突出された長さを超えており、
前記第2脚部が前記載置部から突出された長さを調整する調整機構が設けられている、脚立。
【請求項2】
請求項1記載の脚立において、
前記第2脚部は、
前記載置部から突出された2本の支柱と、
2本の前記支柱にそれぞれ取り付けられ、かつ、取り付けられた前記支柱の長手方向に沿ってそれぞれ移動可能な2つの可動部と、
を有し、
前記調整機構は、2つの前記可動部を、取り付けられた前記支柱の長手方向における固定位置を変更することにより、前記第2脚部が前記載置部から突出された長さを調整する、脚立。
【請求項3】
請求項2記載の脚立において、
2本の前記支柱に接続されて作業者の足が載せられる踏桟を有し、
前記踏桟は、2本の前記支柱から前記第1脚部に向けて延ばされている、脚立。
【請求項4】
請求項3記載の脚立において、
前記踏桟を吊り下げて支持する吊り部材が設けられている、脚立。
【請求項5】
請求項1または2記載の脚立において、
前記載置部に載せられて前記載置部と共に前記商品を支持する補助載置部を有する、脚立。
【請求項6】
請求項1または2記載の脚立において、
前記第1脚部及び前記第2脚部の少なくとも一方に設けられる係合部と、
前記係合部に取り付け及び取り外しが可能であり、かつ、作業者の体の一部に掛けられるベルトと、
を有する、脚立。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、自動販売機へ商品を補充する作業に用いられる脚立に関する。
【背景技術】
【0002】
作業者が自動販売機へ商品を補充する場合に用いる脚立の一例が、特許文献1に記載されている。特許文献1には、商品選択部及び商品取出し口を有する構造体と、商品を複数収納する商品収納部を有する自販機本体と、を備えた自動販売機が記載されている。また、構造体と自販機本体との間に作業スペースがあり、作業スペースには、商品選択部によって選択された商品収納部内の商品を自販機本体から商品取出し口へと導く商品送出し部が設けられている。さらに、自販機本体は、作業スペース側、かつ、自販機本体の上部領域に、商品収納部に商品を投入するための商品投入口を有する。さらに、作業スペースには、オペレーターが乗降可能な作業台(脚立)が設けられている。特許文献1には、従来の自動販売機にあるような前扉を開くことなく、作業スペース内にて構造体及び自販機本体に対してオペレーション作業、例えば商品収納部への商品の補充等を行うことができる、と記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5303447号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願発明者は、特許文献1に記載された脚立は、自動販売機の外部で商品の補充作業を行うことには使用できない、という課題を認識した。
【0005】
本開示の目的は、自動販売機の外部から商品の補充作業を行う場合に、作業性を向上させることの可能な脚立を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の脚立は、自動販売機へ補充する商品が載せられる載置部と、前記載置部に接続され、かつ、前記自動販売機の下部に設けられたベース部に立てられる第1脚部と、前記載置部に接続され、かつ、前記自動販売機の設置場所に立てられる第2脚部と、を有する脚立において、前記第1脚部が前記載置部から突出された長さは一定であり、前記第2脚部が前記載置部から突出された長さは、前記第1脚部が前記載置部から突出された長さを超えており、前記第2脚部が前記載置部から突出された長さを調整する調整機構が設けられている。
【発明の効果】
【0007】
本開示の脚立によれば、第2脚部が載置部から突出された長さを調整可能である。したがって、自動販売機の外部から商品の補充作業を行う場合に、作業性を向上させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の脚立の使用例を示す模式的な右側面図である。
図2】水平な設置場所で脚立を使用する例を示す正面図である。
図3図2に示された脚立の背面図である。
図4】(A)は、脚立の使用例を示す模式的な右側面図、(B)は、脚立を折り畳んだ状態の右側面図である。
図5】(A)は、脚立の載置部を単独で示す平面図、(B)は、傾斜した設置場所で脚立を使用する例を示す部分的な正面図である。
図6】(A)は、載置部に補助載置部を設けた脚立の側面図、(B)は、図6(A)の載置部及び補助載置部の平面図である。
図7】(A)は、図6(A)に示す脚立の部分的な背面図、(B)は、図6(A)に示す脚立を台車で運搬する例を示す側面図である。
図8】(A)は、金具を有する脚立の正面図、(B)は、作業者が図8(A)に示す脚立を背負う例を示す側面図である。
図9】(A)は、金具にベルトを装着した脚立の正面図、(B)は、図9(A)の右側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の脚立は、自動販売機の外部に置かれた状態で、作業者が乗って物品を自動販売機へ補充する作業を行う場合に用いることができる。脚立は、オペレーション架台または作業台と呼ぶことも可能である。以下、脚立の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、脚立を説明するための全図において、同一部には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0010】
図1図2図3図4(A),(B)に示すように、脚立10は、物品11が載せられる載置部12と、載置部12に接続されて自動販売機14のベース部15に立てられる第1脚部13と、載置部12に接続されて設置場所20に立てられる第2脚部16と、を有する。脚立10を正面視した図2において、脚立10は、左右方向の中心を表す鉛直方向の仮想線A1を中心として、略左右対称の形状及び構造を有する。載置部12は、物品11の重量に耐えられる強度を備えており、載置部12は金属製、例えば、アルミニウム製の板部材で構成されている。載置部12は、図5(A)のように、第1構成片17、第2構成片18及び支持軸19を有する。第1構成片17と第2構成片18とは、支持軸19を中心として相互に所定角度の範囲内で作動可能に連結されている。第1構成片17及び第2構成片18は、共にプレート形状である。
【0011】
脚立10は、図2及び図3のように第2脚部16が設置場所20で立てられ、かつ、載置部12が略水平に保持された状態で使用される。図2及び図3に示す設置場所20は、上面が略水平である例を示す。図1のように、載置部12には、物品11、例えば、自動販売機14へ投入される商品21を収容したコンテナ22等が置かれる。商品21は、一例として飲料が充填された缶、ペットボトル等である。
【0012】
第1脚部13は、第1構成片17に接続されており、設置場所20で立てられる。第1脚部13は、載置部12に載せられる物品11の荷重、及び作業者23の重量を支持する機能を有する。第1脚部13は、図3のように、2本の支柱24と、2本の支柱24同士を接続する接続部材25と、2本の支柱24と接続部材25とを接続する筋交い(補強部材)26と、を有する。2本の支柱24は、支持する物品11の重量、及び作業者23の重量等に耐えられる強度を備えた金属製、例えば、アルミニウム製のフレーム部材によって、それぞれ構成されている。
【0013】
2本の支柱24は、固定要素、例えば、ねじ部材によって第1構成片17の両端にそれぞれ固定されている。2本の支柱24は、同じ長さを有する棒部材である。接続部材25はプレート形状を有しており、接続部材25の長手方向の両端は、固定要素によって2本の支柱24にそれぞれ固定されている。筋交い26は、金属製、例えば、アルミニウム製のフレーム部材または板部材によって構成されている。さらに、2本の支柱24の先端、つまり、下端には、合成樹脂製のキャップ27がそれぞれ取り付けられている。鉛直方向、つまり、図4(A)の上下方向において、第1構成片17の下端からキャップ27の下端までの長さL1は一定である。つまり、第1脚部13は、長さL1を変更できない構成である。
【0014】
第2脚部16は、第2構成片18に接続されており、第2脚部16は、設置場所20で立てられる。第2脚部16は、載置部12に載せられる物品11の荷重、及び作業者23の重量を支持する機能を有する。図2のように、第2脚部16は、2本の支柱28と、支柱28同士を接続する2つの踏桟29,30と、2本の支柱28にそれぞれ取り付けられた可動部31と、を有する。支柱28及び可動部31は、支持する物品11の重量、及び作業者23の重量等に耐えられる強度を備えた金属製、例えば、アルミニウム製のフレーム部材によって、それぞれ構成されている。
【0015】
2本の支柱28は、固定要素、例えば、ねじ部材によって第2構成片18の両端にそれぞれ固定されている。2本の支柱28は、所定の長さを有する棒部材である。2つの踏桟29,30はプレート形状を有しており、2つの踏桟29,30の長手方向の両端は、固定要素によって2本の支柱28にそれぞれ固定されている。2つの踏桟29,30は、作業者23が足を載せる部位であり、2つの踏桟29,30は、作業者23の重量等に耐えられる強度を備えた金属製、例えば、アルミニウム製のフレーム部材、板部材によって別々に構成されている。
【0016】
2つの踏桟29,30は、2本の支柱28の間に配置されており、2つの踏桟29,30は、2本の支柱28の長手方向に間隔をおいて配置されている。2本の支柱28長手方向において、踏桟29は、第2構成片18と踏桟30との間に配置されている。第2構成片18から踏桟29までの距離は、図3に示す第1構成片17から接続部材25までの距離と同じである。踏桟30の略水平方向における長さは、踏桟29の略水平方向における長さを超えている。このため、2本の支柱28の同士の略水平方向の間隔は、第2構成片18から2本の支柱28の下端に近づくことに伴い増加している。
【0017】
また、図4(A)のように、踏桟30の幅W1は、踏桟29の幅W2を超えている。幅W1,W2は、第1脚部13と第2脚部16との間の距離に相当する方向の長さである。可動部31は、2本の支柱28にそれぞれ取り付けられている。2つの可動部31は、取り付けられた支柱28の長手方向に沿って、それぞれ別々に作動可能である。また、2つの可動部31の先端、つまり、下端には、合成樹脂製のキャップ32がそれぞれ取り付けられている。
【0018】
さらに、2つの可動部31を支柱28の長手方向における任意の位置でそれぞれ停止させる調整機構33が設けられている。調整機構33は、可動部31の長手方向に沿って設けられた凹凸部と、支柱28に設けられた係合爪と、係合爪を作動させるレバーと、を有する。作業者23は、レバーを操作することができる。レバーを操作すると、係合爪が作動する。そして、係合爪が凹凸部に係合されていると、可動部31が支柱28の長手方向における所定位置で固定される。係合爪が凹凸部から解放されていると、可動部31が支柱28の長手方向に沿って作動できる。
【0019】
このため、鉛直方向、つまり、図4(A)の上下方向において、第2構成片18の下端からキャップ32の下端までの長さL2を、各支柱28毎に別々に調整できる。また、支柱28の全長は、支柱24の全長を超えている。このため、支柱28の長手方向における可動部31の位置に関わりなく、長さL2は長さL1を超えている。長さL1は、第1脚部13が載置部12から突出された長さであり、長さL2は、第2脚部16が載置部12から突出された長さである。長さL1は、一定であり、調整機構33は、長さL2を調整可能である。
【0020】
さらに、第1脚部13と第2脚部16とを連結する開き止め機構34が設けられている。開き止め機構34は、支持軸19を中心として作動する第1脚部13及び第2脚部16の作動範囲を規制する機構である。開き止め機構34は、接続部材25に固定されたブラケット35と、踏桟29に固定されたブラケット36と、ブラケット35に対して支持軸37を中心として作動可能に取り付けられたアーム38と、ブラケット36に対して支持軸39を中心として作動可能に取り付けられたアーム40と、アーム38とアーム40とを連結した連結軸41と、を有する。支持軸19を中心とする第1脚部13及び第2脚部16の作動角度は、2本のアーム38,40が連結軸41を隔てて直線状になる範囲内に規制される。
【0021】
図1は、脚立10の使用例を示す模式的な右側面図である。自動販売機14は、商品を収容する本体42と、本体42の前面を覆うように設けられた前扉43と、を有する。本体42は、商品収容空間を有し、商品が商品収容空間へ高さ方向に複数置かれる。本体42の前面には、商品収容空間につながる投入口44が設けられている。前扉43は、本体42に対して開閉可能に接続されている。前扉43には、商品選択ボタン、硬貨投入口、商品取り出し口、等が設けられている。本体42の下端には、前方に向けて突出されたベース部45が設けられている。ベース部45の下面に脚部46が取り付けられている。脚部46は、自動販売機14の設置場所20に接触される。
【0022】
図1のように、作業者23が自動販売機14に商品21を補充する作業は、前扉43を本体42に対して開いた状態で行われる。作業者23は脚立10を運搬し、第1脚部13のキャップ27をベース部45に載せる。また、図2に示す2つの可動部31は、支柱28の長手方向における所定位置で固定されている。支柱28に対して可動部31を固定する所定位置は、キャップ32が設置場所20に接触された状態で、載置部12が略水平になるように決定される。図2の設置場所20は、略水平である例が示されている。作業者23は、商品21が収容されたコンテナ22を、載置部12の上に載せる。そして、踏桟30に足を載せて立ち、コンテナ22内の商品21を手で掴んで投入口44から補充する作業を行う。
【0023】
このように、作業者23は、脚立10を自動販売機14の外部で設置場所20に置き、商品21を投入口44から補充する作業を行うことができる。したがって、作業性が向上する。また、作業者23は、踏桟29,30の何れかに足を載せて作業を行うことができる。したがって、自動販売機14の本体42内で商品21が目詰まりした場合に、目視がし易く、かつ、詰まった商品21を取り除く作業性が向上する。また、図4(A)に示すように、設置場所20とベース部45との段差L3に応じて、調整機構33を操作することにより、第2脚部16の長さL2を調整できる。したがって、作業性が向上する。
【0024】
また、第1脚部13をベース部45に載せることができる。このため、脚立10を自動販売機14の前後方向で、なるべく本体42に近づけることができる。したがって、作業者23と本体42との距離をなるべく短くすることができ、作業者23が前のめりになることを防止でき、作業性が向上する。
【0025】
さらに、図4(A)のように、踏桟30の幅W1は、踏桟29の幅W2を超えている。このため、図1に示す作業者23が足を踏桟30へ載せて作業を行う場合の安定性が増し、作業者23の体がぐらつくことを抑制できる。さらに、踏桟30は、上面に滑り止め、例えば、突起が設けられているものを用いることができる。踏桟30の上面に滑り止めが設けられていると、踏桟30に載せた作業者23の足が滑ることを抑制でき、作業性が向上する。さらに、踏桟30の強度を高めるために、折り曲げられていてもよい。
【0026】
さらにまた、第1構成片17と第2構成片18とを支持軸19を中心として作動させ、図4(B)のように、第1脚部13と第2脚部16とを接近させて停止させることにより、脚立10を折り畳むことができる。踏桟30は、第1脚部13に向けて延ばされることで幅W1が確保されている。このため、脚立10を折りんだ状態で、踏桟30は、第2脚部16の外側へ向けて突出されていない。したがって、作業者23が脚立10を運搬する場合に、踏桟30が邪魔になることを抑制できる。
【0027】
図5(B)は、設置場所20Aの上面が略水平ではない例、つまり、水平線に対して傾斜している例を示す。設置場所20Aに第2脚部16を立てる場合、2本の支柱28の長手方向における2つの可動部31の固定位置がそれぞれ異なる。本開示の脚立10は、水平線に対して傾斜している設置場所20Aに第2脚部16を立てた場合でも、図2と同様に載置部12を略水平に保持できる。なお、図示はしないが、設置場所が、高さの異なる2つの上面を有している場合も、2本の支柱28の長手方向における2つの可動部31の固定位置を、それぞれ異ならせて使用できる。
【0028】
図6(A)は、脚立10の他の例を示す右側面図である。脚立10は、踏桟30を支持する吊り部材47を有する。吊り部材47は、金属製、例えば、鉄製の帯部材である。吊り部材47は、強度を高めるために折り曲げられている。吊り部材47の上端は、踏桟29に接続されてねじ部材で固定され、吊り部材47の下端が踏桟30に接続されてねじ部材で固定されている。ねじ部材は、踏桟29を貫通して固定されている。吊り部材47は、踏桟30のうち、最も第1脚部13に近い箇所で折り曲げられ、かつ、踏桟30の下面に沿って設けられている。吊り部材47は、2本の支柱24の近傍にそれぞれ設けられている。つまり、踏桟30は、2本の吊り部材47により吊り下げられた状態で支持される。そして、踏桟30は、幅方向の一端が支柱24によって支持され、幅方向の他端が吊り部材47によって支持されることになり、踏桟30を支持する強度が増加する。このため、図1に示す作業者23の足が、図6に示す踏桟30に載せられた場合に、踏桟30が支柱24を支点として変形することを抑制できる。
【0029】
また、図6(A),(B)、及び図7(A)のように、脚立10は、補助載置部48を有していてもよい。補助載置部48は金属板を屈曲させたものである。補助載置部48は、脚立10に対して固定要素により固定されている。固定要素は、ねじ部材、リベット等のうちの何れでもよい。補助載置部48は、プレート部49と、プレート部49に接続された脚部50と、脚部50に設けられた補強部51と、プレート部49から突出された張り出し部52と、を有する。図6(B)のように載置部12を平面視すると、プレート部49は、載置部12の側方に張り出している。載置部12を平面視すると、プレート部49は、略長方形である。また、張り出し部52は、プレート部49の端から支持軸19の長さ方向に突出されている。補強部51は、補助載置部48をの強度を補強する要素である。
【0030】
そして、図6(A)のように、載置部12及びプレート部49の両方に亘って物品11が載せられる。つまり、プレート部49が載置部12の側方に張り出した分、物品11を載置する面積が拡大される。したがって、載置部12の上に載せられた物品11の姿勢が安定する。また、載置部12で支持可能な物品11の平面積が拡大する。さらに、図6(B)に示す載置部12の平面視で、コンテナ59内から図6(B)の上側から商品21が取り出された場合に、コンテナ59が載置部12上で傾くことを防止できる。
【0031】
図7(B)は、脚立10を台車53に載せて運搬する例を示している。脚立10は、図4(B)に示す脚立10と同様に折り畳まれている。台車53は、荷台54と、荷台54の下部に取り付けられた車輪55と、荷台54に接続された操作棒56と、操作棒56の一部を構成するグリップ57と、を有する。グリップ57は、略水平に延ばされる。台車53は、図1に示す物品11を、自動販売機14の近くへ運搬するために用いられる。作業者は、商品21を自動販売機14へ補充する作業が終わった後、脚立10を荷台54に置く。ここで、補強部51がグリップ57に掛けられて、脚立10は、自重でグリップ57により支持された状態が保持される。作業者は、グリップ57を手で掴んで台車53を走行させることができる。したがって、脚立10が台車53に載せられた姿勢を保持できる。
【0032】
図8(A),(B)に示す脚立10は、作業者23が背負うことができる構成を有する。第2構成片18に2個の金具61が取り付けられ、2本の支柱28に金具62がそれぞれ取り付けられている。そして、脚立10とは別にベルト63が用意され、ベルト63の第1端部に設けられたフック64を金具61に係合及び解放させることができる。ベルト63は、一例として、合成樹脂製または合成皮革製の何れでもよい。また、ベルト63の第2端部に設けられたフック65を金具62に係合及び解放させることができる。ベルト63は2本用意されるが、図8(B)では便宜上、1本のベルト63が示されている。2本のベルト63をそれぞれ作業者23の左右の肩に掛けることにより、作業者23は、脚立10を背負って運搬することができる。べルト63は、脚立10に対して取り付け及び取り外しが可能である。
【0033】
図9(A),(B)に示す脚立10は、作業者23が背負うことができる構成の他の例を示すものである。金具66が、支柱28のうちキャップ27に近い箇所にそれぞれ取り付けられている。そして、ベルト63のフック64が金具61に係合され、ベルト63のフック65が金具66に係合されている。図9(A),(B)に示す脚立10は、2本のベルト63が、何れも脚立10の側方に位置することになる。したがって、図1に示す作業者23が、図9(A),(B)に示す脚立10を設置場所20で利用する場合に、足がベルト63に絡まる可能性を減らすことができる。
【0034】
本実施形態で説明した事項の技術的意味の一例は、次の通りである。脚立10は、脚立の一例である。載置部12は、載置部の一例である。第1脚部13は、第1脚部の一例である。第2脚部16は、第2脚部の一例である。長さL1は、“第1脚部が載置部から突出された長さ”の一例である。長さL2は、“第2脚部が載置部から突出された長さ”の一例である。調整機構33は、調整機構の一例である。2本の支柱24は、2本の支柱の一例である。可動部31は、可動部の一例である。踏桟30は、踏桟の一例である。吊り部材47は、吊り部材の一例である。補助載置部48は、補助載置部の一例である。金具61,62,66は、係合部の一例である。ベルト63は、ベルトの一例である。なお、2本の支柱24に接続される踏桟の数は、1つでもよいし、3つ以上設けられていてもよい。さらに、2本の支柱28に接続される接続部材の数は、単数または複数の何れでもよい。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本開示の脚立は、自動販売機へ商品を補充する作業に利用可能である。
【符号の説明】
【0036】
10…脚立、12…載置部、13…第1脚部、16…第2脚部、24…支柱、28…可動部、30…踏桟、33…調整機構、47…吊り部材、49…補助載置部、61,62,66…金具、63…ベルト、L1,L2…長さ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9