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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024022425
(43)【公開日】2024-02-16
(54)【発明の名称】マッサージ器
(51)【国際特許分類】
   A61H 15/00 20060101AFI20240208BHJP
   A61H 15/02 20060101ALI20240208BHJP
【FI】
A61H15/00 320B
A61H15/00 320A
A61H15/02 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022193292
(22)【出願日】2022-12-02
(62)【分割の表示】P 2022123650の分割
【原出願日】2022-08-03
(71)【出願人】
【識別番号】514059840
【氏名又は名称】株式会社ファイブスター
(74)【代理人】
【識別番号】100136847
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼山 嘉成
(72)【発明者】
【氏名】浅野 剛
【テーマコード(参考)】
4C100
【Fターム(参考)】
4C100BB01
4C100CA01
4C100DA02
4C100EA06
(57)【要約】
【課題】回転体の内部に、冷却又は保温用の物質を入れて使用することができるようにしたマッサージ器を提供する。
【解決手段】マッサージ器30は、ハンドル32に回転可能に取り付けられた一対の回転体31,31を備える。回転体31は、内部が空洞となっており、当該空洞に、冷却又は保温用物質が収容されている。回転体31は、ハンドル側の第1の開口31b及び第1の開口31bに対向する第2の開口31cを有する貫通構造である。マッサージ器31は、さらに、第1の開口31bから第2の開口31cに挿入され、空洞を密閉する軸受部材34と、ハンドル32に取り付けられており、軸受部材34に挿通される回転軸33とを備える。
【選択図】図8

【特許請求の範囲】
【請求項1】
把持部に回転可能に取り付けられた回転体を備えるマッサージ器であって、
前記回転体は、内部が空洞となっており、
当該空洞に、冷却又は保温用物質が収容されていることを特徴とする、マッサージ器。
【請求項2】
前記回転体は、前記把持部側の第1の開口及び前記第1の開口に対向する第2の開口を有する貫通構造であり、
前記マッサージ器は、さらに、
前記第1の開口から前記第2の開口に挿入され、前記空洞を密閉する軸受部材と、
前記把持部に取り付けられており、前記軸受部材に挿通される回転軸とを備えることを特徴とする、請求項1に記載のマッサージ器。
【請求項3】
前記軸受部材は、
前記第1の開口側に設けられた第1のOリングと、
前記第2の開口側に設けられた第2のOリングと、
前記第1の開口に設けられたねじ穴に螺合するねじ部とを有することを特徴とする、請求項2に記載のマッサージ器。
【請求項4】
前記第1のOリングは、前記軸受部材の把持部側に設けられた段差に取り付けられており、
前記第2のOリングは、前記軸受部材の先端に設けられた段差に取り付けられていることを特徴とする、請求項3に記載のマッサージ器。
【請求項5】
前記回転軸は、前記軸受部材に挿通された状態で、先端に抜け止め部材が取り付けられることを特徴とする、請求項2に記載のマッサージ器。
【請求項6】
前記回転軸の先端には、キャップが取り付けられることを特徴とする、請求項2に記載のマッサージ器。
【請求項7】
前記回転体は、開口を有しており、
前記マッサージ器は、前記開口を塞いで密閉するための蓋部分及び軸を有する蓋付き回転軸をさらに備え、
前記軸は、前記把持部に回転可能に取り付けられることを特徴とする、請求項1に記載のマッサージ器。
【請求項8】
前記蓋部分には、Oリングが取り付けられており、
前記蓋部分が、前記開口に設けられたねじ穴に螺合し、前記Oリングで前記開口を密閉することを特徴とする、請求項7に記載のマッサージ器。
【請求項9】
前記軸は、軸受を介して、前記把持部に回転可能に取り付けられることを特徴とする、請求項7に記載のマッサージ器。
【請求項10】
前記回転体は、少なくとも一部又は全部が透明又は半透明であることを特徴とする、請求項1、2、又は7に記載のマッサージ器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手動で回転体を回転させてマッサージを行うマッサージ器に関する。
【背景技術】
【0002】
非特許文献1に記載されているように、冷感ツールで顔のむくみなどを解消したり、美顔効果を狙ったりする器具が注目されている。
【0003】
たとえば、非特許文献1に記載の「リフレッシュアイスローラー」(ビッグスター製)は、ハンドルの先端で、ローラー部分を両側で回転可能に保持できるように構成されている。そして、ローラー部分を冷やして、ハンドルに取り付けて、ローラー部分を回転させながら、顔などをマッサージすることができる。同様に、非特許文献1に記載の「リフレッシュアイスローラー」(ライズジャパン製)、「アイスフェイシャルローラー」(Twinstar製)も同様の構造を有している。
【0004】
また、非特許文献1に記載の「マッサージボール」(SASKATE製)は、全体がガラスで出来ており、ハンドルの先端にボール状の部分が設けられている。そして、当該マッサージボールの全体に不凍液などが入っている。全体を冷やす又は温めるなどして、マッサージに使用することができる。なお、当該マッサージボールのボール状の部分は回転しない。
【0005】
特許文献1に記載の美容器は、非貫通構造の二つのボールを有しており、二つのボールを回転可能にハンドルに取り付けており、二つのボールを回転させながら、移動させることで、肌を摘まみ上げることができる。
【0006】
特許文献2に記載のマッサージ器は、貫通構造の二つの回転体を有しており、二つの回転体を回転可能にハンドルに取り付けており、二つの回転体を回転させながら、移動させることで、肌を摘まみ上げることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2013-103086号公報
【特許文献2】実用新案登録第3219471号公報
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】美肌の為のWEBメディア(サビーナ ウェルネスマガジン),”冷感ツールで顔のむくみを解消!アイスローラーの効果とは?売れ筋アイテム8選”,[online],令和4年2月14日,[令和4年7月25日検索],インターネット,<URL:https://sabina.jp/column/ice-roller/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
非特許文献1に記載の「マッサージボール」(SASKATE製)の先端のボール状の部分は回転しない。すなわち、保冷剤や不凍液などの液体状又はジェル状の物質を回転体の中に入れて、回転体を回転させるようにしたマッサージ器は今まで存在しなかった。
【0010】
非特許文献1に記載の「リフレッシュアイスローラー」(ビッグスター製)、「リフレッシュアイスローラー」(ライズジャパン製)、及び「アイスフェイシャルローラー」(Twinstar製)は、ローラー部分を取り外して、冷蔵庫で冷やすか、若しくは、製品全体を冷蔵庫で冷やすかして、使用するものである。これらの製品のローラー部分には、保冷剤や不凍液などの液体状又はジェル状の物質は入っていない。また、これらの製品のローラー部分は、両持ちで回転軸をハンドルに回転可能に支持するものである。このように、回転するローラー部分に液体状又はジェル状の物質を入れて、冷やして使用する製品は無かった。また、ローラー部分を冷やすことができる製品であっても、両持ちの回転構造であり、片持ちの回転構造ではなかった。
【0011】
特許文献1及び2に記載の製品において、片持ちの回転構造のボールないし回転体には、液体状又はジェル状の物質を入れることはできなかった。これらのボールないし回転体は、樹脂で出来ており、非特許文献1に記載の製品のように、冷蔵庫で冷やしたところで、ボールないし回転体は、すぐに常温に戻ってしまうので、冷たい状態を保つことは出来ず、冷やして使用するローラーとしては使えなかった。
【0012】
なお、ローラーを冷やす以外に、温めて使用したいというニーズも存在する。
【0013】
それゆえ、本発明は、回転体の内部に、冷却又は保温用の物質を入れて使用することができるようにしたマッサージ器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するために、本発明は、以下のような特徴を有する。
本発明は、把持部に回転可能に取り付けられた回転体を備えるマッサージ器であって、回転体は、内部が空洞となっており、当該空洞に、冷却又は保温用物質が収容されていることを特徴とする。
【0015】
好ましくは、回転体は、把持部側の第1の開口及び第1の開口に対向する第2の開口を有する貫通構造であり、マッサージ器は、さらに、第1の開口から第2の開口に挿入され、空洞を密閉する軸受部材と、把持部に取り付けられており、軸受部材に挿通される回転軸とを備えるとよい。
【0016】
好ましくは、軸受部材は、第1の開口側に設けられた第1のOリングと、第2の開口側に設けられた第2のOリングと、第1の開口に設けられたねじ穴に螺合するねじ部とを有するとよい。
【0017】
好ましくは、第1のOリングは、軸受部材の把持部側に設けられた段差に取り付けられており、第2のOリングは、軸受部材の先端に設けられた段差に取り付けられているとよい。
【0018】
好ましくは、回転軸は、軸受部材に挿通された状態で、先端に抜け止め部材が取り付けられるとよい。
【0019】
好ましくは、回転軸の先端には、キャップが取り付けられるとよい。
【0020】
好ましくは、回転体は、開口を有しており、マッサージ器は、開口を塞いで密閉するための蓋部分及び軸を有する蓋付き回転軸をさらに備え、軸は、把持部に回転可能に取り付けられるとよい。
【0021】
好ましくは、蓋部分には、Oリングが取り付けられており、蓋部分が、開口に設けられたねじ穴に螺合し、Oリングで開口を密閉するとよい。
【0022】
好ましくは、軸は、軸受を介して、把持部に回転可能に取り付けられるとよい。
【0023】
好ましくは、回転体は、少なくとも一部又は全部が透明又は半透明であるとよい。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、回転体の内部に、冷却又は保温用物質を入れて使用することができるようにしたマッサージ器を提供することができる。
【0025】
軸受部材を用いることで、貫通構造の回転体に対して、冷却又は保温用物質を入れて使用できるようにしたマッサージ器を提供することができる。
【0026】
蓋付き回転軸を用いれば、非貫通構造の回転体に対して、冷却又は保温用物質を入れて使用できるようにしたマッサージ器を提供することができる。
【0027】
適宜、Oリングを用いれば、冷却又は保温用物質の漏れを防止できる。
【0028】
少なくとも一部又は全部が透明又は半透明の回転体を用いれば、内部に、冷却又は保温用物質が入っていることを確認でき、従来の製品と比較して、冷却又は保温に使用できるとの印象を需要者に与えることが可能となる。
【0029】
本発明のこれら、及び他の目的、特徴、局面、効果は、添付図面と照合して、以下の詳細な説明から一層明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1図1は、本発明の第1の実施形態に係るマッサージ器10の平面図である。
図2図2は、図1におけるA-A線での分解拡大断面図である。ただし、図2において、部材13,17は、断面図ではなく、平面図で表している。
図3図3は、図1におけるA-A線での拡大断面図である。ただし、図3において、部材13,17は、断面図ではなく、平面図で表している。
図4図4は、本発明の第2の実施形態に係るマッサージ器20の平面図である。
図5A図5Aは、マッサージ器20のハンドル22を分解した平面図である。
図5B図5Bは、図5Aにおける回転体21の部分の一部分解拡大断面図である。ただし、図5Bにおいて、部材23,27は、断面図ではなく、平面図で表している。
図6図6は、図4におけるB-B線での拡大断面図である。ただし、図6において、部材23,27は、断面図ではなく、平面図で表している。
図7A図7Aは、本発明の第3の実施形態に係るマッサージ器30の平面図である。
図7B図7Bは、マッサージ器30の底面図である。
図8図8は、図7AにおけるC-C線での分解拡大断面図である。
図9図9は、図7AにおけるC-C線での拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
(第1の実施形態)
図1ないし図3を参照しながら、本発明の第1の実施形態に係るマッサージ器10について説明する。
マッサージ器10は、回転体11と、ハンドル12と、蓋付き回転軸13と、軸受14と、軸受保持部材15と、軸受16と、ネジ17と、Oリング18と、冷却又は保温用物質19とを備える。
【0032】
なお、ハンドル12の形状は、本発明においては、何ら限定されない。ハンドルは、細長い形態に限られない。人の手で把持できるものであればよいので、把持部に回転体が回転可能に取り付けられたものを、本発明のマッサージ器とする。他の実施形態についても同様である。
【0033】
回転体11は、内部が空洞になっており、冷却又は保温用物質19を入れることが出来るようになっている。冷却又は保温用物質19は、不凍液や保冷剤、水などの液体状又はジェル状の物質である。冷却又は保温用物質19は、冷蔵庫や冷凍庫などで冷却することで、長時間冷却効果を発揮することができる。また、冷却又は保温用物質19は、お湯や保温庫などで加温することで、長時間温熱効果を発揮することができる。
【0034】
回転体11は、片側に開口11bが開けられた非貫通の回転体である。なお、回転体11の形状は、図示したような卵状のものに限らず、円筒状、角柱状、真球状、ラグビーボール状、ゴルフボール状、洋ナシ状など、あらゆる形状であってよい。
【0035】
また、回転体11の両側に穴を開けて、片側の穴を塞ぐようにして、回転体11を製造してもよい。本発明においては、片側にだけ穴が開けられたものだけでなく、両側に穴が開けられて片側の穴を塞いで製造された回転体も、非貫通の回転体11であるとする。
【0036】
また、回転体11を二つに分かれるようにして、二つを螺合させたり接着させたりするなどして、一つの回転体11として製造するようにしてもよい。そのような場合、螺合部分や接着部分はOリングで密閉できるようにしてもよい。このとき、片側又は両側を透明又は半透明な樹脂製にして、回転体11の内部に、液体等が入っていることを確認出来るようにしてもよい。また、回転体11を三つ以上に分割して製造してもよい。
【0037】
回転体11は、金属製であっても、石製であっても、樹脂製であってもよい。アクリルなどの透明又は半透明な樹脂で回転体11を製造した場合は、回転体11の内部に、冷却又は保温用物質19が入っていることを外部から確認できる。
【0038】
また、回転体11の開口部分を金属製にして、反対側に別の穴を開けておいて、その穴を透明な樹脂の蓋で螺合や接着によって塞ぐようにして、内部に液体等が入っていることを視認できるようにしてもよい。そのような穴は、いうまでもなく、Oリングなどで密閉できるようにしておけばよい。
【0039】
このように、回転体11の少なくとも一部又は全部を透明又は半透明としてもよい。
【0040】
回転体11に開けられた開口11bには、ねじ穴11aが形成されている。ねじ穴11aの内径は、開口11bの内径よりも小さくなっている。そのため、図示されているように、開口11bとねじ穴11aとには、段差が存在する。
【0041】
蓋付き回転軸13は、軸の一端にフランジ部13bと、ねじ部13aとを有する。フランジ部13bとねじ部13aが蓋部分となっている。蓋付き回転軸13の軸の他端には、ねじ穴13cが形成されている。回転体11のねじ部13aとフランジ部13bとの境界部分に、Oリング18が取り付けられている。ねじ部13aをねじ穴11aに螺合させると、Oリング18が、開口11bとねじ穴11aとの段差に当接する。完全に螺合させることで、Oリング18がフランジ部13bに押されて、段差とフランジ部13bとの間が、Oリング18によって、密閉される。
【0042】
このように、回転体11の内部に、蓋付き回転軸13を螺合させることで、冷却又は保温用物質19が漏れないようにすることができる。
【0043】
軸受保持部材15は、両端に、軸受14,15を保持することが可能な穴を有している。また、軸受保持部材15は、内部に、蓋付き回転軸13の軸を挿通させるための穴を有している。軸受保持部材15に、軸受14,15を保持させた状態で、軸を挿通させる。そして、軸の他端のねじ穴13cに抜け止め用のネジ17を螺合させる。そして、ハンドル12の一端の穴12aに、軸受保持部材15を嵌め込むことで、図3に示すような断面構造のマッサージ器10が出来上がる。
【0044】
このような構造によって、回転体11及び蓋付き回転軸13は、軸受保持部材15に保持されている軸受14,15の作用によって、蓋付き回転軸13の軸を中心に、手動で回転させることが可能となる。
【0045】
なお、蓋付き回転軸13をハンドル12の一端に回転可能の保持するための構造は、あくまでも一例に過ぎない。軸受の数は一つでもよいし、三つ以上であってもよい。また、軸受保持部材15を設けずに、ハンドル12の一端に軸受を直接取り付けて、蓋付き回転軸13の他端に抜け止め用のネジ17を取り付けて、当該軸受をハンドル12の一端に嵌め込むようにしてもよい。その他、回転体11及び蓋付き回転軸13を回転可能とするのであれば、周知のあらゆる軸支構造を用いることができる。その他の軸支構造の例については、第2の実施形態でも説明する。
【0046】
なお、ここでは、蓋付き回転軸13は、一体のものであるかのように説明したが、フランジ部13bに対して、軸を螺合させる又は挿入するようにして、蓋付き回転軸13を製造してもよい。すなわち、蓋付き回転軸13におけるフランジ部13bとねじ部13aによる蓋部分と、回転軸の軸部分とは、一体に形成されてもよいし、別々に製造されて連結されてもよい。
【0047】
なお、蓋付き回転軸13を回転体11に螺合することとしたが、回転体11に蓋付き回転軸13を締まり嵌めで挿入することで、密閉できるのであれば、螺合させなくてもよい。
【0048】
以上、第1の実施形態に係るマッサージ器10では、冷却又は保温用物質19を収容可能な空洞を有する回転体11の開口部分を、蓋付き回転軸13で塞ぎ、蓋付き回転軸13を、ハンドル12に回転可能に軸支させる構造を採用している。これにより、マッサージ器10を冷やしたり温めたりして使用することで、回転体11を皮膚に当ててマッサージする際、冷却又は保温用物質19による冷却又は保温効果を皮膚に与えることができる。
【0049】
なお、第1の実施形態で説明した変形例は、下記の他の実施形態においても適用可能であることは言うまでもない。
【0050】
(第2の実施形態)
第2の実施形態は、第1の実施形態における回転体11及び蓋付き回転軸13の別な軸支構造を示すものである。また、第1の実施形態では、一つのローラーを用いたマッサージ器10を示したが、第2の実施形態では、一対のローラーを用いた場合のマッサージ器20を示す。
【0051】
なお、第1の実施形態における軸支構造を一対のローラーを用いたマッサージ器に適用しても良いことは、言うまでもない。
【0052】
図4ないし図6に示すように、マッサージ器20は、一対の回転体21,21と、ハンドル22と、蓋付き回転軸23と、軸受24と、軸受保持部25と、軸受26と、ネジ27と、Oリング28と、冷却又は保温用物質29とを備える。
【0053】
回転体21におけるねじ穴21a及び開口21bは、第1の実施形態の回転体11におけるねじ穴11a及び開口11bと同様であるので、説明を省略する。
蓋付き回転軸23におけるねじ部23a、フランジ部23b、及びねじ穴23cは、第1の実施形態の蓋付き回転軸13におけるねじ部13a、フランジ部13b、及びねじ穴13cと同様であるので、説明を省略する。
Oリング28は、第1の実施形態におけるOリング18と同様であるので、説明を省略する。
すなわち、第2の実施形態において、冷却又は保温用物質29を回転体21に収容して、蓋付き回転軸13で密閉するための構造は、第1の実施形態と同様である。
【0054】
図5Aに示すように、ハンドル22は、上下二つのハンドル下部22aとハンドル上部22bに分割出来るようになっている。ただし、ハンドル22は、上下が一体として製造されてもよいことは言うまでもない。
【0055】
図5B及び図6に示すように、ハンドル22の二股に分かれた先端には、軸受保持部25が設けられている。軸受保持部25には、軸受24が嵌められる。軸受保持部25には、蓋付き回転軸23の軸を挿入できる穴が設けられている。図6に示す図では、軸受保持部25の外側に軸受26を設けているが、軸受26は、軸受保持部25の一端の穴に嵌められるようにしてもよい。
【0056】
図6に示すように、蓋付き回転軸23の軸の他端には、抜け止め用のネジ27が取り付けられる。
【0057】
言うまでもないが、もう一方の回転体21についても、同様にして、ハンドル22の二股に分かれた先端に回転可能に軸支される。
【0058】
なお、回転体21と蓋付き回転軸23の構造は、3個以上の回転体21を用いるマッサージ器に使用されてもよい。
【0059】
このように、第2の実施形態に係るマッサージ器20においても、冷却又は保温用物質29を収容可能な空洞を有する回転体21の開口部分を、蓋付き回転軸23で塞ぎ、蓋付き回転軸23を、ハンドル22に回転可能に軸支させる構造を採用している。これにより、マッサージ器20を冷やしたり温めたりして使用することで、回転体21を皮膚に当ててマッサージする際、冷却又は保温用物質29による冷却又は保温効果を皮膚に与えることができる。マッサージ器20によれば、二つの回転体21がV字状となっているので、ハンドル22を把持しながら、回転体21,21を回転させた際、ハンドルの角度に応じて、皮膚を摘まみ作用を得ることができる。
【0060】
(第3の実施形態)
このように、第1及び第2の実施形態では、回転体11,21を非貫通(製造上後から非貫通にしたものも含む)のものとして、内部に冷却又は保温用物質19,29を収容して、蓋付き回転軸13,23で蓋をして、ハンドルに回転可能に軸支する構造を示した。
第3の実施形態では、回転体を貫通構造とした場合にも、回転体の内部に冷却又は保温用物質を収容して、回転体を回転可能に軸支することができる構造について説明する。
【0061】
図7ないし図9に示すように、マッサージ器30は、一対の回転体31,31と、ハンドル32と、回転軸33と、軸受部材34と、ナット35と、キャップ36と、Oリング37,38とを備える。なお、図8及び図9において、軸受部材34に貫通している穴は、回転軸33を挿入するための穴であり、回転軸33の回りを、回転体31が回転することが分かるように、当該穴と回転軸33との隙間を大きめに記載しているが、実際は、ガタツキが生じないで回転する程度に、軸受部材34の貫通穴は形成されている。
【0062】
回転体31の形状は図示したものに限らず、回転体11と同様に、種々の形状を採用し得る。
【0063】
回転体31の一方には、開口31b(第1の開口)が設けられている。回転体31の他方(第1の開口に対向する側)には、開口31c(第2の開口)が設けられている。このように、回転体31は、貫通構造を有する。
【0064】
軸受部材34は、フランジ部34aと、ねじ部34bと、小径部34cと、胴部分34dとを有する。軸受部材34には、回転軸33を回転可能に貫通して挿入できる穴が設けられている。軸受部材34のハンドル側の開口はハンドル32の先端に沿った形状を有している。ただし、ハンドル32の先端に沿った形状の開口を軸受部材34に設けることは必須ではない。軸受部材34の先端側の開口は、ナット35を隠すことができるように開口しているが、これも、必須ではない。なお、Cリングなど、ナット35以外の抜け止め部材であってもよい。
【0065】
軸受部材34のねじ部34bの外径は、フランジ部34aの外径よりも小さくなっている。これにより、ねじ部34bとフランジ部34aとの境界には段差が形成されている。当該段差に、Oリング37(第1のOリング)が取り付けられる。
【0066】
軸受部材34の先端の小径部34cは、胴部分34dの外径よりも小さい。これにより、小径部34cと胴部分34dとの境界には段差が形成されている。当該段差に、Oリング38(第2のOリング)が取り付けられる。
【0067】
軸受部材34を開口31b側から回転体31に挿通して、ねじ部31aとねじ部34bとが螺合するようにねじ込んでいく。なお、たとえば、軸受部材34のハンドル側の開口に、開口部分を跨ぐようにして、マイナスの切り込みを入れておいて、マイナスドライバーで、軸受部材34を回転させながら、回転体31にねじ込むことができるようにしておけばよい。また、ハンドル32側の開口を六角柱形状にしておいて、六角レンチで、軸受部材34を回転体31にねじ込むようにしてもよい。すなわち、軸受部材34には、回転体31にねじ込むことができるような手段を設けておけばよく、その手段は、どのような構造のものであっても、本発明においては、限定されるものではない。
【0068】
開口31bは、さらに、内径の小さくなったねじ穴31aを有する。これにより、開口31bには、ねじ穴31aとの境界に段差を有することとなる。
【0069】
開口31cに対して回転体31の内壁からOリング38が当接可能なように、回転体31の当該部分の内壁が真っ直ぐになるように形成されている。なお、開口31cの少なくとも一部の内壁にねじ溝が設けられていて、軸受部材34の先端に形成された溝(第3の実施形態では形成されていない)と螺合するようになっていてもよい。
【0070】
軸受部材34は、滑りやすい樹脂などで形成されているとよいが、限定されるものではない。また、軸受部材34の内部に、別途の軸受を挿入できるようにしておいて、回転軸33を当該軸受と一緒に、軸受部材34の内部に挿入するようにしてもよい。
【0071】
回転体31の内部に、冷却又は保温用物質39を入れておいて、軸受部材34を回転体31にねじ込む。図9に示すように、Oリング37が、開口31bとねじ穴31aとの段差部分に密接する。かつ、Oリング38が、開口31c側の内壁に密接する。これによって、回転体31の内壁と軸受部材34との外周とが密閉されることとなるので、収容された冷却又は保温用物質39は、外部に漏れないこととなる。
【0072】
そして、軸受部材34の内部の穴に、回転軸33を挿通して、ナット35を回転軸33の先端のねじ溝33aに取り付けて抜け止めする。最後に、キャップ36を、回転軸33の先端部33bに差し込む。なお、キャップ36の外径は、開口31cの内径よりも小さいので、回転体31が回転する際、キャップ36は、回転体31とは一緒には回転しないようになっている。キャップ36の曲面は、回転体31の曲面に沿っているとよい。キャップ36と回転体31との間のクリアランスは小さいので、マッサージ中に、皮膚が当該クリアランスに巻き込まれることはない。
【0073】
なお、上記実施形態では、回転体31の貫通穴(開口31b)に対して、軸受部材34を螺合させ、開口31b及び31cの両方をOリング37,38で密閉することで、回転体31の内部に、冷却又は保温用物質39を収容することを可能としているが、先述したように、開口31c側も螺合するようにしてもよい。また、軸受部材34を回転体31の貫通穴に、締まり嵌めで挿入するのであれば、ねじ溝による螺合は不要となる。
【0074】
なお、第3の実施形態における回転体31と軸受部材34の構造は、第1の実施形態と同様、一本タイプのマッサージ器に使用されてもよい。また、当該構造は、3個以上の回転体31を用いるマッサージ器に使用されてもよい。
【0075】
このように、第3の実施形態では、回転体31を貫通構造として、ハンドル側の開口31bと、先端側の開口31cとを、軸受部材34の外周で繋いで、回転体31の内部を密閉することで、回転体31の内部に、冷却又は保温用物質39が漏れないように収容させることが可能となる。そして、軸受部材34の内部に、回転軸33を挿通して、抜け止めすることで、回転体31を貫通構造として、回転軸33の回りを回転可能とすることが可能となる。
【0076】
以上、本発明を詳細に説明してきたが、前述の説明はあらゆる点において本発明の例示にすぎず、その範囲を限定しようとするものではない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。本明細書に開示されている発明の構成要件は、それぞれ独立に単独した発明として成立するものとする。各構成要件をあらゆる組み合わせ方法で組み合わせた発明も、本発明に含まれることとする。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明は、マッサージ器であり、産業上利用可能である。
【符号の説明】
【0078】
10,20,30 マッサージ器
11,21,31 回転体
11a,21a,31a ねじ穴
11b,21b 開口
12,22,32 ハンドル(把持部)
22a ハンドル下部
22b ハンドル上部
12a 穴
13 蓋付き回転軸
13a,23a ねじ部
13b,23b フランジ部
13c,23c ねじ穴
14,16,24,26 軸受
15 軸受保持部材
25 軸受保持部
17,27 ネジ
18,28,37,38 Oリング
19,29,39 冷却又は保温用物質
31b 開口(第1の開口)
31c 開口(第2の開口)
33 回転軸
33a ねじ溝
33b 先端部
34 軸受部材
34a フランジ部
34b ねじ部
34c 小径部
34d 胴部分
35 ナット
36 キャップ

図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7A
図7B
図8
図9