(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024022433
(43)【公開日】2024-02-16
(54)【発明の名称】スピーカ及び電子機器
(51)【国際特許分類】
H04R 1/30 20060101AFI20240208BHJP
【FI】
H04R1/30 A
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022208176
(22)【出願日】2022-12-26
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-10-30
(31)【優先権主張番号】17/881,636
(32)【優先日】2022-08-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】517409583
【氏名又は名称】エーエーシー マイクロテック(チャンヂョウ)カンパニー リミテッド
【住所又は居所原語表記】No.3 changcao road, Hi-TECH Industrial Zone, Wujin District, Changzhou City, Jiangsu Province, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100121821
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 強
(72)【発明者】
【氏名】バックマン,ユハ
(72)【発明者】
【氏名】ランバーグ,ティモ
【テーマコード(参考)】
5D018
【Fターム(参考)】
5D018AE03
5D018AE16
(57)【要約】
【課題】本発明は、スピーカ及び電子機器を開示する。
【解決手段】スピーカは、電子機器20に取り付けられ、スピーカは、スピーカ本体10、第1発音通路11及び第2発音通路12を含み、第1発音通路11と第2発音通路12とのスピーカ本体10から離れる一方端は、電子機器20のハウジングに第1音声出力ポート13及び第2音声出力ポート14をそれぞれ形成し、第1音声出力ポート13と第2音声出力ポート14とは、電子機器20のハウジングの互いに隣接する壁面に位置する。従来の技術に比べて、本発明は、電子機器20のハウジングの互いに隣接する壁面に音声出力ポート13,14をそれぞれ形成することにより、従来の設計よりも明らかに大きなポート面積を許容するため、拡張された高周波応答とより大きなゲインを有するホーン形状の音声出力ポートの設計がより容易になり、且つ低周波での流れに関連する歪み及びノイズが低減される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器に取り付けられるスピーカであって、
振動発音用のスピーカ本体と、
第1端が前記スピーカ本体に連通し、第2端が前記電子機器のハウジングに第1音声出力ポートを形成する第1発音通路と、
第1端が前記スピーカ本体に連通し、第2端が前記電子機器のハウジングに第2音声出力ポートを形成する第2発音通路とを含み、
前記第1音声出力ポートと前記第2音声出力ポートとは、前記電子機器のハウジングの互いに隣接する壁面に位置することを特徴とするスピーカ。
【請求項2】
前記第1音声出力ポートの内径は、前記第2音声出力ポートの内径と異なることを特徴とする請求項1に記載のスピーカ。
【請求項3】
前記第1発音通路は、独立して設けられる複数の第1サブ発音通路を含み、複数の前記第1サブ発音通路の前記スピーカ本体から離れる一方端は、いずれも前記電子機器のハウジングに第1サブ音声出力ポートを形成し、前記第1音声出力ポートは、複数の前記第1サブ音声出力ポートで構成され、前記第2発音通路は、独立して設けられる複数の第2サブ発音通路を含み、複数の前記第2サブ発音通路の前記スピーカ本体から離れる一方端は、いずれも前記電子機器のハウジングに第2サブ音声出力ポートを形成し、前記第2音声出力ポートは、複数の前記第2サブ音声出力ポートで構成されることを特徴とする請求項2に記載のスピーカ。
【請求項4】
複数の前記第1サブ発音通路は、平行に並設され、複数の前記第2サブ発音通路は、平行に並設されていることを特徴とする請求項3に記載のスピーカ。
【請求項5】
前記第1発音通路と前記第2発音通路は、前記スピーカ本体の互いに隣接する壁面に接続されていることを特徴とする請求項1に記載のスピーカ。
【請求項6】
前記第1発音通路と前記第2発音通路は、前記スピーカ本体の同一壁面に接続されていることを特徴とする請求項1に記載のスピーカ。
【請求項7】
前記第1発音通路と前記第2発音通路は、前記スピーカ本体の互いに対向する壁面に接続されていることを特徴とする請求項1に記載のスピーカ。
【請求項8】
前記第1発音通路と前記第2発音通路内には、いずれも吸音材料が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のスピーカ。
【請求項9】
前記第1発音通路の第1端と前記第2発音通路の第1端とは、いずれも前記スピーカ本体の頂面から突出することを特徴とする請求項1に記載のスピーカ。
【請求項10】
前記第1発音通路の第1端は、前記第2発音通路の第1端に部分的に連通していることを特徴とする請求項1に記載のスピーカ。
【請求項11】
前記スピーカ本体の前記第1発音通路に接続される壁面は、前記電子機器での前記第1音声出力ポートが位置する壁面に平行であり、前記スピーカ本体の前記第2発音通路に接続される壁面は、前記電子機器での前記第2音声出力ポートが位置する壁面に平行であることを特徴とする請求項1に記載のスピーカ。
【請求項12】
前記スピーカ本体の前記第1発音通路に接続される壁面は、前記電子機器での前記第1音声出力ポートが位置する壁面に対して傾斜し、前記スピーカ本体の前記第2発音通路に接続される壁面は、前記電子機器での前記第2音声出力ポートが位置する壁面に対して傾斜することを特徴とする請求項1に記載のスピーカ。
【請求項13】
前記スピーカ本体は、円柱体構造であることを特徴とする請求項1に記載のスピーカ。
【請求項14】
ハウジングと、前記ハウジング内に取り付けられる請求項1~13のいずれか一項に記載のスピーカとを含むことを特徴とする電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気音響変換の技術分野に関し、特にスピーカ及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術は、2つ以上の音声ポートを有する電話及び他の携帯型装置と、複数のホーンを有する単一の駆動器(スピーカ本体)を用いるホーンスピーカと、ハウジングの複数の側面に開口を有する又はハウジングを囲んで延在する開口を有するスピーカとの3つの主なグループに区分され得る。
【0003】
従来のスピーカポートの配置は、電子機器のハウジングの片側に向かって開口する音響出口を有する。該音響出口は、ホーン形状であってもよい。ホーンは、屈曲し又は折り畳まれてもよく、矩形のスピーカ本体のフロントチャンバの両端に接続される2つの出口を有してもよい。
【0004】
電子機器に用いられるスピーカの駆動器は、相当に有能なデバイスであり、自由空気中で使用される時に、通常、20kHz以上と高い周波数の高品質の音響出力を生成する。現在では、電子機器を設計する基本的な方法において、スピーカの音声出力ポートを電子機器の片側(一般的には末端)に位置させるように制限する。そうすると、以下のようにいくつかの問題が引き起こされる。
低周波では、音声出力ポート内の流速が非常に高く、不必要なノイズ及び歪みを引き起こす。
高周波では、駆動器がデバイスのエッジに非常に近接しない限り、十分に高いポート―チャンバの共振周波数を有するストレートポートを設計することができない。
早期段階での通信スピーカに比べて、より大きな変位を有する新たな駆動器は、より高いフロントチャンバを有する必要がある。これで、ポート―チャンバ共振が高周波出力を過剰に制限しないように、より大きな音声出力ポートの面積を使用する必要もある。
ポートのサイズが小さい場合に、ホーンのロードで実現され得るゲインと高周波ポートの共振に対する制御とは、限られる。
また、ステレオ及びマルチチャネル再生に用いられるデバイスにおいて、複数のスピーカを使用することがますます一般的になり、且つデバイスが垂直に保持される(「縦モード」)場合に、一端でスピーカの距離が非常に小さくなり、ステレオの品質を制限する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、従来の技術における技術課題を解決するために、良好な音響ゲイン及び平坦な周波数応答を実現可能なスピーカ及び電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、スピーカを提供し、該スピーカは、電子機器に取り付けられ、
振動発音用のスピーカ本体と、
第1端が前記スピーカ本体に連通し、第2端が前記電子機器のハウジングに第1音声出力ポートを形成する第1発音通路と、
第1端が前記スピーカ本体に連通し、第2端が前記電子機器のハウジングに第2音声出力ポートを形成する第2発音通路とを含み、
前記第1音声出力ポートと前記第2音声出力ポートとは、前記電子機器のハウジングの互いに隣接する壁面に位置する。
【0007】
前記のようなスピーカであって、ここで、好ましくは、前記第1音声出力ポートの内径は、前記第2音声出力ポートの内径と異なる。
【0008】
前記のようなスピーカであって、ここで、好ましくは、前記第1発音通路は、独立して設けられる複数の第1サブ発音通路を含み、複数の前記第1サブ発音通路の前記スピーカ本体から離れる一方端は、いずれも前記電子機器のハウジングに第1サブ音声出力ポートを形成し、前記第1音声出力ポートは、複数の前記第1サブ音声出力ポートで構成され、前記第2発音通路は、独立して設けられる複数の第2サブ発音通路を含み、複数の前記第2サブ発音通路の前記スピーカ本体から離れる一方端は、いずれも前記電子機器のハウジングに第2サブ音声出力ポートを形成し、前記第2音声出力ポートは、複数の前記第2サブ音声出力ポートで構成される。
【0009】
前記のようなスピーカであって、ここで、好ましくは、複数の前記第1サブ発音通路は、平行に並設され、複数の前記第2サブ発音通路は、平行に並設されている。
【0010】
前記のようなスピーカであって、ここで、好ましくは、前記第1発音通路と前記第2発音通路は、前記スピーカ本体の互いに隣接する壁面に接続されている。
【0011】
前記のようなスピーカであって、ここで、好ましくは、前記第1発音通路と前記第2発音通路は、前記スピーカ本体の同一壁面に接続されている。
【0012】
前記のようなスピーカであって、ここで、好ましくは、前記第1発音通路と前記第2発音通路は、前記スピーカ本体の互いに対向する壁面に接続されている。
【0013】
前記のようなスピーカであって、ここで、好ましくは、前記第1発音通路と前記第2発音通路内には、いずれも吸音材料が設けられている。
【0014】
前記のようなスピーカであって、ここで、好ましくは、前記第1発音通路の第1端と前記第2発音通路の第1端とは、いずれも前記スピーカ本体の頂面から突出する。
【0015】
前記のようなスピーカであって、ここで、好ましくは、前記第1発音通路の第1端は、前記第2発音通路の第1端に部分的に連通している。
【0016】
前記のようなスピーカであって、ここで、好ましくは、前記スピーカ本体の前記第1発音通路に接続される壁面は、前記電子機器での前記第1音声出力ポートが位置する壁面に平行であり、前記スピーカ本体の前記第2発音通路に接続される壁面は、前記電子機器での前記第2音声出力ポートが位置する壁面に平行である。
【0017】
前記のようなスピーカであって、ここで、好ましくは、前記スピーカ本体の前記第1発音通路に接続される壁面は、前記電子機器での前記第1音声出力ポートが位置する壁面に対して傾斜し、前記スピーカ本体の前記第2発音通路に接続される壁面は、前記電子機器での前記第2音声出力ポートが位置する壁面に対して傾斜する。
【0018】
前記のようなスピーカであって、ここで、好ましくは、前記スピーカ本体は、円柱体構造である。
【0019】
本発明は、電子機器を更に提供し、ハウジングと、前記ハウジング内に取り付けられる前述のスピーカとを含む。
【発明の効果】
【0020】
従来の技術に比べて、本発明は、電子機器のハウジングの互いに隣接する壁面に音声出力ポートをそれぞれ形成することにより、従来の設計よりも明らかに大きなポート面積を許容することにより、拡張された高周波応答とより大きなゲインを有するホーン形状の音声出力ポートの設計がより容易になり、且つ低周波での流れに関連する歪み及びノイズが低減される。マルチポートの使用は、設計者へ多くの自由度を提供することにより、良好な音響ゲイン及び平坦な周波数応答を実現する。波面形状の適切な設計(チャネルの形状により実現される)により、システムの音響中心は、電子機器のコーナーの近傍に配置されてもよく、いくつかの場合に、仮想音響中心は、更にシステムの物理的な幅の外に位置してもよく、これはより広いステレオ画像を提供する点で顕著な優位性を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の実施例に係る第1種の構成を有するスピーカの斜視図である。
【
図2】本発明の実施例に係る第2種の構成を有するスピーカの斜視図である。
【
図3】本発明の実施例に係る第3種の構成を有するスピーカの斜視図である。
【
図4】本発明の実施例に係る第4種の構成を有するスピーカの斜視図である。
【
図5】本発明の実施例に係る第5種の構成を有するスピーカの斜視図である。
【
図6】本発明の実施例に係る第6種の構成を有するスピーカの斜視図である。
【
図7】本発明の実施例に係る第7種の構成を有するスピーカの斜視図である。
【
図8】本発明の実施例に係る第8種の構成を有するスピーカの斜視図である。
【
図9】本発明の実施例に係る第9種の構成を有するスピーカの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に図面を参照して説明した実施例は、例示的なものであり、本発明を説明するためのものに過ぎず、本発明を限定するものと解釈することができない。
【0023】
図1~
図9に示すように、本発明の実施例は、スピーカを提供し、電子機器20に取り付けられ、スピーカは、スピーカ本体10、第1発音通路11及び第2発音通路12を含み、
スピーカ本体10の内部には、チャンバを有し、駆動器を収容し、駆動器は、スピーカ本体10のチャンバを前音響チャンバ及び密閉された後音響チャンバに仕切り、振動発音に用いられ、実行可能な実施形態において、駆動器は、振動膜、ボイスコイル及び磁気回路ユニット等の構造を含み、磁気回路ユニットの作用で、変化する電流を有するボイスコイルは、異なる大きさのアンペア力を受けて振動し、ボイスコイルの振動は、振動膜を振動させるように駆動し、振動膜の振動は、周囲の空気振動を駆動し、それにより音を発生させる。
【0024】
第1発音通路11は、第1端がスピーカ本体10に連通し、第1発音通路11の第2端が電子機器20のハウジングに第1音声出力ポート13を形成する。
【0025】
第2発音通路12は、第1端がスピーカ本体10に連通し、第2発音通路12の第2端が電子機器20のハウジングに第2音声出力ポート14を形成する。
【0026】
第1音声出力ポート13と第2音声出力ポート14とは、電子機器20のハウジングの互いに隣接する壁面に位置する。
【0027】
実行可能な実施形態において、第1音声出力ポート13及び第2音声出力ポート14は、いずれも扁平な帯状孔であり、第1発音通路11及び第2発音通路12はそれぞれ、第1音声出力ポート13及び第2音声出力ポート14を介してスピーカ本体10の外部と連通し、スピーカ本体10の振動で発された音声を伝達し、当業者であれば分かるように、実際の状況に基づいて第1音声出力ポート13及び第2音声出力ポート14の形状及びサイズを適応的に変更可能である。
【0028】
上記実施例は、電子機器20のハウジングの互いに隣接する壁面に音声出力ポートをそれぞれ形成することにより、従来の設計よりも明らかに大きなポート面積を許容するため、拡張された高周波応答とより大きなゲインを有するホーン形状の音声出力ポートの設計がより容易になり、且つ低周波での流れに関連する歪み及びノイズが低減される。マルチポートの使用は、設計者へ多くの自由度を提供することにより、良好な音響ゲイン及び平坦な周波数応答を実現する。波面形状の適切な設計(チャネルの形状により実現される)により、システムの音響中心は、電子機器20のコーナーの近傍に配置されてもよく、いくつかの場合に、仮想音響中心は、更にシステムの物理的な幅の外に位置してもよく、これはより広いステレオ画像を提供する点で顕著な優位性を提供する。
【0029】
本発明の実施例において、第1音声出力ポート13の内径は、第2音声出力ポート14の内径と異なるため、音響出力信号を組み合わせて例えば単一のポート又は2つ以上の同じポートが有する可能性のあるより平坦な周波数応答又はより良い制御極性特性を有する。
【0030】
本発明の実施例において、
図3、
図5、
図7及び
図9に示すように、第1発音通路11は、独立して設けられる複数の第1サブ発音通路111を含み、複数の第1サブ発音通路111のスピーカ本体から離れる一方端は、いずれも電子機器20のハウジングに第1サブ音声出力ポート131を形成し、第1音声出力ポート13は、複数の第1サブ音声出力ポート131で構成され、好ましくは、第1発音通路11は、独立して設けられる2つの第1サブ発音通路111を含み、2つの第1サブ発音通路111は、平行に並設され、いずれも電子機器20のハウジングの同一側の壁面に設けられ、第1音声出力ポート13は、2つの隣接して且つ平行な第1サブ発音通路111で構成される。
【0031】
同一平面に位置する一対の第1サブ発音通路111の断面の面積は、等しく、このように2つの通路は、音響において基本的に互いに対称であり、このように音響非対称構造を用いて発生された四分の一波共振を回避し、該共振は、波の傾斜をもたらし、それにより高周波出力を低減する。
【0032】
第2発音通路12は、独立して設けられる複数の第2サブ発音通路121を含み、複数の第2サブ発音通路121のスピーカ本体から離れる一方端は、いずれも電子機器20のハウジングに第2サブ音声出力ポートを形成し、第2音声出力ポート14は、複数の第2サブ音声出力ポートで構成され、好ましくは、第2発音通路12は、独立して設けられる2つの第2サブ発音通路121を含み、2つの第2サブ発音通路121は、平行に並設され、いずれも電子機器20のハウジングの同じ側の壁面に設けられ、第2サウンド出力ポート14は、2つの近接して且つ平行な第2サブ発音通路121で構成される。
【0033】
同一平面に位置する一対の第2サブ発音通路121の断面の面積は、等しく、このように2つの通路は、音響において基本的に互いに対称であり、このように音響非対称構造を用いて発生された四分の一波共振を回避し、該共振は、波の傾斜をもたらし、それにより高周波出力を低減する。
【0034】
実行可能な実施形態において、第1音声出力ポート13と第2音声出力ポート14とは、重力方向において同じ高さに位置してもよく、高度差を有してもよく、ここで限定しない。
【0035】
本発明の実施例において、第1発音通路11及び第2発音通路12は、直であってもよく、又は湾曲/折り畳みであってもよく、好ましくは、第1発音通路11及び第2発音通路12の面積は、スピーカ本体から対応する音声出力ポートの方向に徐々に増加し、これはスピーカにより発生された音波の最高周波数を向上させるだけでなく、音波の高周波共振をそれほど鋭くさせることができる。
【0036】
好ましくは、第1発音通路11と第2発音通路12内には、いずれも吸音材料が設けられている。吸音材料は、多孔質構造であることが好ましく、例えば粗密多孔質繊維、フォーム粒子、ゼオライト、活性炭などの材料であり、スピーカ本体が振動する時に、吸音材料は、同調に関与し、必要な音響効果を生成する。
【0037】
本発明の実施例において、駆動器は、動的、圧電、MEMS又は電磁アクチュエータを含むがこれらに限定されない。
【0038】
図1は、本発明の実施例に係る第1種の構成を有するスピーカの斜視図であり、
図1に示すように、スピーカ本体10の第1発音通路11に接続される壁面は、電子機器20での第1音声出力ポート13が位置する壁面に平行であり、スピーカ本体10の第2発音通路12に接続される壁面は、電子機器20での第2音声出力ポート14が位置する壁面に平行であり、第1発音通路11及び第2発音通路12は、スピーカ本体10の互いに隣接する壁面に接続され、第1発音通路11と第2発音通路12とは、いずれもストレート構造である。
【0039】
図2は、本発明の実施例に係る第2種の構成を有するスピーカの斜視図であり、
図2に示すように、スピーカ本体10の第1発音通路11に接続される壁面は、電子機器20での第1音声出力ポート13が位置する壁面に平行であり、スピーカ本体10の第2発音通路12に接続される壁面は、電子機器20での第2音声出力ポート14が位置する壁面に平行であり、第1発音通路11及び第2発音通路12は、スピーカ本体10の互いに隣接する壁面に接続され、第1発音通路11と第2発音通路12とは、いずれもホーン形状構造である。
【0040】
図3は、本発明の実施例に係る第3種の構成を有するスピーカの斜視図であり、
図3に示すように、スピーカ本体10の第1発音通路11に接続される壁面は、電子機器20での第1音声出力ポート13が位置する壁面に平行であり、スピーカ本体10の第2発音通路12に接続される壁面は、電子機器20での第2音声出力ポート14が位置する壁面に平行であり、第1発音通路11及び第2発音通路12は、スピーカ本体10の互いに隣接する壁面に接続され、第1発音通路11と第2発音通路12とは、いずれもホーン形状構造であり、第1発音通路11は、独立して設けられる2つの第1サブ発音通路111を含み、第2発音通路12は、独立して設けられる2つの第2サブ発音通路121を含む。
【0041】
図4は、本発明の実施例に係る第4種の構成を有するスピーカの斜視図であり、
図4に示すように、スピーカ本体10が回転し、スピーカ本体10の第1発音通路11に接続される壁面は、電子機器20での第1音声出力ポート13が位置する壁面に対して傾斜し、スピーカ本体10の第2発音通路12に接続される壁面は、電子機器20での第2音声出力ポート14が位置する壁面に対して傾斜し、第1発音通路11及び第2発音通路12は、スピーカ本体10の互いに対向する壁面に接続され、第1発音通路11と第2発音通路12とは、いずれもホーン形状構造であり、ホーン形状構造が一定の角度で回転する。
【0042】
図5は、本発明の実施例に係る第5種の構成を有するスピーカの斜視図であり、
図5に示すように、スピーカ本体10の第1発音通路11に接続される壁面は、電子機器20での第1音声出力ポート13が位置する壁面に平行であり、スピーカ本体10の第2発音通路12に接続される壁面は、電子機器20での第2音声出力ポート14が位置する壁面に平行であり、第1発音通路11及び第2発音通路12は、スピーカ本体10の互いに隣接する壁面に接続され、第1発音通路11と第2発音通路12とは、いずれもホーン形状構造であり、第1発音通路11は、独立して設けられる2つの第1サブ発音通路111を含み、第2発音通路12は、独立して設けられる2つの第2サブ発音通路121を含む。第1放音通路11と第2放音通路12とは、スピーカ本体10の頂面において一定の距離延在する。
【0043】
図6は、本発明の実施例に係る第6種の構成を有するスピーカの斜視図であり、
図6に示すように、スピーカ本体10の第1発音通路11に接続される壁面は、電子機器20での第1音声出力ポート13が位置する壁面に平行であり、スピーカ本体10の第2発音通路12に接続される壁面は、電子機器20での第2音声出力ポート14が位置する壁面に平行であり、第1発音通路11及び第2発音通路12は、スピーカ本体10の互いに隣接する壁面に接続され、第1発音通路11と第2発音通路12とは、いずれもホーン形状構造であり、第1発音通路11と第2発音通路12とは、起点近傍で互いに接続されている。
【0044】
図7は、本発明の実施例に係る第7種の構成を有するスピーカの斜視図であり、
図7に示すように、スピーカ本体10の第1発音通路11に接続される壁面は、電子機器20での第1音声出力ポート13が位置する壁面に対して傾斜し、スピーカ本体10の第2発音通路12に接続される壁面は、電子機器20での第2音声出力ポート14が位置する壁面に対して傾斜し、第1発音通路11及び第2発音通路12は、スピーカ本体10の同一壁面に接続され、第1発音通路11と第2発音通路12とは、いずれもホーン形状構造である。
【0045】
図8は、本発明の実施例に係る第8種の構成を有するスピーカの斜視図であり、
図8に示すように、スピーカ本体10の第1発音通路11に接続される壁面は、電子機器20での第1音声出力ポート13が位置する壁面に平行であり、スピーカ本体10の第2発音通路12に接続される壁面は、電子機器20での第2音声出力ポート14が位置する壁面に平行であり、第1発音通路11及び第2発音通路12は、スピーカ本体10の互いに対向する壁面に接続され、第1発音通路11と第2発音通路12とは、いずれもホーン形状構造であり、第1音声出力ポート13及び第2音声出力ポート14は、重力方向において高度差を有する。
【0046】
図9は、本発明の実施例に係る第9種の構成を有するスピーカの斜視図であり、
図9に示すように、第1発音通路11及び第2発音通路12は、スピーカ本体10の互いに隣接する壁面に接続され、第1発音通路11と第2発音通路12とは、いずれもホーン形状構造であり、第1発音通路11は、独立して設けられる2つの第1サブ発音通路111を含み、第2発音通路12は、独立して設けられる2つの第2サブ発音通路121を含み、スピーカ本体10の断面は、円形構造である。
【0047】
以上の実施例に基づいて、本願は、電子機器20を更に提供し、電子機器20は、携帯電話、タブレットコンピュータ、ノートパソコン、ウェアラブル装置、仮想現実装置、ブルートゥース(登録商標)イヤホン又は車載装置などスピーカを有する移動又は固定端末装置を含むがそれらに限定されない。
【0048】
電子機器20は、ハウジングを含み、ハウジング内に収容キャビティが設けられることにより、電池、撮像モジュール、スピーカ等の電子機器を収容する。
【0049】
以上は、図面に示す実施例に基づいて本発明の構造、特徴及び作用効果を詳細に説明し、以上は単に本発明の好ましい実施例であるが、本発明は、図面に示される実施範囲を限定せず、本発明の構想に応じて行われる変更、又は同等変化の等価実施例に修正することは、依然として明細書及び図面に含まれる精神から逸脱しない場合、いずれも本発明の保護範囲内にあるべきである。
【符号の説明】
【0050】
10 スピーカ本体
11 第1発音通路
111 第1サブ発音通路
12 第2発音通路
121 第2サブ発音通路
13 第1音声出力ポート
131 第1サブ音声出力ポート
14 第2音声出力ポート
141 第2サブ音声出力ポート
20 電子機器
【手続補正書】
【提出日】2023-07-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器に取り付けられるスピーカであって、
振動発音用のスピーカ本体と、
第1端が前記スピーカ本体に連通し、第2端が前記電子機器のハウジングに第1音声出力ポートを形成する第1発音通路と、
第1端が前記スピーカ本体に連通し、第2端が前記電子機器のハウジングに第2音声出力ポートを形成する第2発音通路とを含み、
前記ハウジングの互いに隣接する壁面を第1壁面及び第2壁面とする場合、前記第1音声出力ポートが前記第1壁面に位置し、前記第2音声出力ポートが前記第2壁面に位置し、
前記スピーカ本体の壁面のうち前記第1発音通路の第1端に接続される壁面は、前記第1壁面に対して傾斜し、
前記スピーカ本体の壁面のうち前記第2発音通路の第1端に接続される壁面は、前記第2壁面に対して傾斜し、
前記第1発音通路は、前記第1発音通路の第1端から第2端に向かって断面積が徐々に大きくなるホーン形状構造をなすとともに湾曲しており、
前記第2発音通路は、前記第2発音通路の第1端から第2端に向かって断面積が徐々に大きくなるホーン形状構造をなすとともに湾曲していることを特徴とするスピーカ。
【請求項2】
前記第1音声出力ポートの内径は、前記第2音声出力ポートの内径と異なることを特徴とする請求項1に記載のスピーカ。
【請求項3】
前記第1発音通路は、独立して設けられる複数の第1サブ発音通路を含み、複数の前記第1サブ発音通路の前記スピーカ本体から離れる一方端は、いずれも前記第1壁面に第1サブ音声出力ポートを形成し、前記第1音声出力ポートは、複数の前記第1サブ音声出力ポートで構成され、前記第2発音通路は、独立して設けられる複数の第2サブ発音通路を含み、複数の前記第2サブ発音通路の前記スピーカ本体から離れる一方端は、いずれも前記第2壁面に第2サブ音声出力ポートを形成し、前記第2音声出力ポートは、複数の前記第2サブ音声出力ポートで構成されることを特徴とする請求項2に記載のスピーカ。
【請求項4】
前記第1発音通路と前記第2発音通路は、前記スピーカ本体の互いに隣接する壁面に接続されていることを特徴とする請求項1に記載のスピーカ。
【請求項5】
前記第1発音通路と前記第2発音通路は、前記スピーカ本体の同一壁面に接続されていることを特徴とする請求項1に記載のスピーカ。
【請求項6】
前記第1発音通路と前記第2発音通路は、前記スピーカ本体の互いに対向する壁面に接続されていることを特徴とする請求項1に記載のスピーカ。
【請求項7】
前記第1発音通路は、前記第2壁面側に湾曲しており、
前記第2発音通路は、前記第1壁面側に湾曲していることを特徴とする請求項6に記載のスピーカ。
【請求項8】
前記第1発音通路と前記第2発音通路内には、いずれも吸音材料が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のスピーカ。
【請求項9】
前記第1発音通路の第1端と前記第2発音通路の第1端とは、いずれも前記スピーカ本体の頂面から突出することを特徴とする請求項1に記載のスピーカ。
【請求項10】
前記第1発音通路の第1端は、前記第2発音通路の第1端に部分的に連通していることを特徴とする請求項1に記載のスピーカ。
【請求項11】
前記スピーカ本体は、円柱体構造であることを特徴とする請求項1に記載のスピーカ。
【請求項12】
ハウジングと、前記ハウジング内に取り付けられる請求項1~11のいずれか一項に記載のスピーカとを含むことを特徴とする電子機器。