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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024022435
(43)【公開日】2024-02-16
(54)【発明の名称】スピーカ及び電子機器
(51)【国際特許分類】
   H04R 1/28 20060101AFI20240208BHJP
   H04R 1/02 20060101ALI20240208BHJP
【FI】
H04R1/28 310Z
H04R1/02 102Z
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022209322
(22)【出願日】2022-12-27
(31)【優先権主張番号】17/881,662
(32)【優先日】2022-08-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ブルートゥース
(71)【出願人】
【識別番号】517409583
【氏名又は名称】エーエーシー マイクロテック(チャンヂョウ)カンパニー リミテッド
【住所又は居所原語表記】No.3 changcao road, Hi-TECH Industrial Zone, Wujin District, Changzhou City, Jiangsu Province, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100128347
【弁理士】
【氏名又は名称】西内 盛二
(72)【発明者】
【氏名】スロッテ,ベネディクト
【テーマコード(参考)】
5D017
5D018
【Fターム(参考)】
5D017AE21
5D018AD08
5D018AD16
5D018AD22
(57)【要約】      (修正有)
【課題】スピーカの音声品質を改善するスピーカ及び電子機器を提供する。
【解決手段】スピーカ1は、スピーカハウジング10、スピーカ本体11及び共振器12を含む。スピーカ本体は、スピーカハウジング内に設けられ、スピーカ本体が振動発音するために用いられ、スピーカ本体がスピーカハウジングを前音響チャンバ及び後音響チャンバに仕切り、スピーカハウジングには拡声孔が開設され、前音響チャンバが拡声孔を介してスピーカハウジングの外部と連通し、共振器は、スピーカハウジングに設けられ、共振器は一方側が前音響チャンバに対応して設けられ、他方側がスピーカハウジングの外部に露出する。
【効果】スピーカの前音響チャンバ内に共振器を結合して設けることにより、スピーカの高周波再生を改善しスピーカの相互変調歪みを低減するという目的を達成し、最終的に電子機器におけるスピーカの音声品質を改善する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スピーカであって、
スピーカハウジング、スピーカ本体及び共振器を含み、
前記スピーカ本体は、前記スピーカハウジング内に設けられ、前記スピーカ本体は、振動発音するために用いられ、前記スピーカ本体は、前記スピーカハウジングを前音響チャンバ及び後音響チャンバに仕切り、前記スピーカハウジングには、拡声孔が開設され、前記前音響チャンバは、前記拡声孔を介して前記スピーカハウジングの外部と連通し、
前記共振器は、前記スピーカハウジングに設けられ、前記共振器は、一方側が前記前音響チャンバに対応して設けられ、他方側が前記スピーカハウジングの外部に露出することを特徴とするスピーカ。
【請求項2】
前記拡声孔は、前記スピーカ本体の振動方向の法線方向に位置し、前記共振器は、前記スピーカ本体に近接しつつ、前記拡声孔から離れるように設けられていることを特徴とする請求項1に記載のスピーカ。
【請求項3】
前記共振器は、前記スピーカ本体の振動方向の法線方向に位置し、前記拡声孔と前記共振器とは、前記スピーカハウジングの対向する両側に設けられていることを特徴とする請求項2に記載のスピーカ。
【請求項4】
前記スピーカ本体の振動方向の法線方向において、前記スピーカハウジングでの前記拡声孔の正投影は、前記スピーカハウジングでの前記共振器の正投影内に完全に含まれることを特徴とする請求項3に記載のスピーカ。
【請求項5】
前記共振器は、前記スピーカ本体の振動方向に位置し、且つ前記スピーカ本体と対向する位置に設けられていることを特徴とする請求項2に記載のスピーカ。
【請求項6】
前記共振器の延在方向は、前記スピーカ本体の振動方向と所定の夾角を形成することを特徴とする請求項2に記載のスピーカ。
【請求項7】
前記共振器は、複数設けられていることを特徴とする請求項1に記載のスピーカ。
【請求項8】
前記スピーカ内には、吸音材料が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のスピーカ。
【請求項9】
前記共振器は、アダプタを介して前記スピーカハウジングに固定設置され、前記共振器は、前記スピーカハウジングに一体成形されるか又は前記共振器は、音響ダンピングを有するメッシュにより保護されることを特徴とする請求項1に記載のスピーカ。
【請求項10】
電子機器であって、ハウジングと、前記ハウジング内に取り付けられた請求項1~9のいずれか一項に記載のスピーカとを含み、前記ハウジングには、音出し孔が開設され、前記音出し孔は、前記拡声孔と対向し且つ連通することを特徴とする電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気音響変換の技術分野に関し、特にスピーカ及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器のスピーカにおいて、機械及び工業設計の多くの制限のため、スピーカの従来のサイズの音響ポートは、最高のオーディオ周波数でうまく動作することができない。10~20キロヘルツの領域は、特に問題となり、オーディオ範囲内の一部が深刻に抑制されるため、スピーカのオーディオ効果が低減される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、従来技術における技術課題を解決するために、スピーカの最高オーディオ周波数でのオーディオ出力を改善し、それにより音声品質を向上させるスピーカ及び電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、スピーカを提供し、
スピーカハウジング、スピーカ本体及び共振器を含み、
前記スピーカ本体は、前記スピーカハウジング内に設けられ、前記スピーカ本体は、振動発音するために用いられ、前記スピーカ本体は、前記スピーカハウジングを前音響チャンバ及び後音響チャンバに仕切り、前記スピーカハウジングには、拡声孔が開設され、前記前音響チャンバは、前記拡声孔を介して前記スピーカハウジングの外部と連通し、
前記共振器は、前記スピーカハウジングに設けられ、前記共振器は、一方側が前記前音響チャンバに対応して設けられ、他方側が前記スピーカハウジングの外部に露出する。
【0005】
前記のようなスピーカであって、ここで、好ましくは、前記拡声孔は、前記スピーカ本体の振動方向の法線方向に位置し、前記共振器は、前記スピーカ本体に近接しつつ、前記拡声孔から離れるように設けられている。
【0006】
前記のようなスピーカであって、ここで、好ましくは、前記共振器は、前記スピーカ本体の振動方向の法線方向に位置し、前記拡声孔と前記共振器とは、前記スピーカハウジングの対向する両側に設けられている。
【0007】
前記のようなスピーカであって、ここで、好ましくは、前記スピーカ本体の振動方向の法線方向において、前記スピーカハウジングでの前記拡声孔の正投影は、前記スピーカハウジングでの前記共振器の正投影内に完全に含まれる。
【0008】
前記のようなスピーカであって、ここで、好ましくは、前記共振器は、前記スピーカ本体の振動方向に位置し、且つ前記スピーカ本体と対向する位置に設けられている。
【0009】
前記のようなスピーカであって、ここで、好ましくは、前記共振器の延在方向は、前記スピーカ本体の振動方向と所定の夾角を形成する。
【0010】
前記のようなスピーカであって、ここで、好ましくは、前記共振器は、複数設けられている。
【0011】
前記のようなスピーカであって、ここで、好ましくは、前記スピーカ内には、吸音材料が設けられている。
【0012】
前記のようなスピーカであって、ここで、好ましくは、前記共振器は、アダプタを介して前記スピーカハウジングに固定設置され、前記共振器は、前記スピーカハウジングに一体成形されるか又は前記共振器は、音響ダンピングを有するメッシュにより保護される。
【0013】
本発明は、電子機器を更に提供し、前記電子機器は、ハウジングと、前記ハウジング内に取り付けられた前述のスピーカとを含み、前記ハウジングには、音出し孔が開設され、前記音出し孔は、前記拡声孔と対向し且つ連通する。
【発明の効果】
【0014】
従来技術に比べて、本発明は、スピーカの前音響チャンバ内に共振器を結合して設けることにより、スピーカの高周波再生を改善しスピーカの相互変調歪みを低減するという目的を達成し、最終的に電子機器におけるスピーカの音声品質を改善する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本願の実施例に係る第1種の構造のスピーカの軸測定図である。
図2】本願の実施例に係る第1種の構造のスピーカの平面図である。
図3】本願の実施例に係る図2におけるA-A箇所に対応する断面構成を示す模式図である。
図4】本願の実施例に係る第1種の構造のスピーカを有する電子機器の軸測定図である。
図5】本願の実施例に係る第1種の構造のスピーカを有する電子機器の側面図である。
図6】本願の実施例に係る図5におけるB-B箇所に対応する断面構成を示す模式図である。
図7】本願の実施例に係る第2種の構造のスピーカの軸測定図である。
図8】本願の実施例に係る第2種の構造のスピーカの平面図である。
図9】本願の実施例に係る図8におけるC-C箇所に対応する断面構成を示す模式図である。
図10】本願の実施例に係る第2種の構造のスピーカを有する電子機器の軸測定図である。
図11】本願の実施例に係る第2種の構造のスピーカを有する電子機器の側面図である。
図12】本願の実施例に係る図11におけるD-D箇所に対応する断面構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に本発明の実施例を詳細に説明し、前記実施例の例示は、図面に示され、ここで、一貫する同一又は類似の符号は、同一又は類似の素子又は同一又は類似の機能を有する素子を示す。以下に図面を参照して説明した実施例は、例示的なものであり、本発明を説明するためのものに過ぎず、本発明を限定するものと解釈することができない。
【0017】
従来技術において、電子機器内に設けられたスピーカは、最高のオーディオ周波数での良好な出力に乏しく、従来の解決策は、複数種があり、例えば音響ポートをできるだけ短くし、及び/又はその外端をできるだけ広くし、又は、音響ポートを細くしてもよく、それによりその外端が内端よりも広く、且つ電子機器のハウジング内の総開口面積を増大させる。
【0018】
しかしながら、これらの解決策は、常に可能ではなく、それは多くの空間を必要とする可能性があるが、電子機器内に空間が割り当て不可能な領域が存在する。多くの場合、機械及び工業設計への市場の要求により、常に以上の解決策を実現することができず、音響ポートの長さが長くなりすぎる可能性があり、及び/又は電子機器のハウジングの可視面箇所での音響ポート領域が小さくなりすぎて所望の良好な高周波出力を実現することができない可能性がある。
【0019】
上述した問題に基づいて、図1図12に示すように、本願の実施例は、スピーカ1を提供し、該スピーカ1は、スピーカハウジング10、スピーカ本体11及び共振器12を含む。
【0020】
スピーカハウジング10の内部には、チャンバを有し、スピーカ本体11を収容し、スピーカ本体11は、振動発音するために用いられ、実行可能な実施形態において、スピーカ本体11は、振動膜、ボイスコイル及び磁気回路ユニットなどの構造を含んでもよい。磁気回路ユニットの作用で、変化する電流を有するボイスコイルは、異なる大きさのアンペア力を受けて振動する。ボイスコイルの振動は、振動膜を振動させるように駆動し、振動膜の振動は、周囲の空気を振動させるように駆動し、それにより音声を発生する。
【0021】
スピーカ本体11は、スピーカハウジング10のチャンバを前音響チャンバ101及び後音響チャンバ102に仕切り、本願の実施例において、スピーカ本体11の振動方向を第1方向L1と定義し、スピーカ本体11の振動方向の法線方向を第2方向L2と定義し、第1方向L1は、第2方向L2に垂直である。前音響チャンバ101の本体部分は、ほぼ第2方向L2に沿って延在する。
【0022】
スピーカハウジング10には、拡声孔103が開設され、実行可能な実施形態において、拡声孔103は、扁平な帯状孔であり、前音響チャンバ101は、拡声孔103を介しスピーカハウジング10の外部と連通し、スピーカ本体11が振動して発生する音を伝達していき、拡声孔103は、後に言及する電子機器2の音出し孔22の位置、形状及びサイズにマッチングし、当業者であれば分かるように、実際の状況に応じて拡声孔103の位置、形状及びサイズを適応的に変更してもよい。
【0023】
共振器12は、スピーカハウジング10に設けられ、共振器12は、一方側が前音響チャンバ101に対応して設けられ、前音響チャンバ101と結合され、共振器12を音波の伝播経路に位置させ、共振器12は、他方側がスピーカハウジング10の外部に露出する。
【0024】
実現可能な実施形態において、共振器12は、ベース121と、ベース121の上に設けられた複合膜122とを含み、複合膜122は、ベース121の厚さ方向に沿って順次設けられた第1電極、圧電機能膜、第2電極及び周波数変調器を含む。
【0025】
別の実施形態において、共振器12は、完全にパッシブであるため、任意の電極を必要とせず、任意の適切な機械的特性を有する材料で製造可能である。
【0026】
共振器12は、前音響チャンバ101に結合され、前音響チャンバ101内に音響インピーダンスを提供し、該音響インピーダンスは、前音響チャンバ101に沿って伝播する平面音波のインピーダンス整合として、前音響チャンバ101の軸線方向での高次モードを減衰し、更に、共振器12は、このような減衰効果を高周波に集中するように設計される。
【0027】
機械的には、共振器12における複合膜122に適切なダンピングパラメータを選択することにより必要な抵抗を実現可能であり、共振器12は、更に音響容量を自然に生成し、音響容量の選択により減衰効果が高周波のみに集中する。これは、共振器12における複合膜122の剛性を適切に選択することにより達成される。
【0028】
共振器12は、不可避的にいくつかの音響質量を生成し、音響インピーダンスを合成する部分は、あまり必要ではなく、これにより共振器12の複合膜122を軽減することにより音響質量を最小化可能である。しかしながら、いくつかの場合に、高周波領域の挙動を微調整するために、付加音響質量がわずかに高いことを許容可能である。
【0029】
本願の実施例は、スピーカ1の前音響チャンバ101内に共振器12を結合して設けることにより、スピーカ1の高周波再生を改善しスピーカ1の相互変調歪みを低減するという目的を達成し、最終的に電子機器2におけるスピーカ1の音声品質を改善する。
【0030】
本願の実施例に係るスピーカ1は、特に薄型電子機器2のエッジに適用し、該電子機器2の音出し孔22の面積が厳しく制限される。
【0031】
本願の実施例において、拡声孔103は、スピーカ本体11の振動方向の法線方向に位置し、第1方向L1において、チャンバは、スピーカ本体11により上下の2つの部分に仕切られ、前音響チャンバ101と後音響チャンバ102は、スピーカ本体11の第1方向L1の対向する両側に位置し、図3及び図9に示すように、前音響チャンバ101は、スピーカ本体11の上方に位置し、後音響チャンバ102は、スピーカ本体11の下方に位置する。前音響チャンバ101は、第2方向L2に沿って延在する。拡声孔103は、前音響チャンバ101のスピーカ本体11から離れる一端に位置する。共振器12は、前音響チャンバスピーカ本体11に近接しつつ、拡声孔103から離れるように設けられる。共振器12の位置及び配向は、様々な選択があり、以下にいくつかの一般的な構造を挙げ、理解されるように、当業者は、以下のいくつかの構造のスピーカ1に基づいてより多くの予見可能な変形例を作ることができる。
【0032】
可能な実施形態において、図1図3に示すように、第1種の構造のスピーカ1を提供し、共振器12は、スピーカ本体11の振動方向の法線方向に位置し、共振器12の複合膜122の延在方向は、第1方向L1に平行であり、第2方向L2において、拡声孔103と共振器12は、スピーカハウジング10の対向する両側に設けられ、且つ共振器12は、スピーカ本体11に近接して設けられ、共振器12は、スピーカ本体11の拡声孔103から離れる側に位置する。
【0033】
更に、スピーカ本体11の振動方向の法線方向、即ち図示の第2方向L2において、スピーカハウジング10での拡声孔103の正投影は、スピーカハウジング10での共振器12の正投影内に完全に含まれ、すなわち拡声孔103の断面面積は、共振器12の断面面積よりも小さく、共振器12の複合膜122のカバー範囲がよりも広く、複合膜122の提供する音響インピーダンスは、前音響キャビティ101の軸線方向における高次モードに対する減衰作用がより強い。
【0034】
可能な実施形態において、図7図9に示すように、第2種の構造のスピーカ1を提供し、共振器12は、スピーカ本体11の振動方向、すなわち図示の第1方向L1に位置し、且つスピーカ本体11と対向する位置に設けられている。第1方向L1において、共振器12は、スピーカ本体11の上方に位置し、複合膜122の延在方向は、第2方向L2に平行であり、スピーカハウジング10での共振器12の正投影は、スピーカハウジング10でのスピーカ本体11の正投影内に含まれ、スピーカ本体11が振動発音する時に、共振器12は、第2方向L2に伝播する音波に対して音響インピーダンスを提供し、効率が高い。
【0035】
以上の2種の構造のスピーカ1を除き、共振器12のスピーカハウジング10での位置及び配向は、いずれも変更可能であり、例えば共振器12は、傾斜可能であり、共振器12内の複合膜122の延在方向は、スピーカ本体11の振動方向と所定の夾角を形成し、所定の夾角の値の範囲は、実際の状況に応じて決定可能であり、ここで限定せず、第1種の構造と第2種の構造のスピーカ1の共振器12の配向との間のトレードオフとして、スピーカハウジング10の外部に空気の流れに対してより多くの空間を提供して性能を改善することが可能である。
【0036】
可能な実施形態において、共振器12は、複数設けられ、より広い面積を有するスピーカハウジング10に対応し、複数の共振器12の提供する音響インピーダンスは、同じであってもよく、異なってもよい。複数の共振器12は、スピーカハウジング10の同一側に位置してもよく、異なる側に位置してもよい。
【0037】
可能な実施形態において、共振器12は、前音響チャンバ101に直接的に設けられなくてもよく、アダプタ(例えば短管)を介して前音響チャンバ101内に結合され、それにより共振器12の取り付けを簡略化する。
【0038】
可能な実施形態において、スピーカ内には、吸音材料が設けられ、吸音材料が前音響チャンバ101内に設けられ、好ましくは、多孔質構造であり、例えば疎多孔性の繊維、フォーム粒子、ゼオライト、活性炭等の材料であり、スピーカ本体11が振動した場合に、吸音材料が共振器12の振動部分と共に同調し、所望の音響効果を生成し、吸音材料は、共振器12のベース121に設けられてもよく、1つの単独部材として前音響チャンバ101内に設けられてもよい。
【0039】
いくつかの実施例において、吸音材料は、前音響チャンバ101の外にあってもよいが、共振器12に連通する。
【0040】
共振器12の複合膜122が十分に高い内部ダンピングを有さない場合に、吸音材料を設けることは、有益である。一般的に、共振器12の正常動作に必要な機械ダンピングは、非常に低いが、明確に定義された制御値を有する必要がある。したがって、使用された共振器12の複合膜122の材料の技術により提供された機械ダンピングが安定しないか及び/又は予測可能であれば、吸音材料を設けてそれを安定させ、共振器12の正常な作業に役立つ。吸音材料は、薄い網であってもよく、吸音材料は、共振器12の反対側にあってもよい。
【0041】
以上の実施例に基づき、図3、5、6、10、11及び12に示すように、本願は、電子機器2を更に提供し、電子機器2は、携帯電話、タブレットコンピュータ、ノートパソコン、ウェアラブルデバイス、バーチャルリアリティデバイス、ブルートゥースイヤホン又は車載装置など、スピーカ1を有する携帯型又は固定的な端末装置を含むが、それらに限定されない。
【0042】
電子機器2は、ハウジング21と、ハウジング21内に取り付けられた前記のスピーカ1とを含み、ハウジング21内には、収容キャビティが設けられ、電池、撮像モジュール、スピーカ1等の電子機器を収容し、スピーカ1内には、共振器12が設けられ、共振器12がスピーカハウジング10に設けられ、共振器12は、一方側が前音響チャンバ101に対応して設けられ、前音響チャンバ101に結合され、それにより共振器12が音波の伝播経路に位置し、共振器12は、他方側がスピーカハウジング10の外部に露出し、すなわち電子機器2の収容キャビティに対向し、ハウジング21には、音出し孔22が開設され、音出し孔22の位置、形状及びサイズが拡声孔103にマッチングし、音出し孔22が拡声孔103に対向し且つ連通するため、スピーカ1内のスピーカ本体11により発生された音が順次前音響チャンバ101、拡声孔103及び音出し孔22から電子機器2の外部に伝送可能である。
【0043】
以上は、本発明の構造、特徴及び作用効果を図面に示す実施例に基づいて詳細に説明したが、上記したのは、本発明の好ましい実施例だけであり、本発明は、図面に示される実施範囲を限定せず、本発明の思想に加えられた変更、又は同等の変化である同等の実施例への修正は、依然として明細書及び図面に含まれる精神を超えない場合、いずれも本発明の保護範囲内にあるべきである。
【符号の説明】
【0044】
1 スピーカ
10 スピーカハウジング
101 前音響チャンバ
102 後音響チャンバ
103 拡声孔
11 スピーカ本体
12 共振器
121 ベース
122 複合膜
2 電子機器
21 ハウジング
22 音出し孔
L1 第1方向
L2 第2方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【手続補正書】
【提出日】2024-01-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スピーカであって、
スピーカハウジング、スピーカ本体及び共振器を含み、
前記スピーカ本体は、前記スピーカハウジング内に設けられ、前記スピーカ本体は、振動発音するために用いられ、前記スピーカ本体は、前記スピーカハウジングを前音響チャンバ及び後音響チャンバに仕切り、前記スピーカハウジングには、拡声孔が開設され、前記前音響チャンバは、前記拡声孔を介して前記スピーカハウジングの外部と連通し、
前記共振器は、前記スピーカハウジングに設けられ、前記共振器は、一方側が前記前音響チャンバ面して設けられ、他方側が前記スピーカハウジングの外部に露出し、
前記拡声孔は、その開口面が前記スピーカ本体の振動中心軸に対して平行になるように配置され、前記共振器と前記スピーカ本体との距離は、前記共振器と前記拡声孔との距離よりも小さく、
前記共振器は、その振動中心軸が前記スピーカ本体の振動中心軸に対して垂直になるように配置され、前記拡声孔と前記共振器とは、前記スピーカハウジングの対向する両側に設けられていることを特徴とするスピーカ。
【請求項2】
前記拡声孔と前記共振器とは、対向するように配置されており、前記拡声孔の開口面に平行な投影面又は前記共振器の振動中心軸に垂直な投影面に対する前記拡声孔の正射影は、前記共振器の正射影に完全に含まれることを特徴とする請求項に記載のスピーカ。
【請求項3】
スピーカであって、
スピーカハウジング、スピーカ本体及び共振器を含み、
前記スピーカ本体は、前記スピーカハウジング内に設けられ、前記スピーカ本体は、振動発音するために用いられ、前記スピーカ本体は、前記スピーカハウジングを前音響チャンバ及び後音響チャンバに仕切り、前記スピーカハウジングには、拡声孔が開設され、前記前音響チャンバは、前記拡声孔を介して前記スピーカハウジングの外部と連通し、
前記共振器は、前記スピーカハウジングに設けられ、前記共振器は、一方側が前記前音響チャンバ内に面して設けられ、他方側が前記スピーカハウジングの外部に露出し、
前記拡声孔は、その開口面が前記スピーカ本体の振動中心軸に対して平行になるように配置され、前記共振器と前記スピーカ本体との距離は、前記共振器と前記拡声孔との距離よりも小さく、
前記共振器は、その振動中心軸が前記スピーカ本体の振動中心軸に対して平行になるように配置され、且つ前記スピーカ本体と対向する位置に設けられていることを特徴とするスピーカ
【請求項4】
前記共振器は、複数設けられていることを特徴とする請求項1又は3に記載のスピーカ。
【請求項5】
前記スピーカ内には、吸音材料が設けられていることを特徴とする請求項1又は3に記載のスピーカ。
【請求項6】
前記共振器は、アダプタを介して前記スピーカハウジングに固定設置されるか又は、前記共振器は、前記スピーカハウジングに一体成形されるか、又は、前記共振器は、音響ダンピング性能を有するメッシュにより保護されることを特徴とする請求項1又は3に記載のスピーカ。
【請求項7】
電子機器であって、ハウジングと、前記ハウジング内に取り付けられた請求項1又は3に記載のスピーカとを含み、前記ハウジングには、音出し孔が開設され、前記音出し孔は、前記拡声孔と対向し且つ連通することを特徴とする電子機器。