(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024022439
(43)【公開日】2024-02-16
(54)【発明の名称】バックル装置
(51)【国際特許分類】
A44B 11/25 20060101AFI20240208BHJP
【FI】
A44B11/25
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023002275
(22)【出願日】2023-01-11
(31)【優先権主張番号】111129431
(32)【優先日】2022-08-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】506328642
【氏名又は名称】台灣百和工業股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100124039
【弁理士】
【氏名又は名称】立花 顕治
(74)【代理人】
【識別番号】100207217
【弁理士】
【氏名又は名称】樋口 智夫
(72)【発明者】
【氏名】鄭 誠▲イ▼
(72)【発明者】
【氏名】張 展▲祿▼
(72)【発明者】
【氏名】鄭 家▲儒▼
【テーマコード(参考)】
3B090
【Fターム(参考)】
3B090AE00
3B090BD04
(57)【要約】
【課題】バックル装置を提供する。
【解決手段】取り巻いて差込孔を形成する周囲壁を含む雌バックルと、雄バックル本体と、雄バックル本体に間隔をおいて設けられ、且つ雄バックル本体の差込側に位置し、雌バックルの差込孔に係合するための2つの係合部と、2つの係合部の間に連結される弾性連結素子と、制動部、及び一端が制動部に連結され、他端が弾性連結素子に連結される連結線を有する制動素子と、を含む雄バックルと、を備え、雄バックルの係合部が雌バックルの差込孔に係合する時に、制動部は、外力によって引っ張られ、弾性連結素子が力を受けて曲がるようにし、更に2つの係合部を引き寄せて差込孔から脱離させるためのバックル装置。それにより、バックル装置の汎用性を向上させることができる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
取り巻いて差込孔を形成する周囲壁を含む雌バックルと、
雄バックル本体と、前記雄バックル本体に間隔をおいて設けられ、且つ前記雄バックル本体の差込側に位置し、前記雌バックルの前記差込孔に係合するための2つの係合部と、2つの前記係合部の間に連結される弾性連結素子と、制動部、及び一端が前記制動部に連結され、他端が前記弾性連結素子に連結される連結線を有する制動素子と、を含む雄バックルと、
を備え、
前記雄バックルの2つの前記係合部が前記雌バックルの前記差込孔に係合する時に、前記制動部は、外力によって引っ張られ、前記弾性連結素子が力を受けて曲がるようにし、更に2つの前記係合部を引き寄せて前記差込孔から脱離させるためのバックル装置。
【請求項2】
前記弾性連結素子は、円弧状を呈し、且つ各前記係合部の内側に一体に連結される2つの連結脚と、2つの前記連結脚の間に一体に連結され、且つ各前記連結脚よりも前記雄バックル本体に隣接する円弧頂部と、を含む請求項1に記載のバックル装置。
【請求項3】
前記弾性連結素子は、前記円弧頂部に位置する凸部を更に含み、且つ前記連結線は、前記凸部により位置制限される請求項2に記載のバックル装置。
【請求項4】
前記雌バックルは、前記周囲壁に設けられ、且つ前記差込孔に連通する2つの逆掛け溝を更に含み、各前記係合部は、各前記逆掛け溝に係合するためのフック部と、前記雄バックル本体に連結される脚部と、を含み、各前記フック部と各前記脚部が一体に連結される請求項1に記載のバックル装置。
【請求項5】
2つの前記脚部は、互いに向かって傾斜して角度をなす請求項4に記載のバックル装置。
【請求項6】
各前記係合部は、各前記脚部の前記雄バックル本体に近い一端に位置する当接構造を更に含み、前記周囲壁は、2つの側壁部を含み、2つの前記当接構造は、それぞれ前記周囲壁の2つの前記側壁部に当接するために用いられる請求項5に記載のバックル装置。
【請求項7】
前記雌バックルは、前記雌バックルの前記周囲壁に設けられ、且つ前記差込孔に連通して、前記連結線を貫通させるための位置制限溝を更に含む請求項1に記載のバックル装置。
【請求項8】
前記雌バックルは、複数の補強リブを更に含み、前記周囲壁は、上壁部及び下壁部を含み、前記補強リブは、前記差込孔内に位置し、且つ前記上壁部と前記下壁部との間に設けられる請求項1に記載のバックル装置。
【請求項9】
前記雄バックル本体は、
矩形を形成するように連結される2つの第1ロッド部及び2つの第2ロッド部を含み、1つの前記第1ロッド部に2つの前記係合部が連結されるフレームと、
2つの前記第2ロッド部の間に連結され、且つ前記第1ロッド部に向かう複数の鋸歯構造を有するクロスバーと、
を含む請求項1に記載のバックル装置。
【請求項10】
前記制動部は、発光素子を有する請求項1に記載のバックル装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バックル装置に関し、特に、雌バックル及び雄バックルによって係合するバックル装置に関する。
【背景技術】
【0002】
生活の利便性を満たすために、バックル装置は、人々がバックパックや手袋等のアクセサリーを身に着けたり、身から取り外したりすることを便利にするために、様々な分野で広く使用されている。人々が自分でバックル装置を取り外すことを容易にするために、関連業者は使用者が押圧方式で取り外し可能なバックル装置を開発しており、これにより使用者の操作の利便性を向上させる。しかしながら、押圧方式で操作する周知のバックル装置は、使用者の指の大きさに制限され、小型のバックル装置を設計することができず、バックル装置の使用可能な汎用性を低下させ、また、両手で手袋を着用している場合等、両手が操作しにくい状況では、バックル装置を押圧方式で取り外すことができず、手袋を脱いで操作しなければならず、押圧方式のバックル装置はかえって使用者の操作を困難にする。
【0003】
これに鑑みて、使用者が容易に操作でき、且つ小型化が可能なバックル装置は、やはり現在関連業者が協力して取り組んでいる目標である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、制動素子の構成によって、バックル装置の構造及び大きさがバックル装置の取り外しに制限されることを回避し、これによりバックル装置を小型化して、バックル装置の汎用性を向上させるバックル装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施形態によれば、取り巻いて差込孔を形成する周囲壁を含む雌バックルと、雄バックル本体と、雄バックル本体に間隔をおいて設けられ、且つ雄バックル本体の差込側に位置し、雌バックルの差込孔に係合するための2つの係合部と、2つの係合部の間に連結される弾性連結素子と、制動部、及び一端が制動部に連結され、他端が弾性連結素子に連結される連結線を有する制動素子と、を含む雄バックルと、を備え、雄バックルの2つの係合部が雌バックルの差込孔に係合する時に、制動部は、外力によって引っ張られ、弾性連結素子が力を受けて曲がるようにし、更に2つの係合部を引き寄せて差込孔から脱離させるためのバックル装置を提供する。
【0006】
前の段落に記載の実施形態のバックル装置によれば、弾性連結素子は、円弧状を呈し、且つ各係合部の内側に一体に連結される2つの連結脚と、2つの連結脚の間に一体に連結され、且つ各連結脚よりも雄バックル本体に隣接する円弧頂部と、を含んでもよい。
【0007】
前の段落に記載の実施形態のバックル装置によれば、弾性連結素子は、円弧頂部に位置する凸部を更に含んでもよく、且つ連結線は、凸部により位置制限される。
【0008】
前の段落に記載の実施形態のバックル装置によれば、雌バックルは、周囲壁に設けられ、且つ差込孔に連通する2つの逆掛け溝を更に含んでもよく、各係合部は、各逆掛け溝に係合するためのフック部と、雄バックル本体に連結される脚部と、を含み、各フック部と各脚部が一体に連結される。
【0009】
前の段落に記載の実施形態のバックル装置によれば、2つの脚部は、互いに向かって傾斜して角度をなす。
【0010】
前の段落に記載の実施形態のバックル装置によれば、各係合部は、各脚部の雄バックル本体に近い一端に位置する当接構造を更に含んでもよく、周囲壁は、2つの側壁部を含み、2つの当接構造は、それぞれ周囲壁の2つの側壁部に当接するために用いられる。
【0011】
前の段落に記載の実施形態のバックル装置によれば、雌バックルは、雌バックルの周囲壁に設けられ、且つ差込孔に連通して、連結線を貫通させるための位置制限溝を更に含んでもよい。
【0012】
前の段落に記載の実施形態のバックル装置によれば、雌バックルは、複数の補強リブを更に含んでもよく、周囲壁は、上壁部及び下壁部を含み、補強リブは、差込孔内に位置し、且つ上壁部と下壁部との間に設けられる。
【0013】
前の段落に記載の実施形態のバックル装置によれば、雄バックル本体は、矩形を形成するように連結される2つの第1ロッド部及び2つの第2ロッド部を含み、1つの第1ロッド部に2つの係合部が連結されるフレームと、2つの第2ロッド部の間に連結され、且つ前記第1ロッド部に向かう複数の鋸歯構造を有するクロスバーと、を含んでもよい。
【0014】
前の段落に記載の実施形態のバックル装置によれば、制動部は、発光素子を有してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の第1実施例によるバックル装置を示す斜視図である。
【
図2】
図1の第1実施例によるバックル装置を示す斜視分解図である。
【
図3】
図1の第1実施例による雌バックルと雄バックルとが分離する時の平面図である。
【
図4】
図1の第1実施例による雄バックルが雌バックルに係合する平面図である。
【
図5】
図4の第1実施例による雄バックルが雌バックルに係合する断面図である。
【
図6】本発明の第2実施例によるバックル装置を示す斜視図である。
【
図7】
図6の第2実施例による雌バックルと雄バックルとが分離する平面図である。
【
図8】
図6の第2実施例による雌バックルを示す斜視図である。
【
図9】本発明の第3実施例によるバックル装置をバックパックに適用する模式図である。
【
図10】本発明の第4実施例によるバックル装置を救命胴衣に適用する模式図である。
【
図11】本発明の第5実施例によるバックル装置を手袋に適用する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本明細書では、ある素子(又はユニットやモジュール等)が他の素子に「設置」、「連結」又は「結合」されることは、前記素子が他の素子に直接設置、連結又は結合されることを示してもよく、ある素子が他の素子に間接的に設置、連結又は結合されることを示してもよく、即ち、前記素子と他の素子との間に介在する別の素子があることを意味する。ある素子が他の素子に「直接設置」、「直接連結」又は「直接結合」されることを明示する場合のみ、前記素子と他の素子との間に介在する別の素子がないことを示す。
【0017】
第1、第2、第3等の用語は、異なる素子を説明するためのものに過ぎず、素子自体を限定せず、そのため、第1素子は、第2素子と改称されてもよい。且つ本明細書における素子/ユニット/回路の組合せは、この分野における一般に周知、通常又は従来の組み合わせではなく、素子/ユニット/回路自体が従来のものであるか否かに基づいて、その組み合わせ関係は当業者によって容易に完成されるか否かを判定することができない。
【0018】
本発明の第1実施例によるバックル装置100を示す斜視図である
図1、
図1の第1実施例によるバックル装置100を示す斜視分解図である
図2、
図1の第1実施例による雌バックル110と雄バックル120とが分離する時の平面図である
図3、及び
図1の第1実施例による雄バックル120が雌バックル110に係合する平面図である
図4を参照されたい。
図1から
図4に示すように、バックル装置100は、雌バックル110及び雄バックル120を含む。雌バックル110は、取り巻いて差込孔111を形成する周囲壁を含む。雄バックル120は、雄バックル本体121、2つの係合部122、弾性連結素子123及び制動素子124を含む。係合部122は、雄バックル本体121に間隔をおいて設けられ、且つ雄バックル本体121の差込側に位置し、係合部122は、雌バックル110の差込孔111に係合するために用いられる。弾性連結素子123は、2つの係合部122の間に連結される。制動素子124は、制動部1241及び連結線1242を含み、連結線1242は、一端が制動部1241に連結され、他端が弾性連結素子123に連結される。雄バックル120の2つの係合部122が雌バックル110の差込孔111に係合する時に、制動部1241は、外力によって引っ張られ、弾性連結素子123が力を受けて曲がるようにし、更に2つの係合部122を引き寄せて差込孔111から脱離させるために用いられる。
【0019】
詳細的には、制動素子124の構成によって、使用者は、係合部122を直接手で操作して雌バックル110から脱離させる必要がなく、これにより従来のバックル装置の構造及びサイズがバックル装置の取り外しに制限されて、小型化が困難である問題を解決し、更にバックル装置100を縮小し、バックル装置100の設計の余裕を増加させ、これによりバックル装置100の汎用性を向上させる。具体的には、バックル装置100の全長は、30mm以内まで縮小することができる。第1実施例では、バックル装置100の全長は28.93mmであってもよいが、本発明はこれに限定されない。
【0020】
図2及び
図3に示すように、弾性連結素子123は、円弧状を呈し、且つ2つの連結脚1231及び円弧頂部1232を含んでもよく、各連結脚1231は、各係合部122の内側に一体に連結され、円弧頂部1232は、2つの連結脚1231の間に一体に連結され、且つ各連結脚1231よりも雄バックル本体121に隣接する。弾性連結素子123の円弧状構造によって、制動部1241は、雌バックル110から離れる方向に引っ張る時に、円弧頂部1232は、連結線1242により引っ張られて内縮して変形し、連結脚1231が係合部122を引っ張るように動作させ、2つの係合部122を互いに引き寄せ、更に係合部122を雌バックル110から脱離させることができる。これにより係合部122の脱離の滑らかさを更に高めることができる。
【0021】
更に言えば、弾性連結素子123は、凸部1233を更に含んでもよく、凸部1233は、円弧頂部1232に位置し、且つ連結線1242は、凸部1233により位置制限される。詳細的には、連結線1242は、凸部1233に巻き付けられ、これにより制動部1241が弾性連結素子123を引っ張る位置を固定する。
図3に示すように、凸部1233は、円弧頂部1232の中心に位置し、連結線1242の前述した他端を円弧頂部1232の中心に固定させ、これにより弾性連結素子123の力受け位置を中心に固定し、更に係合部122を均一に引き寄せる。
【0022】
図4の第1実施例による雄バックル120が雌バックル110に係合する断面図である
図5を併せて参照されたい。
図1から
図5に示すように、雌バックル110は、2つの逆掛け溝114を更に含んでもよく、2つの逆掛け溝114は、周囲壁に設けられ、且つ差込孔111に連通し、各係合部122は、フック部1221及び脚部1222を含み、各フック部1221は、各脚部1222に一体に連結され、各脚部1222は、雄バックル本体121に連結され、各フック部1221は、各逆掛け溝114に係合するために用いられる。フック部1221及び逆掛け溝114の構成によって、係合部122が差込孔111に係合する時に、フック部1221が外力により逆掛け溝114から脱離することを回避することができ、且つ制動部1241が力を受けて引っ張られる時に、フック部1221を互いに引き寄せるように動作させ、フック部1221を逆掛け溝114から脱離させることができる。
【0023】
なお、2つの脚部1222は互いに向かって傾斜して角度をなしてもよい。具体的には、2つの脚部1222の間の角度は22度であるが、本発明はこれに限定されない。これにより、係合部122が差込孔111に係合する時に、各フック部1221は、各脚部1222の傾斜方向に沿って干渉により差込孔111に入り、フック部1221を逆掛け溝114に係合させることができる。
【0024】
図2及び
図5に示すように、各係合部122は、各脚部1222の雄バックル本体121に近い一端に位置する当接構造1223を更に含んでもよく、周囲壁は、2つの側壁部を含んでもよく、2つの当接構造1223は、それぞれ周囲壁の2つの側壁部に当接するために用いられる。当接構造1223が側壁部に当接することで、係合部122と周囲壁との間の隙間を小さくし、雌バックル110及び雄バックル120の揺れによる異音を効果的に減少する。
【0025】
なお、雌バックル110は、複数の補強リブ113を更に含んでもよく、周囲壁は、上壁部1111及び下壁部1112を含み、補強リブ113は、差込孔111内に位置し、且つ上壁部1111と下壁部1112との間に設けられる。補強リブ113の構成によって、雌バックル110の構造全体の強度及び安定性を高めることができ、これによりバックル装置100が外力により捩じって変形する可能性が低減される。
【0026】
また、雌バックル110は、雌バックル110の周囲壁に設けられ、且つ差込孔111に連通する位置制限溝112を更に含んでもよく、位置制限溝112は、連結線1242を貫通させるために用いられる。
図4に示すように、位置制限溝112は、上壁部1111に設けられ、且つ縮径してクランプ構造を形成してもよく、雄バックル120が雌バックル110に係合する時に、使用者はクランプ構造によって連結線1242を位置制限溝112に位置制限し、連結線1242のバックル装置100の使用中の揺れを減少することができ、これにより連結線1242が意外に外部物に引っ掛かる可能性が低減される。
【0027】
図2及び
図3に示すように、雄バックル本体121は、フレーム及びクロスバー1214を含んでもよい。フレームは、2つの第1ロッド部1211、1212及び2つの第2ロッド部1213を含み、矩形を形成するように2つの第1ロッド部1211、1212と2つの第2ロッド部1213が連結され、第1ロッド部1211に2つの係合部122が連結される。クロスバー1214は、2つの第2ロッド部1213の間に連結され、且つ第1ロッド部1211に向かう複数の鋸歯構造1215を有する。具体的には、第1ロッド部1211、1212及び第2ロッド部1213により形成されるフレームには、雄バックル120に連結されるウェビングが巻き付けられ、且つ鋸歯構造1215は、ウェビングと雄バックル本体121との間の摩擦力を高めることができ、これによりウェビングの雄バックル本体121での摺動を避ける。
【0028】
なお、制動部1241は、発光素子を有してもよい。具体的には、発光素子は、蛍光材料製の蛍光素子であり、且つ制動部1241の表面に被覆される。他の実施例では、発光素子は、LEDランプであってもよいが、本発明はこれに限定されない。それにより、制動部1241の夜間での識別度を高め、使用者が夜間でバックル装置を操作することを容易にすることができる。
【0029】
本発明の第2実施例によるバックル装置200を示す斜視図である
図6、
図6の第2実施例による雌バックル210と雄バックル220とが分離する平面図である
図7、及び
図6の第2実施例による雌バックル210を示す斜視図である
図8を参照されたい。
図6、
図7及び
図8に示すように、バックル装置200は、雌バックル210及び雄バックル220を含む。第2実施例では、雌バックル210及び雄バックル220の構造及び構成は、第1実施例の雌バックル110及び雄バックル120の構造及び構成と類似し、ここでは詳細な説明を省略する。特に、雌バックル210の差込孔211は、V字状の空間であり、その形状は、雄バックル220の係合部222に対応する。詳細的には、係合部222が差込孔211に挿入されて係合する時に、雄バックル220の弾性連結素子223の一部が差込孔211に露出し、連結線2242を差込孔211から完全に露出させる。それにより、雌バックル210の重量を更に減少して、製造コストを削減し、且つ使用者による制動部2241の引張を容易にし、バックル装置200の操作の滑らかさを向上させることができる。
【0030】
本発明の第3実施例によるバックル装置300をバックパック10に適用する模式図である
図9、本発明の第4実施例によるバックル装置400を救命胴衣20に適用する模式図である
図10、及び本発明の第5実施例によるバックル装置500を手袋30に適用する模式図である
図11を参照されたい。バックル装置300、400、500は、第1実施例のバックル装置100又は第2実施例のバックル装置200のようなものであってもよく、ここでは詳細な説明を省略する。
図9から
図11に示すように、本発明のバックル装置300、400、500は異なる分野に広く適用することができる。
【0031】
図9に示すように、使用者が登山活動を行う場合、登山中にバックパック10が落下することを防止するために、バックパック10の両側の肩ベルトをバックル装置300によって更に固定する。本発明のバックル装置300によって、使用者は、防寒手袋を着用してバックル装置300を操作するのに不便である場合でも、バックル装置300の制動素子によってバックル装置300を取り外すことができ、使用者がバックパック10を取り外すことを容易にする。
【0032】
図10に示すように、救命胴衣20のような防護具は、使用者の肩の上方に取り外し可能な連結手段が設けられることが多く、使用者が自ら着脱するのに不便である。本発明のバックル装置400によって、使用者は自ら制動部を引っ張ってバックル装置400を取り外すことができ、自ら救命胴衣20を脱ぐことを容易にし、これにより利便性を向上させる。
【0033】
図11に示すように、使用者が手袋30を着用した場合、手袋30の厚みは、使用者の両手操作の感度を低下させ、使用者が手袋30上の緩み調整ベルトを取り外すのに不利である。本発明のバックル装置500によって、バックル装置500の制動部を直接引っ張り、緩み調整ベルトに設けられたバックル装置500を迅速に取り外し、使用者が手袋30を容易に脱ぐことができる。
【0034】
以上のように、本発明は、第1に、制動素子の構成によって、バックル装置を小型化し、バックル装置の汎用性を向上させることができ、第2に、位置制限溝の構成によって、連結線が外部物に引っ掛かる可能性を低減させることができ、第3に、補強リブが差込孔内に設けられることで、バックル装置が外力により変形することを回避することができるという利点を有する。
【0035】
本発明は、実施形態で上記のように開示されたが、実施形態は本発明を限定するものではなく、当業者は、本発明の精神及び範囲を逸脱することなく、様々な変更及び修正を行うことができ、したがって本発明の保護範囲は、後文に添付される特許請求の範囲によって定義されたものを基準とする。
【符号の説明】
【0036】
10 バックパック
20 救命胴衣
30 手袋
100、200、300、400、500 バックル装置
110、210 雌バックル
111、211 差込孔
1111 上壁部
1112 下壁部
112 位置制限溝
113 補強リブ
114 逆掛け溝
120、220 雄バックル
121 雄バックル本体
1211、1212 第1ロッド部
1213 第2ロッド部
1214 クロスバー
1215 鋸歯構造
122、222 係合部
1221 フック部
1222 脚部
1223 当接構造
123、223 弾性連結素子
1231 連結脚
1232 円弧頂部
1233 凸部
124 制動素子
1241、2241 制動部
1242、2242 連結線