(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024022493
(43)【公開日】2024-02-16
(54)【発明の名称】脊柱測定装置、脊柱測定システム、測定方法および制御装置
(51)【国際特許分類】
A61B 5/107 20060101AFI20240208BHJP
【FI】
A61B5/107 200
【審査請求】有
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023110305
(22)【出願日】2023-07-04
(31)【優先権主張番号】202222058140.7
(32)【優先日】2022-08-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】523044792
【氏名又は名称】フォアソート(シャンハイ)メディカル・テクノロジー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Forethought (Shanghai) Medical Technology Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】Room 202A, No. 1, Lane 666, Zhangheng Road, China (Shanghai) Pilot Free Trade Zone, Shanghai, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】何 丹
【テーマコード(参考)】
4C038
【Fターム(参考)】
4C038VA05
4C038VB27
4C038VC01
4C038VC20
(57)【要約】 (修正有)
【課題】脊柱測定装置、脊柱測定システム、測定方法および制御装置を提供する。
【解決手段】測定本体1、測定ホイール2、平衡ホイール3、第1検出装置、空間座標収集装置および制御装置を備え、測定ホイール2は測定本体1の一端に設けられ、少なくとも4つの平衡ホイール3は測定ホイール2の両側に対称的に並列して設けられて測定本体1に接続され、第1検出装置は測定ホイール2の移動具合を検出するために使用され、空間座標収集装置は空間角度値を検出するために使用される。測定ホイール2が皮膚に沿って転がるとき、第1検出装置は測定ホイール2の移動具合を検出して、測定ホイールは運動速度および転がり距離を算出し、現在の運動速度、転がり距離および空間座標収集装置で収集された各位置座標に基づいて、空間曲線データを取得し、空間曲線データを生成し、脊柱側弯データを取得することができ、その構造が簡単で使い勝手が良い。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定本体、測定ホイール、平衡ホイール、第1検出装置、空間座標収集装置および制御装置を備え、
前記測定ホイールは前記測定本体の一端に設けられ、少なくとも4つの前記平衡ホイールは前記測定ホイールの両側に対称的に並列して設けられて前記測定本体に接続され、前記第1検出装置と前記空間座標収集装置はいずれも前記制御装置に接続され、前記第1検出装置は前記測定ホイールの移動具合を検出するために使用され、前記空間座標収集装置は空間角度値を検出するために使用される、ことを特徴とする脊柱測定装置。
【請求項2】
前記脊柱測定装置は、取付ブラケットと弾性部材をさらに備え、前記取付ブラケットは前記測定本体の一端に設けられ、前記測定ホイールは前記取付ブラケットに取り付けられ、前記弾性部材は前記測定本体内に設けられ、前記弾性部材の一端は前記測定本体に当接され、他端は前記取付ブラケットに接続される、ことを特徴とする請求項1に記載の脊柱測定装置。
【請求項3】
前記空間座標収集装置は前記取付ブラケットに設けられ、前記空間座標収集装置は前記測定ホイールの位置に対向し、前記空間座標収集装置は3軸角度センサーを含む、ことを特徴とする請求項2に記載の脊柱測定装置。
【請求項4】
前記脊柱測定装置は、測定ホイールにかかる圧力を測定するための圧力センサーをさらに備え、前記圧力センサーは前記制御装置に接続され、前記圧力センサーは前記取付ブラケットと前記弾性部材の間に設けられる、ことを特徴とする請求項2に記載の脊柱測定装置。
【請求項5】
前記測定ホイールは前記測定本体の中心軸上に設けられ、前記第1検出装置は多数の第1センサーを含み、多数の前記第1センサーは前記測定ホイールのホイール面転がり方向に沿って配置される、ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の脊柱測定装置。
【請求項6】
前記測定ホイールの任意位置の径方向断面は円形であり、前記測定ホイールの中央位置の直径は前記測定ホイールの左右両側位置の直径よりも大きく、多数の前記第1センサーは3組に分かれて前記測定ホイールのホイール面転がり方向に沿って配置され、1組の前記第1センサーは前記測定ホイールの中央位置に設けられ、他の2組の前記第1センサーは前記測定ホイールの両側位置に設けられる、ことを特徴とする請求項5に記載の脊柱測定装置。
【請求項7】
隣接する2つの前記第1センサーの感知点は前記測定ホイールの中心に対して72°未満の円弧角を有し、または、1ターンあたり20個以上の前記第1センサーが存在する、ことを特徴とする請求項5に記載の脊柱測定装置。
【請求項8】
前記測定ホイールを支持する取付ブラケット上に光センサーと発光装置が設けられ、前記光センサーと前記発光装置は前記測定ホイールの上方に設けられ、前記測定ホイールの外輪外面に転がり方向に沿って光反射率の異なる反射片が間隔を空けて設けられ、前記光センサーによって受信した反射光の強度に基づいて測定ホイールの転がり速度と移動距離を決定する、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の脊柱測定装置。
【請求項9】
前記測定ホイールは内輪と外輪からなり、前記外輪は前記内輪に嵌設され、前記内輪は固定され、前記外輪は前記内輪に対して転がり可能であり、前記内輪における外面が下方に向かう領域に2つ以上の第4センサーが設けられ、前記第4センサーは前記内輪の周方向に沿って設けられ、前記第4センサーは前記制御装置に接続され、前記第4センサーは前記測定ホイールと皮膚間の圧力変化を測定するために使用される、ことを特徴とする請求項8に記載の脊柱測定装置。
【請求項10】
前記平衡ホイールに第3センサーがさらに設けられ、前記第3センサーは前記平衡ホイールのホイール面またはホイール軸に設けられ、前記第3センサーは、前記平衡ホイールのホイール面が被験者に接触する位置を検出するために使用される、ことを特徴とする請求項1に記載の脊柱測定装置。
【請求項11】
対向して設けられた1対の前記平衡ホイールにそれぞれ第2センサーが設けられ、前記第2センサーは前記制御装置に接続され、前記第2センサーは、前記平衡ホイールの移動距離を検出するために使用される、ことを特徴とする請求項1に記載の脊柱測定装置。
【請求項12】
対向して設けられた1対の前記平衡ホイール間の距離は前記測定ホイールの幅よりも大きく、少なくとも4つの前記平衡ホイールはそれぞれ独立して回転し、各前記平衡ホイールはいずれも円筒構造である、ことを特徴とする請求項1に記載の脊柱測定装置。
【請求項13】
外部ホストと、請求項1に記載の脊柱測定装置とを備え、前記外部ホストは前記脊柱測定装置に通信可能に接続される、ことを特徴とする脊柱測定システム。
【請求項14】
請求項1~12のいずれか1項に記載の脊柱測定装置を用いて脊柱を検出するための測定方法であって、
脊柱の各座標位置の圧力データを収集するステップと、
前記圧力データに基づいて、頸椎を検出するための位置決めとして頸椎第7棘の位置を特定するステップと、を含むことを特徴とする測定方法。
【請求項15】
前記の前記圧力データに基づいて頸椎第7棘位置を特定するステップは、具体的に、
前記各位置座標の圧力データに基づいて、圧力変化データを取得すること、
圧力変化データに基づいて、予設の頸椎第7棘の圧力変異範囲に適合する目標圧力変化データを検索すること、
目標圧力変化データに基づいて、対応の測定座標位置を決定すること、
対応の測定座標位置に基づいて、頸椎第7棘の位置を特定することを、を含むことを特徴とする請求項14に記載の測定方法。
【請求項16】
脊柱測定ときの各位置座標の圧力データを収集するためのセンシングアセンブリと、
前記各位置座標の圧力データに基づいて、圧力変化データを取得するための取得モジュールと、
圧力変化データに基づいて、予設の頸椎第7棘の圧力変異範囲に適合する目標圧力変化データを検索するための検索モジュールと、
目標圧力変化データに基づいて、対応の測定座標位置を決定するための決定モジュールと、
対応の測定座標位置に基づいて、頸椎第7棘の位置を特定するための特定モジュールと、を備えることを特徴とする制御モジュール。
【請求項17】
脊柱測定点の空間曲線データおよび空間角度変化データを算出して取得し、前記空間曲線データと前記空間角度変化データに基づいて、脊柱側弯cobb角を測定し、前記cobb角に基づいて脊柱側弯度合いを決定するために使用される分析処理モジュールをさらに備える、ことを特徴とする請求項16に記載の制御モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検出装置の技術分野に関し、特に、脊柱測定装置、脊柱測定システム、測定方法および制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
脊柱側弯検査は、骨科検出の重要な項目として、若年者の脊柱障害の予防、矯正および脊柱障害診断において非常に重要である。
【0003】
現在、通常の検査方法は、脊柱側弯測定メーターやX線、CTなどの画像診断法により行われ、近年では、大型の三次元光学検査装置が開発されている。その中で、脊柱側弯測定メーターは構造が簡単であるが、医師にとって操作が複雑で結果が直観的ではなく、透視画像検査は放射性物質が多く、人に潜在的な損傷を与える可能性があり、検査費が高く、大型の三次元光学装置は高価である。
【0004】
したがって、上記問題を解決するために、構造が簡単で使い勝手が良い脊柱測定装置を開発する必要がある。
【発明の概要】
【0005】
本発明の目的は、人の背中上をホイールが移動し、脊柱に沿って測定ホイールが移動し、各センサーがデータを収集することにより、脊柱側弯データを取得することができる脊柱測定装置、脊柱測定システム、測定方法および制御装置を提供することであり、その構造が簡単で使い勝手が良い。本発明が提供する多くの技術的解決策の好ましい技術的解決策によって生じる様々な技術効果を以下に詳細に説明する。
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は以下の技術的解決策を提供する。
【0007】
本発明が提供する脊柱測定装置は、測定本体、測定ホイール、平衡ホイール、第1検出装置、空間座標収集装置および制御装置を備え、前記測定ホイールは前記測定本体の一端に設けられ、少なくとも4つの前記平衡ホイールは前記測定ホイールの両側に対称的に並列して設けられて前記測定本体に接続され、前記第1検出装置と前記空間座標収集装置はいずれも前記制御装置に接続され、前記第1検出装置は前記測定ホイールの移動具合を検出するために使用され、前記空間座標収集装置は空間角度値を検出するために使用される。
【0008】
さらに、前記脊柱測定装置は、取付ブラケットと弾性部材をさらに備え、前記取付ブラケットは前記測定本体の一端に設けられ、前記測定ホイールは前記取付ブラケットに取り付けられ、前記弾性部材は前記測定本体内に設けられ、前記弾性部材の一端は前記測定本体に当接され、他端は前記取付ブラケットに接続される。
【0009】
さらに、前記空間座標収集装置は前記取付ブラケットに設けられ、前記空間座標収集装置は前記測定ホイールの位置に対向し、前記空間座標収集装置は3軸角度センサーを含む。
【0010】
さらに、前記脊柱測定装置は、測定ホイールにかかる圧力を測定するための圧力センサーをさらに備え、前記圧力センサーは前記制御装置に接続され、前記圧力センサーは前記取付ブラケットと前記弾性部材の間に設けられる。
【0011】
さらに、前記測定ホイールは前記測定本体の中心軸上に設けられ、前記第1検出装置は多数の第1センサーを含み、多数の前記第1センサーは前記測定ホイールのホイール面転がり方向に沿って配置される。
【0012】
さらに、前記測定ホイールの任意位置の径方向断面は円形であり、前記測定ホイールの中央位置の直径は前記測定ホイールの左右両側位置の直径よりも大きく、多数の前記第1センサーは3組に分かれて前記測定ホイールのホイール面転がり方向に沿って配置され、1組の前記第1センサーは前記測定ホイールの中央位置に設けられ、他の2組の前記第1センサーは前記測定ホイールの両側位置に設けられる。
【0013】
さらに、隣接する2つの前記第1センサー感知点は前記測定ホイールの中心に対して72°未満の円弧角を有し、または、1ターンあたり20個以上の前記第1センサーが存在する。
【0014】
さらに、前記測定ホイールを支持する取付ブラケット上に光センサーと発光装置が設けられ、前記光センサーと前記発光装置は前記測定ホイールの上方に設けられ、前記測定ホイールの外輪外面に転がり方向に沿って光反射率の異なる反射片が間隔を空けて設けられ、前記光センサーによって受信した反射光の強度に基づいて測定ホイールの転がり速度と移動距離を決定する。
【0015】
さらに、前記測定ホイールは内輪と外輪からなり、前記外輪は前記内輪に嵌設され、前記内輪は固定され、前記外輪は前記内輪に対して転がり可能であり、前記内輪における外面が下方に向かう領域に2つ以上の第4センサーが設けられ、前記第4センサーは前記内輪の周方向に沿って設けられ、前記第4センサーは前記制御装置に接続され、前記第4センサーは前記測定ホイールと皮膚間の圧力変化を測定するために使用される。
【0016】
さらに、前記平衡ホイールに第3センサーがさらに設けられ、前記第3センサーは前記平衡ホイールのホイール面またはホイール軸に設けられ、前記第3センサーは、前記平衡ホイールのホイール面が被験者に接触する位置を検出するために使用される。
【0017】
さらに、対向して設けられた1対の前記平衡ホイールにそれぞれ第2センサーが設けられ、前記第2センサーは前記制御装置に接続され、前記第2センサーは、前記平衡ホイールの移動距離を検出するために使用される。
【0018】
さらに、対向して設けられた1対の前記平衡ホイール間の距離は前記測定ホイールの幅よりも大きく、少なくとも4つの前記平衡ホイールはそれぞれ独立して回転し、各前記平衡ホイールはいずれも円筒構造である。
【0019】
本発明が提供する脊柱測定システムは、外部ホストと、上記の脊柱測定装置とを備え、前記外部ホストは前記脊柱測定装置に通信可能に接続される。
【0020】
上記の脊柱測定装置を用いて脊柱を検出するための測定方法は、
脊柱の各座標位置の圧力データを収集するステップと、前記圧力データに基づいて、頸椎を検出するための位置決めとして頸椎第7棘の位置を特定するステップと、を含む。
【0021】
さらに、前記の前記圧力データに基づいて頸椎第7棘位置を特定するステップは、具体的に、前記各位置座標の圧力データに基づいて、圧力変化データを取得すること、圧力変化データに基づいて、予設の頸椎第7棘の圧力変異範囲に適合する目標圧力変化データを検索すること、目標圧力変化データに基づいて、対応の測定座標位置を決定すること、対応の測定座標位置に基づいて、頸椎第7棘の位置を特定することを、を含む。
【0022】
本発明が提供する制御モジュールは、脊柱測定ときの各位置座標の圧力データを収集するためのセンシングアセンブリと、前記各位置座標の圧力データに基づいて、圧力変化データを取得するための取得モジュールと、圧力変化データに基づいて、予設の頸椎第7棘の圧力変異範囲に適合する目標圧力変化データを検索するための検索モジュールと、目標圧力変化データに基づいて、対応の測定座標位置を決定するための決定モジュールと、対応の測定座標位置に基づいて、頸椎第7棘の位置を特定するための特定モジュールと、を備える。
【0023】
さらに、分析処理モジュールは、脊柱測定点の空間曲線データおよび空間角度変化データを算出して取得し、前記空間曲線データと前記空間角度変化データに基づいて、脊柱側弯cobb角を測定し、前記cobb角に基づいて脊柱側弯度合いを決定するために使用される分析処理モジュールをさらに備える。
【発明の効果】
【0024】
本発明の好ましい技術的解決策は少なくとも以下の技術的効果を有する。
本発明が提供する脊柱測定装置によれば、測定ホイールが皮膚上を転がるとき、第1検出装置は測定ホイールの移動具合を検出し、測定ホイールの運動速度および転がり距離を算出し、現在の運動速度、転がり距離および空間座標収集装置で収集された各位置座標に基づいて、空間曲線データを取得して空間曲線データを生成し、脊柱側弯データを取得することができ、その構造が簡単で使い勝手が良い。
【0025】
本発明が提供する測定方法によれば、脊柱測定装置の圧力センサーによって圧力変化データを収集し、頸椎第7棘を正確に特定して位置決め、測定起点を精度よく見つけ、データ収集も頸椎第7棘から開始するので、その後のデータ収集と分析の精度を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
本発明の実施例または先行技術における技術的解決策をより明確に説明するために、以下、実施例または先行技術の説明において使用される必要のある図面を簡単に説明するが、明らかに、以下で説明される図面は本発明のいくつかの実施例に過ぎず、当業者であれば、創造的な労働をすることなく、これらの図面に基づいて他の図面を得ることができる。
【
図1】本発明の実施例1が提供する脊柱測定装置の構造を示す概略図である。
【
図2】本発明の実施例1が提供する脊柱測定装置の使用状態の部分的な構造を示す概略図である。
【
図3】本発明の実施例1が提供する脊柱測定装置の部分的な構造を示す概略図である。
【
図4】本発明の実施例1が提供する測定ホイールの取付構造を示す概略図である。
【
図5】本発明の実施例2が提供する脊柱測定装置の使用状態の部分的な構造を示す概略図である。
【
図6】本発明の実施例2が提供する脊柱測定装置の構造を示す概略図である。
【
図7】本発明の実施例2が提供する取付ブラケットと測定ホイールの構造を示す概略図である。
【
図8】本発明の実施例2が提供する測定ホイールの構造を示す概略図である。
【
図9】本発明の実施例2が提供する測定ホイール内輪の構造を示す概略図である。
【
図10】本発明の実施例2が提供する測定ホイール内輪の構造を示す概略図である。
【
図11】本発明の実施例2が提供する取付ブラケットの構造を示す概略図である。
【
図12】本発明の実施例2が提供する取付ブラケットの概略断面図である。
【
図13】本発明の脊柱測定方法の一実施例の概略フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の目的、技術的解決策および利点をより明らかにするために、以下、本発明の技術的解決策を詳細に説明する。明らかに、説明される実施例は本発明の一部の実施例に過ぎず、すべての実施例ではない。本発明の実施例に基づいて、当業者は創造的な労働をすることなく得られた他の実施形態は、すべて本発明の保護範囲に含まれる。
【0028】
本発明が提供する脊柱測定装置は、測定本体1、測定ホイール2、平衡ホイール3、第1検出装置、空間座標収集装置7および制御装置を備え、その中で、測定ホイール2は測定本体1の一端に設けられ、少なくとも4つの平衡ホイール3は測定ホイール2の両側に対称的に並列して設けられていずれも測定本体1に接続され、第1検出装置および空間座標収集装置7はいずれも制御装置に接続され、第1検出装置は測定ホイール2の移動具合を検出するために使用され、空間座標収集装置7は空間角度値を検出するために使用される。
【0029】
測定ホイール2が皮膚上を転がるとき、第1検出装置は測定ホイール2の移動具合を検出し、測定ホイール2の運動速度および転がり距離を算出し、現在の運動速度、転がり距離および空間座標収集装置7によって収集された各位置座標に基づいて、空間曲線データを取得して空間曲線データを生成し、脊柱側弯データを取得することができ、その構造が簡単で使い勝手が良い。
【0030】
次に、本発明は脊柱測定装置の好ましい具体的な実施例を提供する。
【0031】
<実施例1>
明細書の
図1~
図4を参照すると、本発明が提供する脊柱測定装置は、測定本体1、測定ホイール2、少なくとも4つの平衡ホイール3、制御装置を備える。その中で、測定ホイール2は測定本体1の一端に設けられ、測定ホイール2上に多数の第1センサー4が設けられ、第1センサー4は測定ホイール2の位置を検出するために使用される。少なくとも4つの平衡ホイール3は測定本体1の測定ホイール2に近い一端に設けられ、少なくとも4つの平衡ホイール3は測定ホイール2の両側に2列に分けられて対称的に設けられる。制御装置は測定本体1内に設けられ、制御装置はそれぞれ多数の第1センサー4、空間座標収集装置7に接続される。
【0032】
空間座標収集装置7は、3軸角度センサーを備え、3軸角度センサーは測定本体1上に設けられ、測定ホイール2の位置に対して相対的に固定され、3軸角度センサーは加速度センサー、ジャイロセンサーまたは他のMEMS運動センサーであってもよく、3軸角度センサーを地磁気センサーと組み合わせると、3軸角度センサーと地磁気センサーの所在位置の空間X、Y、Zの3軸回転角度変化も取得し、3軸角度センサーを測定本体1の内部に取り付け、4つの平衡ホイール3が皮膚の4つの皮膚高点502に接触し、測定ホイール2が常に脊柱501の中心位置に沿って移動し、測定本体1の移動に伴って、各測定点の空間角度値を得、その空間角度変化はピッチ角、ロール角和コース角を含む。
【0033】
空間曲線は、複数の誤差データを排除する方法によって算出され、第1に、測定輪と皮膚の接触点は実の測定点であり、3軸角度センサーの位置は測定輪に対して相対的に固定されるので、相対距離の誤差を排除する必要があり、修正後、3軸角度センサーの位置が測定輪と皮膚の接触点の位置とが一致であり、このように矢状面データ誤差が排除される。
【0034】
明細書の
図1~
図4を参照すると、測定本体1は細長い構造であり、測定本体1の一側にハンドル101が設けられ、測定ホイール2は測定本体1の中心軸上に設けられる。
【0035】
第1検出装置は、多数の第1センサー4からなり、多数の第1センサー4は測定ホイール2のホイール面転がり方向に沿って配置され、測定ホイール2は皮膚上を転がるとき、センサーが順に皮膚に接触する。センサーの接触間隔時間と円弧長に基づいて現在の運動速度および転がり距離を算出することができる。
【0036】
多数の第1センサー4は3組に分かれて測定ホイール2のホイール面転がり方向に沿って配置され、それぞれは中間位置の第1センサー(中間センサー401と略称)、左側位置の第1センサー(左側センサー402と略称)、右側位置の第1センサー(右側センサー403)に分かれる。第1センサー4は静電容量センサーであり得、例えば、第1センサー4はマルチチャンネル型面静電容量センサーである。マルチチャンネル型面静電容量センサーが皮膚に接触すると静電容量が変化し、静電容量の変化量を算出することにより皮膚が測定ホイール2の表面に接触する面積の大きさを算出することができる。
【0037】
測定ホイール2の任意位置の径方向断面は円形であり、測定ホイール2の中央位置の直径は測定ホイール2の両側位置の直径よりも大きい。中間センサー401は測定ホイール2の中央位置に設けられ、左側センサー402は測定ホイール2の左側位置に設けられ、右側センサー403は測定ホイール2の右側位置に設けられる。脊柱が所在する人の体表領域の形態により、首領域は凸状であり、中間センサー401のみが皮膚に接触でき、左側センサー402と右側センサー403は皮膚に接触できず、胸椎と腰椎の領域の体表形態は、上部の凸状から下部の凹状に徐々に移行し、このとき3組のセンサーと皮膚の接触面積は、はじめは中間センサー401のみが皮膚に接触していたが、左側センサー402と右側センサー403の接触面積が徐々に大きくなり、中間センサー401が非常に凹んだ領域に達すると接触面積が減少するか、あるいは接触しなくなり、このように、脊柱測定装置は人のどの測定領域にあるかを判断することができる。
【0038】
上記の3組の静電容量センサーは、被験者の操作方法の正確性を評価するために使用され、通常、3組のセンサーの測定とき、人体に存在する対称性により、左側センサー402と右側センサー403のデータが基本的に対称である。深刻な非対称が発生した場合、測定本体1が左右に歪んたり、測定過程で中心線から外れた操作ミスと、被験者の比較的深刻な局所的な脊柱側弯変形との2つのことを意味する。実測した脊柱側弯データと3組の静電容量センサーデータの対称性の同期性を判断することで、測定操作ミスによるものか、深刻な側弯によるものかを判断することにより、測定操作の信頼性と精度を評価することができる。
【0039】
さらに、各組の第1センサー4の感知点は測定ホイール2のホイール面に均一に分布し、3ターンのセンサー感知点を形成し、各ターンのセンサー感知点において、隣接する2つの第1センサー4の感知点が測定ホイール2の中心に対して72°未満の円弧角を有し、または少なくとも1ターンあたり20個以上の第1センサー4がある。
【0040】
明細書の
図1~
図4を参照すると、脊柱測定装置は、取付ブラケット8と弾性部材9をさらに備える。取付ブラケット8は測定本体1の一端に設けられ、測定ホイール2は回転軸を介して取付ブラケット8に取り付けられ、測定ホイール2が取付ブラケット8に対して回転するようにする。弾性部材9は測定本体1内に設けられ、弾性部材9の一端は測定本体1に当接され、弾性部材9の他端は取付ブラケット8に接続され、測定ホイール2は弾性部材9の中心軸方向に沿って移動することができる。弾性部材9は弾性柱または伸縮バネであってもよい。弾性部材9を設けることで、測定ホイール2のホイール面が常に皮膚表面に密着することができる。測定ホイール2は平衡ホイール3の中央に位置し、測定ホイール2の幅は各対の平衡ホイール3間の隙間の幅よりも小さく、人体の脊柱が人体の体表領域での形態が凸状である場合、測定ホイール2のホイール面が4つの平衡ホイール3のホイール面接線上に引き込められ、人体の突出部分がちょうど各対の平衡ホイール3間の隙間にあり、平衡ホイール3が皮膚表面に接触し続けることができる。
【0041】
さらに、脊柱測定装置は圧力センサー6をさらに備え、圧力センサー6は取付ブラケット8と弾性部材9間に介在されて、測定ホイール2にかかる圧力を測定するために使用される。圧力センサー6は、測定ホイール2が凹凸の皮膚表面に沿って移動する際に、測定ホイール2が凹凸に伴って変動し、弾性部材9もそれに伴って圧縮されることによる圧力変化を測定するために使用される。人体の頸椎第7棘が特に凸になるので、急激な圧力変動過程があり、変動圧力信号を記録することにより頸椎第7棘の測定位置を特定して、測定後の病変点の位置をさらに最適化するために使用される。
【0042】
明細書の
図1~
図4を参照すると、平衡ホイール3は、4個、6個、8個、10個などであってもよく、好ましくは、平衡ホイール3は4個である。4つの平衡ホイール3はそれぞれ独立して回転し、各平衡ホイール3はいずれも円筒構造である。4つの平衡ホイール3は測定本体1の測定ホイール2に近い一端に設けられ、4つの平衡ホイール3は測定ホイール2の両側に2列に分かれて対称的に設けられ、対向して設けられた1対の平衡ホイール3(すなわち測定ホイール2の左右両側の2つ平衡ホイール3)上にそれぞれ第2センサーが設けられ、第2センサーは平衡ホイール3の移動距離を検出するために使用される。第2センサーは角度測定センサーであり得、独立して2つのホイール面と皮膚の相対的な移動距離を測定し、左右輪の移動距離と左右輪の皮膚接触間距に基づいて測定本体1の中心軸位置の移動距離を算出して、平衡ホイール3自体の測定データと比較するために使用される。
【0043】
さらに、平衡ホイール3に多数の第3センサー10がさらに設けられ、多数の第3センサー10は同一中心軸方向に沿って平衡ホイール3のホイール面に配置され、第3センサー10は平衡ホイール3のホイール面と被験者の接触位置を検出するために使用される。4つの平衡ホイール3はいずれも円筒状ホイール面であり、ホイール面と皮膚の接触位置を確認する必要があり、ホイール面に1組の第3センサー10を追加し、第3センサー10は圧力センサーまたは静電容量センサーであってもよい。この組のセンサーと皮膚の接触圧力強度極値または静電容量極値を判定することにより接触中心位置を確認し、ホイール面と皮膚の接触位置を決定してもよい。ホイール面と皮膚の接触状況を判定することにより測定操作の精度を評価してもよく、通常の測定時には、4つの平衡ホイール3はすべて皮膚に接触し続け、2組の平衡ホイール3の左右2つのホイール面と皮膚の接触点は対称であり、これらの評価により測定操作精度を向上させることができる。
【0044】
本実施例では、測定ホイール2は皮膚上を転がるとき、第1センサー4は順に皮膚に接触し、第1センサーの接触間隔時間と円弧長から、現在の運動速度および転がり距離を算出することができる。第2センサーは平衡ホイール3の移動距離を検出し、平衡ホイール3が湾曲経路に沿って移行するとき、左右輪の移動距離と左右輪の皮膚接触間距から測定ホイール2の移動距離を算出し、脊柱が所在する人体の体表領域の形態は、首領域で凸になり、胸椎と腰椎の領域体表形態は、上部の凸状から下部の凹状に徐々に移行し、第1センサー4によって測定ホイール2が人体のどの測定領域にあるかを検出することができ、3軸角度センサーと地磁気センサーを持ちて各測定点の空間角度値を測定すると、測定ホイール2の移動データと組み合わせて、一連の測定点の空間曲線を算出でき、脊柱のねじれ角度変化値を算出して、脊柱側弯データを取得することができ、その構造が簡単で使い勝手が良い。制御装置は脊柱測定装置の制御ユニットとして使用され、制御装置に様々な回路が搭載され得、回路の種類と数は実際のニーズに応じて設定すればよい。制御装置は計算機能を有し、各センサーで収集したデータから計算して脊柱側弯データを得ることが可能である。
【0045】
<実施例2>
明細書の図面5~
図12を参照すると、脊柱測定装置は、測定本体1、測定ホイール2、平衡ホイール3、第1検出装置、空間座標収集装置7および制御装置を備え、その中で、測定ホイール2は測定本体1の一端に設けられ、少なくとも4つの平衡ホイール3は測定ホイール2の両側に対称的に並列して設けられていずれも測定本体1に接続され、第1検出装置および空間座標収集装置7はいずれも制御装置に接続され、第1検出装置は測定ホイール2の移動具合を検出するために使用され、空間座標収集装置7は空間角度値を検出するために使用される。
【0046】
空間座標収集装置7は取付ブラケットに取り付けられ、空間座標収集装置7は測定ホイール2の位置に対向し、空間座標収集装置7は3軸加速度計、3軸ジャイロ、3軸磁力計を備え、9軸センシング装置を形成し、測定ホイール2の移動過程中の空間ピッチ角、転がり角、コース角の角度変化および地球磁界に対する絶対値をリアルタイムで計測できる。空間座標収集装置7が測定本体1内部に取り付けられ、4つの平衡ホイール3は皮膚の4つの皮膚高点502に接触し、測定ホイール2は常に脊柱501の中心位置に沿って移動し、測定本体1の移動に伴って、各測定点の空間角度値を得ることができる。
【0047】
空間曲線は、複数の誤差データを排除する方法によって算出され、第1に、測定輪と皮膚の接触点は実の測定点であり、3軸角度センサーの位置は測定輪に対して相対的に固定されるので、相対距離の誤差を排除する必要があり、修正後、3軸角度センサーの位置が測定輪と皮膚の接触点の位置とが一致であり、このように矢状面データ誤差が排除される。
【0048】
脊柱測定装置は取付ブラケット8と弾性部材9をさらに備え、取付ブラケット8は測定本体1の一端に取り付けられ、測定ホイール2は取付ブラケット8に取り付けられ、弾性部材9は測定本体1内に設けられ、弾性部材9の一端は測定本体1に当接され、他端は取付ブラケット8に接続される。弾性部材9は測定本体1内に設けられ、弾性部材9の一端は測定本体1に当接され、弾性部材9の他端は取付ブラケット8に接続され、測定ホイール2は弾性部材9の中心軸方向に沿って移動することができる。弾性部材9は弾性柱または伸縮バネであってもよい。弾性部材9を設けることで、測定ホイール2のホイール面が常に皮膚表面に密着することができる。測定ホイール2は平衡ホイール3の中央に位置し、人の脊柱が人体の体表領域での形態は凸状である場合、測定ホイール2のホイール面が4つの平衡ホイール3のホイール面の接線上に引き込められ、人体の突出部分がちょうど各対の平衡ホイール3間の隙間にあり、平衡ホイール3が皮膚表面に接触し続けることができる。
【0049】
測定ホイール2は取付ブラケット8を介して測定本体1の前端に設けられ、測定ホイール2は内輪201と外輪202からなり、外輪202は内輪201上に嵌設され、内輪201は固定され、外輪202は内輪201に対して転がる可能であり、内輪201の外面の下向き領域に2つ以上の第4センサー12が設けられ、第4センサー12は内輪201の周方向に沿って設けられ、第4センサー12は制御装置に接続され、第4センサー12は測定ホイール2と皮膚間の圧力変化を測定するために使用される。
【0050】
図9~
図10を参照すると、内輪201の皮膚接触面の方向に溝が設けられ、それぞれ3個以上の圧力センサー(第4センサー12)が設けられ、複数の圧力センサーは内輪201の周方向に沿って設けられ、内輪201と外輪202は互いに摺動可能であり、外輪202の外面は粗く、内表面は滑らかで、外輪202はプラスチック、テフロン(登録商標)、ナイロンなどの材料を使用し、内輪201の外面は滑らかで、内輪201の両端にホイール軸が設けられ、ホイール軸を介して取付ブラケット8上に固定される。
【0051】
測定ホイール2全体が皮膚表面に押されて転がりながら測定するとき、外輪202が皮膚に接触し、外輪202の外面と皮膚間の摩擦力が外輪202内表面と内輪201の外面間の摩擦力よりも大きいので、外輪202が転がり、内輪201が動かず、皮膚にかかる圧力の反力が外輪202を介して内輪201に伝わり、内輪201の皮膚表面の位置に複数の圧力センサーが設けられているので、内輪201と皮膚間の圧力変化を測定することができる。また、複数のセンサーは圧力を同時に測定するので、異なるセンサーの圧力出力を比較することにより、皮膚と内輪201の表面に圧力中心点の変化を得ることができ、圧力中心点がシステムで設定した中間位置の圧力センサーでない場合、測定操作ミスとして判定することができる。
【0052】
測定ホイール2上の圧力センサーによって皮膚との圧力変化を測定し、さらに以下の有益な効果を有し、すなわち、圧力変化の傾向を把握し、測定ホイール2が脊柱突起骨格上の皮膚表面を転がるか、脊柱突起骨格間の皮膚表面を転がるかを判断することができる(脊柱突起骨格上の皮膚の硬度が高く、脊柱突起骨格間の皮膚の硬度が低いため)。
【0053】
内輪201について、外輪201は滑らかな円弧面を有する全周外形を有し、外輪201は輪本体と円弧状片2011からなり、輪本体上に円弧状片2011を嵌め込む取付溝が設けられ、輪本体上に第4センサー12を取り付けるための溝空間が設けられる。
【0054】
測定ホイール2を支持する取付ブラケット8に光センサー13と発光装置14が設けられ、光センサー13と発光装置14は測定ホイール2の上方に設けられ、測定ホイール2の外輪の外面が転がり方向に沿って光反射率の異なる反射片15に間隔を空けて設けられ、光センサー13によって受信した反射光の強度に基づいて測定ホイール2の転がり速度と移動距離を判定することができる。
【0055】
図11および
図12を参照すると、測定ホイール2を支持する取付ブラケット8に光センサー13と発光装置14が設けられ、測定ホイール2の外輪202の外面は転がり方向に沿って光反射率の異なる反射片15に間隔を空けて設けられ、
図11を参照すると、取付ブラケット8に検出窓16が設けられ、発光した光が外輪202の表面に照射でき、反射光が光センサー13に照射でき、外輪202が転がるとき、間隔を空けて設けられた異なる反射率の反射片15は順に照射されて反射し、光センサー13は受光した反射光の強度から、外輪202の転がり速度と移動距離を判断する。
【0056】
図8を参照すると、外輪201に反射片15が設けられ、反射片15は高反射片1501と低反射片1502に分かれ、高反射片1501と低反射片1502は外輪201の周方向に沿って順に間隔を空けて分布している。
【0057】
取付ブラケット8について、
図11および
図12を参照すると、取付ブラケット8は筒状部分と回転軸支持板からなり、2つの回転軸支持板は筒状部分の底部に設けられ、2つ回転軸支持板は対向して設けられ内輪201を固定するために使用される。筒状部分の底部に検出窓16が開設され、検出窓16は2つの回転軸支持板間に位置する。
図12を参照すると、筒状部分の内部に支持板が設けられ、支持板の頂面に角度検出装置7が設けられ、支持板の底面に光センサー13と発光装置14が固定される。
【0058】
平衡ホイール3に第3センサー10がさらに設けられ、第3センサー10は平衡ホイール3のホイール軸またはホイール面に設けられ、第3センサー10は平衡ホイールのホイール面と被験者の接触位置を検出するために使用される。
【0059】
平衡ホイール3は測定ホイール2の両側に位置し、それぞれ測定本体1に接続され、平衡ホイール3のホイール軸方向は測定ホイール2のホイール軸に平行であり、平衡ホイール3は対に設けられ(測定ホイール2の左右両側に対向して設けられた平衡ホイール3は1対の平衡ホイールと呼ぶ)、2対以上であり、測定過程中、平衡ホイール3は脊柱両側筋肉高点の皮膚表面に接触する。
【0060】
平衡ホイール3は、測定本体1に固定的に取り付けられたホイール軸と転がり可能なホイール面からなり、ホイール面の円筒の高さはその直径の2倍よりも大きく、ホイール面の高さは30mm以上であり、平衡ホイール3のホイール軸またはホイール面に圧力センサーまたは歪センサー(第3センサー10)が設けられ、平衡ホイール3と皮膚間の接触圧力を測定するために使用され、接触圧力がゼロであるとき、測定操作ミスとして判定することができる。
【0061】
制御装置は測定本体1内に位置し、制御装置は、制御基板、空間座標軌跡データ分析モジュール、データ伝送モジュールおよび電源管理機能モジュールなどを備える。脊柱測定装置は、コンピューター、タブレット、モバイル端末、アップコンピューターまたは他の装置に通信可能に接続される。
【0062】
本発明が提供する脊柱測定システムは、外部ホストと、上記の脊柱測定装置を備え、外部ホストは前記脊柱測定装置に通信可能に接続される。
【0063】
脊柱測定装置について、具体的な構造は上記で詳細に説明したので、ここでは繰り返さない。
【0064】
本発明が提供する脊柱測定装置を用いて脊柱を検出する測定方法は、
脊柱の各座標位置の圧力データを収集するステップと、
前記圧力データに基づいて、頸椎を検出するための位置決めとして頸椎第7棘の位置を特定するステップと、を含む。
【0065】
脊柱測定装置の圧力センサーによって圧力変化データを収集し、頸椎第7棘を正確に特定して位置決め、測定起点を精度よく見つけ、データ収集も頸椎第7棘から開始するので、その後のデータ収集と分析の精度を確保することができる。
【0066】
「圧力データに基づいて頸椎第7棘の位置を特定するステップ」は、具体的に、
前記各位置座標の圧力データに基づいて、圧力変化データを取得すること、
圧力変化データに基づいて、予設の頸椎第7棘の圧力変異範囲に適合する目標圧力変化データを検索すること、
目標圧力変化データに基づいて、対応の測定座標位置を決定すること、
対応の測定座標位置に基づいて、頸椎第7棘の位置を特定することを、を含む。
【0067】
上記の脊柱測定装置の具体的な実施例1の説明と組み合わせて、脊柱を検出する測定方法を如何に説明する。
【0068】
図13を参照すると、本発明が提供する測定方法は、以下のステップを含む。
【0069】
S101、センシングアセンブリによって脊柱測定時の各位置座標の圧力データを収集する。
【0070】
図2に示すように、測定ホイール2を取り付ける取付ブラケット8に弾性部材9(伸縮バネ)が取り付けられ、測定ホイール2の面が皮膚表面に密着して接触することを確保する。測定ホイール2は平衡ホイール3の中央に位置し、測定ホイール2の幅は各対の平衡ホイール3間の隙間の幅よりも小さく、人体の脊柱が人体の体表領域での形態が凸状である場合、測定ホイール2のホイール面が4つの平衡ホイール3のホイール面接線上に引き込められ、人体の突出部分がちょうど各対の平衡ホイール3間の隙間にあり、平衡ホイール3が皮膚表面に接触し続けることができる。
【0071】
センシングアセンブリは測定ホイール2、平衡ホイール3および取付ブラケット8に取り付けられたセンサーをさらに備え、センシングアセンブリにり、脊柱を測定するとき、測定ホイール2、平衡ホイール3が各位置座標に移動する過程の圧力データを収集する。
S102、各位置座標の圧力データに基づいて圧力変化データを取得する。
【0072】
センシングアセンブリにより測定ホイール2が凹凸の皮膚表面に沿って移動する際に、測定ホイール2が凹凸に伴って変動し、バネもそれに伴って圧縮されることによる圧力変化を測定するために使用される。
【0073】
S103、圧力変化データに基づいて、予設の頸椎第7棘の圧力変異範囲に適合する目標圧力変化データを検索する。
【0074】
S104、目標圧力変化データに基づいて、対応の測定座標位置を決定する。
【0075】
S105、対応の測定座標位置に基づいて、頸椎第7棘の位置を特定する。
【0076】
人体の頸椎第7棘が特に凸になるので、急激な圧力変動過程があり、変動圧力信号を記録することにより頸椎第7棘の測定位置を特定して、測定後の病変点の位置をさらに最適化するために使用され、測定起点を精度よく見つけ、データ収集も頸椎第7棘から開始するので、その後のデータ収集と分析の精度を確保することができる。
【0077】
「目標圧力変化データに基づいて、対応の測定座標位置を決定するステップ」の後に、
対応の測定座標位置によって形成された空間軌跡が、頸椎第7棘の軌跡変動特徴値標準に満たすかどうかを判定し、
満たす場合、頸椎第7棘の位置を特定する流れ、すなわちステップS105を実行する。
【0078】
頸椎第7棘の位置決めをより正確にするために、「予設の頸椎第7棘の圧力変異範囲に適合する目標圧力変化データ」の基に、位置変化データと組み合わせる。すなわち、装置が頸椎第7棘に移動すると、空間軌跡が頸椎第7棘の外部特性により変動し、頸椎第7棘の軌跡変動特徴値を抽出することで、頸椎第7棘の位置を特定することができる。
【0079】
「センシングアセンブリによって脊柱測定時の各位置座標の圧力データを収集するステップ」について、具体的に、
圧力センサーと3軸角度センサーを通じて脊柱測定時の各位置座標の圧力データを収集する。
【0080】
具体的に、測定ホイール2を取り付ける伸縮バネの端面に圧力センサー6が取り付けられ、上記圧力センサー6は、測定ホイール2が凹凸の皮膚表面に沿って移動する際に、測定ホイール2が凹凸に伴って変動し、バネも圧縮されることによる圧力変化を測定するために使用される。
【0081】
測定ホイール2のホイール面において、転がり方向に沿って3組の静電容量センサー(第1センサー4)が並列され、3組の静電容量センサーで収集した静電容量データおよび収集した空間曲線データに基づいて、脊柱検出の手持ち装置が所在する人体測定領域を決定することができる。
【0082】
測定ホイールが皮膚上を転がるとき、第1センサー4が順に皮膚に接触し、静電容量センサーの接触間隔時間と円弧長に基づいて、現在の運動速度および転がり距離を算出し、現在の運動速度、転がり距離および3軸角度センサーで収集した各位置座標に基づいて、空間曲線データを取得する。
【0083】
図2に示すように、測定ホイール2のホイール面上の左部、中部および右部にそれぞれ1組の静電容量センサーが設けられ、各組の静電容量センサーの感知点は測定ホイールの対応のホイール面領域に均一に分布し、3組の静電容量センサーによって3ターンのセンサー感知点を形成する。中間組の静電容量センサーは測定ホイールのホイール面中心軸に位置し、左右2組の静電容量センサーは中間組の静電容量センサーを中心軸として対称に分布している。
【0084】
中間組の静電容量センサーが静電容量データを収集し、左右2組の静電容量センサーが静電容量データを収集していない場合、脊柱検出手持ち装置が所在する人体測定領域は頸椎セグメントであると判断し、左右2組の静電容量センサーが静電容量データを収集し、中間組の静電容量センサーが静電容量データを収集していない場合、脊柱検出手持ち装置が所在する人体測定領域は腰椎セグメントであると判断し、3組の静電容量センサーがすべて静電容量データを収集した場合、脊柱検出手持ち装置が所在する人体測定領域は胸椎セグメントであると判断する。
【0085】
脊柱が所在する人体の体表領域の形態により、首領域は凸状であり、3組の静電容量センサーでは、中間組のみが皮膚に接触でき、左右の2組が接触できず、胸椎と腰椎の領域の体表形態は、上部の凸状から下部の凹状に徐々に移行する。このとき、3組のセンサーと皮膚の接触面積は、はじめは中間の1組が皮膚に接触していたが、両側2組の接触面積が徐々に増加し、中間の1組が非常に凹んだ領域に達すると接触面積が減少するか、あるいは接触しなくなり、このように、脊柱測定装置は人のどの測定領域にあるかを判断することができる。
【0086】
本発明が提供する制御装置は、
脊柱測定時の各位置座標の圧力データを収集するためのセンシングアセンブリと、
前記各位置座標の圧力データに基づいて、圧力変化データを取得するために使用される取得モジュールと、
圧力変化データに基づいて、予設の頸椎第7棘の圧力変異範囲に適合する目標圧力変化データを検索するために使用される検索モジュールと、
目標圧力変化データに基づいて、対応の測定座標位置を決定するために使用される決定モジュールと、
対応の測定座標位置に基づいて、頸椎第7棘の位置を特定するために使用される特定モジュールと、を備える。
【0087】
判断モジュールをさらに備え、
前記対応の測定座標位置によって形成された空間軌跡が頸椎第7棘の軌跡変動特徴値標準を満たすかどうかを判断するために使用され、
満たす場合、頸椎第7棘の位置を特定する流れを実行する。
【0088】
脊柱測定点の空間曲線データおよび空間角度変化データを算出して取得し、前記空間曲線データと前記空間角度変化データに基づいて、脊柱側弯cobb角を測定し、前記cobb角に基づいて脊柱側弯度合いを決定するために使用される分析処理モジュールをさらに備える。
【0089】
なお、上記各実施例における同じまたは類似の部分を互いに参照することができ、いくつかの実施例で詳細に説明されていないものは、他の実施例の同じまたは類似のものを参照すればよい。
【0090】
本発明の説明において、特に断らない限り、「複数」は2つ以上を意味し、「上」、「下」、「左」、「右」、「内」、「外」、「前端」、「後端」、「先頭」、「末端」などの用語で示される方位または位置関係は図面に示す方位または位置関係に基づくものであり、本発明の説明および説明の簡略化の目的でのみ使用され、かかる装置またはデバイスは必ずしも特定の方位を有し、特定の方位で構成および操作されることを指示または暗示するものではないので、本発明の限定として理解されない。さらに、「第1」、「第2」、「第3」などの用語は説明の目的でのみ使用され、相対的な重要性を指示または暗示するものではない。
【0091】
本発明の説明において、特に明確に規定および限定しない限り、「取付」、「連結」、「接続」などの用語は広義的に理解されたく、例えば、固定的に接続してもよく、着脱可能に接続してもよく、または一体的に接続してもよいし、機械的に接続してもよく、電気的に接続してもよいし、直接に連結してもよく、中間媒体を介して間接的に連結してもよい。当業者は、具体的状況に応じて本発明における上記用語の具体的な意味を理解すればよい。
【0092】
フローチャートまたは他の形態で説明される任意の過程または方法は、特定の論理機能または過程を実現するための1つまたは複数のステップの実行可能な指令のコードのモジュール、セグメントまたは部分であり得、本願の好ましい実施形態の範囲は他の実装も含み、示されたまたは議論された順序ではなくてもよく、関連する機能は実質的に同時または逆の順序で実現され得ることは、当業者にとって理解されるはずである。
【0093】
なお、本出願の各部はハードウェア、ソフトウェア、ファームウェアまたはそれらの組み合わせによって実現され得る。上記実施形態において、複数のステップまたは方法は、メモリに記憶され適切な指令実行システムによって実行されるソフトウェアまたはファームウェアを通じて実現され得る。例えば、ハードウェアで実現すると、別の実施形態と同様に、本分野でよく知られている、データ信号に論理機能を実装するための論理ゲート回路のディスクリート論理回路や、適切な組み合わせ論理ゲート回路の専用集積回路、プログラマブルゲートアレイ(PGA)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)などを採用してもよい。
【0094】
上記実施例の方法におけるすべてまたは一部のステップはプログラムによる関連ハードウェアによって実行され得、前記プログラムはコンピューター可読記憶媒体に格納され得、このプログラムが実行されると、方法実施例のステップの1つまたは組み合わせを含むものとする。
【0095】
また、本出願の各実施例の各機能ユニットは1つの処理モジュールに統合されてもよく、各ユニットが物理的に別々に存在してもよく、2つ以上のユニットが1つのモジュールに統合されてもよい。上記統合されたモジュールは、ハードウェアとして実装されてもよく、ソフトウェア機能モジュールとして実行されてもよい。前記統合されたモジュールはソフトウェア機能モジュールとして実装され、独立した製品として販売または使用する場合、コンピューター可読記憶媒体に格納されることもある。
【0096】
上記の記憶媒体は読み取り専用メモリ、ディスクまたは光ディスクなどであってもよい。
【0097】
本明細書の説明において、「1つの実施例」、「いくつかの実施例」、「例示」、「具体例」または「一例」などの参照用語は、この実施例または例示で説明された具体的な特徴、構造、材料または特性が本出願の少なくとも1つの実施例または例示に含まれることを指す。本明細書において、上記用語の模式的表現は必ずしも同一の実施例または例示を指すものではない。さらに、説明された具体的な特徴、構造、材料または特性は、任意の1つまたは複数の実施例または例示で適切に組み合わせることができる。
【0098】
以上、本発明の具体的な実施形態を説明したが、本発明の保護範囲はこれに限定されなく、当業者は、本発明が開示した技術範囲内で容易に想到した変更や置換は、すべて本発明の保護範囲に含まれる。したがって、本発明の保護範囲は特許請求の範囲に従うものとする。
【符号の説明】
【0099】
1 測定本体
101 ハンドル
2 測定ホイール
201 内輪
2011 円弧状片
202 外輪
3 平衡ホイール
4 第1センサー
401 中間センサー
402 左側センサー
403 右側センサー
5 模擬被験者
501 脊柱
502 皮膚高点
6 圧力センサー
7 角度検出装置(空間座標収集装置)
8 取付ブラケット
9 弾性部材
10 第3センサー
12 第4センサー
13 光センサー
14 発光装置
15 反射片
1501 高反射片
1502 低反射片
16 検出窓