(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024022510
(43)【公開日】2024-02-16
(54)【発明の名称】スクリューマシンを用いて材料を処理するための処理要素
(51)【国際特許分類】
B29C 48/40 20190101AFI20240208BHJP
B29B 7/48 20060101ALI20240208BHJP
B29C 48/57 20190101ALI20240208BHJP
【FI】
B29C48/40
B29B7/48
B29C48/57
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023120649
(22)【出願日】2023-07-25
(31)【優先権主張番号】22188918
(32)【優先日】2022-08-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】501164665
【氏名又は名称】コペリオン ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100154612
【弁理士】
【氏名又は名称】今井 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】ヨハネス ハイン
(72)【発明者】
【氏名】マライケ タベリング
(72)【発明者】
【氏名】ヨハネス ドンナー
(72)【発明者】
【氏名】ディルク キリオン
【テーマコード(参考)】
4F201
4F207
【Fターム(参考)】
4F201AJ08
4F201AR07
4F201AR12
4F201BA01
4F201BC02
4F201BC13
4F201BD04
4F201BD05
4F201BK02
4F201BK13
4F201BK18
4F201BK26
4F207AJ08
4F207AR07
4F207AR12
4F207KA01
4F207KA17
4F207KK13
4F207KK34
4F207KL04
4F207KM14
(57)【要約】
【課題】スクリューマシンを用いて材料を処理するための、摩耗が少なく、耐用年数が長い処理要素を提供する。
【解決手段】スクリューマシンを用いて材料を処理するための処理要素(30、30’)は、搬送部(31)と、溶融部(32)とを備える。溶融部(32)は、搬送方向(18)において搬送部(31)の下流側に配置され、搬送部(31)と一体に接続されている。これにより、摩耗が低減され、耐用年数が長くなる。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スクリューマシンを用いて材料を処理するための処理要素であって、
搬送部(31)と、
搬送方向(18)において前記搬送部(31)の下流側に配置され、
前記搬送部(31)と一体に接続されている溶融部(32)と、
を備える処理要素。
【請求項2】
前記溶融部(32)は、N個の混練ディスク(35、36)を備え、
ここで、1≦N≦7、特に2≦N≦6、特に3≦N≦5であることを特徴とする、請求項1に記載の処理要素。
【請求項3】
前記溶融部(32)は、前記搬送方向(18)に次々に配置された少なくとも2つの混練ディスク(35、36)を備え、前記少なくとも2つの混練ディスク(35、36)のそれぞれの第1側面(S1A、S3A)及び/又はそれぞれの第2側面(S2A、S4A)が、互いに対してオフセット角cを有し、ここで、0°≦c≦90°、特に15°≦c≦75°、特に30°≦c≦60°であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の処理要素。
【請求項4】
前記溶融部(32)は、第1側面(S1A、S3A)と第2側面(S2A、S4A)との間で捩じられる少なくとも1つの混練ディスク(35、36)を備えることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の処理要素。
【請求項5】
前記少なくとも1つの混練ディスク(35、36)は、前記第1側面(S1A、S3A)と前記第2側面(S2A、S4A)との間にねじれ角dを有し、ここで、0°<d≦30°、特に5°≦d≦25°、特に10°≦d≦20°であることを特徴とする、請求項4に記載の処理要素。
【請求項6】
前記少なくとも1つの混練ディスク(35、36)は、ピッチPA、及び外径DAAを有し、ここで、5≦PA/DAA≦10、特に6≦PA/DAA≦9、特に7≦PA/DAA≦8であることを特徴とする、請求項4又は5に記載の処理要素。
【請求項7】
前記溶融部(32)は、前記搬送方向(18)に次々に配置された少なくとも2つの混練ディスク(35、36)を備え、下流側に配置された混練ディスク(36)の第1側面(S3A)が、上流側に配置された混練ディスク(35)の第2側面(S2A)に対してオフセット角eを有し、ここで、5°≦e≦70°、特に10°≦e≦55°、特に15°≦e≦40°であることを特徴とする、請求項4乃至6のいずれか一項に記載の処理要素。
【請求項8】
前記溶融部(32)は、幅LA及び外径DAAを有する少なくとも1つの混練ディスク(35、36)を備え、ここで、0.1≦LA/DAA≦0.4、特に0.15≦LA/DAA≦0.35、特に0.2≦LA/DAA≦0.3であることを特徴とする、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の処理要素。
【請求項9】
前記溶融部(32)は、先端面取り部(40、41)を有する少なくとも1つの混練ディスク(35、36)を備えることを特徴とする、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の処理要素。
【請求項10】
前記搬送部(31)は、ピッチPF及び外径DAFを有し、
ここで、0.75≦PF/DAF≦2、特に1≦PF/DAF≦1.75、特に1.25≦PF/DAF≦1.5であることを特徴とする、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の処理要素。
【請求項11】
前記搬送部(31)は、長さLF及びピッチPFを有し、
ここで、0.2≦LF/PF≦1.5、特に0.3≦LF/PF≦1.2、特に0.4≦LF/PF≦0.9であることを特徴とする、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の処理要素。
【請求項12】
前記搬送部(31)及び前記溶融部(32)は、互いに対してオフセット角bを有し、
ここで、0°≦b≦90°、特に5°≦b≦45°、特に10°≦b≦15°であることを特徴とする、請求項1乃至11のいずれか一項に記載の処理要素。
【請求項13】
前記搬送方向(18)において前記溶融部(32)の下流側に配置され、前記溶融部(32)と一体に接続された支持部(33)を備えることを特徴とする、請求項1乃至12のいずれか一項に記載の処理要素。
【請求項14】
前記支持部(33)は、特にねじれていない少なくとも1つの混練ディスク(38)を備えることを特徴とする、請求項13に記載の処理要素。
【請求項15】
前記支持部(33)は、幅LS及び外径DASを有する少なくとも1つの混練ディスク(38)を備え、ここで、0.05≦LS/DAS≦0.5、特に0.1≦LS/DAS≦0.35、特に0.15≦LS/DAS≦0.2であることを特徴とする、請求項13又は14に記載の処理要素。
【請求項16】
前記溶融部(32)は外径DAAを有し、前記支持部(33)は外径DASを有し、ここでDAA<DASであること、及び/又は
前記搬送部(31)は外径DAFを有し、前記支持部(33)は外径DASを有し、ここでDAF<DASであることを特徴とする、請求項13乃至15のいずれか一項に記載の処理要素。
【請求項17】
材料を処理するためのスクリューマシンであって、
ハウジング(6)と、
前記ハウジング(6)に形成された少なくとも1つのハウジングボア(7、8)と、
前記少なくとも1つのハウジングボア(7、8)内に配置される少なくとも1つの処理要素シャフト(9、10)と、を備え、
前記少なくとも1つの処理要素シャフト(9、10)は、請求項1乃至16のいずれか一項に記載の少なくとも1つの処理要素(30、30’)を備える、スクリューマシン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スクリューマシンを用いて材料を処理するための処理要素に関する。本発明はさらに、そのような処理要素を備えるスクリューマシンに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1(特許文献2に対応)から、ケーシングと、その上に配置された処理要素を有する異形シャフト(profiled shaft)とを備えるスクリュー式押出機が知られている。供給ゾーンでは、搬送要素又はスクリュー要素が異形シャフト上に処理要素として配置される。供給ゾーンの搬送方向下流に形成された混合・混練ゾーンでは、混練ブロックが、処理される材料を溶融・均質化するための処理要素として異形シャフト上に配置される。混練ブロックはそれぞれ、互いに一体に形成された複数の混練ディスクからなる。混合・混練ゾーンの下流に形成された圧力上昇ゾーンでは、スクリュー要素が再び異形シャフト上に処理要素として配置される。
【0003】
処理される材料は混合・混練ゾーンで溶融される。そこでは、処理要素と関連シャフトが高荷重にさらされ、これにより処理要素、シャフト、及びハウジングに大きな摩耗が生じ、それらの耐用年数が短くなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】EP 1 508 424 A1
【特許文献2】US 2005/0041521 A1
【特許文献3】WO 2011/039 016 A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、スクリューマシンを用いて材料を処理するための、摩耗が少なく、耐用年数が長い処理要素を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、請求項1の特徴を有する処理要素によって達成される。この処理要素は、スクリューマシンによって材料、特にプラスチック材料を処理及び/又は溶融するために使用される。この処理要素は、搬送方向下流側に配置された搬送部と溶融部とを備えており、これらの搬送部は互いに一体に接続されている。搬送部は、特に、処理される材料を搬送するための搬送要素又はスクリュー要素を備える。溶融部は、特に少なくとも1つの混練ディスクを備える。少なくとも1つの混練ディスクは、処理される材料にエネルギーを導入し、及び/又は処理される材料を溶融させる役割を果たす。処理要素は、搬送部と溶融部の一体化設計が搬送と溶融の機能を組み合わせるので、特に組み合わせ(複合;結合)処理要素として設計される。特に、処理要素は、処理要素をスクリューマシンの異形シャフトに固定するための異形貫通穴を備える。
【0007】
搬送部と溶融部が一体構成であるため、高荷重がかかっても搬送部と溶融部の間に材料又は材料の溶融物が侵入するような隙間が生じない。一体構成により、処理要素及び関連する異形シャフトにかかる特定の荷重、すなわち単位面積当たりの荷重が低減される。さらに、処理要素の剛性は、搬送部と溶融部との間の重要な通路で増大するので、スクリューマシンの運転中に処理要素の相対的な移動及び変形が減少する。これにより摩耗が減少し、耐用年数が延びる。特に、シャフトの破損の危険性を低減することができる。
【0008】
請求項2に記載の処理要素は、低摩耗と長い耐用年数を保証する。溶融部は一体に形成されている。特に、複数の混練ディスクは、互いに一体に接続されている。溶融部が複数の相互接続された混練ディスクを有する場合、スクリューマシンの運転中に溶融部で発生する荷重は、複数の混練ディスクに分散される。それぞれの混練ディスクは、シングルフライトから4フライトの設計とすることができる。好ましくは、混練ディスクは2フライト又は3フライトを有する。溶融部の混練ディスクは、幾何学的に同一であるか、及び/又は幾何学的に異なるように構成することができる。
【0009】
請求項3に記載の処理要素は、低摩耗と長い耐用年数を保証する。各混練ディスクは、搬送方向に対して上流側に向けられた第1側面と、搬送方向に対して下流側に向けられた第2側面とを有する。交互に直ぐ後に配置される2つの混練ディスクは、それらの第1側面及び/又は第2側面に、互いに対してオフセット角cを有し、その結果、混練ディスクの配置が材料の搬送を促進する。溶融部での材料の滞留時間、したがって、一方ではエネルギー投入又は溶融、他方では荷重を、オフセット角cによって調整することができる。
【0010】
請求項4に記載の処理要素は、低摩耗と長い耐用年数を保証する。各混練ディスクは、搬送方向に対して上流側に向けられている第1側面と、搬送方向に対して下流側に向けられている第2側面とを有する。第1側面は第2側面からねじれ角dだけオフセットされており、混練ディスクは第1側面から第2側面に向かってねじれている。処理要素がスクリューマシンの関連する異形シャフト上に配置される場合、これによりそれぞれの処理要素への負荷が軽減される。多軸ウォームマシンのハウジングには、ハウジングが少なくとも1つの略三角形領域を形成するように、少なくとも2つの交差するハウジングボアが形成される。略三角形領域は、交差する少なくとも2つのハウジングボアによって形成されるテーパ状のハウジング領域である。ねじれ角は、処理される材料が略三角形領域に捕捉されるのを防ぐ。ねじれ角は搬送効果を生み出す。ねじれ角は、材料に作用する軸方向の衝動を生じさせ、従って優先方向を生じさせるので、略三角形領域の材料に作用する力が小さくなり、従って処理要素に作用する力も小さくなり、その結果として、応力及び損傷が小さくなる。さらに、ねじれ角は、同時に略三角形領域に囲まれる材料の体積を減少させる。略三角形領域に作用する力を低下させることにより、処置要素及び関連するシャフトに作用する応力、特に曲げモーメント及び/又はねじりモーメントが低減される。多軸ウォームマシンの処理要素シャフトの振動が低減されるので、ハウジング及び/又は処理要素の摩耗及び損傷が低減され、及び/又はシャフトでの摩耗及び損傷が回避される。
【0011】
請求項5に記載の処理要素は、低摩耗と長い耐用年数を保証する。溶融部が複数の混練ディスクを備える場合、個々の混練ディスク又は全ての混練ディスクがねじれ角dを有してもよい。混練ディスクのねじれ角度は同一であってもよく、及び/又は異なっていてもよい。
【0012】
請求項6に記載の処理要素は、低摩耗と長い耐用年数を保証する。少なくとも1つの混練ディスクのねじれにより、混練ディスクのそれぞれの輪郭は搬送方向に螺旋を画定する。この螺旋は、搬送方向に一回転、すなわち360°の角度でのピッチPAを規定する。ピッチPAは、リードとも呼ばれる。多軸ウォームマシンでは、ピッチPAと外径DAAの比が、対になって配置された隣接する処理要素間の略三角形領域における負荷を低減する。ねじれ角dはそれぞれの混練ディスクのピッチPA及び幅LAから生じる。
【0013】
請求項7に記載の処理要素は、低摩耗と長い耐用年数を保証する。各混練ディスクは、搬送方向に対して上流側に向けられた第1側面と、搬送方向に対して下流側に向けられた第2側面とを有する。次々に配置された2つの混練ディスクは、上流側に配置された混練ディスクの第2側面と下流側に配置された混練ディスクの第1側面との間に接続されている。オフセット角eは、上流側に配置された混練ディスクの第2側面と下流側に配置された混練ディスクの第1側面との間に形成される。特に、オフセット角eには、e=b-dが適用される。ここで、bは2つの連続する混練ディスクの第1側面及び/又は第2側面間のオフセット角を示し、dは上流に配置された混練ディスクのねじれ角度を示す。オフセット角eは材料の搬送を促進することができる。これは、溶融部における材料の滞留時間に影響を与えることができる。オフセット角eは、一方ではエネルギー投入と溶融に影響を与え、又は調整し、他方では処理要素への負荷に影響を与え、又は調整する。
【0014】
請求項8に記載の処理要素は、低摩耗と長い耐用年数を保証する。幅LAは搬送方向に関係する。混練ディスクの数及び/又は幅LAと外径DAAとの比は、一方では材料へのエネルギー投入及び材料の溶融に影響を与え、他方では処理要素への負荷に影響を与える。溶融部がより多くの混練ディスクを備えるほど、及び/又はそれぞれの混練ディスクの幅が広いほど、処理要素はより硬く、より頑丈になる。
【0015】
請求項9に記載の処理要素は、低摩耗と長い耐用年数を保証する。それぞれの混練ディスクは、複数のエッジを有する。第1周方向エッジは、搬送方向に対して上流側に向けられている第1側面と周方向側面との間に配置されている。これに対応して、第2周方向エッジは、搬送方向に対して下流側に向けられている第2側面と周方向側面との間に配置されている。第3エッジは、周方向側面に配置され、第1エッジ及び/又は第2エッジに対して横方向に延びることができる。例えば、マルチフライト混練ディスクの場合、エッジはそれぞれのクレスト領域と隣接するフランク領域との間を延びる。先端面取り部は、それぞれの混練ディスクの体積を減少させ、その代わりに、スクリューマシンのハウジングボア内の自由体積を増加させる。自由容積を増加させることにより、処理要素及び関連する異形シャフトにかかる材料の負荷が減少する。特に、略三角形領域における自由体積が増加するので、略三角形領域における負荷が減少する。先端面取り部は、特に面取り及び/又は丸みを帯びる(rounding)ように設計される。好ましくは、先端面取り部は、それぞれのエッジの長さの少なくとも25%、特に少なくとも50%、特に少なくとも75%にわたって延びる。好ましくは、それぞれの混練ディスクの円周側面はエッジなしで形成することができる。このような混練ディスクの形状はインボリュート形状(プロファイル)とも呼ばれるか、又は混練ディスクはインボリュート混練ディスクとも呼ばれる。このような形状(プロファイル)は、例えば特許文献3に開示されており、参照されたい。
【0016】
請求項10に記載の処理要素は、低摩耗と長い耐用年数を保証する。好ましくは、搬送部は、搬送要素又はスクリュー要素を備える。搬送部又は搬送要素の形状は、特に、シングルフライトからフォーフライト、好ましくはダブルフライト又はスリーフライトになるように設計される。搬送部又は搬送要素の形状は、搬送方向に螺旋を画定する。螺旋は、1回転、すなわち360°の角度でピッチPFを規定する。このピッチはリードとも呼ばれる。搬送部の搬送効果は、ピッチPFと外径DAFの比によって調整される。搬送効果は、単位時間当たりに溶解部に供給される材料の量を決定する。ピッチPFと外径DAFとの比は、搬送部と溶解部の間の移行領域における負荷を調整するために使用される。搬送部は、エルドメンジャー形状、スラストエッジ形状及び/又はインボリュート形状を有することができる。
【0017】
請求項11に記載の処理要素は、低摩耗と長い耐用年数を保証する。長さLFは、搬送方向に関連している。搬送部の形状は、搬送方向に螺旋を画定する。螺旋は、1回転、すなわち360°の角度でピッチPFを有する。ピッチPFはリードとも呼ばれる。搬送部の搬送効果は、長さLFとピッチPFの比によって調整される。その結果、搬送部と溶解部の間の移行領域における負荷が調整される。
【0018】
請求項12に記載の処理要素は、低摩耗と長い耐用年数を保証する。搬送部と溶融部との間の移行領域における搬送効果及び負荷は、オフセット角bによって調整される。溶融部は、特に、搬送方向に対して上流側に向けられている第1側面を有する。対照的に、搬送部は、特に、搬送方向に対して下流側に向けられている第2側面を有する。溶融部の第1側面は、特に、搬送部の第2側面と一体に接続されており、オフセット角bは、搬送部の第2側面と溶融部の第1側面との間に形成されている。好ましくは、オフセット角bは、搬送部の搬送要素の第2側面と、溶融部の混練ディスクの第1側面との間に形成される。次のことが特にオフセット角bに適用される。0°≦b≦5°、特に0°≦b≦1°、特にb=0°。
【0019】
請求項13に記載の処理要素は、低摩耗と長い耐用年数を保証する。支持部は、処理要素の半径方向の動きを減少させる。これにより、摩耗及び起こり得る損傷が低減され、処理要素の耐用年数が長くなる。支持部により、溶融部をその機能に従って確実に使用することができる。さらに、処理要素の剛性が向上する。処理要素に作用する荷重は、処理要素の長さ全体にわたってより適切に分散される。
【0020】
好ましくは、支持部は、搬送方向に対して上流側に向けられ、溶融部に接続される第1側面を有する。好ましくは、溶融部は、搬送方向に対して下流側に向けられ、支持部に接続される第2側面を有する。溶融部の第2側面と支持部の第1側面との間にオフセット角fが形成され、特に:-90°≦f≦90°、特に-45°≦f≦45°、特に-15°≦f≦15°、特に-5°≦f≦5°、特に-1°≦f≦1°、特にf=0°である。正のオフセット角fは、予め定義された回転方向に対するオフセット角である。正のオフセット角は促進効果がある。対照的に、負のオフセット角fは、予め定義された回転方向へのオフセット角である。負のオフセット角には抑制効果がある。処理される材料によっては、溶融後に材料の搬送又は背圧が望まれる場合がある。好ましくは、オフセット角fは、溶融部の混練ディスクの第2側面と支持部の混練ディスクの第1側面との間に形成される。好ましくは、オフセット角fはオフセット角eに等しい。
【0021】
請求項14に記載の処理要素は、低摩耗と長い耐用年数を保証する。支持部は、M個の混練ディスクを備え、特に1≦M≦4、特に2≦M≦3である。混練ディスクはシングルフライトからフォーフライトの設計が可能であり、好ましくは、混練ディスクはツーフライト又はスリーフライトの設計である。混練ディスクは、同一の設計及び/又は異なる設計とすることができる。
【0022】
好ましくは、支持部は、搬送方向において次々に配置された少なくとも2つの混練ディスクを備える。混練ディスクの各々は、搬送方向に対して上流側に向けられている第1側面と、搬送方向に対して下流側に向けられている第2側面とを備える。少なくとも2つの混練ディスクの第1側面及び/又は第2側面の間に、オフセット角gが形成され、特に0°≦g≦180°、特に15°≦g≦120°、特に30°≦g≦90°である。
【0023】
少なくとも1つの混練ディスクは、好ましくは撚れがないか、撚られていない。好ましくは、支持部の各混練ディスク又は支持部のすべての混練ディスクは、撚れがないか、撚られていない。したがって、ねじれ角は0°である。各混練ディスクは、搬送方向に対して上流側に向けられている第1側面と、搬送方向に対して下流側に向けられている第2側面とを有する。したがって、それぞれの混練ディスクの第1側面と第2側面は、互いに一致しており、及び/又はねじれ角を有していない。
【0024】
請求項15に記載の処理要素は、低摩耗と長い耐用年数を保証する。幅LSは搬送方向に関係する。支持部が複数の混練ディスクを有する場合、混練ディスクは同一の幅LS、及び/又は異なる幅LSを有することができる。好ましくは、搬送方向から見て支持部の最後の混練ディスクの幅LSは、支持部の上流側の混練ディスクの幅LSよりも小さい。その結果、更なる処理要素の下流の混練ディスクがオフセット角なしで配置される場合、望ましくない大きな幅を回避することができる。
【0025】
請求項16に記載の処理要素は、低摩耗と長い耐用年数を保証する。溶融部及び/又は搬送部は、支持部に比べて直径が小さくなっている。外径DAA及び/又は外径DAFが外径DASに比べて減少されることにより、溶融部及び/又は搬送部の領域における処理要素への負荷が低減される。同時に、支持部は、より大きな外径DASにより高い支持効果を提供するので、処理要素の半径方向の移動が低減される。
【0026】
溶融部の外径DAAは、溶融部の長さに沿って、又は溶融部の連続的に配置された混練ディスクに関して一定であることができ、及び/又は搬送方向に増加することができ、及び/又は搬送方向に減少することができる。外径DAAは、溶融部の長さに沿って連続的及び/又は不連続的に変化することができる。
【0027】
搬送部の外径DAFは、搬送部の長さに沿って、又は搬送部の連続的に配置された搬送要素に関して一定であることができ、及び/又は搬送方向に増加することができ、及び/又は搬送方向に減少することができる。外径DAFは、搬送部の長さに沿って連続的及び/又は不連続的に変化することができる。
【0028】
好ましくは、搬送部と溶融部との間及び/又は溶融部と支持部との間にスペーサ要素が配置される。スペーサ要素は、搬送部と溶融部、又は溶融部と支持部に一体に接続される。好ましくは、スペーサ要素は、溶融部の少なくとも2つの混練ディスクの間及び/又は支持部の少なくとも2つの混練ディスクの間に配置される。スペーサ要素は混練ディスクに一体に接続される。スペーサ要素は、例えば断面が円形であるか、又は搬送部及び/又は溶融部及び/又は支持部の形状に合わせて構成される。スペーサ要素の外径DADには、以下が適用される:DAD<DAF及び/又はDAD<DAA及び/又はDAD<DAS。好ましくは、搬送方向に対するそれぞれのスペーサ要素の幅LDについて、以下が適用される:0<LD/DAD≦0.1、特に0.01≦LD/DAD≦0.02。スペーサ要素により、少なくとも2つの処理要素シャフトは、製造上のクリアランスにもかかわらず、少なくとも2つのハウジングボア内で互いに対して自由に回転することができる。スペーサ要素の内径は、好ましくは、少なくとも2つの混練ディスクの内径よりも大きい。
【0029】
本発明のさらなる目的は、摩耗が少なく長い耐用年数を有する、材料を処理するためのスクリューマシンを提供することである。
【0030】
この目的は、請求項17の特徴を有するスクリューマシンによって達成される。本発明によるスクリューマシンの利点は、説明した処理要素の利点に対応する。好ましくは、スクリューマシンは、異形シャフトを備える少なくとも1つの処理要素シャフトを有する。本発明による少なくとも1つの処理要素は、異形シャフト上に配置される。関連する処理要素シャフトは、各ハウジングボア内に回転可能に配置される。
【0031】
好ましくは、少なくとも1つの処理要素は、スクリューマシンの溶融ゾーン及び/又は均質化ゾーンに配置される。溶融ゾーン及び/又は均質化ゾーンでは高荷重が作用するが、これら高荷重は本発明による少なくとも1つの処理要素によって低減される。好ましくは、本発明による少なくとも1つの処理要素は、少なくとも1つの混練ディスクを備え、溶融ゾーン及び/又は均質化ゾーンに配置されることで、本発明による少なくとも1つの処理要素は、搬送方向に関して混練ディスクを有する第1処理要素を形成する。換言すれば、むしろ、混練ディスクを有する本発明によらない処理要素は、溶融ゾーン及び/又は均質化ゾーンにおいて、本発明による少なくとも1つの処理要素の上流に配置されない。
【0032】
好ましくは、スクリューマシンは多軸ウォームマシン、特に2軸ウォームマシンとして設計される。特に、多軸ウォームマシンは、ハウジング内に形成された少なくとも2つのハウジングボアを有する。少なくとも2つのハウジングボアは、互いに交差している。その結果、少なくとも2つのハウジングボアは、特に断面において、水平な8の字の形状を形成する。多軸ウォームマシンは、少なくとも2つの処理要素シャフトを備え、特に各処理要素シャフトは、本発明による少なくとも1つの処理要素が配置される異形シャフトを備える。多軸ウォームマシンは、同じ方向に回転するように、すなわち、少なくとも2つの処理要素シャフトが同じ回転方向に回転するように設計されている。好ましくは、少なくとも2つの処理要素シャフトは、互いに密接に噛み合うように設計及び/又は配置される。好ましくは、各処理要素シャフトは、搬送方向に関して同じ位置に配置された、本発明による少なくとも1つの処理要素を有する。
【0033】
少なくとも1つのハウジングボアは直径Dを有する。搬送部は外径DAFを有し、特に0.8≦DAF/D<1、特に0.9≦DAF/D≦0.99、特に0.95≦DAF/D≦0.98である。
【0034】
溶融部は外径DAAを有し、特に0.8≦DAA/D<1、特に0.9≦DAA/D≦0.99、特に0.95≦DAA/D≦0.98である。
【0035】
支持部は外径DASを有し、特に0.95≦DAS/D<1、特に0.98≦DAS/D≦0.998、特に0.99≦DAS/D≦0.995である。
【0036】
好ましくは、以下が適用される:DAF/D<DAS/D及び/又はDAA/D<DAS/D。
【0037】
本発明のさらなる特徴、利点、及び詳細は、以下のいくつかの実施形態の説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【
図1】多軸ウォームマシンを使用して材料を処理するための装置の部分断面図である。
【
図3】
図2の切断線III-IIIに沿った多軸ウォームマシンの断面図である。
【
図4】
図1の多軸ウォームマシンの一部を構成する、第1実施形態例による対をなして互いに隣接して配置された2つの処理要素の斜視図である。
【
図7】
図5の切断線VII-VIIに沿った処理要素の断面図である。
【
図8】第2実施形態例による、対をなして互いに隣接して配置された2つの処置要素の斜視図である。
【
図10】
図9の切断線X-Xに沿った処理要素の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、本発明の第1実施形態例を
図1~
図7を参照して説明する。材料Mを処理及び調製するための装置1は、多軸ウォームマシン2、第1供給装置3、第2供給装置4、及び制御装置5を備える。材料Mは、特にプラスチック材料である。
【0040】
多軸ウォームマシン2は、相互に貫通する2つのハウジングボア7、8が形成されたハウジング6を備える。ハウジングボア7、8は、断面が横長の水平な8の字の断面形状を有する。相互に貫入する2つのハウジングボア7、8は、略三角形領域Zを形成する。略三角形領域Zは、ハウジング6のテーパ領域である。略三角形領域Zは
図3に示されている。処理要素シャフト9、10は、関連する回転軸11、12を中心に回転可能なように、ハウジングボア7、8内に配置される。処理要素シャフト9、10は、伝達歯車14を介して駆動モータ13によって、同じ方向、すなわち同じ回転方向に回転駆動することができる。駆動モータ13と伝達歯車14との間には、カップリング15が配置されている。
【0041】
ハウジング6には、ハウジングボア7、8に開口する第1供給開口部16及び第2供給開口部17が形成されている。第2供給開口部17は、搬送方向18において第1供給開口部16の下流側に配置されている。第1定量供給装置3は、第1供給開口部16に開口し、材料Mを供給するために機能する。第2定量供給装置4は、第2供給開口部17に開口し、少なくとも1つの添加剤Aを供給するために機能する。第1定量供給装置3及び/又は第2定量供給装置4は、例えば、重量測定式定量供給装置として設計される。
【0042】
多軸ウォームマシン2は、搬送方向18に連続して、第1供給ゾーン19、溶融ゾーン20、第2供給ゾーン21、均質化ゾーン22、及び排出ゾーン23を備える。ハウジング6は、排出ゾーン23において、排出開口部25を形成する排出プレート24によって閉鎖されている。
【0043】
処理要素シャフト9、10はそれぞれ、異形シャフト26、27を備え、その上に、本発明によるスクリュー要素28、28’、混練要素29、29’及び処理要素30、30’が、互いに隣り合って対をなして配置される。第1供給ゾーン19では、スクリュー要素28、28’がトルク伝達方式でシャフト26、27上に配置される。溶融ゾーン20では、本発明による処理要素30、30’及び混練要素29、29’が、トルク伝達方式でシャフト26、27上に配置される。第2供給ゾーン21では、スクリュー要素28、28’がトルク伝達方式でシャフト26、27上に配置される。均質化ゾーン22では、本発明による処理要素30、30’及び混練要素29、29’が、トルク伝達方式でシャフト26、27上に配置される。排出ゾーン23では、スクリュー要素28、28’がトルク伝達方式でシャフト26、27上に配置される。スクリュー要素28、28’及び/又は混練要素29、29’は、従来設計のものである。本発明によるスクリュー要素28、28’及び/又は混練要素29、29’及び/又は処理要素30、30’は、特に2フライト設計である。混練要素29、29’は、例えば、個々の混練ディスクとして、及び/又は、互いに一体に連結された複数の混練ディスクからなる混練ブロックとして設計される。
【0044】
本発明による処理要素30、30’は同一である。以下、一方の処理要素30のみを説明する。
【0045】
処理要素30は、材料Mを処理及び/又は溶融するために使用される。処理要素30は、搬送部31、溶融部32及び支持部33を備える。溶融部32は、搬送方向18において搬送部31の下流側に配置されている。搬送部31と溶融部32とは一体に接続されている。支持部33は、搬送方向18において、溶融部32の下流側に配置されている。溶融部32と支持部33とは一体に接続されている。
【0046】
処理要素30は、搬送部31、溶融部32及び支持部33を貫通する輪郭加工されたボア(異形ボア)34を有する。異形ボア34は、関連する輪郭加工されたシャフト(異形シャフト)26上に処理要素30をフォームフィット式に配置する役割を果たし、その結果、トルクがシャフト26から処理要素30に伝達され得る。
【0047】
搬送部31は、搬送要素又はスクリュー要素として設計される。搬送部31は、搬送方向18の上流側に向けられた第1側面S1Fと、搬送方向18の下流側に向けられた第2側面S2Fとを備える。搬送部31は、2フライトプロファイル(two-flight profile)を有する。搬送部31は、外径DAF、及び搬送方向18の長さLFを有する。さらに、搬送部31は、1回転、すなわち360°の角度でピッチPFを有する螺旋SFを画定する。ピッチPFはリードとも呼ばれる。ピッチPFと外径DAFの比PF/DAFについては、特に以下のようになる:0.75≦PF/DAF≦2、特に1≦PF/DAF≦1.75、特に1.25≦PF/DAF≦1.5。
【0048】
さらに、ピッチP
Fに対する長さL
Fの比L/P
Fについては、特に、0.2≦L/P
F≦1.5、特に0.3≦L/P
F≦1.2、特に0.4≦L/P
F≦0.9である。
図5の実施形態例では、例えば、L/P
F=0.5である。
【0049】
溶融部32は、N個の混練ディスクを備え、一般に次のように適用される:1≦N≦7、特に、2≦N≦6、特に、3≦N≦5。
図1~
図7による実施形態例では、一例としてN=2が適用される。このように、溶融部32は、第1混練ディスク35と第2混練ディスク36とを備える。第1混練ディスク35と第2混練ディスク36との間には、第1スペーサ要素37が配置されている。スペーサ要素37は、搬送方向18において第1混練ディスク35の下流側に配置されている。第2混練ディスク36は、搬送方向18においてスペーサ要素37の下流側に配置されている。第1混練ディスク35、スペーサ要素37及び第2混練ディスク36は、互いに一体に形成されている。
【0050】
第1混練ディスク35は、搬送方向18の上流側に向けられている第1側面S1Aを有する。また、第1混練ディスク35は、搬送方向18の下流側に向けられている第2側面S2Aを有する。したがって、第2混練ディスク36は、搬送方向18の上流側に向けられている第1側面S3Aと、搬送方向18の下流側に向けられている第2側面S4Aとを有する。
【0051】
搬送部31の第2側面S
2Fは、第1混練ディスク35の第1側面S
1Aに一体に接続されている。搬送部31と溶融部32との間、すなわち搬送部31の第2側面S
2Fと第1混練ディスク35の第1側面S
1Aとの間には、オフセット角bが規定されており、一般に以下が適用される:0°≦b≦90°、特に5°≦b≦45°、特に10°≦b≦15°。
図1~
図7による実施形態例では、一例としてb=0°が適用される。オフセット角bは、
図6にのみ図示されている。
【0052】
第1混練ディスク35と第2混練ディスク36はねじれている。第1混練ディスク35は、側面S
1Aと側面S
2Aとの間にねじれ角dを有する。これに対応して、第2混練ディスク36は、側面S
A3と側面S
A4との間にねじれ角dを有する。ねじれ角dには一般に次のものが適用される:0°<d≦30°、特に5°≦d≦25°、特に10°≦d≦20°。
図1~
図7による実施例では、一例としてd=15°が適用される。
【0053】
第1混練ディスク35の第1側面S
1Aと第2混練ディスク36の第1側面S
3Aとの間には、オフセット角cが形成されている。混練ディスク35、36は同一のねじれ角dを有するので、オフセット角cは第1混練ディスク35の第2側面S
2Aと第2混練ディスク36の第2側面S
4Aとの間にも形成される。オフセット角cには、一般に、0°≦c≦90°、特に15°≦c≦75°、特に30°≦c≦60°が適用される。
図1~
図7による実施形態例では、一例としてc=45°が適用される。
【0054】
また、第1混練ディスク35の第2側面S
2Aと第2混練ディスク36の第1側面S
3Aとの間には、オフセット角eが形成されている。オフセット角eには、特に次のことが適用される:e=c-d。オフセット角eには、一般に次のことが適用される:5°≦e≦70°、特に10°≦e≦55°、特に15°≦e≦40°。
図1~
図7による実施形態例では、一例としてe=30°が適用される。
【0055】
混練ディスク35、36は、外径DAAと、搬送方向18における幅LAとを有する。混練ディスク35、36の外径DAAは、同一であってもよく、及び/又は異なっていてもよい。それに応じて、混練ディスク35、36の幅LAは、同一であってもよく、及び/又は異なっていてもよい。外径DAAに対する幅LAの比LA/DAAについては、特に以下が適用される:0.1≦LA/DAA≦0.4、特に0.15≦LA/DAA≦0.35、特に0.2≦LA/DAA≦0.3。
【0056】
混練ディスク35、36は、ねじれ又はねじれ角dによる螺旋S
Aを画定する。螺旋S
Aは、一回転、すなわち360°の角度でピッチP
Aを有する。ピッチP
Aはリードとも呼ばれる。ピッチP
Aは
図5に示されているのみである。比P
A/D
AAについては、特に以下が適用される:5≦P
A/D
AA≦10、特に6≦P
A/D
AA≦9、特に7≦P
A/D
AA≦8。
【0057】
支持部33は混練ディスク38と第2スペーサ要素39とを備える。混練ディスク38は、第2スペーサ要素39に一体に接続されている。混練ディスク38は、搬送方向18において第2スペーサ要素39の下流側に配置されている。混練ディスク38は、搬送方向18の上流側を向く第1側面S1Sと、搬送方向18の下流側を向く第2側面S2Sとを備える。第2スペーサ要素39は、混練ディスク36の第2側面S4A、及び混練ディスク38の第1側面S1Sに一体に接続されている。
【0058】
混練ディスク38は、ねじれて(又は捩れて)いない。これは、第1側面S1Sと第2側面S2Sとの間のねじれ角がゼロであることを意味する。したがって、混練ディスク38の第1側面S1Sと第2側面S2Sは、搬送方向18において互いに一致している。
【0059】
混練ディスク38は、外径DASと、搬送方向18における幅LSとを有する。外径DASに対する幅LSの比LS/DASについては、特に以下が適用される:0.05≦LS/DAS≦0.5、特に0.1≦LS/DAS≦0.35、特に0.15≦LS/DAS≦0.2。
【0060】
スペーサ要素37、39はそれぞれ、外径DADと、搬送方向18における幅LDとを有する。スペーサ要素37、39の外径DADは、同一であってもよく、及び/又は異なっていてもよい。さらに、スペーサ要素37、39の幅LDは、同一であってもよく、及び/又は異なっていてもよい。外径DADに対する幅LDの比LD/DADについては、特に以下が適用される:0<LD/DAD≦0.1、特に0.01≦LD/DAD≦0.02。
【0061】
特に以下が適用される:DAA<DAS、及び/又はDAF<DAS。さらに、DAD≦DAS、及び/又はDAD≦DAA、及び/又はDAD≦DAFが特に適用される。
【0062】
ハウジングボア7、8は、直径Dを有する。
【0063】
比DAF/Dについて、特に、0.8≦DAF/D<1、特に0.9≦DAF/D≦0.99、特に0.95≦DAF/D≦0.98が適用される。
【0064】
比DAA/Dについて、特に、0.8≦DAA/D<1、特に0.9≦DAA/D≦0.99、特に0.95≦DAA/D≦0.98が適用される。
【0065】
比DAS/Dについて、特に、0.95≦DAS/D<1、特に0.98≦DAS/D≦0.998、特に0.99≦DAS/D≦0.995が適用される。
【0066】
本発明による装置1及び処理要素30、30’の機能原理を以下に説明する。
【0067】
処理される材料Mは、バルク材料として、特に粉末及び/又は顆粒として、第1供給装置3によって、第1供給開口部16を通って多軸ウォームマシン2内に供給される。第1供給ゾーン19において、材料Mはスクリュー要素28、28’によって搬送方向18に搬送され、溶融ゾーン20に送られる。
【0068】
溶融ゾーン20では、材料Mは、本発明による処理要素30、30’及び搬送方向18の下流に配置された混練要素29、29’によって溶融される。このため、処理要素30、30’は、シャフト26、27への負荷、処理要素30、30’自体への負荷、及びハウジング6への負荷を低減する。搬送部31と溶融部32とが互いに一体に形成されているという事実のために、搬送部31と溶融部32は、高荷重の下でも押し広げられることがなく、その結果、第1混練ディスク35の前に隙間が形成されず、材料M又は材料Mから既に生成された溶融物が、結果として生じる隙間に侵入する可能性がない。加えて、処理要素30、30’の剛性は、搬送部31と溶融部32との間の臨界遷移領域において増大され、その結果、処理要素30、30’及び関連するシャフト26、27の変形及び相対運動が減少される。溶融部32と一体に接続された支持部33は、処理要素30、30’の相対的な動きと変形をさらに減少させる。処理要素30、30’、シャフト26、27及びハウジング6にかかる負荷は、特に略三角形領域Zにおいて低減される。さらに、処理要素30、30’にかかる負荷は、オフセット角b、c及びe、並びにねじれ角度d、外径DAF、DAA及びDAS、並びにピッチPF及びPA、並びに長さLF及び幅LA及びLSを介して、所望に応じて調整することができる。
【0069】
第2供給ゾーン21では、少なくとも1つの添加剤Aが、第2供給装置4によって第2供給開口部17を通って多軸ウォームマシン2に供給される。少なくとも1つの添加剤Aは、第2供給ゾーン21内の溶融材料Mに供給される。溶融材料M及び少なくとも1つの添加剤Aは、スクリュー要素28、28’によって均質化ゾーン22へ搬送方向18に搬送される。
【0070】
均質化ゾーン22において、少なくとも1つの添加剤Aが、本発明による処理要素30、30’及びその下流に配置された混練要素29、29’によって溶融され、溶融材料Mに混合される。本発明による処理要素30、30’の利点は、溶融ゾーン20に配置された処理要素30、30’の利点に対応する。
【0071】
排出ゾーン23では、均質化された混合物が通常の方法で排出開口部25から排出される。
【0072】
以下、本発明の第2実施形態例を
図8~
図10を参照して説明する。第1実施形態例とは異なり、溶融部32の混練ディスク35、36は、先端面取り部40、41を有している。第1先端面取り部40は、第1混練ディスク35の第1側面S
1Aに配置され、第1側面S
1Aと第1混練ディスク35の円周側面U
1Aとの間に面取り面を形成する面取り部として形成されている。
【0073】
第2先端面取り部41は、第1混練ディスク35の円周側面U
1Aと、第2混練ディスク36の円周側面U
2Aに形成されている。第1実施形態例と比較すると、先端面取り部41は、エッジのない円周側面U
1A、及びU
2Aにつながる。先端面取り部41を示すために、
図9の円周側面U
2Aに仮想エッジが描かれているが、この仮想エッジは先端面取り部41により実際には存在しない。
【0074】
先端面取り部40、41により、処理要素30又は30’の材料体積は減少し、処理される材料Mのための自由体積がハウジングボア7、8内で増加する。これにより、処理要素30、30’、シャフト26、27及びハウジング6にかかる負荷がさらに低減される。先端面取り部41により、混練ディスク35、36は、円周側面U1A及びU2Aの領域においてインボリュート形状を有する。さらなる構造及び機能原理に関しては、第1実施形態例の説明が参照される。
【符号の説明】
【0075】
1 装置
2 多軸ウォームマシン
3 第1供給装置
4 第2供給装置
5 制御装置
6 ハウジング
7、8 ハウジングボア
9、10 処理要素シャフト
11、12 回転軸
13 駆動モータ
14 伝達歯車
15 カップリング
16 第1供給開口部
17 第2供給開口部
18 搬送方向
19 第1供給ゾーン
20 溶融ゾーン
21 第2供給ゾーン
22 均質化ゾーン
23 排出ゾーン
24 排出プレート
25 排出開口部
26、27 シャフト
28、28’ スクリュー要素
29、29’ 混練要素
30、30’ 処理要素
31 搬送部
32 溶融部
33 支持部
34 異形ボア
35 第1混練ディスク
36 第2混練ディスク
37 第1スペーサ要素
38 混練ディスク
39 第2スペーサ要素
40 第1先端面取り部
41 第2先端面取り部
A 添加剤
D ハウジングボアの直径
DAA 混練ディスク35、36の外径
DAD スペーサ要素37、39の外径
DAF 搬送部31の外径
DAS 支持部の外径
M 材料
PA、PF ピッチ
S1A (第1混練ディスク35の)第1側面
S2A (第1混練ディスク35の)第2側面
S1F (搬送部31の)第1側面
S2F (搬送部31の)第2側面
S1S (混練ディスク38の)第1側面
S2S (混練ディスク38の)第2側面
S3A (第2混練ディスク36の)第1側面
S4A (第2混練ディスク36の)第2側面
SA、SF 螺旋
U1A (第1混練ディスク35の)円周側面
U2A (第2混練ディスク36の)円周側面
Z 三角形領域
b、c、e、f、g オフセット角
d ねじれ角
【外国語明細書】