(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024022521
(43)【公開日】2024-02-16
(54)【発明の名称】電流ベースの弱め界磁を含む電動工具
(51)【国際特許分類】
H02P 21/22 20160101AFI20240208BHJP
B25F 5/00 20060101ALI20240208BHJP
【FI】
H02P21/22
B25F5/00 C
B25F5/00 H
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023124082
(22)【出願日】2023-07-31
(31)【優先権主張番号】63/370,405
(32)【優先日】2022-08-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
(71)【出願人】
【識別番号】598073073
【氏名又は名称】ミルウォーキー エレクトリック ツール コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(74)【代理人】
【識別番号】110002848
【氏名又は名称】弁理士法人NIP&SBPJ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ギャスパー、オースティン
(72)【発明者】
【氏名】ナゲル、ジェラルド エム.
(72)【発明者】
【氏名】グプタ、シュヴァム
(72)【発明者】
【氏名】ヒューバー、アレクサンダー ティー.
【テーマコード(参考)】
3C064
5H505
【Fターム(参考)】
3C064AA01
3C064AA03
3C064AA04
3C064AA05
3C064AA06
3C064AA08
3C064AB01
3C064AB02
3C064AC02
3C064BA03
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3C064CA78
3C064CA80
3C064CB17
3C064CB62
3C064CB71
3C064DA02
3C064DA03
3C064DA22
3C064DA23
3C064DA59
3C064DA65
3C064DA73
5H505AA13
5H505CC04
5H505DD08
5H505EE30
5H505EE41
5H505EE49
5H505GG04
5H505HA06
5H505HB01
5H505JJ28
5H505LL22
5H505LL41
(57)【要約】
【課題】 電流ベースの弱め界磁を含む電動工具を提供する。
【解決手段】 ブラシレスモータ、電力切り替え回路、電流センサ、及び電子コントローラを含む電動工具。電力切り替え回路は、電力供給をブラシレスモータに提供する。電流センサは、ブラシレスモータの電流を検知するように構成される。電子コントローラは、ブラシレスモータの前記電流を示す第1の信号を受信することと、電流コマンドに基づいてブラシレスモータの導通角を設定することと、ブラシレスモータの電流を上げるデューティサイクルを有するPWM信号をブラシレスモータに供給することと、デューティサイクルが第1の閾値と等しいか否かを判断することと、デューティサイクルを第1の閾値に維持することと、ブラシレスDCモータの電流を上げるように導通角を変更することと、電流が第2の閾値と等しいか否かを判断することと、電流を第2の閾値に維持するように第2の導通角を制御することとを行うように構成される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動工具であって、
ハウジングと、
前記ハウジング内のブラシレス直流(DC)モータと、
電力供給をバッテリパックから前記ブラシレスDCモータに提供する電力切り替え回路と、
前記ブラシレスDCモータの電流を検知するように構成された電流センサと、
電子コントローラであって、
前記電流センサを介して、前記ブラシレスDCモータの前記電流を示す第1の信号を受信することと、
前記ブラシレスDCモータの特性に基づいて電流コマンドを生成することと、
前記電流コマンドに基づいて前記ブラシレスDCモータの導通角を設定することと、
前記ブラシレスDCモータの前記電流を制御するデューティサイクルを有するパルス幅変調(「PWM」)信号を前記ブラシレスDCモータに供給することと、
前記PWM信号の前記デューティサイクルが第1の閾値と等しいか否かを判断することと、
前記デューティサイクルが前記第1の閾値と等しいことに応答して、前記デューティサイクルを前記第1の閾値に維持することと、
前記ブラシレスDCモータの前記電流を上げるように前記導通角を変更することと、
前記電流コマンドが第2の閾値と等しいか否かを判断することと、
前記電流コマンドが前記第2の閾値と等しいことに応答して、前記電流コマンドを前記第2の閾値に維持するように前記導通角を制御することと、
を行うように構成された電子コントローラと、
を備える電動工具。
【請求項2】
前記電子コントローラは、
前記導通角が第3の閾値と等しいか否かを判断することと、
前記導通角が前記第3の閾値と等しいことに応答して、前記導通角を前記第3の閾値に維持することと、
前記導通角が第4の閾値と等しいか否かを判断することと、
前記導通角が前記第4の閾値と等しいことに応答して、前記ブラシレスDCモータの前記電流を制御する第2のデューティサイクルを有する第2のPWM信号を前記ブラシレスDCモータに供給することと、
を行うように更に構成される、請求項1に記載の電動工具。
【請求項3】
前記第1の閾値は、100%デューティサイクルの前記PWM信号である、請求項1に記載の電動工具。
【請求項4】
前記デューティサイクルを前記第1の閾値に維持するために、前記電子コントローラは、
前記100%デューティサイクルに留まるように前記PWM信号を制御するよう更に構成される、請求項3に記載の電動工具。
【請求項5】
前記第2の閾値は最大電流コマンドである、請求項1に記載の電動工具。
【請求項6】
前記電子コントローラは、
前記電流センサから電流フィードバック信号を受信することと、
前記電流フィードバック信号に基づいて、前記ブラシレスDCモータに適用する前記PWM信号の第1の変更を決定することと、
を行うように更に構成される、請求項1に記載の電動工具。
【請求項7】
前記電子コントローラは、
前記電流フィードバック信号に基づいて、前記ブラシレスDCモータに印加される前記導通角の第2の変動を決定するように更に構成される、請求項1に記載の電動工具。
【請求項8】
電子コントローラを含む電動工具を制御する方法であって、
電流センサを介して、ブラシレスDCモータの電流を示す第1の信号を受信することと、
前記ブラシレスDCモータの特性に基づいて電流コマンドを生成することと、
前記電流コマンドに基づいて前記ブラシレスDCモータの導通角を設定することと、
前記ブラシレスDCモータの前記電流を制御するデューティサイクルを有するパルス幅変調(「PWM」)信号を前記ブラシレスDCモータに供給することと、
前記PWM信号の前記デューティサイクルが第1の閾値と等しいか否かを判断することと、
前記デューティサイクルが前記第1の閾値と等しいことに応答して、前記デューティサイクルを前記第1の閾値に維持することと、
前記ブラシレスDCモータの前記電流を上げるように前記導通角を変更することと、
前記電流コマンドが第2の閾値と等しいか否かを判断することと、
前記電流コマンドが前記第2の閾値と等しいことに応答して、前記電流コマンドを前記第2の閾値に維持するように前記導通角を制御することと、
を含む方法。
【請求項9】
前記導通角が第3の閾値と等しいか否かを判断することと、
前記導通角が前記第3の閾値と等しいことに応答して、前記導通角を前記第3の閾値に維持することと、
前記導通角が第4の閾値と等しいか否かを判断することと、
前記導通角が前記第4の閾値と等しいことに応答して、前記ブラシレスDCモータの前記電流を制御する第2のデューティサイクルを有する第2のPWM信号を前記ブラシレスDCモータに供給することと、
を更に含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の閾値は、100%デューティサイクルの前記PWM信号である、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記デューティサイクルを前記第1の閾値に維持することは、
前記100%デューティサイクルに留まるように前記PWM信号を制御することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第2の閾値は最大電流コマンドである、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記電流センサから電流フィードバック信号を受信することと、
前記電流フィードバック信号に基づいて、前記ブラシレスDCモータに印加される前記PWM信号の第1の変動を決定することと、
を更に含む、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
前記電流フィードバック信号に基づいて、前記ブラシレスDCモータに印加される前記導通角の第2の変動を決定することを更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
電動工具であって、
ハウジングと、
前記ハウジング内のブラシレス直流(DC)モータと、
トリガと、
電力供給をバッテリパックから前記ブラシレスDCモータに提供する電力切り替え回路と、
バス電圧を検知するように構成された電圧センサと、
前記ブラシレスDCモータの電流を検知するように構成された電流センサと、
前記トリガ、前記ブラシレスDCモータ、前記電圧センサ、及び前記電流センサに接続された電子コントローラであって、
前記トリガの作動に応答して、第1の電流限度値に従って電流を前記ブラシレスDCモータに提供することと、
前記電流センサを介して、前記ブラシレスDCモータの前記電流を示す第1の信号を受信することと、
前記電圧センサを介して、前記電力切り替え回路の電圧を示す第2の信号を受信することと、
前記ブラシレスDCモータの特性に基づいて電流コマンドを生成することと、
前記電流コマンドに基づいて前記ブラシレスDCモータの導通角を設定することと、
前記ブラシレスDCモータの前記電流を制御するデューティサイクルを有するパルス幅変調(「PWM」)信号を前記ブラシレスDCモータに供給することと、
前記電力切り替え回路の前記電圧が電圧閾値以上であるか否かを判断することと、
前記PWM信号の前記デューティサイクルが第1の閾値と等しいか否かを判断することと、
前記電力切り替え回路の前記電圧が前記電圧閾値以下であることに応答して、前記第1の電流限度値を第2の電流限度値に調整することと、
前記デューティサイクルが前記第1の閾値と等しいことに応答して、前記デューティサイクルを前記第1の閾値に維持することと、
前記ブラシレスDCモータの前記電流を上げるように前記導通角を変更することと、
前記電流コマンドが第2の閾値と等しいか否かを判断することと、
前記電流コマンドが前記第2の閾値と等しいことに応答して、前記電流を前記第2の閾値に維持するように前記導通角を制御することと、
を行うように構成される、電子コントローラと、
を備える電動工具。
【請求項16】
前記第1の電流限度値は、前記電力切り替え回路から引かれる許容最大電流である、請求項15に記載の電動工具。
【請求項17】
前記第2の電流限度値は前記第1の電流限度値未満である、請求項15に記載の電動工具。
【請求項18】
前記電子コントローラは、
前記ブラシレスDCモータの速度を特定することと、
前記ブラシレスDCモータの前記速度及び速度コマンド信号に基づいて、前記ブラシレスDCモータに提供する電流値を決定することと、
前記電流値を提供して前記ブラシレスDCモータを駆動することと、
を行うように更に構成される、請求項15に記載の電動工具。
【請求項19】
前記電子コントローラは、
前記電力切り替え回路の前記電圧が前記電圧閾値よりも大きいことに応答して、前記電力値が前記第1の電流限度値と等しいか否かを判断することと、
前記電流値が前記第1の電流限度値と等しくないことに応答して、前記第1の電流限度値を第3の電流限度値に調整することと、
を行うように更に構成される、請求項18に記載の電動工具。
【請求項20】
前記第3の電流限度値は前記第2の電流限度値よりも大きい、請求項19に記載の電動工具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2022年8月4日付けで出願の米国仮特許出願第63/370,405号の優先権を主張するものであり、その全内容を本明細書に引用している。
【背景技術】
【0002】
本明細書に記載の実施形態は、電動工具の制御に関する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願第2017/0246732号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本明細書に記載の電動工具は、ハウジング、ブラシレス直流(「DC」)モータ、電力切り替え回路、電流センサ、及び電子コントローラを含む。ブラシレスDCモータはハウジング内に配置される。電力切り替え回路は、電力供給をバッテリパックからブラシレスDCモータに提供する。電流センサは、ブラシレスDCモータの電流を検知する。電子コントローラは、ブラシレスDCモータ、電力切り替え回路、及び電流センサに接続される。電子コントローラは、電流センサを介して、ブラシレスDCモータの電流を示す第1の信号を受信し、ブラシレスDCモータの特性に基づいて電流コマンドを生成し、電流コマンドに基づいてブラシレスDCモータの導通角を設定するように構成される。電子コントローラは、ブラシレスDCモータの電流を制御するデューティサイクルを有するパルス幅変調(「PWM」)信号をブラシレスDCモータに供給することと、PWM信号のデューティサイクルが第1の閾値と等しいか否かを判断することと、デューティサイクルが第1の閾値と等しいことに応答して、デューティサイクルを第1の閾値に維持することと、ブラシレスDCモータの電流を上げるように導通角を変更することと、電流コマンドが第2の閾値と等しいか否かを判断することと、電流コマンドが第2の閾値と等しいことに応答して、電流コマンドを第2の閾値に維持するように導通角を制御することとを行うように更に構成される。
【0005】
幾つかの態様では、電子コントローラは、導通角が第3の閾値と等しいか否かを判断し、導通角が第3の閾値と等しいことに応答して、導通角を第3の閾値に維持するように更に構成される。電子コントローラは、導通角が第4の閾値と等しいか否かを判断することと、導通角が第4の閾値と等しいことに応答して、ブラシレスDCモータの電流を制御する第2のデューティサイクルを有する第2のPWM信号をブラシレスDCモータに供給するようにも構成される。
【0006】
幾つかの態様では、第1の閾値は、100%デューティサイクルのPWM信号である。
【0007】
幾つかの態様では、デューティサイクルを第1の閾値に維持するために、電子コントローラは、100%デューティサイクルに留まるようにPWM信号を制御するよう更に構成される。
【0008】
幾つかの態様では、第2の閾値は最大電流コマンドである。
【0009】
幾つかの態様では、電子コントローラは、電流センサから電流フィードバック信号を受信することと、電流フィードバック信号に基づいて、ブラシレスDCモータに印加されるPWM信号の第1の変動を決定することとを行うように更に構成される。
【0010】
幾つかの態様では、電子コントローラは、電流フィードバック信号に基づいて、ブラシレスDCモータに印加される導通角の第2の変動を決定するように更に構成される。
【0011】
本明細書に記載の方法は、電子コントローラを含む電動工具の制御を提供する。本方法は、電流センサを介して、ブラシレスDCモータの電流を示す第1の信号を受信することと、ブラシレスDCモータの特性に基づいて電流コマンドを生成することと、電流コマンドに基づいてブラシレスDCモータの導通角を設定することと、ブラシレスDCモータの電流を制御するデューティサイクルを有するパルス幅変調(「PWM」)信号をブラシレスDCモータに供給することとを含む。本方法は、PWM信号のデューティサイクルが第1の閾値と等しいか否かを判断することと、デューティサイクルが第1の閾値と等しいことに応答して、デューティサイクルを第1の閾値に維持することと、ブラシレスDCモータの電流を上げるように導通角を変更することと、電流コマンドが第2の閾値と等しいか否かを判断することと、電流コマンドが第2の閾値と等しいことに応答して、電流コマンドを第2の閾値に維持するように導通角を制御することとも含む。
【0012】
幾つかの態様では、本明細書に記載の方法は、導通角が第3の閾値と等しいか否かを判断することと、導通角が第3の閾値と等しいことに応答して、導通角を第3の閾値に維持することと、導通角が第4の閾値と等しいか否かを判断することと、導通角が第4の閾値と等しいことに応答して、ブラシレスDCモータの電流を制御する第2のデューティサイクルを有する第2のPWM信号をブラシレスDCモータに供給することとを更に含む。
【0013】
幾つかの態様では、第1の閾値は、100%デューティサイクルのPWM信号である。
【0014】
幾つかの態様では、デューティサイクルを第1の閾値に維持することは、100%デューティサイクルに留まるようにPWM信号を制御することを含む。
【0015】
幾つかの態様では、第2の閾値は最大電流コマンドである。
【0016】
幾つかの態様では、本明細書に記載の方法は、電流センサから電流フィードバック信号を受信することと、電流フィードバック信号に基づいて、ブラシレスDCモータに印加されるPWM信号の第1の変動を決定することとを更に含む。
【0017】
幾つかの態様では、本明細書に記載の方法は、電流フィードバック信号に基づいて、ブラシレスDCモータに印加される導通角の第2の変動を決定することを更に含む。
【0018】
本明細書に記載の電動工具は、ハウジングと、ハウジング内のブラシレス直流(DC)モータと、トリガと、電力供給をバッテリパックからブラシレスDCモータに提供する電力切り替え回路と、バス電圧を検知するように構成された電圧センサと、ブラシレスDCモータの電流を検知するように構成された電流センサと、トリガ、ブラシレスDCモータ、電圧センサ、及び電流センサに接続された電子コントローラとを含む。電子コントローラは、トリガの作動に応答して、第1の電流限度値に従って電流をブラシレスDCモータに提供することと、電流センサを介して、ブラシレスDCモータの電流を示す第1の信号を受信することと、電圧センサを介して、電力切り替え回路の電圧を示す第2の信号を受信することと、ブラシレスDCモータの特性に基づいて電流コマンドを生成することと、電流コマンドに基づいてブラシレスDCモータの導通角を設定することとを行うように構成される。電子コントローラは、ブラシレスDCモータの電流を制御するデューティサイクルを有するパルス幅変調(「PWM」)信号をブラシレスDCモータに供給することと、電力切り替え回路の電圧が電圧閾値以上であるか否かを判断することと、PWM信号のデューティサイクルが第1の閾値と等しいか否かを判断することと、電力切り替え回路の電圧が電圧閾値以下であることに応答して、第1の電流限度値を第2の電流限度値に調整することと、デューティサイクルが第1の閾値と等しいことに応答して、デューティサイクルを第1の閾値に維持することとを行うようにも構成される。電子コントローラは、ブラシレスDCモータの電流を上げるように導通角を変更することと、電流コマンドが第2の閾値と等しいか否かを判断することと、電流コマンドが第2の閾値と等しいことに応答して、電流を第2の閾値に維持するように導通角を制御することとを行うようにも構成される。
【0019】
幾つかの態様では、第1の電流限度値は、電力切り替え回路から引かれる許容最大電流である。
【0020】
幾つかの態様では、第2の電流限度値は第1の電流限度値未満である。
【0021】
幾つかの態様では、電子コントローラは、ブラシレスDCモータの速度を特定することと、ブラシレスDCモータの速度及び速度コマンド信号に基づいて、ブラシレスDCモータに提供する電流値を決定することと、電流値を提供してブラシレスDCモータを駆動することとを行うように更に構成される。
【0022】
幾つかの態様では、電子コントローラは、電力切り替え回路の電圧が電圧閾値よりも大きいことに応答して、電力値が第1の電流限度値と等しいか否かを判断することと、電流値が第1の電流限度値と等しくないことに応答して、第1の電流限度値を第3の電流限度値に調整することとを行うように更に構成される。
【0023】
幾つかの態様では、第3の電流限度値は第2の電流限度値よりも大きい。
【0024】
いずれの実施形態も詳細に説明する前に、実施形態は、その適用において、以下の説明で述べられるか又は添付図面に示される構成要素の構成及び配置の詳細に限定されないことを理解されたい。実施形態は、様々な態様で実施又は実行することが可能である。本明細書で使用される語法及び用語は、説明目的のためのものであり、本発明を限定するものとみなすべきでないことも理解されたい。「包含する」、「含む」又は「有する」及びこれらの変化形の使用は、以降に列挙する項目及びその均等物並びに追加的項目を包含することを意図する。別段の明示又は限定がない限り、「取り付けられる」、「接続される」、「支持される」、及び「連結される」という用語並びにその変化形は広い意味で用いられており、直接的及び間接的両方の取付け、接続、支持、及び連結を含む。
【0025】
使用状況により明確に別段のことが示されない限り、関し「a」、「an」、及び「the」は「1つ」又は「1つのみ」を意味するものとして解釈されるべきではない。正確には、これらの関しは「少なくとも1つ」又は「1つ又は複数」を意味するものとして解釈されるべきである。同様に、「the」又は「前記(said)」という用語が、不定冠詞「a」又は「an」によって先に導入された名詞を指すのに使用される場合、「the」及び「前記」も、使用により明確に別段のことが示されない限り、「少なくとも1つ」又は「1つ又は複数」を意味する。
【0026】
加えて、実施形態は、ハードウェア、ソフトウェア及び電子構成要素又はモジュールを含み得、これらは、議論の目的のために、構成要素の大部分がハードウェアのみで実装されているかのように図示及び説明される場合があることを理解されたい。しかしながら、当業者は、この詳細な説明を読むことに基づき、少なくとも1つの実施形態において、電子ベースの態様が、マイクロプロセッサ及び/又は特定用途向け集積回路(「ASIC」)等の1つ又は複数の処理ユニットによって実行可能なソフトウェア(例えば、非一時的コンピュータ可読媒体に記憶された)で実装され得ることを認識するであろう。このように、複数のハードウェア及びソフトウェアベースのデバイス並びに複数の異なる構造的構成要素を利用して、これらの実施形態が実装され得ることに留意すべきである。例えば、本明細書に記載される「サーバ」、「計算装置」、「コントローラ」、「プロセッサ」等は、1個以上の処理ユニット、1個以上のコンピュータ可読媒体モジュール、1個以上の入出力インターフェース及び構成要素を接続する様々な接続部(例えば、システムバス)を含むことができる。
【0027】
量又は状態との関連で用いる相対用語、例えば「約」、「ほぼ」、「実質的に」等は、宣言された値を含み、文脈で言及された意味を有する(例えば、その用語は、少なくとも測定精度に関連付けられた誤差、特定の値に関連付けられた公差[例えば、製造、組み立て、使用等]等を含む)ことが当業者に理解されるであろう。このような用語は、2つの端点の絶対値により定義される範囲を示すものとも考えるべきである。例えば、「約2~約4」という表現は、「2~4」の範囲も示す。相対用語は、示された値の百分率(例えば、1%、5%、10%)のプラス又はマイナスを指し得る。
【0028】
特定の図面は、特定のデバイス内にあるハードウェア及びソフトウェアを例示するが、これらの描写は、例示を目的とするものにすぎないことが理解されるべきである。本明細書において1つの構成要素により実行されるものと説明される機能は、複数の構成要素により分散的に実行され得る。同様に、複数の構成要素により実行される機能は、統合されて単一の構成要素により実行され得る。いくつかの実施形態では、示される構成要素は、組み合わされ得るか、又は別個のソフトウェア、ファームウェア及び/若しくはハードウェアに分割され得る。例えば、ロジック及び処理は、単一の電子プロセッサ内に配置され、そのプロセッサによって実行される代わりに、複数の電子プロセッサに分散され得る。それらがどのように組み合わされるか又は分割されるかに関わらず、ハードウェア及びソフトウェア構成要素は、同じコンピューティングデバイス上に位置し得るか、又は1つ又は複数のネットワーク若しくは他の適切な通信リンクにより接続された異なるコンピューティングデバイス間で分散され得る。同様に、特定の機能を実行するものと記載される構成要素は、本明細書に記載されない追加の機能も実行し得る。例えば、特定の態様で「構成された」デバイス又は構造は、少なくともその態様で構成されるが、明示的に列挙されない別の態様で構成され得る。
【0029】
したがって、特許請求の範囲において、例えば、コントローラ、制御ユニット、電子プロセッサ、計算デバイス、論理要素、モジュール、メモリモジュール、通信チャネル若しくはネットワーク、又は特定の様式で、例えば複数の機能を実行するように構成された他の要素を含むものとして装置、方法、又はシステムが記載される場合、請求項又は請求要素は、1つ又は複数の要素のいずれか1つが、記載されたように構成され、例えば、1つ又は複数の要素が1組として集合的に、複数の機能を実行するように、記載された複数の機能の任意の1つ又は複数を作成するよう構成されるような要素の1つ又は複数を意味するものとして解釈されるべきである。
【0030】
実施形態の他の態様は、詳細な説明と添付の図面から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】本明細書に記載の実施形態による電動工具を示す。
【
図2】本明細書に記載の実施形態による、
図1の電動工具のブロック図である。
【
図3】本明細書に記載の実施形態による無線通信コントローラのブロック図を示す。
【
図4】本明細書に記載の実施形態による、
図1の電動工具の通信システムを示す。
【
図5】本明細書に記載の実施形態による、
図2のコントローラにより実行される電流ベースの弱め界磁技法のブロック図を示す。
【
図6】本明細書に記載の実施形態によるブラシレスモータの整流を示すグラフである。
【
図7】本明細書に記載の実施形態による、
図1の電動工具で使用される電流ベースの制御を示すグラフである。
【
図8A】本明細書に記載の実施形態による、電流ベースの弱め界磁を実施する方法のフローチャートを示す。
【
図8B】本明細書に記載の実施形態による、電流ベースの弱め界磁を実施する方法のフローチャートを示す。
【
図9A】本明細書に記載の実施形態による、
図8A及び
図8Bの電流ベースの弱め界磁に基づくトルクと他のパラメータとの間の関係を示すグラフである。
【
図9B】本明細書に記載の実施形態による、
図8A及び
図8Bの電流ベースの弱め界磁に基づくトルクと他のパラメータとの間の関係を示すグラフである。
【
図9C】本明細書に記載の実施形態による、
図8A及び
図8Bの電流ベースの弱め界磁に基づくトルクと他のパラメータとの間の関係を示すグラフである。
【
図9D】本明細書に記載の実施形態による、
図8A及び
図8Bの電流ベースの弱め界磁に基づくトルクと他のパラメータとの間の関係を示すグラフである。
【
図9E】本明細書に記載の実施形態による、
図8A及び
図8Bの電流ベースの弱め界磁に基づくトルクと他のパラメータとの間の関係を示すグラフである。
【
図9F】本明細書に記載の実施形態による、
図8A及び
図8Bの電流ベースの弱め界磁に基づくトルクと他のパラメータとの間の関係を示すグラフである。
【
図9G】本明細書に記載の実施形態による、
図8A及び
図8Bの電流ベースの弱め界磁に基づくトルクと他のパラメータとの間の関係を示すグラフである。
【
図9H】本明細書に記載の実施形態による、
図8A及び
図8Bの電流ベースの弱め界磁に基づくトルクと他のパラメータとの間の関係を示すグラフである。
【
図9I】本明細書に記載の実施形態による、
図8A及び
図8Bの電流ベースの弱め界磁に基づくトルクと他のパラメータとの間の関係を示すグラフである。
【
図9J】本明細書に記載の実施形態による、
図8A及び
図8Bの電流ベースの弱め界磁に基づくトルクと他のパラメータとの間の関係を示すグラフである。
【
図9K】本明細書に記載の実施形態による、
図8A及び
図8Bの電流ベースの弱め界磁に基づくトルクと他のパラメータとの間の関係を示すグラフである。
【
図9L】本明細書に記載の実施形態による、
図8A及び
図8Bの電流ベースの弱め界磁に基づくトルクと他のパラメータとの間の関係を示すグラフである。
【
図10】
図1の電動工具内等のセンサードモータ制御を含む電動工具のブロック図を示す。
【
図11A】
図1の電動工具に組み込まれたブラシレス直流モータのセンサ基板を示す。
【
図11B】
図1の電動工具に組み込まれたブラシレス直流モータのセンサ基板を示す。
【
図12】本明細書に記載の実施形態による、種々の充電段階における複数のバッテリパックタイプでの電力対電流曲線のグラフを示す。
【
図13】本明細書に記載の実施形態による、種々の充電段階における複数のバッテリパックタイプでの電力対電圧曲線のグラフを示す。
【
図14】本明細書に記載の実施形態による、
図2のコントローラにより実行される別の方法のブロック図を示す。
【
図15A】静的電流制限及び動的電流制限を有する第1のバッテリパックの複数の特性の図を示す。
【
図15B】静的電流制限及び動的電流制限を有する第1のバッテリパックの複数の特性の図を示す。
【
図16A】静的電流制限及び動的電流制限を有する第2のバッテリパックの複数の特性の図を示す。
【
図16B】静的電流制限及び動的電流制限を有する第2のバッテリパックの複数の特性の図を示す。
【
図17A】本明細書に記載の実施形態による、
図8A及び
図8Bの電流ベースの弱め開示に基づくバッテリパックの直流内部抵抗(「DCIR」)と他のパラメータとの間の関係を示すグラフである。
【
図17B】本明細書に記載の実施形態による、
図8A及び
図8Bの電流ベースの弱め開示に基づくバッテリパックの直流内部抵抗(「DCIR」)と他のパラメータとの間の関係を示すグラフである。
【
図18A】本明細書に記載の実施形態による、
図8A及び
図8Bの電流ベースの弱め開示に基づくバッテリパックのDCIRとトルクとの間の関係を示すグラフである。
【
図18B】本明細書に記載の実施形態による、
図8A及び
図8Bの電流ベースの弱め開示に基づくバッテリパックのDCIRとトルクとの間の関係を示すグラフである。
【
図18C】本明細書に記載の実施形態による、
図8A及び
図8Bの電流ベースの弱め開示に基づくバッテリパックのDCIRとトルクとの間の関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本明細書に記載の実施形態は、電流ベースの弱め界磁制御を実施して、電動工具の動作の速度及びエネルギーを上げるように構成された電動工具に関する。電流ベースの弱め界磁は、電動工具が、制御信号の電圧及びパルス幅変調を上げずに、動作中、より多くの電流及びトルクを生み出せるようにする。電流ベースの弱め界磁は、動作中、電圧方向においてモータの電流を上げて、電源からモータが受け取る電力を調整する。例えば、電流ベースの弱め界磁は、制御信号のパルス幅変調デューティ比を上げることによりモータの電流を上げる。パルス幅変調が最大の場合、電流ベースの弱め界磁は導通角を上げる。弱め界磁アルゴリズムは、センサードモータ制御又はセンサレスモータ制御を使用して達成することができる。電流ベースの弱め界磁は、電動工具の動作中、電動工具により実施することができる。電流ベースの弱め界磁は、可能な限り低い電流で利用可能な最高トルクを生み出すことにより電動工具の効率を最適化する。電流ベースの弱め界磁における導通角は、手動調整なしである値に自動的に収束し、電源(例えばバッテリパック)、インバータ、モータ、及び他の機械的特性の変化に対して自己調整する。弱め界磁アルゴリズムは、電流制限制御を弱め開示制御と組み合わせて、処理要件及び電力を削減する。界磁指向制御を使用する弱め界磁技法等の弱め界磁技法によっては、同様の電流制限及び弱め界磁原理を実施してモータの同様の速度及び効率を達成するために、大きな処理電力が必要とされる。電流ベースの弱め界磁は、効率を最適化し、モータにより生み出されるトルクを上げながら、処理要件を下げる(例えば、界磁指向制御と比較して)。
【0033】
幾つかの実施形態では、電流ベースの弱め界磁は電源電圧制御を高める。弱め界磁アルゴリズムは、電源の電圧を制御して、電流を制限し、電源から供給される電力を調整する。幾つかの実施形態では、弱め界磁アルゴリズムは、電源のゲートドライバから供給される電圧を制御するのに使用される。弱め界磁アルゴリズムは、電源の電流リミッタとして実施され、その場合、電源電流の直接操作により、電動工具モータからの出力トルク制御及び電源の電圧制御を改善することができる。弱め界磁アルゴリズムは、より大きな負荷条件を克服するためにより多くの電力を提供する。
【0034】
図1は、幾つかの実施形態による一例の電動工具100を示す。電動工具100は、ハウジング105、電源インターフェース110、ドライバ115(例えばチャック又はビットホルダ)、モータハウジング120、トリガ125、及びハンドル130を含む。モータハウジング120はモータ215(
図2参照)を収容する。長手軸135がドライバ115からモータハウジング120の後部を通って延びる。動作中、ドライバ115は長手軸135の周りを回転する。長手軸135は、ハンドル130に概ね直交し得る。
図1は回転出力を有する特定の電動工具100を示すが、本明細書に記載の弱め界磁方法は、ドリル、ドライバ、電動スクリュードライバ、電動ラチェット、グラインダー、直角ドリル、回転ハンマー、パイプねじ切り機、丸鋸、卓上鋸、又は軸回りの回転を受ける別のタイプの電動工具等の複数のタイプの電動工具と併用可能なことが企図される。幾つかの実施形態では、電動工具100は、往復鋸、チェーンソー、ポールそー、カットオフソー、ダイグラインダー等の並進運動を受ける電動工具である。本明細書に記載の実施形態は主に、回転出力を有する電動工具での弱め界磁の実施を参照するが、幾つかの実施形態では、弱め界磁アルゴリズムは並進又は他の出力を有する電動工具で実施される。
【0035】
図2は、コントローラ200を含むブラシレス電動工具100の電子機械図を示す。コントローラ200は、電動工具100の多様なモジュール又は構成要素に電気的に及び/又は通信可能に接続されている。例えば、図示のコントローラ200は、電源205、切り替えブリッジ210、モータ215、ホール効果センサ220(ホールセンサとも呼ばれる)、1つ又は複数の電流センサ225、ユーザ入力230(例えばトリガ125)、他の構成要素235(例えばバッテリパック燃料ゲージ、作業灯[例えばLED]、電流/電圧センサ等)、1つ又は複数のインジケータ240(例えばLED)、及び外部装置250(例えばスマートフォン、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ等)と通信するように構成された無線通信コントローラ245(例えば送受信機)に接続される。無線通信コントローラ245及び外部装置250とのその通信は、例えば、2017年8月31日付けで公開された「POWER TOOL INCLUDING AN OUTPUT POSITION SENSOR」と題する(特許文献1)により詳細に記載されており、その全内容は参照により本明細書に援用される。
【0036】
コントローラ200は、とりわけ、電動工具100の動作を制御し、モータ215に提供される電力を制御する等を行うように動作可能なハードウェアとソフトウェアとの組合せを含む。幾つかの実施形態では、コントローラ200は、電力、動作制御、及び保護をコントローラ200及び/又は電動工具100内の構成要素及びモジュールに提供する複数の電気構成要素及び電子構成要素を含む。例えば、コントローラ200は、とりわけ、処理ユニット255(例えば、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、又は別の適切なプログラム可能なデバイス)、メモリ260、入力ユニット265、及び出力ユニット270を含む。処理ユニット255は、特に、制御ユニット275、算術論理ユニット(「ALU」)280、及び複数のレジスタ285(
図2にレジスタ群として示す)を含み、公知のコンピュータアーキテクチャ(例えば、修正ハーバードアーキテクチャ、フォンノイマンアーキテクチャ等)を用いて実装されている。処理ユニット255、メモリ260、入力ユニット265及び出力ユニット270並びにコントローラ200に接続された様々なモジュールは、1つ又は複数の制御バス及び/又はデータバス(例えば、共通バス290)によって接続される。制御バス及び/又はデータバスを説明のために
図2において大まかに示す。種々のモジュール及び構成要素間の相互接続及び通信のための1つ又は複数の制御バス及び/又はデータバスの使用は、本明細書中に記載の実施形態に鑑みて当業者に分かるであろう。
【0037】
メモリ260は、例えば、プログラム記憶領域及びデータ記憶領域を含む非一時的コンピュータ可読媒体である。プログラム記憶領域及びデータ記憶領域は、読み取り専用メモリ(「ROM」)、ランダムアクセスメモリ(「RAM」)(例えば、ダイナミックRAM[「DRAM」]、同期DRAM[「SDRAM」]、等)、電気的消去可能なプログラム可能読み取り専用メモリ(「EEPROM」)、フラッシュメモリ、ハードディスク、SDカード、又は他の適切な磁気、光学、物理、若しくは電子メモリ装置(単数又は複数)等の異なる種類のメモリの組合せを含むことができる。処理ユニット255は、メモリ260に接続され、メモリ260のRAM(例えば、実行中に)、メモリ260のROM(例えば、一般的に永続的に)、又は別のメモリやディスク等の別の非一時的なコンピュータ可読媒体に記憶することができるソフトウェア命令を実行する。電動工具100の実装に含まれるソフトウェアは、コントローラ200のメモリ260に記憶することができる。ソフトウェアは、例えば、ファームウェア、1つ又は複数のアプリケーション、プログラムデータ、フィルタ、規則、1つ又は複数のプログラムモジュール、及び他の実行可能命令を含む。コントローラ200は、メモリから、とりわけ、本明細書に記載の制御プロセス及び方法に関する命令を取得し、実行するように構成される。他の構成では、コントローラ200は、追加的な、より少ない又は異なるコンポーネントを含む。
【0038】
電源205は、DC電力を電動工具100の種々の構成要素に提供する。幾つかの実施形態では、電源205は、再充電可能であり、例えばリチウムイオン電池技術を使用する電動工具バッテリパックである。他の実施形態では、電源205は、標準の壁にあるコンセントに結合された工具プラグからAC電力(例えば120V/60Hz)を受け取り、次いで受け取った電力を出力DC電力に濾波、調整、及び整流することができる。幾つかの実施形態では、電動工具100は、例えば、コントローラ200と電源205との間に通信線又はリンクを提供するための通信線295を含む。
【0039】
各ホール効果センサ220は、モータ215のロータの磁石がホール効果センサ220の面を横切って回転する場合に関連する指標(例えば、パルス)等のモータフィードバック情報を出力する。ホール効果センサ220からのモータフィードバック情報に基づいて、コントローラ200は、ロータの回転の位置、速度、及び加速度を特定することができる。1つ又は複数の電流センサ225は、モータ215及び/又は電動工具100に供給される電流に関する情報を出力する。
【0040】
電動工具100は種々のモードで動作するように構成される。例えば、コントローラ200は、例えばトリガ125を押すこと、電動工具100の任意の他のユーザ入力230を作動させることによる等のユーザ入力230からユーザ制御を受け取る。モータフィードバック情報及びユーザ制御に応答して、コントローラ200は、モータ215を駆動するように切り替えブリッジ210(例えばFET切り替えブリッジ)を制御する制御信号を生成する。例えば、切り替えブリッジ210は、複数のハイ側切り替え要素(例えばFET)及び複数のロー側切り替え要素を含み得る。切り替えブリッジ210のスイッチを選択的にオン及びオフすることにより、電源205からの電力はモータ215のステータコイルに選択的に印加されて、モータ215のロータを回転させる。明確に示されていないが、1つ又は複数の電流センサ225及び電動工具100の他の構成要素は、電源205が電力をそれらの構成要素に提供するように電源205に電気的に結合される。
【0041】
幾つかの実施形態では、コントローラ200は、電動工具100の他の態様、例えば使用データの記録、外部装置との通信等も制御する。幾つかの実施形態では、電動工具100は、電源205により供給される、検出された電流に基づいてモータ215の動作を制御するように構成される。例えば、幾つかの実施形態では、コントローラ200は、1つ又は複数の電流センサ225により出力された情報を介して、電源205により供給される電流をモニタするように構成される。コントローラ200は次いで、電源205により供給される、検出された電流に基づいてモータ215を制御することができる。モータ215及び電源205をモニタすることにより、コントローラ200は、入力電圧(例えばバッテリパック電圧)及びモータ速度の全範囲にわたり可能な限り低い電流で利用可能な最高のトルクを達成しながら、モータ215を最高効率で制御することができる。
【0042】
幾つかの実施形態では、提案されている電動工具装置のいずれかは、無線ネットワークを経由して通信するために角コントローラに結合された無線通信コントローラ245を含み得る。
図3は、一例の無線通信コントローラ245を示している。
図3に示されるように、無線通信コントローラ245は、プロセッサ305、メモリ310、アンテナ及び送受信機315、並びにリアルタイムクロック(「RTC」)320を含む。無線通信コントローラ245は、電動工具装置が外部装置250(例えば
図2及び
図4参照)と通信することを可能にする。無線アンテナ及び送受信機315は協働して、外部装置250及びプロセッサ305と無線メッセージを送受信する。メモリ310は、プロセッサ305によって実施される命令を記憶することができ、及び/又は電動工具装置と外部装置250との間の通信に関連するデータを記憶することができる。例えば、無線通信コントローラ245に関連付けられたプロセッサ305は、到来する及び/又は発信されるデータをバッファリングし、コントローラ200と通信し、無線通信で使用する通信プロトコル及び/又は設定を判定する。無線通信コントローラ245を介した通信は、電動工具装置と外部装置250との間で交換されるデータを第三者から保護するために暗号化することができる。
【0043】
図示の実施形態では、無線通信コントローラ245は、Bluetooth(登録商標)コントローラである。Bluetooth(登録商標)コントローラは、Bluetooth(登録商標)プロトコルを採用している外部装置250と通信する。したがって、図示の実施形態では、外部装置250及び電動工具装置は、データを交換する際には互いの通信範囲内(すなわち、近く)にある。他の実施形態では、無線通信コントローラ245は、異なるタイプの無線ネットワーク上で他のプロトコル(例えば、Wi-Fi、ZigBee、プロプライエタリプロトコル等)を使用して通信する。例えば、無線通信コントローラ245は、インターネットなどのような広域ネットワーク若しくはローカルエリアネットワークを通じてWi-Fiを介して通信するように、又はピコネットを通じて(例えば、赤外線若しくはNFC通信を使用して)通信するように構成されてもよい。
【0044】
実施形態によっては、ネットワークは、例えば、移動通信用グローバルシステム(Global System for Mobile Communications(「GSM」))ネットワーク、汎用パケット無線サービス(General Packet Radio Service(「GPRS」))ネットワーク、符号分割多元接続(Code Division Multiple Access(「CDMA」))ネットワーク、エボリューション-データ最適化(Evolution-Data Optimized(「EV-DO」))ネットワーク、GSMエボリューション用拡張データレート(Enhanced Data Rates for GSM Evolution(「EDGE」))ネットワーク、3GSMネットワーク、4GSMネットワーク、4G LTEネットワーク、5G新無線(New Radio)、デジタル拡張無線電気通信(Digital Enhanced Cordless Telecommunications(「DECT」))ネットワーク、デジタルAMPS(IS-136/TDMA)ネットワーク、又は統合デジタル拡張ネットワーク(Integrated Digital Enhanced Network(「iDEN」))ネットワークなど、のセルラーネットワークである。
【0045】
無線通信コントローラ245は、コントローラ200からデータを受信して、その情報をアンテナ及び送受信機315を介して外部装置250に中継するように構成される。同様に、無線通信コントローラ245は、アンテナ及び送受信機315を介して外部装置250からの情報(例えば、設定及びプログラミング情報)を受信して、その情報をコントローラ200に中継するように構成される。
【0046】
図4は、通信システム400を示している。通信システム400は、少なくとも1つの電動工具100と、外部装置250とを含んでいる。各電動工具100及び外部装置250は、互いの通信範囲内にある間に、無線で通信することができる。各電動工具100は、電動工具の状態、電動工具の動作上の統計値、電動工具の識別情報、電動工具センサデータ、記憶済みの電動工具の使用情報、電動工具のメンテナンス情報等を通信することができる。
【0047】
外部装置250は、例えば、(図示するような)スマートフォン、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、パーソナルデジタルアシスタント(「PDA」)、又は電動工具100と無線通信し、ユーザインターフェースを提供することが可能な別の電子装置である。外部装置250は、ユーザインターフェースを提供し、ユーザが電動工具100にアクセスし、対話できるようにする。外部装置250は、動作パラメータを決定し、機能(低電力動作モード等)をオン又はオフする等のユーザ入力を受け付けることができる。外部装置250のユーザインターフェースは、ユーザが電動工具100の動作を制御及びカスタマイズするのに使い易いインターフェースを提供する。したがって、外部装置250は、電動工具100の工具動作データへのユーザアクセスを認め、ユーザが電動工具100のコントローラ200と対話することができるようなユーザインターフェースを提供する。
【0048】
加えて、
図4に示すように、外部装置250は、電動工具100から取得された工具動作データを、ネットワーク415を通して接続されたリモートサーバ425と共有することもできる。リモートサーバ425は、外部装置250から取得される工具動作データを記憶するため、ユーザに追加の機能及びサービスを提供するため、又はそれらの組合せのために用いられてもよい。実施形態によっては、リモートサーバ425に情報を記憶することにより、ユーザが、複数の異なる場所から情報にアクセスすることが可能になる。実施形態によっては、リモートサーバ425は、種々のユーザから、ユーザの電動工具に関する情報を収集し、異なる電動工具から取得された情報に基づいて、ユーザに統計値又は統計的尺度を提供する。例えば、リモートサーバ425は、経験から得られた電動工具100の効率、電動工具100の典型的な使用法、並びに、電動工具100の他の関連する特性及び/又は尺度に関する統計を提供することができる。ネットワーク415は、上述のように、例えば、インターネット、セルラーデータネットワーク、ローカルネットワーク、又はそれらの組合せに接続するための種々のネットワーク要素(ルータ410、ハブ、スイッチ、セルラータワー420、有線接続、無線接続等)を含み得る。実施形態によっては、電動工具100は、追加の無線インターフェースを通じて、又は電動工具100が外部装置250と通信するために用いるのと同じ無線インターフェースで、リモートサーバ425と直接通信するよう構成される。
【0049】
図5は、幾つかの実施形態による、コントローラ200により実行される電流ベースの弱め界磁制御のブロック図を示す。
図5に示される実施形態では、コントローラ200は、比例積分(「PI」)コントローラ510及び弱め界磁コントローラ520(例えばメモリ260内に記憶される)を更に含む。上述したように、1つ又は複数の電流センサ225は、モータ215及び/又は電動工具100に供給される電流に関する情報を検知する。コントローラ200は、1つ又は複数の電流センサ225を介して、モータ215に供給される電流を示す信号を受信する。コントローラ200は電流コマンド505を生成し、電流コマンド505は、電流センサ225からの検知電流フィードバック信号と組み合わせられ、PIコントローラ510に提供される。電流コマンド505及び電流センサ225からの検知電流に基づいて、PIコントローラ510は、1つ又は複数の弱め界磁基準信号515を生成し、弱め界磁コントローラ520に提供する。幾つかの実施形態では、弱め界磁コントローラ520は、処理ユニット255に提供する1つ又は複数のモータ制御信号525を決定する。例えば、1つ又は複数のモータ制御信号525は、制御動作を実行するためにモータ215に提供されるデューティサイクル及び/又は導通角(例えば度数単位の導通角)を有するパルス幅変調(「PWM」)信号を示すことができる。1つ又は複数のモータ制御信号525に基づいて、処理ユニット255は、例えば、モータ215に適用するデューティサイクル及び導通角を有するPWM信号を決定する。続く制御動作を開始するために、検知電流フィードバック信号は、続けて生成された電流コマンド505と併せて、PIコントローラ510に提供される。幾つかの実施形態では、続く弱め界磁動作は、モータ215に適用されたPWM信号の第1の変更を含む。幾つかの実施形態では、コントローラ200は、1つ又は複数の電流センサ225を介して、導通角がモータ215に印加される電流を上げるために使用される場合の制御動作中、モータ215により供給された電流を示す検知電流フィードバック信号を受信する。続く制御動作を開始するために、電流フィードバック信号はここでも、続けて生成された電流コマンド505と併せて、PIコントローラ510に提供される。幾つかの実施形態では、続く弱め界磁動作は、モータ215に適用される導通角の第1の変更(例えば導通角の増大)を含む。
【0050】
幾つかの実施形態では、モータ215の導通角は、導通角を大きくするように変更し得る。一般に、BLDCモータ(例えばモータ215)に適用される導通角は、デフォルト値(例えば、概ね105°、概ね120°、90°~120°等)に設定される。しかしながら、弱め界磁等を介して速度を上げるためには、所与の位相の導通角を180°等の最大値まで大きくし得る。
図6に示すように、BLDCモータに適用される整流の一例を示す。逆起電力(「BEMF」)600は一般に、導通角605を追跡する。
図6に示されるように、モータ215を駆動するために、導通角は一般に120°であり、上述したようにハイ側スイッチ(ハイ側FET等)又はロー側スイッチ(ロー側FET等)のいずれかに適用される。
図6に更に示されるように、導通角605は120°~180°等の最大値に増大させることができる(任意選択的な導通領域610に示されるように)。更に、上述したように、位相前進線615で示されるように、導通角605は導通サイクルの早期で生じる(即ち位相前進)ようにシフトさせることができる。
【0051】
図7は、
図1の電動工具で使用するための
図5の弱め界磁コントローラ520を介した電流ベースの弱め界磁制御動作を示すグラフ700である。図示の実施形態では、弱め界磁コントローラ520は、電流がモータ215に提供されていないポイント705で開始される。動作中、モータ215が電流を受け取るにつれて、弱め界磁コントローラ520は弱め界磁基準信号515を受信し、モータ電流を増大させ、第2の曲線又は軌道715に達するまで最大トルク/アンペア(「MTPA」)曲線又は軌道710(例えば第1の軌道)を辿るように切り替えブリッジ210を制御するデューティサイクルを有するPWM信号を設定する。MTPA電流制御中、モータ215の導通角(例えば第1の導通角)はデフォルト値(例えば、105度導通角、90度~135度の導通角等)のままである。MTPA電流制御(更に以下に詳述する)を使用して、モータ215により提供することができる最大量のトルク/アンペアに対応する電流コマンド信号を決定する。MTPA曲線又は軌道710中、モータ速度はゼロ定常状態誤差に維持され、それに従って、モータ電力はPWM信号のデューティサイクルの増大に伴って増大する。幾つかの実施形態では、MTPA電流制御は
図7に示される例と異なる。第2の曲線又は軌道715において、PWM信号のデューティサイクルは第1の閾値(例えば100%デューティサイクル)に達している。第2の軌道715に達した後、モータ215に提供される電流を上げるようにデューティサイクルをそれ以上は増大させることができない。その結果、弱め界磁コントローラ520は、PWM信号のデューティサイクルを第1の閾値に維持又はロックする。第2の軌道715中、モータ速度は引き続きゼロ定常状態誤差に維持され、それに従って、モータ電力は導通角の増大に伴って増大する。
【0052】
幾つかの実施形態では、弱め界磁コントローラ520は次いで、第3の曲線又は軌道720を辿るようにモータ215の導通角を制御し、モータ215に提供される電流を更に上げることができる。第3の軌道720では、導通角は最大導通角(例えば130度~180度)である。例えば、弱め界磁コントローラ520は最大導通角を下げて、電力スループットを犠牲にしてモータの損失を保持する。他の例では、弱め界磁コントローラ520は最大導通角を上げて、電力スループットを上げ、その犠牲として、電力スループットを達成しながら損失が大きくなる。モータ215に供給される電流が第2の閾値(例えば最大電流)に達する場合、弱め界磁コントローラ520は、引き続きPWM信号のデューティサイクルを第1の閾値に維持し、電流コマンドが第4の曲線又は軌道725に沿って最大値で一定である間、導通角は低下し始める。速度が第4の軌道725に沿って低下するにつれて、モータ215の逆起電力は低下し、モータ電流を増大させる。モータ電流が増大するにつれて、弱め界磁コントローラ520は、第2の導通角を下げることによりモータ電流の増大を補正する。導通角を下げることにより、モータ215はより大きなトルク/アンペアを生成し、定常状態電源電流を変更せずにモータ215により負荷を維持できるようにする。導通角が第3の閾値に達する場合、弱め界磁コントローラ520は引き続きPWM信号のデューティサイクルを第1の閾値に維持し、導通角を第3の閾値に維持する。
【0053】
幾つかの実施形態では、弱め界磁コントローラ520は、最小導通角(例えば最小飽和点)に戻るようにモータ215の導通角を制御する。導通角が最小飽和点に達した後、弱め界磁コントローラ520は、第5の曲線又は軌道730(例えば過駆動軌道)を辿るようにPWM信号のデューティサイクルを第1の閾値に維持することにより電流を制御する。過駆動軌道730では、モータ215は、導通角が最小飽和点に減じられると、MTPA軌道710を引き続き辿ることにより、第2の閾値を超えるモータ電流で動作することができる。第5の軌道730中、モータが受ける負荷が増大するにつれてモータの速度は低下し、弱め界磁コントローラ520により導通角の変更は適用されない。幾つかの実施形態では、トルク負荷の低下に基づいてより大きな速度を達成することにより、第2の導通角が最小飽和点に達し、電流が第2の閾値に戻った後、弱め界磁コントローラ520は導通角を再び増大させて、モータ電流を更に上げることができる。幾つかの実施形態では、導通角が最小飽和点に達すると、モータ電力は電源205からモータ215が受け取る電圧に基づく。上記シーケンスは一般にトルクが増大する順に説明されたが、トルクが低下する場合、シーケンスは逆順を辿ることもできる。
【0054】
幾つかの実施形態では、MTPAは、モータ215の永久磁石のトルク及びモータ215の突極性リラクタンスからのトルクに起因して、導通角90度~135度の間で生じる。電流が電流方向iqにおいて永久磁石と比較して直交して置かれる場合、モータ215の永久磁石からのトルクは最大化され、電流の大きさと比例関係を有する。電流が負電流方向idと電流方向iqとの間で永久磁石の前135度に置かれる場合、モータ215の突極性リラクタンスからのトルクは最大化され、電流の大きさの二乗と比例関係を有する。モータ215の永久磁石からのトルク及びモータ215の突極性リラクタンスからのトルクが両方とも、モータの動作中に生じると考えると、モータにより達成される最適トルクは導通角90度~135度の間に存在する。弱め界磁コントローラ520は、電流コマンド505に基づいて開ループ制御を使用して最小導通角を較正することができる。弱め界磁動作がアクティブ化される(例えば、PWM信号のデューティサイクルが第1の閾値に達する)と、弱め界磁コントローラ520は、導通角を最小導通角から増大させることができる。弱め界磁動作中、弱め界磁コントローラ520は、PWM信号のデューティサイクルが第1の閾値であり、所望の電流が生成される導通角を特定する。特定された導通角において、モータ215は、モータ速度(例えばバス電圧限度内)において所望の電流で可能な限り最高のトルクを生成することができる。幾つかの実施形態では、PWM信号のデューティサイクルが第1の閾値未満の場合、所望の電流及びモータ速度でより低いトルク値を生成することができる。換言すれば、弱め界磁アルゴリズムは本質的に、PWM信号のデューティサイクルが第1の閾値に達したとき、MTPAを決定する。
【0055】
図8A及び
図8Bは、上記電流ベースの弱め界磁を実施する方法800のフローチャートを示す。方法800は、電動工具100及びコントローラ200の電源を投入することで開始される(ブロック805)。方法800は、コントローラ200が、動作中のモータ215の特性(例えばMTPA軌道)に基づいて電流コマンド505を生成すること(ブロック810)を含む。方法800は、電流コマンド505に基づいて、コントローラ200を介してモータ215の導通角を設定する(例えばデフォルト導通角)こと(ブロック815)も含む。方法800は、(例えば電流コマンド505を達せするために)モータ電流を制御するデューティサイクルを有するPWM信号をモータ215に供給すること(ブロック820)も含む。方法800は、PWM信号のデューティサイクルが第1の閾値と等しいか否かを判断すること(ブロック825)を更に含む。PWM信号のデューティサイクルが第1の閾値(例えば、100%デューティサイクル、95%デューティサイクル、100%未満のデューティサイクル等)と等しいと判断された場合、コントローラ200はPWM信号のデューティサイクルを第1の閾値に維持する(ブロック830)。幾つかの実施形態では、コントローラ200は、命令されたモータ電流が第1の閾値におけるPWM信号を必要とする場合のみ、PWM信号を第1の閾値(例えば最大PWMデューティサイクル)に維持する。例えば、電動工具の負荷が下げられ、必要な電流が下がった場合、コントローラ200は電流コマンドを低減する(例えば、PWM制御が第1の閾値未満になるポイントまで)ことができる。PWM信号のデューティサイクルが第1の閾値と等しいと判断されない場合、方法はブロック820に戻り、PWM信号を使用して引き続きモータ電流を制御する。
【0056】
図8Bを参照すると、方法800は、PWM信号のデューティサイクルが第1の閾値に達して第1の閾値に維持された後、コントローラ200を介して、モータ電流を制御するようにモータ215への導通角を制御すること(ブロック835)も含む。方法800は、コントローラ200を介して、電流コマンド505が第2の閾値と等しいか否かを判断すること(ブロック840)も含む。幾つかの実施形態では、電流コマンド505は、コントローラ200を介して、第2の閾値に留まるように制限される。モータ電流が、モータ215の負荷を維持するのに十分なトルクを提供しない場合、モータ電流が電流コマンド505よりも上がるようにモータの速度及び逆起電力は下がる。幾つかの実施形態では、コントローラ200は、過剰なモータ電流を補正するように、モータ215に適用される導通角を小さくすると判断する。モータ215の導通角の縮小により、モータ215は、モータ215の定常状態電流を変えずに、速度を犠牲にしてより大きなトルクを生み出すことができる。モータ電流が第2の閾値と等しいと判断される場合、コントローラ200は、モータ電流を第2の閾値に維持するように導通角を更に制御することができる(ブロック845)。幾つかの実施形態では、コントローラ200は、最大モータ電流が命令される(例えば、電動工具100がいかに駆動されているかに基づいて)場合のみ、モータ電流を第2の閾値に維持する。例えば、電動工具の負荷が下げられ、必要な電流が下がった場合、コントローラ200は電流コマンドを低減する(例えば、PWM制御が第1の閾値未満になるポイントまで)ことができる。モータ電流が第2の閾値と等しいと判断されない場合、方法800はブロック835に戻り、第1の閾値に維持又はロックされたPWM信号を用いて導通角を制御することにより、モータ電流を引き続き制御する。
【0057】
幾つかの実施形態では、方法800は、モータ導通角が第3の閾値(例えば、最大導通角、130°~180°の導通角等)と等しいか否かを判断すること(ブロック850)も含む。モータ導通角が第3の閾値と等しいと判断される場合、命令された電流がなお、第2の閾値の電流を保証するとき、コントローラ200は導通角を第3の閾値に維持する(ブロック855)。モータ導通角が第3の閾値と等しいと判断されない場合、方法800はブロック845に戻り、モータ電流を第2の閾値に維持するように導通角を引き続き制御する。モータ導通角が第3の閾値に維持されると、方法800は終了し、PWM信号、モータ電流、及びモータ導通角は全て最大値に達している。方法800の全体を通して随時、電動工具100の電流コマンドがPWM信号及び導通角の許容可能な最大値を保証しない場合、PWM信号及び導通角は必ずしもそのような値に制御される必要はない。方法800の全体を通して随時、モータ215が受けている負荷が軽減される場合、方法800はブロック810に戻り、続く電流コマンド505を生成することができる。
【0058】
図9Aは、高インピーダンスバッテリパック(例えば5S1P2.0アンペア時バッテリパック)の場合でのモータ215のトルクとモータ215の毎分回転数(「RPM」)との間の関係を示すグラフ900Aである。特に、グラフ900Aは、モータ215のRPMが概して低下するにつれて上がるモータ215のトルクを示す。異なるパラメータでの同じ制御技法の性質を示すために、
図9A~
図9L内で同じ参照番号が使用されている。線905は、従来の弱め界磁技法の通常動作中のトルクとRPMとの間の関係を示す。線910は、導通角が制限され、電流が制限される本明細書に記載の電流ベースの弱め界磁を実施している間のトルクとRPMとの間の関係を示す。線915は、導通角が最大であり、電流が制限される電流ベースの弱め界磁を実施している間のトルクとRPMとの間の関係を示す。線920は、導通角が最大であり、電流が最大である電流ベースの弱め界磁を実施している間のトルクとRPMとの間の関係を示す。線905は、トルクが増大するにつれて、線910、915、及び920の電流ベースの弱め界磁と比較して、通常動作中、RPMのより大きな低下を示す。線910は、電流ベースの弱め界磁の高効率調整を表し、線915は、電流ベースの弱め界磁の高電力調整を表す。
【0059】
図9Bは、高インピーダンスバッテリパックの場合でのモータ215のトルクとモータ215の電流との間の関係を示すグラフ900Bである。特に、グラフ900Bは、モータ215のトルクが低下するにつれて上がるモータ215の電流を示す。線905は、従来の弱め界磁技法の通常動作中のトルクと電流との間の関係を示す。線910は、導通角が制限され、電流が制限される電流ベースの弱め界磁を実施している間のトルクと電流との間の関係を示す。線915は、導通角が最大であり、電流が制限される電流ベースの弱め界磁を実施している間のトルクと電流との間の関係を示す。線920は、導通角が最大であり、電流が最大である電流ベースの弱め界磁を実施している間のトルクと電流との間の関係を示す。電流ベースの弱め界磁を示している線910、915、及び920は、トルクが上がるにつれて、線905の従来の弱め界磁と比較してより大きな電流の増大を示す。
【0060】
図9Cは、高インピーダンスバッテリパックの場合でのモータ215のトルクとモータ215の出力電力との間の関係を示すグラフ900Cである。特に、グラフ900Cは、モータのトルクが上がるにつれて上がるモータ215の出力電力を示す。線905は、従来の弱め界磁技法の通常動作中のトルクと出力電力との間の関係を示す。線910は、導通角が制限され、電流が制限される電流ベースの弱め界磁を実施している間のトルクと出力電力との間の関係を示す。線915は、導通角が最大であり、電流が制限される電流ベースの弱め界磁を実施している間のトルクと出力電力との間の関係を示す。線920は、導通角が最大であり、電流が最大である電流ベースの弱め界磁を実施している間のトルクと出力電力との間の関係を示す。線910、915、及び920は、トルクが上がるにつれて、電流ベースの弱め界磁を使用した場合、線905の従来の弱め界磁と比較して出力電力がより大きく増大すること(例えば、同じ工具損失で送達ピーク電力が20%増大する)を示す。線905の従来の弱め界磁と比較した場合、線910、915、及び920はより平滑な出力電力を提供する。
【0061】
図9Dは、高インピーダンスバッテリパックの場合でのモータ215のトルクとモータ215の効率との間の関係を示すグラフ900Dである。特に、グラフ900Dは、達成されるトルク及び速度が等しい場合、モータ215の効率が上がることを示す。線905は、従来の弱め界磁技法の通常動作中のトルクと効率との間の関係を示す。線910は、導通角が制限され、電流が制限される電流ベースの弱め界磁を実施している間のトルクと効率との間の関係を示す。線915は、導通角が最大であり、電流が制限される電流ベースの弱め界磁を実施している間のトルクと効率との間の関係を示す。線920は、導通角が最大であり、電流が最大である電流ベースの弱め界磁を実施している間のトルクと効率との間の関係を示す。線910、915、及び920は、線905の従来の弱め界磁と比較して、トルクが増大するにつれての効率の同様の増大を示す。
【0062】
図9Eは、高インピーダンスバッテリパックの場合でのモータ215のトルクと電源205の電圧との間の関係を示すグラフ900Eである。特に、グラフ900Eは、モータのトルクが上がるにつれて電源の電圧が低下することを示す。線905は、従来の弱め界磁技法の通常動作中のトルクとバッテリパック電圧との間の関係を示す。線910は、導通角が制限され、電流が制限される電流ベースの弱め界磁を実施している間のトルクとバッテリパック電圧との間の関係を示す。線915は、導通角が最大であり、電流が制限される電流ベースの弱め界磁を実施している間のトルクとバッテリパック電圧との間の関係を示す。線920は、導通角が最大であり、電流が最大である電流ベースの弱め界磁を実施している間のトルクとバッテリパック電圧との間の関係を示す。線910、915、及び920は、線905の従来の弱め界磁と比較して、電流ベースの弱め界磁の場合、トルクが増大するにつれての電源電圧の低下率が大きいことを示す。線915は、高インピーダンスバッテリパックに課される一貫して制御される負荷を示す。
【0063】
図9Fは、高インピーダンスバッテリパックの場合でのモータ215のトルクと電動工具100の電力損失との間の関係を示すグラフ900Fである。特に、グラフ900Fは、モータのトルクが上がるにつれて電力損失が全体的に増大することを示す。線905は、従来の弱め界磁技法の通常動作中のトルクと電力損失との間の関係を示す。線910は、導通角が制限され、電流が制限される電流ベースの弱め界磁を実施している間のトルクと電力損失との間の関係を示す。線915は、導通角が最大であり、電流が制限される電流ベースの弱め界磁を実施している間のトルクと電力損失との間の関係を示す。線920は、導通角が最大であり、電流が最大である電流ベースの弱め界磁を実施している間のトルクと電力損失との間の関係を示す。線910、915、及び920は、トルクが上がるにつれて、線905と比較して、電力損失の同様の増大を示す。しかしながら、線910、915、及び920の電流ベースの弱め界磁は、線905と比較して同じ電力損失ではるかに大きな電力を生成し、それにより、電動工具100が、従来は活用されていなかったバッテリパックからより多くの電力を利用することができる。
【0064】
図9Gは、低インピーダンスバッテリパック(例えば5S4Pバッテリパック)の場合でのモータ215のトルクとモータ215の毎分回転数(「RPM」)との間の関係を示すグラフ900Gである。特に、グラフ900Gは、モータ215のRPMが概して低下するにつれて上がるモータ215のトルクを示す。線905は、従来の弱め界磁技法の通常動作中のトルクとRPMとの間の関係を示す。線910は、導通角が制限され、電流が制限される電流ベースの弱め界磁を実施している間のトルクとRPMとの間の関係を示す。線915は、導通角が最大であり、電流が制限される電流ベースの弱め界磁を実施している間のトルクとRPMとの間の関係を示す。線920は、導通角が最大であり、電流が最大である電流ベースの弱め界磁を実施している間のトルクとRPMとの間の関係を示す。線905の従来の弱め界磁と比較した場合、線910、915、及び920はより平滑なトルク速度出力を生成する。線915及び920は、線905と比較して最大速度でより大きなトルクを生成する。線910は、線905と比較して、大きな損失低下を優先して高速における小さなトルク損失を許容する。
【0065】
図9Hは、低インピーダンスバッテリパックの場合でのモータ215のトルクとモータ215の電流との間の関係を示すグラフ900Hである。特に、グラフ900Hは、モータ215のトルクが上がるにつれて上がるモータ215の電流を示す。線905は、従来の弱め界磁技法の通常動作中のトルクと電流との間の関係を示す。線910は、導通角が制限され、電流が制限される電流ベースの弱め界磁を実施している間のトルクと電流との間の関係を示す。線915は、導通角が最大であり、電流が制限される電流ベースの弱め界磁を実施している間のトルクと電流との間の関係を示す。線920は、導通角が最大であり、電流が最大である電流ベースの弱め界磁を実施している間のトルクと電流との間の関係を示す。線910及び915は、電流が上がるにつれてより大きな停滞トルク(bogdown torque)を生成し、電動工具100の動作が完了している間により大きなトルクの生成を可能にする。
【0066】
図9Iは、低インピーダンスバッテリパックの場合でのモータ215のトルクとモータ215の出力電力との間の関係を示すグラフ900Iである。特に、グラフ900Iは、モータのトルクが上がるにつれて上がるモータ215の出力電力を示す。線905は、従来の弱め界磁技法の通常動作中のトルクと出力電力との間の関係を示す。線910は、導通角が制限され、電流が制限される電流ベースの弱め界磁を実施している間のトルクと出力電力との間の関係を示す。線915は、導通角が最大であり、電流が制限される電流ベースの弱め界磁を実施している間のトルクと出力電力との間の関係を示す。線920は、導通角が最大であり、電流が最大である電流ベースの弱め界磁を実施している間のトルクと出力電力との間の関係を示す。線905の従来の弱め界磁と比較した場合、線915は、同様の損失を生じさせながら、中トルク範囲でより大きな電力を引き出す。線910は、30%低い熱損失を生じさせながら、中トルク範囲で同様の電力を引き出す。高トルク範囲では、トルク/アンペアの最適化が最大電力よりも優先され、意図される結果として、工具の電力出力は低くなる。
【0067】
図9Jは、低インピーダンスバッテリパックの場合でのモータ215のトルクとモータ215の効率との間の関係を示すグラフ900Jである。特に、グラフ900Jは、モータのトルクが上がるにつれてモータ215の効率が上がることを示す。線905は、従来の弱め界磁技法の通常動作中のトルクと効率との間の関係を示す。線910は、導通角が制限され、電流が制限される電流ベースの弱め界磁を実施している間のトルクと効率との間の関係を示す。線915は、導通角が最大であり、電流が制限される電流ベースの弱め界磁を実施している間のトルクと効率との間の関係を示す。線920は、導通角が最大であり、電流が最大である電流ベースの弱め界磁を実施している間のトルクと効率との間の関係を示す。線910、915、及び920は、線905の従来の弱め界磁と比較して、トルクが上がるにつれて効率の同様の増大を示し、トルクが引き続き上がるにつれて、線910、915、及び920で示される効率は、線905の従来の弱め界磁の効率よりも大きい。
【0068】
図9Kは、低インピーダンスバッテリパックの場合でのモータ215のトルクと電源205のバッテリパック電圧との間の関係を示すグラフ900Kである。特に、グラフ900Kは、モータのトルクが上がるにつれてバッテリパック電圧が低下することを示す。線905は、従来の弱め界磁技法の通常動作中のトルクとバッテリパック電圧との間の関係を示す。線910は、導通角が制限され、電流が制限される電流ベースの弱め界磁を実施している間のトルクとバッテリパック電圧との間の関係を示す。線915は、導通角が最大であり、電流が制限される電流ベースの弱め界磁を実施している間のトルクとバッテリパック電圧との間の関係を示す。線920は、導通角が最大であり、電流が最大である電流ベースの弱め界磁を実施している間のトルクとバッテリパック電圧との間の関係を示す。線910、915、及び920は、線905の弱め界磁と比較して、電流ベースの弱め界磁の場合、トルク増大に伴った電源電圧の同様の低下率を示す。
【0069】
図9Lは、低インピーダンスバッテリパックの場合でのモータ215のトルクと電動工具100の電力損失との間の関係を示すグラフ900Lである。特に、グラフ900Lは、モータのトルクが上がるにつれて電力損失が全体的に増大することを示す。線905は、従来の弱め界磁技法の通常動作中のトルクと電力損失との間の関係を示す。線910は、導通角が制限され、電流が制限される電流ベースの弱め界磁を実施している間のトルクと電力損失との間の関係を示す。線915は、導通角が最大であり、電流が制限される電流ベースの弱め界磁を実施している間のトルクと電力損失との間の関係を示す。線920は、導通角が最大であり、電流が最大である電流ベースの弱め界磁を実施している間のトルクと電力損失との間の関係を示す。線910、915、及び920は、線905と比較して、トルク増大に伴ってより低い初期電力損失(例えば、低負荷で30W低い損失)を示す。しかしながら、線910、915、及び920の電流ベースの弱め界磁は、線905と比較して同様の電力損失を生み出す。電動工具に給電するバッテリパックに関わらず、より一貫した工具損失により、より多くの電力をバッテリパックから引き出すことができる。
【0070】
図10は、方法800の電流ベースの弱め界磁を実施するために、センサードモータ制御を実施する電動工具100の一実施形態1000の簡易ブロック図を示す。電動工具1000は、電源1005、スイッチ又は電界効果トランジスタ(「FET」)1010、モータ1015、ホール効果センサ1020、モータコントローラ1025(例えばコントローラ200)、ユーザ入力1030、及び他の構成要素1035(例えば、バッテリパック燃料ゲージ、作業灯[LED]、電流/電圧センサ等)を含む。電源1005は、DC電力を電動工具1000の種々の構成要素に提供し、再充電可能であり、例えばリチウムイオン電池技術を使用する電動工具バッテリパックであり得る。場合によっては、電源1005は、標準の壁にあるコンセントに結合された工具プラグからAC電力(例えば120V/60Hz)を受け取り、次いで受け取った電力を出力DC電力に濾波、調整、及び整流することができる。各ホール効果センサ1020は、ロータの磁石がホール効果センサ1020の面を横切って回転する場合に関連する指標(例えば、パルス)等のモータフィードバック情報を出力する。ホール効果センサ1020からのモータフィードバック情報に基づいて、モータコントローラ1025は、ロータの回転の位置、速度、及び加速度を特定することができる。モータコントローラ1025はまた、トリガ125を押す等によりユーザ入力1030からユーザ制御を受け取る。モータ情報フィードバック情報及びユーザ制御に応答して、モータコントローラ1025は、FET1010を制御してモータ1015を駆動させるための制御信号を送信する。FET1010を選択的にオンオフすることにより、電源1005からの電力がモータ1015のステータ巻線に選択的に印加されて、ロータを回転させる。図示されていないが、モータコントローラ1025及び電動工具1000のその他の構成要素は、電源1005がそれらに電力を提供するように、電源1005に電気的に結合される。
【0071】
図11A及び
図11Bは、電動工具1000内のモータ1015を示す。モータ1015は、ロータ1105、前軸受1110、後軸受1115(まとめて軸受1110、1115と呼ばれる)、モータ1015のステータエンベロープ内の位置センサ基板組立体1120、及びモータシャフト1135を含む。ステータ巻線1125は、ロータ軸1130の長さに平行する。ロータ磁石1140は、ロータ位置を検出するために、位置センサ基板組立体1120上のホール効果センサ1020に近接する。ロータ1105、軸受1110、1115、及び位置センサ基板組立体1120をステータエンベロープ内に据えることにより、軸方向においてよりコンパクトなモータ1015を可能にする。幾つかの実施形態では、電動工具1000はセンサレスモータを含む。そのような実施形態では、整流はホール効果センサ1020を使用せずに制御される。ロータ1130の位置は、1つ若しくは複数の電流センサ225を介してセンサレスモータの電流を検知することにより又は他の構成要素235の電圧センサを介してセンサレスモータの逆起電力を検知することにより特定し得る。
【0072】
幾つかの実施形態では、モータ1015及びモータコントローラ1025を含む実施形態1000は、電流ベースの弱め界磁を実施する方法800を実行する。幾つかの実施形態では、1つ又は複数の電流センサ225は他の構成要素1035に含まれる。例えば、モータコントローラ1025は、1つ又は複数の電流センサ225を介して、モータ1015の電流を示す第1の信号を受信する。モータコントローラ1025は、ブロック810等において、動作中のモータ1015の特性(例えばMTPA軌道)に基づいて電流コマンド505を生成する。モータコントローラ1025は、電流コマンド505に基づいて、モータコントローラ1025を介してモータ215の導通角を設定する(例えばデフォルト導通角)。モータコントローラ1025はまた、ブロック820等において、(例えば電流コマンド505を達せするために)モータ電流を制御するデューティサイクルを有するPWM信号をモータ1015に供給する。モータコントローラ1025は、ブロック825等において、PWM信号のデューティサイクルが第1の閾値(例えば100%デューティサイクル)と等しいか否かを判断する。PWM信号のデューティサイクルが第1の閾値(例えば、100%デューティサイクル、95%デューティサイクル、100%未満のデューティサイクル等)と等しいと判断された場合、ブロック830等において、モータコントローラ1025はデューティサイクルを第1の閾値に維持する。例えば、モータコントローラ1025は、導通角を維持する(例えばデフォルト導通角に)とともに、第1の閾値までモータ電流を上げるデューティサイクルを有するパルス幅変調(「PWM」)制御信号を制御する制御信号をFET1010に送信する。幾つかの実施形態では、第1の閾値は100%未満のデューティサイクルである。モータコントローラ1025は、ブロック835等において、PWM信号のデューティサイクルが第1の閾値に達して第1の閾値に維持された後、モータ電流を制御するようにモータ1015への導通角を制御する(例えば90度~180度の可変導通角)。モータコントローラ1025は、ブロック840等において、モータ電流が第2の閾値(例えば最大モータ電流)と等しいか否かを判断する。モータ電流が第2の閾値と等しいと判断される場合、ブロック845等において、モータコントローラ1025は、モータ電流を第2の閾値に維持するように導通角を更に制御することができる。モータコントローラ1025は、ブロック850等において、第2の導通角が第3の閾値(例えば、最大導通角、130°~180°の導通角等)と等しいか否かも判断する。第2の導通角が第3の閾値と等しいと判断される場合、ブロック855等において、モータコントローラ1025は導通角を第3の閾値に維持する。
【0073】
モータ215への電力供給は、電源205のタイプ(例えば異なるバッテリパックタイプ)、電源205の充電状態(例えば充電容量、充電電圧)、又はそれらの組合せに依存し得る。例えば、
図12は、異なる充電段階の複数の異なるバッテリパックタイプを提供するグラフ1200を示す。グラフ1200において、各バッテリパックタイプの充電残量が低下するにつれて(例えばフル充電から放電の終わりまで)、電流出力及び電力出力は両方とも低下する。更に、
図13は、同じ様々な充電状態での複数の同じ様々なバッテリパックタイプを提供するグラフ1300を示す。グラフ1300では、各バッテリパックタイプの充電残量が低下するにつれて、電圧出力及び電力出力は両方とも低下する。
【0074】
電動工具システムは多くの場合、電流消費を制限するために最大電流限度を有し、ひいてはモータ215に提供される電力を制限する。しかしながら、この上限に合うように電流が上昇するにつれて、バッテリパックの直流内部抵抗(「DCIR」)損失は増加し、バッテリの中間点充電状態を越え、バッテリパックにより最適未満の電力が提供されることになる。本明細書に記載の実施形態は、バッテリパックの充電状態、動作損失、及び電流限度に基づいて動的電流制限を提供する。特に、本明細書に記載の実施形態は、グラフ1300で見られる電圧ピークを考慮しながら、グラフ1200で見られる電流ピークに似た電流限度を設定する。
【0075】
図14は、電動工具100の最大電流限度を制御する方法1400を提供する。例えば、
図5を参照すると、最大電流限度は、コントローラ200により提供される電流コマンド505の値に対する上限である。別の例では、最大電流限度はPIコントローラ510により記憶された値であり、弱め界磁コントローラ520により提供されるモータ制御信号525に対する限度である。幾つかの実施形態では、最大電流限度はメモリ260に記憶される。方法1400はコントローラ200により実行し得る。
【0076】
ブロック1405において、コントローラ200は、第1の電流限度値に従って電力をモータ215に提供する。例えば、トリガ125が完全に作動されることに応答して、コントローラ200は、最大電流限度までのモータ電流と関連付けられた最高速度でモータ215を駆動する。場合によっては、トリガ125は部分的にのみ作動する。したがってそのような場合、コントローラ200は、最大電流限度未満のモータ電流値と関連付けられた最高速度未満の速度でモータ215を駆動する。
【0077】
ブロック1410において、コントローラ200は電源205の電圧(例えばバス電圧)をモニタする。例えば、電圧センサは、電源205の電圧を示す電圧信号をコントローラ200に提供する。幾つかの実施形態では、電圧センサは他の構成要素235に含まれる。ブロック1415において、コントローラ200は、電源205の電圧が電圧閾値以上であるか否かを判断する。幾つかの実施形態では、電圧閾値は、電動工具動作の初期化段階中に設定される。例えば、モータ215の開始動作時、コントローラ200は電圧センサから電圧信号を受信し、電源の電圧を定数で乗算して電圧閾値を設定する。
【0078】
電源205の電圧が電圧閾値未満の場合、コントローラ200はブロック1420に進み、最大電流限度を下げる(例えば、最大電流限度を第2の電流限度値に調整する)。例えば、最大電流限度は、DCIR、バッテリの充電状態、工具負荷、バッテリの健康状態等に応じた値で減じることができる。幾つかの実施形態では、最大電流限度を下げた後、コントローラ200はブロック1410に戻り、電源205の電圧を引き続きモニタする。
【0079】
電源205の電圧が電圧閾値以上の場合、コントローラ200はブロック1425に続き、電流コマンドが最大電流限度と等しいか(又は近づきつつあるか)否かを判断する。電流コマンドが最大電流限度と等しくない(又は近づいてない)(例えば最大電流限度を下回る)場合、コントローラ200はブロック1430に進み、最大電流限度を現在値n胃保持(又は維持)する。幾つかの実施形態では、最大電流限度を維持した後、コントローラ200はブロック1410に戻り、電源205の電圧を引き続きモニタする。電流コマンドが最大電流限度と等しい(又は近づきつつある)場合、コントローラ200はブロック1435に進み、最大電流限度を上げる(例えば、最大電流限度を第3の電流限度値に調整する)。幾つかの実施形態では、コントローラ200は、電流制限に対する複数の目的が存在する場合、電圧制御をオーバーライドする絶対最大電流限度を適用する。例えば、電動工具100が100アンペアの電流限度を有し、低インピーダンス電源に接続されている場合、電源205の電圧を電圧閾値未満に一時的に下げることなく、モータ電流は維持される。電動工具100が、電圧が電圧閾値を一時的に下回らずには100アンペアの電流限度例を維持することができない高インピーダンス電源に接続されている場合、コントローラ200は電流限度を100アンペアを下回る値(例えば70アンペア)に下げて最適な電源電圧を維持する。例えば、最大電流限度は、標的ソース電圧が閾値になるまで増分的に低減し得る。幾つかの実施形態では、最大電流限度を上げた後、コントローラ200はブロック1410に戻り、電源205の電圧を引き続きモニタする。
【0080】
方法1400について主に電源205の電圧に関して説明したが、幾つかの実施形態では、電動工具100及び/又は電源205の他の特性がモニタされる。例えば、ブロック1410において、モータ215に給電するバス電圧をモニタし得、ブロック1415において、電圧閾値と比較し得る。別の実施形態では、ブロック1410において、モータ215の電圧がモニタされ、ブロック1415において、電圧閾値と比較される。
【0081】
図15は、充電終了間近の状態での電源205の実測特性を示す。電源205は、第1のバッテリパックタイプ(例えば1.5アンペア時バッテリパック)のものである。実測特性は、静的電流限度及び方法1400により提供される動的電流限度の両方の場合で示されている。
図15に見られるように、動的電流限度は、より少ない電流を消費しながら、はるかに大きな力を生み出す。同様に、
図16は、第2のバッテリパックタイプ(例えば12アンペア時バッテリパック)の電源205の同じ実測特性を示す。第2のバッテリパックタイプはより低いDCIR値を含み、バッテリパック電圧崩壊なしで、比較的により高い消費電流を可能にする。
【0082】
高DCIR値を有する電源の場合、動的電流限度は、静的電流限度と比較して、消費電流の低下を可能にし、電圧崩壊を回避し、熱動作状況を低下させ、バッテリ寿命を延ばし、出力電力を高める。更に、低DCIR値を有する電源の場合、動的電流制限は、静的電流限度と比較してより高くより効率的な出力を可能にし、より大きな負荷状況を克服するより大きな力を可能にする。
【0083】
図17Aは、バッテリパックのDCIRと最大高速電力損失との間の関係を示すグラフ1700Aである。特に、グラフ1700Aは、電動工具が高速(例えば最大電力工具速度の75%)で動作中のとき、取り付けられているバッテリパックに関わらず、同様のピーク工具電力損失を示す。線1705は、従来の弱め界磁技法の通常動作中のDCIRと最大高速電力損失との間の関係を示す。線1710は、導通角が制限される(例えば最大導通角に)電流ベースの弱め界磁を実施している間のDCIRと最大高速電力損失との間の関係を示す。線1715は、導通角が制限されない、本明細書に記載の電流ベースの弱め界磁を実施している間のDCIRと最大高速電力損失との間の関係を示す。
【0084】
図17Bは、バッテリパックのDCIRと最大高速電力送達との間の関係を示すグラフ1700Bである。特に、グラフ1700Bは、電動工具が高速(例えば最大電動工具速度の75%超)で動作中のとき、取り付けられているバッテリパックに関わらず、電流ベースの弱め界磁からのより高い出力電力を示す。線1720は、従来の弱め界磁技法の通常動作中のDCIRと最大高速電力送達との間の関係を示す。線1725は、導通角が制限される(例えば最大導通角に)電流ベースの弱め界磁を実施している間のDCIRと最大高速電力送達との間の関係を示す。線1730は、導通角が制限されない電流ベースの弱め界磁を実施している間のDCIRと最大高速電力送達との間の関係を示す。線1725及び1730は、電動工具100が高速で動作している間、線1720と比較してより大きな出力電力を示す。
【0085】
図18Aは、バッテリパックのDCIRと膝トルクとの間の関係を示すグラフ1800Aである。特に、グラフ1800Aは、DCIRの増大に伴う膝トルクの低下を示す。線1805は、従来の弱め界磁技法の通常動作中のDCIRと膝トルクとの間の関係を示す。線1810は、導通角が制限される(例えば最大導通角に)電流ベースの弱め界磁を実施している間のDCIRと膝トルクとの間の関係を示す。線1815は、導通角が制限されない電流ベースの弱め界磁を実施している間のDCIRと膝トルクとの間の関係を示す。線1815は、DCIRは速度を低減させずに低下するため、最高トルクが保持されることを示す。
【0086】
図18Bは、バッテリパックのDCIRと停滞トルク(例えば、モータ215に回転を生み出すその能力を超えた負荷がかかる場合、モータ215により生成されるトルク、電動工具が速度の最大化よりトルクの最大化を優先する場合、高電流で生成されるトルク等)との間の関係を示すグラフ1800Bである。特に、グラフ1800Bは、DCIRの増加に伴い、トルク-速度曲線中、同様の停滞トルクを示す。線1820は、従来の弱め界磁技法の通常動作中のDCIRと停滞トルクとの間の関係を示す。線1825は、導通角が制限される(例えば最大導通角に)電流ベースの弱め界磁を実施している間のDCIRと停滞トルクとの間の関係を示す。線1830は、導通角が制限されない間に本明細書に記載の電流ベースの弱め界磁を実施している間のDCIRと停滞トルクとの間の関係を示す。
【0087】
図18Cは、バッテリパックのDCIRと高速トルクとの間の関係を示すグラフ1800Cである。特に、グラフ1800Cは、電動工具100が高速(即ち最高速度の75%超)で動作する際、DCIRの増加に伴い、トルク-速度曲線中、高速トルクが低下することを示す。線1835は、従来の弱め界磁技法の通常動作中のDCIRと高速トルクとの間の関係を示す。線1840は、導通角が制限される電流ベースの弱め界磁を実施している間のDCIRと高速トルクとの間の関係を示す。線1845は、導通角が制限されない間に本明細書に記載の電流ベースの弱め界磁を実施している間のDCIRと高速トルクとの間の関係を示す。線1845は、DCIRが最高速度で増大する際、最高トルクが保持されることを示す。
【0088】
代表的な特徴
代表的な特徴を以下の条項に記載し、代表的な特徴は、独立し、又は本明細書の文章及び/又は図面に界磁される1つ若しくは複数の特徴と任意の組合せで組み合わせることもできる。
【0089】
1.電動工具であって、
ハウジングと、
ハウジング内のブラシレス直流(DC)モータと、
電力供給をバッテリパックからブラシレスDCモータに提供する電力切り替え回路と、
ブラシレスDCモータの電流を検知するように構成された電流センサと、
電子コントローラであって、
電流センサを介して、ブラシレスDCモータの電流を示す第1の信号を受信することと、
ブラシレスDCモータの特性に基づいて電流コマンドを生成することと、
電流コマンドに基づいてブラシレスDCモータの導通角を設定することと、
ブラシレスDCモータの電流を制御するデューティサイクルを有するパルス幅変調(「PWM」)信号をブラシレスDCモータに供給することと、
PWM信号のデューティサイクルが第1の閾値と等しいか否かを判断することと、
デューティサイクルが第1の閾値と等しいことに応答して、デューティサイクルを第1の閾値に維持することと、
ブラシレスDCモータの電流を上げるように導通角を変更することと、
電流コマンドが第2の閾値と等しいか否かを判断することと、
電流コマンドが第2の閾値と等しいことに応答して、電流コマンドを第2の閾値に維持するように導通角を制御することと、
を行うように構成された電子コントローラと、
を備えた電動工具。
2.電子コントローラは、
導通角が第3の閾値と等しいか否かを判断することと、
導通角が第3の閾値と等しいことに応答して、導通角を第3の閾値に維持することと、
導通角が第4の閾値と等しいか否かを判断することと、
導通角が第4の閾値と等しいことに応答して、ブラシレスDCモータの電流を制御する第2のデューティサイクルを有する第2のPWM信号をブラシレスDCモータに供給することと、
を行うように更に構成される、条項1に記載の電動工具。
3.第1の閾値は、100%デューティサイクルのPWM信号である、条項1又は2に記載の電動工具。
4.デューティサイクルを第1の閾値に維持するために、電子コントローラは、
100%デューティサイクルに留まるようにPWM信号を制御するよう更に構成される、条項3に記載の電動工具。
5.第2の閾値は最大電流コマンドである、条項1~4のいずれか1つに記載の電動工具。
6.電子コントローラは、
電流センサから電流フィードバック信号を受信することと、
電流フィードバック信号に基づいて、ブラシレスDCモータに適用するPWM信号の第1の変更を決定することと、
を行うように更に構成される、条項1~5のいずれか1つに記載の電動工具。
7.電子コントローラは、
電流フィードバック信号に基づいて、ブラシレスDCモータに印加される導通角の第2の変動を決定するように更に構成される、条項6に記載の電動工具。
8.電子コントローラを含む電動工具を制御する方法であって、
電流センサを介して、ブラシレスDCモータの電流を示す第1の信号を受信することと、
ブラシレスDCモータの特性に基づいて電流コマンドを生成することと、
電流コマンドに基づいてブラシレスDCモータの導通角を設定することと、
ブラシレスDCモータの電流を制御するデューティサイクルを有するパルス幅変調(「PWM」)信号をブラシレスDCモータに供給することと、
PWM信号のデューティサイクルが第1の閾値と等しいか否かを判断することと、
デューティサイクルが第1の閾値と等しいことに応答して、デューティサイクルを第1の閾値に維持することと、
ブラシレスDCモータの電流を上げるように導通角を変更することと、
電流コマンドが第2の閾値と等しいか否かを判断することと、
電流コマンドが第2の閾値と等しいことに応答して、電流コマンドを第2の閾値に維持するように導通角を制御することと、
を含む方法。
9.
導通角が第3の閾値と等しいか否かを判断することと、
導通角が第3の閾値と等しいことに応答して、導通角を第3の閾値に維持することと、
導通角が第4の閾値と等しいか否かを判断することと、
導通角が第4の閾値と等しいことに応答して、ブラシレスDCモータの電流を制御する第2のデューティサイクルを有する第2のPWM信号をブラシレスDCモータに供給することと、
を更に含む、条項8に記載の方法。
10.第1の閾値は、100%デューティサイクルのPWM信号である、条項8又は9に記載の方法。
11.デューティサイクルを第1の閾値に維持することは、
100%デューティサイクルに留まるようにPWM信号を制御することを含む、条項10に記載の方法。
12.第2の閾値は最大電流コマンドである、条項8~11のいずれか1つに記載の方法。
13.
電流センサから電流フィードバック信号を受信することと、
電流フィードバック信号に基づいて、ブラシレスDCモータに印加されるPWM信号の第1の変動を決定することと、
を更に含む条項8~12のいずれか1つに記載の方法。
14.
電流フィードバック信号に基づいて、ブラシレスDCモータに印加される導通角の第2の変動を決定することを更に含む条項13に記載の方法。
15.電動工具であって、
ハウジングと、
ハウジング内のブラシレス直流(DC)モータと、
トリガと、
電力供給をバッテリパックからブラシレスDCモータに提供する電力切り替え回路と、
バス電圧を検知するように構成された電圧センサと、
ブラシレスDCモータの電流を検知するように構成された電流センサと、
トリガ、ブラシレスDCモータ、電圧センサ、及び電流センサに接続された電子コントローラであって、
トリガの作動に応答して、第1の電流限度値に従って電流をブラシレスDCモータに提供することと、
電流センサを介して、ブラシレスDCモータの電流を示す第1の信号を受信することと、
電圧センサを介して、電力切り替え回路の電圧を示す第2の信号を受信することと、
ブラシレスDCモータの特性に基づいて電流コマンドを生成することと、
電流コマンドに基づいてブラシレスDCモータの導通角を設定することと、
ブラシレスDCモータの電流を制御するデューティサイクルを有するパルス幅変調(「PWM」)信号をブラシレスDCモータに供給することと、
電力切り替え回路の電圧が電圧閾値以上であるか否かを判断することと、
PWM信号のデューティサイクルが第1の閾値と等しいか否かを判断することと、
電力切り替え回路の電圧が電圧閾値以下であることに応答して、第1の電流限度値を第2の電流限度値に調整することと、
デューティサイクルが第1の閾値と等しいことに応答して、デューティサイクルを第1の閾値に維持することと、
ブラシレスDCモータの電流を上げるように導通角を変更することと、
電流コマンドが第2の閾値と等しいか否かを判断することと、
電流コマンドが第2の閾値と等しいことに応答して、電流を第2の閾値に維持するように導通角を制御することと、
を行うように構成される、電子コントローラと、
を備える電動工具。
16.第1の電流限度値は、電力切り替え回路から引かれる許容最大電流である、条項15に記載の電動工具。
17.第2の電流限度値は第1の電流限度値未満である、条項15又は16に記載の電動工具。
18.電子コントローラは、
ブラシレスDCモータの速度を特定することと、
ブラシレスDCモータの速度及び速度コマンド信号に基づいて、ブラシレスDCモータに提供する電流値を決定することと、
電流値を提供してブラシレスDCモータを駆動することと、
を行うように更に構成される、条項15~17のいずれか1つに記載の電動工具。
19.電子コントローラは、
電力切り替え回路の電圧が電圧閾値よりも大きいことに応答して、電力値が第1の電流限度値と等しいか否かを判断することと、
電流値が第1の電流限度値と等しくないことに応答して、第1の電流限度値を第3の電流限度値に調整することと、
を行うように更に構成される、条項18に記載の電動工具。
20.第3の電流限度値は第2の電流限度値よりも大きい、条項19に記載の電動工具。
【0090】
したがって、本明細書に記載の実施形態は、電動工具で弱め界磁アルゴリズムを実施するシステム及び方法を提供する。様々な特徴及び利点は、後述の特許請求の範囲に示される。
【符号の説明】
【0091】
100、1000 電動工具
105 ハウジング
110 電源インターフェース
115 ドライバ
120 モータハウジング
125 トリガ
130 ハンドル
135 長手軸
200 コントローラ
205、1005 電源
210 切り替えブリッジ
215、1015 モータ
220、1020 ホール効果センサ
225 電流センサ
230、1030 ユーザ入力
235、1035 他の構成要素
240 インジケータ
245 無線通信コントローラ
250 外部装置
255 処理ユニット
260、310、1310 メモリ
265 入力ユニット
270 出力ユニット
275 制御ユニット
280 算術論理ユニット
285 レジスタ
290 共通バス
295 通信線
305 プロセッサ
315 アンテナ及び送受信機
320 リアルタイムクロック
400 通信システム
410 ルータ
415 ネットワーク
420 セルラータワー
425 リモートサーバ
505 電流コマンド
510 比例積分コントローラ
515 弱め界磁基準信号
520 弱め界磁コントローラ
525 モータ制御信号
600 逆起電力
605 導通角
610 任意選択的な導通領域
615 位相前進線
700、900A~L、1700A~B、1800A~C グラフ
710、715、720、725、730 軌道
800 方法
905、910、915、920、1705、1710、1715、1720、1725、1730、1805、1810、1815、1820、1825、1830、1835、1840、1845 線
1010 FET
1025 モータコントローラ
1105 ロータ
1110 前軸受
1115 後軸受
1120 位置センサ基板組立体
1125 ステータ巻線
1130 ロータ軸
1135 モータシャフト
1140 ロータ磁石
【外国語明細書】