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特開2024-22532無線周波数送信機をジオロケーションするための衛星システム及び方法
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  • 特開-無線周波数送信機をジオロケーションするための衛星システム及び方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024022532
(43)【公開日】2024-02-16
(54)【発明の名称】無線周波数送信機をジオロケーションするための衛星システム及び方法
(51)【国際特許分類】
   G01S 3/46 20060101AFI20240208BHJP
【FI】
G01S3/46
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023126012
(22)【出願日】2023-08-02
(31)【優先権主張番号】2208076
(32)【優先日】2022-08-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(71)【出願人】
【識別番号】511148123
【氏名又は名称】タレス
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】オリビエ・ペラン
(72)【発明者】
【氏名】ロラン・ボーダン
(72)【発明者】
【氏名】パトリック・コルディエ
(57)【要約】
【課題】無線周波数送信機をジオロケーションするための衛星システム及び方法を提供する。
【解決手段】本発明は、1つ又は複数のアンテナシステムからの無線周波数(RF)通信を動作させるように構成された衛星に関する。衛星は、RF機器の測位に専用のデバイス(200)をさらに含み、デバイス(200)は、
- RF信号を受信するように構成された複数N個の放射素子(201)を含む受信アンテナ、
- N個の放射素子で受信された信号を周波数多重化するためのアナログ手段(203、208)、
- 多重化された信号を地上の衛星局に送信するための手段(210)
を含む。本発明は、衛星局と、多重化された信号を受信し、それを逆多重化し、且つゴニオメトリ処理操作を実行して、測位されるRF機器の位置を特定するように構成された計算手段とをさらに含む完全な衛星システム及び関連する測位方法にも関する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ又は複数のアンテナシステムからの無線周波数RF通信を動作させるように構成された衛星(101)において、RF機器の測位に専用のデバイス(200)をさらに含み、RF機器の測位に専用の前記デバイスは、
- RF信号を受信するように構成された複数N個の放射素子(201)を含む受信アンテナ、
- 前記N個の放射素子で受信された前記N個のRF信号を周波数多重化するためのアナログ手段(203、208)であって、前記N個の放射素子で受信された前記N個のRF信号を、所与の周波数帯域に分布された個々の中心周波数の周りで変調し、且つそれらを結合するように構成されたアナログ手段(203、208)、
- ゴニオメトリ処理操作を実行するために、前記N個の周波数多重化されたRF信号を地上の衛星局に送信するための手段(210)
を含むことを特徴とする衛星(101)。
【請求項2】
前記N個の放射素子で受信された前記N個のRF信号を周波数多重化するための前記アナログ手段は、実質的に同一の帯域幅(BW)を有するN個のアナログバンドパスフィルタ(205、207)と、変調された信号の2つの中心周波数間の偏差が前記N個のアナログバンドパスフィルタの前記帯域幅(BW)以上であるように、前記信号を変調するように構成されたN個のアナログ変調手段(204、206)とを含む、請求項1に記載の衛星。
【請求項3】
前記N個の周波数多重化されたRF信号が再送信される周波数帯域が前記再送信のために確保されるように構成される、請求項1又は2に記載の衛星。
【請求項4】
RF機器の測位に専用の前記デバイス(200)の前記受信アンテナの放射素子(201)の前記数Nは、10未満である、請求項1~3のいずれか一項に記載の衛星。
【請求項5】
無線周波数送信機が測位されることを可能にする衛星通信システムにおいて、請求項1~4のいずれか一項に記載の衛星(101)と、地上の1つ又は複数の衛星局(102)とを含み、前記衛星(101)及び前記1つ又は複数の衛星局(102)は、
- 位置が分かっている衛星局(102)から較正信号を送信すること、
- 前記衛星のRF機器の測位に専用の前記デバイス(200)により、複数の放射素子で前記較正信号を受信(201)し、前記複数の放射素子で受信された前記較正信号を周波数多重化(203)し、且つ前記周波数多重化された較正信号を再送信(210)すること、
- 衛星局(102)により、前記衛星(101)によって再送信された前記周波数多重化された較正信号を受信すること、
- 前記較正信号を逆多重化及びデジタル化し、且つ前記逆多重化及びデジタル化された較正信号に対してゴニオメトリ処理操作を実行して、前記較正信号の到来方向、前記較正信号を送信する前記衛星局の位置、次いで前記較正信号を送信する前記衛星局(102)の前記既知の位置と、前記ゴニオメトリ処理操作を使用して特定される、前記較正信号を送信する前記衛星局(102)の前記位置との間の較正偏差を特定すること
により、前記システムを較正することを一緒に可能にして、したがって、干渉信号を送信するRF機器(103)の位置を、
- 前記衛星のRF機器の測位に専用の前記デバイス(200)により、前記干渉信号を含むRF信号を複数の放射素子で受信(201)し、前記複数の放射素子で受信された前記RF信号を周波数多重化(203)し、且つ前記周波数多重化されたRF信号を再送信(210)すること、
- 衛星局(102)により、前記衛星(101)のRF機器の測位に専用の前記デバイス(200)によって送信された前記周波数多重化されたRF信号を受信すること、
- 前記周波数多重化されたRF信号を逆多重化及びデジタル化し、前記逆多重化及びデジタル化されたRF信号に対してゴニオメトリアルゴリズムを実行して、前記干渉信号の到来方向を特定し、前記干渉信号を送信する前記RF機器(103)の位置を計算し、且つ前記計算された位置を前記較正偏差によって補正すること
によって特定することを一緒に可能にするように構成されることを特徴とする衛星通信システム。
【請求項6】
請求項1~4のいずれか一項に記載の衛星(101)と、地上の1つ又は複数の衛星局(102)とを含む衛星通信システムで無線周波数機器(103)の位置を特定する方法において、
- 前記衛星通信システムを較正するステップ(301)であって、
○位置が分かっている衛星局(102)から較正信号を送信するサブステップ(302)、
○前記衛星のRF機器の測位に専用の前記デバイス(200)により、複数の放射素子で前記較正信号を受信(201)し、前記複数の放射素子で受信された前記較正信号を周波数多重化(203)し、且つ前記周波数多重化された較正信号を再送信(210)するサブステップ(303)、
○衛星局(102)により、前記衛星(101)によって再送信された前記周波数多重化された較正信号を受信するサブステップ(304)、
○前記較正信号を逆多重化及びデジタル化し、且つ前記逆多重化及びデジタル化された較正信号に対してゴニオメトリ処理操作を実行して、前記較正信号の到来方向、前記較正信号を送信する前記衛星局(102)の位置、次いで前記較正信号を送信する前記衛星局(102)の前記既知の位置と、前記ゴニオメトリ処理操作を使用して特定される、前記較正信号を送信する前記衛星局(102)の前記位置との間の較正偏差を特定するサブステップ(305)
による、ステップ(301)、
- 干渉信号を送信するRF送信機(103)の位置を特定する1つ又は複数のステップ(310)であって、
○前記衛星のRF機器の測位に専用の前記デバイス(200)により、前記干渉信号を含むRF信号を複数の放射素子で受信(201)し、前記複数の放射素子で受信された前記RF信号を周波数多重化(203)し、且つ前記周波数多重化されたRF信号を再送信(210)するサブステップ(311)、
○衛星局(102)により、前記衛星のRF機器の測位に専用の前記デバイス(200)によって送信された前記周波数多重化されたRF信号を受信するサブステップ(312)、
○前記周波数多重化されたRF信号を逆多重化及びデジタル化し、次いで前記逆多重化及びデジタル化されたRF信号に対してゴニオメトリ処理操作を実行して、前記干渉信号の到来方向を特定し、前記干渉信号を送信する前記無線周波数機器(103)の位置を計算し、且つ前記計算された位置を前記較正偏差によって補正するサブステップ(313)
による、1つ又は複数のステップ(310)
を含むことを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線周波数(RF)送信機の衛星ジオロケーションの分野に属し、より詳細には、従来の通信衛星を含むシステムによって動作される無線周波数送信機をジオロケーションするためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
衛星通信は、活況を呈しているが、他の衛星にリンクされた機器によって偶発的に、又は衛星通信を妨害することを目的とする機器によって故意に、通信チャネルの周波数帯域で信号を送信する無線周波数機器による干渉を受けることが一層頻繁に発生している。
【0003】
衛星を運用するために、干渉信号の到来方向を知り、干渉送信を発信する地上機器を測位して、通信システムの正常動作を復旧するために必要なすべての措置を講じることが有用である。
【0004】
衛星からの無線周波数送信機の位置の特定は、角度誤差測定方法を使用することによって行うことができる。ターゲットを測位するためにレーダで広く使用されているこの概念は、3つのアンテナ、アレイアンテナ又は特定の角度誤差測定源からの以下の3つのビームの生成に基づく。
- 和チャネル、及び
- 2つの直交軸、典型的には東西軸と南北軸との2つの差分チャネル。
【0005】
この解決策により、非常に優れた測位精度の性能レベルを実現することが可能になるが、角度カバレッジが非常に小さく、10分の1度程度である。したがって、この解決策は、主に衛星の位置ずれ補償などの用途のために意図され、典型的には約10度である衛星のカバレッジゾーン全体にわたる送信機の測位に適していない。
【0006】
さらに、この解決策は、対象の信号のみが存在すべきであるため、同一周波数のトラフィック信号の存在(すなわち同じ周波数チャネルでのトラフィック信号と干渉信号との同時送信)と適合性がない。
【0007】
複数のアンテナ及び/又はセンサから同じ信号を取得し、次いでこの信号の到来方向を特定するために処理操作を実行することを含む、無線ゴニオメトリ処理操作による無線周波数送信機の位置の特定は、これらの処理操作が同一周波数送信と適合性がある点において、衛星のカバレッジゾーン全体にわたる干渉送信機の測位によりよく適している。しかし、これらの処理操作は、干渉送信機によって送信されるRF信号を受信し、周波数変調し、デジタル化し、搭載コンピュータで処理するように構成された衛星を必要とする。このタイプの解決策は、従来のものであるが、信号変換/デジタル化チェーン及びゴニオメトリ機能に専用の搭載コンピュータの開発、統合及び検証を必要とするため、開発時間の面で制約があり、コストがかかるという欠点がある。さらに、この解決策は、衛星の消費電力を大幅に増加させる。
【0008】
別の既知の解決策は、衛星のオンボードで無線周波数信号を受信し、周波数変調し、オンボードでデジタル化し、次いでジオロケーション処理操作を実行するために地上に送信することである。地上への信号の送信は、例えば、衛星の遠隔測定/遠隔制御リンクを使用することによって行うことができる。この解決策は、衛星に搭載されるコンピュータの開発をなくすが、変換及びデジタル化チェーンを衛星に搭載する必要が依然としてあり、これは、開発、統合及び検証に大きい時間を要し、したがって高いコストを伴う。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
これらの欠点を軽減するために、本発明の1つの目的は、測位機能に特化した機器の開発を必要としない、「従来の」衛星から無線周波数送信機をジオロケーションすることを可能にする解決策を提案することである。この解決策の目的は、通信衛星の開発及び統合を加速し、そのコストを削減することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
そのために、以下の2つの事項に依拠する。
- 特別な開発を必要としないアナログ機器から受信された無線周波数信号を地上に送信すること、及び
- 地上でゴニオメトリ処理操作を実行すること。
【0011】
この目的のために、本発明は、1つ又は複数のアンテナシステムからの無線周波数通信を動作させるように構成された衛星を記載する。本発明による衛星は、RF機器の測位に専用のデバイスをさらに含む。このデバイスは、
- RF信号を受信するように構成された複数N個の放射素子を含む受信アンテナと、
- N個の放射素子で受信されたN個のRF信号を周波数多重化するためのアナログ手段であって、N個の放射素子で受信された前記N個のRF信号を、所与の周波数帯域に分布された個々の中心周波数の周りで変調し、且つそれらを結合するように構成されたアナログ手段と、
- ゴニオメトリ処理操作を実行するために、N個の周波数多重化されたRF信号を地上の衛星局に送信するための手段と
を含む。
【0012】
本発明の一実施形態によれば、N個の放射素子で受信されたN個のRF信号を周波数多重化するためのアナログ手段は、実質的に同一の帯域幅を有するN個のアナログバンドパスフィルタと、変調された信号の2つの中心周波数間の偏差がN個のアナログバンドパスフィルタの帯域幅以上であるように、前記信号を変調するように構成されたN個のアナログ変調手段とを含む。
【0013】
有利には、衛星は、N個の周波数多重化されたRF信号が再送信される周波数帯域がこれらの再送信のために確保されるように構成される。
【0014】
本発明による衛星の一実施形態によれば、RF機器の測位に専用のデバイスの受信アンテナの放射素子の数Nは、10未満である。
【0015】
本発明は、無線周波数送信機が測位されることを可能にする衛星通信システムであって、本発明による衛星と、地上の1つ又は複数の衛星局とを含み、衛星及び1つ又は複数の衛星局は、
- 位置が分かっている衛星局から較正信号を送信すること、
- 衛星のRF機器の測位に専用のデバイスにより、複数の放射素子で前記較正信号を受信し、前記複数の放射素子で受信された較正信号を周波数多重化し、且つ周波数多重化された較正信号を再送信すること、
- 衛星局により、衛星によって再送信された周波数多重化された較正信号を受信すること、
- 較正信号を逆多重化及びデジタル化し、且つ逆多重化及びデジタル化された較正信号に対してゴニオメトリ処理操作を実行して、
○較正信号の到来方向、
○較正信号を送信する衛星局の位置、次いで
○較正信号を送信する衛星局の既知の位置と、ゴニオメトリ処理操作を使用して特定される、較正信号を送信する衛星局の位置との間の較正偏差
を計算すること
により、システムを較正することを一緒に可能にして、したがって、干渉信号を送信するRF機器の位置を、
- 衛星のRF機器の測位に専用のデバイスにより、前記干渉信号を含むRF信号を複数の放射素子で受信し、前記複数の放射素子で受信されたRF信号を周波数多重化し、且つ周波数多重化されたRF信号を再送信すること、
- 衛星局により、衛星のRF機器の測位に専用のデバイスによって送信された周波数多重化されたRF信号を受信すること、
- 前記周波数多重化されたRF信号を逆多重化及びデジタル化し、逆多重化及びデジタル化されたRF信号に対してゴニオメトリアルゴリズムを実行して、干渉信号の到来方向を特定し、前記干渉信号を送信するRF機器の位置を計算し、且つ計算された位置を較正偏差によって補正すること
によって特定することを一緒に可能にするように構成される、衛星通信システムも記載する。
【0016】
最後に、本発明は、前述した衛星と、地上の1つ又は複数の衛星局とを含む衛星通信システムで無線周波数機器の位置を特定する方法に関する。この方法は、
- 前記衛星通信システムを較正するステップであって、
○位置が分かっている衛星局から較正信号を送信するサブステップ、
○衛星のRF機器の測位に専用のデバイスにより、複数の放射素子で較正信号を受信し、前記複数の放射素子で受信された較正信号を周波数多重化し、且つ周波数多重化された較正信号を再送信するサブステップ、
○衛星局により、衛星によって再送信された周波数多重化された較正信号を受信するサブステップ、
○前記較正信号を逆多重化及びデジタル化し、且つ逆多重化及びデジタル化された較正信号に対してゴニオメトリ処理操作を実行して、較正信号の到来方向、較正信号を送信する衛星局の位置、次いで較正信号を送信する衛星局の既知の位置と、ゴニオメトリ処理操作を使用して特定される、較正信号を送信する衛星局の位置との間の較正偏差を特定するサブステップ
による、ステップ、
- 干渉信号を送信するRF送信機の位置を特定する1つ又は複数のステップであって、
○衛星のRF機器の測位に専用のデバイスにより、前記干渉信号を含むRF信号を複数の放射素子で受信し、前記複数の放射素子で受信されたRF信号を周波数多重化し、且つ周波数多重化されたRF信号を再送信するサブステップ、
○衛星局により、衛星のRF機器の測位に専用のデバイスによって送信された周波数多重化されたRF信号を受信するサブステップ、
○前記周波数多重化されたRF信号を逆多重化及びデジタル化し、次いで逆多重化及びデジタル化されたRF信号に対してゴニオメトリ処理操作を実行して、干渉信号の到来方向を特定し、前記干渉信号を送信する無線周波数機器の位置を計算し、且つ計算された位置を較正偏差によって補正するサブステップ
による、1つ又は複数のステップ
を含む。
【0017】
非限定的に与えられる以下の説明を読み、例として与えられる添付図面を使用することで、本発明がよりよく理解され、他の特徴、詳細及び利点がより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施に適した衛星伝送システムの一例を示す。
図2】本発明を実施するために衛星に組み込まれた、RF機器の測位に専用のデバイスの一実施形態を示す。
図3】本発明の一実施形態による、無線周波数機器を測位する方法のステップを示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
同一又は同等の要素を表すとき、異なる図でも同一の参照符号が使用され得る。
【0020】
図1は、本発明を実施するのに適した衛星伝送システムの一例を示す。衛星伝送システムは、例えば、衛星デジタル放送テレビジョン、電話衛星、観測衛星、衛星測位システム(GNSS)のための衛星又は任意の他のタイプの衛星など、無線周波数通信を動作させるように構成された衛星101を含む。衛星は、静止衛星又は周回衛星であり得る。衛星は、例えば、周波数帯域C(3.4GHz~7.075GHz)、Ku(10.70GHz~12.75GHz)及び/又はKa(20GHz~30GHz)で送受信するように構成され得る。
【0021】
衛星101は、一般に、双方向遠隔制御及び遠隔測定(TC/TM)リンクを介して無線局102などの衛星ゲートウェイによって制御される。衛星101は、無線局102及び/又は地上の他の無線局など、1つ又は複数の衛星局との間でデータを送受信するように構成される。この構成は、1つ又は複数の通信ミッションを動作させるように構成された従来技術による衛星システムに対応するが、例えば2つの異なる無線局からの遠隔制御リンク及び遠隔測定リンクを動作させることにより、明らかな変形形態をなすことができる。
【0022】
本発明による衛星システムは、衛星101が、故意又は偶発的にかかわらず、衛星の送信を妨害するような送信を行う可能性がある送信機103などの無線周波数機器の測位を可能にするようにさらに構成される点で従来技術と区別される。これは、例えば、サードパーティ通信システムに属する望ましくない向きの送信機、送信が制御されないシステムの衛星局又は衛星へのアップリンクを妨害するように特別に設計された機器(干渉送信機)に関係し得る。
【0023】
この測位機能を実施するために、衛星は、衛星が1つ又は複数のその主な通信機能を動作させることを可能にする1つ又は複数のアンテナシステム及び機器に加えて、干渉無線周波数機器の測位機能をシステムが確実に行うことができるようにするデバイスを含む。このデバイスは、アレイアンテナの複数の放射素子でRF信号を受信し、それらのRF信号を周波数多重化し、次いで受信された信号の周波数帯域と異なり得る所与の周波数帯域で地上局に再送信するように構成される。計算手段を含む地上局又は計算手段を含む機器104にリンクされた地上局は、これらの信号を受信し、逆多重化し、ゴニオメトリ処理操作を実行して、干渉無線周波数機器を測位するように構成される。図1では、多重化された信号の受信を担当する地上局は、遠隔制御/遠隔測定リンクを動作させる無線局102であるが、任意の地上局がこれらの信号を回復して処理することが可能であり得る。
【0024】
ゴニオメトリ処理操作及び場合により信号の逆多重化が、衛星局102とは別個の計算手段104によって実行されるとき、衛星局102は、信号のデジタル化、場合によりその逆多重化、次いで機器104への信号の送信を担当する。
【0025】
図2の上側は、衛星に組み込まれたRF機器測位機能に専用のデバイス200の実施形態を示す。このデバイス200は、アンテナの様々な放射素子で受信されたアナログ信号を地上局に再送信することを可能にする。図2の例では、非限定的に、デバイスは、通信衛星に組み込まれるように構成され、アップリンクがKu帯域で動作される。この帯域には、衛星の主な通信ミッションに関連する有用なトラフィック信号及び1つ又は複数の干渉信号又は干渉送信機が存在し得る。周波数多重化された信号が返されるダウンリンクは、Ka帯域で動作される。これらの2つの帯域は、例示としてのみ挙げたものである。
【0026】
測位機能に専用のデバイス200は、放物面反射鏡を有するか又は有しないアレイアンテナと、所与の周波数帯域、ここではKu帯域での信号の受信を可能にするように構成された複数N個の放射素子201とを含む。各信号は、受信された信号に存在するノイズを低減するために、1つ又は複数の低ノイズ増幅202及びフィルタリング段によって処理することができる。
【0027】
デバイス200は、N個の受信信号を周波数多重化するためのアナログ手段203も含む。これらの多重化手段は、例えば、以下を含み得る。
- N個の同一のアナログ変調手段204。これらのアナログ変調手段204は、中継器の様式で信号をそれらの周波数帯域から共通の周波数帯域に、例えば地上への信号の再送信のためのKa帯域での所与の周波数に変調するように構成される。
- N個の同一のアナログバンドパスフィルタ205。これらのアナログバンドパスフィルタ205は、放射素子201で取得されたN個の信号の帯域幅を幅BWに制限し、周波数変調204から生じ得る高調波を排除するように構成される。
- N個のアナログ変調手段206。これらのアナログ変調手段206は、信号が好ましくは規則的に所与の周波数帯域内に分布されるように、信号のそれぞれに一意の周波数オフセットを適用することにより、共通の周波数帯域からの信号を変調するように構成される。信号間の周波数オフセットは、変調された信号の2つの中心周波数間の偏差がN個のアナログバンドパスフィルタ205のそれぞれの帯域幅BW以上であるようなものである。
- N個の入力及び1個の出力を有するアナログ信号の結合器208。この結合器208は、N個の信号の周波数多重化に対応する1つの信号を生成するために、N個のフィルタリング及び変調された信号を合計するように構成される。
【0028】
アナログ多重化手段203は、周波数変調206に関連する任意の高調波を排除するために、変調される信号の中心周波数を中心とするN個のアナログバンドパスフィルタ207を含み得る。
【0029】
同様に、アナログ変調は、アナログ変調手段206によって単一ステップで実施することもでき、その場合、素子204及び205は、もはや必要ではない。
【0030】
他の同様の構成も可能であり、例えばフィルタと変調手段との位置を逆にし、他のアナログフィルタを追加し、且つ/又はより多くの信号変調ステップを実施することによって同様の結果をもたらす。
【0031】
衛星に組み込まれたRF機器の測位に専用のデバイス200は、最後に、電力増幅器209と、送信アンテナなどの送信手段210とを含む。
【0032】
図2の下側は、衛星によって再送信される信号の周波数表現である。X軸は、周波数を表し、Y軸は、送信された信号のパワースペクトル密度(PSD)を表す。この例では、測位に専用のデバイス200は、5つの放射素子を含む。各放射素子は、有効信号成分221と干渉信号成分222とを含む信号を受信する。5つの信号がフィルタリング及び周波数変調され、それにより、信号は、等しい帯域幅BWを有し、各信号は、他の信号の中心周波数から少なくともBWだけ離れた中心周波数223を有する。有利には、中心周波数は、幅がN×BW以上である所与の周波数帯域内で均等に分布される。図2では、信号に特有の要素が様々なグレーレベルで表されている。
【0033】
多重化された信号を受信する地上の衛星局102は、それらの信号をデジタル化し、逆多重化し、ゴニオメトリ処理操作を実行するように構成され、これにより、干渉信号の到来方向、したがってRF送信機の位置を特定することが可能になるか、又はデジタル化された信号を、多重化して若しくは多重化せずに、RF送信機の位置を特定するように構成された計算手段104に送信するように構成される。したがって、衛星局102は、1つ又は複数の放射素子を有する受信アンテナ、1つ又は複数のバンドパスフィルタに関連付けられる1つ又は複数の低ノイズ増幅器及びアナログ-デジタル変換器を少なくとも含む。デジタル化は、
- 信号が送信されたキャリア周波数で直接又は信号のデジタル化によりよく適したキャリア周波数の周りでの変調後(この場合、多重化された信号は、デジタルフィルタを使用して分離される)、多重化された信号のすべてを含む受信信号に対して行うことができるか、又は
- 周波数変換器及びアナログフィルタを使用して信号をそれらのキャリア周波数から分離し、次いでそれらを個別にデジタル化することにより、多重化された信号のそれぞれに関して独立して行うことができる。
【0034】
したがって、干渉信号のRF送信機を測位するために、衛星の測位に専用のデバイス200のN個の放射素子201によって取得される信号のすべてに対してゴニオメトリ処理操作を実行することができる。
【0035】
この目的のために、多くのゴニオメトリアルゴリズムが知られている。最も適しているのは、いわゆる「高解像度」処理操作、例えばMUSIC(MUltiple SIgnal Classificationの頭字語)、ESPRIT(Estimation of Signal Parameter via Rotational Invariance Techniqueの頭字語)、MinNorm(Minimum Normの頭字語)アルゴリズムなどであり、これらは、複数のセンサによって取得された1つ又は複数の信号の到来方向を非常に高い精度で特定することを可能にする。しかし、すべてのタイプのマルチソースゴニオメトリアルゴリズムを想定することができる。そのために、干渉信号は、例えば、それらの帯域幅、出力、送信の時点又は周波数、波形などによって特徴付けることができる。衛星の位置及び向きが分かれば、信号の到来方向から、干渉信号を発信する無線機器の位置を特定することが可能である。
【0036】
有利には、送信信号の品質を高めることを意図されたすべてのタイプの追加の処理操作を実行して、干渉機器、衛星及び地上の衛星受信局間での送信中に信号が受ける変換を補正することができ、例えば衛星指向誤差、ドップラー効果、周波数に応じた伝達関数の変化、増幅器の非線形性の補償、周波数偏差の補償、時間同期オフセットなどである。これらの補償は、ゴニオメトリアルゴリズムによって処理される信号の品質、したがって測位機能の精度を向上させることができる。
【0037】
衛星101に組み込まれた測位に専用デバイス200は、完全にアナログであり、特に測位機能に専用の搭載コンピュータの開発、統合及び試験を必要とせずに実装することができる。しかし、デバイスのアナログ機器には、測位の品質に影響を与える欠陥が必ず存在し、そのため、システムの測位機能の性能を保証するために予備的な較正フェーズが必要である。実際、較正が行われない場合、衛星で信号が処理される際に信号が通過する機器の不完全性又は衛星の向きの不正確さにより、最大で数度の偏差をもたらし得る位置決め誤差が発生する可能性がある。
【0038】
システムの較正は、位置が正確に分かっている(ジオリファレンスされているか又はGNSS(Global Navigation Satellite Systems若しくはgeolocation and navigation by a satellite systemの頭字語)受信機などの衛星測位デバイスを使用して取得される)、地上の無線局からの特定の信号の送信によって行われる。信号は、例えば、解析帯域全体に広げられたAWG(Arbitrary Waveform Generatorの頭字語)タイプの信号であり得るが、良好な自己相関特性を有することを前提として任意のタイプの信号を使用することができる。衛星101は、測位に専用のデバイス200の放射素子によって受信された信号を周波数多重化した後にシステムの衛星局に再送信する。場合により、遠隔計算手段104にリンクされた地上局102は、受信された信号をデジタル化及び逆多重化し、ゴニオメトリ処理操作を実行して、較正信号を送信する地上局を測位するように構成される。較正信号を送信する地上局の既知の位置と、測位機能を使用して特定されたその位置との間の誤差は、次の位置測定のために補正される。
【0039】
較正は、衛星の運用の開始時に1回のみ又は衛星システムによって測位機能が実行されるたびに行うことができる。有利には、衛星に組み込まれたデバイス200の特性の変更に適合させるために、較正を定期的に繰り返すことができる。連続測定を行って較正偏差を平均化して、例えばホワイトノイズ又は伝播に関連する測定誤差を低減することができる。
【0040】
本発明による衛星システムは、以下の2つの原理に依拠して無線周波数機器を正確に測位することを可能にする。
- 衛星101に組み込まれたデバイス200は、いくつかの放射素子で無線周波数信号を取得することを可能にする。
- ゴニオメトリ処理操作を実行するために、衛星の放射素子で取得された信号を地上局102に送信する。
【0041】
この解決策は、受信された信号をデジタル化し、測位機能に必要な処理操作を組み込むための特別な搭載機器を開発する必要がない点で上記の問題に対処する。実際、衛星に搭載する必要がある唯一の機器は、従来の機能を動作させる既知のアナログ機器であり、任意の特定のハードウェア開発を必要とせず、ソフトウェア開発も必要としない。この場合、並列に配設された一連のアナログ中継器があり、その目標周波数は、中継器の出力が信号結合器にリンクされるときに信号の周波数多重化を可能にするようなものである。したがって、そのような解決策のための開発計画は、非常に短期であり、安価である。なぜなら、システム設計、検証及び認定のステップを大幅に削減し、そのため、従来の電気通信システムに一般に必要とされる短期の計画と適合性があり、開発コストが低いからである。
【0042】
この解決策は、測位機能に特化した追加のデバイス200を使用して実施されるため、任意の電気通信衛星に適合させることができる。実際、衛星の他の機能を取り扱う測位アンテナの目的での使用は、一般に、
- 衛星が、単一の放射素子を有する従来の反射器衛星アンテナを設けられる場合に可能でない。なぜなら、ゴニオメトリによって抽出される到来方向情報は、アンテナネットワークを構成する様々なチャネルから受信された信号間の位相シフトによって生成されるため、ゴニオメトリ処理操作を実行することができないからである。
- 衛星がアレイアンテナを有する場合、本発明の実施が可能であり得る。しかし、リンクバジェットを保証するために必要とされる最小利得性能レベルは、これらのアンテナが非常に多数の放射素子(典型的には約50個以上)を有することを意味する。この高い数値は、十分なアンテナ表面を得る必要性と、アレイローブを考慮した放射素子のサイズの制限とにより生じる。測位機能を扱うためにこれらの放射素子のすべてにゴニオメトリ処理操作を実行することは、最適とは言えない。なぜなら、各放射素子で受信される信号の周波数多重化は、周波数多重化の実行後に大きい帯域幅を使用するためである。これらの放射素子の部分集合に測位機能を実装することで、消費される帯域を制限することが可能になる。しかし、アンテナは、それらの機能に特有の仕様に応じて適合される。通信(指向性、信号対干渉比C/I、分離など)及び測位(測位される干渉要素の数、角度精度など)の機能に関する様々な仕様は、一般に、特にアレイのメッシュに関して、アンテナの様々な最適な定義によって反映される。このため、通信アンテナによって行われた取得に対して実行されるゴニオメトリ処理操作により得られる測位機能の性能レベルは、最適ではない。
【0043】
測位機能に特化したアンテナデバイス200を衛星に導入することにより、放射素子の数、サイズ、形状及び位置を、測位機能に求められるカバレッジに適合させることができ、到来方向の曖昧さ(ビームフォーミングに関するアレイローブに似た現象)を生じさせることなく、このカバレッジにわたる十分な利得が得られる。放射素子の数は、測位される送信機の数によって異なる。数量の比較は、同時に測位される送信機の2倍の数の放射素子を使用することを含み、このため、値を2より大きく、典型的には10未満、有利には6以下にすべきである。
【0044】
追加のデバイス200は、測位機能に専用のデバイスのアンテナの放射素子の数を大幅に減少させることができるため、衛星で小さいペイロードオーバーヘッドのみを有する。
【0045】
測位機能に必要な帯域幅は、少なくともN×BWであるため、周波数領域での信号の多重化は、デバイス200によって使用される放射素子の数に比例する帯域幅の不利益を有する。しかし、時間多重化よりも周波数多重化の方が好ましい。なぜなら、時間多重化は、
- 衛星に搭載された各チャネルに遅延線を実装することによって実施しなければならず、これは、表面積及び重量の面で不利益があるか、又は
- 異なる時点に異なる素子で信号を取得することによって実施しなければならず、これは、ゴニオメトリアルゴリズムの要件と適合性がないためである。
【0046】
さらに、ダウンリンク周波数帯域は、一般にアップリンクよりも高く、利用可能な帯域幅が広く、これは、周波数多重に有利である。
【0047】
提案された解決策の別の利点は、その柔軟性及びそのオープンエンド性にある。ゴニオメトリ処理操作は、地上で実行され、これは、統合の制約、実装の複雑さ、消費電力及びコストの問題をすべてなくす。さらに、処理ソフトウェアの更新は、衛星に搭載されたコンピュータよりも地上で行う方が明らかに容易である。
【0048】
したがって、本発明は、前述したような測位に専用のデバイス200を有する衛星と、本発明による衛星101及び地上の1つ又は複数の無線局102を含むシステムとに関する。地上の無線局及び衛星は、
- 位置が分かっている衛星局から較正信号を送信すること、
- 衛星のRF機器の測位に専用のデバイスにより、複数の放射素子で較正信号を受信し、前記放射素子で受信された較正信号を周波数多重化し、且つ周波数多重化された較正信号を再送信すること、
- 較正信号の送信を発信した衛星局又は地上の別の衛星局102により、衛星によって再送信された周波数多重化された較正信号を受信すること、
- 場合により、リンクされている計算手段104に関連付けられている、信号を受信した地上局により、これらの信号をデジタル化及び逆多重化し、且つ逆多重化及びデジタル化された較正信号に対するゴニオメトリ処理操作を実行して、較正信号の到来方向を特定すること
により、システムを較正することを一緒に可能にするように構成される。次いで、この到来方向を使用して、それを衛星の位置及び向きと関連付けることにより、較正信号を送信する無線局の位置を特定し、次いで較正信号を送信する衛星局の既知の位置と、ゴニオメトリ処理操作によって特定された位置との間の較正偏差が測定される。
【0049】
システムの機器は、
- 衛星のRF機器の測位に専用のデバイスにより、干渉信号を含むRF信号を複数の放射素子で取得し、前記複数の放射素子で受信されたRF信号を周波数多重化し、且つ周波数多重化されたRF信号を再送信すること、
- 衛星局102により、衛星によって送信された周波数多重化されたRF信号を受信すること、
- 衛星局102又は衛星局102がリンクされている計算手段104により、前記RF信号を逆多重化及びデジタル化し、逆多重化及びデジタル化されたRF信号に対してゴニオメトリ処理操作を実行して、干渉信号の到来方向を特定し、干渉信号の到来方向、衛星101の位置及びその向きを使用することによって干渉機器103の位置を計算し、且つ較正フェーズで計算された較正偏差によってこの位置を補正すること
により、干渉信号を発信する無線周波数RF機器103の位置を特定することを一緒に可能にするようにも構成される。
【0050】
本発明は、本発明による衛星システムでRF機器の位置を特定する方法にも関する。
【0051】
図3は、本発明による衛星システムでの測位方法のステップの流れ図である。この測位方法は、複数の放射素子で信号を取得し、次いでゴニオメトリ処理操作の実行のためにそれらの信号を地上局に再送信することを可能にするデバイス200を組み込んだ、衛星101などの衛星を含む衛星通信システムで実施される。この方法は、以下のステップを含む。
- 衛星通信システムを較正するステップ301。このステップは、以下のサブステップを含む。
○位置が分かっている衛星局から較正信号を送信するサブステップ302。
○衛星のRF機器の測位に専用のデバイスにより、複数の放射素子で較正信号を受信し、前記放射素子で受信された較正信号を周波数多重化し、且つ周波数多重化された較正信号を再送信するサブステップ303。
○衛星局により、衛星によって再送信された周波数多重化された較正信号を受信するサブステップ304。
○信号を受信した衛星局及び/又は信号を送信する処理デバイスによって実行される、前記較正信号を逆多重化及びデジタル化し、且つ逆多重化及びデジタル化された較正信号に対してゴニオメトリ処理操作を実行して、較正信号の到来方向を特定し、到来方向、衛星の位置及び向きを使用することにより、較正信号を送信する衛星局の位置を計算し、次いで較正信号を送信する衛星局の既知の位置と、ゴニオメトリ処理操作を使用して特定される、較正信号を送信する衛星局の位置との間の較正偏差を計算するサブステップ305。
【0052】
本発明の一実施形態による方法は、干渉信号を送信するRF送信機の位置を特定する1つ又は複数のステップ310も含む。このステップは、以下のサブステップを含む。
○衛星のRF機器の測位に専用のデバイスにより、干渉信号を含むRF信号を複数の放射素子で受信し、前記複数の放射素子で受信されたRF信号を周波数多重化し、且つ周波数多重化されたRF信号を再送信するサブステップ311。
○衛星局により、衛星によって送信された周波数多重化されたRF信号を受信するサブステップ312。
○衛星局及び/又は衛星局がリンクされている計算手段により、前記RF信号を逆多重化及びデジタル化し、逆多重化及びデジタル化されたRF信号に対してゴニオメトリアルゴリズムを実行して、干渉信号の到来方向を特定し、前記干渉信号を送信する無線周波数機器の位置を計算し、且つこの計算された位置を較正偏差によって補正するサブステップ313。
【符号の説明】
【0053】
101 衛星
102 無線局
103 送信機
104 計算手段
200 測位に専用のデバイス
201 放射素子
202 低ノイズ増幅
203 アナログ多重化手段
204 アナログ変調手段
205 アナログバンドパスフィルタ
206 アナログ変調手段
207 アナログバンドパスフィルタ
208 結合器
209 電力増幅器
210 送信手段
図1
図2
図3
【外国語明細書】