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特開2024-22551家系図生成装置、家系図生成方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024022551
(43)【公開日】2024-02-16
(54)【発明の名称】家系図生成装置、家系図生成方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240208BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023126491
(22)【出願日】2023-08-02
(31)【優先権主張番号】P 2022123832
(32)【優先日】2022-08-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100139686
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(72)【発明者】
【氏名】秋山 秀行
(72)【発明者】
【氏名】菊地 厚史
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 剛己
(72)【発明者】
【氏名】辻 洋平
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】家系図作成におけるユーザの手間を軽減することが可能な家系図生成装置、家系図生成方法、及びプログラムを提供する。
【解決手段】戸籍謄本の画像データを取得する取得部と、前記取得部によって取得された前記画像データに含まれる文字情報を認識する認識部と、前記認識部によって認識された前記文字情報から、前記戸籍謄本に記載された人物に関する人物情報を抽出する抽出部と、前記抽出部によって抽出された前記人物情報に基づき、家系図を生成する生成部と、を備える家系図生成装置。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
戸籍謄本の画像データを取得する取得部と、
前記取得部によって取得された前記画像データに含まれる文字情報を認識する認識部と、
前記認識部によって認識された前記文字情報から、前記戸籍謄本に記載された人物に関する人物情報を抽出する抽出部と、
前記抽出部によって抽出された前記人物情報に基づき、家系図を生成する生成部と、
を備える家系図生成装置。
【請求項2】
前記抽出部は、前記文字情報から、前記戸籍謄本に記載された人物の関係性を示す関係性情報を含む前記人物情報を抽出し、
前記生成部は、前記関係性情報に基づき、前記戸籍謄本に記載された人物の関係性を示す前記家系図を生成する、
請求項1に記載の家系図生成装置。
【請求項3】
前記抽出部は、抽出した前記関係性情報が家督単位の戸籍謄本における関係性を示す場合、抽出した前記関係性情報を核家族単位の戸籍謄本における関係性に変換する、
請求項2に記載の家系図生成装置。
【請求項4】
前記画像データが示す前記戸籍謄本のフォーマットの種類を判定する解析部、
をさらに備え、
前記認識部は、前記画像データに含まれる文字情報のうち、前記解析部によって判定された前記フォーマットの種類に応じた位置にある領域から前記文字情報を認識する、
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の家系図生成装置。
【請求項5】
前記生成部は、前記戸籍謄本に記載された人物が被相続人又は相続人であるかを示す前記家系図を生成する、
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の家系図生成装置。
【請求項6】
前記生成部は、前記戸籍謄本に記載された人物が相続人を廃除された人物であることを示す相続人廃除情報が前記人物情報に含まれる場合、相続人を廃除された人物を相続人から除外した前記家系図を生成する、
請求項5に記載の家系図生成装置。
【請求項7】
1人の人物の前記人物情報が複数の画像データから抽出された場合、各人物情報に連続性があるか否かを判定する判定部、
をさらに備える請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の家系図生成装置。
【請求項8】
取得部が、戸籍謄本の画像データを取得する取得過程と、
認識部が、前記取得部によって取得された前記画像データに含まれる文字情報を認識する認識過程と、
抽出部が、前記認識部によって認識された前記文字情報から、前記戸籍謄本に記載された人物に関する人物情報を抽出する抽出過程と、
生成部が、前記抽出部によって抽出された前記人物情報に基づき、家系図を生成する生成過程と、
を含む家系図生成方法。
【請求項9】
コンピュータを、
戸籍謄本の画像データを取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得された前記画像データに含まれる文字情報を認識する認識手段と、
前記認識手段によって認識された前記文字情報から、前記戸籍謄本に記載された人物に関する人物情報を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段によって抽出された前記人物情報に基づき、家系図を生成する生成手段と、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家系図生成装置、家系図生成方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、金融機関において相続に関する手続きが行われている。当該手続きでは、被相続人と相続人との関係性を示す家系図が作成される場合がある。被相続人と相続人との関係性は、被相続人が記載された戸籍謄本から把握できる。しかしながら、被相続人が記載された全ての戸籍謄本から、人手によって被相続人と相続人との関係性を把握して家系図を作成することは、作成者にとって手間がかかる作業であった。そこで、家系図を作成するための技術が各種提案されている。
【0003】
例えば、下記特許文献1には、家系図に現れる人物のうち、ユーザによって指定された人物と接合可能な人物の候補を表示し、表示された候補からユーザによって選択された人物を、ユーザによって指定された人物と接合することで、家系図を生成して表示する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6786066号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1の技術では、家系図はシステムによって生成されるが、ユーザは予め家系図の生成に必要な情報を入力しておく必要があり、家系図の生成時には各人物に接合する人物の選択を手動で行う必要がある。また、ユーザは、各人物を接合するために、戸籍謄本から各人物の関係性を把握しておく必要があり、ユーザにとって手間であった。
【0006】
上述の課題を鑑み、本発明の目的は、家系図作成におけるユーザの手間を軽減することが可能な家系図生成装置、家系図生成方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の課題を解決するために、本発明の一態様に係る家系図生成装置は、戸籍謄本の画像データを取得する取得部と、前記取得部によって取得された前記画像データに含まれる文字情報を認識する認識部と、前記認識部によって認識された前記文字情報から、前記戸籍謄本に記載された人物に関する人物情報を抽出する抽出部と、前記抽出部によって抽出された前記人物情報に基づき、家系図を生成する生成部と、を備える。
【0008】
本発明の一態様に係る、家系図生成方法は、取得部が、戸籍謄本の画像データを取得する取得過程と、認識部が、前記取得部によって取得された前記画像データに含まれる文字情報を認識する認識過程と、抽出部が、前記認識部によって認識された前記文字情報から、前記戸籍謄本に記載された人物に関する人物情報を抽出する抽出過程と、生成部が、前記抽出部によって抽出された前記人物情報に基づき、家系図を生成する生成過程と、を含む。
【0009】
本発明の一態様に係るプログラムは、コンピュータを、戸籍謄本の画像データを取得する取得手段と、前記取得手段によって取得された前記画像データに含まれる文字情報を認識する認識手段と、前記認識手段によって認識された前記文字情報から、前記戸籍謄本に記載された人物に関する人物情報を抽出する抽出手段と、前記抽出手段によって抽出された前記人物情報に基づき、家系図を生成する生成手段と、として機能させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、家系図作成におけるユーザの手間を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本実施形態に係る家系図生成システムの概略構成の一例を示すブロック図である。
図2】本実施形態に係る家系図生成装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
図3】本実施形態に係る戸籍謄本と文字情報の認識対象となる領域の一例を示す図である。
図4】本実施形態に係る戸籍謄本から抽出される家系図情報の一例を示す図である。
図5】本実施形態に係る戸籍謄本から抽出される家系図情報の加工例を示す図である。
図6】本実施形態に係る家系図の一例を示す図である。
図7】本実施形態に係る家系図生成装置における処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳しく説明する。
【0013】
<1.家系図生成システムの概略構成>
まず、図1を参照して、本実施形態に係る家系図生成システムの概略構成について説明する。図1は、本実施形態に係る家系図生成システムの概略構成の一例を示すブロック図である。
【0014】
図1に示す家系図生成システム1は、戸籍謄本から家系図を生成するためのシステムである。家系図生成システム1は、ユーザによって入力される戸籍謄本の画像データから、戸籍謄本に記載された人物に関する人物情報を読み取り、当該人物情報が示す人物の関係性から家系図を生成する。人物情報は、戸籍を構成する人物の数だけ読み取られるため、以下では「構成員情報」とも称される。
ユーザは、例えば、銀行において相続に関する手続き(相続事務)を担当する人物であり、当該相続事務に用いる家系図を家系図生成システム1によって作成する。この場合、ユーザは、被相続人が記載された全ての戸籍謄本と、被相続人の記載有無に関わらず相続人になり得る人物が記載された戸籍謄本を用意し、用意した全ての戸籍謄本を読取対象として各戸籍謄本の画像データを家系図生成システム1へ入力する。
これにより、家系図生成システム1は、被相続人を中心とする、被相続人と相続人との関係性を示す家系図を生成する。
【0015】
家系図生成システム1は、OCR(Optical Character Recognition:光学文字認識)によって戸籍謄本から各種情報を読み取る。家系図生成システム1が戸籍謄本から読み取る情報は、例えば、戸籍謄本情報と構成員情報である。
戸籍謄本情報は、戸籍謄本に関する情報である。戸籍謄本情報には、例えば、作成日、除籍日、本籍地自治体、本籍地、転籍先自治体、戸籍謄本作成事由、除籍種別などを示す情報が含まれる。
構成員情報には、例えば、氏名、生年月日、没年月日、直系の人物の氏名、直系の人物との続柄、婚姻日、離縁日、国籍、入籍日、除籍日、相続人廃除事由、戸籍謄本内有効期限などである。直系の人物は、例えば実父母であり、養子縁組されている場合には養父母も含まれる。構成員情報は、少なくとも筆頭者又は戸主について読み取られ、配偶者や子が存在する場合には、配偶者や子についても読み取られる。構成員情報のうち、戸籍謄本に記載された人物の関係性を示す情報は、以下では「関係性情報」とも称される。関係性情報は、例えば、直系の人物の氏名、直系の人物との続柄、婚姻日、離縁日、入籍日、除籍日などの情報である。
【0016】
戸籍謄本において戸籍謄本情報と構成員情報が記載されている領域の位置は、戸籍謄本のフォーマットの種類によって異なり得る。このため、家系図生成システム1は、入力された画像データから戸籍謄本のフォーマットの種類を判定した上で、その種類に応じた位置にある領域から各情報を読み取る。
戸籍謄本のフォーマットの種類は、大きくは戦前戸籍(旧法戸籍)と現行戸籍の2種類に分類される。戦前戸籍は、戸主を中心として、戸主の親、妻、子、孫、兄弟姉妹、兄弟姉妹の家族など、複数の家族を含む単位(家督単位)で作成されている。現行戸籍は、1組の夫婦と氏が同じ未婚の子どもを1つの単位(核家族単位)で作成されている。
戦前戸籍は、さらに明治5年式戸籍、明治19年式戸籍、明治31年式戸籍、及び大正4年式戸籍の4種類に分類される。現行戸籍は、さらに昭和23年式戸籍、及び平成6年式戸籍の2種類に分類される。即ち、戸籍謄本のフォーマットの種類は、6種類に分類される。
家系図生成システム1は、入力された画像データが示す戸籍謄本のフォーマットが6種類のうちのいずれであるかを判定した上で、戸籍謄本情報及び構成員情報を読み取って家系図を生成する。
【0017】
図1に示すように、家系図生成システム1は、ユーザ端末10と、読取装置11と、家系図生成装置20とを備える。
【0018】
(1)ユーザ端末10
ユーザ端末10は、ユーザが戸籍謄本から家系図を作成するために操作する端末である。ユーザ端末10は、例えば、PC(Personal Computer)である。
ユーザ端末10は、有線通信又は無線通信によって読取装置11と通信可能に接続される。読取装置11との通信において、ユーザ端末10は、例えば戸籍謄本の画像データを受信する。また、ユーザ端末10は、携帯電話網やインターネットなどのネットワークNWを介して、家系図生成装置20と通信可能に接続される。家系図生成装置20との通信において、ユーザ端末10は、例えば、読取装置11にて生成された戸籍謄本の画像データを送信し、家系図生成装置20にて生成された家系図を受信する。
【0019】
(2)読取装置11
読取装置11は、紙の戸籍謄本を光学的に読み取り、戸籍謄本の画像データを生成する装置である。読取装置11は、例えば、スキャナである。
読取装置11は、有線通信又は無線通信によってユーザ端末10と通信可能に接続される。ユーザ端末10との通信において、読取装置11は、生成した戸籍謄本の画像データを送信する。
【0020】
(3)家系図生成装置20
家系図生成装置20は、家系図を生成する装置である。家系図生成装置20は、例えば、1つ又は複数のサーバ装置(例えば、クラウドサーバ)で構成される。
家系図生成装置20は、ネットワークNWを介して、ユーザ端末10と通信可能に接続される。ユーザ端末10との通信において、家系図生成装置20は、例えば、読取装置11にて生成された戸籍謄本の画像データを受信し、生成した家系図を送信する。
【0021】
<2.家系図生成装置の機能構成>
以上、図1を参照して、本実施形態に係る家系図生成システム1の概略構成について説明した。続いて、図2から図6を参照して、本実施形態に係る家系図生成装置20の機能構成について説明する。図2は、本実施形態に係る家系図生成装置20の機能構成の一例を示すブロック図である。
図2に示すように、家系図生成装置20は、通信部210と、記憶部220と、制御部230とを備える。
【0022】
(1)通信部210
通信部210は、各種情報の送受信を行う機能を有する。例えば、通信部210は、ネットワークNWを介して、ユーザ端末10と通信を行い、戸籍謄本の画像データの受信や家系図の送信を行う。
【0023】
(2)記憶部220
記憶部220は、各種情報を記憶する機能を有する。記憶部220は、家系図生成装置20がハードウェアとして備える記憶媒体、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、RAM(Random Access read/write Memory)、ROM(Read Only Memory)、又はこれらの記憶媒体の任意の組み合わせによって構成される。
記憶部220は、例えば、ユーザ端末10から受信された戸籍謄本の画像データ、当該画像データから読み取られた戸籍謄本情報と構成員情報、当該構成員情報に基づき生成された家系図などを記憶する。
【0024】
(3)制御部230
制御部230は、家系図生成装置20の動作全般を制御する機能を有する。制御部230は、例えば、家系図生成装置20がハードウェアとして備えるCPU(Central Processing Unit)にプログラムを実行させることによって実現される。
図2に示すように、制御部230は、取得部231と、解析部232と、認識部233と、抽出部234と、加工部235と、判定部236と、生成部237とを備える。
【0025】
(3-1)取得部231
取得部231は、戸籍謄本の画像データを取得する機能を有する。具体的に、取得部231は、通信部210がネットワークNWを介してユーザ端末10から受信した戸籍謄本の画像データを取得する。
【0026】
(3-2)解析部232
解析部232は、戸籍謄本の画像データを解析する機能を有する。例えば、解析部232は、取得部231によって取得された画像データのレイアウトを解析し、当該画像データが示す戸籍謄本のフォーマットの種類を判定する。一例として、解析部232は、画像データに対する画像認識により、画像データのレイアウトを解析する。解析部232は、画像認識によって画像データが示す戸籍謄本のレイアウトを認識し、フォーマットの種類を判定する。
【0027】
解析部232は、戸籍謄本のフォーマットの種類を判定することで、認識部233による文字情報の認識対象となる領域の位置を特定する。
文字情報の認識対象となる領域は、例えば、戸籍事項欄、戸籍に記載されている者欄、及び身分事項欄である。戸籍事項欄には、筆頭者の戸籍謄本情報が記載されている。戸籍に記載されている者欄には、構成員情報のうち、氏名、生年月日、直系の人物の氏名、直系の人物との続柄が記載されている。身分事項欄には、構成員情報のうち、没年月日、婚姻日、離縁日、国籍、入籍日、除籍日、相続人廃除事由などが記載されている。
【0028】
(3-3)認識部233
認識部233は、戸籍謄本の画像データに含まれる文字情報を認識し、認識した文字情報をテキストデータに変換する機能を有する。認識部233は、取得部231によって取得された画像データ(戸籍謄本のフォーマット)に対するOCRにより、当該画像データに含まれる文字情報を認識する。この時、認識部233は、画像データに含まれる文字情報のうち、解析部232によって判定されたフォーマットの種類に応じた位置にある領域から文字情報を認識する。なお、OCRエンジン(プログラム)は、戸籍謄本のフォーマットごとに用意され、読み取り時にフォーマットに応じたOCRエンジンに差し替えてテキスト化が行われる。
【0029】
ここで、図3を参照して、戸籍謄本と文字情報の認識対象となる領域について説明する。図3は、本実施形態に係る戸籍謄本と文字情報の認識対象となる領域の一例を示す図である。
【0030】
図3には、一例として、フォーマットが昭和23年式戸籍である戸籍謄本30の概略図が示されている。戸籍謄本30では、領域31と、領域32aと、領域32bと、領域32cと、領域33aと、領域33bと、領域33cとが文字情報の認識対象となる領域である。領域31は、戸籍事項欄に相当する。領域32aと領域32bと領域32cは、身分事項欄に相当する。領域33aと領域33bと領域33cは、戸籍に記載されている者欄に相当する。
図3に示す例の場合、認識部233は、領域31から筆頭者である夫の戸籍謄本情報を文字情報として認識する。また、認識部233は、領域32aと領域33aから夫の構成員情報を文字情報として認識する。また、認識部233は、領域32bと領域33bから妻の構成員情報を文字情報として認識する。なお、認識部233は、領域32cと領域33cには記載がないため、領域32cと領域33cから文字情報を認識しない。
【0031】
(3-4)抽出部234
抽出部234は、文字情報のテキストデータから、家系図の生成に用いる情報(以下、「家系図情報」とも称される)を抽出する機能を有する。例えば、抽出部234は、認識部233によって認識された文字情報のテキストデータから、戸籍謄本情報又は構成員情報を家系図情報として抽出する。この時、抽出部234は、文字情報のテキストデータから、少なくとも関係性情報を含むよう構成員情報を抽出する。
具体的に、抽出部234は、抽出する情報に関する特定のキーワードをもとに、テキストデータから必要な情報を抽出する。戸籍事項欄から情報を抽出する際のキーワードは、例えば「~から転籍」、「転籍日」、「従前本籍」などである。戸籍に記載されている者欄から情報を抽出する際のキーワードは、例えば「各タグ」、「続柄欄」、「出生欄」、「届出」、「除籍」などである。身分事項欄から情報を抽出する際のキーワードは、例えば「届出」、「入籍」、「死亡」などである。
【0032】
抽出した関係性情報が家督単位の戸籍謄本における関係性を示す場合、抽出部234は、抽出した関係性情報を核家族単位の戸籍謄本における関係性に変換する。例えば、解析部232によって判定された戸籍謄本のフォーマットの種類が戦前戸籍であったとする。この場合に、例えば、抽出した関係性情報に戸主から見て祖父と叔父が含まれる場合、この祖父と叔父の関係性を親と子の関係性に変換する。
これにより、戦前戸籍から抽出される人物情報も用いて、親子関係に基づき家系図を生成することができる。
【0033】
なお、外国籍の人物については日本の戸籍が存在しない。このため、筆頭者の配偶者が外国籍である場合、配偶者の戸籍に記載されている者欄及び配偶者の身分事項欄は作成されない。筆頭者が外国籍の人物と婚姻関係にあることが、筆頭者の身分事項欄のみに記載される。よって、抽出部234は、筆頭者の身分事項欄に外国籍の人物に関する情報が記載されている場合、その情報も人物情報として抽出する。
【0034】
ここで、図4を参照して、戸籍謄本から抽出される家系図情報について説明する。図4は、本実施形態に係る戸籍謄本から抽出される家系図情報の一例を示す図である。
【0035】
図4には、一例として、筆頭者が人物AAAであり、人物AAAの他に人物BBB~人物NNNまでの戸籍が記載された1枚の戸籍謄本から読み取られた家系図情報が示されている。1枚の戸籍謄本から読み取られた家系図情報は、人物単位でレコードが生成される。例えば、図4に示すように、戸籍謄本情報のレコードとして、筆頭者である人物AAAのレコードが生成される。また、構成員情報のレコードとして、人物AAA~人物NNNのレコードがそれぞれ生成される。
【0036】
(3-5)加工部235
加工部235は、家系図情報を加工する機能を有する。例えば、加工部235は、抽出部234によって複数の戸籍謄本の画像データから家系図情報が抽出された際に、1人の人物について構成員情報が複数の戸籍謄本の画像データから抽出された場合、当該複数の構成員情報をマージする。
【0037】
具体的に、加工部235は、1人の人物の構成員情報について、複数存在するレコードにおいて隣り合うレコード間で特定の情報に基づくマッチングを行いながらマージする。特定の情報は、例えば、隣り合うレコード間で一致する情報である。一例として、隣り合うレコードが転籍前のレコードと入籍後のレコードである場合、転籍前のレコードにおける特定の情報は転籍先自治体、人物の名、生年月日、及び除籍日であり、これら4つの情報に対応する入籍後のレコードにおける特定の情報はそれぞれ本籍地自治体、人物の名、生年月日、及び入籍日である。
加工部235は、特定の情報が全て一致したレコード同士が隣り合うよう各レコードをマージする。これにより、加工部235は、連続性を持たせて複数のレコードをマージすることができる。複数のレコードに連続性を持たせることで、家系図を生成する際に各人物の関係性をより正確に割り出すことができる。
【0038】
マージ後、加工部235は、マージした複数のレコードに共通の識別情報(例えばID)を付与する。これにより、1人の人物の構成員情報について複数存在するレコードを1つのIDで管理することができる。
【0039】
ここで、図5を参照して、戸籍謄本から抽出される家系図情報の加工について説明する。図5は、本実施形態に係る戸籍謄本から抽出される家系図情報の加工例を示す図である。
【0040】
図5には、人物AAAの構成員情報が複数の戸籍謄本の画像データから抽出され、マージされた例が示されている。「人物AAAの最初の戸籍のレコード」は、人物AAAが生誕した際に作成された戸籍謄本から抽出された構成員情報を示すレコードである。「人物AAAの次の戸籍のレコード」や「人物AAAの次の次の戸籍のレコード」は、人物AAAが転籍や入籍などをする度に作成された戸籍謄本から抽出された構成員情報を示すレコードである。「人物AAAの最後の戸籍のレコード」は、人物AAAの最新の戸籍謄本又は人物AAAの死亡時に作成された戸籍謄本から抽出された構成員情報を示すレコードである。加工部235は、これらのレコードをマッチングすることで、図5に示すようマージする。
【0041】
(3-6)判定部236
判定部236は、構成員情報に連続性があるか否かを判定する機能を有する。例えば、判定部236は、1人の人物の構成員情報が複数の画像データから抽出された場合、各構成員情報に連続性があるか否かを判定する。具体的に、判定部236は、加工部235が構成員情報をマージする際に行うマッチングの結果に基づき、構成員情報に連続性があるか否かを判定する。隣り合うレコード間のマッチングにおいて、特定の情報が全て一致した場合、判定部236は、隣り合うレコード間に連続性があると判定する。一方、特定の情報が1つでも一致しなかった場合、判定部236は、隣り合うレコード間に連続性がない(即ち欠落がある)と判定する。
【0042】
レコードに欠落があることは、即ち、読み取る戸籍謄本が不足していることを意味する。このため、隣り合うレコード間のマッチングにおいて特定の情報が1つでも一致しなかった場合、加工部235は、ユーザに対してエラーを通知する。例えば、加工部235は、通信部210を介して、「YYYY/MM/DD~YYYY/MM/DDまでの戸籍謄本がありません」などのエラーメッセージをユーザ端末10へ送信し、表示させる。
【0043】
(3-7)生成部237
生成部237は、家系図を生成する機能を有する。生成部237は、抽出部234によって抽出された構成員情報に基づき、家系図を生成する。具体的に、生成部237は、構成員情報に含まれる関係性情報に基づき、戸籍謄本に記載された人物の関係性を示す家系図を生成する。なお、1人の人物について構成員情報が複数の画像データから抽出された場合、生成部237は、加工部235によってマージされた構成員情報を用いる。
【0044】
まず、生成部237は、家系図上に現れる全ての人物について、関係性情報から婚姻関係と親子関係を割り出す。次いで、生成部237は、割り出した婚姻関係と親子関係に基づき、人物間を線でつなぐ。以下では、婚姻関係を横方向につなぎ、親子関係を縦方向につなぐ例を一例に説明する。
例えば、生成部237は、割り出した婚姻関係より、夫にあたる人物と婦にあたる人物とを並列に並べ、夫婦間を二重線でつなぐ。婚姻関係が解消されている場合、生成部237は、夫婦間の二重線上にバツ印をつける。複数回の婚姻関係がある場合、生成部237は、該当する人物を中心に配偶者を並列に並べる。
また、生成部237は、割り出した親子関係より、親にあたる夫婦間の二重線の中心から下方向に罫線を引き、子を配置する。子が複数存在する場合、左端が最年少者、右端が最年長者となるよう年齢順に配置する。父母連盟の養子縁組の子である場合、配置は養子縁組ではない子の場合と同様であるが、線は二重線とする。父又は母のみの養子縁組の子である場合、父又は母の真下に配置し、親子間を二重線でつなぐ。
【0045】
生成部237は、戸籍謄本に記載された人物が被相続人又は相続人であるかを示す家系図を生成してもよい。
被相続人については、例えばユーザによって予め設定される。このため、生成部237は、ユーザによる設定に基づき被相続人となる人物を特定し、家系図上に特定した人物が被相続人であることを示す情報を表示する。例えば、生成部237は、該当人物の近傍に「被相続人」と明記する。
相続人については、生成部237が関係性情報に基づき相続人となる人物を特定し、家系図上に特定した人物が相続人であることを示す情報を表示する。例えば、生成部237は、該当人物の近傍に「相続人」と明記する。
なお、生成部237は、被相続人又は相続人に該当しない人物については、被相続人又は相続人に該当しないことを示す表示をしてもよい。例えば、生成部237は、被相続人又は相続人に該当しない人物の氏名をグレーアウトする。これにより、ユーザは、家系図を見た際に、被相続人又は相続人である人物と、それ以外の人物とを容易に区別することができ、相続事務を効率的に行うことができる。
【0046】
ここで、相続人の特定についてより具体的に説明する。相続人になれる人物は、被相続人の配偶者と被相続人の血族に限定され、配偶者は必ず相続人となる。このため、生成部237は、関係性情報より、被相続人に配偶者が存在するか否かを確認する。配偶者が存在する場合、生成部237は、配偶者を相続人として設定する。
また、生成部237は、配偶者以外に相続人が存在するか否かを確認する。配偶者以外で相続人になれる人物には優先順位(相続順位)が設定されている。第1順位として直系卑属が設定されている。直系卑属は、子、孫、ひ孫など、被相続人よりも後の世代に属する血族である。第2順位として、直系尊属が設定されている。直系尊属は、父母、祖父母など、被相続人よりも前の世代に属する血族である。第3順位として、兄弟姉妹が設定され、兄弟姉妹がいない場合には甥又は姪が設定されている。このため、生成部237は、関係性情報より、第1順位から第3順位まで順に該当する人物が存在するか否かを確認し、最初に該当した人物を相続人として設定する。
【0047】
なお、生成部237は、戸籍謄本に記載された人物が相続人を廃除された人物であることを示す相続人廃除情報(相続人排除事由)が構成員情報に含まれる場合、相続人を廃除された人物を相続人から除外した家系図を生成する。例えば、第1順位にあたる子が3人存在するが、そのうちの1人について相続人廃除事由があるとする。この場合、生成部237は、相続人廃除事由がある子を相続人から除外し、残りの2人の子を相続人として設定する。
【0048】
ここで、図6を参照して、生成部237が生成する家系図について説明する。図6は、本実施形態に係る家系図の一例を示す図である。
【0049】
図6には、人物41が被相続人であり、当該人物41を中心とする家系図が示されている。人物42は、人物41の配偶者である。このため、人物42は、人物41と二重線でつながれている。
人物43、人物44、及び人物45は、人物41及び人物42の子である。このため、人物43、人物44、及び人物45は、人物41と人物42との間の二重線の中心から下方向へ引かれた一重線でつながれている。
人物46は人物41の父であり、人物47は人物41の母であり、人物48は人物41の兄又は姉である。このため、人物46と人物47との間は二重線でつながれ、当該二重線の中心から下方向へ引かれた一重線によって人物41と人物41がつながれている。
【0050】
人物42は、被相続人である人物41の配偶者であるため、相続人に設定されている。
人物41には、配偶者以外に、相続人の第1順位である子として、人物43、人物44、及び人物45が存在する。人物43及び人物44は、相続人廃除事由がないため、相続人に設定されている。一方、人物45は、相続人廃除事由があるため、相続人に設定されず、グレーアウトされている。
人物46と人物47は、被相続人である人物41の親であり、相続人の第2順位である。しかしながら、相続人の第1順位である子が存在するため、人物46と人物47は、相続人に設定されずグレーアウトされている。
人物48は、被相続人である人物41の兄又は姉であり、相続人の第3順位である。しかしながら、相続人の第1順位である子が存在するため、人物48は、相続人に設定されずグレーアウトされている。
【0051】
<3.処理の流れ>
以上、図2から図6を参照して、本実施形態に係る家系図生成装置20の機能構成について説明した。続いて、図7を参照して、本実施形態に係る家系図生成装置20における処理の流れについて説明する。図7は、本実施形態に係る家系図生成装置20における処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0052】
図6に示すように、まず、取得部231は、戸籍謄本の画像データを取得する(ステップS101)。戸籍謄本の画像データは、ユーザが紙の戸籍謄本を読取装置11に読み取らせることで、読取装置11によって生成される。読取装置11によって生成された戸籍謄本の画像データは、読取装置11からユーザ端末10へ送信され、ユーザ端末10からネットワークNWを介して家系図生成装置20へ送信される。取得部231は、通信部210がユーザ端末10から受信した戸籍謄本の画像データを取得する。
【0053】
次いで、解析部232は、取得部231によって取得された画像データから戸籍謄本のフォーマットを解析する(ステップS102)。解析部232は、取得部231によって取得された画像データに対するOMRによって画像データが示す戸籍謄本の罫線を読み取り、フォーマットの形状を認識することで、フォーマットの種類を判定する。
【0054】
次いで、認識部233は、取得部231によって取得された画像データから文字情報を認識し、認識した文字情報をテキストデータに変換する(ステップS103)。認識部233は、解析部232によって判定されたフォーマットの種類に応じた位置にある領域から、文字情報を認識する。
【0055】
次いで、抽出部234は、認識部233によって認識された文字情報のテキストデータから家系図情報を抽出する。(ステップS104)。抽出部234は、文字情報のテキストデータから、抽出する情報に関する特定のキーワードをもとに、戸籍謄本情報と構成員情報を家系図情報として抽出する。
【0056】
次いで、加工部235は、抽出部234によって抽出された家系図情報を加工する(ステップS105)。加工部235は、家系図情報のうち、1人の人物の構成員情報について複数のレコードがある場合に、隣り合うレコード間で特定の情報に基づくマッチングを行いながら、複数のレコードをマージする。
【0057】
次いで、判定部236は、加工部235によってマージされた構成員情報の連続性を判定する(ステップS106)。判定部236は、加工部235が構成員情報をマージする際に行うマッチングの結果に基づき、構成員情報に連続性があるか否かを判定する。連続性がない(即ち欠落がある)レコードがある場合、判定部236は、通信部210を介して、戸籍謄本が不足していることを示すエラーメッセージをユーザ端末10へ送信して表示させ、ユーザに通知する。
【0058】
そして、生成部237は、加工部235によってマージされた構成員情報を含む、抽出部234によって抽出された構成員情報に基づき、家系図を生成する(ステップS107)。
なお、生成部237は、通信部210を介して、生成した家系図をユーザ端末10へ送信してもよい。これにより、ユーザは、家系図生成装置20によって生成された家系図を相続事務に利用することができる。
【0059】
以上説明したように、本実施形態に係る家系図生成装置20は、戸籍謄本の画像データを取得する取得部231と、取得部231によって取得された画像データに含まれる文字情報を認識する認識部233と、認識部233によって認識された文字情報から、戸籍謄本に記載された人物に関する構成員情報(人物情報)を抽出する抽出部234と、抽出部234によって抽出された構成員情報に基づき、家系図を生成する生成部237と、を備える。
【0060】
かかる構成により、ユーザは、戸籍謄本の画像データを用意して家系図生成装置20へ入力するだけで、家系図の作成に必要な情報の入力操作や選択操作などを行うことなく、家系図を得ることができる。
よって、本実施形態に係る家系図生成装置20は、家系図作成におけるユーザの手間を軽減することを可能とする。
【0061】
<4.変形例>
続いて、本発明の実施形態の変形例について説明する。なお、以下に説明する変形例は、単独で本発明の実施形態に適用されてもよいし、組み合わせで本発明の実施形態に適用されてもよい。また、変形例は、本発明の実施形態で説明した構成に代えて適用されてもよいし、本発明の各実施形態で説明した構成に対して追加的に適用されてもよい。
【0062】
上述した実施形態では、家系図生成システム1が銀行における相続手続事務に利用される例について説明したが、かかる例に限定されない。例えば、家系図生成システム1は、銀行以外の金融機関における相続手続事務に利用されてもよい。
また、上述した実施形態では、家系図生成システム1が家系図の作成が必要な相続手続事務に利用される例について説明したが、かかる例に限定されない。例えば、家系図生成システム1は、相続手続事務以外の目的で家系図の作成が必要な業務に利用されてもよく、例えば法務局での業務に活用されてもよい。
【0063】
また、上述した実施形態では、ユーザ端末10がPCである例について説明したが、かかる例に限定されない。例えば、ユーザ端末10は、スマートフォンやタブレット端末などの携帯端末であってもよい。この場合、ユーザは、戸籍謄本の画像データを得るために読取装置11を用いなくてもよい。例えば、ユーザは、スマートフォンやタブレット端末に内蔵されたカメラを用いて戸籍謄本を撮影することで、戸籍謄本の画像データを得てもよい。ユーザ端末10は、ネットワークNWを介して、カメラで撮影した戸籍謄本の画像データを家系図生成装置20へ送信する。
家系図生成装置20は、ユーザ端末10のカメラで撮影された戸籍謄本の画像データから、上述した実施形態と同様にして家系図を生成する。
【0064】
また、上述した実施形態では、読取装置11がユーザ端末10に接続されている例について説明したが、かかる例に限定されない。例えば、読取装置11は、ネットワークNWを介して、家系図生成装置20と接続されてもよい。この場合、読取装置11は、ネットワークNWを介して、生成した戸籍謄本の画像データをユーザ端末10ではなく家系図生成装置20へ送信する。これにより、家系図生成装置20は、ユーザ端末10を介さずに読取装置11から戸籍謄本の画像データを取得できる。
【0065】
また、上述した実施形態では、ユーザ端末10と家系図生成装置20とがネットワークNWを介して接続されている例について説明したが、かかる例に限定されない。例えば、家系図生成システム1においてネットワークNWを用いずに、ローカルでユーザ端末10、読取装置11、及び家系図生成装置20を接続してもよい。
【0066】
また、上述した実施形態では、家系図生成システム1がユーザ端末10と、読取装置11と、家系図生成装置20とを備える例について説明したが、かかる例に限定されない。例えば、家系図生成装置20の機能を有するユーザ端末10と、読取装置11とを備える家系図生成システム1であってもよい。即ち、家系図生成装置20がサーバ装置ではなくユーザ端末10によって実現される例である。この場合、ユーザ端末10には、家系図生成装置20の機能を実現するためのアプリケーション(プログラム)がインストールされる。また、ユーザ端末10と読取装置11は、有線通信又は無線通信によって通信可能に接続される。
読取装置11は、上述した実施形態と同様に、紙の戸籍謄本を光学的に読み取って生成した戸籍謄本の画像データをユーザ端末10へ送信する。
ユーザ端末10は、インストールされたアプリケーションの機能によって、読取装置11から受信した戸籍謄本の画像データに基づき家系図を生成する。ユーザ端末10は、上述した実施形態に係る家系図生成装置20と同様に、戸籍謄本の画像データの取得、戸籍謄本の画像データの解析、文字情報の認識、家系図情報の抽出、家系図情報の加工、構成員情報の連続性の判定を行い、家系図を生成する。
【0067】
また、上述した実施形態では、OCRによって戸籍謄本から各種情報を読み取る例について説明したが、当該OCRはAI(Artificial Intelligence)技術を活用したOCR(AI-OCR)であってもよい。この場合、読取装置11によって読み取られた戸籍謄本の画像データは、AI-OCRの学習済みモデルを生成するための学習データとして使用されてもよい。
【0068】
また、上述した実施形態では、被相続人となる人物が家系図の生成前にユーザによって予め設定される例について説明したが、かかる例に限定されない。被相続人となる人物は、家系図の生成後にユーザによって設定されてもよい。この場合、生成部237は、家系図の生成後に、ユーザによって被相続人が設定されてから、関係性情報に基づき相続人となる人物を特定する。特定後、生成部237は、被相続人であることを示す情報と被相続人であることを示す情報を家系図上に表示する。
【0069】
また、上述した実施形態では、家系図において婚姻関係を横方向につなぎ、親子関係を縦方向につなぐ例について説明したが、かかる例に限定されない。例えば、家系図において婚姻関係を縦方向につなぎ、親子関係を横方向につないでもよい。また、夫婦間をつなぐ線と親子間をつなぐ線の線種も特に限定されず、一重線と二重線以外の線種を用いてもよい。
【0070】
また、上述した実施形態では、家系図上に人物の氏名と、被相続人又は相続人であることを示す情報が表示される例について説明したが、かかる例に限定されない。家系図上には、家系図情報として取得した戸籍謄本情報又は構成員情報に含まれる情報であれば、任意の情報を表示することが可能である。このため、例えば人物の氏名や被相続人又は相続人であることを示す情報以外に、相続事務にて必要な情報があれば家系図上に表示させることで、相続事務に利用することができる。
【0071】
以上、本発明の実施形態の変形例について説明した。なお、上述した実施形態における家系図生成装置20の一部又は全部の機能をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよく、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のプログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。
【0072】
以上、図面を参照してこの発明の実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
【符号の説明】
【0073】
1…家系図生成システム、10…ユーザ端末、11…読取装置、20…家系図生成装置、30…戸籍謄本、210…通信部、220…記憶部、230…制御部、231…取得部、232…解析部、233…認識部、234…抽出部、235…加工部、236…判定部、237…生成部、NW…ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7