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<図1>
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024002258
(43)【公開日】2024-01-11
(54)【発明の名称】電気掃除機
(51)【国際特許分類】
   A47L 9/28 20060101AFI20231228BHJP
   A47L 9/04 20060101ALI20231228BHJP
【FI】
A47L9/28 L
A47L9/04 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022101345
(22)【出願日】2022-06-23
(71)【出願人】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001380
【氏名又は名称】弁理士法人東京国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大下 悟
【テーマコード(参考)】
3B057
3B061
【Fターム(参考)】
3B057DA09
3B057DB01
3B061AA07
3B061AD06
3B061AE02
(57)【要約】
【課題】掃除対象面の種類によらず、より便利に使用することのできる電気掃除機を提供する。
【解決手段】
電気掃除機は、掃除対象面の種類を検知する第1検知部と、吸込口体の進行方向を検知する第2検知部と、を備える。第1および第2回転清掃体に対する接触抵抗が大きい第1種類の掃除対象面である場合は、第1回転清掃体と第2回転清掃体との接触抵抗により吸込口体の進行方向に向けた走行を補助するように、第1および第2回転清掃体を回転させる。接触抵抗が小さい第2種類の掃除対象面である場合は、第1回転清掃体と第2回転清掃体とのそれぞれが掃除対象面の接触抵抗により吸込口体に及ぼす推進力が釣り合うように、第1および第2回転清掃体を互いに反対方向に回転させる。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸込口体と、
掃除機本体と、
制御部と、を備え、
前記吸込口体は、
吸込口が形成されたケースと、
前記吸込口に対して前後の一側に配置されるとともに、前記ケースに対して回転可能に支持され、掃除を行う際に掃除対象面に接する第1外周部を有する第1回転清掃体と、
前記吸込口に対して前後の他側に前記第1回転清掃体と平行に配置されるとともに、前記ケースに対して回転可能に支持され、掃除を行う際に前記掃除対象面に接する第2外周部を有する第2回転清掃体と、
前記第1回転清掃体を駆動可能に設置された第1電動機と、
前記第2回転清掃体を前記第1回転清掃体とは独立に駆動可能に設置された第2電動機と、を備え、
前記掃除機本体は、前記吸込口を介して吸入された塵埃を収集可能に構成された集塵部を有し、
前記制御部は、
前記掃除対象面の種類を検知する第1検知部と、
前記吸込口体の進行方向を検知する第2検知部と、を備え、
前記掃除対象面が、前記第1および第2回転清掃体に対する接触抵抗が所定値よりも大きい第1種類の掃除対象面である場合に、前記第1回転清掃体と前記第2回転清掃体との前記接触抵抗により前記吸込口体の進行方向に向けた走行を補助するように、前記第1および第2回転清掃体を回転させる一方、
前記掃除対象面が、前記接触抵抗が前記所定値よりも小さい第2種類の掃除対象面である場合に、前記第1回転清掃体と前記第2回転清掃体とのそれぞれが前記接触抵抗により前記吸込口体に及ぼす推進力が釣り合うように、前記第1および第2回転清掃体を互いに反対方向に回転させる、電気掃除機。
【請求項2】
前記制御部は、前記掃除対象面が前記第2種類の掃除対象面である場合に、前記第1および第2回転清掃体を互いに略等しい速度で回転させる、請求項1に記載の電気掃除機。
【請求項3】
前記第1検知部は、前記第1または第2電動機の負荷に基づき、前記掃除対象面の種類を検知する、請求項1に記載の電気掃除機。
【請求項4】
前記吸込口体は、前記ケースの裏面側に設けられ、前記ケースの裏面から離れた位置に接地点を有する支持部をさらに備え、
前記第1検知部は、前記ケースの裏面から突出するとともに、前記接地点よりも前記ケースの裏面に近い位置に接触端を有する可動部を備え、前記可動部に対する前記掃除対象面の接触の有無に基づき、前記掃除対象面の種類を検知する、請求項1に記載の電気掃除機。
【請求項5】
前記第1検知部は、前記可動部として、前記ケースに対して回転可能に支持された転動体を有し、
前記第2検知部は、前記掃除対象面が前記第1種類の掃除対象面である場合に、前記吸込口体の移動に応じた前記転動体の回転に基づき、前記吸込口体の進行方向を検知する、請求項4に記載の電気掃除機。
【請求項6】
前記支持部は、前記ケースの裏面を下方から見た状態で三角形の頂点に位置する3つの支持部を含み、
前記3つの支持部のうち、少なくとも2つが自在輪である、請求項4に記載の電気掃除機。
【請求項7】
前記吸込口体と前記掃除機本体とに接続され、前記吸込口から前記集塵部に至る風路の一部を形成する風路体をさらに備え、
前記支持部は、前記ケースの裏面を下方から見た状態で三角形の頂点に位置する3つの支持部を含み、
前記風路体は、前記掃除対象面に平行な平面方向において、前記吸込口体に対する接続部が、前記3つの支持部を頂点とする三角形の内側に配置されている、請求項4に記載の電気掃除機。
【請求項8】
前記第2検知部は、前記第1または第2電動機の負荷に基づき、前記吸込口体の進行方向を検知する、請求項1に記載の電気掃除機。
【請求項9】
前記制御部は、前記掃除対象面が前記第1種類の掃除対象面である場合に、前記第1および第2回転清掃体を互いに反対方向に回転させるとともに、前記第1および第2回転清掃体のうち、前記進行方向に対して順方向に回転する一方の回転清掃体を、前記進行方向に対して逆方向に回転する他方の回転清掃体よりも高い速度で回転させる、請求項1から8のいずれか一項に記載の電気掃除機。
【請求項10】
前記制御部は、前記掃除対象面が前記第1種類の掃除対象面である場合に、前記第1および第2回転清掃体を、前記進行方向に対して順方向となる同一方向に回転させる、請求項1から8のいずれか一項に記載の電気掃除機。
【請求項11】
吸込口体と、
掃除機本体と、
制御部と、を備え、
前記吸込口体は、
吸込口を有するケースと、
前記吸込口に対して前後の一側に配置されるとともに、前記ケースに対して回転可能に支持され、掃除を行う際に掃除対象面に接する第1外周部を有する第1回転清掃体と、
前記吸込口に対して前後の他側に前記第1回転清掃体と平行に配置されるとともに、前記ケースに対して回転可能に支持され、掃除を行う際に前記掃除対象面に接する第2外周部を有する第2回転清掃体と、
前記第1回転清掃体を駆動可能に設置された第1電動機と、
前記第2回転清掃体を前記第1回転清掃体とは独立に駆動可能に設置された第2電動機と、を備え、
前記掃除機本体は、前記吸込口を介して吸入された塵埃を収集可能に構成された集塵部を有し、
前記制御部は、
前記掃除対象面の種類を検知する第1検知部と、
前記吸込口体の進行方向を検知する第2検知部と、を備え、
当該電気掃除機の運転開始後、前記第1回転清掃体と前記第2回転清掃体とのそれぞれが当該第1および第2回転清掃体に対する前記掃除対象面の接触抵抗により前記吸込口体に及ぼす推進力が釣り合うように、前記第1および第2回転清掃体を互いに反対方向に回転させる第1運転モードで前記第1および第2電動機を作動させ、
前記第1検知部により、前記掃除対象面が、前記接触抵抗が所定値よりも大きい掃除対象面であることを検知した場合に、前記第1および第2電動機の運転モードを第2運転モードに切り替え、前記第1回転清掃体と前記第2回転清掃体との前記接触抵抗により前記吸込口体の進行方向に向けた走行を補助するように、前記第1および第2電動機を作動させる、電気掃除機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明に係る実施形態は、電気掃除機に関する。
【背景技術】
【0002】
吸込口が設けられた吸込口体に2つの回転清掃体を内蔵した電気掃除機が存在する。特許文献1には、吸込口の中心に対して左右のそれぞれに回転清掃体を配置するとともに、吸込口体のケースに対し、左右夫々の回転清掃体を片持ちの状態で支持した電気掃除機が開示されている。
【0003】
上記以外の電気掃除機として、吸込口体において、進行方向に対する吸込口の前後に回転清掃体を配置したものも存在する。このような電気掃除機によれば、前後の回転清掃体を互いに反対方向に回転させることで、掃除対象面に積もる塵埃をより効率的に掃き出し、吸込口への移動を促すことが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-194377号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、絨毯等のカーペットを敷いた床面を掃除する場合は、フローリング材や畳等の床面を掃除する場合とは異なり、回転清掃体がその動作に際して掃除対象面から受ける抵抗、換言すれば、回転清掃体に対する掃除対象面の接触抵抗が増大し、吸込口体が移動の際に受ける抵抗が大きくなる。そして、前後の回転清掃体を互いに反対方向に回転させることによりこの傾向が助長され、吸込口体の動きが重くなって、操作性が悪化し、電気掃除機の使い勝手に支障を来すことが懸念される。
【0006】
そこで、本発明は、掃除対象面の種類によらず、より便利に使用することのできる電気掃除機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記の課題を解決するため本発明の実施形態に係る電気掃除機は、吸込口体と、掃除機本体と、制御部と、を備える。前記吸込口体は、吸込口が形成されたケースと、前記吸込口に対して前後の一側に配置されるとともに、前記ケースに対して回転可能に支持され、掃除を行う際に掃除対象面に接する第1外周部を有する第1回転清掃体と、前記吸込口に対して前後の他側に前記第1回転清掃体と平行に配置されるとともに、前記ケースに対して回転可能に支持され、掃除を行う際に前記掃除対象面に接する第2外周部を有する第2回転清掃体と、前記第1回転清掃体を駆動可能に設置された第1電動機と、前記第2回転清掃体を前記第1回転清掃体とは独立に駆動可能に設置された第2電動機と、を備え、前記掃除機本体は、前記吸込口を介して吸入された塵埃を収集可能に構成された集塵部を有する。前記制御部は、前記掃除対象面の種類を検知する第1検知部と、前記吸込口体の進行方向を検知する第2検知部と、を備え、前記掃除対象面が、前記第1および第2回転清掃体に対する接触抵抗が所定値よりも大きい第1種類の掃除対象面である場合に、前記第1回転清掃体と前記第2回転清掃体との前記接触抵抗により前記吸込口体の進行方向に向けた走行を補助するように、前記第1および第2回転清掃体を回転させる一方、前記掃除対象面が、前記接触抵抗が前記所定値よりも小さい第2種類の掃除対象面である場合に、前記第1回転清掃体と前記第2回転清掃体とのそれぞれが前記接触抵抗により前記吸込口体に及ぼす推進力が釣り合うように、前記第1および第2回転清掃体を互いに反対方向に回転させる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態に係る電気掃除機の全体的な構成を示す斜視図である。
図2】同上実施形態に係る電気掃除機に備わる吸込口体を前進方向に対して左斜め前方から見た状態で示す斜視図である。
図3】同上吸込口体を上方から見た状態で示す平面図である。
図4】同上吸込口体を、本体部の上ケースを外した状態で示す分解平面図である。
図5】同上吸込口体を下方から見た状態で示す底面図である。
図6】同上吸込口体の、図3に示すA-A線による断面図である。
図7】同上吸込口体の、図3に示すB-B線による断面図である。
図8】本発明の他の実施形態に係る電気掃除機に備わる吸込口体を前進方向に対して左斜め前方から見た状態で示す斜視図である。
図9】同上吸込口体を上方から見た状態で示す平面図である。
図10】同上吸込口体を下方から見た状態で示す底面図である。
図11】同上吸込口体を左方から見た状態で示す側面図である。
図12】同上吸込口体に備わる第1および第2検知部の構成を模式的に示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に添付の図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
【0010】
(電気掃除機の全体構成)
図1は、本発明の一実施形態に係る電気掃除機Cの全体的な構成を示す斜視図である。
【0011】
本実施形態において、電気掃除機Cは、いわゆるスティック掃除機であり、掃除機本体1と、吸込口体2と、延長管3と、を備える。掃除機本体1は、本体ケース11に電動送風機12を内蔵するとともに、集塵部13を備える。電気掃除機Cは、電動送風機12が生じさせる負圧を、延長管3を介して吸込口体2に波及させ、掃除対象面F上に存在する塵埃を吸込口体2に吸い込ませるとともに、吸込口体2に吸い込まれた塵埃を、延長管3を介して掃除機本体1に吸入し、掃除機本体1の集塵部13に集積する。掃除対象面Fは、例えば、家屋の床面である。
【0012】
ここで、吸込口体2に吸い込まれる塵埃を含む空気を「含塵空気」という。掃除機本体1に吸入された含塵空気は、集塵部13で空気と塵埃とに分離され、塵埃は、集塵部13に蓄積される一方、空気は、集塵部13を通過して、電動送風機12を介して本体ケース11に備わる排気口(図示せず)から掃除機本体1の外部に排出される。
【0013】
掃除機本体1において、本体ケース11は、電動送風機12の収容室を有するとともに、流入口が形成された本体接続部111を有し、流入口から集塵部13を介して排気口に至る流通路(図示せず)が内部に形成されている。本体ケース11は、使用者が電気掃除機Cを使用して掃除を行う際に手に持つことができる把持部112を備えるとともに、把持部112またはその近傍に操作部113を備え、さらに、本体制御部14を内蔵する。図1は、電動送風機12および本体制御部14の外形を、点線により模式的に示す。
【0014】
操作部113は、使用者が親指を除く4本の指で把持部112を持った状態で、残りの親指で操作可能な範囲に設けられ、使用者の操作に応じた電気信号を本体制御部14に送信する。本実施形態において、操作部113は、運転開始スイッチ113aと、運転モード切替スイッチ113bと、ブラシ操作スイッチ113cと、を備え、運転開始スイッチ113aにより電気掃除機Cの運転および停止が切り替えられ、運転モード切替スイッチ113bにより電動送風機12の負荷、換言すれば、吸込口体2を介して吸い込まれる空気の流量が切り替えられる。ブラシ操作スイッチ113cは、後に述べる電動機231、232に対する電源のオンおよびオフを切り替えることにより、回転清掃体221、222の作動および停止を切り替えるものである。
【0015】
本体制御部14は、掃除機本体1に制御回路板として実装され、本体ケース11に設けられた収容室に配置されている。本体制御部14は、マイクロプロセッサ、入出力インターフェイスおよび各種の記憶装置を備え、操作部113および各種のセンサからの電気信号をもとに予め記憶された所定の演算を実行し、指令信号を生成する。
【0016】
本実施形態において、本体制御部14は、特にブラシ操作スイッチ113cがオン状態にあり、回転清掃体221、222を作動させて掃除を行う際に、掃除対象面Fの種類に応じて電動機231、232の運転モードを切り替える制御を実行する。本体制御部14は、本実施形態に係る「制御部」に相当する。
【0017】
集塵部13は、本体ケース11に対して着脱可能であり、吸込口体2を介して掃除機本体1に吸入された含塵空気を、質量の違いを利用して、例えば、遠心分離の作用により空気と塵埃とに分離し、塵埃を収集する。集塵部13に収集された塵埃は、本体ケース11から集塵部13を取り外すことにより、廃棄することが可能である。
【0018】
以上に加え、掃除機本体1は、電源として二次電池15を備える。二次電池15は、本体ケース11に収容され、電動送風機12および本体制御部14に供給される電力を蓄積する。本実施形態において、二次電池15は、本体ケース11に対して着脱可能であり、本体ケース11に装着された状態で、本体ケース11に設けられた端子を介して電動送風機12等に電力を供給する。
【0019】
電動送風機12は、掃除機本体1の内部に形成された収容室に配置され、二次電池15を電源として作動する。電動送風機12は、ケースと、ファンと、モータと、を備え、ファンとモータとがケースに収容されて一体に構成されている。電動送風機12は、本体制御部14からの指令信号を入力し、指令信号に応じてモータが作動することで、その回転動力によりファンが回転し、吸込口体2に及ぼす負圧を生じさせる。
【0020】
吸込口体2は、掃除機ヘッドとも呼ばれ、掃除対象面Fに積もる塵埃を吸い込む際に含塵空気が通過する吸込口21aを有する。吸込口体2は、回転清掃体221、222を収容するとともに、回転清掃体221、222の駆動源である電動機231、232およびその回転動力を回転清掃体221、222に伝達させる動力伝達体241、242を内蔵する。
【0021】
本実施形態において、回転清掃体221、222、電動機231、232および動力伝達体241、242は、夫々一対ずつ設けられている。一対の回転清掃体(第1回転清掃体221、第2回転清掃体222)のそれぞれは、吸込口体2が掃除対象面F上に置かれた状態で外周部221a、222aが掃除対象面Fに接触する。そして、回転清掃体221、222は、回転に伴ってその外周部221a、222aが掃除対象面F上の塵埃を掃き出すことで、掃除対象面Fから吸込口21aへ向けた塵埃の移動を促進する。
【0022】
延長管3は、掃除機本体1と吸込口体2との間に介在し、掃除機本体1に対し、吸込口体2を、電動送風機12が生じさせた負圧を吸込口体2の吸込口21aに作用させるように接続する。換言すれば、延長管3は、吸込口体2の吸込口21aおよびケース21内部の流通路を本体ケース11の流入口に対して流体的に接続する。本実施形態において、延長管3は、硬質プラスチック等の合成材料により長尺の管状に形成され、掃除機本体1および吸込口体2のそれぞれに対して着脱可能である。ここで、接続部25は、吸込口体2に付随する要素であるが、解釈上、延長管3とこの接続部25とが、本実施形態に係る「風路体」を構成するものとする。そして、後に述べる継手部26は、吸込口体2に対する風路体の「接続部」に相当するものとする。
【0023】
電気掃除機Cは、スティック掃除機として使用するだけでなく、掃除機本体1から延長管3を取り外し、掃除機本体1に対して吸込口体2を直接取り付けることで、ハンディタイプの掃除機として使用することも可能である。
【0024】
(吸込口体の構成)
図2は、本実施形態に係る電気掃除機Cに備わる吸込口体2を前進方向に対して左斜め前方から見た状態で示す斜視図である。図3は、吸込口体2を上方から見た状態で示す平面図であり、図4は、吸込口体2を、ケース21のケース上部211を外した状態で示す分解平面図であり、図5は、吸込口体2を下方から見た状態で示す底面図である。
【0025】
図2に示すように、吸込口体2に関して「前」または「前方」とは、吸込口体2の前進方向に対する前または前方をいい、「後」または「後方」とは、吸込口体2の前進方向に対する後または後方をいう。吸込口体2の「前進方向」とは、掃除機本体1の把持部112を持ち、延長管3を介して吸込口体2を前方に押した場合に吸込口体2が進行する方向をいう。
【0026】
同様に、吸込口体2に関して「右」または「右方」とは、吸込口体2の前進方向に対する右または右方をいい、「左」または「左方」とは、吸込口体2の前進方向に対する左または左方をいう。さらに、「上」または「上方」とは、鉛直方向における上または上方をいう。吸込口体2が掃除対象面F上に置かれた状態で、吸込口体2は、ケース21の上面が上方を向く。「下」または「下方」とは、鉛直方向における下または下方をいう。吸込口体2が掃除対象面F上に置かれた状態で、吸込口体2は、ケース21の裏面21rが下方を向く。
【0027】
そして、吸込口体2の「進行方向」というときは、吸込口体2が前方に移動する場合の方向と、後方に移動する場合の方向と、の双方が含まれる。つまり、「進行方向」と「前進方向」とは、異なる概念であり、吸込口体2の前進方向は、吸込口体2が前進する際の進行方向と言い換えることができ、吸込口体2の後退方向は、吸込口体2が後退する際の進行方向と言い換えることができる。
【0028】
図6は、吸込口体2の、図3に示すA-A線による断面図であり、図7は、吸込口体2の、図3に示すB-B線による断面図である。A-A線は、吸込口体2を左右に二分する中心線(以下「吸込口体の中心線」という)と上下方向に重なり合う。
【0029】
図6および図7を適宜に参照しながら、図2から図5に基づき、吸込口体2の構成についてさらに説明する。
【0030】
吸込口体2は、掃除対象面F上を走行または滑走可能であり、掃除を行う使用時の状態、つまり、吸込口体2のケース21の裏面21r、本実施形態では、ケース下部212の裏面を掃除対象面Fに対向させた状態で掃除対象面Fに向く吸込口21aを有する。吸込口21aは、左右方向D2に長く形成され(図3)、左右方向D2における吸込口体2の略中央に設けられた連通口に繋がる。吸込口21aは、開放端からこの連通口に向け、含塵空気が吸い込まれる際の流れの方向に流路面積が窄まるノズル状をなす。
【0031】
吸込口体2は、ケース21と、回転清掃体221、222と、電動機231、232と、動力伝達体241、242と、接続管25と、を備えるとともに、電動機231、232の制御部301を備え、ケース21は、回転清掃体221、222、電動機231、232、動力伝達体241、242および制御部301の収容室を内部に有する。
【0032】
換言すれば、回転清掃体221、222、電動機231、232、動力伝達体241、242および制御部301は、ケース21の内部において、それぞれの収容室に納められている(以下、回転清掃体221、222の収容室を「ブラシ室」といい、電動機231、232の収容室を「モータ室」といい、動力伝達体241、242の収容室を「ベルト室」という場合がある)。電動機231、232は、ケース21の内部に限らず、回転清掃体221、222の内部に収容することも可能である。例えば、回転清掃体221、222のうち、回転軸の内部に電動機231、232の収容室を形成し、電動機231、232をこの収容室に収容するのである。さらに、電動機231,232は、回転清掃体221、222の回転軸を支持する軸受けの内部に収容することも可能である。
【0033】
ケース21と接続管25とは、左右方向D2におけるケース21の略中央に設けられた継手部26を介して互いに接続され、接続管25は、ケース21に接続された状態で、ケース21に対し、前後方向D1の第1軸を中心として左右に揺動可能であるとともに、第1軸に対して垂直な第2軸を中心として上下に回転可能である。
【0034】
ケース21は、ケース上部211と、ケース下部212と、ケース内壁213と、を備える(図6)。ケース上部211、ケース下部212およびケース内壁213は、別体の部品として同一のまたは異なる材料により作成され、互いに組み立てられることにより、全体としてケース21を構成する。さらに、ケース上部211、ケース下部212およびケース内壁213は、各部に持たせる機能または製造上の都合等に応じて夫々適宜の部品ないし部分に分割して形成することが可能である。
【0035】
例えば、ケース上部211は、前後方向D1の中間に位置し、ケース上部211の幅全体に亘って延在する中間部211aと、中間部211aに対して前方に連なる前カバー部211bと、後方に連なる後カバー部211cと、に分割して形成することができ、前カバー部211bと後カバー部211cとのそれぞれに透過性を持たせることで、前カバー部211bにより被覆される回転清掃体(第1回転清掃体)221の状態を外部から視認可能とするとともに、後カバー部211cにより被覆される回転清掃体(第2回転清掃体)222の状態を外部から視認可能とすることができる。これにより、ケース21に収まる回転清掃体221、222に糸屑等の異物が絡まっていることを確認し、これを取り除く等の措置を適時にとることが可能となる。
【0036】
ケース21は、上方から見た平面視で左右方向D2に長い矩形状をなし、ケース上部211およびケース下部212は、いずれもケース21の左右方向D2における寸法、つまり、ケース21の幅全体に亘って延在する。
【0037】
ケース上部211は、ケース下部212に対して上方から被さることで、ケース下部212の全体を包囲する。そして、ケース上部211は、ケース下部212と組み合わされることで、ケース下部212との間にケース21の内部空間を形成する。ケース21は、ケース内壁213により、内部空間が適宜に区画されるとともに、強度確保上必要な補強がなされている。
【0038】
本実施形態において、ケース21は、吸込口21aを有し、吸込口21aの狭窄部である連通口は、左右方向D2におけるケース21の略中央に設けられている。ケース21の内部空間がケース内壁213により区画されることで、ケース21の内部に、吸込口21aから続く含塵空気の吸込室21bが形成されるほか、回転清掃体221、222の収容室R1(R11、R12)、電動機231、232の収容室R2(R21、R22)、動力伝達体241、242の収容室R3(R31、R32)および制御部301の収容室が形成されている。
【0039】
図6に示すように、吸込室21bは、ケース下部212のうち、ケース21の裏面21rを形成する平坦部から起立し、さらに、前方に延びる延設部と、ケース内壁213と、により画成され、吸込口21aから続く、ケース21内部の通風路を形成する。吸込室21bの上流端は、吸込口21aに隣接し、本実施形態では、一対の回転清掃体221、222の間に配置されている。
【0040】
ここで、吸込室21bの上流端は、前後方向D1において、ケース内壁213の垂下部213aと、ケース下部212の延設部に連なる垂下部212aと、により画成されている。ケース内壁213の垂下部213aは、一対の回転清掃体のうち、吸込口21aの前方に備わる第1回転清掃体221を収容する第1ブラシ室R11の一部を形成し、ケース下部212の垂下部212aは、吸込口21aの後方に備わる第2回転清掃体222を収容する第2ブラシ室R12の一部を形成する。この意味で、垂下部212a、213aは、第1および第2ブラシ室R11、R12を画成するケース21内部の隔壁部と呼ぶことができる。
【0041】
図4に示すように、回転清掃体221、222の収容室、つまり、ブラシ室R11、R12は、吸込口21aを前後から挟む、左右方向D2に長い空間として形成されている。本実施形態において、前方の第1回転清掃体221を収容する第1ブラシ室R11は、ケース上部211の前カバー部211bと、ケース内壁213のうち、垂下部213aおよびその前方に連なる部分と、により形成されている(図6)。他方で、後方の第2回転清掃体222を収容する第2ブラシ室R12は、ケース下部212の延設部および垂下部212aにより形成されている。
【0042】
電動機231,232の収容室、つまり、モータ室R21、R22は、吸込室21bを左右から挟む空間として、ケース21の左半部と右半部とのそれぞれに形成されている。図7をさらに参照すると、本実施形態において、左方の第1電動機231を収容する第1モータ室R21と、右方の第2電動機232を収容する第2モータ室R22と、のそれぞれは、ケース上部211の中間部211aと、ケース内壁213と、により形成され、ケース内壁213により、第1および第2ブラシ室R11、R12から隔てられている。
【0043】
動力伝達体24の収容室、つまり、ベルト室R31、R32は、対応する電動機231、232に対して左右方向D2の外側に、互いに前後方向D1にずらして形成されている。本実施形態において、第1電動機231に対応する第1動力伝達体241を収容する第1ベルト室R31は、前後方向D1におけるケース21の中心に対して前方にずらして形成され、第2電動機232に対応する第2動力伝達体242を収容する第2ベルト室R32は、前後方向D1におけるケース21の中心に対して後方にずらして形成されている。
【0044】
さらに、制御部301の収容室R4は、第1モータ室R21と第2モータ室R22との間に形成されるとともに、第1および第2モータ室R21、R22に対し、第1および第2電動機231、232を夫々支持するケース内壁により隔てられている。本実施形態において、制御部301の収容室R4は、左右方向D2におけるケース21の略中央にあり、吸込口体2の中心線に対して上下方向に重なり合う。
【0045】
以上に加え、図5に示すように、吸込口体2は、一対の前方支持輪27a、27bを備えるとともに、後方支持輪28を備える。これらの支持輪27a、27b、28は、掃除対象面Fに対して吸込口体2を支持し、掃除を行う際にケース21の裏面21rが掃除対象面Fから離間した状態を維持することで、掃除対象面F上での吸込口体2の円滑な走行を促す。前方支持輪27a、27bおよび後方支持輪28は、本実施形態に係る「支持部」を構成する。
【0046】
本実施形態において、前方支持輪27a、27bおよび後方支持輪28は、いずれも回転軸の向きが固定された固定輪である。前方支持輪27a、27bおよび後方支持輪28の回転軸は、左右に延びる方向に固定されている。前方支持輪27a、27bは、前後方向D1におけるケース21の略中央において、吸込口21aを左右から挟むように配置されている。他方で、後方支持輪28は、ケース下部212の後方、具体的には、接続管25の下方において、継手部26よりも後方に配置されている。このように、前方支持輪27a、27bおよび後方支持輪28は、ケース21の裏面21rを下方から見た状態で、三角形の頂点に相当する位置にあり、後方支持輪28は、左右方向D2において、一対の前方支持輪27a、27bの略中央に配置されている。さらに、本実施形態では、前方支持輪27a、27bおよび後方支持輪28夫々の外周面、つまり、掃除対象面Fとの接地面に起毛布等、低摩擦素材のシート(図示せず)が貼り付けられている。これにより、吸込口体2を前方支持輪27a、27bおよび後方支持輪28の回転軸に対して平行な方向、換言すれば、左右方向D2に移動させる際の摩擦抵抗を低減し、フローリング材の床面等を掃除する際の軽快な操作性を実現可能とする。
【0047】
(回転清掃体および動力伝達機構の構成)
回転清掃体、つまり、第1回転清掃体221および第2回転清掃体222は、全体として軸方向に長い円筒状をなし、ケース21に設けられたそれぞれの収容室、つまり、第1ブラシ室R11、第2ブラシ室R12に収容されている。第1および第2回転清掃体221、222は、収容されているブラシ室R11、R12を左右方向D2に横断する長さを有する回転軸と、回転軸の外周に螺旋状に形成された清掃体と、を備え、ケース21に対し、回転軸のそれぞれの軸端部に設けられた軸受けを介して支持されている。第1および第2回転清掃体221、222は、ケース21に支持された状態で、その外周部221a、222a、具体的には、清掃体の先端部が掃除対象面Fに接触する。
【0048】
第1および第2回転清掃体221、222は、さらに、一方の軸端部にプーリが取り付けられている。第1および第2回転清掃体221、222に設けられるプーリは、次に述べる電動機231、232に設けられるプーリを駆動側として、従動側に位置する。
【0049】
電動機、つまり、第1電動機231および第2電動機232は、対応する回転清掃体221、222の駆動源を構成し、掃除機本体1に備わる二次電池15から電力の供給を受けて作動する。第1および第2電動機231、232は、第1モータ室R21、第2モータ室R22において、出力軸を回転清掃体221、222の回転軸と平行にして収容され、出力軸には、プーリが取り付けられている。第1および第2電動機231、232に設けられるプーリは、回転清掃体221、222に設けられるプーリとの関係において、駆動側に位置する。
【0050】
動力伝達体、つまり、第1動力伝達体241および第2動力伝達体242は、対応する電動機231、232と回転清掃体221、222との間に介在して、電動機231、232の回転動力を、対応する回転清掃体221、222に伝達させる。本実施形態において、第1および第2動力伝達体241、242は、無端ベルトであり、電動機231、232に取り付けられた駆動プーリと、回転清掃体221、222に取り付けられた従動プーリと、に掛け渡されている。
【0051】
本実施形態において、第1回転清掃体ないし第1回転ブラシ221は、「第1回転清掃体」を構成し、その外周部221aは、「第1外周部」に相当する。第2回転清掃体ないし第2回転ブラシ222は、「第2回転清掃体」を構成し、その外周部222aは、「第2外周部」に相当する。
【0052】
さらに、第1電動機ないし第1モータ231は、「第1電動機」を構成し、第2電動機ないし第2モータ232は、「第2電動機」を構成する。第1電動機231と第2電動機232とは、互いに独立に駆動可能であり、対応する回転清掃体221、222に対し、互いに独立に回転動力を伝達させる。つまり、本実施形態において、制御部301は、第1電動機231と第2電動機232とのそれぞれに対し、互いに独立に指令信号を出力可能である。
【0053】
(回転清掃体の動作モードの切り替え)
先に述べたように、本体制御部14は、ブラシ操作スイッチ113cがオン状態にあり、第1回転清掃体221および第2回転清掃体222を作動させて掃除を行う際に、掃除対象面Fの種類に応じて第1および第2電動機231、232の運転モードを切り替える制御を実行する。
【0054】
これを実現するための構成として、本実施形態では、本体制御部14に加え、掃除対象面Fの種類を検知する第1検知部と、吸込口体2の進行方向、つまり、吸込口体2が前進時にあるか、後退時にあるかを検知する第2検知部と、が設けられている。
【0055】
第1検知部は、第1回転清掃体221および第2回転清掃体222が動作時に掃除対象面Fから受ける抵抗、つまり、掃除対象面Fが第1および第2回転清掃体221、222に対してその回転に抗して及ぼす接触抵抗(以下「回転清掃体に対する掃除対象面の接触抵抗」といい、単に「接触抵抗」という場合がある)に基づき、掃除対象面Fの種類を検知する。具体的には、第1および第2回転清掃体221、222に対する掃除対象面Fの接触抵抗を検出し、これを予め設定され、本体制御部14に記憶された所定値と比較する。そして、検出された接触抵抗が所定値よりも大きい場合に、掃除対象面Fが第1種類の掃除対象面であることを検知する一方、所定値以下である場合に、掃除対象面Fが第2種類の掃除対象面であることを検知する。
【0056】
第1種類の掃除対象面Fは、吸込口体2を移動させる際に把持部112を前方に押しまたは後方に引く使用者の手が、延長管3を介して受ける抵抗が大きい床面として、絨毯等、カーペットを敷いた床面により例示することが可能である。この「使用者の手が、延長管を介して受ける抵抗」は、吸込口体2の移動抵抗ないし走行抵抗と言い換えることが可能である。他方で、第2種類の掃除対象面Fは、同様に把持部112を持つ使用者の手が受ける抵抗が小さい床面として、フローリング材や畳等の床面により例示することが可能である。ただし、第1種類および第2種類の掃除対象面Fの例示は、これに限定されるものではない。
【0057】
本体制御部14は、掃除対象面Fが第1種類の掃除対象面である場合、例えば、電気掃除機Cにより毛足の長い絨毯を敷いた床面を掃除する場合に、第1回転清掃体221と第2回転清掃体222との接触抵抗により、この接触抵抗に対する反力をもって吸込口体2の進行方向に向けた走行を補助するように、第1および第2電動機231、232を作動させ、第1および第2回転清掃体221、222を回転させる。
【0058】
具体的には、第1および第2回転清掃体221、222を互いに反対方向に回転させるとともに、第1および第2回転清掃体221、222のうち、進行方向に対して順方向に回転する一方の回転清掃体を、進行方向に対して逆方向に回転する他方の回転清掃体よりも高い速度で回転させる。
【0059】
例えば、吸込口体2を前進させる場合に、前方の第1回転清掃体221を進行方向に対して順方向に回転させる一方、後方の第2回転清掃体222を進行方向に対して逆方向に回転させ、第1回転清掃体221の回転数を第2回転清掃体222の回転数よりも上昇させる。両者の回転清掃体221、222の回転数の差により、吸込口体2に対して前進方向に働く推進力と後退方向に働く推進力とに差が生じ、吸込口体2の走行を補助することが可能である。
【0060】
他方で、掃除対象面Fが第2種類の掃除対象面である場合、例えば、電気掃除機Cにより表面が円滑なフローリング材の床面を掃除する場合に、第1回転清掃体221と第2回転清掃体222とのそれぞれが掃除対象面Fの接触抵抗により吸込口体2に及ぼす推進力が釣り合うように、第1および第2回転清掃体221、222を互いに反対方向に回転させる。
【0061】
例えば、吸込口体2を前進させる場合に、前方の第1回転清掃体221を進行方向に対して順方向に回転させる一方、後方の第2回転清掃体222を進行方向に対して逆方向に回転させ、さらに、第1回転清掃体221が吸込口体2に対して前進方向に及ぼす推進力と、第2回転清掃体222が吸込口体2に対して後退方向に及ぼす推進力とを釣り合わせる。
【0062】
ここで、第1および第2回転清掃体221、222のそれぞれが吸込口体2に及ぼす推進力を釣り合わせる制御は、第1回転清掃体221と第2回転清掃体222とを互いに反対方向に、略等しい速度で回転させる制御として、簡易に実現することが可能である。
【0063】
そして、第1検知部および第2検知部は、第1電動機231、第2電動機232の負荷を検出する負荷センサにより具現可能である。
【0064】
負荷センサは、第1電動機231および第2電動機232のそれぞれに実際にかかる負荷を、電動機231、232夫々の出力軸を介して検出するものであってもよいが、第1および第2電動機231、232の負荷が、第1および第2電動機231、232に流れる電流により代用可能であることから、例えば、第1および第2電動機231、232に設置された電流センサにより置換することが可能である。
【0065】
さらに、第1および第2電動機231、232に流れる電流を検出するだけでなく、第1および第2電動機231、232に対する制御上の指令値、つまり、駆動電流値に基づき、第1および第2電動機231、232の負荷を推定することも可能である。
【0066】
具体的には、電動機231、232の駆動電流値が第1種類の掃除対象面Fに適合させてある場合は、吸込口体2が第2種類の掃除対象面Fを走行する際に、回転清掃体221、222に対する接触抵抗により電動機231、232にかかる負荷が減少し、駆動電流値が低下して、所定値を下回ることで、掃除対象面Fが第2種類のものであることを検知する。他方で、電動機231、232の駆動電流値が第2種類の掃除対象面Fに適合させてある場合は、吸込口体2が第1種類の掃除対象面Fを走行する際に、回転清掃体221、222に対する接触抵抗により電動機231、232にかかる負荷が増加し、駆動電流値が増大して、所定値を上回ることで、掃除対象面Fが第1種類のものであることを検知する。
【0067】
(作用および効果)
本実施形態に係る吸込口体2および電気掃除機Cは、以上の構成を有し、以下に、本実施形態により得られる効果について説明する。
【0068】
第1に、掃除対象面Fの種類によらず、電気掃除機Cをより便利に使用することが可能となる。具体的には、絨毯等のカーペットを敷いた床面を掃除する場合は、第1検知部により掃除対象面Fが第1種類のものであることを検知し、第1回転清掃体221と第2回転清掃体222とに対する掃除対象面Fの接触抵抗により吸込口体2の進行方向に向けた走行を補助するように、第1および第2回転清掃体221、222を回転させる。他方で、フローリング材や畳等の床面を掃除する場合は、掃除対象面Fが第2種類のものであることを検知し、第1回転清掃体221と第2回転清掃体222とのそれぞれが掃除対象面Fの接触抵抗により吸込口体2に及ぼす推進力が釣り合うように、第1および第2回転清掃体221、222を互いに反対方向に回転させる。
【0069】
このように、第1および第2回転清掃体221、222に対する接触抵抗が比較的に大きい第1種類の掃除対象面Fを掃除する場合は、例えば、吸込口体2に対し、第1および第2回転清掃体221、222により走行抵抗よりも大きな推進力を生じさせる一方、接触抵抗が比較的に小さい第2種類の掃除対象面Fを掃除する場合は、吸込口体2が走行の際に回転清掃体221、222と掃除対象面Fとの摩擦により受ける抵抗を減少させ、好ましくは、これをなくすことができる。ここで、前方支持輪27a、27bおよび後方支持輪28の外周面に起毛布等、低摩擦素材のシートを貼り付けることで、吸込口体2を左右方向D2に動かす際の抵抗を低減し、フローリング材の床面等を掃除する際の軽快な操作性を実現することが可能である。
【0070】
これにより、掃除対象面Fの種類に応じた吸込口体2の操作性の悪化を抑制し、電気掃除機Cの利便性の向上を図ることが可能となる。
【0071】
ここで、掃除対象面Fが第2種類のものである場合に、第1および第2回転清掃体221、222を互いに略等しい速度で回転させることで、フローリング材や畳の床面等、第2種類の掃除対象面Fを掃除する際の第1および第2電動機231、232の制御が容易となる。
【0072】
さらに、掃除対象面Fの種類および吸込口体2の進行方向を第1または第2電動機231、232の負荷に基づき、検知することで、特別なセンサ等の追加を必要とせず、部品点数の増加を抑制することができる。
【0073】
例えば、掃除対象面Fが第1種類のものであることは、第1および第2回転清掃体221、222に対する掃除対象面Fの接触抵抗が大きいことから、第1および第2電動機231、232の負荷が相対的に大きいことに基づき、検知することが可能である。
【0074】
そして、吸込口体2の進行方向が前進方向であることは、例えば、掃除対象面Fが第1種類のものである場合に、前進方向に対して逆方向に回転する回転清掃体を介して電動機にかかる負荷が、順方向に回転する回転清掃体を介して電動機にかかる負荷よりも相対的に大きいことに基づき、検知することが可能である。
【0075】
さらに、吸込口体2の進行方向は、吸込口体2の前進時と後退時とで、2つの回転清掃体221、222のうち、進行方向の前方(具体的には、前進時の前方または後退時の後方)に備わる回転清掃体に対して掃除対象面Fに押し付けられる方向に働く力が相対的に大きくなることによっても検知することが可能である。
【0076】
例えば、吸込口体2を前進させる場合は、掃除対象面Fに対して前方の第1回転清掃体221がより強く押し付けられる傾向にあることから、第1回転清掃体221を駆動する第1電動機231に対する負荷が相対的に大きいことに基づき、吸込口体2の進行方向が前進方向であることを検知する。
【0077】
掃除対象面Fが第1種類のものである場合に、第1回転清掃体221と第2回転清掃体222とを互いに反対方向に回転させることで、掃除対象面Fに積もる塵埃の効率的な掃き出しを実現しながら、第1および第2回転清掃体221、222のうち、進行方向に対して順方向に回転する回転清掃体を逆方向に回転する回転清掃体よりも高い速度で回転させることで、吸込口体2の進行方向に向けた走行を補助することが可能となる。
【0078】
吸込口体2の走行を補助する制御は、これに限定されるものではなく、第1回転清掃体221と第2回転清掃体222とを、吸込口体2の進行方向に対して順方向となる同一方向に回転させることによっても具現可能である。例えば、吸込口体2を前進させる場合に、前方の第1回転清掃体221と後方の第2回転清掃体222とを、いずれも進行方向に対して順方向に回転させるのである。
【0079】
このように、第1および第2回転清掃体221、222をいずれも吸込口体2の進行方向に対して順方向となる同一方向に回転させることで、吸込口体2の進行方向に向けた走行をより積極的に補助することが可能となる。
【0080】
(他の実施形態)
図8は、本発明の他の実施形態に係る電気掃除機Cに備わる吸込口体2’を前進方向に対して左斜め前方から見た状態で示す斜視図であり、図9は、吸込口体2’を上方から見た状態で示す平面図であり、図10は、吸込口体2’を下方から見た状態で示す底面図であり、図11は、吸込口体2’を左方から見た状態で示す側面図である。
【0081】
図8に前後、左右、上下として示す方向の意義は、先の実施形態と同様であり、例えば、本実施形態に係る吸込口体2’に関して「前」または「前方」とは、吸込口体2’の前進方向に対する前または前方をいい、「右」または「右方」とは、吸込口体2’の前進方向に対する右または右方をいう。
【0082】
そして、図8から図11の各図において、先の実施形態に係る吸込口体2と同様の機能を有するかまたは対応する要素には図2等に示すのと同様の符号を付し、説明の重複を回避する。
【0083】
本実施形態において、吸込口体2’以外の構成は、先の実施形態に係る電気掃除機Cと同様である。換言すれば、吸込口体2‘は、先の実施形態に係る電気掃除機Cにおいて、吸込口体2に代えて使用することが可能である。
【0084】
本実施形態に係る吸込口体2‘は、先の実施形態に係る吸込口体2に対し、概して、以下の点で相違する。以下に特に掲げる相違点は、説明を目的とするものであり、細かな点を含めればこれに限定されるものでないことは、勿論である。
【0085】
第1は、ケース21の裏面21rに設けられる3つの支持輪、具体的には、一対の前方支持輪27a’、27b’と後方支持輪28’とを、ケース21の裏面21rを下方から見た状態で三角形の頂点に位置する部位に配置するとともに、ケース21に対する接続管25の接合部である継手部26’を、掃除対象面Fまたは水平面に平行な平面方向において、これら3つの支持輪27a’,27b’,28’を頂点とする三角形の内側に配置した点である。
【0086】
本実施形態では、図10および図11に示すように、一対の前方支持輪27a、27bを吸込口21aよりも前方に配置するとともに、後方支持輪28’を吸込口21aよりも後方に配置し、継手部26’を、これら3つの支持輪27a’,27b’,28’を頂点とする三角形の内側に配置する。継手部26’は、ケース21に対し、接続管25を、前後方向D1の第1軸を中心として左右に揺動可能に接続するとともに、第1軸に対して垂直な第2軸を中心として上下に回転可能に接続する。継手部26’は、これに限定されるものではなく、左右方向D2の軸を中心として上下に回転可能に接続するものであってもよいし、自在継手状の構造をなして、上下および左右の全方向に動作可能に接続するものであってもよい。継手部26’は、本実施形態に関する解釈上、「風路体」の接続部を構成する。
【0087】
これに付随して、本実施形態では、継手部26’の前方に配置される前方支持輪27a’、27b’と、接続管25の下方において、継手部26’の後方に配置される後方支持輪28’とを、いずれも自在輪とし、前方支持輪27a’、27b’および後方支持輪28’夫々の回転軸を、鉛直方向の軸を中心として旋回可能とする。
【0088】
このように、吸込口体2’に対する接続管25の接合部、つまり、継手部26’を、3つの支持輪27a’、27b’、28’を頂点とする三角形の内側に配置することで、吸込口体2’の操作に際して延長管3から伝わる力をこれら3つの支持輪27a’、27b’、28’に良好に分散させ、掃除対象面Fに対して吸込口体2’を確りと支持することが可能となる。
【0089】
さらに、3つの支持輪27a’、27b’、28’のうち、少なくとも2つ、本実施形態では、全ての支持輪27a’、27b’、28’を自在輪とすることで、前後方向D1の移動だけでなく、左右方向D2の移動にも容易に対応可能とし、より高い操作性を実現することが可能となる。
【0090】
第2は、ケース21の裏面21r側に、ケース21の裏面21rから突出する回転ローラ311を設置し、この回転ローラ311の動作に基づき、掃除対象面Fの種類および吸込口体2’の進行方向を検知するようにした点である。つまり、本実施形態において、回転ローラ311は、第1検知部と第2検知部とで共用の要素である。回転ローラ311の動作に基づき、掃除対象面Fが第1種類の掃除対象面であることを検知するとともに、吸込口体2’の進行方向が前進方向であるか、後退方向であるかを検知することが可能である。
【0091】
図12は、吸込口体2’に備わる第2検知部の構成を模式的に示す概略図である。
【0092】
第2検知部は、第1検知部との共用の要素として回転ローラ311を備えるとともに、回転ローラ311に対し、同期して回転可能に連結された反射ローラ312を備える。図11に示すように、回転ローラ311は、支持輪27a’、27b’、28’の接地点よりもケース21の裏面21rに近い位置にあり、吸込口体2’がフローリング材の床面等、硬質な床面F上に置かれた場合に、支持輪27a’、27b’、28’は、床面Fに対して接地点で接する一方、回転ローラ311は、床面Fから離れた状態を維持する。図11は、床面Fと回転ローラ311との間の隙間を符号gにより示す。他方で、回転ローラ311は、吸込口体2’が絨毯を敷いた床面等、軟質な床面F上に置かれた場合に、床面Fに接触し、床面Fとの摩擦により、吸込口体2’の移動に応じて回転する。
【0093】
反射ローラ312は、第1反射ローラ312aと第2反射ローラ312bとを有し、第1反射ローラ312aと第2反射ローラ312bとは、互いに固着されている。第1反射ローラ312aの外周面と第2反射ローラ312bの外周面とには、夫々周方向に180°の範囲に亘って反射部s1が形成され、反射部s1を除く180°の範囲には、非反射部s2が形成されている。第1反射ローラ312aの反射部s1と第2反射ローラ312bの反射部s1とは、周方向の位相が互いに90°ずらされている。
【0094】
さらに、第1反射ローラ312aの外周面に近接して第1フォトセンサ321aが設置され、第2反射ローラ312bの外周面に近接して第2フォトセンサ321bが設置されている。第1および第2フォトセンサ321a、321bは、対応する反射ローラ312a、312bの反射部s1に対向する場合に、ハイ(H)信号を出力し、非反射部s2に対向する場合に、ロー(L)信号を出力する。第1および第2フォトセンサ321a、321bの検出信号は、延長管3を介して配線された信号線を通じて本体制御部301に送信される。
【0095】
本体制御部301は、第1および第2フォトセンサ321a、321bから出力される検出信号の挙動に基づき、吸込口体2’の進行方向を検知する。例えば、第1フォトセンサ321aから出力される検出信号の、L信号からH信号への立ち上がりを、第2フォトセンサ321bからH信号が出力されている間に検出した場合に、回転ローラ311の回転方向が正転方向であり、吸込口体2’の進行方向が前進方向であることを検知する。他方で、第1フォトセンサ321aから出力される検出信号の立ち上がりを、第2フォトセンサ321bからL信号が出力されている間に検出した場合に、回転ローラ311の回転方向が逆転方向であり、吸込口体2’の進行方向が後退方向であることを検知する。
【0096】
第2検知部は、このようにして吸込口体2’の進行方向を検知する。そして、第1検知部は、回転ローラ311が回転しているか、停止しているかにより、掃除対象面Fが比較的に軟質な第1種類のものであるか、比較的に硬質な第2種類のものであるか、を検知することが可能である。
【0097】
本実施形態において、回転ローラ311は、「転動体」に相当し、第1検知部の「可動部」を構成する。
【0098】
このように、第1検知部と第2検知部とを共用の構成、具体的には、回転ローラ311を含む構成により実現することで、構成の簡略化およびコストの低減を促すことが可能となる。さらに、構成の共用化により、第1および第2検知部が占める空間または面積を削減するとともに、重量の削減により更なる操作性の向上を図ることができる。
【0099】
以上の説明では、電気掃除機としてスティックタイプのものを採用したが、採用可能な電気掃除機は、これに限定されるものではなく、キャニスター掃除機またはアップライト掃除機等、吸込口体を備える各種の電気掃除機を採用することが可能である。
【0100】
さらに、以上の説明では、電気掃除機の電源として二次電池を採用したが、電気掃除機の電源は、これに限定されるものではなく、商用交流電源であってもよい。
【0101】
電動機(第1電動機、第2電動機)の運転モードを切り替える制御は、掃除機本体に備わる制御部(本体制御部)に限らず、吸込口体に備わる制御部により具現することも可能である。
【0102】
掃除対象面Fの種類は、上記以外に、ケース21の裏面21rに接触センサまたは光学センサを設置することによっても検知することが可能である。つまり、ケース21の裏面21rと掃除対象面Fとの相対的な距離関係に基づき、掃除対象面Fの種類が第1種類であるか、第2種類であるかを検知するのである。例えば、ケース21の裏面21rに、掃除対象面Fに赤外線を照射し、その反射光を受光可能に光学センサを設置する。そして、掃除対象面Fが硬質な第1種類のものであることは、光学センサから掃除対象面Fとの距離が保たれることにより、光学センサが反射光を受光することにより検知し、軟質な第2種類のものであることは、光学センサから掃除対象面Fとが近接することにより、光学センサが反射光を受光しなくなることにより検知する。
【0103】
吸込口体の進行方向は、上記以外に、自在輪、例えば、前方支持輪27a’、27b’および後方支持輪28’のいずれかに、その旋回軸と同軸にカムを取り付け、このカムに隣接させて、前方支持輪27a’、27b’または後方支持輪28’の旋回動作に応じてカムにより押し下げられる機械的なスイッチを設置することによっても検知することが可能である。この場合に、カムおよびスイッチは、第2検知部を構成する。
【0104】
含塵空気に含まれる塵埃の量を検出する塵埃センサを設置し、電気掃除機による掃除の状態、つまり、掃除対象面からの塵埃の除去度合いを検出することも可能である。塵埃センサは、例えば、吸込口から掃除機本体の集塵部に至る通風路における適宜の箇所、好ましくは、吸込口体の吸込室に設置することができる。
【0105】
電動機の運転モードを切り替える制御は、掃除対象面の種類が第1種類であるか、第2種類であるかを判断する工程を経て、運転モードを設定するだけでなく、次のような工程により実行することも可能である。
【0106】
電気掃除機の運転開始後、第1および第2電動機を第1運転モードで作動させ、第1回転清掃体と第2回転清掃体とを、それぞれが掃除対象面の接触抵抗により吸込口体に及ぼす推進力が釣り合うように、互いに反対方向に回転させる。例えば、第1回転清掃体と第2回転清掃体とを、互いに反対方向に、略等しい速度で回転させる。そして、第1検知部により、掃除対象面が、第1および第2回転清掃体に対する接触抵抗が所定値よりも大きい第1種類の掃除対象面であることを検知した場合に、第1および第2電動機の運転モードを第2運転モードに切り替え、第1回転清掃体第2回転清掃体との接触抵抗により吸込口体の進行方向に向けた走行を補助するように、第1および第2電動機を作動させる。上記以外の場合は、第1および第2電動機を、引き続き第1運転モードにより作動させる。第2運転モードへの切り替えは、使用者が把持部112を押しまたは引いた際の吸込口体の進行方向を第2検知部により検知し、その結果をもとに実行することが可能である。
【0107】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0108】
C…電気掃除機、1…掃除機本体、11…本体ケース、111…本体接続部、112…把持部、113…操作部、12…電動送風機、13…集塵部、14…本体制御部、15…二次電池、2…吸込口体、21…ケース、21a…吸込口、211…ケース上部、212…ケース下部、213…ケース内壁、221…第1回転清掃体、222…第2回転清掃体、231…第1電動機、232…第2電動機、241…第1動力伝達体、242…第2動力伝達体、27a、27b…前方支持輪、28…後方支持輪、3…延長管、301…制御部、311…回転ローラ、312a…第1反射ローラ、312b…第2反射ローラ、321a…第1フォトセンサ、321b…第2フォトセンサ、s1…反射面、s2…非反射面、R11…第1ブラシ室、R12…第2ブラシ室、R21…第1モータ室、R22…第2モータ室、R31…第1ベルト室、R32…第2ベルト室。
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