(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024022580
(43)【公開日】2024-02-16
(54)【発明の名称】収容部分における管状またはロッド状のスライド部分の進入深さを規定する装置およびこのような装置を備えた医療用ハンドピース
(51)【国際特許分類】
A61B 17/34 20060101AFI20240208BHJP
【FI】
A61B17/34
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023128200
(22)【出願日】2023-08-04
(31)【優先権主張番号】22188980
(32)【優先日】2022-08-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】522155062
【氏名又は名称】メディー-グロゥブ ゲー・エム・ベー・ハー
【氏名又は名称原語表記】Medi-Globe GmbH
【住所又は居所原語表記】Medi-Globe-Str. 1-5, 83101 Rohrdorf, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】マーティン シュタイニーゲヴェーク
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160FF45
(57)【要約】 (修正有)
【課題】収容部分におけるスライド部分の進入深さを規定する装置に関する。
【解決手段】装置2は、スライド部分4を取り囲む把持部材8を備え、把持部材は、スライド部分の長手方向軸線Lに沿って摺動するように構成されている。把持部材は、調節エレメント10とロッカーエレメント12とを備えたクランプ装置を有している。クランプ装置によって、把持部材は、調節エレメントが、長手方向軸線に対して横方向にブロック方向で回動する際に、各ロッカーエレメントを、スライド部分に対するロック状態へと旋回させることができる。ロック状態では、把持部材の摺動がブロックされている。ブロックを付加的に固定するために、把持部材は固定装置16を有している。固定装置は、2つの固定エレメント16a,16bを有している。ブロック位置で、第1および第2の固定エレメントは、横方向の回動に抗して調節エレメントを固定するための保持力Hを加える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
収容部分(6)における、特に医療用の吸引ニードル支持体部分の管状またはロッド状のスライド部分(4)の進入深さを規定する装置(2)であって、前記スライド部分(4)を取り囲む把持部材(8)を備え、前記把持部材(8)は、前記スライド部分(4)に対して相対的に、前記スライド部分(4)の長手方向軸線(L)に沿って摺動するように構成されており、前記把持部材(8)は、
前記スライド部分(4)の前記長手方向軸線(L)に対して横方向に回動するように構成されている調節エレメント(10)と、
前記調節エレメント(10)と前記スライド部分(4)との間に配置されている少なくとも1つのロッカーエレメント(12)とを有しており、
前記調節エレメント(10)は、前記長手方向軸線(L)に対して横方向のブロック方向(B)へのブロック位置への回動により、前記各ロッカーエレメント(12)を前記スライド部分(4)に対するロック状態へと旋回させるように構成されており、前記ロック状態では、前記長手方向軸線(L)に沿った前記把持部材(8)の摺動がブロックされており、かつ
前記調節エレメント(10)は、前記長手方向軸線(L)に対して横方向の、前記ブロック方向(B)とは異なる調節方向(V)への、前記ブロック位置とは異なる調節位置への回動により、前記各ロッカーエレメント(12)を前記スライド部分(4)に対する解放状態へと旋回させるように構成されており、前記解放状態では、前記長手方向軸線(L)に沿った前記把持部材(8)の摺動が解放されている、装置(2)において、
少なくとも1つの固定装置(16)が設けられており、前記固定装置は、前記調節エレメント(10)によって、前記長手方向軸線(L)に対して横方向で前記スライド部分(4)に対して回動可能な第1の固定エレメント(16a)と、前記長手方向軸線(L)に対して横方向に前記スライド部分(4)に対して回動しないように定置の第2の固定エレメント(16b)とを備えており、
前記第1および第2の固定エレメント(16a,16b)は、前記ブロック位置で、前記長手方向軸線(L)に対して横方向の回動に抗して前記調節エレメント(10)を固定するための保持力(H)を加えるように構成されている
ことを特徴とする、装置(2)。
【請求項2】
前記第1の固定エレメント(16a)は遮断体を形成しており、前記第2の固定エレメント(16b)は、前記遮断体を収容するための凹部を形成しており、前記遮断体は、前記調節エレメント(10)の前記ブロック位置で、操作員の操作行為によって、前記保持力(H)が最大である固定状態へと動かされるように構成されている、請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記調節エレメント(10)は、前記長手方向軸線(L)に対して横方向での前記ブロック位置への回動により、前記第1の固定エレメント(16a)を、前記第2の固定エレメント(16b)に対して、前記保持力(H)が最大となる固定状態へと動かすように構成されている、請求項1記載の装置。
【請求項4】
前記第1の固定エレメント(16a)と前記第2の固定エレメント(16b)とは磁石材料を含み、互いに逆極性の磁場を形成する、請求項3記載の装置。
【請求項5】
前記第1の固定エレメント(16a)は、少なくとも1つの転動体を備えた転がり軸受として形成されており、前記第2の固定エレメント(16b)は、前記固定状態で前記転動体を収容するための凹部を形成している、請求項3記載の装置。
【請求項6】
前記調節エレメント(10)と前記各ロッカーエレメント(12)とはガイド構造体(15)を形成しており、前記ガイド構造体は、少なくとも、前記各ロッカーエレメント(12)に対して相対的な、前記長手方向軸線(L)に対して横方向の前記調節エレメント(10)の回動のためにガイド延在を規定しており、前記調節エレメント(10)は前記ガイド延在に沿って前記各位置へと調節可能である、請求項1から5までのいずれか1項記載の装置。
【請求項7】
前記ガイド構造体(15)は、前記長手方向軸線(L)に沿って延びる、前記ブロック位置に対応配置されたガイド延在区分を含み、前記調節エレメント(10)は、前記固定を解除するために、前記ガイド延在区分に沿って、前記各ロッカーエレメント(12)に対して相対的に摺動可能である、請求項6記載の装置。
【請求項8】
前記調節エレメント(10)は前記固定を解除するために、前記ブロック位置から前記ブロック方向(B)への回動により、前記ブロック位置および前記調節位置とは異なるロック解除位置をとるように、そしてこれにより前記第1および第2の固定エレメント(16a,16b)を、前記保持力(H)が、前記固定状態と比較して減じられるロック解除状態へと動かすように構成されており、この場合、前記各ロッカーエレメント(12)は、前記調節エレメント(10)の前記ロック解除位置で、前記ロック状態を維持する、請求項3から7までのいずれか1項記載の装置。
【請求項9】
前記把持部材(8)は、前記スライド部分(4)と前記調節エレメント(10)との間に配置されているロック解除装置(18)を有しており、前記ロック解除装置は、前記長手方向軸線に対して横方向への前記調節エレメント(10)の回動の際に、前記各固定エレメント(16a,16b)が前記ロック解除状態に保持するように構成されている、請求項8記載の装置。
【請求項10】
前記ロック解除装置(18)は、前記長手方向軸線に対して横方向に前記スライド部分(4)に対して回動しないように定置に配置されている第1のロック解除エレメント(20)を有しており、前記調節エレメント(10)と前記第1のロック解除エレメント(20)とはスペーサ構造体(11)を形成しており、前記スペーサ構造体(11)は、前記長手方向軸線(L)に対して横方向に前記調節エレメント(10)が回動する際に、前記調節エレメント(10)と前記第1のロック解除エレメント(20)とを、前記長手方向軸線(L)に沿って互いに相対的に互いに所定の間隔を置いて保持するように、そしてこれにより、前記固定エレメント(16a,16b)の前記ロック解除状態を実現するように構成されており、この場合、前記スペーサ構造体(11)は接続機構を有しており、この接続機構によって、前記第1のロック解除エレメント(20)と前記調節エレメント(10)とは前記ブロック位置で形状接続的に接続され、この場合、前記所定の間隔が減じられている、請求項9記載の装置。
【請求項11】
前記ロック解除装置(18)は、信号化エレメント(24)を有しており、前記信号化エレメントは、前記第1のロック解除エレメント(20)の回動により、前記ブロック位置でのみ、少なくとも所定の領域で、前記長手方向軸線(L)に沿って前記調節エレメント(10)を越えて突出して、ブロックおよび固定を信号化する、請求項10記載の装置。
【請求項12】
前記ロック解除装置(18)は、前記長手方向軸線(L)に沿って前記調節エレメント(10)に対して摺動しないように定置に配置されている第2のロック解除エレメント(22)を有しており、前記第1および第2のロック解除エレメント(20,22)は摺動構造体(21)を形成しており、前記摺動構造体(21)は、前記長手方向軸線(L)に対して横方向に前記調節エレメント(10)が前記ブロック位置から前記ロック解除位置へと回動する際に、前記調節エレメント(10)と前記第1のロック解除エレメント(20)とを、前記長手方向軸線(L)に沿って互いに相対的に互いに前記所定の間隔を置いて摺動させるように形成されている、請求項11記載の装置。
【請求項13】
前記調節エレメント(10)と前記第2のロック解除エレメント(22)とは、前記長手方向軸線(L)に対して横方向での前記調節エレメント(10)の回動の際に、前記第2のロック解除エレメント(22)を少なくとも所定の区分で連行するための連結構造体(13)を形成しており、前記連結構造体(13)は、前記長手方向軸線(L)に対して横方向で前記ロック解除位置から前記調節位置へと前記調節エレメント(10)が摺動する際に、前記スペーサ構造体(11)と前記摺動構造体(21)とをずらし、これにより前記調節方向(V)への回動の際に前記所定の間隔を維持するように構成されている、請求項12記載の装置。
【請求項14】
医療機器用の医療用ハンドピースであって、請求項1から13までのいずれか1項記載の第1の装置および第2の装置(2)を備えており、前記第1の装置(2)は、第1の収容部分(6)における第1の管状のスライド部分(4)の進入深さを規定するように構成されていて、前記第2の装置(2)は、第2の収容部分(6)における第2の管状のスライド部分(4)の進入深さを規定するように構成されており、前記第1の装置(2)と前記第2の装置(2)とは、前記第1の装置(2)の前記第1のスライド部分(4)が、少なくとも部分的に、前記第2の装置(2)の前記第2のスライド部分(4)のための第2の収容部分(6)として形成されるように、相前後して配置されており、前記第1の収容部分(6)と前記第2のスライド部分(4)とは、前記医療機器の要素の接続のためにそれぞれ接続インターフェースを有している、医療用ハンドピース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収容部分における、特に医療用の吸引ニードル支持体部分の管状またはロッド状のスライド部分の進入深さを規定する装置に関する。したがって、スライド部分は、長手方向軸線に沿って収容部分内で調節可能または可動、特に例えば摺動可能である。本発明はさらに、上述した形式の第1の装置および第2の装置を備えた、医療機器用の医療用ハンドピースに関する。このハンドピースは、例えば、医療機器に含まれていてもよく、例えば、外科手術において内視鏡による作業または侵襲のために使用される。
【0002】
上述した形式の装置および医療用ハンドピースは、欧州特許第2531122号明細書により公知である。そこに記載されている装置は、「ツイストロック(Twistlock)」の名称を付されている。この装置は、スライド部分を、収容部分に対して相対的に、長手方向軸線に沿った所望の位置で位置決めし、そこでブロックするためにクランプ装置を使用している。
【0003】
記載された装置は、スライド部分を取り囲む把持部材を有している。把持部材は、スライド部分および/または収容部分に対して相対的に、スライド部分の長手方向軸線に沿って摺動するように構成されている。すなわち、把持部材と、スライド部分もしくは収容部分とは、並進的に互いに動くことができる。摺動を可能にするために、収容部分と把持部材とは、スライド部分を収容する収容部または開口を有していてもよく、この収容部または開口を通してスライド部分をスライドさせることができる。
【0004】
把持部材は、例えば、収容部分に取り付けられていてもよい、または固定されていてもよい。したがって、把持部材が長手方向軸線に沿って摺動する際には、収容部分は把持部材と共に、スライド部分に対して相対的に摺動することができる。代替的に、把持部材は、収容部分に対して別個のエレメントとして形成されていてもよい。したがって、スライド部分が長手方向軸線に沿って摺動する際には、把持部材は、収容部分に対して相対的に摺動することもできる。
【0005】
把持部材は、スライド部分の長手方向軸線に対して横方向に回動するように構成されている調節エレメントを有している。すなわち、調節エレメントは、長手方向軸線を中心として、すなわち回転するように動くことができる。さらに、把持部材は、調節エレメントとスライド部分との間に配置されているロッカーエレメントも有している。ロッカーエレメントは、調節エレメントと共に、長手方向軸線に沿って摺動することができる。しかしながら、ロッカーエレメントは、調節エレメントとは異なり回転可能ではない。その代わりに、ロッカーエレメントは、スライド部分に回転方向で定置にまたは相対回動不能に結合されている。ロッカーエレメントと調節エレメントとは、共に、上述したクランプ装置を構成している。
【0006】
この場合、調節エレメントは、長手方向軸線に対して横方向のブロック方向でのブロック位置への回動により、各ロッカーエレメントをスライド部分に対するロック状態へと旋回させるように構成されている。このロック状態では、長手方向軸線に沿った把持部材の摺動はブロックされている。ブロックを解除するために、調節エレメントはさらに、長手方向軸線に対して横方向の、ブロック方向とは異なる調節方向での、ブロック位置とは異なる調節位置への回動により、各ロッカーエレメントを、スライド部分に対する解放状態へと旋回させるように構成されている。この解放状態では、長手方向軸線に沿った把持部材の摺動は解放されている。
【0007】
したがって、調節エレメントの回動により、スライド部分が収容部分内にどの程度深くまたはどの程度大きく進入することができるかを、規定することができる。これにより特に簡単に、進入深さを調節または規定することができる。この装置が、例えば、吸引ニードル支持体として使用される場合、進入深さによって、スライド部分内でガイドされているチューブからの吸引ニードルの突出を設定することができる。すなわち、進入深さによって、吸引ニードルがどの程度大きくチューブから突出するかを規定することができる。
【0008】
この装置によって、特に、医療従事者にとって、ハンドピースの片手操作が、したがって取扱いが容易になる。さらに、収容部分に対して相対的にスライド部分の位置決めが行われた後に、望ましくない摺動の危険は、少なくともほぼ回避され得る。
【0009】
従来技術により公知のツイストロックによっては、特定の状況で、ブロックが意図に反して解除されるということが生じるおそれがある。それは例えば、医療的な侵襲のために、複数の様々な進入深さ間で装置を調節すべき場合に生じるおそれがある。この場合、把持部材は、侵襲中に滑脱するおそれがあり、これは例えば、チューブからの吸引ニードルの望ましくないニードル突出につながるおそれがある。
【0010】
本発明の課題は、従来技術により公知の装置の取扱い性を改善することである。
【0011】
課題の解決手段は、独立請求項に記載されている。付加的な利点を含むさらなる構成の可能性は、従属請求項、詳細な説明、および図面に記載されている。
【0012】
本発明は、上述したような公知のツイストロックの取扱い性を改善するために、追加的なラッチ機構またはロック機構を補足することができるという認識に基づいている。すなわち、ロックまたはブロックを保証することが重要である。それは、既存のツイストロックの付加的な固定機構、保証機構、またはロック機構により実現することができる。
【0013】
付加的な固定を実現するために、把持部材は、冒頭で説明したように、少なくとも1つの固定装置を有している。すなわち、1つまたは複数の固定装置が設けられていてもよい。各固定装置は、調節エレメントによって、長手方向軸線に対して横方向にスライド部分に対して回動可能な第1の固定エレメントを有している。さらに、各固定装置は、長手方向軸線に対して横方向にスライド部分に対して回動しないように定置のまたは相対回動不能な第2の固定エレメントを有している。調節エレメントのブロック位置では、すなわち特に、長手方向軸線に沿った摺動がロッカーエレメントによってブロックされている場合には、各第1および第2の固定エレメントは、長手方向軸線に対して横方向の回動に抗して調節エレメントを固定するための保持力を加えるように構成されている。
【0014】
換言すると、第1および第2の固定エレメントは、調節エレメントの回動によりまたは回動後に、所望の保持力が作用するようにまたは作用することができるように互いに調節されてもよい。例えば、調節エレメントに保持力を負荷することができる。これにより、調節エレメントをブロック位置で保持することができる。この保持力により、好ましくは、調節エレメントをブロック位置から外へ、例えば調節位置へまたはその他の位置へ動かすためには付加的な力をかける必要がある。したがって、保持力によって、特に調節方向またはブロック方向への回動を遮断することができる。
【0015】
好ましくは、固定のために必要なまたは十分な保持力は予め規定されている。すなわち、保持力は、所定の値または値範囲を有することができる。値範囲は、例えば、テストにより求めることができる。特に保持力は、装置の片手操作が引き続き可能なままであるように選択される。
【0016】
これにより、装置は、ブロックの望ましくない解除が生じないように保証されているという利点が生じる。したがって、スライド部分および/または収容部分に対して相対的な把持部材の位置決めが行われた後、把持部材の望ましくない摺動をさらに効果的に阻止することができる。
【0017】
上記調節エレメントは、少なくとも2つの異なる位置または状態を有していてもよい。1つの位置は、上記の調節位置であってもよい。調節位置では、把持部材は初期位置に位置していてもよい。この場合、把持部材は並進的に摺動可能である。把持部材は特に、ブロックまたはロックされておらず、係止または固定されない。少なくとも1つの別の位置は、上記のブロック位置であってもよい。ブロック位置では、把持部材はゼロ位置に位置していてもよい。ブロック位置では、把持部材は、軸方向のまたは並進的な摺動に抗してブロックされていて、かつ固定されている。把持部材は特に、並進的に摺動可能ではない。
【0018】
固定は、前述したような固定エレメントによって行われる。固定エレメントは、例えば、相補的な固定構造体を構成することができる。すなわち、固定エレメントは、例えば、ブロック位置を保持するために、形状接続的なかつ/または摩擦接続的な接続を形成することができる。例えば、その接続は、例えば掛止接続または磁気的な接続であってもよい。したがって、固定エレメントは、保持力を提供するために、協働する。第1の固定エレメントは、例えば、調節エレメントに含まれていてもよい。第2の固定エレメントは、例えば、スライド部分および/またはロッカーエレメントに含まれていてもよい。
【0019】
固定および/またはブロックを解除するためには、この保持力を克服しなければならない。すなわち、固定、および特にブロックも解消し、これにより把持部材を例えば再び並進的に摺動可能とするためには、調節エレメントの操作の際に付加的な操作力が使用されなければならない。
【0020】
当該装置、特に把持部材は、冒頭で述べた従来技術、特に欧州特許第2531122号明細書により既に公知であるようなさらなる態様または特徴を有していてもよい。例えば、ロッカーエレメントまたはスライド部分は、摩擦ライニングまたはブレーキパッドを含む、それぞれ割り当てられた当接面を有していてもよい。これにより、ロッカーエレメントとスライド部分との間で、ブロックまたは摩擦の利用を達成することができる。代替的、ロッカーエレメントおよびスライド部分は、それぞれ歯列装置を構成することもでき、この歯列装置によって、ロック位置で、各歯列エレメントは、対応配置された歯列エレメント受容部に係合する。
【0021】
各ロッカーエレメントは、例えば支持ピンによって、長手方向軸線に沿って延在する、スライド部分の支持溝内に配置されていてもよい。これにより、各ロッカーエレメントは相対回動不能(定置)にガイドされ得る。
【0022】
調節エレメントは、例えば、対称の楕円形または鎌形に成形された開口領域を有していてもよい。開口領域は、ロッカーエレメントを収容する、調節エレメントの内部領域であってもよい。これにより、ロッカーエレメントの旋回を生じさせることができる。
【0023】
さらに、スライド部分は、例えばスケールピストンとして形成されていてもよい。すなわち、各スライド部分は、1つ以上のマーキング(目盛り)またはスケールピッチを含んでいてもよい。
【0024】
以下に、さらなる利点をもたらす本発明の実施形態を説明する。
【0025】
以下の実施形態ではまず、固定を、すなわちロック機構をどのように実現することができるかということに関して述べる。例えば、固定装置は、能動的な固定機構、または受動的な固定機構、または能動的な固定機構と受動的な固定機構との組み合わせによって構成されてもよい。
【0026】
能動的な固定装置は、本発明の実施形態によれば、例えば、第1の固定エレメントが、遮断体を形成しており、第2の固定エレメントが、遮断体を収容するための凹部または切欠きを形成していることにより、実現することができる。遮断体は、調節エレメントのブロック位置で、操作員の操作行為によって固定状態へと動かされるまたは調節されるように構成されている。固定状態では、保持力は最大である。
【0027】
固定を解除するためには、すなわち、ロック解除のためには、これと同様に、遮断体は、固定状態では、操作員の操作行為によってロック解除状態へと動かされるまたは調節されるように構成されている。ロック解除状態では、保持力は最小であり、特に減じられており、好ましくはゼロに等しい(ゼロにされる)。
【0028】
すなわち、調節エレメントを固定またはロック解除するために、回動させるための付加的な手動操作が必要である。この操作行為によって、第1の固定エレメントを、少なくとも2つの状態の間で調節または移動させることができる。1つの状態は、固定状態である。別の状態は、ロック解除状態である。
【0029】
固定位置では、遮断体を、形状接続的に、例えば、掛止接続または差込み接続により凹部に接続することができる。すなわち、遮断体は、凹部に収容されているまたは凹部に差し込まれている。
【0030】
遮断体は、例えば、ボタンまたはピンとして形成されていてもよい。付加的には、遮断体は、固定のより容易な解除を可能にするために、1つ以上のばねエレメントを有していてもよい。
【0031】
具体的な構成では、ツイストロック回転機構(調節エレメント)に、手動操作により作動させるべきピンまたはボタン(遮断体)を組み込むことができる。この遮断体は、例えば、内部に位置するコイルばねを備えていてもよい。ロックするために、ツイストロック回転機構は、上述したように回動させられる。ロックを保証するために、ピンまたはボタンは、付加的な手動の操作によって下方に押される。ピンまたはボタンの内側の輪郭は、例えば、スライド部分に加工成形することができる、そのために設けられた切欠き(凹部)に係合する。したがって、固定およびロックを解除するためには、ツイストロックの回転運動の前に、ピンまたはボタンを改めて押してまたは引いて(プッシュ・プッシュまたはプッシュ・プル操作)、所定の切欠きから取り外さなければならない。これにより初めて、回転可能性が、すなわちツイストロックの回動が、再び解放される。これにより全体として、能動的な固定を実現することができる。
【0032】
上述した受動的な固定を実現する例を、以下の実施形態に記載する。
【0033】
1つの実施形態によると、受動的な固定は、調節エレメントが、長手方向軸線に対して横方向でのブロック位置への回動により、第1の固定エレメントを、第2の固定エレメントに対して、保持力が最大となる固定状態へと動かすように構成されていることにより、実現することができる。したがって、固定は、調節エレメントの回動により自動的に行われる。これにより、固定は、ブロックの際にもたらすことができる付加的な効果である。
【0034】
固定を解除するためには、すなわちロック解除のために、これと同様に、相応の受動的なロック解除が想定されていてもよい。すなわち、調節エレメントは、長手方向軸線に対して横方向での例えば調節位置への、またはブロック位置とは異なる位置への回動により、第1の固定エレメントを、第2の固定エレメントに対して、保持力が最小またはゼロとなるロック解除状態へと動かすように構成されている。
【0035】
すなわち、調節エレメントの回動により、固定エレメントを、上述した少なくとも2つの状態の間で、すなわち固定状態とロック解除状態との間で、調節することができる。
【0036】
別の実施形態によれば、第1および第2の固定エレメントとは磁石材料を含んでいてもよく、互いに逆極性の磁場を形成することができる。したがって、固定は、固定エレメントの摩擦接続により、特に磁気接続により行うことができる。固定状態では、固定エレメントの吸引力または磁力は、固定エレメントが相互に引き付け合うような大きさであってもよい。これに対して、ロック解除状態では、吸引は行われない。固定エレメントは、磁石を、特に永久磁石を形成していてもよい。
【0037】
具体的には、磁気的な固定は、例えば、調節エレメントに含まれる磁石と、スケールピストンまたはロッカーエレメントに含まれる逆極性の磁石とによって実現することができる。特に、スライド部分には、例えば、長手方向軸線に沿ってスライド部分の全長にわたって延在する磁石レールを設けることができる。磁石レールは、例えば、スケールピストンの体積内にまたは表面に組み付けるまたは固定することができる。同様に、ツイストロック回転機構によって、逆極性の磁石が組み込まれてもよく、すなわち表面にまたは体積内に設けられてもよい。構造的に、すなわち位置に関して、ツイストロックに配属された磁石は、開放状態(調節位置)で、スケールピストンにおける磁石レールに対して、特に回転方向で見て大きな間隔を置いて配置されている。ブロック位置へのツイストロックの回転運動により、磁石の位置は、この磁石が、スケールピストンの磁石レール上にぴったり位置するように操作される。したがって、最大の磁力を発生させることができる。これにより、ツイストロックの機械的なブロックを補助し、ツイストロックの望ましくない解除を阻止することができる。
【0038】
別の実施形態によれば、受動的なロックは、固定エレメントが、少なくとも1つの転動体を備えた転がり軸受として形成されていることにより実現される。第2の固定エレメントは、固定状態で転動体を収容するための凹部として形成されている。したがって、固定状態では、転動体は、凹部内に配置されていてもよい、または取り付けられていてもよい。形状接続的な接続を実現することができる。
【0039】
転がり軸受は、例えば、自体公知のボールベアリングであってもよい。相応に、転動体は、例えばボールを形成していてもよい。転動体は、調節エレメントの回動の際に、スライド部分の表面に沿って、好ましくは実質的に摩擦なしに、動くことができる。転動体を凹部内に移動させるために、転動体を例えば、ばね負荷することができる。凹部または切欠きは、転動体を補完するように構成された、スライド部分に設けられた凹部であってもよく、この凹部内に転動体が入り込んで掛止することができる、または滑り込むことができる。
【0040】
具体的な実現形態では、ツイストロックは、例えば、特に金属から成る1つ以上のボールベアリングを有していてもよく、これらのボールベアリングは、スケールピストンのジオメトリ的なポケット(凹部)内に沈み込み、これにより、ツイストロック回転機構を解除するためには付加的な力が必要となる。このために、例えば、単一のまたは複数のボールベアリングが、調節エレメントの、スケールピストンに面した内面に組み込まれてまたは挿入されてもよい。ツイストロック回転機構の解除状態(調節位置)では、各ボールベアリングを、スケールピストンの閉鎖表面上に載置することができる。ツイストロックか回動する際には、ボールベアリングのボールが、好ましくは摩擦なしに表面に沿って転動または回転することができる。ブロック位置では、すなわち、回転によりツイストロックがロックされている場合には、ボールベアリングのボールは、スケールピストンの表面に相応に設けられたポケットまたは凹部内に落下または係合することができる。これにより付加的なロックが実現される。ロックを解除するためには、付加的な解除機構、すなわち付加的な操作行為は必要ない。例えば、形状接続を克服するために、より大きな力をかけて調節エレメント回動させるだけで十分であり得る。このために、各凹部を、例えば、この場合、各転動体のジオメトリに、すなわち、例えばボールのジオメトリに適合させることができる。
【0041】
上述したように、把持部材は、例えば、上述した形式の固定装置を1つまたは複数有していてもよい。例えば、把持部材は、同形式の複数の、すなわち2つ以上の固定装置を有していてもよい。同形式のとは、固定装置が、上述したものと同じ固定エレメントを有していて、したがって同じ固定機構を実現していることを意味している。代替的に、把持部材は例えば、異なる形式の複数の、すなわち2つ以上の固定装置を有していてもよい。したがって、固定装置は、互いに異なる固定エレメントを有していてもよく、上述したものとは異なる固定機構を実現してもよい。
【0042】
例えば、受動的なロックおよび能動的なロックの組み合わせが実現されてもよい。例えば、固定を受動的に行い、一方で、ロック解除を能動的に実施することが想定されていてもよい。したがって、固定エレメントは、長手方向軸線に対して横方向でブロック位置へと調節エレメントを回動させることにより、受動的なロックに関して説明したように、自動的に固定状態へと動かすことができる。これに対して、固定を解除するためには、調節エレメントのブロック位置において、能動的なロックに関して説明したような付加的な操作行為が必要であり、これにより固定エレメントは固定状態からロック解除状態へと動かされる。具体的には、例えば、ロックする際には、ロック体が、すなわち例えば、上述した転動体が、スケールピストンに設けられたポケット(凹部)内に落下するが、解除のためにはロックを能動的に解除しなければならない。すなわち、ロック体を、例えば、意図的に上方に引き上げる、摺動させる、または押す必要がある。
【0043】
さらなる実施形態によれば、調節エレメントとロッカーエレメントとは互いに、特に互いに対して相対的なガイド構造体を形成している。ガイド構造体は、少なくとも長手方向軸線に対して横方向の、ロッカーエレメントに対して相対的な調節エレメントの回動のために、ガイド延在を規定する。調節エレメントは、ガイド延在に沿って、各位置へと、すなわち、例えば所定の調節位置およびブロック位置へと、またはより詳しく後述するさらなる位置へと調節可能である。
【0044】
したがって、ガイド延在またはガイド構造体は、調節エレメントのための移動方向または軌道曲線を規定する。この個々のガイド延在は、操作員による特に簡単な操作を可能にすることができる。
【0045】
ガイド構造体は、例えば、2つのガイド体によって形成されていてもよい。ガイド体は互いに連結されていて、特に形状接続的に互いに接続されていてもよい。第1のガイド体は、例えば、ボタンまたはピンまたは栓であってもよい。第2のガイド体は、例えば、ガイド溝またはガイド軌道であってもよい。第1のガイド体は、第2のガイド体に係合することができる。第2のガイド体は、ガイド延在を規定することができる。ガイド体は互いに相対的に可動であってもよい。第1のガイド体は、例えば、スライド部分に対して相対回動不能に構成されていてもよい。例えば、第1のガイド体は、スライド部分または各ロッカーエレメントに含まれていてもよい。第2のガイド体は、スライド部分に対して回動可能に構成されていてもよい。例えば、第2のガイド体は、調節エレメントに含まれていてもよい。
【0046】
この関連において、別の実施形態では、ガイド構造体が、長手方向軸線に沿って延在する、ブロック位置に対応配置されたガイド延在区分を有していることが想定されている。固定もしくはブロックを解除するためには、調節エレメントは、このガイド延在区分に沿って、各ロッカーエレメントに対して相対的に摺動可能である。
【0047】
すなわち、ガイド延在によって、把持部材を特に確実に固定するための可能性を想定することができる。この場合、ロック解除のために、付加的な操作運動が、特に、固定を解除するための調節エレメントの摺動が必要である。特に、長手方向軸線に沿って、ブロック位置から調節エレメントを摺動させることによりロック解除が実施可能である。摺動運動は、意図的に実施しなければならず、これにより、操作員に対する指示機能および警告機能が実現される。
【0048】
このために、ガイド延在は、ブロック位置で、ブロック方向に対して横方向に長手方向軸線に沿ってずらされて構成されている。したがって、ガイド構造体の、特に第2のガイド体の段状または階段状の延在プロフィールが生じる。
【0049】
これに対して代替的に、特に簡単なロック解除機構は、ロック解除のために、調節エレメントが、例えばブロック位置から出て調節方向に回動するように構成されていることにより実現され得る。すなわち、調節エレメントは、調節方向への回動により、ブロック位置から直接、調節位置へともたらすまたは移動させることができる。このために、ガイド構造体は、例えば、直線的なガイド延在を規定することができる。
【0050】
ガイド構造体に対して付加的にまたは代替的に、特に確実な固定および特に意図的なロック解除を実現する別のロック解除機構が設けられてもよい。
【0051】
このために、別の実施形態によれば、調節エレメントは、固定を解除するために、ブロック位置からブロック方向への回動により、ブロック位置および調節位置とは異なるロック解除位置をとるように、構成されている。これにより、調節エレメントは、固定状態と比較して保持力が減じられている、好ましくは最小である、所定のロック解除状態に、第1および第2の固定エレメントを動かすように構成されている。しかしながら、各ロッカーエレメントは、調節エレメントのロック解除位置で、ロック状態を維持している。
【0052】
すなわち、ロック解除位置では、把持部材は引き続き、長手方向軸線に沿った摺動に抗してブロックされている。したがって、把持部材は調節可能ではない。しかしながら、把持部材は、もはやロックまたは固定されてはいない。すなわち、調節エレメントの回動は、付加的な力をかけることなく再び可能となっている。
【0053】
したがって、ロック解除のために、調節エレメントは、ブロックのための回動と同じ方向に、すなわちブロック方向にさらに回動され、調節方向には回動しない。これにより、固定を、続いてブロックも解除するためには、追加の意図的な操作行為が必要である。したがって、摺動に抗した、把持部材の特に確実なブロックと固定とが生じる。
【0054】
この関連で、さらなる実施形態によれば、把持部材がロック解除装置を有していることが想定されている。ロック解除装置は、スライド部分と調節エレメントとの間に配置されている。ロック解除装置は、長手方向軸線に対して横方向への調節エレメントの回動によりまたは回動の際に、各固定エレメントをロック解除状態で保持するように構成されている。
【0055】
好ましくは、ロック解除装置は、調節エレメントがブロック位置外に位置している場合にのみ常に、各固定エレメントを、ロック解除状態に保持することができる。したがって、ブロック位置の外側では、固定を阻止することができる。このために、ロック解除装置によって、固定エレメントを例えば軸方向で(長手方向軸線に沿って)所定の間隔を置いて保持するまたは互いに配置することができる。
【0056】
以下の実施形態では、どのようにしてロック解除装置を具体的に実現することができるのかについてより詳しく言及する。
【0057】
1つの実施形態によれば、ロック解除装置は第1のロック解除エレメントを有している。第1のロック解除装置は、長手方向軸線に対して横方向にスライド部分に対して回動しないように定置にすなわち相対回動不能に配置されている。したがって、調節エレメントは、第1のロック解除エレメントに対して相対的に回転するように回動可能であってもよい。
【0058】
調節エレメントと第1のロック解除エレメントとは、スペーサ構造体を形成する。スペーサ構造体は、長手方向軸線に対して横方向に調節エレメントが回動する際には、すなわち特にブロック位置の外側では、調節エレメントと第1のロック解除エレメントとを、長手方向軸線に沿って互いに相対的に所定の間隔を置いて保持するように構成されている。これにより、固定エレメントのロック解除状態が実現される。すなわち、この間隔を、固定エレメントに伝達することができる。
【0059】
さらに、スペーサ構造体は、第1のロック解除エレメントと調節エレメントとをブロック位置で形状接続的に接続し、この場合、所定の間隔を減じる接続機構を有している。形状接続的な接続によって、固定エレメントの固定状態が実現されている。
【0060】
したがって、調節エレメントと第1のロック解除エレメントとは、並進的に互いに摺動可能であってもよい。間隔とはこの場合、調節エレメントと第1のロック解除エレメントとが、ブロック位置の外側で長手方向軸線に沿って互いに相対的にずらされて、特に互いに引き離されて保持されていることを意味する。換言すると、固定とロック解除とは、調節エレメントと第1のロック解除エレメントとが、長手方向軸線に沿って互いに相対的にずらされる、特に互いに引き離されていることにより実現され得る。第1のロック解除エレメントは、この場合、調節エレメントとのオーバーラップ領域で、さらにオーバーラップ領域の縁部の方向に、または少なくとも所定の領域でオーバーラップ領域外へと移動され得る。したがって、調節エレメントと第1のロック解除エレメントとの間には、目に見える隙間は不要である。摺動により、固定エレメントを、互いに引き離すことができる(ロック解除状態)または接続させることができる(固定状態)。
【0061】
スペーサ構造体は、2つの相補的なスペーサ体から形成することができ、これらのスペーサ体のうちの一方は調節エレメントに、他方は第1のロック解除エレメントに含まれている。例えば、支持部分と保持部分とがスペーサ体を形成している。ブロック位置の外側では、これらが互いに支持し合っていてもよい。ブロック位置では、支持部分は保持部分に係合することができ、これにより形状接続が形成される。支持部分は、例えば、ピンまたは突出部または突起として形成されていてもよい。保持部分は、長手方向軸線に対して横方向に延在する、支持部分のための載置面を形成することができる。回動の際には、保持部分は、載置面に沿って滑動することができる。載置面は、保持部分を嵌め込むことができる、ブロック位置に対応する溝または収容部を有していてもよい。これにより、接続機構を実現することができる。接続機構は、固定エレメントに対して付加的な固定を可能にすることができる。
【0062】
ピンおよび溝のジオメトリ形状を、回動がブロックされるように選択することができる。したがって、形状接続的な接続を解除するために、例えば、互いに引き離す等の付加的な操作行為を必須とすることができる。相応の運動経過は、例えば、ガイド構造体の、長手方向軸線に対して平行に延在するガイド延在区分によって規定することができる。
【0063】
さらなる実施形態によれば、ロック解除装置は、信号化エレメントを有しており、この信号化エレメントは、調節エレメントおよび第1のロック解除エレメントの摺動により、ブロック位置でのみ、少なくとも所定の領域で、長手方向軸線に沿って調節エレメントを越えて突出して、ブロックおよび固定を信号化する。
【0064】
したがって、信号化エレメントは、特にブロック位置でのみ目視可能である。ブロック位置の外側では、信号化エレメントは、好ましくは、調節エレメントおよび/または第1のロック解除エレメントによって完全に覆われているまたはオーバーラップされている。
【0065】
このために、信号化エレメントは、把持部材のブロック状態で、回転可能かつ並進運動可能に、スライド部分に対して定置に配置されていてもよい。信号化エレメントは、例えば、信号色を、例えば赤色を有していてもよい。したがって、ブロックおよび/または固定を、特に一義的に示すことができる。信号化エレメントは、例えば、収容部分のためのストッパ、すなわち当接領域を形成することができる。
【0066】
さらなる実施形態によれば、ロック解除装置は、第2のロック解除エレメントを有している。第2のロック解除エレメントは、長手方向軸線に沿って調節エレメントに対して相対的に摺動しないように定置に配置されている。すなわち、第2のロック解除エレメントは、特に、調節エレメントと一緒にのみ摺動可能である。第1および第2のロック解除エレメントは、摺動構造体を形成している。摺動構造体は、長手方向軸線に対して横方向に調節エレメントがブロック位置からロック解除位置へと回動する際には、調節エレメントと第1のロック解除エレメントとを、長手方向軸線に沿って互いに相対的に互いに所定の間隔を置いて摺動させるように構成されている。
【0067】
すなわち、第2のロック解除エレメントは、調節エレメントと第1のロック解除エレメントとから成るスペーサ構造体の接続機構の形状接続を解除するために使用することができる。
【0068】
摺動構造体は、2つの相補的な摺動体から形成することができ、これらの摺動体のうちの一方は第1のロック解除エレメントに、他方は第2のロック解除エレメントに含まれている。例えば、上述したスペーサ体と同様に、支持部分と保持部分とが摺動体を形成することができる。ブロック位置の外側では、これらが互いに支持し合っていてもよい。ブロック位置では、支持部分は保持部分に係合することができ、これにより形状接続が形成される。支持部分は、例えば、ピンまたは突出部または突起として形成されていてもよい。保持部分は、長手方向軸線に対して横方向に延在する、支持部分のための載置面を形成することができる。回動の際には、保持部分は、載置面に沿って滑動することができる。載置面は、保持部分を嵌め込むことができる、ブロック位置に対応する溝または収容部を有していてもよい。
【0069】
好ましくは、ピンおよび溝のジオメトリ形状は、調節エレメントの回動により、好ましくは、ブロック方向への回動の場合にのみ、摺動が自動的に行われるように選択されている。このために、摺動体は、長手方向軸線に対して横方向で斜めに向けられているそれぞれの当接面を有していてもよく、摺動体はブロック位置においてこの当接面で互いに当接する。これにより、傾斜平面または斜面が生じる。これにより、摺動体は、調節エレメントの回動の際に、特に簡単に互いに沿って滑動することができる。これにより、調節エレメントと第1のロック解除エレメントとは、所望の間隔に達するまで、互いに離される。
【0070】
さらなる実施形態によれば、調節エレメントと第2のロック解除エレメントとが、長手方向軸線に対して横方向で調節エレメントが回動する際に、第2のロック解除エレメントを少なくとも所定の区分で連行するための連結構造体を有している。この場合、連結構造体は、長手方向軸線に対して横方向でロック解除位置から調節位置へと調節エレメントが摺動する際に、スペーサ構造体と摺動構造体とをずらし、これにより調節方向への回動の際に所定の間隔を維持するように構成されている。
【0071】
回転方向でずらされていることにより、調節エレメントが初期位置に、つまり調節位置に回転させられる場合に、調節エレメントとそれぞれのロック解除装置の結合機構が係合することを阻止することができる。
【0072】
したがって、連結構造体によって、第2のロック解除エレメントは、連結状態で、長手方向軸線に対して横方向へのスライド部分に対して相対的な調節エレメントの回動により回動させられるように構成されている。調節エレメントは、第2のロック解除エレメントを連行する。これに対して非連結状態では、第2のロック解除エレメントは連行されない。第2のロック解除エレメントは、スライド部分に対して相対回動不能のままである。
【0073】
連結構造体は、例えば被連行体と連行体とを含んでいてもよく、これらのうち一方は、第2のロック解除エレメントに配置されていて、もう一方は調節エレメントに配置されている。連結姿勢では、すなわち連結された状態では、連行体と被連行体とは互いに当接する、または互いに係合する。この場合、連行体は、被連行体に力または衝撃を負荷することができ、これにより長手方向軸線を中心とした回転運動が実現される。
【0074】
したがって、ロック解除装置は、(ロック解除状態を可能にする)ロック解除機能の他に、(固定状態を可能にするかつ/または保持する)ロック機能も実現することができる。したがって、ロック解除装置は、ロック装置と呼ぶこともできる。同様に、ロック解除エレメントを、ロックエレメントと呼ぶこともできる。
【0075】
本発明のさらなる態様は、医療機器用の医療用ハンドピースに関する。このハンドピースは、例えば、医療機器に含まれていてもよく、または医療機器に配属されていてもよい。医療用ハンドピースは、上述した形式の第1および第2の装置を有している。第1の装置は、第1の収容部分における第1の管状のスライド部分の進入深さを規定するように構成されている。この場合、第2の装置は、第2の収容部分における第2の管状のスライド部分の進入深さを規定するように構成されている。第1および第2の装置は、第1の装置の第1のスライド部分が、少なくとも部分的に、第2の装置の第2のスライド部分のための第2の収容部分として形成されているように、相前後して配置されている。第1の収容部分および第2のスライド部分はさらに、医療機器の要素を接続するための各接続インターフェースを有している。
【0076】
これにより、特に簡単かつ確実に取り扱うことができる、医療機器のためのハンドピースを提供することができる。両装置によって、ハンドピースを、特に確実に、各調節位置に、すなわち所望の進入深さで保持することができる。したがって、一連の調節工程において、取扱う人を苛立たせることはない。
【0077】
ハンドピースの第2の収容部分は、好ましくは、第2の装置の把持部材に接続されていてもよい。相応に、第2の収容部分と把持部材とは共に、長手方向軸線に沿って並進的に可動であってもよい。これにより、ハンドピースの長さを、様々な形式の医療機器に、特に内視鏡に適合させることができるという利点が得られる。したがって、ハンドピースは、自在に使用可能である。
【0078】
これに対して、第1の収容部分は、例えば、第1の装置のハンドピースに対して分離されて形成されていてもよい。したがって、把持部材は、第1の収容部分および第1のスライド部分に対して相対的に並進的に、すなわち長手方向軸線に沿って長手方向で動かさすことができる。したがって、把持部材を、第1の収容部分のためのストッパとして使用することができる。
【0079】
ハンドピースは、従来技術、特に欧州特許第2531122号明細書において既に説明したような別の態様および特徴を有していてもよい。
【0080】
例えば、第1の収容部分は、医療用中空ニードルまたは吸引ニードルの結合または接続のための接続エレメントを有していてもよい。中空ニードルまたは吸引ニードルは、この場合、接続状態で、医療用ハンドピースによって取り囲まれていてもよい。すなわち、ニードルは、第1の収容部分、第1のスライド部分、および第1のスライド部分に接続された第2の収容部分および第2のスライド部分を通って延在することができる。特に、この場合、第1の収容部分は、長手方向軸線に沿った摺動により、チューブからの吸引ニードルの突出を規定するように構成されていてもよい。このために、第1の収容部分は、例えば並進的な摺動のために、第2の装置の把持部材に対して分離されて形成されていてもよい。
【0081】
第2のスライド部分は、例えば、その遠位端部に同様に、さらなる医療機器、特に内視鏡の作業通路の接続エレメントに結合または接続または連結するための接続エレメントを有していてもよい。第1の収容部分の近位端部領域には、同様に、接続エレメントが配置されていてもよい。この接続エレメントを介して、例えば別の医療機器、例えば、注射器または吸引装置または洗浄装置を接続することができる。
【0082】
収容部分は、好ましくは、把持部分として初期位置であってもよい。これにより、両スライド部分を調節する場合は把持部材の取扱いは容易になる。
【0083】
本発明は、記載されている実施形態の組み合わせも含んでいる。さらに本発明には、本発明による装置の発展形態との関連で既に説明したような特徴を有する、本発明によるハンドピースの発展形態も含まれる。このような理由により、本発明によるハンドピースの相応の発展形態についてはここでは再度説明しない。
【0084】
以下に、本発明の実施例を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【
図1】例としての実施形態による、収容部分内への管状またはロッド状のスライド部分の進入深さを規定する装置を示す概略図である。
【
図2】初期状態にある把持部材を備えた装置示す概略図である。
【
図3】把持部材がゼロ状態にある装置を示す概略図である。
【
図4】ゼロ状態からロック解除状態へと把持部材をもたらす際の第1の状態にある把持部材を備えた装置を示す概略図である。
【
図5】ゼロ状態からロック解除状態へと把持部材をもたらす際の第2の状態にある把持部材を備えた装置を示す概略図である。
【
図6】把持部材がロック解除状態にある装置を示す概略図である。
【
図7】ロック解除状態から初期状態へと把持部材をもたらす際の第1の状態にある把持部材を備えた装置を示す概略図である。
【
図8】把持部材が再び初期状態にある装置を示す概略図である。
【0086】
以下に詳細に記載する実施例は、本発明の好適な実施形態と見なすことができる。実施例において記載する実施形態の各構成要素は、それぞれ、本発明の互いに独立的に考慮すべき個々の特徴をなしている。これらの特徴は、互いに独立していてもさらに本発明をそれぞれ形成する。したがって、これらの特徴は、単独でも、あるいは図示の組み合わせとは異なる組み合わせでも、本発明の構成部分と見なされるべきである。さらに、既に上述した本発明の特徴の別の特徴は、記載する実施形態を補うことができる。
【0087】
図中、機能的に同一の要素にはそれぞれ同一の参照番号を付してある。
【0088】
図1は、装置2の概略図を示している。この装置は、収容部分6内への管状またはロッド状のスライド部分4の進入深さを規定するために使用される。そのためにこの装置2は、スライド部分4および収容部分6の他に、スライド部分4を取り囲む把持部材8を有している。把持部材8は、スライド部分4および/または収容部分6に対して相対的に、スライド部分4の長手方向軸線Lに沿って形成されている。すなわち、把持部材8を、スライド部分に沿って並進的に、摺動方向Tへと摺動させるまたは動かすことができる。摺動を可能とするために、収容部分6と把持部材8とは、摺動方向Tに沿ってスライド部分6を収容し、ガイドするための開口(詳しくは図示せず)を有している。
【0089】
進入深さまたは導入深さを定量化するために、スライド部分4は、この場合、スケールピストンとして形成されている。すなわち、スライド部分4には、進入深さを示す測定値または数値を含むスケール4bが示されている。本実施例では、スケール4bは例えば4センチメートルまでの数値を表し、ミリメートル刻みで分割されている。したがって、進入深さを、特に精密に調節することができる。
【0090】
進入深さを規定するために、把持部材8はブロック機構を有している。ブロック機構によって、把持部材8を、長手方向軸線Lに沿った所望の位置で、摺動方向に沿った摺動に抗してブロックすることができる。この位置で、把持部材8は、スライド部分4および/または収容部分6のための、特にスライド部分4の詳しくは図示されていな頭部のためのストッパを形成し、これにより進入深さを制限する。
【0091】
ブロックのために使用されるブロック機構は、従来技術、特に欧州特許第2531122号明細書により公知である。以下に、ブロック機構を、好適な実施例につき詳しく説明する。しかしながら勿論、別の公知の形式のブロック機構を使用することもできる。把持部材8のブロック機構を説明するために、
図1には把持部材8が分解図で示されている。
【0092】
ブロックを実現するために、把持部材8は、以下で、ツイストロックとも称される調節エレメント10を有している。調節エレメント10は、スライド部分4の長手方向軸線Lに対して横方向に回動するように構成されている。すなわち、調節エレメントは、スライド部分の周囲を、図示された回動方向Rで、すなわち回転するように動くまたは回動することができる。
図1に示されているように、調節エレメント10は、この場合、例えば2つの部分から形成されている。調節エレメント10の両部分は、所定の接続エレメントを介して形状接続的に互いに接続され得る。2つの部分から成る形態により、調節エレメントを特に簡単に組み立てることができる、または組み付けることができるという利点が生じる。
【0093】
さらに、把持部材8は、少なくとも1つの、この場合、例えば2つのロッカーエレメント12を有している。ロッカーエレメント12は、長手方向軸線Lに沿って、スライド部分2の対向する側に、調節エレメント10とスライド部分4との間に配置されている。ロッカーエレメントは確かに、調節エレメント10と共に長手方向軸線に沿って摺動可能ではある。しかしながら、調節エレメント10とは異なり、ロッカーエレメントは、半径方向でまたは回転可能に定置に、すなわち相対回動不能にまたは回動しないように、スライド部分4に接続されている。
【0094】
このために、スライド部分4は、長手方向軸線Lに沿って、それぞれ支持溝4cを有していて、ロッカーエレメントは、それぞれ支持ピン12cを有している。支持ピン12cによって、各ロッカーエレメント12は、対応配置された支持溝4cに取り付けられるまたは支持される。これにより、把持部材8は、ロッカーエレメント12を介してスライド部分に連結または接続されている。各支持溝4cは、把持部材8のための摺動方向Tを規定している。
【0095】
調節エレメント10は、各ロッカーエレメント12と共に、自体公知のクランプ装置を形成している。この場合、調節エレメント10は、長手方向軸線に対して横方向に延在するブロック方向Bへのブロック位置への回動(この場合、右回転)により、各ロッカーエレメント12を、スライド部分4に対するロック状態へと旋回させるように構成されている。ロック状態では、長手方向軸線に沿った把持部材8の摺動はブロックされている。したがって、把持部材8はロックされていて、ゼロ状態に位置している。
図3は、例としてゼロ状態で把持部材を示している。
【0096】
これに対し、調節エレメント10はさらに、長手方向軸線Lに対して横方向の、ブロック方向Bとは異なる調節方向Vでの、ブロック位置とは異なる調節位置への回動(この場合、左回転)により、各ロッカーエレメント12を、スライド部分4に対する解放状態へと旋回させるように構成されている。解放状態では、長手方向軸線Lに沿った把持部材8の摺動は解放されていて、すなわちもはやブロックされていない。把持部材は、例えば
図2に示されているような出発位置に位置している。
【0097】
各ロッカーエレメント12と調節エレメント10とが、ブロックまたはロックを可能にするためにどのように構成されているのかは、自体公知である。以下の実施例では、各ロッカーエレメントは、スライド部分4に面した内面にまたは載置面に歯列装置12aを有している。スライド部分6は、各ロッカーエレメント12に面した外面または載置面に、同様に対応する歯列装置4aを有している。
【0098】
調節エレメント10がブロック位置へと回動する際には、調節エレメント10は、各ロッカーエレメント12を、各支持ピン12cもしくは各支持溝4cによって形成される軸線に沿って傾動させまたは旋回させ、これにより歯列装置4a,12aは互いに接触または接続させられる。したがって、ロック状態では、歯列装置4a,12aは互いに当接している。この場合、歯列エレメントは、歯列装置4a,12aの歯列エレメント受容部に係合する。これにより形状接続が形成される。
【0099】
これに対し、調節エレメント10が調節位置へと回動する際には、各ロッカーエレメント12は、歯列装置4a,12a間の接触が解除されるように、旋回または傾動される。各ロッカーエレメント12は、解放状態にある。ブロックは解除されている。
【0100】
歯列装置4a,12aの代わりに、例えばブレーキパッドによってブロック機構が実現されてもよい。したがって、ロック状態では、ロッカーエレメント12の各載置面は、ブレーキ楔のように作用することができる。
【0101】
記載した装置2は、特に簡単に片手で操作することができるという利点を有している。したがって、この装置2は、例えば、自体公知のように、医療用ハンドピースにおける使用に適している。相応の医療用ハンドピースは、例えば、内視鏡的な侵襲のために使用することができる。この場合、1つ以上の、特に2つの記載した装置が公知の形式で互いに組み込まれるまたは組み付けられる。これにより生じたハンドピースは、設けられたインターフェースを介して、例えば内視鏡および/または吸引装置および/または吸引ニードル等の1つ以上の医療機器に接続することができる。このハンドピースにより、内視鏡的な侵襲時に各装置の侵入深さを調節することにより、例えば医療用ハンドピースを通してガイドされているチューブからの吸引ニードルの吸引ニードル部分の突出を規定することができる。したがって、例えば、腫瘍またはその他の組織片に対する穿刺深さを、特に正確に調節することができる。上述した形式の医療用ハンドピースは、それ自体が従来技術から公知であるので、以下では詳しくは説明しない。
【0102】
調節エレメント10のために、各運動方向を規定するために、把持部材8は、少なくとも1つの、この場合、例えば2つのガイド構造体15を有している。各ガイド構造体15は、第1のガイド本体と第2のガイド本体とを有している。第1のガイド本体は、この場合、例えば、ガイドエレメント14として形成されている。各ガイドエレメント14は、この場合、例えば、調節エレメント10の、各ロッカーエレメント12に面している内面に取り付けられているまたは固定されている。ガイドエレメント14のそれぞれは、調節エレメント10のための個々のガイド延在を規定するガイド通路14bまたはガイド溝を有している。ガイド軌道14bは、この実施形態では、例えばガイドエレメント14に設けられた凹部または切欠きとして形成されている。
【0103】
それぞれ第2のガイド本体は、この場合、例えば、ガイドピン12bとして形成されている。ガイドピン12bは、各ロッカーエレメント12に含まれている。ガイドピン12bは、各ロッカーエレメント12の、調節エレメント10に面した外面に取り付けられている。この場合、ガイドピン12bは、半径方向に、すなわち長手方向軸線Lに対して垂直に、ガイドエレメント14の方向に延びる隆起部または突起を形成している。
【0104】
ガイドピン12bとガイド通路14bとは、形状接続的に接続可能である。このために、ガイドピン12bは、ガイド軌道14bに係合することができる。すなわち、ガイドピン12bは、ガイド軌道14b内に配置可能である。配置状態で、ガイドピン12bとガイドエレメント14とは互いに相対的に、特に回動方向Rおよび/または摺動方向Tで可動である。運動方向は、ガイド通路14bの延在により規定されている。したがって、調節エレメント10がガイドエレメント14に堅固に接続されていることにより、調節エレメント10も、配置状態で、ロッカーエレメント12に対して相対的に、ガイド軌道14bによって規定されたガイド延在に沿ってのみ可動である。
【0105】
ガイド延在は、この実施例では、段状またはZ字形を有している(
図2または
図3参照)。すなわち、ガイド延在は、接続された3つのガイド延在区分を有している。区分のうちの2つは、回動方向Rに沿って延在しており、摺動方向Tで延在する区分によって接続されている。この場合、ガイド延在のオフセットは、長手方向Lで、この場合、ブロック方向Bに対して相対的に、例えば下方に向かって生じる。このオフセットは、調節エレメント10のブロック位置に存在する。すなわち、回動方向Rに対して平行な区分は、ブロック位置で終わるまたは始まる。
【0106】
進入深さを規定するためのブロックは、望ましくないことに、所定の状況で解除されるおそれがある。このような望ましくないブロック解除を回避するために、ブロック機構に加えて付加的に、固定機構が設けられている。固定機構により、ブロックを固定またはロックすることができる。この場合、例えば、ブロックを解除することができるようにするためには付加的な力をかける必要がある。解除とは、この場合、特に、調節エレメントがブロック位置から調節位置へと移動し、したがって各ロッカーエレメント12がロック状態から解放状態へと動くことを意味する。
【0107】
固定機構を実現するために、把持部材8は固定装置16を有している。この場合、例えば、複数のこのような固定装置16が、特に4つのこのような固定装置16が設けられている。各固定装置16は、それぞれ第1の固定エレメント16aを有している。各第1の固定エレメント16aは、調節エレメント10によって、長手方向軸線Lに対して横方向で、すなわち回動方向Rで、スライド部分4に対して回動可能である。この実施例では、このために、各第1の固定エレメント16aは調節エレメント10に含まれている。
【0108】
4つの第1の固定エレメント16aは、回動方向Rで均等に分配されて調節エレメント10に取り付けられている。ただしこの場合、固定エレメント16aのうちの2つが、摺動方向Tで上方に向かって、すなわち、スライド部分4の方向にずらされて配置されている。それ以外の2つの固定エレメント16aは、下方に向かって、すなわち、収容部分6の方向にずらされて配置されている。
【0109】
さらに、各固定装置16は、スライド部分4に対して定置または相対回動不能に配置されている第2の固定エレメント16bを有している。このために、各第2の固定エレメント16bは、例えば、スライド部分4自体と一体であってもよい。代替的には、各第2の固定エレメント16は、この実施例で示されているように、把持部材8の、スライド部分6に対して相対回動不能な構成要素に組み込まれていてもよい。この場合、第2の固定エレメント16bのうちの2つは、例えば、ロッカーエレメント12の1つにそれぞれ含まれている。その他の2つの固定エレメント16bは、例えば、さらに詳しく後述するロック解除装置18のロック解除エレメント20に組み込まれている、または配置されている。第2の固定エレメント16bは、第1の固定エレメント16aと同様に、回動方向Rおよび摺動方向Tに対して相対的にずらされて配置されている。
【0110】
調節エレメント10のブロック位置では、各第1および第2の固定エレメント16a,16bが、長手方向軸線Lに対して横方向の回動に抗して調節エレメントを固定するための保持力Hを加えるように構成されている。すなわち、ブロック位置では、把持部材8はブロックされていて、付加的に固定またはロックされている。したがって、保持力によって、調節エレメント10は、まずはそれ以上、回動方向Rで回動することはできない。回動を可能にするためには、まずは保持力Hを克服しなければならない。保持力Hを克服するためには、好適には、ブロックの解除のためにそれ自体必要であるよりも大きな力が必要である。
【0111】
図1の実施例では、各固定装置16は、受動的な固定またはロックとして実現されている。すなわち、各第1の固定エレメント16aは、調節エレメント10によって、長手方向軸線に対して横方向でのブロック位置への回動により、第2の固定エレメント16bに対して相対的に、保持力Hが最大となる所定の固定状態へと可動である。したがって、調節エレメントの回動により自動的に固定が実現される。
【0112】
第1および第2の固定エレメント16a,16bは、この場合、永久磁石として形成されている。この場合、各第1および第2の固定エレメント16a,16bは、逆極性の磁場を備えた磁性材料を有している。したがって、保持力Hは、永久磁石を吸引する磁力によって提供される。
【0113】
この場合、永久磁石は、円筒形状を有している。磁石の構造は、この場合、その磁力が摺動方向Tで作用するように選択されている。すなわち、保持力Hは、この場合、各第1の固定エレメント16aが、対応配置された第2の固定エレメント16bに対して直線的に平行に配置されている場合(例えば
図3参照)にちょうど最大である。これにより、固定エレメント16a,16bの回動方向Rでのずれは、この場合、第1の固定エレメント16aおよび対応配置された第2の固定エレメント16bの円筒状の磁石が、ブロック位置で、逆極性の端部に互いに当接するように、好ましくは互いに直接接触するように、選択されている。上述した固定状態が生じる。これに対して、ブロック位置の外側では、特に調節位置では、所属の固定エレメント16a,16bは、一方では摺動方向Tで他方では調節方向Rで互いにずらされているまたは互いに離隔されている。固定エレメント16a,16bのこの状態は、以下では、ロック解除状態とも記載する。
【0114】
図1の実施例に対して代替的に、固定エレメント16a,16bを、例えば、少なくとも1つの転動体と、転動体を固定状態で収容するための凹部とを備えた転がり軸受として形成することもできる。代替的には、例えば、勿論、能動的な固定も考えられる。この場合、固定エレメント16a,16bを、例えば、遮断体と、遮断体を収容するための凹部として形成することもできる。固定状態へと動かすためには、回動に対して付加的に設けられた、操作員による操作行為が必要である。
【0115】
固定と同様に、能動的または受動的なロック解除、すなわち、固定の受動的なまたは能動的な解除が想定されていてもよい。受動的なロック解除は、例えば、調節エレメント10をブロック状態から外へ調節方向Vで回動させることにより実現され得る。十分大きな力をかけて回動が行われると、固定装置16の保持力Hを解除することができる。この場合、固定エレメント16a,16bを、保持力Hが少なくとも減じられる、特に最小にまたはゼロにされるロック解除状態へと動かすことができる。しかしながら付加的に、調節方向での回動により、各ロッカーエレメント12がロック状態から解放状態へと動かされるので、各ロッカーエレメント12のブロックも解除される。
【0116】
固定をさらに確実にするために、かつ極めて意図的にロック解除を行うために、アクティブなロック解除が想定されていてもよい。このために、把持部材8は、さらに詳しく後述するようなロック解除機構を含む。ロック解除機構は、この実施例では、把持部材8のロック解除装置18と、ガイド構造体15の段状のガイド延在により実現されている。
【0117】
図4に示されているように、ロック解除を行うためにはまず、長手方向軸線Lに沿って、この場合特に上に向かって、調節エレメント10を摺動させまたは引っ張り、固定エレメント16a,16bの磁力を解除する。運動方向および運動遊び空間は、ガイド軌道14bの、長手方向軸線Lに対して平行に延在する区分によって規定されている。
【0118】
次いで、ロック解除を実施するために(
図5および
図6参照)、調節エレメント10の回動がブロック方向Bでさらに行われる。相応に、ロック解除機構によれば、調節エレメント10は、固定を解除するために、ブロック位置からブロック方向Bへの回動により、ブロック位置および調節位置とは異なるロック解除位置をとるように、構成されていてもよい。
図6は、調節エレメント10がロック解除位置に位置しているロック解除状態にある把持部材8を示している。
【0119】
ロック解除位置では、第1および第2の固定エレメント16a,16bが、上述したロック解除状態へと動かされる。各ロッカーエレメント12は、この場合、調節エレメント10のロック解除位置で、ロック位置状態を維持している。すなわち、ロック解除位置では、把持部材8はブロックされているが、もはや固定またはロックされていない。
【0120】
ロック解除位置へ回動する際にまたは調節位置へと戻される際に、固定エレメント16a,16bのロック解除状態を保持するために、ロック解除装置18が設けられている。ロック解除装置18は、例えば、3つの部分から形成されていて、スライド部分4と調節エレメント10との間に配置されている。この実施例では、ロック解除装置は、長手方向軸線に沿って、各ロッカーエレメント12の下方に配置されている。
【0121】
ロック解除装置18は、第1の調節エレメント20、第2の調節エレメント22、および信号化エレメント24を有している。第1のロック解除エレメント20は、調節エレメント10とスライド部分6との間に配置されている。第2の調節エレメント22は、摺動方向Tに沿って少なくとも所定の領域でまたは所定の区分で第1のロック解除エレメント20によってオーバーラップされていて、または取り囲まれていて、スライド部分4と調節エレメント10との間に配置されている。信号化エレメント24は、スライド部分6と第1および第2のロック解除エレメント20,22との間に配置されている。
【0122】
第1の調節エレメント20は、スライド部分6に対して相対的に回動不能に配置されている。しかしながら、調節エレメント10は、第1のロック解除エレメント20に対して相対的に長手方向軸線Lに沿って摺動可能である。第2のロック解除エレメント22は、調節エレメント10に対して相対的に、長手方向軸線Lに沿って摺動しないように定置である。しかしながら、第2のロック解除エレメント22は、調節エレメント10に対して相対的に回動方向Rで回動可能であり、特に少なくとも所定の区分で回動可能である。これに対し信号化エレメント24は、完全に定置に、または調節エレメント10に対して相対回動不能に形成されている。第1の調節エレメント20は、好ましくは、信号化エレメント24に対して相対的に長手方向軸線Lに沿って摺動可能である。
【0123】
第1のロック解除エレメント21と調節エレメント10とは、少なくとも1つの、この場合、例えば2つのスペーサ構造体11を互いに形成している。ブロック位置の外側で長手方向軸線に対して横方向に調節エレメント10が回動する際には、調節エレメント10と第1のロック解除エレメント21とが、各スペーサ構造体11によって互いに相対的に所定の間隔を置いて保持されている。すなわち、第1のロック解除エレメント20と調節エレメント10とは、ブロック位置の外側で互いに支持されている。これにより、固定エレメント16a,16bのロック解除位置は実現される(
図5および
図6参照)。
【0124】
各スペーサ構造体11は、この場合、支持部分20aと、スペーサ体としての保持部分10aとによって形成されている。支持部分20aは、長手方向軸線Lに沿って、第1のロック解除エレメント20から突出部または突起として延在している。保持部分10aは、調節エレメント10に含まれており、載置面または支持面によって形成されている。載置面は、軸方向で、調節エレメント10の、スライド部分4に面した内面に沿って、回動方向Rに沿って延在している。ロック解除状態を実現するために、支持部分20aは、保持部分10aの載置面上に載置される。したがって、回動の際に、突起は、載置面に沿って滑動する。
【0125】
固定をさらに改善するために、スペーサ構造体11はロック機構を有している。ロック機構により、第1のロック解除エレメント20と調節エレメント10とは、ブロック位置で形状接続的に接続可能であり、これにより所定の間隔は減じられ、固定エレメント16a,16bの固定状態は実現されている。この場合、記載した保持部分10aは、支持部分20aの突出部に対応する収容部または切欠きを有している。この切欠きは、摺動方向Tに沿って、支持部分20aに対応して延在している。ブロック位置では、支持部分20aの突起を収容するための収容部が形成されている。突起は、収容部内に掛止または係合することができる。これにより、突起により規定された間隔は減じられ、固定エレメント16a,16bは、固定状態にもたらすことができる。
【0126】
第1のロック解除エレメント20は、ガイドピン20cを介して、信号化エレメント24のガイド溝24cに連結または接続されている。ガイド溝24cは、摺動方向Tで信号化エレメント24に沿って延在している。したがって、第1のロック解除エレメント20は、信号化エレメント24に対して相対的に長手方向軸線Lに沿って摺動可能である。
【0127】
収容状態では、ガイド溝24cは、第1のロック解除エレメント20の動きをこの場合上方に向かって制限している。これにより、固定を解除するために調節エレメント10を引くことにより、突起を少なくとも所定の領域で、好ましくは完全に収容部から外へ出すことができる(
図4参照)。この場合、固定エレメント16a,16bの保持力は、少なくとも、第1のロック解除エレメント20を保持するためには磁力がもはや十分に大きくない程度に解除される。これにより、第1のロック解除エレメント20は、重力の方向で、この場合、下方に向かって収容部分6の方向に落下する。
【0128】
装置2の収容部分6の方向で、信号化エレメント24は、少なくとも1つの、この場合、例えば2つの、特に例えば3つ以上のストッパ24aを有している。各ストッパ24aによって、一方の側から、少なくともロック解除位置で、すなわち、ブロック位置の外側で、第1のロック解除エレメント20が支持されている。対向する側では、例えば、収容部分6がストッパ24aによって把持部分8に対して支持されていてもよい。
【0129】
信号化エレメントは、調節エレメント10および第1のロック解除エレメント20に対して定置に形成されているので、ブロック位置で信号化エレメント24は長手方向軸線Lに沿って(この場合、例えば下方に向かって)調節エレメント10を越えて突出することができる。信号化エレメント24は、所定の領域で露出しており、したがって、操作員は目視することができる。これにより、把持部分8のブロック、特に固定も、信号化エレメント24によって信号化することができる(
図3参照)。特に、信号化エレメント24は、例えば、信号色で、例えば赤色で、着色されていてもよい。
【0130】
第2のロック解除エレメント22は、第1のロック解除エレメント20と共に、少なくとも1つの、この場合、例えば2つの摺動構造体21を形成する。各摺動構造体21によって、調節エレメント10と第1のロック解除エレメント20とは、長手方向軸線Lに沿って互いに相対的に所定の間隔を置いて摺動可能である。すなわち、ロック解除構造体21は、ロック解除位置への調節エレメント10の回動により自動的にロック解除を実現するために使用される。好ましくは、摺動構造体21は、スペーサ構造体11と同様に所定の間隔を保持するためにも使用することができる。
【0131】
各摺動構造体21は、この場合、例えば、2つの摺動体、すなわち第1の摺動体20bと第2の摺動体22bとによって形成されている。第1の摺動体20bは、第1のロック解除エレメント20の、第2のロック解除エレメント22に面した内面に配置されている。第1の摺動体20bは、例えば、長手方向軸線Lに沿って(この場合、例えば上方に向かって)第2のロック解除エレメント22へと延在している凸部または突出部として形成されている。第1の摺動体20bは、第1の摺動体20bを第2の摺動体22bに対して支持することができる載置面(この場合、上面)を有している。
【0132】
第2の摺動体22bは、第2のロック解除エレメント22に含まれている。第2の摺動体22bは、第1の摺動体20bの載置面のための載置面または支持面を有している。
図7および
図8に示されているように、第2の摺動体22bの載置面は、第2のロック解除エレメント22の下側の縁部領域によって形成されている。
【0133】
第2の摺動体22bは、第1の摺動体20bに、特に凸部に対応する収容部または切欠きを有している。この収容部または切欠きには、
図3に示されているように、ブロック位置で第1の摺動体20bを収容することができる。これにより、第1の摺動体20bと第2の摺動体22bとは、形状接続を形成する。
図1に示されているように、切欠きおよび突出部は、1つの辺が摺動方向Tに対して斜めに延在している矩形を有する。すなわち、傾斜部が形成されている。この傾斜部によって、調節エレメント10がブロック位置から、突出部のブロック方向へと回動する際に、凹部に沿って特に簡単に滑動することができ、これにより第2のロック解除エレメント22と、特にこれに接続された調節エレメント10と、第1のロック解除エレメント20とを互いに対して予め規定された間隔で置くことができる(
図6および
図7参照)。
図1に示されているように、ロック解除装置は、上述したスペーサ構造体および摺動構造体のうちの複数を、例えば2つを有していてもよい。
【0134】
最後に、第2のロック解除エレメント22と調節エレメント10とは、少なくとも1つの、この場合、例えば2つの連結構造体13を互いに形成している。長手方向軸線Lに対して横方向で調節エレメント10が回動する際に、各連結構造体13によって、第2のロック解除エレメント22は少なくとも所定の区分で連行され得る。特に、第2の調節エレメント22は、ブロック位置からロック解除位置へ回動する場合にのみ、少なくとも所定の区分で、調節エレメント10がロック解除位置から調節位置へと回動する場合に連行される。
【0135】
各連結構造体13は、この場合、例えば、2つの連行体11cと各被連行体22cとによって形成されている。各連行体11cは、長手方向軸線Lに対して半径方向で、調節エレメント10の、第2のロック解除エレメント22に面した内面で突出する突出部またはブロックとして形成されている。各被連行体22cは、長手方向軸線Lに対して半径方向で、第2のロック解除エレメント22の、調節エレメント10の方向で突出する外面として形成されている。連結状態では、各連行体11cは、被連行体22cを、回動により生じた力によって負荷し、この力によって、被連行体22cは、連行体11cと共に回転するように連行される。
【0136】
両連行体11cは、回動方向Rに沿ってずらされて配置されている。連行体22cは、両連行体11cの間に配置されている。
図5および
図6に示されているように、連行体11cの軸方向の配置は、連行体11cのうちの1つがブロック位置で、被連行体22cに連結されているように選択されている。ブロック方向での調節エレメント10の回動の際には、これにより第2のロック解除エレメント22が一緒に回動される。これにより摺動構造体21はアクティブにされる。
【0137】
図7および
図8は、ロック解除位置から出発位置へと戻す、調節エレメント10の戻しガイドを示している。
図7は、このために、調節エレメント10が、ロック解除位置を起点として調節位置へと戻るように約2/3まで回動されている状態で把持部材8を示している。見易さのために、ロック解除装置18のうち第2の調節エレメント22のみが示されており、連結構造体13の機能が見易く示されている。
【0138】
図7では、連行体11cのうちの他方ならびに被連行体22cは、まだ連結されていない状態にある。しかしながら連結は、まだ調節位置に到達する前に行われる。したがって、第2のロック解除エレメント22は、調節方向Vでの回動の際にガイド軌道14bの最後の区分で初めて連行される。したがって、
図6に関して、摺動構造体21によって、支持部分20aと保持部分10aの凹部とが回動および摺動されて調節位置に戻る際に互いに係合することなしに、第1のロック解除エレメント20と調節エレメント10との間の間隔が得られている。支持体が、収容部に対して相対的に再びずらされて初めて、第2の調節エレメント22は、調節エレメント10が再び出発位置に、すなわち調節位置に位置するまで、連結構造体13によって連行される。
【0139】
全体としてこれらの実施例は、ロック可能なツイストロック、すなわち例えば医療用ハンドピースの把持部材8のためのロック可能な調節エレメント10をどのように実現することができるかを示している。
【符号の説明】
【0140】
2 装置
4 スライド部分
4a 歯列装置
4b スケール
4c 支持溝
6 収容部分
8 把持部材
10 調節エレメント
10a 保持部分
10c 連行体
11 スペーサ構造体
12 ロッカーエレメント
12a 歯列装置
12b ガイドピン
12c 支持ピン
13 連結構造体
14 ガイドエレメント
14b ガイド軌道
15 ガイド構造体
16 固定装置
16a 第1の固定エレメント
16b 第2の固定エレメント
18 ロック解除装置
20 第1のロック解除エレメント
20a 支持部分
20b 摺動体
20c ガイドピン
21 摺動構造体
22 第2のロック解除エレメント
22b 第2の摺動体
22c 被連行体
24 信号化エレメント
24a ストッパ
24c ガイド溝
B ブロック方向
L 長手方向軸線
R 回動方向
T 摺動方向
【外国語明細書】