(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024022667
(43)【公開日】2024-02-16
(54)【発明の名称】ユニバーサル消毒キャップ
(51)【国際特許分類】
A61M 39/20 20060101AFI20240208BHJP
A61L 29/16 20060101ALN20240208BHJP
A61L 29/14 20060101ALN20240208BHJP
【FI】
A61M39/20
A61L29/16
A61L29/14 300
【審査請求】有
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023210231
(22)【出願日】2023-12-13
(62)【分割の表示】P 2021514005の分割
【原出願日】2019-09-12
(31)【優先権主張番号】62/731,188
(32)【優先日】2018-09-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チャン ジアン
(57)【要約】
【課題】従来の保持クリップは、保持機構のロックを解除するために必要な力を望ましくない程度まで増加させる可能性がある。
【解決手段】医療用コネクタに接続するためのデバイスであり、デバイスは、キャップ本体、オス型ルアーコネクタおよびメス型ルアーコネクタと係合するように適合されたカップリングシリンダ、空気で満たされたバルブコンパートメント、消毒剤または抗菌試薬で満たされた試薬コンパートメント、およびバルブコンパートメントを試薬コンパートメントに接続する通路。を含む。試薬コンパートメントは、外壁表面、内壁表面、試薬コンパートメントの外壁表面および内壁表面に密に統合された再封可能な細孔のアレイ、および遠位先端を含む。通路は、キャップ本体の近位壁の開口部に配置され得る。カップリングシリンダは、Oリングを含み得る。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療用コネクタに接続するためのデバイスであって、
外面および内面を有する側壁、開いた遠位端、および近位壁を含む近位端を備えたキャップ本体であって、前記近位壁は開口部を有する、キャップ本体と、
カップリングシリンダであって、前記キャップ本体の内側に位置し、遠位端と、長手方向に埋め込まれた1つまたは複数の板バネを備えた変形可能な側壁とを有し、オス型コネクタまたはメス型コネクタと嵌合することができる、カップリングシリンダと、
前記キャップ本体の近位壁に位置し、圧縮可能であり、空気で満たされたバルブコンパートメントと、
前記カップリングシリンダの内側に位置し、消毒剤または抗菌剤を含むチャンバーを画定する試薬コンパートメントと、
前記バルブコンパートメントを前記試薬コンパートメントに接続する通路であって、前記近位壁の前記開口部に配置された、通路と、
を備えた、デバイス。
【請求項2】
前記カップリングシリンダの前記遠位端がOリングを有する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記Oリングがエラストマー材料で作製される、請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記1つまたは複数の板バネが、高い幾何学的アスペクト比を有する長方形の形態である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項5】
前記1つまたは複数の板バネが、等しい角度広がりで前記カップリングシリンダの側壁に埋め込まれている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項6】
前記1つまたは複数の板バネが、前記カップリングシリンダの中心軸に関して軸対称である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項7】
前記1つまたは複数の板バネが、ステンレス鋼または金属合金の薄いシートで作られている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項8】
前記キャップ本体の前記開いた遠位端が、初期状態で前記試薬コンパートメントの前記遠位先端とほぼ同じ水平面P上に位置する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項9】
メス型ルアーコネクタまたはオス型ルアーコネクタが前記デバイスに係合されると、前記試薬コンパートメントが圧縮され、前記近位壁に向かって格納する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項10】
前記試薬コンパートメントの前記圧縮が、前記試薬コンパートメントから前記消毒剤または抗菌剤を放出して、前記メス型ルアーコネクタまたは前記オス型ルアーコネクタを消毒する、請求項9に記載のデバイス。
【請求項11】
前記消毒剤または抗菌剤は、イソプロピルアルコール、エタノール、2-プロパノール、ブタノール、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、没食子酸プロピル、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン、t-ブチル-ヒドロキノン、クロロキシレノール、クロルヘキシジン、クロルヘキシジン二酢酸塩、グルコン酸クロルヘキシジン、ポビドンヨード、アルコール、ジクロロベンジルアルコール、デヒドロ酢酸、ヘキセチジン、トリクロサン、過酸化水素、コロイド銀、塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウム、オクテニジン、抗生物質、およびそれらの混合物から本質的になる群から選択される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項12】
前記消毒剤または抗菌剤が流体またはゲルである、請求項1に記載のデバイス。
【請求項13】
前記メス型コネクタは、本質的に、無針コネクタ、ストップコック、および血液透析コネクタからなる群から選択される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項14】
前記オス型コネクタは、静脈内チューブ端またはストップコックである、請求項1に記載のデバイス。
【請求項15】
前記キャップ本体の前記開いた遠位端に剥離可能なシールをさらに備えた、請求項1に記載のデバイス。
【請求項16】
前記試薬コンパートメントが、外壁面、内壁面、および前記試薬コンパートメントの外壁面と内壁面との間に配置された透過性膜を有する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項17】
前記透過性膜が、前記試薬コンパートメントの外壁面および内壁面に一体化された高密度に分布した自動再封可能な細孔のアレイによって穿孔されている、請求項16に記載のデバイス。
【請求項18】
エラストマー材料で強固に構成される円錐形の遠位先端をさらに備える、請求項1に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般的に、例えば、オスおよびメス型ルアーフィッティングを備えたアクセスポートを消毒および滅菌するためのデバイスに関し、特に、複数のタイプのコネクタに対応することができる消毒および滅菌デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
血管アクセスデバイス(VAD’s)は共通に使用される治療デバイスであり、静脈内(IV)カテーテルを含む。VAD’sには、末梢カテーテルおよび中心静脈カテーテルという、2つの一般的な分類がある。細菌および他の微生物は、流体または薬剤を送達するためのVADへの接続時にアクセスハブ、ポートまたはバルブから患者の血管系に侵入し得る。各アクセスハブ、ポート、またはバルブの接続は、カテーテル関連の血流感染症(CRBSI)を感染させるいくつかのリスクに関連付けられ、これは、費用がかかり、潜在的に致命的となることができる。
【0003】
カテーテル関連血流感染症(CRBSI)の症例を減少させ、ならびにVADが正しく使用および維持されることを確実にするために、実践の基準が開発されてきており、これは、消毒および洗浄手順を含む。
【0004】
消毒キャップがアメリカ医療疫学会(SHEA)(Society for Healthcare Epidemiology of America)ガイドラインに追加され、初期の表示は、キャップが輸液看護師基準(INS)(Infusion Nurses Standards)ガイドラインにも組み込まれるであろうことである。
【0005】
先進市場では、IVカテーテルを利用する場合、無針コネクタが典型的に使用され、システムを閉鎖し、次いでその後、患者にカテーテルを介して薬物またはその他の必要な液体を投与するようにアクセスする。INSの実施基準は、無針コネクタの使用を推奨しており、および、「各アクセスの前に、アルコール、ヨードチンキ、またはグルコン酸クロルヘキシジン/アルコールの組み合わせを用いて、一貫しておよび完全に消毒される」べきであると述べている。無針コネクタの消毒は、究極的には、表面に生息することができ、および前述されたCRBSI症例を含むさまざまなカテーテル関連の合併症を引き起こす可能性のある細菌の減少を助けることが意図される。看護師は、典型的には、70%IPAアルコールパッドを利用して、「ハブのスクラビング(scrubbing the hub)」として知られるものを行って、この消毒タスクを完了する。しかしながら、この実施に対する順守は、典型的には非常に低い。「ハブのスクラビング」に対する順守の欠如に加えて、スクラブ時間、乾燥時間、および無針コネクタがスクラブされる回数に、しばしばばらつきがあることも、臨床医のインタビューを通じて指摘されている。
【0006】
CRBSIを引き起こすことができる微生物の伝染に関連付けられた一連の手順を通じて、接触または汚染の多くのリスクがある。汚染は、薬物の混合、カニューレの取り付け、およびアクセスハブへの挿入中に起こることができる。VADに接続するための手順は極めて一般的で簡単であるので、患者の血管系への侵入に関連付けられたリスクはしばしば見落とされている。現在、病院および患者へのリスクは、接続を行う臨床医の勤勉さの実質的な働き(function)であり、およびこの勤勉さは主に管理できない。
【0007】
現在市販されている消毒キャップは、3つのタイプのルアーフィッティングの1つ、つまり無針コネクタのメス型ルアー、ストップコックのメス型ルアー、および静脈内注入部位のオス型ルアーコネクタの1つのみを消毒することができるものである。現在、オス型無針コネクタ、メス型無針コネクタ、静脈内(IV)および血液透析ラインのためのキャップは異なる設計を用いており、そのため、キャップを取り付けることができるタイプのコネクタに限定される。従来の消毒キャップは、1つのタイプのコネクタのみに適合するように設計され、およびコネクタの1つの特定のサイズおよび/または形状に固有のものである。現在市場に出ている特定の消毒キャップは、一般的に、ストップコックの開いたメス型ルアーにも適合し得る無針コネクタの閉じたメス型ルアーと一緒に使用することを意図しているが、現在市場に出ている消毒キャップは、ストップコックの内腔を消毒することができない。現在市場に出回っている消毒キャップは、開いたメス型ルアーの内腔を消毒している一方、オスとメス型両方のコネクタに結合することはできない。すなわち、消毒プロセスを効率化するために、オス型コネクタとメス型コネクタの両方を含む複数のタイプのコネクタに対応することができる消毒デバイスが必要とされている。
【発明の概要】
【0008】
本開示の1つの態様は、医療用コネクタに接続するためのデバイスに関する。本開示の第2の例示的な実施形態によると、デバイスは、一般的に、キャップ本体、カップリングシリンダ、バルブコンパートメント(bulb compartment)、試薬コンパートメント(reageant compartment)、およびバルブコンパートメントを試薬コンパートメントに接続する通路を備える。キャップ本体は、外面および内面を有する側壁、開放遠位端、および近位端を含む。近位端は、開口を有する近位壁を含む。側壁は、近位端から開いた遠位端まで延びる長さLO1を有する。開放端は、端面を画定する。
【0009】
1つまたは複数の実施形態では、カップリングシリンダは、メス型コネクタまたは血液透析コネクタの外ねじ面に嵌合する内面、オス型コネクタのカラーのねじ面に嵌合する外面、遠位端、および近位端を備えた側壁を含む。
【0010】
1つまたは複数の実施形態では、バルブコンパートメントは空気で満たされている。
【0011】
試薬コンパートメントは、消毒剤または抗菌剤を含むチャンバーを画定する。試薬コンパートメントは、外壁表面、内壁表面、試薬コンパートメントの外壁表面および内壁表面に密に統合された再封可能な細孔のアレイ、および遠位先端を含む。
【0012】
1つまたは複数の実施形態では、通路は近位壁の開口部に配置される。
【0013】
1つまたは複数の実施形態では、カップリングシリンダの遠位端はOリングを含む。1つまたは複数の実施形態では、Oリングはエラストマー材料で作製される。
【0014】
1つまたは複数の実施形態では、キャップ本体の開口遠位端は、メス型ルアーコネクタまたはオス型ルアーコネクタがデバイスに係合すると、試薬コンパートメントが圧縮され、試薬コンパートメントが近位壁に向かって格納するように、試薬コンパートメントの遠位先端とほぼ同じ水平面P上に、または初期状態でキャップ本体の開いた遠位端から8mm未満離れて配置される。
【0015】
1つまたは複数の実施形態では、チャンバーの圧縮は、試薬コンパートメントから消毒剤または抗菌剤を放出して、メス型ルアーコネクタまたはオス型ルアーコネクタを消毒する。1つまたは複数の実施形態では、消毒剤または抗菌剤は、イソプロピルアルコール、エタノール、2-プロパノール、ブタノール、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、プロピルガレート、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン、t-ブチルヒドロキノン、クロルオキシレノール、クロルヘキシジン、クロルヘキシジン二酢酸塩、クロルヘキシジングルコン酸塩、ポビドンヨード、アルコール、ジクロロベンジルアルコール、デヒドロ酢酸、ヘキセチジン、トリクロサン、過酸化水素、コロイド銀、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンザルコニウム、オクテニジン、抗生物質、およびそれらの混合物からなる群から選択される。
【0016】
1つまたは複数の実施形態では、消毒剤または抗菌剤は、流体またはゲルである。
【0017】
1つまたは複数の実施形態において、メス型ルアーコネクタは、本質的に無針コネクタ、ストップコック、および血液透析コネクタを含んでなる群から選択される。
【0018】
1つまたは複数の実施形態において、オス型コネクタは、静脈内チューブ端またはストップコックである。
【0019】
1つまたは複数の実施形態では、デバイスは、キャップ本体の開放端に剥離可能なシールをさらに含む。
【0020】
1つまたは複数の実施形態において、剥離可能シールは、アルミニウムまたは多層ポリマーフィルムの剥し上部(peel back top)を含み得る。
【0021】
本開示の第2の例示的な実施形態によると、デバイスは、一般的に、キャップ本体、カップリングシリンダ、バルブコンパートメント、試薬コンパートメント、およびバルブコンパートメントを試薬コンパートメントに接続する通路を備える。キャップ本体は、外面および内面を有する側壁、開放遠位端、および近位端を含む。近位端は、開口を有する近位壁を含む。側壁は近位端から開いた遠位端まで延びる長さLO1を有する。開放端は、端面を画定する。
【0022】
1つまたは複数の実施形態では、カップリングシリンダは、メス型コネクタまたは血液透析コネクタの外ねじ面に嵌合する内面を備えた側壁、オス型コネクタのカラーのねじ面に嵌合する外面、遠位端、および近位端を含む。カップリングシリンダは、熱可塑性エラストマー(TPE)、ポリプロピレン(PP)/熱可塑性エラストマー(TPE)ブレンド、または、熱可塑性エラストマー(TPE)コート、もしくはプラスチックと熱可塑性エラストマー、熱可塑性エラストマー(TPE)、もしくは同様の弾性のゴムの他の混合物の層を備えたポリエチレン(PE)/熱可塑性エラストマー(TPE)ブレンド、もしくはポリプロピレン(PP)/ポリエチレン(PE)材料などの半硬質材料で作製され得る。1つまたは複数の実施形態では、カップリングシリンダは、2ショット成形プロセスを使用して作製され得る。
【0023】
1つまたは複数の実施形態では、バルブコンパートメントは空気で満たされている。
【0024】
試薬コンパートメントは、消毒剤または抗菌剤を含むチャンバーを画定する。試薬コンパートメントは、外壁表面、内壁表面、試薬コンパートメントの外壁表面および内壁表面に密に統合された再封可能な細孔のアレイ、および遠位先端を含む。
【0025】
1つまたは複数の実施形態では、通路は近位壁の開口部に配置される。
【0026】
1つまたは複数の実施形態では、カップリングシリンダの遠位端はOリングを含む。1つまたは複数の実施形態では、Oリングはエラストマー材料で作製される。
【0027】
1つまたは複数の実施形態では、カップリングシリンダの側壁は、1つまたは複数の板ばねを含む。
【0028】
1つまたは複数の実施形態では、キャップ本体の開いた遠位端は、メス型ルアーコネクタまたはオス型ルアーコネクタがデバイスに係合すると、試薬コンパートメントが圧縮され、試薬コンパートメントが近位壁に向かって格納するように、試薬コンパートメントの遠位先端とほぼ同じ水平面P上に、または初期状態でキャップ本体の開いた遠位端から8mm未満離れて配置される。
【0029】
1つまたは複数の実施形態では、チャンバーの圧縮は、試薬コンパートメントから消毒剤または抗菌剤を放出して、メス型ルアーコネクタまたはオス型ルアーコネクタを消毒する。1つまたは複数の実施形態では、消毒剤または抗菌剤は、イソプロピルアルコール、エタノール、2-プロパノール、ブタノール、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、プロピルガレート、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン、t-ブチルヒドロキノン、クロルオキシレノール、クロルヘキシジン、クロルヘキシジン二酢酸塩、クロルヘキシジングルコン酸塩、ポビドンヨード、アルコール、ジクロロベンジルアルコール、デヒドロ酢酸、ヘキセチジン、トリクロサン、過酸化水素、コロイド銀、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンザルコニウム、オクテニジン、抗生物質、およびそれらの混合物からなるグループから選択される。
【0030】
1つまたは複数の実施形態では、消毒剤または抗菌剤は、流体またはゲルである。
【0031】
1つまたは複数の実施形態において、メス型ルアーコネクタは、本質的に無針コネクタ、ストップコック、および血液透析コネクタを含んでなる群から選択される。
【0032】
1つまたは複数の実施形態において、オス型コネクタは、静脈内チューブ端またはストップコックである。
【0033】
1つまたは複数の実施形態では、デバイスは、キャップ本体の開放端に剥離可能なシールをさらに含む。
【0034】
1つまたは複数の実施形態において、剥離可能シールは、アルミニウムまたは多層ポリマーフィルムの剥し上部を含み得る。
【0035】
本開示の第3の例示的な実施形態によると、デバイスは、一般的に、キャップ本体、カップリングシリンダ、バルブコンパートメント、試薬コンパートメント、およびバルブコンパートメントを試薬コンパートメントに接続する通路を備える。試薬コンパートメントは、消毒剤または抗菌剤を含むチャンバーを画定する。試薬コンパートメントは、外壁表面、内壁表面、試薬コンパートメントの外壁表面および内壁表面に密に統合された再封可能な細孔のアレイ、試薬コンパートメントの外壁表面と内壁表面との間に配置された透過性膜、および遠位端を含む。
【0036】
キャップ本体は、外面および内面を有する側壁、開放遠位端、および近位端を含む。側壁は近位端から開いた遠位端まで延びる長さLO1を有する。開放端は、端面を画定する。
【0037】
1つまたは複数の実施形態では、カップリングシリンダは、メス型コネクタまたは血液透析コネクタの外ねじ面に嵌合する内面、オス型コネクタのカラーのねじ面に嵌合する外面、遠位端、および近位端を備えた側壁を含む。
【0038】
1つまたは複数の実施形態では、バルブコンパートメントは空気で満たされている。
【0039】
1つまたは複数の実施形態では、通路は、近位壁の開口部に配置される。
【0040】
1つまたは複数の実施形態では、カップリングシリンダの遠位端はOリングを含む。1つまたは複数の実施形態では、Oリングはエラストマー材料で作製される。
【0041】
1つまたは複数の実施形態では、カップリングシリンダの側壁は、1つまたは複数の板ばねを含む。
【0042】
1つまたは複数の実施形態では、キャップ本体の開いた遠位端は、初期状態の試薬コンパートメントの遠位先端とほぼ同じ水平面P上に位置している。
【0043】
1つまたは複数の実施形態では、メス型ルアーコネクタまたはオス型ルアーコネクタが本開示のデバイスに係合すると、試薬コンパートメントが圧縮され、試薬コンパートメントが近位壁に向かって格納する。
【0044】
1つまたは複数の実施形態では、チャンバーの圧縮は、試薬コンパートメントから消毒剤または抗菌剤を放出して、メス型ルアーコネクタまたはオス型ルアーコネクタを消毒する。1つまたは複数の実施形態では、消毒剤または抗菌剤は、イソプロピルアルコール、エタノール、2-プロパノール、ブタノール、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、プロピルガレート、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン、t-ブチルヒドロキノン、クロルオキシレノール、クロルヘキシジン、クロルヘキシジン二酢酸塩、クロルヘキシジングルコン酸塩、ポビドンヨード、アルコール、ジクロロベンジルアルコール、デヒドロ酢酸、ヘキセチジン、トリクロサン、過酸化水素、コロイド銀、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンザルコニウム、オクテニジン、抗生物質、およびそれらの混合物からなるグループから選択される。
【0045】
1つまたは複数の実施形態では、消毒剤または抗菌剤は、流体またはゲルである。
【0046】
1つまたは複数の実施形態において、メス型ルアーコネクタは、本質的に無針コネクタ、ストップコック、および血液透析コネクタからなる群から選択される。
【0047】
1つまたは複数の実施形態において、オス型コネクタは、静脈内チューブ端またはストップコックである。
【0048】
1つまたは複数の実施形態では、デバイスは、キャップ本体の開放端に剥離可能なシールをさらに含む。1つまたは複数の実施形態において、剥離可能シールは、アルミニウムまたは多層ポリマーフィルムの剥し上部を含む。
【0049】
本開示の第4の例示的な実施形態によると、デバイスは、一般的に、キャップ本体、金属の薄いシートで作製された側壁を有するカップリングシリンダ、バルブコンパートメント、試薬コンパートメント、およびバルブコンパートメントを試薬コンパートメントに接続する通路を備える。1つまたは複数の実施形態では、通路は、近位壁の開口部に配置される。1つまたは複数の実施形態では、カップリングシリンダのシート金属は、穿孔またはメッシュ化されている。
【0050】
キャップ本体は、外面および内面を有する側壁、開放遠位端、および近位端を含む。近位端は近位壁を含む。1つまたは複数の実施形態では、近位壁は開口を含む。1つまたは複数の実施形態では、側壁は近位端から開いた遠位端まで延びる長さLO1を有する。1つまたは複数の実施形態では、開いた遠位端は端面を規定する。
【0051】
1つまたは複数の実施形態では、カップリングシリンダの側壁は、メス型コネクタまたは血液透析コネクタの外側ねじ面に嵌合する内面、オス型コネクタのカラーのねじ面に嵌合する外面、遠位端、および近位端を含む。
【0052】
1つまたは複数の実施形態では、バルブコンパートメントは空気で満たされている。
【0053】
試薬コンパートメントは、消毒剤または抗菌剤を含むチャンバーを画定する。1つまたは複数の実施形態では、試薬コンパートメントは、外壁面、内壁面、試薬コンパートメントの外壁面および内壁面に密に統合された再封可能な細孔のアレイ、および遠位先端を有する。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【
図1】
図1は、第1の実施形態によるデバイスの斜視図を図示している。
【
図2】
図2は第2の実施形態によるデバイスの斜視図を図示している。
【
図3】
図3は
図2に示されるデバイスの断面側面図を図示している。
【
図4】
図4は第2の実施形態によるデバイスの斜視断面側面図を示す。
【
図5】
図5は第2の実施形態によるデバイスの側面図を図示している。
【
図6】
図6は
図2に示されるデバイスの断面側面図を図示している。
【
図8】
図8は
図2に示されるデバイスの側面図を図示している。
【
図9】
図9は
図2に示されるデバイスの試薬コンパートメントの壁の概略図を図示している。
【
図10】
図10は従来技術による閉じたメス型ルアーコネクタに関連して、
図2に示されるデバイスの平面図を図示している。
【
図11】
図11は従来技術による、開いたメス型ルアーコネクタに関連して
図2に示される装置の平面図を図示している。
【
図12】
図12は従来技術によるオス型ルアーコネクタに関連して、
図2に示されるデバイスの平面図を図示している。
【
図13】
図13はコンパートメントの境界材料を覆う透過性膜を有する第3の実施形態によるデバイスの断面図を図示している。
【
図14】
図14は
図13に示されるデバイスの試薬コンパートメントの壁の概略図を図示している。
【
図15】
図15は
図13に示されるデバイスの試薬コンパートメントの壁の概略図を図示している。
【
図16】
図16は
図13に示されるデバイスの試薬コンパートメントの壁の概略図を図示している。
【
図17】
図17は従来技術によるメス型ルアーコネクタに関連して、
図13に示されるデバイスの平面図を図示している。
【
図18】
図18は
図17に示されるデバイスの試薬コンパートメントの壁の概略図を図示している。
【
図19】
図19は従来技術によるオス型ルアーコネクタに関連して、
図13に示されるデバイスの平面図を図示している。
【
図20A】
図20Aは、カプラーが薄い金属シートである第4の実施形態によるデバイスの斜視図を図示している。
【
図20B】
図20Bは、カプラーが薄い金属シートである第4の実施形態によるデバイスの斜視図を図示している。
【
図20C】
図20Cは、カプラーが薄い金属シートである第4の実施形態によるデバイスの斜視図を図示している。
【
図20D】
図20Dは、カプラーが薄い金属シートである第4の実施形態によるデバイスの斜視図を図示している。
【
図20E】
図20Eは、カプラーが薄い金属シートである第4の実施形態によるデバイスの斜視図を図示している。
【発明を実施するための形態】
【0055】
本開示のいくつかの例示的な実施形態を説明する前に、本開示は、以下の説明に示される構成またはプロセス工程の詳細に限定されないことを理解されたい。本開示は、他の実施形態であることができ、様々な方法で実施または実行することができる。
【0056】
本開示の実施形態は、オス型ルアーコネクタおよびメス型ルアーコネクタを含む、オス型医療用コネクタおよびメス型医療用コネクタへの接続および消毒のためのユニバーサルシングルユースデバイスに関する。1つまたは複数の実施形態では、ユニバーサルシングルユースデバイスは、閉じたメス型ルアー、開いたメス型ルアー、およびオス型ルアーフィッティングを含む広範囲のルアーフィッティングに適合できる一方で、無針コネクタ、静脈ラインのオス型ルアーコネクタ、静脈内延長のオス型ルアーコネクタ、ストップコック、および血液透析コネクタなどの含むアクセスポートなどの医療器具を消毒することができる消毒キャップを備える。デバイスは消毒用の消毒剤または抗菌剤が含む。本開示のデバイスは、実施者が消毒プロセスを効率化することを可能にする。
【0057】
本開示で使用される用語に関して、以下の定義が提供される。
【0058】
本明細書で使用される場合、「a」、「an」、および「the」の使用は、単数形および複数形を含む。
【0059】
本明細書で使用される場合、「カテーテル関連血流感染」または「CRBSI」という用語は、カテーテルまたはIVラインの存在に起因するあらゆる感染を指している。
【0060】
本開示では、装置の遠位端が患者に最も近い端であり、装置の近位端が患者から離れて使用者に最も近い端であるという慣例に従っている。
【0061】
「変形可能」という用語は、手で押し下げられた状態で、少なくとも部分的に内部チャンバーに倒れ込むのに十分な柔軟性を有するように構造化された壁または容器を指す。変形の形状と程度は、壁、コンテナ、またはチャンバーのさまざまな構成によって異なるであろう。
【0062】
本明細書で使用する場合、「ルアーコネクタ」という用語は、シリンジ、カテーテル、ハブ付き針、IVチューブなどを互いに取り付ける標準的な方法である接続カラーを指す。ルアーコネクタは、単純な押圧/捩じり篏合(twist fit)だけでもよりよく結合するように、わずかにテーパー付けられた、オスおよびメスインターロックチューブからなる。ルアーコネクタは、任意選択的にねじの追加的な外側リムを含むことができ、ルアーコネクタがよりしっかりと固定されることを可能にする。ルアーコネクタオス端部は、一般的に、フラッシュシリンジと関連付けられ、および血管アクセスデバイス(VAD)に位置するメス端部にインターロックおよび接続することができる。ルアーコネクタは、遠位端、近位端、不規則な形状の外壁、シリンジのバレルのチャンバーからVADのハブへの流体連通のための形付けられた中央通路を備える。ルアーコネクタはまた、ルアーコネクタをVADのハブに取り外し可能に取り付ける遠位端チャネル、およびルアーコネクタをシリンジのバレルに取り外し可能に取り付ける近位端チャネルを有する。
【0063】
図1を参照すると、デバイス10は、コネクタに取り付けられるキャップとして使用され、コネクタに長期間取り付けることができる。本開示の第1の例示的な実施形態による医療コネクタに接続するためのデバイス10は、一般的に、キャップ本体20、カップリングシリンダ30、バルブコンパートメント60、試薬コンパートメント50、およびバルブコンパートメント60を試薬コンパートメント50に接続する通路70を備える。キャップ本体20は、機械的支持のための装置の足場として機能する。キャップ本体は、外面22および内面23を有する側壁21、開放遠位端24、および近位端25を含む。キャップ本体20の近位端25は、開口27を有する近位壁26を含む。1つまたは複数の実施形態では、通路は近位壁の開口部に配置される。
【0064】
側壁21は近位端25から開いた遠位端24まで延びる長さL
swを有する。開放端24は、端面を画定する。1つまたは複数の実施形態では、
図1に示されるように、キャップ本体20は、開口空洞29を備えた円筒形である。キャップ本体20の開口空洞29は、コネクタによるカップリングシリンダ30および抗菌剤含有コンパートメント50へのアクセスを可能にする。キャップ本体20は、バルブコンパートメント60および試薬コンパートメント50が取り付けられる足場として機能する。1つまたは複数の実施形態では、バルブコンパートメント60および試薬コンパートメント50は、キャップ本体20の近位端25の近位壁26に配置された開口27を介して取り付けられている。キャップ本体20はまた、試薬コンパートメント50の不注意な圧縮を防ぐための機械的障壁として機能する。キャップ本体20は、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン(PP)/熱可塑性エラストマー(TPE)ブレンド、または、熱可塑性エラストマー(TPE)コートの層を備えたポリエチレン(PE)/熱可塑性エラストマー(TPE)ブレンド、もしくはポリプロピレン(PP)/ポリエチレン(PE)材料、を含む剛性材料で構成されている。1つまたは複数の実施形態では、キャップ本体は、2ショット成形プロセスを使用して作製され得る。1つまたは複数の実施形態では、デバイスは、キャップ本体20の開いた遠位端24に剥離可能なシールをさらに含み得る。1つまたは複数の実施形態において、剥離可能シールは、アルミニウムまたは多層ポリマーフィルムの剥し上部を含み得る。
【0065】
カップリングシリンダ30は、無針コネクタのねじ面、ストップコックの開いたメス型ルアーのねじ面、およびオス型コネクタのカラーのねじ面を含む、ルアーコネクタのねじ面と係合するために使用される。カップリングシリンダ30は、開いたまたは閉じたメス型コネクタまたは血液透析コネクタの外ねじ面に嵌合する内面32を備えた側壁31を有する円筒構造であり、外面は、オス型コネクタのカラーのねじ面、開いた遠位端34、および近位端36に嵌合する。1つまたは複数の実施形態において、メス型ルアーコネクタは、無針コネクタ、ストップコック、または血液透析コネクタであり得る。1つまたは複数の実施形態において、オス型コネクタは、静脈内チューブ端またはストップコックであり得る。
【0066】
カップリングシリンダは、熱可塑性エラストマー(TPE)、ポリプロピレン(PP)/熱可塑性エラストマー(TPE)ブレンド、または、熱可塑性エラストマー(TPE)コート、もしくは、プラスチックおよび熱可塑性エラストマー、熱可塑性エラストマー(TPE)、もしくは同様の弾性のゴムの他の混合物の層を備えたポリエチレン(PE)/熱可塑性エラストマー(TPE)ブレンド、もしくは、ポリプロピレン(PP)/ポリエチレン(PE)材料などの半硬質材料で作製され得る。1つまたは複数の実施形態では、カップリングシリンダは、2ショット成形プロセスを使用して作製され得る。
【0067】
1つまたは複数の実施形態において、カップリングシリンダ30は、キャップ本体20内に同心円状に配置され、キャップ本体20の近位端25に取り付けられている。カップリングシリンダ30は、変形可能であるが構造的に剛性のあるカプラーであり、異なるタイプのルアーコネクタの形状に一致する。1つまたは複数の実施形態では、カップリングシリンダ30はエラストマー材料で作製される。カップリングシリンダ30は、キャップ本体20の開口空洞29と同じ側の開放遠位端34に開口空洞を有する。
【0068】
1つまたは複数の実施形態では、カップリングシリンダ30の開いた遠位端34はOリング35を含む。1つまたは複数の実施形態では、Oリング35は、コネクタ表面をしっかりと把持するために、カップリングシリンダ30の開いた遠位端に組み込まれている。空洞の開口端において、円筒形カプラーの縁は、Oリング35を形成して、カップリングシリンダ30とコネクタ表面との間の係合のグリップの気密性を高める。Oリング35はまた、コネクタとカップリングシリンダ30との間に密閉された空間を作り出すためのシールを形成する目的を果たす。カップリングシリンダ30の開放遠位端34にあるOリング構造35は、試薬の漏出を防ぐために、デバイス10をコネクタに取り付ける際に、試薬コンパートメントから出る任意の液体試薬を密封することができる。1つまたは複数の実施形態では、Oリング35は、可撓性であり、初期状態で元の形状を保持するエラストマー材料で作製される。カップリングシリンダ30を備えたコネクタを挿入すると、Oリング35は、コネクタを収容するために拡張し、コネクタの周りに堅固なシールを作成する。コネクタを取り外すと、Oリング35は初期状態に戻る。
【0069】
ルアーの係合に加えて、異なるタイプのコネクタを効果的に滅菌するための消毒キャップのもう1つの課題は、中央に隔壁が埋め込まれた閉じたメス型ルアーの平らな表面、ストップコックの開いたメス型ルアーの空洞、およびオス型ルアーの突起を含む、異なる形状の表面に適合する能力である。ルアータイプに関係なく効果的な消毒を達成するために、本開示の実施形態は、消毒する必要がある異なるタイプの表面に適合する可撓性を有する圧縮性試薬コンパートメント50を有する。
【0070】
試薬コンパートメント50は、消毒剤または抗菌剤を含むチャンバーを画定する。試薬コンパートメント50は、外壁表面52、内壁表面54、試薬コンパートメント50の外壁表面52および内壁表面54に密に統合された再封可能な細孔のアレイ、および遠位先端58を含む。試薬コンパートメント50の境界材料は、試薬放出のために試薬コンパートメント50のポリマーマトリックスに埋め込まれた、多数の密に統合されたマイクロサイズまたはナノサイズの細孔56を有する。試薬コンパートメントの側壁51の境界材料は、密に分布した自動再封可能な細孔によって穿孔されている。境界側壁51に圧力が加えられると、細孔56が開かれる。細孔56のそのような開口は可逆的である。試薬コンパートメント50は、キャップ本体20の上に突出するバルブコンパートメント60を圧縮することによって活性化可能である。バルブコンパートメント60が圧迫されると、圧縮空気による圧力の増加が、試薬コンパートメント50内の消毒剤または抗菌剤に力を加え、その結果、試薬コンパートメント50のポリマーマトリックスに埋め込まれたマイクロサイズまたはナノサイズの細孔56を通って消毒剤または抗菌剤が放出される。1つまたは複数の実施形態では、キャップ本体20の開いた遠位端24は、メス型ルアーコネクタまたはオス型ルアーコネクタがデバイス10に係合すると、試薬コンパートメント50が圧縮され、試薬コンパートメント50が近位壁26に向かって格納するように、試薬コンパートメント50の遠位先端58とほぼ同じ水平面P上に、または初期状態でキャップ本体の開いた遠位端から8mm未満離れて配置される。試薬コンパートメント50は、オスまたはメス型ルアーコネクタに適合し、大量の消毒剤または抗菌剤を保持し、制御可能な方法で消毒剤または抗菌剤を放出し、放出された消毒剤または抗菌剤を限られた間隔で密封し、および流体経路を遮断することによって侵入を軽減する、機能を果たす、キャップ本体20上に組み立てられ可逆的に変形可能な材料から構成される。1つまたは複数の実施形態では、試薬コンパートメント50はエラストマー材料で作製される。
【0071】
試薬コンパートメント50は、消毒剤または抗菌剤を含み、圧縮されたときに消毒剤または抗菌剤を放出する能力を有する。試薬コンパートメント50は、円錐形の遠位先端を備えたシリンダの形態を取り、およびカップリングシリンダ30によって囲まれた下部圧縮性コンパートメントを構成する。試薬コンパートメント50は、開いたメス型ルアーコネクタに挿入される突起として機能することができ、一方、閉じたメス型ルアーコネクタおよびオス型ルアーコネクタの突起に対して圧縮すると格納する能力を有する。1つまたは複数の実施形態では、試薬コンパートメント50は、消毒剤または抗菌剤で事前に充填または事前に装填されている。1つまたは複数の実施形態では、試薬コンパートメント50は、バルブコンパートメント60に接続されている。1つまたは複数の実施形態では、試薬コンパートメント50およびバルブコンパートメント60の境界材料は、エラストマー(例:熱可塑性エラストマー)などの伸縮性材料から構成される。
【0072】
1つまたは複数の実施形態では、試薬コンパートメント50およびバルブコンパートメント60のいずれかまたは両方は圧縮され、消毒剤または抗菌剤に圧力を加えて、消毒剤または抗菌剤の放出を促進することができる。試薬コンパートメント50はまた圧縮可能であり、デバイス10をオスまたはメス型コネクタに取り付けると自動的に変形して、異なるタイプのオスまたはメス型コネクタの形状に一致する。1つまたは複数の実施形態では、バルブコンパートメント60はエラストマー材料で作製される。1つまたは複数の実施形態では、試薬コンパートメント50の圧縮は、消毒剤または抗菌剤を試薬コンパートメント50から放出して、メス型ルアーコネクタまたはオス型ルアーコネクタを消毒する。
【0073】
圧力が除去されると、境界材料の弾性特性により、細孔は自動的に自身を再シールし、バリアを再作成して、消毒剤または抗菌剤が試薬コンパートメント50から漏れるのを防ぐ。試薬コンパートメントの遠位先端は、デバイス10をオス型コネクタに取り付ける際に、オス型ルアーコネクタの入口ポートに押し付けられたときに抗菌剤の侵入を遮断するための流路経路ブロッカーとして機能する。1つまたは複数の実施形態では、試薬コンパートメント50の遠位先端は円錐形であり、流体経路を遮断するためのエラストマー材料から固く構成される。試薬コンパートメントの遠位先端は、閉じたメス型コネクタおよびオス型コネクタの流体経路を遮断して、消毒剤または抗菌剤がそれぞれのメス型コネクタまたはオス型コネクタの内腔に侵入するのを防ぐメカニズムを提供する。1つまたは複数の実施形態では、試薬コンパートメント50は、ストップコックの内腔に挿入することができる。試薬コンパートメント50の遠位先端の外径は、開いたメス型ルアーコネクタの外径と互換性がある。遠位端58は、オス型ルアーコネクタおよび閉じたメス型ルアーコネクタで圧縮することができる。圧縮すると、封入された消毒剤または抗菌剤は、バルブコンパートメント60内に後退する。
【0074】
本開示の後半で詳細に論じられるように、本開示のデバイスの実施形態は、様々なコネクタに適用可能な消毒を可能にする。デバイス10が無針コネクタまたは血液透析コネクタ上の閉じたメス型ルアーに取り付けられると、試薬コンパートメント50は、コネクタの端面またはコネクタに埋め込まれた隔壁の表面に対して圧縮される。このような圧縮により、コンパートメント内の圧力が上昇し、その結果、消毒剤または抗菌剤が放出されて、無針コネクタの端面とルアーのねじが消毒される。デバイス10が、例えばストップコックのような開いたメス型ルアーに取り付けられる場合、オス型ルアーに類似した形状を有する試薬コンパートメント50を、開いたルアーに補完的に挿入することができる。消毒剤または抗菌剤は、バルブコンパートメント60を圧縮することによってストップコックの内腔に放出することができる。キャップがオス型コネクタに取り付けられると、試薬コンパートメント50の端にある流体経路遮断遠位先端がルアーポートに接触し、ポート入口を遮断して、その後放出される消毒剤または抗菌剤が内腔にアクセスするのを防ぎ、すなわち、消毒剤または抗菌剤の侵入を軽減する。オス型ルアーに対する試薬コンパートメント50の圧縮は、消毒のための抗菌剤の放出をもたらす。
【0075】
試薬コンパートメント50が変形するか、またはバルブコンパートメント60が圧縮されると、消毒剤または抗菌剤に圧力が加えられ、その結果、消毒剤または抗菌剤が試薬コンパートメントからコンパートメント外エリア59に流出され、デバイス10が接続されているコネクタの表面を消毒する。消毒剤または抗菌剤は、Oリングシール35によってコンパートメント外空間59に保持されることができる。試薬コンパートメント50はまた、抗菌試薬の侵入を回避するために流体経路を遮断する能力を与えるために、前方端にシーリング構成要素を有する。1つまたは複数の実施形態では、デバイスは、1つの開口空洞を有し、および単純な取り付け動作で異なるタイプのコネクタに自動的に適合する結合機構を有する。抗菌剤が事前装填されたコンパートメントは、異なるタイプのコネクタの異なる形状に適合するように変形することができる。抗菌剤の放出は、試薬コンパートメント50または圧縮性バルブコンパートメント60のいずれかの変形によって制御することができる。放出されたが保持された消毒剤または抗菌剤は、コネクタポートを長期間消毒することができる。
【0076】
試薬コンパートメント50は、様々な消毒剤または抗菌剤との相互作用において適合性があるように設計されている。1つまたは複数の実施形態において、消毒剤または抗菌剤は、様々なアルコールまたはクロルヘキシジンを含み得る。消毒剤または抗菌剤は、イソプロピルアルコール、エタノール、2-プロパノール、ブタノール、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、没食子酸プロピル、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン、t-ブチルヒドロキノン、クロロキシレノール、クロルヘキシジン、クロルヘキシジン二酢酸塩、グルコン酸クロルヘキシジン、ポビドンヨード、アルコール、ジクロロベンジルアルコール、デヒドロ酢酸、ヘキセチジン、トリクロサン、過酸化水素、コロイド銀、塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウム、オクテニジン、抗生物質、およびそれらの混合物から本質的になる群から選択される流体またはゲルであることができる。試薬は、カップリングシリンダ30によって部分的に囲まれた下部コンパートメントを構成する試薬含有コンパートメント50を満たし、一方、抗菌試薬含有コンパートメント50の上部は空気で満たされたままである。抗菌試薬含有コンパートメント50は、エラストマー(例:熱可塑性エラストマー)などの伸縮性材料で構成されている。
【0077】
1つまたは複数の実施形態では、試薬コンパートメント50は、オスまたはメス型コネクタの挿入中の、バルブコンパートメント60の力による圧縮または試薬コンパートメント50のエラストマー材料の圧縮により、試薬コンパートメント内の液体消毒剤または抗菌剤に空気圧がかかり、細孔が開き、抗菌試薬が放出される、空気および液体試薬の両方を含む。
【0078】
1つまたは複数の実施形態では、
図1に示されるように、圧縮性バルブコンパートメント60は、キャップ本体20の上に突出している。1つまたは複数の実施形態では、バルブコンパートメントは空気またはガスで満たされ、バルブコンパートメント60は試薬コンパートメント50に接続されている。試薬コンパートメント50が圧縮されると、バルブコンパートメント60内の圧力が増加し、その結果、試薬コンパートメント50から消毒剤または抗菌剤が放出される。圧力上昇の程度は、試薬コンパートメント50およびバルブコンパートメント60の境界材料の弾性によって決定される。バルブコンパートメント60はまた、試薬コンパートメント50およびバルブコンパートメント60内の圧力を調節するための追加的な制御を提供する。バルブコンパートメント60を手動で圧縮すると、試薬コンパートメント50から消毒剤または抗菌剤を追加的に放出してコネクタを消毒することを可能にする。1つまたは複数の実施形態では、バルブコンパートメント60はエラストマー材料で作製される。
【0079】
1つまたは複数の実施形態では、カップリングシリンダ30、試薬コンパートメント50、およびバルブコンパートメント60は、機械的に接続することができ、
図1に示すように、単一の実体として形成することができる。1つまたは複数の実施形態では、バルブコンパートメント60と試薬コンパートメント50との境界は、超音波溶接または接着剤によって接合され得る。代替の実施形態では、カップリングシリンダ30、試薬コンパートメント50、およびバルブコンパートメント60は、3つの構造的に異なる構成要素を構成する。
【0080】
本開示のデバイス10の実施形態は、オスおよびメス型両方のルアーコネクタにシールを形成することができる変形可能なカップリングシリンダ30のために、異なるタイプのルアーコネクタに自己適応性である。デバイス10はまた、試薬コンパートメント50の形状を変形させて、オス型コネクタ、閉じたメス型コネクタの両方、および開いたメス型コネクタを収容することができ、ルアーの外面だけでなく、開いたメス型ルアーの内腔でも効果的な消毒を達成する。
【0081】
1つまたは複数の実施形態では、取り外し可能なシールがキャップ本体の開放端に取り付けられて、遠位先端、内部空洞、および開放遠位端の無菌性を維持する。
【0082】
図2ー8を参照すると、デバイス10は、コネクタに取り付けるキャップとして使用され、コネクタに長期間取り付けることができる。本開示の第1の例示的な実施形態による医療コネクタに接続するためのデバイス10は、一般的に、キャップ本体20、カップリングシリンダ30、バルブコンパートメント60、試薬コンパートメント50、およびバルブコンパートメント60を試薬コンパートメント50に接続する通路70を備える。キャップ本体20は、機械的支持のためのデバイスの足場として機能する。キャップ本体は、外面22および内面23を有する側壁21、開放遠位端24、ならびに近位端25を含む。キャップ本体20の近位端25は、開口27を有する近位壁26を含む。1つまたは複数の実施形態では、通路は近位壁の開口部に配置される。
【0083】
側壁21は近位端25から開いた遠位端24まで延びる長さLswを有する。開放端24は、端面を画定する。1つまたは複数の実施形態では、
図2-4に示されるように、キャップ本体20は、開口空洞29を備えた円筒形である。キャップ本体20の開口空洞29は、
図10-13に示すように、コネクタによるカップリングシリンダ30および抗菌剤含有コンパートメント50へのアクセスを可能にする。キャップ本体20は、バルブコンパートメント60および試薬コンパートメント50が取り付けられる足場として機能する。1つまたは複数の実施形態では、バルブコンパートメント60および試薬コンパートメント50は、キャップ本体20の近位端25の近位壁26に配置された開口27を介して取り付けられている。キャップ本体20はまた、試薬コンパートメント50の不注意な圧縮を防ぐための機械的障壁として機能する。キャップ本体20は、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン(PP)/熱可塑性エラストマー(TPE)ブレンド、または、熱可塑性エラストマー(TPE)コートの層を備えたポリエチレン(PE)/熱可塑性エラストマー(TPE)ブレンド、もしくはポリプロピレン(PP)/ポリエチレン(PE)材料、を含む剛性材料で構成されている。1つまたは複数の実施形態では、キャップ本体は、2ショット成形プロセスを使用して作製され得る。1つまたは複数の実施形態では、デバイスは、キャップ本体20の開いた遠位端24に剥離可能なシールをさらに含み得る。1つまたは複数の実施形態において、剥離可能シールは、アルミニウムまたは多層ポリマーフィルムの剥し上部を含み得る。
【0084】
カップリングシリンダは、熱可塑性エラストマー(TPE)、ポリプロピレン(PP)/熱可塑性エラストマー(TPE)ブレンド、または、熱可塑性エラストマー(TPE)コート、もしくはプラスチックおよび熱可塑性エラストマー、熱可塑性エラストマー(TPE)、もしくは同様の弾性のゴムの他の混合物の層を備えたポリエチレン(PE)/熱可塑性エラストマー(TPE)ブレンド、もしくは、ポリプロピレン(PP)/ポリエチレン(PE)材料などの半硬質材料で作製され得る。1つまたは複数の実施形態では、カップリングシリンダは、2ショット成形プロセスを使用して作製され得る。
【0085】
カップリングシリンダ30は、無針コネクタのねじ面、ストップコックの開いたメス型ルアーのねじ面、およびオス型コネクタのカラーのねじ面を含む、ルアーコネクタのねじ面と係合するために使用される。カップリングシリンダ30は、開いたまたは閉じたメス型コネクタまたは血液透析コネクタの外ねじ面に嵌合する内面32を備えた側壁31を有する円筒構造であり、外面33は、オス型コネクタのカラーのねじ面、開いた遠位端34、および近位端36に嵌合する。1つまたは複数の実施形態において、メス型ルアーコネクタは、無針コネクタ、ストップコック、または血液透析コネクタであり得る。1つまたは複数の実施形態において、オス型コネクタは、静脈内チューブ端またはストップコックであり得る。
【0086】
1つまたは複数の実施形態において、カップリングシリンダ30は、キャップ本体20内に同心円状に配置され、キャップ本体20の近位端25に取り付けられている。カップリングシリンダ30は、変形可能であるが構造的に剛性のあるカプラーであり、異なるタイプのルアーコネクタの形状に一致する。1つまたは複数の実施形態では、カップリングシリンダ30はエラストマー材料で作製される。カップリングシリンダ30は、キャップ本体20の開口空洞29と同じ側の開放遠位端34に開口空洞を有する。1つまたは複数の実施形態では、カップリングシリンダ30は、エラストマーの可撓性および金属材料の剛性を組み合わせた構造で構成され、コネクタを長期間の消毒のためにしっかりとグリップし続けながら、異なるタイプのコネクタに幾何学的コンプライアンスの能力を与える。1つまたは複数の実施形態では、1つまたは複数の板ばね40がカップリングシリンダ30の側壁31に組み込まれ、オスまたはメス型コネクタに取り付けられたときに密封カップリングシリンダ30の元の形態を維持し、コネクタによって加えられる変形力に対して反応する、機械的強度を与える。板ばね40は、カップリングシリンダ30の側壁31の材料に埋め込まれるか、カップリングシリンダ30の側壁31の材料の溝に埋め込まれるか、成形中に挿入されるか、または接着剤を介してカップリングシリンダ30の側壁31に取り付けられ得る。1つまたは複数の実施形態では、板ばね40は、カップリングシリンダ30の薄い側壁31に長手方向に埋め込まれ、キャップがコネクタのねじ面に取り付けられたときにカプラーの形状の完全性を維持するための剛性および構造強度を提供する。板ばね40は、ステンレス鋼または金属合金の薄いシートを含む、剛性であるが変形可能な材料で作製されることができる。板ばね40は、幾何学的アスペクト比が高い長方形の形をとることができる。4から6枚の板ばね40のアレイは、等しい角度の広がりでカップリングシリンダ30の壁に埋め込まれることができ、アレイは、カップリングシリンダ30の中心軸に関して軸対称であることができる。
【0087】
1つまたは複数の実施形態では、カップリングシリンダ30の開いた遠位端34はOリング35を含む。1つまたは複数の実施形態では、Oリング35は、コネクタ表面をしっかりと把持するために、カップリングシリンダ30の開いた遠位端に組み込まれている。空洞の開口端において、円筒形カプラーの縁は、Oリング35を形成して、カップリングシリンダ30とコネクタ表面との間の係合のグリップの気密性を高める。Oリング35はまた、コネクタとカップリングシリンダ30との間に密閉された空間を作り出すためのシールを形成する目的を果たす。カップリングシリンダ30の開放遠位端34にあるOリング構造35は、試薬の漏出を防ぐために、デバイス10をコネクタに取り付ける際に、試薬コンパートメントから出る任意の液体試薬を密封することができる。1つまたは複数の実施形態では、Oリング35は、可撓性であり、初期状態で元の形状を保持するエラストマー材料で作製される。カップリングシリンダ30を備えたコネクタを挿入すると、Oリング35は、コネクタを収容するために拡張し、コネクタの周りに堅固なシールを作成する。コネクタを取り外すと、Oリング35は初期状態に戻る。
【0088】
ルアーの係合に加えて、異なるタイプのコネクタを効果的に滅菌するための消毒キャップのもう1つの課題は、中央に隔壁が埋め込まれた閉じたメス型ルアーの平らな表面、ストップコックの開いたメス型ルアーの空洞、およびオス型ルアーの突起を含む、異なる形状の表面に適合する能力である。ルアータイプに関係なく効果的な消毒を達成するために、本開示の実施形態は、消毒する必要がある異なるタイプの表面に適合する可撓性を有する圧縮性試薬コンパートメント50を有する。
【0089】
試薬コンパートメント50は、消毒剤または抗菌剤を含むチャンバーを画定する。試薬コンパートメント50は、外壁表面52、内壁表面54、試薬コンパートメント50の外壁表面52および内壁表面54に密に統合された再封可能な細孔56のアレイ、および遠位先端58を含む。試薬コンパートメント50の境界材料は、試薬放出のために試薬コンパートメント50のポリマーマトリックスに埋め込まれた多数の密に統合されたマイクロサイズまたはナノサイズの細孔56を有する。試薬コンパートメントの側壁51の境界材料は、密に分布した自動再封可能な細孔によって穿孔されている。
図8ー9に示すように、境界側壁51に圧力が加えられると、細孔56が開かれる。細孔56のそのような開口は可逆的である。試薬コンパートメント50は、キャップ本体20の上に突出するバルブコンパートメント60を圧縮することによって活性化可能である。バルブコンパートメント60が圧迫されると、圧縮空気による圧力の増加が、試薬コンパートメント50内の消毒剤または抗菌剤に力を加え、その結果、試薬コンパートメント50のポリマーマトリックスに埋め込まれたマイクロサイズまたはナノサイズの細孔56を通って消毒剤または抗菌剤が放出される。1つまたは複数の実施形態では、キャップ本体20の開いた遠位端24は、初期状態で試薬コンパートメント50の遠位先端58とほぼ同じ水平面P上に配置され、その場合、メスのルアー型コネクタまたはオスのルアー型コネクタがデバイス10に係合され、試薬コンパートメント50が圧縮され、試薬コンパートメント50が近位壁26に向かって格納する。試薬コンパートメント50は、オスまたはメス型ルアーコネクタに適合し、大量の消毒剤または抗菌剤を保持し、制御可能な方法で消毒剤または抗菌剤を放出し、放出された消毒剤または抗菌剤を限られた間隔で密封し、および流体経路を遮断することによって侵入を軽減する機能を果たす、キャップ本体20上に組み立てられ可逆的に変形可能な材料から構成される。1つまたは複数の実施形態では、試薬コンパートメント50はエラストマー材料で作製される。
【0090】
図9ー12に示すように、消毒剤または抗菌剤を含む試薬コンパートメント50は、圧縮されたときに消毒剤または抗菌剤を放出する能力を有する。試薬コンパートメント50は、円錐形の遠位先端58を備えたシリンダの形態を取り、およびカップリングシリンダ30によって囲まれた下部圧縮性コンパートメントを構成する。試薬コンパートメント50は、開いたメス型ルアーコネクタに挿入される突起として機能することができ、一方、閉じたメス型ルアーコネクタおよびオス型ルアーコネクタの突起に対して圧縮すると格納する能力を有する。1つまたは複数の実施形態では、試薬コンパートメント50は、消毒剤または抗菌剤で事前に充填または事前に装填されている。1つまたは複数の実施形態では、試薬コンパートメント50は、バルブコンパートメント60に接続されている。1つまたは複数の実施形態では、試薬コンパートメント50およびバルブコンパートメント60の境界材料は、エラストマー(例:熱可塑性エラストマー)などの伸縮性材料から構成される。
【0091】
1つまたは複数の実施形態では、試薬コンパートメント50およびバルブコンパートメント60のいずれかまたは両方は圧縮され、消毒剤または抗菌剤に圧力を加えて、消毒剤または抗菌剤の放出を促進することができる。試薬コンパートメント50はまた圧縮可能であり、デバイス10をオスまたはメス型コネクタに取り付けると自動的に変形して、異なるタイプのオスまたはメス型コネクタの形状に一致する。1つまたは複数の実施形態では、バルブコンパートメント60はエラストマー材料で作製される。1つまたは複数の実施形態では、試薬コンパートメント50の圧縮は、消毒剤または抗菌剤を試薬コンパートメント50から放出して、メス型ルアーコネクタまたはオス型ルアーコネクタを消毒する。
【0092】
図9に示されるように、圧力が除去されると、境界材料の弾性特性により、細孔56は自動的に自身を再シールし、バリアを再作成して、
図8-9に示されるように消毒剤または抗菌剤が試薬コンパートメント50から漏れるのを防ぐ。遠位端58は、デバイス10をオス型コネクタに取り付ける際にオス型ルアーコネクタの入口ポートに対して押し付けられたときに抗菌試薬の侵入を遮断するための流体経路ブロッカーとして機能する。試薬コンパートメント50の遠位先端58は円錐形であり、
図10―12に示されるように、流体経路を遮断するためのエラストマー材料から固く構成される。遠位先端58は、それぞれのメス型コネクタまたはオス型コネクタの管腔への消毒剤または抗菌剤の侵入を防ぐために、閉じたメス型コネクタおよびオス型コネクタ内の流路を遮断する機構を提供する。1つまたは複数の実施形態では、試薬コンパートメント50は、ストップコックの内腔に挿入することができる。試薬コンパートメント50の遠位先端の外径は、開いたメス型ルアーコネクタの外径と互換性がある。遠位端58は、オス型ルアーコネクタおよび閉じたメス型ルアーコネクタで圧縮することができる。圧縮すると、封入された消毒剤または抗菌剤は、バルブコンパートメント60内に後退する。
【0093】
本開示のデバイスの実施形態は、様々なコネクタに適用可能な消毒を可能にする。
図10に示されるように、デバイス10が無針コネクタまたは血液透析コネクタ上の閉じたメス型ルアーに取り付けられると、試薬コンパートメント50は、コネクタの端面またはコネクタに埋め込まれた隔壁の表面に対して圧縮される。このような圧縮により、コンパートメント内の圧力が上昇し、その結果、消毒剤または抗菌剤が放出されて、
図10に示すように、無針コネクタの端面とルアーのねじが消毒される。
図11に示すように、装置10がストップコックなどの開放型メス型ルアーに取り付けられている場合、オス型ルアーに類似した形状を有する試薬コンパートメント50を、開いたルアーに相補的に挿入することができる。消毒剤または抗菌剤は、
図11に示すようにバルブコンパートメント60を圧縮することによってストップコックの内腔に放出されることができる。
図12に示すように、キャップがオス型コネクタに取り付けられると、試薬コンパートメント50の端にある流体経路遮断遠位先端58がルアーポートに接触し、ポート入口を遮断して、その後放出される消毒剤または抗菌剤が内腔にアクセスするのを防ぎ、すなわち、消毒剤または抗菌剤の侵入を軽減する。
図12に示すように、試薬コンパートメント50のオス型ルアーに対しての圧縮は、結果として消毒用の抗菌剤を放出する。
【0094】
試薬コンパートメント50が変形するか、またはバルブコンパートメント60が圧縮されると、消毒剤または抗菌剤に圧力が加えられ、その結果、消毒剤または抗菌剤が試薬コンパートメントからコンパートメント外エリア59に流出され、デバイス10が接続されているコネクタの表面を消毒する。消毒剤または抗菌剤は、Oリングシール35によってコンパートメント外空間59に保持されることができる。試薬コンパートメント50はまた、抗菌試薬の侵入を回避するために流体経路を遮断する能力を与えるために、前方端にシーリング構成要素を有する。1つまたは複数の実施形態では、デバイスは、1つの開口空洞を有し、および単純な取り付け動作で異なるタイプのコネクタに自動的に適合する結合機構を有する。抗菌剤が事前装填されたコンパートメントは、異なるタイプのコネクタの異なる形状に適合するように変形することができる。抗菌剤の放出は、試薬コンパートメント50または圧縮性バルブコンパートメント60のいずれかの変形によって制御することができる。放出されたが保持された消毒剤または抗菌剤は、コネクタポートを長期間消毒することができる。
【0095】
試薬コンパートメント50は、様々な消毒剤または抗菌剤との相互作用において適合性があるように設計されている。1つまたは複数の実施形態において、消毒剤または抗菌剤は、様々なアルコールまたはクロルヘキシジンを含み得る。消毒剤または抗菌剤は、イソプロピルアルコール、エタノール、2-プロパノール、ブタノール、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、没食子酸プロピル、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン、t-ブチルヒドロキノン、クロロキシレノール、クロルヘキシジン、クロルヘキシジン2酢酸、グルコン酸クロルヘキシジン、ポビドンヨード、アルコール、ジクロロベンジルアルコール、デヒドロ酢酸、ヘキセチジン、トリクロサン、過酸化水素、コロイド銀、塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウム、オクテニジン、抗生物質、およびそれらの混合物から本質的になる群から選択される流体またはゲルであることができる。試薬は、カップリングシリンダ30によって部分的に囲まれた下部コンパートメントを構成する試薬含有コンパートメント50を満たし、抗菌試薬含有コンパートメント50の上部は空気で満たされたままである。抗菌試薬含有コンパートメント50は、エラストマー(例えば、熱可塑性エラストマー)などの伸縮性材料で構成されている。
【0096】
1つまたは複数の実施形態では、試薬コンパートメント50は、バルブコンパートメント60の力による圧縮またはオスまたはメス型コネクタの挿入中の試薬コンパートメント50のエラストマー材料の圧縮により、試薬コンパートメント内の液体消毒剤または抗菌剤に空気圧がかかり、細孔が開き、抗菌試薬が放出される、空気および液体試薬の両方を含む。
【0097】
1つまたは複数の実施形態では、圧縮性バルブコンパートメント60は、キャップ本体20の上に突出している。1つまたは複数の実施形態では、
図2-8に示すように、バルブコンパートメントは空気またはガスで満たされ、バルブコンパートメント60は試薬コンパートメント50に接続されている。試薬コンパートメント50が圧縮されると、バルブコンパートメント60内の圧力が増加し、その結果、試薬コンパートメント50から消毒剤または抗菌剤が放出される。圧力上昇の程度は、試薬コンパートメント50およびバルブコンパートメント60の境界材料の弾性によって決定される。バルブコンパートメント60はまた、試薬コンパートメント50およびバルブコンパートメント60内の圧力を調節するための追加的な制御を提供する。バルブコンパートメント60を手動で圧縮すると、試薬コンパートメント50から消毒剤または抗菌剤を追加的に放出してコネクタを消毒することができる。1つまたは複数の実施形態では、バルブコンパートメント60はエラストマー材料で作製される。
図2ー8に示されるように、バルブコンパートメント60は、
図11の矢印「A」によって示される方向に手動で押し下げられ得るデバイスの近位端に配置されたサムプレス61を含み得る。
【0098】
1つまたは複数の実施形態では、
図8に示すように、カップリングシリンダ30、試薬コンパートメント50、およびバルブコンパートメント60は、機械的に接続することができ、および単一の実体として形成することができる。1つまたは複数の実施形態では、バルブコンパートメント60と試薬コンパートメント50との境界は、超音波溶接または接着剤によって接合され得る。代替の実施形態では、カップリングシリンダ30、試薬コンパートメント50、およびバルブコンパートメント60は、3つの構造的に異なる構成要素を構成する。
【0099】
本開示のデバイス10の実施形態は、オスおよびメス型両方のルアーコネクタにシールを形成することができる変形可能なカップリングシリンダ30のために、異なるタイプのルアーコネクタに自己適応性である。デバイス10はまた、試薬コンパートメント50の形状を変形させて、オス型コネクタ、閉じたメス型コネクタの両方、および開いたメス型コネクタを収容することができ、ルアーの外面だけでなく、開いたメス型ルアーの内腔でも効果的な消毒を達成する。
【0100】
1つまたは複数の実施形態では、取り外し可能なシールがキャップ本体の開放端に取り付けられて、遠位先端58、内部空洞、および開放遠位端の無菌性を維持する。
【0101】
図13に示されるように、本開示の代替の実施形態は、消毒剤または抗菌試薬の放出の代替のメカニズムに関する。
図13に示すように、デバイス100は、キャップ本体120、カップリングシリンダ130、バルブコンパートメント160、試薬コンパートメント150、およびバルブコンパートメント160を試薬コンパートメント150に接続する通路170を含む。側壁121は、外面122および内面123、開いた遠位端124、および近位端125を有する。キャップ本体120の近位端125は、開口127を有する近位壁126を含む。1つまたは複数の実施形態では、通路は近位壁の開口部に配置される。1つまたは複数の実施形態では、バルブコンパートメント160および試薬コンパートメント150は、キャップ本体120の近位端125の近位壁126に配置された開口127を介して取り付けられている。キャップ本体120はまた、試薬コンパートメント150の不注意な圧縮を防ぐための機械的障壁として機能する。キャップ本体120は、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン(PP)/熱可塑性エラストマー(TPE)ブレンド、または熱可塑性エラストマー(TPE)コートの層を備えたポリエチレン(PE)/熱可塑性エラストマー(TPE)ブレンド、もしくは、ポリプロピレン(PP)/ポリエチレン(PE)材料、を含む剛性材料で構成されている。1つまたは複数の実施形態では、キャップ本体は、2ショット成形プロセスを使用して作製され得る。
【0102】
側壁121は近位端125から開いた遠位端124まで延びる長さLswを有する。開いた遠位端124は、端面を画定する。
【0103】
カップリングシリンダは、熱可塑性エラストマー(TPE)、ポリプロピレン(PP)/熱可塑性エラストマー(TPE)ブレンド、または、熱可塑性エラストマー(TPE)コート、もしくはプラスチックおよび熱可塑性エラストマー、熱可塑性エラストマー(TPE)、もしくは同様の弾性のゴムの他の混合物の層を備えた、ポリエチレン(PE)/熱可塑性エラストマー(TPE)ブレンド、もしくは、ポリプロピレン(PP)/ポリエチレン(PE)材料などの半硬質材料で作製され得る。1つまたは複数の実施形態では、カップリングシリンダは、2ショット成形プロセスを使用して作製され得る。
【0104】
カップリングシリンダ130は、無針コネクタのねじ面、ストップコックの開いたメス型ルアーのねじ面、およびオス型コネクタのカラーのねじ面を含む、ルアーコネクタのねじ面と係合するために使用される。カップリングシリンダ130は、開いたまたは閉じたメス型コネクタまたは血液透析コネクタの外ねじ面に嵌合する内面132を備えた側壁131を有する円筒構造であり、外面133は、オス型コネクタのカラーのねじ面、開いた遠位端134、および近位端136に嵌合する。1つまたは複数の実施形態において、メス型ルアーコネクタは、無針コネクタ、ストップコック、または血液透析コネクタであり得る。1つまたは複数の実施形態において、オス型コネクタは、静脈内チューブ端またはストップコックであり得る。
【0105】
試薬コンパートメント150は、消毒剤または抗菌剤を含むチャンバーを画定する。試薬コンパートメント150は、外壁面152、内壁面154、試薬コンパートメント150の外壁面152および内壁面154に密に統合された再封可能な細孔156のアレイ、および遠位部を有する側壁151、および遠位端部158を含む。透過性膜155は試薬コンパートメント150の外壁面152と内壁面154との間に配置される。
【0106】
通路128は、バルブコンパートメント160を試薬コンパートメント150に接続する。1つまたは複数の実施形態では、通路128は近位壁126の開口部127に配置される。
【0107】
試薬コンパートメント150の側壁151は、試薬コンパートメント150の外壁面152および内壁面154に密に統合された、密に分布したマイクロサイズまたはナノサイズの細孔156によって穿孔されている。細孔156は、試薬コンパートメントの内壁面154に取り付けられた別個の層を形成するか、または一体材料として円筒形側壁151に埋め込まれることができる透過性膜155の層によって覆われている。透過性膜155と細孔156との組み合わせは、
図14ー19に示されるように、試薬コンパートメント150内の圧力が閾値を超えて増加したときに、消毒剤または抗菌剤の分配を可能にする。透過性膜155は、透過性膜材料の透過性を調整することによって閾値圧力を決定することができるので、消毒剤または抗菌剤の放出速度を制御する追加的な機構を追加する。例えば、
図17ー19に示すように、バルブコンパートメントが手動で圧縮されるまで抗菌剤が活性化されないように、閾値を十分に高く調整することができる。
【0108】
透過性膜155は、完全に除去されていないため、圧力が加えられると細孔156が開く穴を備えた材料から構成される。細孔156は、液体消毒剤または抗菌剤が浸透することができる非常に小さなスケールのしわを備えた透過性膜155の層によってコーティングされたミクロンの穴である。1つまたは複数の実施形態では、細孔156のミクロンの穴は、100ミクロンのスケールである。1つまたは複数の実施形態では、細孔156のミクロンの穴は、100ナノメートルスケールである。1つまたは複数の実施形態では、圧力が除去された後、細孔156の穴は開いたままであり、実際のチャネルを作成し、再封可能ではない。1つまたは複数の実施形態では、細孔は、繊維メッシュまたはフィルター材料で覆われている。1つまたは複数の実施形態では、圧力を加えた後の透過性膜は、圧力なしで液体が浸透し、小さな細孔膜が繊維メッシュまたはフィルター材料で覆われているため、バリアを形成する。
【0109】
試薬コンパートメント150の境界材料は、ポリマーマトリックスに埋め込まれた多数のマイクロサイズまたはナノサイズの細孔156を有する。透過性膜155は、別個の層としてコンパートメント境界に取り付けられるか、または境界材料に埋め込まれて、封入された液体が漏れるのを防ぐバリアとして機能するかのいずれかである。1つまたは複数の実施形態では、
図15に示されるように、透過性膜は、試薬コンパートメント材料の細孔よりも小さい細孔を有する。1つまたは複数の実施形態では、透過性膜155は、試薬コンパートメント150上に結合されている。透過性膜155は、より小さなサイズの細孔156(ナノ細孔)、または水を透過する堆積材料の薄層を備える。
【0110】
1つまたは複数の実施形態では、圧縮性バルブコンパートメント160は、キャップ本体120の上に突出している。1つまたは複数の実施形態では、
図13に示すように、バルブコンパートメントは空気またはガスで満たされ、バルブコンパートメント160は試薬コンパートメント150に接続されている。試薬コンパートメント150が圧縮されると、バルブコンパートメント160内の圧力が増加し、その結果、試薬コンパートメント150から消毒剤または抗菌剤が放出される。圧力上昇の程度は、試薬コンパートメント150およびバルブコンパートメント160の側壁および透過性膜の境界材料の弾性によって決定される。バルブコンパートメント160はまた、試薬コンパートメント150およびバルブコンパートメント160内の圧力を調節するための追加的な制御を提供する。バルブコンパートメント160を手動で圧縮すると、試薬コンパートメント150から消毒剤または抗菌剤を追加的に放出してコネクタを消毒することができる。1つまたは複数の実施形態では、バルブコンパートメント160はエラストマー材料で作製される。
図13に示されるように、バルブコンパートメント160は、
図17-19の矢印「A」によって示される方向に手動で押し下げられ得るデバイスの近位端に配置されたサムプレス161を含み得る。
【0111】
試薬コンパートメント150は、キャップ本体120の上に突出する上部バルブコンパートメント160を圧縮することによって活性化される。1つまたは複数の実施形態では、バルブコンパートメント260は空気で満たされている。バルブコンパートメント160が圧迫されると、空気の圧縮による圧力の増加が、試薬コンパートメント150内の液体消毒剤または抗菌剤に力を加え、その結果、透過性膜155を通して液体消毒剤または抗菌剤が放出される。
【0112】
試薬コンパートメント150は、ストップコックの内腔に挿入することができる。試薬コンパートメントの外径は、開いたメス型ルアーの外径と適合性がある。オス型ルアーと閉じたメス型ルアーで圧縮することができる。
図17ー18は、従来技術によるメス型ルアーコネクタに関連して
図13に示されるデバイスを図示している。
図19は従来技術によるオス型ルアーコネクタに関連して、
図13に示されるデバイスの平面図を図示している。圧縮されると、封入された流体はバルブコンパートメント160内に後退する。
【0113】
試薬コンパートメント150は、様々な消毒剤または抗菌剤との相互作用において適合性があるように設計されている。1つまたは複数の実施形態において、消毒剤または抗菌剤は、様々なアルコールまたはクロルヘキシジンを含み得る。消毒剤または抗菌剤は、イソプロピルアルコール、エタノール、2-プロパノール、ブタノール、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、没食子酸プロピル、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン、t-ブチルヒドロキノン、クロロキシレノール、クロルヘキシジン、クロルヘキシジン二酢酸塩、グルコン酸クロルヘキシジン、ポビドンヨード、アルコール、ジクロロベンジルアルコール、デヒドロ酢酸、ヘキセチジン、トリクロサン、過酸化水素、コロイド銀、塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウム、オクテニジン、抗生物質、およびそれらの混合物から本質的になる群から選択される流体またはゲルであることができる。試薬は、カップリングシリンダ130によって部分的に囲まれた下部コンパートメントを構成する試薬含有コンパートメント150を満たし、一方、抗菌試薬含有コンパートメント150の上部は空気で満たされたままである。1つまたは複数の実施形態では、抗菌試薬含有コンパートメント150は、エラストマー、例えば熱可塑性エラストマーなどの伸縮性材料から構成される。
【0114】
カップリングシリンダ130は、底部に開口部を有する円筒構造である。内面は、開いたまたは閉じたメス型コネクタ、および血液透析コネクタの外ネジ面と一致する。外面は、オス型コネクタのカラーのねじ面と一致する。
【0115】
1つまたは複数の実施形態では、1つまたは複数の板ばね140がカップリングシリンダ130の側壁131に組み込まれ、オスまたはメス型コネクタに取り付けられたときに密封カップリングシリンダ130の元の形態を維持し、コネクタによって加えられる変形力に対して反応する、機械的強度を与える。板ばね140は、カップリングシリンダ130の側壁131の材料に埋め込まれるか、カップリングシリンダ130の側壁131の材料の溝に埋め込まれるか、または成形中に挿入されるか、または接着剤を介してカップリングシリンダ130の側壁131に取り付けられ得る。板ばね140は、ステンレス鋼または金属合金の薄いシートを含む、剛性であるが変形可能な材料で作製することができる。板ばね140は、幾何学的アスペクト比が高い長方形の形をとることができる。4から6枚の板ばね140のアレイは、等しい角度の広がりでカップリングシリンダ130の壁に埋め込まれることができ、アレイは、カップリングシリンダ130の中心軸に関して軸対称であることができる。
【0116】
カップリングシリンダ130の開放遠位端134のOリング構造135は、デバイス100をコネクタに取り付ける際に液体消毒剤または抗菌剤を密封して、消毒剤または抗菌剤の漏出を防ぐことができる。1つまたは複数の実施形態では、Oリング135は、コネクタ表面をしっかりと把持するために、カップリングシリンダ130の開いた遠位端に組み込まれている。空洞の開口端において、円筒形カプラーの縁は、Oリング35を形成して、カップリングシリンダ130とコネクタ表面との間の係合のグリップの気密性を高める。Oリング135はまた、コネクタとカップリングシリンダ130との間に密閉された空間を作り出すためのシールを形成する目的を果たす。カップリングシリンダ130の開放遠位端134にあるOリング構造135は、試薬の漏出を防ぐために、デバイス100をコネクタに取り付ける際に、試薬コンパートメントから出る任意の液体試薬を密封することができる。1つまたは複数の実施形態では、Oリング135は、可撓性であり、初期状態で元の形状を保持するエラストマー材料で作製される。カップリングシリンダ130を備えたコネクタを挿入すると、Oリング135は、コネクタを収容するために拡張し、コネクタの周りに堅固なシールを作成する。コネクタを取り外すと、Oリング135は初期状態に戻る。
【0117】
1つまたは複数の実施形態では、キャップ本体120の開いた遠位端124は、初期状態で試薬コンパートメント150の遠位先端158とほぼ同じ水平面P上に位置し、その場合、メス型ルアーコネクタまたはオス型ルアーコネクタがデバイス100に係合されると、試薬コンパートメント150が圧縮され、試薬コンパートメント150が近位壁126に向かって格納する。遠位端158は、デバイス10をオス型コネクタに取り付ける際にオス型ルアーコネクタの入口ポートに押し付けられたときに抗菌試薬の侵入を遮断するための流体経路ブロッカーとして機能する。試薬コンパートメント150の遠位先端158は円錐形であり、
図17―19に示されるように、流体経路を遮断するためのエラストマー材料から固く構成される。遠位先端158は、それぞれのメス型コネクタまたはオス型コネクタの管腔への消毒剤または抗菌剤の侵入を防ぐために、閉じたメス型コネクタおよびオス型コネクタ内の流体経路を遮断する機構を提供する。1つまたは複数の実施形態では、試薬コンパートメント150は、ストップコックの内腔に挿入することができる。試薬コンパートメント150の遠位先端158の外径は、開いたメス型ルアーコネクタの外径と互換性がある。遠位端158は、オス型ルアーコネクタおよび閉じたメス型ルアーコネクタで圧縮することができる。圧縮すると、封入された消毒剤または抗菌剤は、バルブコンパートメント160内に後退する。
【0118】
遠位先端158は、デバイス100をオスまたはメス型コネクタに取り付ける際に、オスまたはメス型ルアーコネクタの入口ポートに押し付けられて、消毒剤または抗菌剤の侵入を遮断する。
【0119】
1つまたは複数の実施形態では、バルブコンパートメント160および試薬コンパートメント150は、キャップ本体120の近位端125の近位壁126に配置された開口127を介して取り付けられている。キャップ本体120はまた、試薬コンパートメント150の不注意な圧縮を防ぐための機械的障壁として機能する。キャップ本体120は、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン(PP)/熱可塑性エラストマー(TPE)ブレンド、または、熱可塑性エラストマー(TPE)コートの層を備えたポリエチレン(PE)/熱可塑性エラストマー(TPE)ブレンド、もしくはポリプロピレン(PP)/ポリエチレン(PE)材料、を含む剛性材料で構成されている。1つまたは複数の実施形態では、キャップ本体は、2ショット成形プロセスを使用して作製され得る。
【0120】
1つまたは複数の実施形態では、
図13に示すように、カップリングシリンダ130、試薬コンパートメント150、およびバルブコンパートメント160は、機械的に接続することができ、および単一の実体として形成することができる。1つまたは複数の実施形態では、バルブコンパートメント160と試薬コンパートメント150との境界は、超音波溶接または接着剤によって接合され得る。代替の実施形態では、カップリングシリンダ130、試薬コンパートメント150、およびバルブコンパートメント160は、3つの構造的に異なる構成要素を構成する。
【0121】
1つまたは複数の実施形態では、デバイスは、キャップ本体120の開いた遠位端124に取り外し可能または剥離可能なシールをさらに含み、遠位先端158、内部空洞、および開いた遠位端の無菌性を維持し得る。1つまたは複数の実施形態では、取り外し可能または剥離可能なシールは、アルミニウムまたは多層ポリマーフィルムの剥し上部を含み得る。
【0122】
図20aー20eに示されるように、本開示の代替の実施形態は、カップリングシリンダの側壁を強化する代替の機構に関する。
図20aー20bに示されるように、デバイス200は、キャップ本体220、カップリングシリンダ230、バルブコンパートメント260、試薬コンパートメント250、およびバルブコンパートメント260を試薬コンパートメント250に接続する通路270を含む。側壁221は、外面222および内面223、開いた遠位端224、および近位端225を有する。キャップ本体220の近位端225は、開口227を有する近位壁226を含む。1つまたは複数の実施形態では、通路は近位壁の開口部に配置される。1つまたは複数の実施形態では、バルブコンパートメント260および試薬コンパートメント250は、キャップ本体220の近位端225の近位壁226に配置された開口227を介して取り付けられている。キャップ本体220はまた、試薬コンパートメント250の不注意な圧縮を防ぐための機械的障壁として機能する。キャップ本体220は、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン(PP)/熱可塑性エラストマー(TPE)ブレンド、または熱可塑性エラストマー(TPE)コートの層を備えたポリエチレン(PE)/熱可塑性エラストマー(TPE)ブレンド、もしくは、ポリプロピレン(PP)/ポリエチレン(PE)材料、を含む剛性材料で構成されている。1つまたは複数の実施形態では、キャップ本体は、2ショット成形プロセスを使用して作製され得る。
【0123】
カップリングシリンダは、熱可塑性エラストマー(TPE)、ポリプロピレン(PP)/熱可塑性エラストマー(TPE)ブレンド、または、ポリエチレン(PE)/熱可塑性エラストマー(TPE)ブレンド、または、熱可塑性エラストマー(TPE)コート、もしくはプラスチックおよび熱可塑性エラストマー、熱可塑性エラストマー(TPE)、もしくは同様の弾性のゴムの他の混合物の層を備えたポリプロピレン(PP)/ポリエチレン(PE)材料などの半硬質材料で作製され得る。1つまたは複数の実施形態では、カップリングシリンダは、2ショット成形プロセスを使用して作製され得る。
【0124】
カップリングシリンダ230は、無針コネクタのねじ面、ストップコックの開いたメス型ルアーのねじ面、およびオス型コネクタのカラーのねじ面を含む、ルアーコネクタのねじ面と係合するために使用される。
図20aおよび
図20bに示されるように、カップリングシリンダ230は、
図20cに示されるように金属シート242によって構成される円筒形の薄い壁、または
図20dに示されるように穿孔された金属シート242、または
図20eに示されるようにメッシュ化された金属シート242、のいずれかから構成され、カップリングシリンダ230の側壁に強化構成要素を提供する。そのような薄壁強化構造は、カップリングシリンダ230の幾何学的完全性を維持するためにカップリングシリンダ230に機械的強度を与える一方で、カップリングシリンダ230の可撓性を完全に損なうことはないので、カップリングシリンダ230は依然としてデバイス200が取り付けられているコネクタ形状に一致するように曲げることができる。
【0125】
試薬コンパートメント250は、消毒剤または抗菌剤を含有するチャンバーを画定する。試薬コンパートメント250は、外壁面252、内壁面254、試薬コンパートメント250の外壁面252および内壁面254に密に統合された再封可能な細孔256のアレイ、および遠位部258を有する側壁251を含む。1つまたは複数の実施形態では、透過性膜255は、試薬コンパートメント250の外壁面252と内壁面254との間に配置される。透過性膜255は、別個の層としてコンパートメント境界に取り付けられるか、または境界材料に埋め込まれるかのいずれかであり、封入された液体が漏れるのを防ぐバリアとして機能する。1つまたは複数の実施形態では、透過性膜は、試薬コンパートメント材料の細孔よりも小さい細孔を有する。
【0126】
通路228は、バルブコンパートメント260を試薬コンパートメント250に接続する。1つまたは複数の実施形態では、通路228は近位壁226の開口部227に配置される。
【0127】
試薬コンパートメント250の側壁251は、試薬コンパートメント250の外壁面252および内壁面254に密に統合された、密に分布したマイクロサイズまたはナノサイズの細孔256によって穿孔されている。
【0128】
1つまたは複数の実施形態では、試薬コンパートメント250は、キャップ本体220の上に突出する上部バルブコンパートメント260を圧縮することによって活性化可能である。バルブコンパートメント260が圧迫されると、圧縮空気による圧力の増加が試薬コンパートメント250内の試薬に力を加え、その結果、試薬コンパートメント250の側壁251を通して試薬が放出される。
【0129】
試薬コンパートメント250は、ストップコックの内腔に挿入することができる。試薬コンパートメントの外径は、開いたメス型ルアーの外径と適合性がある。試薬コンパートメントは、オス型ルアーと閉じたメス型ルアーで圧縮することができる。圧縮されると、封入された流体はバルブコンパートメント260内に後退する。
【0130】
試薬コンパートメント250は、様々な消毒剤または抗菌剤との相互作用において適合性があるように設計されている。1つまたは複数の実施形態において、消毒剤または抗菌剤は、様々なアルコールまたはクロルヘキシジンを含み得る。消毒剤または抗菌剤は、イソプロピルアルコール、エタノール、2-プロパノール、ブタノール、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、没食子酸プロピル、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン、t-ブチルヒドロキノン、クロロキシレノール、クロルヘキシジン、クロルヘキシジン二酢酸塩、グルコン酸クロルヘキシジン、ポビドンヨード、アルコール、ジクロロベンジルアルコール、デヒドロ酢酸、ヘキセチジン、トリクロサン、過酸化水素、コロイド銀、塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウム、オクテニジン、抗生物質、およびそれらの混合物から本質的になる群から選択される流体またはゲルであることができる。試薬は、カップリングシリンダ230によって部分的に囲まれた下部コンパートメントを構成する試薬含有コンパートメント150を満たし、抗菌試薬含有コンパートメント250の上部は空気で満たされたままである。1つまたは複数の実施形態では、抗菌試薬含有コンパートメント250は、エラストマー、例えば熱可塑性エラストマーなどの伸縮性材料から構成される。
【0131】
カップリングシリンダ230は、底部に開口部を有する円筒構造である。内面は、開いたまたは閉じたメス型コネクタ、および血液透析コネクタの外ネジ面と一致する。外面は、オス型コネクタのカラーのねじ面と一致する。
【0132】
カップリングシリンダ230の開放遠位端234のOリング構造235は、デバイス100をコネクタに取り付ける際に液体消毒剤または抗菌剤を密封して、消毒剤または抗菌剤の漏出を防ぐことができる。1つまたは複数の実施形態では、Oリング235は、コネクタ表面をしっかりと把持するために、カップリングシリンダ230の開いた遠位端に組み込まれている。空洞の開口端において、円筒形カプラーの縁は、Oリング235を形成して、カップリングシリンダ230とコネクタ表面との間の係合のグリップの気密性を高める。Oリング235はまた、コネクタとカップリングシリンダ230との間に密閉された空間を作り出すためのシールを形成する目的を果たす。カップリングシリンダ230の開放遠位端234にあるOリング構造235は、試薬の漏出を防ぐために、デバイス200をコネクタに取り付ける際に、試薬コンパートメントから出る任意の液体試薬を密封することができる。1つまたは複数の実施形態では、Oリング235は、可撓性であり、初期状態で元の形状を保持するエラストマー材料で作製される。カップリングシリンダ230を備えたコネクタを挿入すると、Oリング235は、コネクタを収容するために拡張し、コネクタの周りに堅固なシールを作成する。コネクタを取り外すと、Oリング235は初期状態に戻る。
【0133】
1つまたは複数の実施形態では、キャップ本体220の開いた遠位端224は、初期状態で試薬コンパートメント250の遠位先端258とほぼ同じ水平面P上に位置し、その場合、メス型ルアーコネクタまたはオス型ルアーコネクタがデバイス200に係合され、試薬コンパートメント250が圧縮され、試薬コンパートメント250が近位壁226に向かって格納する。遠位端258は、デバイス200をオス型コネクタに取り付ける際にオス型ルアーコネクタの入口ポートに押し付けられたときに抗菌試薬の侵入を遮断するための流体経路ブロッカーとして機能する。試薬コンパートメント250の遠位先端258は円錐形であり、流体経路を遮断するためのエラストマー材料から固く構成されている。遠位先端258は、それぞれのメス型コネクタまたはオス型コネクタの管腔への消毒剤または抗菌剤の侵入を防ぐために、閉じたメス型コネクタおよびオス型コネクタ内の流体経路を遮断する機構を提供する。1つまたは複数の実施形態では、試薬コンパートメント250は、ストップコックの内腔に挿入することができる。試薬コンパートメント250の遠位先端258の外径は、開いたメス型ルアーコネクタの外径と互換性がある。遠位端258は、オス型ルアーコネクタおよび閉じたメス型ルアーコネクタで圧縮することができる。圧縮すると、封入された消毒剤または抗菌剤は、バルブコンパートメント260内に後退する。
【0134】
遠位先端258は、デバイス200をオスまたはメス型コネクタ上に取り付ける際に、オスまたはメス型ルアーコネクタの入口ポートに押し付けられて、消毒剤または抗菌剤の侵入を遮断する。
【0135】
1つまたは複数の実施形態では、
図20aおよび20bに示すように、カップリングシリンダ230、試薬コンパートメント250およびバルブコンパートメント260は機械的に接続することができ、単一の実体として形成することができる。1つまたは複数の実施形態では、バルブコンパートメント260と試薬コンパートメント250との境界は、超音波溶接または接着剤によって接合され得る。代替の実施形態では、カップリングシリンダ230、試薬コンパートメント250、およびバルブコンパートメント260は、3つの構造的に異なる構成要素を構成する。
【0136】
1つまたは複数の実施形態では、デバイスは、キャップ本体220の開いた遠位端224に取り外し可能または剥離可能なシールをさらに含み、遠位先端258、内部空洞、および開いた遠位端の無菌性を維持し得る。1つまたは複数の実施形態では、取り外し可能または剥離可能なシールは、アルミニウムまたは多層ポリマーフィルムの剥し上部を含み得る。
【0137】
本開示のデバイス10、200および200の実施形態は、エラストマー材料のコンプライアンスおよびそのようなエラストマー材料によって封入された空間の圧縮性を活用する。この設計は、エラストマー材料を使用して、異なるタイプのルアーフィッティングを収容することができ、および、さまざまなタイプのルアーコネクタの洗浄ニーズに適合する方法で消毒用の抗菌材料を放出することができる、消毒キャップのニーズに適合する構成要素を形成することに基づく。本開示の実施形態はまた、コンプライアント材料を剛性材料と組み合わせて、様々な形状に適合するように変形可能でありながら、コネクタへの取り付けの側面および消毒の空間を密封する側面の両方の必要性を満たすための構造強度を維持する複合材料を作成し、抗菌試薬の漏れの防止と、および汚染を軽減するための機械的バリアの作成の両方を実現する。
【0138】
1つまたは複数の実施形態では、本開示のデバイス10、100、および200は、当技術分野で十分に理解されている特性の射出成形または成形同時充填技術に従って製造され得る。
【0139】
成形同時充填プロセスの概念は、機械内の無菌の密閉された領域に人間が介入することなく、容器が単一の容器として連続的に形成、充填、およびシールされることである。成形同時充填製造は、単一のステップで、金型内にパリソンを押し出して形成し、容器を充填し、容器を密封することにより、密閉容器を形成する。この製造プロセスにより、デバイスを単一のプロセスで製造することができる。たとえば、医薬品グレードの樹脂はチューブに押し出され、次いでバルブコンパートメントおよび試薬コンパートメント内に形成される。新しく形成されたバルブコンパートメントおよび試薬コンパートメントにマンドレルが挿入され、充填される。次いで、バルブコンパートメントおよび試薬コンパートメントが密閉され、キャップ本体と結合され、これらはすべて、滅菌され、覆われたチャンバー内にある。次いで、デバイスは梱包と流通のために非滅菌エリアに排出される。この成形同時充填技術は、2つの共作用する第1またはメインの金型の半分の間およびそれを通る中空管の形態の、パリソンの長さの押出機ヘッドを通って、連続的に押し出すことを備える。この方法は、押出機ヘッドの下およびメイン金型の半分の上にあるパリソンを切断して開口部を作成するステップを含み、これにより、ブローおよび充填ノズルアセンブリをパリソンの開口部に下向きに移動させ、成形し、その後、成形されたバルブコンパートメントと試薬コンパートメントを満たすことを可能にする。容器アセンブリの容器部分が所望の量の液体消毒剤または抗菌剤で満たされると、ブローおよび充填ノズルアセンブリは、パリソンの開口部から格納される。別個の一対の協働する第2または上部シーリング金型の半分が、次いで、パリソンの露出した長さの周りで共に移動され、バルブコンパートメント上部を形成およびシールする。次に、完全に形成され、充填され、単一構造として密封された完成したアセンブリが、成形装置から運び出される。
【0140】
本開示の実施形態は、無針コネクタ、IVライン/延長部上のオス型ルアーコネクタ、ストップコックの開放型メス型ルアー、および消毒目的の血液透析コネクタを含むアクセスポートとともに使用され得る。いくつかの実施形態では、コネクタは、無針注射部位を備え、これは、無針注射ポート、ハブ、弁、もしくはデバイス、または無針アクセス部位、ポート、ハブ、弁、もしくはデバイスとしてしばしば参照され得る。1つまたは複数の実施形態において、メス型ルアーコネクタは、無針コネクタ、ストップコック、または血液透析コネクタであり得る。1つまたは複数の実施形態では、無針コネクタは、Q―Syte connector、MaxPlus、MaxPlus Clear、MaxZero、UltraSite、Caresite、InVision―Plus、Safeline、OneLink、V―Link、ClearLink、NeutraClear、Clave、MicroClave、MicroClave Clear、Neutron、NanoClave、Kendall、Nexus、InVision、Vadsite、Bionector、などから選択される。1つまたは複数の実施形態において、オス型コネクタは、静脈内チューブ端またはストップコックであり得る。
【0141】
いくつかの実施形態では、本開示のデバイス10、100、および200は、以前にリストされたような、任意の様々な異なる無針注射部位に接続することができる。本開示のデバイス10、100および200の使用は、コネクタを洗浄するための標準的な綿棒(swabbing)プロトコルに取って代わる。
【0142】
本明細書全体における「一実施形態」、「ある特定の実施形態」、「1つまたは複数の実施形態」または「ある実施形態」に対する言及は、実施形態に関連して記載されている特定の特色、構造、材料、または特徴が本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれていることを意味する。すなわち、「1つまたは複数の実施形態において」、「特定の実施形態において」、「1つの実施形態において」または「実施形態において」のような語句の、本明細書全体の様々な場所における出現は、必ずしも、本開示の同一の実施形態を指しているとは限らない。さらに、特定の特徴、構造、材料、または特色は、1つまたは複数の実施形態において任意の適当な様式で組み合わされ得る。
【0143】
本開示は特定の実施形態を参照して記載されているが、これらの実施形態は本開示の原理及び応用の例示に過ぎないことが理解されるべきである。本発明の精神および範囲から逸脱することなく、様々な修正および変形を本開示の方法および装置に対して行うことができることは、当業者にとって明らかであろう。従って、本開示は、添付の特許請求の範囲およびその等価物の範囲内である修正および変形を含むことが意図される。