(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024022686
(43)【公開日】2024-02-19
(54)【発明の名称】断熱構造体とその製造方法
(51)【国際特許分類】
B60R 13/02 20060101AFI20240209BHJP
F16L 59/02 20060101ALI20240209BHJP
【FI】
B60R13/02 A
F16L59/02
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2022133680
(22)【出願日】2022-08-06
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-03-15
(71)【出願人】
【識別番号】000170808
【氏名又は名称】黒田 重治
(72)【発明者】
【氏名】黒田 重治
【テーマコード(参考)】
3D023
3H036
【Fターム(参考)】
3D023BA05
3D023BB02
3D023BB30
3D023BC01
3H036AA09
3H036AB20
3H036AB26
3H036AC03
3H036AD01
(57)【要約】
【課題】車両の天井部分に配置される安価な断熱構造体を提供すること。
【解決手段】車両の天井部分に配置される断熱構造体であり、断熱材と、上記断熱材の一方の面に差し込まれた複数のスペーサと、を有し、上記車両の天井部分の空間の上面に上記スペーサの上部が接触し、上記空間の下面に上記断熱材が位置する断熱構造体を用いる。また、上記スペーサは、上記上部がお椀形状で、下部がピン状である上記断熱構造体を用いる。さらに、上記断熱材は、分離可能で積層された複数の層状体である上記断熱構造体を用いる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の天井部分に配置される断熱構造体であり、
断熱材と、
前記断熱材の一方の面に差し込まれた複数のスペーサと、を有し、
前記車両の天井部分の空間の上面に前記スペーサの上部が接触し、
前記空間の下面に前記断熱材が位置する断熱構造体。
【請求項2】
前記スペーサは、前記上部がお椀形状で、下部がピン状である請求項1記載の断熱構造体。
【請求項3】
前記断熱材は、分離可能で積層された複数の断熱シートである請求項1記載の断熱構造体。
【請求項4】
前記断熱材の場所により前記ピン状の下面の位置が、前記断熱材の厚み方向で異なる請求項2記載の断熱構造体。
【請求項5】
前記断熱材の上下面の前記断熱シートは、1枚のシートであり、内部の前記断熱シートは、複数枚のシートが、前記断熱シートの表面に平行方向に配置されている請求項3記載の断熱構造体。
【請求項6】
前記断熱材は、ダンボールのみからなる請求項1記載の断熱構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、断熱構造体とその製造方法に関する。特に、断熱シートを用いる車両の断熱構造体とその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車の断熱構造として、特許文献1のものがあった。特許文献1では、真空断熱材を用いるものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の断熱構造では、真空断熱材という高価で重い断熱材を用いる必要があった。
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、安価で軽い断熱構造体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記従来の課題を解決するために、車両の天井部分に配置される断熱構造体であり、断熱材と、前記断熱材の一方の面に差し込まれた複数のスペーサと、を有し、前記車両の天井部分の空間の上面に前記スペーサの上部が接触し、前記空間の下面に前記断熱材が位置する断熱構造体を用いる。
【発明の効果】
【0006】
本発明の断熱構造体は、安価で軽い断熱構造体である。熱の伝達を防ぎ、温度上昇が抑えられ、冷却するエネルギーを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図5】(a)~(c)実施の形態の天井部分の断面図
【
図6】(a)~(d)実施の形態の天井部分の組み立てを説明する断面図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態)
図1で実施の形態の断熱材10の使用場所を説明する。車両100の天井部分11に断熱材10を配置する。
車両100の天井は、太陽光で非常に加熱され、熱くなる。その結果、その熱が車両100の内部空間の温度を上げる。
【0009】
車両100は、乗用車、トラック、バスなど自動車、重機、電車などである。
天井部分11は、車両100の室内の天井と、車両の天井の鉄板との間の空間である。
天井部分11(天井の空間)の拡大断面図を
図2に示す。断熱材10が空間の下部にあり、上部にスペーサ12が位置する。スペーサ12は、断熱材10上部の空間を確保する。
【0010】
断熱材10は、層状体である。好ましくは、複数の断熱シート15が積層されている。また、分離可能に積層されているのがよい。断熱シート15は、たとえば、ダンボールである。フルートが1層でも複層でもよい。
【0011】
図3に断熱構造体50の平面図を示す。
図4にスペーサ12の斜視図を示す。
断熱構造体50は、シート状の直方体である。少なくとも4コーナーにスペーサ12を有する。中央にさらにスペーサ12があるとさらによい。
スペーサ12は、上部12aと下部12bとを有する。上部12aは、お椀形状、ロート形状であり、円錐、角錐の内側が空間となっている。下部12bは、針、ピン形状である。棒の形状でもよい。スペーサ12は、樹脂製が熱を伝えにくいので好ましい。スペーサ12は、天井部分11の上面に錐形状の一部で接触する。熱を受け取らないようにしている。
【0012】
断熱材10に、スペーサ12が差し込まれ使用される。
図5(a)~
図5(c)の断熱構造体50において、断熱材10の変形例である。
図5(a)、
図5(b)では、スペーサ12が、断熱材10の場所により、厚み方向で位置が異なる。断熱材10と天井部分11の上面との距離により異なる。断熱材10は、3つの断熱シート15の積層体である。
図5(c)では、断熱材10において、断熱材10の内側の層、断熱シート15が、一部分にしかない。これは、あまった断熱材シート15を利用するためである。断熱材10の最外周(上下面)の両面の断熱シート15は、1枚の大きなシート状である。内側(内部)の断熱シート15は、複数枚の断熱シート15からなる。複数の断熱シートは、断熱材の面方向に平行に配置されている。
【0013】
<組み立て>
図6(a)~
図6(c)で断熱構造体50の組み立て(製造方法)を説明する。
図6(a)は、車両の天井部分11の断面図である。室内側に開閉部62がある。開閉部62は、支え部61で支えられている。さらに支え部61の先端のネジなどで開閉部62が固定されている。
開閉部62は、板状の部材である。天井の全体を覆う。開閉部62を支え部61から外し、
図6(b)の断熱材10とスペーサ12とをセットしたものを天井に配置する。その後、開閉部62で断熱材10の下面を押しつつ、支え部61へ開閉部62を固定する。
【0014】
断熱材10上にスペーサ12は、下部11bが断熱材10に入り込み、上部11aは、断熱材10の上面より上に位置する。
断熱材10が、天井部分11へセットされた後は、
図6(c)のように、上部11aは、断熱材10へ入り込む。断熱材10の場所によりスペーサ12の入り込み方が異なる。すなわち、スペーサ12の最下面の位置が異なる。
結果、天井部分11の空間にしっかりと断熱材10が固定され、太陽光で熱くなった天井の熱を直接、室内へ伝達せず、放射熱も防護できる。スペーサ12で確実に、天井と断熱材10との距離を保ち、熱伝導をなくす。層構造、断熱シートなので層間、シート間の熱伝導を低くでき熱を伝えない。
なお、スペーサ12は、
図6(d)のように最低、断熱材10の長方形のコーナの4カ所にあればよい。
【産業上の利用可能性】
【0015】
本発明の断熱構造体は、車両以外にも、各種乗り物、飛行機、船舶などの天井部分に使用できる。
【符号の説明】
【0016】
10 断熱材
11 天井部分
12 スペーサ
12a 上部
12b 下部
15 断熱シート
61 支え部
62 開閉部
100 車両
【手続補正書】
【提出日】2022-12-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の天井部分に配置される断熱構造体であり、
断熱材と、
前記断熱材の一方の面に差し込まれた複数のスペーサと、を有し、
前記車両の天井部分の空間の上面に前記スペーサの上部が接触し、
前記空間の下面に前記断熱材が位置する断熱構造体であり、
前記スペーサは、前記上部がお椀形状で、下部がピン状である断熱構造体。
【請求項2】
前記断熱材は、分離可能で積層された複数の断熱シートである請求項1記載の断熱構造体。
【請求項3】
前記断熱材は、ダンボールからなり、
前記断熱材の場所により前記ピン状の下面の位置が、前記断熱材の厚み方向で異なる請求項1記載の断熱構造体。
【請求項4】
前記断熱材の上下面の前記断熱シートは、1枚のシートであり、内部の前記断熱シートは、複数枚のシートが、前記断熱シートの表面に平行方向に配置されている請求項2記載の断熱構造体。
【請求項5】
前記お椀形状の上部が、前記断熱材に入り込んでいる請求項1記載の断熱構造体。