(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024022716
(43)【公開日】2024-02-21
(54)【発明の名称】電気電子機器収納用箱
(51)【国際特許分類】
H05K 7/18 20060101AFI20240214BHJP
【FI】
H05K7/18 A
H05K7/18 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022126002
(22)【出願日】2022-08-08
(71)【出願人】
【識別番号】000227401
【氏名又は名称】日東工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001977
【氏名又は名称】弁理士法人クスノキ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森田 吉範
(57)【要約】
【課題】電気電子機器収納用箱の移動の利便性を高めるとともに、部品点数を抑制しつつ、セキュリティ性を確保できるようにすること。
【解決手段】配線の引き込み又は吸排気に利用可能な開口部21aと、開口部の周辺で表面から内側に凹ませた凹み部と、を有する側板と、電気電子機器収納用箱の内側でスライド移動することで開口部を開閉可能なスライドパネル22と、を備え、凹み部には、電気電子機器収納用箱の外側からスライドパネルを固定する際に用いるパネル固定部を挿通可能な貫通孔21baを備え、スライドパネルを開方向に移動させて開口部が閉じた状態から開いた状態とする前に、開方向とは異なる方向にスライドパネルを移動させる設定とすることが可能な構成とする。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配線の引き込み又は吸排気に利用可能な開口部と、開口部の周辺で表面から内側に凹ませた凹み部と、を有する側板と、
電気電子機器収納用箱の内側でスライド移動することで開口部を開閉可能なスライドパネルと、
を備え、
凹み部には、電気電子機器収納用箱の外側からスライドパネルを固定する際に用いるパネル固定部を挿通可能な貫通孔を備え、
スライドパネルを開方向に移動させて開口部が閉じた状態から開いた状態とする前に、開方向とは異なる方向にスライドパネルを移動させる設定とすることが可能な電気電子機器収納用箱。
【請求項2】
側板の内側に突出した突出部と、突出部が挿入されるスライド孔部と、がスライドパネルのスライド移動をガイド可能とし、
スライド孔部に、スライドパネルが開方向に移動するようにガイドする第一孔部を備えるとともに、第一孔部と接続し、スライドパネルを開方向とは異なる方向に移動するようにガイドする第二孔部を備える請求項1に記載の電気電子機器収納用箱。
【請求項3】
第二孔部を第一孔部との接続部よりも上方に延びるように設けた請求項2に記載の電気電子機器収納用箱。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかの電気電子機器収納用箱と、その隣に連結する連結用電気電子機器収納用箱とを備えた電気電子機器収納用連結構造体であって、
連結用電気電子機器収納用箱は隣接する電気電子機器収納用箱の側板が配置されている側の側面を、隣接する電気電子機器収納用箱の側板の凹み部を視認可能な開放構造とした電気電子機器収納用連結構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気電子機器収納用箱に関するものである。
【背景技術】
【0002】
多数の電気機器や電子機器を収納したラック型の電気電子機器収納用箱は、特に通信の分野において広く使用されている。このような電気電子機器収納用箱はデータセンター等において多数の箱体を隣接させて列状に密着配置し、電気機器からの配線を隣接する電気電子機器収納用箱に引き込む必要がある場合がある。このため特許文献1に示すように、電気電子機器収納用箱の側板に、隣接する他の電気電子機器収納用箱に配線を引き込むための配線用の開口部、あるいは換気用の開口部を形成することが行われている。隣り合う箱体の使用者が同一である場合には、この開口部を通して通信ケーブルや電源ケーブルが配線される。しかし隣り合う箱体の使用者が異なる場合には、セキュリティが求められるため、特許文献1では開口部を鎖錠機能を備えたスライドパネルをスライド可能に保持させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【0004】
ところで、特許文献1に開示の構造では、スライドパネルを外側から固定する開閉規制部や固定ねじ、スライドパネル自体が側板から突出する構成である。このため、電気電子機器収納用箱が連結されるように並べられた場合、そのような突出する部分が隣の電気電子機器収納用箱と干渉してしまうおそれがある。また、電気電子機器収納用箱が3つ以上連結されるように並べられた場合、中間に位置する電気電子機器収納用箱を前後方向や上方にスライド移動させるようとしても、そのような突出する部分が隣の電気電子機器収納用箱と干渉してしまい、取り外しが困難となってしまう場合があった。また、セキュリティ性を確保しようとすると、スライドパネルを取り付ける際の部品点数の増加が問題となることがあった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本件の発明者は、この点について鋭意検討することにより、解決を試みた。本発明が解決しようとする課題は、電気電子機器収納用箱の移動の利便性を高めるとともに、部品点数を抑制しつつ、セキュリティ性を確保できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、配線の引き込み又は吸排気に利用可能な開口部と、開口部の周辺で表面から内側に凹ませた凹み部と、を有する側板と、電気電子機器収納用箱の内側でスライド移動することで開口部を開閉可能なスライドパネルと、を備え、凹み部には、電気電子機器収納用箱の外側からスライドパネルを固定する際に用いるパネル固定部を挿通可能な貫通孔を備え、スライドパネルを開方向に移動させて開口部が閉じた状態から開いた状態とする前に、開方向とは異なる方向にスライドパネルを移動させる設定とすることが可能な電気電子機器収納用箱とする。
【0007】
また、側板の内側に突出した突出部と、突出部が挿入されるスライド孔部と、がスライドパネルのスライド移動をガイド可能とし、スライド孔部に、スライドパネルが開方向に移動するようにガイドする第一孔部を備えるとともに、第一孔部と接続し、スライドパネルを開方向とは異なる方向に移動するようにガイドする第二孔部を備える構成とすることが好ましい。
【0008】
また、第二孔部を第一孔部との接続部よりも上方に延びるように設けた構成とすることが好ましい。
【0009】
また、電気電子機器収納用箱と、その隣に連結する連結用電気電子機器収納用箱とを備えた電気電子機器収納用連結構造体であって、連結用電気電子機器収納用箱は隣接する電気電子機器収納用箱の側板が配置されている側の側面を、隣接する電気電子機器収納用箱の側板の凹み部を視認可能な開放構造とした電気電子機器収納用連結構造体とすることが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明では、電気電子機器収納用箱の移動の利便性を高めるとともに、部品点数を抑制しつつ、セキュリティ性を確保することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施形態における電気電子機器収納用箱の斜視図である。
【
図3】実施形態における側板と開口部と凹み部とスライドパネルと雄ねじの関係を示す断面図である。
【
図4】三つ並んだ電気電子機器収納用箱の中央の電気電子機器収納用箱を前側にずらして取り出す例を示す図である。なお、太矢印が電気電子機器収納用箱の移動方向を示している。
【
図5】実施形態の電気電子機器収納用箱の内側から見たスライドパネル周りを示す斜視図である。
【
図6】実施形態の電気電子機器収納用箱の内側から見たスライドパネルの上部に位置するスライド孔部周りを示す斜視図である。ただし、スタッドボルトからナットを取り外した状態を表している。
【
図7】
図5に示す状態からスライドパネルを水平方向にスライドさせた状態を示す図である。なお、太矢印がスライドパネルの移動方向を示している。
【
図8】実施形態におけるスライドパネルを開方向に移動させて開口部が閉じた状態から開いた状態とする流れの例を示す図である。ただし(a)は、スライドパネルが側板に固定されている状態を表している。(b)は、側板とスライドパネルの固定を解除しスライドパネルを持ち上げた状態を表している。(c)は、スライドパネルを開方向に移動させて開口部の一部が見えた状態を表している。(d)は、スライドパネルを開方向に移動させきった後の状態を表している。
【
図9】
図8とは異なる形状のスライド孔の例を示す図である。
【
図12】
図11に示す拡大孔部に嵌め込み可能な張出部を備えたナットの例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に発明を実施するための形態を示す。
図1乃至
図3に示されていることから理解されるように、実施形態の電気電子機器収納用箱1は、配線の引き込み又は吸排気に利用可能な開口部21aと、開口部21aの周辺で表面から内側に凹ませた凹み部21bと、を有する側板21と、電気電子機器収納用箱1の内側でスライド移動することで開口部21aを開閉可能なスライドパネル22と、を備え、凹み部21bには、電気電子機器収納用箱1の外側からスライドパネル22を固定する際に用いるパネル固定部を挿通可能な貫通孔21baを備えている。また、スライドパネル22を開方向に移動させて開口部21aが閉じた状態から開いた状態とする前に、開方向とは異なる方向にスライドパネル22を移動させる設定とすることが可能である。このため、電気電子機器収納用箱1の移動の利便性を高めるとともに、部品点数を抑制しつつ、セキュリティ性を確保することが可能となる。
【0013】
ここで、実施形態の電気電子機器収納用箱1について説明をする。実施形態の電気電子機器収納用箱1は、内部に電気機器や電子機器を収納可能な筐体2と、筐体2の内部への出入りを可能とする開口を塞ぐことができるように筐体2に取り付けられた扉3と、を備えている。
【0014】
また、電気電子機器収納用箱1の筐体2には側板21が備えられている。
図1に示す例では、直方体状に組んだフレーム23に対して側板21が取り付けられている。側板21は、配線の引き込みまたは吸排気に利用可能な開口部21aを備えている。
図1に示す例では、電気電子機器収納用箱1の右側に位置する側板21に六個の開口部21aが設けられており、高さ方向と奥行き方向に分散するように開口部21aが設けられている。
【0015】
また、この開口部21aを塞ぐことが可能なスライドパネル22が側板21に対して移動可能に取り付けられている。このスライドパネル22は電気電子機器収納用箱1の内側面と対向するように側板21に取り付けられている。このため、スライドパネル22が電気電子機器収納用箱1の外側に突出しないようにすることが可能となる。
【0016】
また、実施形態のスライドパネル22は電気電子機器収納用箱1の外側から固定することが可能であるが、これは、凹み部21bに備えた貫通孔21baに挿通可能なパネル固定部を用いて行うことができる(
図2及び
図3参照)。
図3でパネル固定部として用いられるのは、雄ねじ41であり、雄ねじ41をスライドパネル22に備えたねじ穴22bと螺合することで、スライドパネル22の固定を電気電子機器収納用箱1の外側から行うことができるようにしている。なお、この固定はスライドパネル22の設けたねじ穴22bと凹み部21bに備えた貫通孔21baが適切に対向する位置にある場合になすことができる。
【0017】
パネル固定部を用いてスライドパネル22の固定を行う場合、パネル固定部は凹み部21bに少なくともその一部が位置することになるため、側板21の表面側にパネル固定部が突出することを抑制することができる。パネル固定部が側板21の表側に突出しないように構成するのがより好ましいが、そのような構成でなくても、パネル固定部の側板21の表面側への突出量を抑制することは可能となる。
【0018】
スライドパネル22が電気電子機器収納用箱1の内側に位置するとともに、そのスライドパネル22を電気電子機器収納用箱1の外側から固定するために用いられるパネル固定部の少なくとも一部が凹み部21bに位置するように構成することで、複数の電気電子機器収納用箱1が隣接配置された状態において、その両端以外の電気電子機器収納用箱1を、前後方向や上下方向に移動させようとしても(
図4参照)、パネル固定部が隣の電気電子機器収納用箱1に引っ掛かる可能性を抑制することができる。また、逆に、既に設置された電気電子機器収納用箱1の間に新たに電気電子機器収納用箱1を設置しようとしても、既設の電気電子機器収納用箱1に引っ掛かる可能性を抑制することができる。
【0019】
パネル固定部として用いるのは雄ねじ41である必要はなく、爪部を備えるラッチなどでもよい。パネル固定部は、これらの例に限らず、どのようなものであっても良いが、電気電子機器収納用箱1の外側からは操作できるが、内側からは操作が困難なものであるのが好ましい。そのようにすれば、パネル固定部を用いたスライドパネル22の固定を解除できるのは、電気電子機器収納用箱1の外側からのみとなり、電気電子機器収納用箱1の内側から勝手に解除することができないため、セキュリティ性を向上させることが可能となる。
【0020】
ところで、実施形態では、スライドパネル22は開口部21a毎に設けられており、
図1に示す例では、一枚の側板21に六個の開口部21aが設けられるとともに、六個のスライドパネル22が移動可能に取り付けられている。ただし、一個のスライドパネル22で複数の開口部21aを覆うことができるようにしてもよい。
【0021】
また、
図1に示す例では、側板21の前側に位置するスライドパネル22は後側にスライドして、開口部21aが開いた状態とさせるようにしており、側板21の後側に位置するスライドパネル22は前側にスライドして、開口部21aが開いた状態とさせるようにしている。つまり、前後に位置するスライドパネル22は、開口部21aが開いた状態とさせる場合に、逆方向にスライドさせるように構成されている。ただし、スライドパネル22が開く方向をこのような構成とする必要はない。例えば、前後に位置するスライドパネル22は、開口部21aが開いた状態とさせる場合に、同方向にスライドさせるように構成してもよい。
【0022】
ところで、部品点数を抑制するためにも電気電子機器収納用箱1は、側板21の内側に突出した突出部と、突出部が挿入されるスライド孔部22aと、がスライドパネル22のスライド移動をガイド可能とし、スライド孔部22aに、スライドパネル22が開方向に移動するようにガイドする第一孔部22aaを備えるとともに、第一孔部22aaと接続し、スライドパネル22を開方向とは異なる方向に移動するようにガイドする第二孔部22abを備える構成とするのが好ましい(
図5から
図8参照)。
【0023】
より詳しくは、電気電子機器収納用箱1は、側板21の内側に突出した突出部を備えるとともに、スライドパネル22には、挿入された突出部が移動可能なスライド孔部22aを備え、スライド孔部22aとスライド孔部22aに挿入された突出部がスライドパネル22のスライド移動をガイド可能とし、スライド孔部22aは、スライドパネル22が開方向に移動するようにガイドする第一孔部22aaと、第一孔部22aaと接続し、スライドパネル22を開方向とは異なる方向に移動するようにガイドする第二孔部22abと、を備える構成とするのが好ましい。
【0024】
図6に示す例では、突出部として機能させるために、側板21にスタッドボルト42を設けている。スライドパネル22は、このスタッドボルト42がスライド孔部22aに挿通した状態となるように配置され、スライドパネル22の移動範囲を規制できるようにしている。
【0025】
図5から
図8に示す例では、スライド孔部22aは開方向に延びる第一孔部22aaを備え、かつ、第一孔部22aaの端部から開方向とは異なる方向に延びる第二孔部22abを設けている。このような構成であるため、スライドパネル22をいったん開方向と異なる方向に動かしてから開方向に移動させるものとなっている。このスライド孔部22aは電気電子機器収納用箱1の外側からは見えないため、不審者が外側からスライドパネル22を操作しようとしても、その動かし方が直ちに理解することができないようになっている。したがって、セキュリティ性を高めることができる。
【0026】
また、第二孔部22abを第一孔部22aaとの接続部よりも上方に延びるように設けた構成とするのが好ましい。このようにすれば、スライドパネル22を開方向に移動させて開口部21aが閉じた状態から開いた状態とする場合、まず、スライドパネル22を持ち上げ、その上で開方向側に移動方向を切り替えることが必要になる。このため、作業手順を知らない者は、スライドパネル22を開ける作業をしにくくなる。
【0027】
図5から
図8に示す例の第二孔部22abは第一孔部22aaの延びる方向と90度をなす方向に延びるように設けられている。また、この例では、第二孔部22abが第一孔部22aaの端部から二方向に延びるように構成されている。このため、スライドパネル22を開方向に動かすためには、スライド孔部22aに挿入された突出部が、第二孔部22abの途中の位置にくるようにスライドパネル22を動かし、その状況から突出部が第一孔部22aa内に位置するようにスライドパネル22を移動させなければならない。このため、その構造を知らない人は、その動かし方を直ちに理解することができない。
【0028】
このようなことを可能とするためにも、スライド孔部22aの第一孔部22aaは、第二孔部22abの途中の位置から分岐するように構成されているのが好ましい。また、スライド孔部22aの第一孔部22aaは、第二孔部22abの直線状の部分の途中の位置から分岐するように構成されているのが好ましい。
【0029】
図5から
図8に示すスライド孔部22aの例では、第一孔部22aaの両端に第二孔部22abを設けている。このようにすれば、スライドパネル22を開方向に移動させる際の方向を逆にしたい場合でも対応することができる。このため、あらかじめ、右開き用のスライドパネル22と左開き用のスライドパネル22を分けて作る必要がない。
【0030】
ところで、
図5から
図8に示す例では、突出部となるスタッドボルト42にナット43を螺合させることができる。このナット43を締め付ければ、電気電子機器収納用箱1の内側からスライドパネル22を固定することができる。このナット43は電気電子機器収納用箱1の外側から操作ができないため、このナット43を用いてスライドパネル22を固定した場合、電気電子機器収納用箱1の外側からスライドパネル22を開けることは困難となる。実施形態では、電気電子機器収納用箱1の内側からのみスライドパネル22を固定する手段と、電気電子機器収納用箱1の外側からのみスライドパネル22を固定する手段の双方を備えているため、セキュリティ性を高めることが可能となる。
【0031】
ところで、スライド孔部22aは
図8に示した例に限る必要はない。例えば、
図9に示すことから理解されるように、第一孔部22aaを複数設け、その間を繋ぐように第二孔部22abを設けても良い。また、
図10に示すことから理解されるように、第一孔部22aaを複数設け、その間を繋ぐように第二孔部22abを設け、更にスライド孔部22aの端部に第二孔部22abを備えるように構成しても良い。
【0032】
もちろん、スライド孔部22aはその他の構成でもよい。例えば、第二孔部22abを直線状ではなく、複数回屈曲するように構成しても良いし、第一孔部22aaの端部から複数の第二孔部22abが枝分かれするように構成しても良いし、第二孔部22abが枝分かれするように構成しても良い。いずれにせよ、スライド孔部22aの形状を複雑化させることで、側板21の外側からのスライド移動による開口部21aの開放を困難とさせることができる。
【0033】
また、
図11に示すことから理解されるように、スライド孔部22aの端部などに拡大孔部22acを設けるようにしても良い。例えば、
図12に示すように、ナット43に張出部43aを設け、この張出部43aを拡大孔部22acに嵌め込んで固定するようにすれば、電気電子機器収納用箱1の内側からスライドパネル22を固定する場合に、スライドパネル22が適切な位置で固定されることが把握しやすくなる。また、ナット43を締め付けた後のスライドパネル22の移動を抑制しやすくなる。
【0034】
ところで、電気電子機器収納用箱1を並べて配置する場合に、電気電子機器収納用箱1と、その隣に連結する連結用電気電子機器収納用箱とを備えた電気電子機器収納用連結構造体としてもよい。この場合、連結用電気電子機器収納用箱は隣接する電気電子機器収納用箱1の側板21が配置されている側の側面を、隣接する電気電子機器収納用箱1の側板21の凹み部21bを視認可能な開放構造とするのが好ましい。
【0035】
このような構成の場合、連結用電気電子機器収納用箱1の部材を減らすことができる。また、この場合、電気電子機器収納用箱1の内側からのみスライドパネル22を固定する手段と、電気電子機器収納用箱1の外側からのみスライドパネル22を固定する手段の双方を備えている構成とすることが好ましい。
【0036】
以上、実施形態を例に挙げて本発明について説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されることはなく、各種の態様とすることが可能である。
【符号の説明】
【0037】
1 電気電子機器収納用箱
21 側板
21a 開口部
21b 凹み部
21ba 貫通孔
22 スライドパネル
22a スライド孔部
22aa 第一孔部
22ab 第二孔部